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北朝鮮危機 「虚飾の政権」金体制 不満抑圧 組織化されず (読売 1月31日 朝刊) [要約]米朝の緊張が高まって、金正日が軍前線部隊をさかんに視察している。しかし4年前に北朝鮮軍から韓国に亡命した中佐は、「金正日の視察は部隊にとって名誉だが、軍団長から兵士まで銃器から銃弾まで、雷管と撃針まではずされ、近隣部隊も砲口を逆方向に向け、ワイヤーで固定されていた」と話し、金正日は軍による暗殺や反乱を警戒していた。金正日は軍をまったく信用していないと指摘する。91年に韓国に亡命した元北朝鮮外交官は、「金正日が力を持った70年代から、党幹部の自宅や自動車まで盗聴器が仕掛けられた。その頃から収容所が急増し、今までの収容者数は300万人に上がる」と話す。しかし北朝鮮では国家の監視が厳しく、国民に不満があっても反乱や暴動は起きないという。

[コメント]この特集企画を読んで、なんだかホットした気持ちになった。私は今までマスコミに何度も、北朝鮮が外に向かって戦争を起こせるような国ではないことを話してきた。しかしそんな分析は簡単に無視された。あくまで北朝鮮が大軍事力で、韓国や日本を攻める話の方が面白いからだ。
 すでに北朝鮮でクーデターの計画が発覚している。地方の都市では食糧庫を襲う食糧暴動も起きている。北朝鮮の支配体制末期を示す兆候とは、政府の高官や特権階級が脱北する時です。その階層が韓国に亡命を始めています。戦車や航空機など、戦争を起こせるような状態ではありません。すでに部隊では戦争備蓄米まで食べ始めています。日本がテポドンやノドンに怯える必要はまったくありません。そのような分析が無視されたのだ。私が99年に出版した「北朝鮮 99の極秘情報」(二見文庫刊)には、そのように哀れな北朝鮮の実態を詳細に書き込んだ。しかし軍事を理解しょうとしない朝鮮半島分析の専門家たちは、その意味するところが理解できなかったようだ。(当時、毎日新聞の編集委員で、朝鮮半島問題のスペシャリストだった重村さん(現・拓大教授)は、この本に高い評価をして頂いた。うれしかった)
 しかし最近になって、やっとマスコミもそのような現実に目が向いてきた。私はこの読売新聞の特集に期待している。なぜか同士を得たような気持ちである。今まで私の胸に詰まっていたものが、新鮮になってこの紙面にあふれているように感じる。明日の朝、この第2回目の記事を読むのが楽しみである。
在日米軍 NLP移転 広島沖検討 厚木代替 (毎日 1月30日 朝刊) [要約]米空母艦載機の夜間離発着訓練(NLP)を厚木基地から移転させる問題で、広島県の沖美町にある大黒神島(無人島)が候補として検討されていることがわかった。三宅島は火山活動が終焉しないことから見送られことになった。大黒神島は瀬戸内海最大の無人島で、ここに2000〜2500メートル級の滑走路と、宿舎を新設する構想だ。米軍側は厚木から160キロ以内という移転条件を緩和することを日本政府に打診してきた。

[コメント]この移転計画はまさに本命である。岩国基地拡張工事がまもなく終わる。その次に大黒神島に2000〜2500メートルの滑走路が新設されれば、この一帯の米軍の基地機能は飛躍的に向上する。米軍にとっては願ってもない基地強化となるだろう。
 これこそ岩国基地が、朝鮮半島向けの基地機能だったものから、中国軍を意識した基地改革に結びつくことになる。実は岩国基地にはもの凄い防衛ラインが張り巡らされている。山陰や山口、広島などや、九州北部の空港(民間)は、岩国基地を守るために建設されたといってもいい。海上自衛隊の呉基地も岩国を守るためといってもいい。九州や中国地方のレーダーサイトは、岩国基地を守るために配備されているといってもいい。アジア最大の米軍・川上弾薬庫(広島)は、岩国の戦力を高めるためにあるといってもいい。その近くに新たな2000メートルの予備滑走路が建設されれば、米軍は躍り上がって喜ぶだろう。
 この話を最も喜ぶ人はアミテージ国務副長官である。そういえば、最近、アミテージ氏に会った人がいる。広島県出身の国会議員で、岩国基地の拡張工事(埋め立て事業)にも盛んに名前が出てきた人である。まさかアミテージさんへの手土産代わりに、大黒神島のNLP基地建設を提案したなんてことはないですよね。これから広島や岩国周辺在住の記者の方は忙しくなります。なぜ岩国基地が今までの対朝鮮半島から、対中国戦略にシフトを変えることになるのか。これが謎を解くキーワードになります。
 岩国基地は空母が接岸できるように基地を拡張している。まさに北朝鮮が崩壊し、在日米軍が対中国シフトに転換し始める最初の変化になるだろう。(地図は大黒神島の位置を示したもの。この地図が正確なら、滑走路は南北に向かって建設される。すなわち岩国基地と同じ方位である
米大統領一般教書 イラク違反5日に証拠 独自攻撃辞さず (サンケイ 1月30日 朝刊) [要約]ブッシュ大統領は上下院合同会で、今年の施政方針を明らかにする一般教書演説を行なった。イラクに関しては、イラクの国連査察への欺瞞姿勢を批判するととに、パウエル国務長官が来月5日に、大量破壊兵器に関する確かな証拠を公表すると明らかにした。さらにこの問題を国連で議論すると話したが、米国が単独でもイラクを攻撃する意志があるとも述べた。北朝鮮に関しては、恐喝に屈しないとしたが、周辺国と協力して平和的な解決を追求することを確認した。

[コメント]昨日の夕刊各紙には、ほとんどの紙面に「5日に証拠公表」の見出しが使われていた。それほどアメリカが示す「イラク大量破壊兵器の証拠」に世界中の注目が集まっている。もし5日に、パウエル長官から的確な証拠が出なければ、アメリカの面目は丸つぶれである。イラク攻撃はアメリカの大暴走になってしまう。CIA不要論も出てくるだろう。反米テロが一気に激化することは必至である。
 ブッシュ大統領が単独でもやるというのは、国連無用論をあおって批判国(安保理・常任理事国)に危機感を与えるためである。アメリカは国連・安保理の承認無しに、単独でイラク攻撃はできない。それこそ泥沼の始まりであることを誰も知っている。
 それにしても、最近、ベトナム戦争の指導者たちをインタビューしたことを思いだす。ベトナム戦争が終わって7年目ぐらいだった。テレ朝の茅野さんがデレクター、インタビューしたのがハーバード大学の入江 昭教授。アメリカで1ヶ月半ぐらいかけて、ベトナム戦争の節々で活躍した人を訪ねてインタビューした。幸いにも、私はこの取材に同行させて頂いた。アメリカの政治家、軍人、大学教授、南ベトナムの副大統領や大臣、お話を聞いたのは20人ぐらいいたように思う。あのとき、私は全員に、「なぜアメリカはベトナムで勝てなかったのか」と聞いた。その答えは、全員が「アメリカはアメリカ式のデモクラシーが最高で、これを相手に与えれば、それで皆が幸せになると考えた。このデモクラシーに反対するものが敵だった。ベトナム独特の歴史や文化を考えなかった。アメリカにはベトナムを理解しょうとする心が足りなかった。それがアメリカが勝てなかった理由である」。
 このことは、このホームページにも書いたことがある。なぜかあの時のことを、最近になって思いだすことが多くなった。収録した数百時間にものぼる取材テープはどうなったのだろう。ちょうど放送日に、フォークランド紛争で英艦にエクゾセミサイルが命中し、放映は急遽30分に短縮された。あのインタビューは今も輝いていると思う。いや、こんな時代だからこそ、輝きを増していると思う。私の心の中ではどんどん輝きを増している。
普天間代替 協議会初会合 建設踏み込む 15年問題議論せず (朝日 1月29日 朝刊) [要約]28日、普天間基地の代替施設建設協議会の第一回会合が首相官邸で開かれた。会合には細田沖縄担当相ら5閣僚と、稲嶺沖縄県知事や岸本名護市長が出席した。28日の自民党総務会では、野中元幹事長が麻生政調会長を怒鳴りつけたこともわかった。麻生氏の沖縄での発言を、「歴代内閣の取り組みを無視するような発言だ」と怒ったからだ。第1回の建設協議会では、15年問題は話し合われず、会合はわずか20分で終了した。地元では保革を問わず、15年問題が不透明のまま、建設だけが進むことへの不満が高まっている。

[コメント]このコーナーで2日前に取り上げた麻生発言だが、野中氏は頭にきたらしい。しかし出来もしないことを無理やり決め、民意に妨げられて前に進まない事業なのに、異論を出すものを怒鳴りつけるとはなんとも悪質である。「約束(公約)を破ることなどたいしたことではない」と言い訳するつもりか。ここは頭を冷やして、もう一度、何ができるかよく考えて欲しい。普天間を見ると時代の動きと、政治がうまく機能していない見本のようだ。
 ところで返還された普天間基地の再開発計画はどうなっているのだろう。デズニーランドを誘致しても、もう来てくれないだろう。米軍基地の島である沖縄の未来は、普天間基地の再開発にかかっていると思う。これから普天間で何をするかだ。
パウエル長官 米独自の情報 1週間以内公表 (読売 1月28日 朝刊) [要約]パウエル長官は仏ル・モンド紙(28日付け)などの共同インタビューで、大量破壊兵器に関するイラクの安保理決議違反に関し、米国独自の情報を、「一週間以内に公表したい」と述べ、「米国情報機関の報告はよれば、わが国の危惧に根拠があることは明らかだ」と断定した。

[コメント]昨日の国連査察団の報告が、疑惑を黒に近い灰色としながらも、イラクの議決違反を明らかにできなかった。そこで国連査察団の報告後1週間以内に、米情報機関のイラク情報公表をするなら、それは国連の査察能力の低さをあざ笑うものになる。そのことをアメリカは考えていたのか。昨日発売のタイム誌にCIA筋の情報として、アメリカが間もなくイラクの違反証拠を提示すると書いている。アメリカはイラクが大量破壊兵器を隠している情報を、なかなか国連・査察団に伝えなかったのは、まだ中東派遣の兵力が現地に到着していないからと思っていた。そうではなく、国連の査察能力の低さと、アメリカ情報機関の調査能力の高さを世界に見せるためだったのか。まさにイラクのような国を相手では、国連査察は通用せず、アメリカの主張する武力査察(攻撃容認)が必要なことを証明したいのだ。
 もし1週間以内にアメリカから確実な証拠(生物・化学兵器の隠匿場所)が公表されれば、その報告を受けて、国連安保理はイラクへの武力容認の決議を行なうことになる。国際世論もフセインへの同情を変えるだろう。仮に2月1日にアメリカがこの情報を公開すれば、2月中旬に国連安保理で武力容認決議を得ることも可能だ。2月下旬の開戦が一気に現実となる。
韓国 「北崩壊」を想定し緊急対策 難民30万人流出 (サンケイ 1月27日 朝刊) [要約]韓国の総合雑誌「月刊朝鮮」1月号によれば、韓国では金正日体制が崩壊した場合を想定して、政府が緊急対策案を作成してことがわかった。金泳三大統領時代の97年7月に、「30日計画」と呼ばれるものである。それによれば、難民は韓国に20万人、中国に10万人の合計30万人と予測し、支援のための国際会議の構成や、日本からの食糧や財政支援を含めた対応策を構想していた。体制崩壊後に必要とするコメなどの食糧は、2ヶ月に70万トンが必要と想定し、日本の在庫米も取り引きについて日本政府と協議する必要があるとしている。また財政的負担として、約5兆2千億ウオン(5200億円)としている。南北の統一については、3年間の分離統制期を経て、統一にそなえた準備を行なうとしている。

[コメント]じつはこの件について、対策案の概要は知っていました。しかし詳細については知らされていませんでした。南北統一のために、韓国政府が専門の政策研究を始めたという情報です。しかし私が想定していたより、難民の規模が少ないように感じます。また統一までの期間を3年としたことは長いように思えます。しかし遅くとも、私は北京オリンピック開催の98年までには、南北が統一されていると考えています。来月、私の本が出版されることになりました。詳細はこの本で。(これは宣伝ではない)。宣伝はあとでたっぷり。
普天間移転 「常識的には嘉手納」 麻生自民政調会長 地元CATVで発言 (沖縄タイムス 1月27日 朝刊) [要約]自民党の麻生太郎自民党政調会長は沖縄のCATV(沖縄ケーブルテレビネットワーク)の討論番組で、「(普天間基地)移転先は常識的に嘉手納基地だ。滑走路が2本あり、駐機施設もある。名護市辺野古沖の埋め立てでななく、嘉手納基地統合が望ましい」と語った。15年使用期限問題は、「1兆円とか六千億円使って、15年でと言われたら厳しい。国民としては何を考えているということになる」と述べ、「半分でも沖縄県民のことを考えて使った方がいい」と述べた。(FAX情報)

[コメント]いい加減にキャンプ・シュワブ沖の埋め立て論を反故にしないと、沖縄の振興に重大な支障を及ぼすことになる。もう過去の経緯にこだわっている時ではない。県知事も市長も、それに住民も集まって、皆で現実を認識して欲しい。責任論や強硬論を主張しても、それで何かが好転することはない。それよりも皆で、沖縄の未来を考えてほしい。もう辺野古沖の埋め立て基地建設はあり得ない。
 それより普天間基地の土壌調査を緊急に行なって欲しい。例え返還されても、土壌の汚染(化学物質)で使えない可能性がある。(しかし表面の土を移し変えれば使いる) まずは土壌調査が先だ。この問題の責任は国にある。その費用は国が支払うことになる。
イラク危機 揺らぐ欧米同盟 (毎日 1月25日 朝刊) [要約]イラク攻撃の準に驀進するアメリカに対して、ドイツとフランスが開戦に批判的な対応を強めている。ドイツ政府は「イラク攻撃を行えば、中東の反米意識を刺激し、テロ組織の活動を高める」と主張する。フランス政府は、「イラクが大量破壊兵器を保有している証拠がなければイラク攻撃の正当性はない」と強調する。英国のブレア―首相も国連承認(武力容認)がなければ、国内世論が反発することから政治生命をかけることになった。それでも、アメリカの「テロの側につくか、アメリカにつくかのどちらかだ」の姿勢は変っていない。もしブッシュ大統領が妥協にでれば、米国のえん戦気分を広げ、権威が傷つくことになる。この欧米同盟の危機を乗り切るために知恵が必要だ。

[コメント]こうなればアメリカが考える、”イラクが国連の査察に協力的でないから攻撃する”という理由は通用しない。あくまでイラクが大量破壊兵器を隠していると証拠が必要である。逆にそれを出せば、国連安保理は「武力容認」に簡単に固まると思う。今、アメリカが米軍の中東動員にアクセルをいっぱい踏み込んでいるのは、国連を無視してでも単独でイラク攻撃をやるという姿勢を示し、国連無用論をちらつかせることではないか。国連が機能しなくなれば、困るのはアメリカではなく、アメリカを孤立させた側にあると知らせるためか。アメリカは昨年の国連安保理の1441決議と同じ行動のように思える。あのときは、チェイニー副大統領とラムズフェルド国防長官が国連無視の単独行動を主張し、パウエル国務長官がそれを押さえて国連安保理の承認を得るという動きだった。それが大成功したのはご存知の通りだ。しかし今回、もしアメリカが確かな証拠を示さなければ、それこそ大変なことになるのは必至である。
 私はパウエル長官の最近の対応から、アメリカ軍の中東動員が完了しないので、その確かな証拠をまだ出さないような気がする。この米軍動員をイラクに対する心理的な圧力強化のためというには、規模が大きすぎる。アメリカはイラクを絶対にやる。それにパウエル長官が妙に落ち着いて、自信を持っていることから、そんな気がしてならない。とにかく、あと2週間もすれば、その結論がでるだろう。その間は世界中が、ハラハラ、ドキドキすることになる。
石破防衛庁長官 ミサイルに燃料注入なら、「攻撃着手とみなす」 相手攻撃も認められる (朝日 1月25日 朝刊) [要約]石破防衛庁長官は民主党の末松議員の質問に答え、他国のミサイル基地に対する攻撃で、「『東京を火の海にしてやる』という表現があり、その実現のためにミサイルに燃料を注入すれば、日本への攻撃意図は明白である。それは攻撃着手ということで、日本はこのミサイル基地を攻撃できる」と述べた。「しかし日本にそのような能力はない」とも指摘し、あくまで理論上の話であると強調した。川口外相も「それは自衛権の範囲内」と述べた。秋山内閣法制局長官は、「弾道ミサイルがわが国に飛来してくる蓋然性が高いときは、自衛権の範囲として(攻撃が)認められることもある」と見解を述べた。

[コメント]国会でこんな調子でガタガタやるから、有事法制がでたらめになってしまうのだ。北朝鮮がわざわざ日本に、「今から東京にミサイルを発射する準備をします」と連絡してくると思っているのだろうか。日本の偵察衛星でも、地下施設の発射基地は見えない。それにミサイルが固体燃料だったらどうするのだ。(その場合、自衛隊の攻撃は間に合わない。日本に報復の弾道ミサイルの配備が必要になる) それに空自はこれから空中給油機を購入することが決まっている。これを使えば、北朝鮮のミサイル基地を攻撃する能力はできる。理論上の話しではない。大型輸送艦に攻撃ヘリを搭載して北朝鮮近海に行かなくても、日本の基地から直接、北朝鮮全域が攻撃できるようになるのだ。
 それに北朝鮮がアメリカに到達できるミサイルを開発すれば、それは日本の方向ではなく、北極の方向に飛んでいくことになる。地球は丸いから、アメリカへの最短方向は北である。さらに北朝鮮が人工衛星を打ち上げると宣言した場合はどうする。宣言しなくても、人工衛星を打ち上げる準備をしたらどうする。この場合でも、北朝鮮が日本を挑発する言葉があれば攻撃をするのか。
 出来もしないことや、ありえないことを議論する。国会の論議を見ていると、心底、この人たちに有事法制はやって欲しくないと思う。戦争への備えではなく、形だけの法律を作ることが主体になっている。戦争が見えていない。
米、イラク攻撃 油田制圧を最優先 英紙報道 (読売 1月24日 朝刊) [要約]英紙ガーデアンは23日付で、米政府はイラク攻撃に対して、イラク領内の石油関連施設の制圧と安全確保を最優先課題として取り組む計画を策定したと報じた。これはイラク軍がクエートで行なったように、油田に火をつけるのを防ぐためである。そのため米軍は、まずイラク国内の主要な油田に特殊部隊を投入し、石油施設の保全を第一の課題とし、油田制圧後に本格的な地上戦に移行する計画という。

[コメント]「なるほど、米英軍はそんな作戦を考えているのか」と納得した人は、×ですから腕立て伏せ30回。「そんな馬鹿な作戦があるか。そんなことができるわけがないだろう」と思った人は○です。「これが謀略なんだよな。イラク軍を油田防衛に誘い出すための謀略情報。眉唾、眉唾」と思った人は◎です。
 その最大の理由は、特殊部隊は大規模な施設や、広大な地域を制圧するような戦力(能力)はないからです。そのような任務も求められていません。もし特殊部隊が油田制圧を行なえば、軽武装のために、必ず全滅させられる運命しか待っていません。そんな馬鹿ばかしい作戦を命令する指揮官なんていません。それに米軍が地上作戦の前に行なって、油田制圧後に本格的地上作戦を行なうなんてことはやりません。もしイラク軍が自国の油田に火を放てば、勝手にやらしておけばいいんです。それで米軍に被害が出ることはありません。それよりも、まず全力でイラク軍の中枢を落すことが、なにより重要な作戦になります。
 この情報は、イギリスに住んでいるイラクのスパイに読ませ、「米英軍は本格攻撃の前に主要な油田を特殊部隊で制圧する作戦」と本国に報告させればいいんです。そうすれば、イラク軍が主要な油田に先回りして、特殊部隊を待ち構えると期待したのです。イラク軍の戦力を分散させる作戦なのです。でもイラク軍も馬鹿ではないでしょうから、この情報が謀略とすぐに気がつくはずです。
 そういえば、最近の週刊誌に、「北朝鮮軍の中にいる10万人の特殊部隊が、米韓軍の背後にまわって攻撃を仕掛ける危険がある」という記事がありました。これは明らかに間違っています。10万人の特殊部隊が動く時は、正面(38度線)で正規軍同士が押し合っている時に、背後で特殊作戦を行います。正面が押し合っていないのに、特殊部隊だけが背後に攻めてくることはありません。簡単に制圧できます。まあ、テロは別ですが。テロなら10万人を恐れる必要はありません)。
(もっとわかりやすく理解したかったら、戦争映画「遠すぎた橋」を見るといいでしょう。第2次大戦中に空挺部隊が本隊と離れて降下し、本隊との合流がなかなか出来なかったので苦戦する映画です)。どうです。軍事知識って面白いでしょう。
那覇軍港代替基地 浦添地区にL字型 大型艦船が複数停泊可能に (朝日 1月23日 朝刊) [要約]沖縄那覇軍港の返還問題で、代替基地として浦添市の沖合いを埋め立て、L字型の軍港を建設する計画がわかった。これは民間用の埋立地の北西端に建設され、L字型の岸壁の総延長は1800メートル〜1900メートルになり、水深も那覇軍港の10メートルから15メートルになる。そのため、那覇軍港では無理だった大型艦船の停泊や、同時に数隻の停泊が可能になる。01年に地域振興を条件に、港湾整備を公約した市長が当選して、この計画は加速したいきさつがある。

[コメント]沖縄以外に住んでいる人にはさっぱりわからないニュースだが、沖縄県内では大きな社会問題になっているニュースである。簡単に解説すれば、今の那覇軍港は那覇市の市街地にあり、トラックでの物資輸送が市街地を通過するので、混雑(渋滞)や交通事故の危険性が高い。その上、那覇軍港は狭くて水深が浅く、大型艦船が寄港できないという不便さがあった。そこで隣の浦添市の沖合いを埋め立て(民間用)、その端に新しい軍港を建設するという計画である。この新軍港の近くに米軍牧港補給地区があり、この間を直通・専用道路で結べば、米軍の基地機能は飛躍的に強化されることになる。(今は専用道路の計画はない)
 新しい浦添市長は、これを地域振興の事業と公約して当選した。しかし実質的に、米軍の基地機能が強化されるので、沖縄の米軍基地に反対しているひとは、この新軍港建設に反対しているという訳である。
 私は前々から、朝鮮半島が統一され、朝鮮半島の軍事危機が改善されると、沖縄から米海兵隊が撤退すると予測している。しかし同時に、沖縄の基地機能は強化され、将来、緊急展開能力を高めた米軍を想定して、沖縄の米軍の基地機能を強化するとも予測してきた。しかし最近の米軍の兵器の進歩(RMA化)と、米戦略の変更で沖縄の基地機能強化の必要が薄くなってきた。(米軍は兵力の長距離投射(機動)能力を向上させ、自国からの直接発進能力を高めている)。
 それに果して、これを地域振興策として位置付けていいのだろうか。沖縄の産業(経済)不振の原因は米軍基地である。県内の広大な平坦地を米軍基地が独占してる。これでは沖縄の産業が成長したくても、無理やり頭を押さえられた成長期の子供と同じ状態である。
 これから米軍は画期的にRMA化が進む。将来の中国海軍進出に、沖縄が防波堤になる必要はない。すなわち新軍港建設は、米軍の事情というより、沖縄に何も出来ない日本政府のあせりと、不況に苦しむ地元の事情が重なった結果と思う。
 日本政府も地元も、基地交付金に頼る体質を改めなければ、どんどんと沖縄の将来性を損ねることになる。反対、反対、賛成、賛成ではなく、発想の原点を模索することだ。朝鮮半島が統一されそうな今がそのチャンスである。(地図は那覇軍港と浦添新軍港の位置関係。同日の朝日新聞より)
中国での亡命支援は5ヶ国NGO 脱北者の送還中止要求 拘束78人? (朝日 1月22日 朝刊) [要約]中国で北朝鮮の脱北者が中国当局に拘束された事件で、この亡命計画を立案した日、米、韓、独、仏の5カ国のNGO組織が東京で記者会見した。計画では20トンの漁船2隻に30人ずつが乗り、18日に山東省煙台から出港して、5日間程度かけ、1隻は韓国の済州島に向かい、1隻は日本の佐世保に向かう予定だった。出港前に拘束されたのは、脱北者以外に、支援者2名やカメラマン一人も含まれているという。すでにそのうちの10名はすでに北朝鮮に送還されたとみられる。北京の国連難民高等弁務官(UNHCR)は拘束された人を難民として扱い、救出するように中国政府に求めている。これに対し中国外務省は、「一部の組織や個人が、北朝鮮からの不法入国者を利用して騒いでいる。これは中国の法律に違反し、社会の安定を損なう」と、外国の支援活動を非難した。

[コメント]さらに緊急にUNHCRが声明を出して、「北朝鮮からの脱北者は難民として認定する」というような対応はできないのか。北朝鮮にいても、生存すらできないものを、死刑が待つ祖国に送り返す中国は非難されるべきだ。中国で脱北者が社会の安定を損なうというなら、脱北者を別な国に送り出す通過国ぐらいの便宜をはかるべきである。中国が無理やり押さえこもうとしているから、脱北者が人身売買されたり、隠れ住んだり浮浪者になるのである。これでは朝鮮半島の「ベルリンの壁」は中国政府だったということになる。
 この処置は必ず中国に大きな痛手を与えるだろう。今、北朝鮮の内部がどのようになっているのか、それをもっともよく知っているのは中国である。もし脱北者が中国で韓国人やNGOと接触をすれば、北朝鮮に送還されると、死刑になるのを知っているはずだ。そのことを指摘すれば中国は被害者ではなく、間違いなく加害者である。中国政府はこれが北京オリンピックのボイコット運動に拡大することに気が着いていないのだろうか。もはやこれほどの情報社会では、人権を無視して人の命を無視するような政策は成り立たないのだ。脱北者を密告すれば賞金を出すなど、中国は北朝鮮並みの人権無視国家である。
フセイン亡命なら攻撃回避も(国防長官)、訴追免除も(国務長官) (読売 1月20日 夕刊) [要約]ラムズフェルド国防長官はABCテレビで、フセイン大統領が家族とともに亡命するなら、イラク攻撃を回避するシナリオがあると話した。また、パウエル国務長官もCBSテレビで、フセイン大統領と指導部が他国に亡命したら、戦犯として訴追することを断念することを検討すると述べ、ともに亡命を希望していることを語った。

[コメント]最近、アメリカがアラブの石油を奪うためのイラク攻撃というイメージが段々と強まってきた。石油のための戦争という言葉が真実味を帯びてきだしたのだ。このような世論の高まりはアメリカにとっては極めて不利である。これはイラクの心理戦の効果というより、同時多発テロのような不安な気持ちはもう嫌だという感情があると思う。アメリカが軍事力でフセイン政権を倒しても、イラクに米軍事力で親米的な政権が生まれ、それを支援するために米軍がイラクに駐留すれば、アラブ人やイスラム教徒の怒りが高まり、対米テロが激化することは必至であるからだ。
 本日(21日)、朝のテレビで、「米軍がイラクを攻撃するのは、大産油国であるイラクの石油を押さえて、日本などに安定供給するためである。だから米軍のイラク攻撃を日本は支持する必要がある」というコメントを聞いて、絶句した。これこそ誉(ほ)め殺し。しかし本人にそのような自覚はないと思う。
 このように国際世論がガラリと変ることは珍しいことではないか。アメリカ政府がこのような反発に対して、「フセイン亡命」シナリオは最善の選択と意識したのだろう。同時に流されているフセイン暗殺説は、フセイン亡命を盛り上げる心理戦である。しかしイラク攻撃の巨大な歯車は加速しながら回転している。減速する兆候はない。
世界各地で反戦デモ 米で10万人 欧州、中東地域でも活発化 (毎日 1月20日 朝刊) [要約]アメリカの対イラク戦争に反対するデモや集会が、首都ワシントンなど世界各地で行なわれた。これほどの盛り上がりを見せるには、アメリカでは60〜70年代のベトナム反戦運動以来という。米国ではイラク攻撃の支持率が低下(同時多発テロ後の11月は74パーセント、昨年の1月は61パーセント、現在は53〜58パーセント)しており、イラク攻撃を容認する人も、52パーセントが「国連による証拠の確認」を求めている。(米国の証拠のみで攻撃可能は23パーセント) 米国のテレビや新聞はこの日の反戦運動の高揚を繰り返し報道しており、攻撃反対の世論が高まるのは必至だ。

[コメント]昨日のテレビ朝日の「サンデー・プロジェクト」で、各党の幹事長全員が出演して、アメリカがイラクの大量破壊兵器の証拠を見せなければ、イラク攻撃に反対すると強く表明していた。また証拠が示されても、国連安保理が武力行使を容認しない場合に、アメリカが単独で攻撃した場合は、自民党(山崎幹事長)と公明党(冬柴幹事長)は「政治判断」すると態度を保留した。(この部分は、1/20 朝日 朝刊)。このようにアメリカや日本、それに欧州や中東の世論を考えると、アメリカがイラクを攻撃するためには、イラクが国連の査察を妨害し大量破壊兵器を隠している証拠を示すことは絶対に必要だ。(それ以前に、ラムズフェルド国防長官流の攻撃はありえない) また国連の安保理の審理だが、それ相応の証拠を出されると、アメリカの武力行使を容認するだろう。明確な証拠にも関わらず、イラク攻撃を容認しなければ、ラムズフェルド国防長官のような国連不用論が強まるからだ。
 これからどの時期に、どのような証拠を明らかにするか。段々と外堀は埋められているように思える。これから国連査察団の27日の報告を待って、いよいよアメリカの掴んだ証拠が示され内堀が埋められていく。2月中旬〜下旬の攻撃開始は予定通り。
北朝鮮不可侵 文書化 米、厳しい見返り要求 アミテージ国務副長官 「核から通常戦力まで」 (サンケイ 1月19日 朝刊) [要約]アミ―テージ国務副長官は、17日、日本人記者団と会見し、北朝鮮が要求している「核兵器開発放棄と引き換えに不可侵条約の締結」は、米議会の反発が強いから条約化はだめとしつつ、交換公文や公式声明で文書化する方法があると述べた。しかし新たな米朝の取り決めでは、ウラン濃縮(核兵器開発)や化学兵器などの大量破壊兵器、それに通常戦力の大幅な削減を内包したものとの考えを示した。

[コメント]アミテージさん、なかなかやるね、と感じたニュースだった。「襲ってこないことと、食べ物をよこせ」という北朝鮮には、たっぷり下剤が入った饅頭をやろうとしている。そのかわりパンツ1枚になって、武器(敵意)を隠していないところを見せろという。まさに人質をとって立てこもる犯人に、説得を試みる人質交渉官(ホステージ・ネゴシエーター)のようである。この場合、人質は韓国である。
 韓国に向かって約50発の地対地ミサイルのフロッグ7とスッカドCが、38度線近くに掘られた地下陣地から狙っている。その弾頭には大量破壊兵器の生物・化学兵器が搭載されている。もしミサイルが発射されれば、原爆100個を投下した程度の被害は出るだろう。ちょうどアメリカの主要都市をICBM(大陸間弾道弾)やSLBM(潜水艦発射核弾道ミサイル)で狙っているロシアとアメリカの関係に似ている。これがあるから、韓国が太陽政策をとっているとは、この前に話した通りである。(北朝鮮崩壊による経済負担のためではない。誤解しないように)
 北朝鮮は通常戦力がだめになっても、この短距離地対地ミサイルの臨戦体制は解いていない。このミサイルが狙うのは、韓国の北部の主要都市と、在韓米軍の軍事施設である。アメリカや韓国は、この短距離地対地ミサイルをどのように始末するのか。それをこれからの交渉で無力化しようとしているのだ。この点を理解していないから、日本の政治家やマスコミは、アメリカが核問題で北朝鮮と交渉する意味がわかっていない。
 この関連情報が、「軍事通信員のボストンさん」から届いています。非常に重要なので、日本の政治家やマスコミの関係者は、よく読んで勉強してください。ここをクッリクすれば飛びます。
米政府系ラジオ局 北朝鮮向け放送時間を倍増 市民に外部情報 間接圧力狙う (サンケイ 1月17日 朝刊) [要約]米国政府系のラジオ「ラジオ・フリー・アジア」(RFA)は、北朝鮮向け放送を1日2時間から4時間に倍増することを決めた。北朝鮮では海外放送を聞くことを禁止されているが、「巧みな方法で多くの人がひそかに聞いている」(RFA)とみている。北朝鮮の市民が、RFA放送で事実を知れば、金正日体制への批判が高まるのが狙いだ。

[コメント]最近の脱北者の話しでは、北朝鮮当局の国民監視体制も弱まってきているようである。当然、ラジオで韓国などの放送をこっそり聞く人も増えているという。そのような情報を米側が検討して、放送時間を拡大したのだろう。これは北朝鮮のような情報閉鎖国家には効果的な心理戦である。人間なら本当のことを知りたいという気持ちはどこも一緒だからだ。
 数年前、北朝鮮に接する中国の吉林省に行ったことがある。その敦化市のホテルで日本から持参した小型短波ラジオを聞いていた。日本からのニュースを聞くためである。ところが短波の切り替えを忘れ、AM波のままでスイッチを入れたら、東京の文化放送やTBSラジオの放送が聞こえてきた。それも都内で聞くのと同じぐらい鮮明に聞こえた。(先日、千葉県で東京のラジオ放送局を聞いたら、雑音がひどくて聞こえなかった) 季節は2月で厳寒の頃である。夕方、1時間ぐらい聞いていたが、音声は明瞭に聞こえ続けた。その次の日も、その次の日も、東京の放送は明瞭に受信できた。まさか中国の奥地で、東京の交通情報を聞いたときは、不思議な気持ちで一杯だった。
 これからアメリカが軍事力を用いないで、コチコチに固まった北朝鮮の支配体制を解体(弱体化)していく。大量の生物・化学兵器を韓国に向けている北朝鮮と戦争は出来ないが、軍事力を使わないで北朝鮮のような支配体制を終わらせる方法は山ほどある。 
米、北に支援用意 強硬路線を微調整 核放棄前提は不変 北、「謀略」と非難 (読売 1月16日 朝刊) [要約]ブッシュ大統領は北朝鮮が核開発を放棄すれば、大規模な援助を表明するなど、北朝鮮へ強硬姿勢を変化させている。これは米国の北朝鮮封じ込め政策に、「効果がないだけでなく危険」(ニューヨーク・タイムス紙)という指摘と、「最初から交渉を拒否する外交はない」(国務省高官)という批判がでたからという説がある。また今はイラク攻撃に専念したいために、北朝鮮の問題に蓋をしたいという説もある。しかし北朝鮮は、この変化を「国際世論を欺瞞する謀略」(北朝鮮・外務省スポークスマン)として反発し、援助を受け入れる姿勢を示していない。さらにアメリカの変化を、北朝鮮の恫喝に譲歩した成果と判断し、さらに強硬な姿勢に出ることも考えられている。

[コメント]ブッシュ大統領の提案は明らかに謀略である。北朝鮮に対して、支援をエサに、アメリカに対する依存心を高める作戦である。独裁者がこれを受け入れれば、アメリカに依存する支配者のイメージができる。そんなことをすれば、神のように君臨するという北朝鮮国内のカリスマ性など吹き飛んでしまう。「これを北朝鮮は絶対に受理できない」、そんなことを100も承知で、アメリカが北朝鮮向けに出した「心理戦」の声明である。
 それを北朝鮮が謀略と非難しても、アメリカは痛くも痒くもない。まあ、北朝鮮はアメリカに足元を見られ、舐められているのだ。この上、強硬な姿勢を示しても、「もし援助が欲しいなら敵対行動をやめなさい。そうすれば、アメリカは話し合いで友好的に解決する用意がある」で片付けられる。アメリカが軍事力を使わない北朝鮮崩壊の方法とは、援助をエサに金正日のカリスマ性を打ち壊すことである。
 もし金正日がブッシュ案を受け入れて、核開発中止と反米姿勢転換を表明し、アメリカから援助の食糧と燃料を受け入れれば、それは金王朝の滅亡を意味することになる。長い間かけて築いたカリスマがなくなり、国民が独裁者を恐れなくなるからだ。次に北朝鮮国内では、アメリカに降伏するより、戦って死んだほうがいいという者たちが、金正日を暗殺する可能性だってある。金正日はこれが怖い。
 最近、北朝鮮が日本に戦争を仕掛けるとか、日本でテロを起こすという企画で、マスコミからの取材が多くなった。北朝鮮がワイワイ騒いでいるのは、国内の緊張感を高めて末期的な事態発生を防ごうとしていることと、アメリカに脅しが通じて交渉を有利に展開できると誤解しているだけの話だ。
 北朝鮮のだれも日本と戦争をするつもりはない。北朝鮮に頼まれもしないのに、日本のマスコミが北朝鮮の「架空」の軍事脅威をあおってあげる必要はないと思う。
 毎日いろいろなマスコミから、「北朝鮮の工作員が地下鉄や地下街でサリンと使うとどうなりますか」、「テポドンを東京や大阪に打ち込んだらどうなります」、「北朝鮮の炭素菌や天然痘を築地の市場で散布したらどうなります」と、同じ質問を受けている。「何のために、どうして」が私の答え。「やめようよ。そんな北朝鮮の体制の危機をおもちゃに遊んでもしかたないよ。日本人がわが国の軍事力に怯えていると北朝鮮が喜ぶだけだよ」。読者(視聴者)もそんな低級の記事(番組)を期待しないでほしい。
 今までは、そんなことを思っていても、私には何も出来なかった。いつももどかしさを感じていた。しかし今は違う。多くのマスコミ関係者が、このホームページを読んで取材に来るようになった。北朝鮮との戦争物がどれだけ馬鹿馬鹿しい企画が気がついてくれだした。しかしまだまだ少数である。 
イラク開戦 3−4月 兵力増強は着々 米大統領報道官「開戦の遅れ」示唆 (読売 1月15日 朝刊) [要約]今月末と思われていたイラク攻撃・開戦時期が、早くても2月末以降にずれ込む見通しが強まった。2月下旬になって、現在増派中の米軍部隊が、イラク攻撃に必要な最低限度の15万人体制が揃うからだ。フライシャー大統領報道官も13日、「ブッシュ大統領はいかなる予定表も示していない」と、開戦の遅れを示唆した。イラクの気候を考えると、遅くても3月、4月が限界だという。

[コメント]軍人出身のパウエル長官がイラク攻撃の主導権を取れば、とにかく一人でも多くの米兵を湾岸地域に集中(動員)させ、万全の体制でイラク攻撃を開始したいと願うだろう。イラクで予想外の反撃を受けたり、戦闘が長期化すれば、アメリカが受ける打撃はベトナム戦争以上になる。

 昔、私が尊敬していた人から、戦闘に勝つ秘訣を聞いたことがある。その人は旧陸士、陸大のOBで、中国で戦争をした経験のある人だった。「神浦君、戦闘にかつ秘訣は簡単なんだ。もし敵と遭遇したら、とにかく近くに見えるできるだけ高い場所に登ること。そして付近にいる味方をできるだけ集めること。この二つができれば戦闘に勝てるし、できなければ戦闘に負ける」。すなわち高い場所に登ることは、敵の情勢(情報)を的確に掴むこと。そして味方を集めるとは、できるだけ兵力を集中して優位な戦力を保持することなのである。(相手の兵力に関係なく、できるだけ多くの味方兵力を集めることと聞いた)

 パウエル長官はイラク情勢を点検して、イラク軍の抵抗意志が予想以上に高く、熾烈な戦闘が予測されので、戦力の増強を行なっていると思う。できれば15万といわず、20万でも、25万でも、動員できるものはすべて動員したいというのが軍人の本音だ。

 しかし地上軍が20万人を超えれば、派遣部隊の武器や弾薬、燃料など、後方支援をすべて立て直さなくてはいけなくなる。そのような時間的な余裕はアメリカにない。遅れても、3月開戦はギリギリである。すでにイラク軍はそのあたりの事情を見抜いているだろう。これから開戦時期が遅れれば遅れるほど、イラク軍には有利に作用する。

 国連のイラク査察が遅れて、米軍の開戦時期が遅れるということはない。あくまで軍事的な理由で、イラク攻撃の開戦時期が決定される。アメリカは米軍増派の動きを検討しながら、国連査察団に差し出す「大量破壊兵器隠匿」情報を渡すタイミングを見ている。むろん、北朝鮮情勢がイラク攻撃の開戦時期に影響することも少ない。

 当ホームページの、「軍事通信員」のコーナーに関連情報が掲載してあります。興味のある方はここをクッリクしてください。
ケリー国務次官補 北、核放棄なら対話 エネルギー支援示唆 (サンケイ 1月14日 朝刊) [要約]韓国を訪問中のケリー国務次官補は、盧武鉉次期大統領と会談し、「米国は北朝鮮が核開発を放棄すれば、北朝鮮と話し合う用意がある。また重油の供給支援も再開させることができる。アメリカは北朝鮮に軍事攻撃する意図はない」と述べた。しかし北朝鮮が先に核開発放棄を求める姿勢は変えなかった。これに対し、盧武鉉史は、「在韓米軍は将来も必要」と述べ、早期の訪米を伝えた。

[コメント]やや反米色が濃いと予測された盧武鉉氏だが、韓国と米国が友好(同盟)関係を悪化させれば、韓国が経済などに受ける打撃(株価暴落など)は甚大である。盧武鉉氏は北朝鮮の強硬発言を機会に、政治姿勢(反米的な部分)を少し修正させたようだ。
 韓国が北朝鮮にとっている太陽政策は、北朝鮮が大量の生物・化学兵器を保有していることに強く関連している。韓国が米国と協調して、北朝鮮にグイグイと圧力をかければ、すでに軍事力では劣勢な北朝鮮が、生物・化学兵器で韓国を攻撃(報復)してくる可能性がある。北朝鮮の生物・化学兵器を用いれば、韓国に100発の核爆弾を投下したことと同じだ。それに北朝鮮の生物・化学兵器は、韓国に向けて使うことを想定して、砲弾、短距離地対地ミサイル、爆弾、気球などに搭載して準備されている。しかし韓国には、北朝鮮の生物・化学兵器に対する対抗手段はない。全面戦争による北朝鮮の壊滅のみである。
 すなわち韓国の太陽政策は、北朝鮮がヤケになって韓国に生物・化学兵器を使わないで、静かに氷解させるための政策なのである。アメリカもそのあたりの事情を考えて、韓国を孤立させるような北朝鮮政策をとるべきではない。でも、北朝鮮を甘やかしては、さらに危険な状況を招くことになる。まあ、そのあたりの匙加減(さじかげん)は中国が担うべき役割かもしれない。
 私はアメリカと中国が北朝鮮問題に関して、どこかでこっそり秘密会談を行なっていると考えている。キッシンジャーと周恩来の時代から、米中は秘密会談が大好きである。そういえば、パパ・ブッシュ大統領も、中国に太い人脈のパイプを持つCIAの元北京代表部責任者だった。
米軍 さらに2万7千人が湾岸に 合計15万人以上が展開 (朝日 1月13日 朝刊) [要約]ラムズフェルド国防長官は11日、湾岸地域に2万7千人を増員させる命令書に署名した。10日の3万5千人と合わせると、2月中下旬には米軍の15万人以上が湾岸周辺に展開する見通し。ブッシュ大統領が開戦を決定するのは、国連の査察報告が出る1月27日以降を想定している。

[コメント]イラク軍が予想以上に高い士気を保持していると分析したのだろうか。もし共和国防衛隊以外のイラク軍が、本気でアメリカ軍の侵攻阻止に立ち上がれば、米軍の地上軍5万〜6万の戦力では戦力が不足する。そこで急な増派が決定されたような気がする。とにかく、湾岸戦争ではイラク軍が徹底抗戦する場面は見れなかった。しかしイラク軍も、イラン・イラク戦争を戦い、クルド族との内戦も戦っている。いざ戦争になれば、アメリカに積年の恨みを持っているものもいるだろう。それに今回は祖国防衛戦である。湾岸戦争とは違った対応する可能性もある。アメリカがそのように判断すれば、地上軍米兵20万人以上の増派が必要になる。また20万人以上なら、食糧や弾薬、兵器も準備する規模が格段に違ってくる。今のところイラク国内にアメリカが期待するような市民の変化は見られない。しかしこの段階にきて、ブッシュ大統領がイラク攻撃の迷いや躊躇(ちゅうちょ)を見せることはできない。すでにルビコン川は渡った。
 さてここでイラク攻撃とテロ攻撃の関連だが、アルカイダなどのテロ組織は、アメリカのイラク攻撃でテロを激化させる兆候はない。むしろフセイン体制が崩壊し、イラクに親米政権が生まれ、米軍がイラク駐留を始めれば、対米テロを激化させる可能性が高い。アメリカがアラブの石油を奪っているいうという構図が見えやすいからだ。またフセイン政権もアメリカ国内でテロを起こせば、唯一頼りの国際世論を味方に出来ない。だからイラクのテロがアメリカで起こる可能性も低い。
中国誌 北朝鮮が「夏から秋に重大危機」の可能性を指摘 (読売 1月12日 朝刊)  [要約]中国外務省(外交部)が主管する隔週の国際問題専門誌「世界知識」最新号は、北朝鮮の核開発問題について、「米国の対イラク戦争が戦後処理段階に入る夏から秋にかけ、朝鮮半島でかつてない重大な対決の危機が生じる可能性がある」(共産党中央党校 張教授)と警告した。この論文では北朝鮮が核開発を認めたことが、米国に北朝鮮を打倒するチャンスを与えたと指摘。米国の圧力は、@重油提供の中止 AKEDOの軽水炉建設停止 B国連の制裁、C寧辺への外科的手術の攻撃 と予測している。

[コメント]国連の制裁に、禁輸措置、送金の停止、船舶の臨検を上げているが、まさにこれからはこの問題が浮上することになる。ただし寧辺へ精密誘導兵器での攻撃はないと思う。まだどの国も、稼動中の原子炉施設を攻撃したことはない。イスラエルがバクダッドの原子炉施設を空爆したのも、完成まじかで、原子炉は稼動していない状態だった。もっとも興味があるのは、イラク情勢から見て、アメリカの軍事態勢が落ち着く夏から秋と分析したことである。アメリカの軍事態勢から見ると、その通りだが、北朝鮮の国内状況がそれを許すかどうか疑問だ。むしろ夏から秋は、「遅くとも」という言葉をつけるほうがいい。またアメリカは北朝鮮に軍事力を使わないと宣言してる。ならばアメリカの軍事情勢と、北朝鮮問題を関連づける必要がさほどないような気もする。中国は胡錦濤新体制が固まる夏から秋を期待しているのだろうか。
日露首脳会談 「北朝鮮のNPT脱退、撤回を要求」 米中、「平和解決で一致」 (各紙 1月11日 朝刊) [要約]ロシア公式訪問中の小泉首相は、プーチン大統領との共同声明で北朝鮮がNPTに留まり、IAEAの査察に応じるように要求することを決めた。アメリカのブッシュ大統領と中国の江沢民主席も電話で話し合い、北朝鮮に軍事的な手段を用いないで、この問題を平和的に解決することで合意した。アメリカのフライシャー大統領報道官は、北朝鮮がNPTから脱退することは予想の範囲内だったという余裕の認識を示した。

[コメント]四面楚歌、ついに北朝鮮は公式的に周囲を取り囲まれた。韓国は最後の1本の対話のパイプとして残すことになったのだろう。国連の北朝鮮大使は、国連が制裁措置を行なえば「宣戦布告とみなす」と発言した。たしか94年にも、同じように発言してる。それ以外にいい様がないのだろう。まさに北朝鮮は断末魔の悲鳴だ。
 皆さん、これは北朝鮮との戦争を予測させるものではありません。決して、大げさに驚いたり、怖がったり、危機感を煽ったりしないでください。アメリカも韓国も、北朝鮮を攻撃するようなことは絶対にしません。また北朝鮮が攻めてくるようなこともありません。これを機会に軍事知識を知って、冷静に対処できるようになってください。
北朝鮮 NPTから離脱を宣言 IAEAからも離脱すると表明 (NHK 1月10日 お昼のニュースより) [要約]北朝鮮のラジオ放送は、北朝鮮がNPTから脱退したことを宣言した。またIAEAの枠からも離脱したと表明した。しかしこれは核兵器開発のためではなく、あくまで電力需要を満たすためであるとも報じた。

[コメント]またか、という気分である。せっかく米、韓、日が話し合って、アメリカを話し合いのテーブルに座らせたのに、本日のNPTの脱退宣言である。しかし2日前に脱退を宣言しても、アメリカが話し合いや交渉を拒否していれば何の役にもたたない。アメリカが少しでも柔軟な姿勢を見せた時に、NPTを脱退すれば「瀬戸際外交」の役にたつと思ったのではないか。なにしろ北朝鮮にとって、94年にNPT脱退を宣言して、それからカーター大統領の訪朝と、KEDOを設立させたことは輝かしい勝利の歴史として刻みこまれているのだ。もう一度、同じ手(カード)であっても、外交戦で勝利するためには、この手を使うしかないのだろう。
 しかし前回は、北朝鮮がNPT脱退を宣言すると、国連はアメリカに北朝鮮との直接交渉を進言している。そしてカーター元大統領の訪朝であった。しかし今回は国連がそのような労(仲介)をとろうとするだろうか。またカーターのような人物がいるだろうか。一説では、北朝鮮はアメリカが重油を再び供給すれば、核施設の再稼動を中止するという情報もある。だがこれはアメリカには出来ない相談である。アメリカが重油供給を停止したのは、北朝鮮の核兵器開発というKEDO違反という明確な理由があった。北朝鮮は重油供給停止を理由に、さらに核施設の再稼動という重大な違反にでた。そこでアメリカが重油供給を再開させれば、アメリカは北朝鮮の恫喝に屈したことになる。対テロ戦争を戦っているアメリカには、そのような過程では絶対に妥協できないことである。
 これは米朝間の軍事危機を高めたというより、北朝鮮の国際的な孤立をより高めたという分析が正確である。いい加減しろ北朝鮮。
パウエル米国務長官 対北朝鮮へ「侵略せぬ約束」腹案示唆 米紙に語る (朝日 1月10日 朝刊) [要約]パウエル国務長官は9日付のワシントン・ポスト紙で、「北朝鮮が核開発を放棄すれば、(北朝鮮が要求している)不可侵条約を結ばなくても、外交手段で北朝鮮の要求を満たすことができる」との考えを示した。これは北朝鮮に侵略する意図がないことを示唆したものだ。またブッシュ大統領の「北朝鮮を侵略する意図がない」という発言より、一歩踏み込んだ発言である。これを受けるように北朝鮮は、韓国との第9回閣僚級会談を今月21日から4日間、ソウルで開くと提案してきた。韓国側も受け入れ、南北閣僚級会談が実現する見通し。北朝鮮はこの会談を通じて、アメリカの真意を探る狙いもあるようである。

[コメント]米国政府で対イラク政策についで、対北朝鮮政策もパウエル長官が指導権を握ったようだ。「イラクも北朝鮮も、つべこべ言う前にやってしまえ」という、ラムズフェルド国防長官やチェイニ副大統領の主張は傍流になった。パウエル長官が打つ駒を見ていると、軍事の王道という感じがする。これから始まるイラク攻撃でも、アメリカは国際世論(国連安保理やアラブ連盟)を味方につけ、イラク市民や兵士、アメリカ兵士の犠牲を最少限に抑制して、フセイン体制を葬りさることができるだろう。
 (フセインがアメリカの軍事圧力に負けて亡命すれば100点満点。体制内反乱で射殺されれば90点、暴動や反乱でイラク市民に殺されれば80点、アメリカ軍の攻撃でフセインが死亡すれば60点)
 また北朝鮮に対しても、ボデーブローがガンガンと効いている。交渉の主導権は完全にアメリカが握っている。(韓国ではない)。軍事を知っていれば、パウエル長官ほど手の内が読める政治家はいない。
 朝日の同じ紙面に、米露政府がフセインの亡命先を探していると、ドイツ外交筋が明らかにしたと報じている。ブッシュ大統領は昨年末にプーチン大統領に電話をかけ、イラク戦争は費用がかかるために避けたいと話したという。フセイン亡命のため、ロシアの外交官が昨年11月からバクダッドに待機して、フセイン亡命の機会をうかがっているとも報じている。話、半分としても、この種の情報は、フセイン指導部内を疑心暗鬼にさせる効果がある。「おれは亡命先に連れていってもらえないで、バクダッドに置き去りにされる」という恐怖心を振りまくからだ。
北の核 CIA報告書 プルトニューム爆弾1、2個分保有 (サンケイ 1月9日 朝刊) [要約]CIAは7日、「大量破壊兵器入手に関する非機密報告書」を公表した。それによると、アメリカが北朝鮮のウラン高濃縮化計画の動きを察知したのは2001年後半で、高濃縮化に必要な遠心分離関連機器を大量に入手しようとしているのを掴んだからという。また報告書では、1994年の米朝合意までに、北朝鮮は使用済み核燃料から取り出した兵器級プルトニューム(純度92パーセント以上)を、少なくとも1、2個分は保有しているとする従来の見方を確認した。

[コメント]この紙面では、北朝鮮が保有する使用済み核燃料棒8000本で、再処理して製造可能なプルトニューム原爆は4〜6個分と分析している。しかし軍事評論家の江畑謙介氏のコメントで、北朝鮮は核実験をしていないので、実用性は高くないという考えを載せている。私も江畑氏のこの考えに同感である。(しかしなぜか見出しは「核実験 遠い話しではない」となっている。コメントを何回読んでも、そんなことを江畑氏は語っていない)。それにしても今の日本で、普通の感覚の人たちが、北朝鮮が突然核攻撃してくることを心配しているのに驚かされる。近所の知り合いの医師が、「神浦君、北朝鮮が東京上空で原爆を破裂さすそうだね。怖いねー」と話していた。「大丈夫です。そんな事態は考えられませんから」。「だって00週刊誌がそんな記事を書いていたよ」。最近は、北朝鮮が暴走する話がマスコミに多く載るようになった。しかし北朝鮮は暴走したくても、改造バイクや車の燃料がないし、エンジンも旧式のボロボロで、暴走したくてもエンジンがかからないのが現状である。
 だんだんと以前のテポドン騒動のように、不要な北朝鮮の脅威を煽って遊ぶ風潮が強まってきた。まさにマスコミの品位と、編集者の頭脳が問われることになる。 
米国政府 駐沖縄の米海兵隊を増強 (琉球新報 1月7日 夕刊) [要約]琉球新報のワシントン駐在員である森記者の記事である。部隊展開計画(UDP)によって、半年ごとに交代する沖縄の海兵隊だが、歩兵部隊とヘリ部隊の一部が、予定の期間を超えて駐留を延期することが、7日、明らかになった。この延期は北朝鮮情勢の緊迫化を受けた措置で、すでに歩兵第10連隊の第1中隊のように一部で始まっている。これで沖縄の海兵隊は対イラク戦には加わらず、緊迫する北朝鮮情勢に対応することが明確になった。その中にはアフガンに派遣されていた第367ヘリ中隊のように、沖縄に呼び返された部隊もいる。さらに事態の展開によっては、現在派遣中の部隊駐留を延長し、交代部隊と同時に沖縄に駐留する可能性もでてきた。(自称ただ者軍事通信員 沖縄在住 FAX報告より)

[コメント]やはり沖縄の海兵隊は、イラク情勢に連動しないで増強されるようですね。これで横須賀を母港にする空母キティーホークは、中東には向かわないと思っていいのではないではないでしょうか。また本国に帰投予定の空母「エイブラム・リンカーン」は、オーストラリア西部で待機が命じられました。(サンケイ 1/8 朝刊) これはイラク戦争、朝鮮半島情勢の両面待ちの体制です。また先月、一部の新聞で中東派遣を報じられた佐世保の強襲揚陸艦「エセックス」は、佐世保在住の方のメール(報告)でわたっかように、まだ中東には出港していません。各地の通信員や、このホームページの愛読者のメール(報告)で、在日米軍は北朝鮮情勢の緊迫化に対応して、イラク情勢に対応しないばかりか、警戒態勢をより高めていることは間違いありません。しかし、これが北朝鮮との戦争を想定していると考えないでください。戦争開始を予測させるような動きは、韓国軍も含め一切していません。あくまで北朝鮮の非常事態に対応した措置です。すなわち北朝鮮の支配体制が崩壊することを想定した対応なのです。
 自衛隊、海上保安庁、警察、入管、九州や日本海側の地方自治体、それに外務省、「北朝鮮の非常事態」に対する準備を怠りなく。また在日朝鮮・韓国人の方は、祖国の人たちを一人でも多く救出するために、崩壊後の北朝鮮に緊急搬入する非常用食糧や医薬品などの搬入準備を始めてください。祖国はまもなく統一されます。
イラク大統領 「査察は諜報活動」 米への対決姿勢強調 (毎日 1月7日 朝刊) [要約]フセイン大統領は6日、国軍創立記念日のテレビ演説で、国連の大量破壊破壊兵器査察に対し、「ほぼ純然たる諜報活動だ」と厳しき批判した。11月27日の国連査察開始以後、査察活動を大統領自らが公然と非難したのは初めて。大統領は、「査察団は大量破壊兵器より、軍事基地や合法的な武器に関する情報を集めている」と指摘した。(以上、毎日) また「我々は迎え撃つ準備を整えた。敵は確実に敗北する」と述べ、米国の攻撃に徹底抗戦する強気の姿勢を示した。(以上、サンケイ 7日朝刊) これはイラク国内向けに、国民の気分を引き締める効果を狙ったものという見方もある。

[コメント]フセイン大統領が国連の査察を諜報活動と見るのは当然である。イラクが生物・化学兵器を隠しているなら、軍事施設や大統領宮殿など、一般の市民が立ち入ることのできない施設である。その中には当然ながら、フセイン大統領が秘密にしている防空壕(シェルター)も含まれている。いわゆる秘密の地下施設である。だから私は、もしイラクが国連査察団を受け入れれば、フセイン体制は素っ裸にされてしまうと分析したのだ。すなわちアメリカが軍事行動をとれば、フセイン大統領は隠れることが出来なくなる事態を招くと。イラクもそのことがわかっていても、アメリカと国連の圧力に逆らえなかったのである。だからこれは、アメリカに向けた政治的なメッセージではなく、あくまで国民や兵士の士気を鼓舞するために、「我々は正義のために戦う」ということを強調したかった。ということは、かなりフセイン大統領は精神的に追い詰められている。さらに予測すれば、フセイン大統領の亡命もあり得るのではないか。亡命先で最も高い可能性を上げらているのはリビアである。カダフィ大佐のリビアなら、フセイン大統領の亡命後の生命は保証してもらえそうな気がする。むろん、どれだけの亡命保証金を支払うかによるが。
イラク攻撃 夏も選択肢 「米、夜間の作戦検討」 英紙報道 (読売 1月6日 朝刊) [要約]英紙「サンデー・テレグラフ」の5日付は、米軍が夜間の気温が下がる夏の攻撃開始を選択肢に入れたと報じた。これによってブッシュ大統領は国際情勢を勘案して開戦を遅らせることが可能になり、フセイン大統領は時期を予測して反撃態勢を整えるのも困難になるという。夏は日中の気温が40度以上になるが、夜間の気温は20度以下になり部隊の活動に支障はないという。むしろ夜間戦闘能力の高い米軍にとって、夏の攻撃は優位になる。(同じ記事を、サンケイの朝刊(1/6)にも掲載)

[コメント]この記事を「そうかなー。そうなんだ」と思った人は、「腕立て伏せい」50回。こんな馬鹿馬鹿しい記事に迷わされてはいけない。戦争というのもは、春物の服を着るか、夏物の服を着るかといった程度のことではない。アメリカの戦争とは巨大な軍事力を本国から数千キロも離れた場所に移動させ、そこに展開させて訓練し、それから情報・指揮や後方支援を整えて、戦力(人間なら体力・気力)を最高度に高めて開戦になる。だから政治も、外交も、すべてあらかじめ設定されたDデー(開戦日)にあわせて調整される。米軍のような巨大な戦力をひとたび起動させれば、その振り上げた拳をゆっくりと降ろすほうがはるかに難しい。これまでに動員した戦力や訓練が無駄になるからだ。それによって米軍兵士の士気の低下は耐えがたい影響を与えるだろう。すなわち1月下旬か2月上旬の開戦が中止(延期)になって、その次が夏の攻撃開始だなどあり得ない。Dデーまでにフセインが亡命すれば、開戦は延期される可能性はあるが、存続している限り攻撃開始は予定どうりに進められている。このような記事が出ることこそ、イラク攻撃が間次かに迫り、フセイン体制に動揺を与えるためと読める。これが情報戦(心理戦)である。
ロシアに「根」張る 旧KGB人脈 クレムリンに直結 経験・知識・膨大な情報網 (サンケイ 1月5日 朝刊) [要約]ロシアの旧ソ連国家保安委員会(KGB)の特殊部隊を含む幹部達は、プーチン政権内で「次官」級のポストに多数(12人)が起用され、実業界では銀行やエネルギー、コンピューター部門で要職を占めていると、ロシアの有力週刊誌「コメルサント・プラースチ」が、150人の元将校以上のリストを掲載した。150人のうちトップはプーチン大統領で、今も90人が国家活動(国家公務員)で活動し、60人がビジネス界に転進している。特に7つの連邦管区の要職に旧KBG幹部を抜擢して、地方の情報を収集して犯罪や反政府活動を押さえこみ、また中央の意志が地方に伝わりやすいように布陣している。中央政府にも「次官級」クラスに12人の人材を送り込んでいる。実業界では武器輸出の独占企業体「オスロボロネクスポルト」の総支配人や、「全ロシア軍基金」の総裁、石油大手「スラブネフチ」の社長、このほかにテレビ会社、エネルギー会社、コンピューター会社、シンクタンク研究所のトップなど、ロシア大企業のトップ60人中20人を占めえている。

[コメント]旧ソ連時代の政界や実業界には、優秀な人材がいなかったという事情もあるが、それ以上にプーチン政権を支える新興勢力として、互いに連絡をとりながらKGB人脈を拡大していったようだ。プーチン政権の外交政策を見ていると、ときには信じられないような外交を行なうことがある。とくにそれを感じるのは、ロシアの北朝鮮政策で奇妙な矛盾を感じることが多い。00年の金正日モスクワ訪問、91年の極東訪問を見ていると、ロシアがKGB流の謀略で北朝鮮に何かを仕掛けているような気がしてならない。(必ずやっている)
 まもなく小泉首相がモスクワを訪問する。日本の政界や財界は、ロシアのKGB人脈とどのように付き合うか。日本でロシア通といわれる人は、軍事知識や謀略情報の分析に弱点がありそうだ。今、ロシアの元KGBたちが北朝鮮に対して、どのような仕掛けを仕込んでいるか、それを小泉首相に進言できる人がいるのだろうか。ロシアにこれだけの役者がそろっているのに、瀕死の北朝鮮に何も仕掛けないなどできないことだろう。この謎を解くキーワードは「シベリア」である。
94年の半島危機 「北」難民10万人 上陸容認 政府「超法規的措置で」 極秘検討 (読売 1月4日 朝刊) [要約]北朝鮮の核兵器開発で危機が高まった94年、政府は「異常事態」が発生すれば、北朝鮮から最大10万人程度の難民が来ると予測し、その対応を超法規的措置で行なうことを決めていた。これは当時の内閣安全保障室がまとめた「大量避難民対策について」(A4版 6枚)で、当時の石原信雄内閣官房副長官が警察、防衛、外務、法務の局長クラスを集めて検討させたもの。それによれば、@難民は一時上陸のあと、収容所に入れたのちに入管が厳格なスクリーニング(審査)を行う。A半島情勢が安定化すれば速やかに帰国させる。ただし元在日朝鮮人や日本人妻は日本在留を考慮するという。また自衛隊の協力を得ることとして、武装難民や工作船の臨検、交戦も想定していたことがうかがえる。この文書は今も各省で引き継がれており、今後の朝鮮有事でもこの対応に近い形で対応することになる。

[コメント]日本でもそろそろこの種の情報が流れ出してきた。これは明らかに政府側からのリーク情報である。北朝鮮対策が本格的に動き出す前に、国民にあらかじめ対応策の根幹を示し、非常事態発生時の混乱を防止する意味がある。とはいっても、難民10万人を収容するとなると、各所に分散させても、大規模な収容施設が何ヶ所も必要になる。また海上や上陸時に武装を解除しても、工作員などは収容施設から逃亡する可能性も高い。この監視も警察や自衛隊の重要な業務である。大災害で学校の体育館などに収容された被災者とは性質が全く違う。難民の中には国家保衛部員など、北朝鮮の秘密警察で政治犯収容所などで虐殺を行なっていた者も含まれている。そのようなものをどのように拘留するのか。崩壊した北朝鮮に送り返せば、新しい政府によって死刑になるものもいるだろう。はっきりいって日本には荷が重い。基本的には韓国に送り返すのが筋ではないか。日本が難民になにもしないとか、追い返す(海上封鎖)という意味でなく、発見すれば手厚く保護を行い、韓国に速やかに移送するという意味である。韓国政府とはこの問題をきちんと話し合っておく必要がある。むろん、元在日朝鮮人や日本人妻が日本に在留を希望すれば受け入れることは問題ない。
 なんだか今年初のWhat Newに相応しい深刻な話題となってしまった。今年もよろしく。