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ブッシュ大統領一般教書演説 自信に満ちた「戦争演説」 北朝鮮・イラク・イランを名指し (読売 1月31日 朝刊) [要約]29日に行なわれたブッシュ演説は、対テロ戦争で築いた国際包囲網をテコに、いわゆる「ならず者国家」に対し、軍事的手段を含む対決姿勢を強く示したものだ。米朝関係者によると、米国は北朝鮮に対し最近、米朝協議再開や核関連施設への査察をめぐる話し合いのために、平城に代表団を送る用意があると伝えた模様だ。その一方で、99年に作成されたペリー報告書(元北朝鮮政策調整官・クリントン政権時)にかわる軍事プラン(ブッシュ政権)が作成されたという情報もある。米国は硬軟両用で北朝鮮への圧力を強めると見られる。
[コメント]日本では国家戦略にあたる「防衛計画の大綱」の見直しが始まっている。その過程でブッシュ政権で新しく策定されたといわれる「北朝鮮・軍事プラン」は、この見直しに強い影響を与えるだろう。防衛計画の大綱見直し作業も、昨年九月に、最初はIT化やRMA(軍事革命)などを重視して始まった。しかし911テロで日本の防衛環境は一変した。日本の国防戦略に米国の対テロ戦争が最前列に出てきた。さらに近い将来、ブッシュ政権の北朝鮮・軍事政策が最前列に出てくるだろう。有事法制の整備は優先順位で後退する可能性がある。これから北朝鮮に向かって、軍事的な圧迫を強めることが優先されるからだ。問題は中国の対応だが、極論で推測すれば中国と米国は、密かに台湾と北朝鮮でバーター(交換)する可能性があると見ている。あくまで極論だが、中国はそれほど長期的な視野で国際政治を行なっている。一方のアメリカは、それほど北朝鮮の大量破壊兵器で攻撃されることを恐れているからだ。テロリストの軌跡 No,44 農薬散布用飛行機に異様な関心 (朝日 1月30日 朝刊) [要約]同時多発テロの主犯とされるモハメド・アタ(33)らは、フロリダの農耕地帯にある小さな飛行場を何度も訪れている。そのたびに農薬散布用飛行機の性能を詳しく知りたがったという。この当時(00年後半)、アタは米農務省のマイアミ事務所を訪れ、農薬散布のために小型飛行機購入のローンを組みたいと申し入れている。(しかし同所のローンは米国市民に限られているため却下された)。はたしてアタたちは農薬散布飛行機を何に使うためだったのか。
[コメント]この情報と関連するのは、アフガンのアルカイダ軍事訓練キャンプでは、超軽量飛行機が購入されており、訓練生に飛行訓練を行っていたという情報がある。超軽量飛行機というのは、ウルトラ・ライト・プレーンと呼ばれるもので、一人乗りや二人乗りのタイプがある。スピードや高度はでないが、地表面の状態(沼、河、海、森林、崖、都市)に関係なく低高度を低速で飛行できる。しかし二人乗りを一人で乗って、あいた一人分に化学剤(サリンなど)を搭載しても、散布量はどうしても50キロ未満(散布機の重量を考慮)である。オウムの地下鉄サリン事件のとき、マスメデアに頼まれてサリンの空中散布を計算したことがある。想定は晴天の日に気温20度で風速は3メートル以下、霞ヶ関一帯に小型機を使い、高度200メートルから散布するというものだった。すると必要量は数トン〜十数トンという数字が出てきた。それも気化の早いサリンではだめで、持続性のあるVXでないと効果はでないことがわかった。アルカイダもそのことに気がついて、超軽量飛行機をあきらめて、農薬散布飛行機に切り替えたのではないか。農薬散布機がどの程度の農薬搭載量(おそらく1トン以下)があるか知らないが、もしアタたちが化学剤(毒ガス)の空中散布を考えていたら、それは製造が簡単で持続性があるVXの空中散布ではなかったかと思う。ということは、アルカイダはすでに大量のサリンやVXを所有していたことになる。昨年の米国・炭そ菌事件では、菌は米国の細菌研究所から流出した可能性が高いことが判明している。だったらアタたちの不可解な行動は、化学剤の空中散布の可能性があるとして、今後の対策を練るべきである。こんどは農薬散布飛行機とは別の散布法を考えているだろう。アフガン駐留の米兵は、正にそのように対応しているのだ。 国会の騒乱は無視。 (神浦注 サリンは揮発性が高い(水と同程度)ので室内など閉鎖された空間で使用されます。VXは揮発性が低い(油脂のよう)で野外など開放空間で使用されます)サウジ駐留米軍 女性兵士の服装規制緩和 (読売 1月29日 朝刊) [要約]米中央軍のフランクス司令官は、サウジ駐留の米軍女性兵士に基地外ではアーバヤ(頭から足首まで覆う黒色の着衣)の着用を義務づけていた司令官規則を廃止し、「着用を強く促(うなが)す」との勧告に緩和した。米軍は91年の湾岸戦争以後、女性兵士の基地外の自動車運転や、男性同伴なしの外出を禁止している。これに対し先月、米軍兵士の女性中佐(パイロット)から、「この規則は、厳格な風習を女性に強制するもので、合衆国憲法に違反する」と、ラムズフェルド国防長官を相手にワシントン連邦地裁に訴訟を起こしていた。この米軍の変更に対し、サウジ当局は事前に連絡がなかったと不満を表明した。
[コメント]アルカイダのテロとアメリカの反テロが「文明の衝突」ではない。このようなアーバヤをめぐる社会や文化の相違が、反発しあうのが「文明の衝突」である。さらに「サウジをイラクから守ってやっている」「米軍に守ってもらっている」という認識と、「米軍は国益のためにサウジに駐留している」「サウジに無理やり駐留している」という認識との違いがある。さらに対立が進めば、ベトナム戦争のようにアメリカ流の価値観(民主主義)を、ベトナムに根付かせる(押し付ける)ことが正義で、それに反発することが悪という対立の構図になっていく。私はそのような対立を防ぐためには、相手の歴史や文化を尊重し、互いの違いを認めあうことが大事だと思っている。テロと対テロという構図は、社会の末端に現れるひとつの現象でしかない。NGO活動はその点で、相手の歴史や文化を尊重し、互いの違いを認めることによって成り立っている。パウエル国務長官 キューバ基地の「アルカイダ」にジュネーブ条約の適用を進言 (サンケイ 1月18日 朝刊) [要約]米ニューヨーク・タイムス紙(27日付)によれば、パウエル国務長官はブッシュ大統領に、キューバ基地のアルカイダに対し、ジュネーブ条約第3条を適応するように進言した。しかしホワイトハウスの法律顧問や司法省は、アルカイダは捕虜の資格のない不法戦闘員で条約の適応は混乱を招くとの見解を持っている。
[コメント]ジュネーブ条約が制定された当時、大規模なテロや非正規戦は想定していなかったと思う。しかし今後、アメリカ軍が戦う相手はゲリラやテロリストたちである。その戦闘の度に、相手全員を殺せば大虐殺である。それでは国際批判と、新たな憎悪を呼ぶことになる。もし生きて確保すれば、彼らを犯罪者として裁くしかなく、アメリカの刑務所はゲリラやテロリストでいっぱいになる。現段階でこの問題を解決するには、キューバのアルカイダに対してジュネーブ条約を無理やりでも適用させるしかない。この問題は過去の経緯や、法の厳正な解釈では適応できない。まさに今までの医療技術では治せない新種の病気なのである。それに、今後、もし米兵が相手に捕らわれた場合、捕虜としての待遇が得れなければ、敵に捕まれば即処刑されることになる。これは報復の連鎖と拡大を招くことになる。そのような理由で、私はキューバのアルカイダ兵士のうち、大部分はジュネーブ条約の定める捕虜として扱うことに賛成である。特にテロ組織の指導者などは、国際機関が設置する国際法廷で裁くべきと思う。・・・・・・私事ですが、24(木)から風邪で体調を崩し、熱を出してしまいました。昨日、なんとか回復しましたが、わずか4日間なのに、米国防予算の増額案、インドのミサイル実験、アメリカの海上発射MDの実験、イスラエルでの自爆テロと軍事進攻、まるで世界中が軍拡に向かって突き進んでいる感じでした。今年はとんでもない年になる。それなのに日本では、世界情勢にまったく関与しない外務書で、官僚と政治家の馬鹿馬鹿しい内輪喧嘩(水掛け論)。本当に情けなくなりました。成田発 幻のテロ計画 94年12月の比旅客機爆破は予行演習だった。(読売 1月24日 朝刊) [要約]95年2月にパキスタンで逮捕された男(ラムジ・アフメド・ユセフ)は、12の名前を使い分ける国際テロリストだった。93年2月の世界貿易センタービル爆破事件の容疑者で、背後にはビンラディン氏がいたと見られている。この男は95年1月にマニラのマンションで、爆薬を製造中に火災を起こし、そのまま逃亡していた。その火災現場に残されたパソコンのデータから、大規模なテロ事件が進行中であることがわかった。それはアジア各国からアメリカに向かう大型旅客機11機を太平洋上で爆破し、別の1機がCIA本部に突入する自爆テロだった。その中に成田発の5機も含まれていた。また94年12月11日に、飛行中に時限爆弾で爆破され、日本人乗客一人が死亡したフィリピン航空機の爆破事件は、そのための予行演習だったのだ。そのテロ決行予定日は、95年1月21−22日だった。このテロ計画が失敗(挫折)して、次のテロ計画が作成された。それが01年9月11日の米国同時多発テロなのだ。
[コメント]これは読売新聞の特ダネである。元FBIニューヨーク副支局長だったビル・ガビン氏(60)や、ガビン氏の同僚だった元FBIテロ対策部隊長のニール・ヘルマン氏の証言で記事の根幹を固め、当時に事件を目撃した関係者の証言で脇を詰める特集記事だ。この記事で気になったのは、旅客機爆破に液体爆薬(ニトログリセリン系)とデジタル時計を組み合わせた時限爆弾が使われたことである。液体火薬は大韓航空機爆破(87年11月)に使われたことがる。ウイスキーなどのビンで偽装しやすく、事前に探知することは難しく、爆発威力は絶大である。またデジタル時計を使った時限装置も発見が難しい。ある意味では、テロリストが操縦席に乱入し、パイロットを殺して操縦桿を握る自爆テロより危険である。いわばこれこそが、古典的だが旅客機テロの基本形なのである。私はまだアルカイダの残党に、この種のテロをやる力は残っていると見る。冬季オリンピックが行なわれる来月は、旅客機の機内にビン類の持込を制限することを検討すべきである。アルカイダ サリンやVXなどを保有か 国連安保理が報告書を公表 (読売 1月23日 朝刊) [要約]国連安保理は21日、アフガンの旧タリバン勢力やアルカイダが、サリンやVXなどの化学兵器を保有している可能性がある報告書を公表した。化学兵器は射程280キロ〜300キロのスカッドBミサイルや、化学砲弾などという。カブールに展開中の国際治安支援部隊(ISAF)が攻撃を受ける恐れがあるという。
[コメント]実はアルカイダの残党が、サリンやVXを保有していても不思議ではない。サリンやVXはかなり昔の化学技術で製造されているからだ。むしろスカッドBという運搬方法に注目している。カブール近郊に米軍の主力が展開しないのは、このスカッドBの脅威(射程内)を警戒しているからなのだろうか。秘密の基地に隠されているスカッドBを、カブール付近から米軍がいるカンダハル近郊に移動させれば、米軍は容易に発見できる。だからアルカイダは化学兵器弾頭付きのスカッドBを移動できない。攻撃目標が米軍ではなく、カブールに展開中の国際治安支援部隊(ISAF)という理由はそれか。私が見た(昨年11月)タリバンのスカッドB(ロケット本体)の写真は、荒れた倉庫に1体だけ横たわり、ホコリに覆われて上部には鳥のフンも付着していた。とても発射できる様には思えなかった。しかしアフガンには20〜30発のスカッドBと、移動発射台(車)が存在していたことは確かである。(ミリターバランス 2001〜2002より) あのスカッドはどこに消えたのか。この時期に報告書が公開されたことに、なにか嫌な感じがする。巡視船に30ミリ機関砲 海保、装備を検討 (サンケイ 1月22日 朝刊) [要約]海保は12月の不審船事件を受け、大型巡視船に砲安定装置のついた30ミリ機関砲を装備する検討を始めた。30ミリ機関砲はロケット砲が届かない7キロ離れた場所から精密な射撃を行なう性能がある。平成14年度には、30ミリ機関砲を装備した770トンクラスの大型巡視船が配備されることが決まっている。また、不審船が沈没した海域では、海保の巡視船や航空機が24時間体制で監視している。北朝鮮が不審船を回収(あるいは破壊)することを警戒しているから。なお、この監視は不審船が引き揚げられるまで続くという。
[コメント]本当に7キロ離れた目標に、30ミリ機関砲弾を精密に射撃できるか疑問である。それは弾が7キロも飛ぶ間に、海面の影響(波)で目標(不審船)が上下左右に激しく揺れるからである。12月の不審船事件では、射程が300メートルと近かったので、テレビで報道されたような正確・精密な射撃ができた。いくら770トンの巡視船に砲安定装置の30ミリ機関砲を搭載しても、目標が激しく動いては船首や舵を精密に射撃できない。だったら、3キロならどうか、5キロならどうかという疑問がでるだろう。しかし、それでは使いものにならないのである。7キロ離れた場所から精密に射撃できる機関砲でなければ、新らしく搭載する意味がないのだ。この理由は、「軍事常識のABC 不審船・銃撃マニュアル」で解説文を書きました。ご参考にお読みください。というわけで、それなら30ミリ機関砲のかわりに、発煙弾発射機や自分の船を隠す発煙装置を取り付けるほうが効果的と気がつくはずである。新宿中央公園事件 殺傷力 徐々に確認? すべて黒色火薬使う (毎日 1月21日 朝刊) [要約]新宿中央公園で19日朝起きた爆発事件で、同一犯人が起こしたと見れる渋谷(10日)、品川(12日)で、すべて黒色火薬(花火用)が使われ、爆発実験をしながら新宿中央公園事件を起こした可能性があることがわかった。渋谷ではアンテナのようなものが見つかり、新宿では乾電池やリード線が見つかっている。品川では起爆装置を裏付けるものは見つかっていない。
[コメント]品川では起爆装置が見つかっていないが、これは導火線を使って爆発させた可能性が高い。花火の導火線を横に並べ、糊付けして乾燥させれば、簡単に数十秒間の導火線ができる。詳しくは報道されていないが、この爆発現場は人通りのない場所を選んでおり、バッグに入れた大量の火薬が使われていた。黒色火薬の爆発力を試したようだ。渋谷では起爆にラジコンが使われ、犯人は現場に近くに忍んで、水道管に使う塩化ビニール管に積めた火薬を爆発させたようだ。ラジコンは目視確認で爆発させるために使われるからだ。最後の新宿中央公園では密閉度の高い消火器に積めた爆弾が使われた。現場に残された乾電池やリード線の遺留物から、被害者が箱に入った消火器を手にとって、箱を開いた時に通電し爆発する仕掛けの爆弾である。この犯人の現場での共通点は、黒色火薬(花火用)を使った以外に、現場近くに潜んで爆発効果を視認する愉快犯である可能性が高い。おそらく新宿中央公園の爆発現場でも、爆発時に近くにおり、片手・片足を吹き飛ばされた被害者や、警察の初動捜査を目撃した可能性がある。放火犯が火事の現場で消火活動を見ているような心理である。とにかく路上や公園に放置された不審な荷物は用心して触らないように。また犯人はいろいろな起爆装置を試しているようにも思えるので、これから不審な郵便物には特に注意が必要だ。手製爆弾の性能については、当ホームページの資料室にある、2000年12月に作成した軍事知識のABC、「手製爆弾のランク付け」を参照してください。手製爆弾を理解する上で役立ちます。不審船引き揚げ構想 政府内に積極派と消極派 (読売 1月18日 朝刊) [要約]政府内には、先月12月に沈没した不審船を引き揚げることに、積極的な意見と慎重な意見があるという。積極的な意見は小泉首相などで、船内に残されたものから国籍を確認し、今後の対策に役立つものを見つけたいという。消極的な意見は福田官房長官や田中外相で、中国や北朝鮮との関係悪化を招くので引き揚げに慎重という。
[コメント]99年の不審船事件のときは、逃亡した不審船をめぐって、政治家やマスコミは「あれは自衛隊が撃沈すべきだった。取り逃がしたのは屈辱的でさえある」という意見が多かった。それに対して私は、マスコミの取材に「家の庭に野良犬が入り込んだ。それをいちいち射殺していたら、庭が血で汚れるし、死体の処理も大変。野良犬は石を投げて追い払えばいい」と答えていた。しかし今回の不審船は沈没して、乗員全員が水死する事件となった。北朝鮮は一切関係ないと表明しているのだから、日本は中国に銃撃の正当性を証明する意味で、不審船引き揚げを進めるべきである。不審船は逃亡中に、巡視船に向かって中国の国旗を振っている写真を見せれば、中国は引き揚げを了承するだろう。もしそれでも中国が引き揚げはダメだといったら、テポドンの時のように中国が北朝鮮に二度と不審船の活動を行なわさせないと確約してもらう。(非公式の外交交渉でもいい) それくらいのことは要求しても問題にならない。今月になって、博多沖で拿捕した中国の貨物船は、北朝鮮(沖合い)で覚せい剤を積み、博多沖合いで日本側に密輸をするところだった。(船長の証言) この事件は、中国の捜査当局から海上保安庁に通報され、覚せい剤密輸船の拿捕・逮捕に結びついた。日本が中国との関係悪化を心配するように、中国にも日本との関係悪化を心配する人もいるはずだ。米軍に協力してしてもらって、付近の海上を厳戒態勢にして引き揚げるより、中国側と共同作業(中国の排他的経済水域)で引き揚げるほうが好ましい。何度もいうが、東シナ海を戦争や犯罪の海にしないで、平和と繁栄の海にしなければいけないからだ。中国に対し不要な遠慮や気配りをするのは、長期的に見れば、日本と中国との関係悪化を招くことになる。私は中国政府が北朝鮮の覚せい剤密輸を擁護するとは思えない。とにかく北朝鮮問題は、中国を介入させるしか方法はない。米大統領 イラクへの軍事行動 改めて示唆 (毎日 1月18日 朝刊) [要約]ブッシュ大統領は訪米したトルコのエジェビット首相と会談し、米国がイラク攻撃を行う場合はトルコと事前協議を行なうことを約束した。ブッシュ大統領は、「フセイン政権が国連の大量破壊兵器の査察を受けいれないなら、米国は適切な時期に(軍事攻撃で)対処する」と語った。
[コメント]米軍が次にイラク攻撃をする理由は、同時多発テロを行なったアルカイダを、イラクが支援していたからという説はなくなった。そのかわりに登場したのは、「大量破壊兵器の開発と貯蔵を止めず、国連の査察にも応じないから」という理由に変わった。アメリカのこの変化が重要である。この根拠によれは、北朝鮮が開発・貯蔵している生物・化学兵器に対しても国連の査察を要求し、応じなければ軍事攻撃の可能性があることになる。米軍 中央アジアに拠点 基地使用 ウズベクと25年契約 (サンケイ 1月17日 朝刊) [要約]ロシアの有力紙イズベスチアは16日、ロシア国防省の話として、米・NATO軍がウズベキのハナバード空軍基地とキルギスのナマス空港に、それぞれ軍事空港を建設することで合意したと報じた。ハナバード空軍基地は25年契約の賃貸しで、米軍は最大3000人の米兵を駐留させ、50〜60機の戦闘機を配備する予定という。米軍は同基地の改修費に5億ドル、貸賃料として年間2億7千万〜3億ドルが支払われる。キルギスのナマス空港には、米兵やフランス兵など最大3000人を配備し、空港の近代化改修が終われば、Fー15戦闘機やミラージュ攻撃機が配備される。イズベスチアは、「これにより米・NATO軍の行動範囲は、中央アジア一帯と中国西方からインド、パキスタン国境まで広がることになる。中央アジアの政治、軍事地図は見違えるほど変化する」と指摘している。
[コメント]これが同時多発テロにより発生したアフガン戦争で、アメリカが中央アジアで獲得した国益(権益)である。多くの日本人は軍事力を国を守る保険のようなものと考えている。しかしアメリカや欧州など大部分の国では、軍事力とは敵対勢力を排除して、自国の国益を拡大させるための手段(道具)と思っている。軍にはそのような期待を、政府や国民から課せられている。これで中央アジアの地下に眠る莫大な天然ガスは、米・欧の資本(投資)で開発され、その一部はアフガンからパキスタンにパイプラインで送られ、カラチ港から日本などアジア各国へ輸出される。また国際的な石油依存率が低下し、中東など石油産油国の政治・経済の影響力は低下することになる。・・・・だからといって、日本が権益(国益)拡大のために、軍事力を再構築することは反対である。アメリカの軍事力に頼らずとも、日本の国益を拡大させる方法が必ずある。今の外務省や政治家に、それがまったくわかっていないだけの話である。日本は人材に関して、世界トップレベルのクラスに位置している。日本という枠にとらわれず、平和になり、豊かになっていく人たちの中で、信頼関係を築いてともに繁栄する方法である。だから対立を利用することではない。そんな日本人であることを誇りたい。中国首相 対印関係発展に意欲 パキスタン一辺倒転換 (読売 1月16日 朝刊) [要約]インドを11年ぶり(首相訪問)に訪問中の中国の朱首相は、14日のバジパイ首相との会談で、緊張状態にあるインドとパキスタンとの関係を発展させる姿勢を明確にした。朱首相は今後のインドとの関係改善で、相互交流、経済貿易での協力、科学技術の交流促進など5項目を提案した。中国は米国がアフガン問題で南アジアに影響力が強まることを懸念しており、インドとの関係を発展させて米国に対抗する戦略を重視している。中国は伝統的友好国のパキスタンとの関係維持にも配慮しており、ちょうど北朝鮮と韓国のように対立する両国と関係を維持しているのに似ている。インドとしてもパキスタンに強い影響力を持つ大国・中国の意向は重視せざるを得ない。
[コメント]アメリカが中央アジア、アフガン、パキスタンなどで影響力を拡大すると、中国はアメリカが手を出せないパキスタンとインドの対立関係を利用して、アメリカをけん制する作戦にでた。やはり中国はなかなかの外交上手である。アメリカのように軍事力で一気に全部を押さえ込むようなことはしない。中国はアメリカや日本などの力を利用しつつ、そのまわりをゆっくりと包んで、少しずつ飲み込んでいくのである。カンボジア(西部の一部を除く))がこの外交テクニックで、すでに中国の政治支配下に飲み込まれている。アメリカはベトナム戦争の悪夢から、インドシナ情勢に関与できないことを知っているからだ。21世紀中の前半にも、朝鮮半島、台湾、インドシナが、中国に飲み込まれると予測するのは容易である。それも軍事力ではなく、巧妙な外交政策で併呑(へいどん)を達成する。軍事力で中国に対抗しようとしても、今回の朱首相のインド訪問のように、長期的な併呑政策に対抗することは難しい。単純な中国軍事脅威論は、やすやすと中国の術中にはまるだけである。日本に(超)高度な中国政策研究所を設立して、中国の外交政策などの分析を行う調査機関が必要である。アフガンのサラン峠、全長3キロのサラン・トンネル復旧工事完了 (サンケイ 1月15日 朝刊) [要約]標高4000メートルで、全長3キロのサラン・トンネルは、80年代にソ連軍が超大型トレーラーが通行できる戦略路確保のために建設した。アフガン内戦で、96年に北部同盟がタリバンの北進を断つために爆破して遮断していた。しかし米軍のアフガン攻撃が始まると、ロシアが復旧工事を開始して再び開通させた。これでウズベキスタンから国境のアムダリア川にかかるハイラタン橋を渡り、サラン・トンネルを抜けて、首都カブールに通じる道が開通したことになる。アフガンやウズベクにとっては、ロシアの地政学的な影響力が強まると考えられる。しかしウズベクのシンクタンク「戦略・地域研究所」のホジャブ・アハート地政学・国際関係部長は、「ウズベクは99年4月にCIS(独立国家共同体)から脱退したが、再び、CIS集団安保条約に復帰することはない」と明言した。
[コメント]ウズベクとアフガン国境にあるハナバード空軍基地には、今も米軍が駐留して撤退する様子はない。おそらくこのまま米軍のウズベク駐留は長期化するだろう。そこでアラビヤ海に面したカラチ港とイスラマバードを結ぶ輸送路をカブールと直結する。さらにカブールからサラン峠を通ってハイラタン橋を渡りウズベクに入る。この輸送ルートが中央アジアを結ぶ極めて重要な戦略道路になることは間違いない。やがて春になれば、ダシケントからカラチまでバス旅行ができるようになるのだろうか。国際ジャーナリストでなくとも、秘境ファンにはたまらない旅行コースである。このホームページで参加者を募集して、いっしょにこのコースを旅してみますか。むろん割り勘です。10人も参加すれば、車2台で走破できます。やるとすれば5月の連休。当PXではそんな猛烈ツアーを検討しています。(3月初旬に、カンボジアで対人地雷処理作業体験ツアーを企画しています。これ本当。詳細はしばらくお待ちください。寝袋持参の格安ツアーです)米比軍事演習 今月(今日)から合同演習 (読売 1月15日 朝刊) [要約]フィリピン国防省は米比合同演習「バリカタン02−1」を、今月(15日)からミンダナオ島サンボアンガ市、バシラン島で開始することを明らかにした。アンヘロ・レイエス国防相は、「演習では”実地試験”もありえる」と語り、イスラム武装組織「アブ・サヤフ」の掃討作戦が行なわれることを示唆した。この演習は比国軍1200名と、米軍の特殊部隊160人を含む660人が参加する。時期は6月までとしているが、12月まで延長されることもあると公表された。
[コメント]この演習の山場は2月と設定されている。それまではアブ・サヤフ情報の収集と、退路(逃走経路)を断つことが作戦の主眼である。もし私にこの演習を取材できる機会があったなら、オーストラリア軍とインドネシア軍の特殊部隊・指揮官クラスが、オブザーバーの資格でこの演習に研修しに来ていないか取材する。これだけ長い演習期間なら、かならず研修の目的が含まれているからだ。また情報収集目的(自衛隊法)で、陸上自衛官が研修に来ていないかにも興味がある。昨年11月には、海上自衛隊の自衛艦が情報収集目的(自衛隊法)で、戦闘海域のアラビア海に派遣している。日本では新たな事態がすでに始動していると考えていいだろう。しかし日本人ジャーナリストが取材に行くとなると比軍のガードが厳しいから、フィリピン人ジャーナリストに取材を依頼する。日本政府が対テロ軍事行動で米軍に協力するというなら、当然ながら「バリカタン02−1」に陸上自衛官を研修で派遣しなければいけないし、それを取材して報道することもジャーナリストの使命なのだ。この健全な関係が日本ではタブーとされている。写真はフィリピン南部のバシラン島で、フィリピン軍特殊部隊の訓練を指導する米軍顧問(昨年10月)。記者は考える 「江ノ島事件」教訓は何か 田岡俊次氏 (朝日 1月14日 朝刊) [要約]今月の6日、「江ノ島(神奈川県)の海岸に筒状の船が浮上し、中から5.6人が泳いで上陸し、船は再び潜没した」という通報があった。このため海上保安庁は巡視船17隻、航空機4機が出動する大騒ぎなった。しかしよくよく考えてみれば、潜航艇らしき船が浮上し、男たちが上陸した海岸は、水深5〜10メートルの岩礁が沖合い200メートルまで続く海で、船底から司令塔まで8メートルある潜航艇では接近することは難しい。また付近に停泊中の北朝鮮の貨物船ソナム号は、城ヶ島沖合い4キロに停泊していた。ソナム号が投錨したのは6日の午後6時40分、江ノ島に(上陸)する20分前だ。その時間で江ノ島までの25キロを移動するのは、潜航艇は時速75キロ(水中速度40ノット)が必要だが、そんな高速をだせる潜航艇など存在しない。そのように考えると、この情報がいいかげんなものであることが理解できる。危機管理では迅速な対応が必要だが、冷静に偽情報を排除する検討も必要である。
[コメント]これが有名な田岡節である。事実を計算式で証明していく論証法である。じつはこの論証の裏には、田岡氏が江ノ島周辺の海域に詳しいという事情もあるようだ。江ノ島周辺で定置網の場所、浅い海底地形、地元のヨット乗りや漁師以外は知らないことを、田岡氏は知っているからである。それは田岡氏が江ノ島周辺を、ヨットで何度もクルージングをしていたからと想像する。私は相模湾をヨットでクルージングするときは、熱海や伊東から城ヶ島を結んだ線で往復している。だから城ヶ島周辺の定置網や岩礁についてはよく知っているが、まだ江ノ島周辺でクルージングをしたことがないので知らない。とにかく、海で事件が起きた場合は、まず海図を見ることを勧める。20年も前になるが、大西洋でソ連の原潜が火事を起こして近くの貨物船(ソ連船籍)に曳航された。ところが曳航10日目でついに沈没してしまった。原潜の乗員は曳航した貨物船に救助されたが、原潜は搭載した核兵器や原子炉とともに、深い海底に沈んでしまった。何か、嫌な感じがしたので、この付近の海図を買って調べてみた。すると原潜が沈没した海底は、大西洋で最も深い海域とわかった。なんてことはない。ソ連は火災を起こした原潜を、大西洋に海洋投棄したのである。海の事件では、まず海図を見ることから始める。これが私の教訓になった。12月の不審船沈没のとき、すぐに「あの海域は浅いので回収が可能だ」と書いたのは、あの原潜火災の教訓があったからだ。米、インドネシア国軍と軍事交流再会へ (読売 1月13日 朝刊) [要約]米政府は東ティモールでの人権問題(99年9月)を理由に、凍結していたインドネシア国軍との軍事交流を、全面的に再開する方向で検討に入った。これはインドネシアのイスラム過激派や、同国に潜伏しているアルカイダを壊滅させるには、インドネシア国軍の協力が欠かせないと判断したからだいう。11日付けのワシントン・ポスト紙によれば、インドネシアのマルク諸島やスラウェシ島にはアルカイダがテロリスト訓練基地をひそかに設営。現地のイスラム原理主義勢力などの保護下で、外国義勇兵に対する訓練を行っていると報じた。
[コメント]インドネシアは人口が2.2億人もいるイスラム国家である。インドネシア国軍は陸軍が23万人で、特殊作戦能力を持つのは戦略予備(KOSTRAD)の3万人と特殊部隊(KOPASSUS)の5千人である。このほかに軍管区コマンド(KODAM)の15万人が配備されている。また陸軍とは別に、警察でありながら対ゲリラ戦を担当する準軍隊の19.5万人がいる。その中には14000人の警察「機動旅団」(BRIMOB)が編成されている。陸軍が装備している兵器も、軽戦車や装甲車が多く、極めて対ゲリラ戦を重視していることがうかがえる。すなわち対テロに主軸を移したアメリカ軍にとって、インドネシア国軍は使いやすい軍隊なのである。さらに彼らがイスラム教徒とならば、これからの戦争でその価値は倍増する。中東などイスラム諸国の反発を最小限に押さえ込むことを期待できるからだ。これからアメリカ軍は十分に時間をかけて、インドネシア国軍に最新の対ゲリラ戦争をたたき込む。だから直ちに、インドネシアで米軍の軍事作戦は始まらない。中国 ICBM多弾頭化も 米が警戒 (朝日 1月11日 朝刊) [要約]米国家情報会議(NIC)が9日公表した「2015年までのミサイル脅威報告書」は、中国が現在配備している米本土到着可能なICBMを、2、3年以内に多弾頭化する可能性があると予測した。米国が04年に配備を予定しているMD(ミサイル防衛)は、ICBMで多弾頭化されたものは防ぐのは困難とされている。報告書では米国を射程に含むICBMが20基のほか、ロシア、アジア向けのIRBM(中距離ミサイル)が10基と潜水艦発射(SRBM)を配備しているとしている。中国のICBMは15年までに、すべて移動式になり、75〜100基に増えると予測した。なお、中国外務省は同報告書を「根拠なのない推測」と批判した。
[コメント]数日前、アメリカは核弾頭を現在の1/3(それでも1800発程度)に削減するが、削減した核弾頭は破棄しないで保存すると公表した。すなわち1/3は核兵器の削減ではなく、核兵器の管理変更にすぎないことを表明したのである。(核兵器削減交渉で合意した多弾頭から単弾頭にしたとき、取り外した核弾頭も保存している) さらに保存した核弾頭の信頼性を確認するため、地下核実験を再会する可能性があることもわかった。アメリカはそれほど巨大な核戦力を維持して威嚇ながら、中国がアメリカを攻撃できる核戦争能力を高めることを警戒している。逆に中国は米国のMDの威嚇に対して、多弾頭化で対抗しようと研究を強く進めている。そんな米中関係の中に入って、日本が「双方の核戦力を削減せよ」と提案しても、聞く耳を持たないだろう。はっきり言ってアメリカや中国、それにロシアも、核戦争の恐怖に取りつかれて抜け出せないのだ。困った者たちである。日本が核兵器を持たない、生物・化学兵器を持たないという戦略は、極めて先見のある賢明な選択だった。対テロ戦線 比で拡大 米が軍事顧問100人増派 (読売 1月10日 朝刊) [要約]フィリピンのイスラム武装組織「アブ・サヤフ」掃討作戦を支援するため、米軍は同時多発テロ以来第4陣目の軍事顧問団を、来月2月に100人をフィリピンに派遣することを決めた。昨年10月から3回の派遣では、毎回、米特殊部隊員20名が200人のフィリピン軍を指導していた。フィリピンでは米軍が直接戦闘に参加できないが、フィリピン軍スポークスマンは、「比国軍司令官の判断次第で、何らかの装備の使用などを補助することはありうる」とし、米軍特殊部隊が間接的に掃討作戦に参加する可能性を示唆した。(米国内では米軍の派遣規模を500人と報道しているメデアもある)
[コメント]イスラム武装組織「アブ・サヤフ」のメンバーは、アルカイダのアフガン軍事キャンプで訓練を受けたとされている。さらに今も米国人夫婦など3人を人質に取って逃走している。実際の武装は山賊程度の軽武装である。それに逃亡しているのは四方を海に囲まれたバシラン島という特殊な地形である。背後に強力な支援組織はない。・・・・・・私が何を言いたいかといえば、これは米軍特殊部隊やフィリピン軍にとって、絶好の実戦訓練になると思うのだ。もし米軍が危機に追い込まれた人質を救出するために、アブ・サヤフを襲撃して人質を奪回する気があったなら、すでに片付いている事件である。しかし米軍は、3人の人質が危険な状況(殺害される可能性)にないことを何らかの方法で確認したのではないか。そこで対テロ作戦の基本シナリオを作成して、その通りのことをフィリピン軍相手に実践していたと思う。それの最終幕が2月(あるいは今月下旬)の掃討作戦なのである。まるで陸上自衛隊・離島派遣隊の教範に載せたいような特殊作戦の進め方が気になったのは、そんな理由を感じたからである。 写真は昨年12月、米軍事顧問を乗せた比国軍のUH-1ヘリ。(場所は米軍が駐留しているミンダナオ島サンボアンガ付近か?)米の「次の標的」 ソマリアを強く示唆 イラク言及避ける。米国防副長官 (朝日 1月9日 朝刊) [要約]ウォルフォビッツ米国防副長官は7日、ニューヨーク・タイムス紙のインタビューで、対テロ軍事作戦の次の候補地は、ソマリア、イエメン、インドネシア、フィリピンと4カ国の名を挙げた。しかし攻撃対象国として、イラクの名前を挙げることは避けた。同副長官はイラク攻撃を主張する強硬派の一人だが、イラク攻撃の判断は先延ばしにすることを示唆した模様。特に強調したソマリアは、「磁石のようにテロリストを引き寄せる無法国家」と指摘した。そしてCIAが米軍と協力できる地元勢力を探していると語った。
[コメント]これほど露骨にソマリア攻撃を表明して、テロリストが地下に潜らないか心配する人も多いだろう。にも関わらず、アメリカが「やるぞ、やるぞ」というのは、象徴(政治宣伝ショー)的な攻撃の要素が強いからである。もし本気でテロリストの壊滅を目指すなら、デルタを密かにソマリア南部に潜入させ、拠点や訓練キャンプを襲撃して殲滅する。しかし今回は、アメリカがテロリストと戦う姿勢を国民や世界に見せたいのである。だから政治宣伝の要素が強い。だが政治宣伝とわかれば、タネを明かした手品のようなものである。だからテロ組織は軍事的な損傷を最小限に抑えることが可能である。日本政府はアメリカの対テロ戦争に貢献したいようだが、このあたりとの付き合い方はどうするのか。日本も建て前と本音を使い分けますか。「パレスチナ自治政府から指示」 拿捕船の船長語る(CNN 1月8日 CNN.CO.JP) [要約]エルサレム(CNN) イスラエルが「武器を運んでいる」として紅海で拿捕(だほ)した船のオマール・アカウィ船長は,、7日、「私はパレスチナ自治政府のために働いており、ギリシャにいる自治政府当局者の指示を受けている」と自治政府の関与を認めた。同船長によると、イラン沖で武器を小船から移し、ペルシャ湾、紅海、スエズ運河を経由して、エジプトのアレキサンドリアまで運ぶつもりだったという。シャロン首相は「自治政府のアラファト議長が指示を出していた」と述べている。自治政府は船長が武器密輸を認めた件で、まだコメントをだしていない。
[コメント]アラファト議長は苦しい立場になった。もしアラファト議長が、「イスラエルにはアメリカが堂々と最新武器を提供しているが、パレスチナには自衛用の武器さえ認めていないからだ」と居直ればどうなるだろう。少なくともパレスチナに同情的なイスラム諸国は、そのように考えていることを知っておいた方がいい。それにしても、日本政府の影が薄いのには驚いてしまう。江ノ島の不審者上陸は ウソ。通報者「不審者浮上」は戦争小説を参考に創作した。(毎日 1月8日 朝刊) [要約]6日、神奈川県の江ノ島付近で、潜水艇のような黒い筒が浮上し、ウエットスーツを着た5〜6人が上陸してきたと通報があった件で、この男性の通報者がウソをついていたと認めた。男性は、「妻とけんかし、むしゃくしゃしていたら、海から泡が出ているのを見て、潜水艦が浮かび上がってくるイメージが膨らんだ。戦争小説を参考に話を創った」と供述した。
[コメント]やばい、この戦争小説とは俺の書いたものかもしれないぞ、と考えながら、この新聞の記事を読んでいたら、そばでカミさんが、「その戦争小説、あなたの本じゃないの」ときた。「違うだろう。同じような本はいっぱいあるから」と答えながらも、自宅に警察官がやってきて、「神浦、お前を軽犯罪法違反(虚偽申告)の教唆容疑で逮捕する」となったら大騒ぎになるだろうと想像していた。確かに、私の著書「北朝鮮・最後の謀略」(軍事小説)では、偽装された北朝鮮の貨物船の船底から、横須賀の米軍基地沖で潜水艇が発進するシーンがある。私は連行された警察の取調室で、「ほかにどんなことを考えた。言ってみろ」といわれ、「実は先日の不審船事件ですが、不審船の船内に積まれていた潜航艇に乗って、乗員が逃亡したという話を考えました」。すると警察官が真っ青な顔になって、「貴様、それは最高度の国家機密だぞ。まさか小説に書いたり、ホームページに掲載していないだろうな」と怒鳴りつける。国家機密漏洩罪は最高が無期懲役。私は「ただ、想像しただけなんです」と必死に弁解する。そんなことを考えていたら、「ボーとしていないで、早く朝食を済ませて。今日から新学期(娘の小学校)なんだから」とカミさんのしかる声。やっと小学校の冬休みが終わった。万歳。これで娘と「ハム太郎」の映画を見に行かなくていい。でも同時上映のゴジラは結構面白かった。このコメントの赤字以外はすべてフィクションです。当たり前ですが一応。米小型機 故意に突入 ビンラディン氏に共感 「テロを支持」 (毎日 1月7日 夕刊) [要約]フロリダのタンパ市でおきた米銀行ビルへの小型機衝突事件は、操縦していた少年(15歳)がビンラディン氏に共感し、自殺目的で故意にビルに激突させた事件であることが判明した。タンパ市警察の捜査で、少年の衣類のポケットから遺書が見つかって、同時多発テロを支持していることがわかった。
[コメント]孤独な少年だったらしい。少年の同級生が、「彼が人と会話をしているのを見たことがない」と話していた。そんな環境で生きていれば、自殺したくなるのもわかるような気がする。おそらビンラディン氏の思想に共鳴したのは、自殺することを正当化するだけのことだったのだろう。それをマスコミが「テロを支持」とやるのは、ちょっと飛ばしすぎのような気がする。それよりも、この小型機が中央軍司令部の上空を通過していたことがわかった。あの小型機ならパイロットの体重以外、200キロ程度の爆薬を積むことは可能である。これなら対地・対艦ミサイルの弾頭(炸薬)重量程度はある。米政府は「テロとの戦い」だと言いながら、本拠地で意外な弱点(急所)を露出してしまった。テロと戦うことがいかに難しいか、これで少しはわかったと思う。全米には約22万機の小型自家用飛行機が登録されている。追放ザイーフ氏 米が拘束 艦船に移送 尋問 (サンケイ 1月7日 朝刊) [要約]旧タリバン政権で元駐パキスタン大使のザイ―フ氏が、5日に米軍に身柄を拘束され、アラビア海に展開する米軍艦船に移送し、尋問を受けていることが判明した。ザイ―フ氏はパキスタンに政治亡命申請したが、却下されアフガンに追放されたところを拘束されていた。
[コメント]こうなれば、誰もがザイ―フ氏はビンラディン氏やオマル師の行方について、米軍から厳しい尋問を受けていると想像するだろう。しかしザイーフ氏がビンラディン氏やオマル師の行方を知らないことは、米軍はすでに承知である。米軍に拘束され、取調べを受けることが確実なザイ―フ氏に、重要な秘密情報は伝えているわけがないからだ。米軍の情報部はザイ―フ氏にそんなことは尋問しない。ならばザイーフ氏は何について取調べを受けているのか。それで特に重要なのは次の2点である。(1)タリバンとアルカイダとの関係が深まった経緯についてと、アルカイダの海外拠点や主要人物のあぶり出しである。これは次のテロを防ぐという意味で重要な情報である。(2)は、パキスタン軍統合参謀本部情報局(ISI)との関連である。タリバンを育てたISIは、今はタリバンを切り捨て米軍に協力している。しかし全面協力的なのか、ただ協力を装っているだけか判明しない部分を、米軍はザイ―フ氏に尋問するのだ。尋問官はザイーフ氏を脅したり、カマをかけて問い詰めていく。ザイ―フ氏の供述した内容が、すべてISIから受けていた情報と一致すれば、ISIは米軍の信頼を受けることになる。もしISIが伝えていない重要情報を話せば、ISIは米軍の信頼を失うことになる。ザイーフ氏を米艦船に移送したのは、ISIの心理的な影響を排除するためである。ザイーフ氏が米艦船に移送された事を知って、身震いしたISIの幹部は多いはずである。ザイーフ氏に効く脅し文句は、「何も話さないなら、このままカンダハルに送り返してやる。そしてお前が何もかも話したと噂を広める。それでもいいんだな」。もしザイーフ氏が送り返されたカンダハルで、そのような噂がたてば必ず裏切り者として暗殺される。こうしてザイーフ氏は米軍にすべてをぶちまけることになる。捕虜尋問の取り調べ技術は高度に発達している。フロリダ 小型機が高層ビルに激突 テロの効能性低い (NHK 1月6日 夜9時のニュース) [要約]フロリダのタンパで起きた高層ビルへの小型機衝突事故は、地元の飛行訓練所に通う15歳の少年の行なった。少年は飛行教官が目を離したときに操縦席に乗り込み、無断で離陸した。直ちに沿岸警備隊のヘリが追跡したが、小型機は高層ビルに向かい、最終的に急旋回で避けようとしたがビルに激突して死亡した。この空域は特別な警戒空域のため、F-15戦闘機2機がスクランブル発進した。
[コメント]小型自家用機の免許は16歳で取得できる。だから中学生でも小学生でも、飛行訓練所に通って、教官のもとで操縦の訓練を受けることは問題ない。また、小型機に一人でも免許を所持していれば、誰かが代わって操縦することも合法的である。この日、少年は両親とともに訓練を受けに来ていたという。両親にかっこいいところを見せたかったのか、目立ちたいという気持ちが暴走したのだろう。テロ専門のFBIが現地に捜査に向かったが、これは少年のテロ関与を捜査するより、小型・航空機の管理状態を調査しに派遣されたのだろう。教官と航空機が一体化する管理システムを考えるためである。教官が乗り込まなければ、エンジンがスタートしない方法が必要である。この一報を聞いたとき、フロリダのタンパという名前がでたので背筋が冷たくなった。タンパにはアフガン作戦を指揮する中央軍司令部があるからだ。もし小型機が中央軍司令部のあるマックディル空軍基地に接近すれば、F-15戦闘機で間違いなく撃墜されただろう。少年の無計画な暴走飛行でも、小型自家用機は軍用機に撃墜される。これは今やアメリカの常識である。写真はバンク・オブ・アメリカにビルに衝突した小型飛行機。高校生は死亡した。韓国 米から地対地ミサイル購入 射程300キロ (サンケイ 1月5日 朝刊) [要約]韓国・国防省は米ロッキードマーチン社との間で、地対地ミサイルATACMS(射程300キロ)の本体111発と、発射台29門を、総額四千億ウォン(約400億円)で購入する契約を結んだ。導入後は2004年までに完全配備される予定。米国がATACMS(ブッロク1A型)を海外に販売するのは韓国が初めて。(神浦注・・・・英国・軍事専門誌 JDW誌の1999年10月13日号に、韓国がブロック1Aを購入する記事が掲載されています)
[コメント]昨日の朝刊記事だが、なぜか気になってしかたがないので、今日のこの欄で掲載することにした。韓国は数年前からATACMSの導入とは別に、熱心に射程300キロのSSM(地対地ミサイル)を自国・開発中と思っていた。昨年末には、実射実験(100キロの短縮型)も成功したと報じられていた。ところが急に米国から導入しながら、自国開発のミサイル配備の話がまったく出てこない。なぜか。その理由として考えられるのは、(1)自主開発に取り組んだが、信頼できる性能にまで達しなかった。その開発の見込みもない。技術的な問題で開発断念 (2)あくまで自国開発にこだわると、導入までにさらに時間や開発費用がかかる。米国からすぐに導入したほうが経済的である。米国も導入に協力的である。費用対効果 (3)あくまで自国開発にこだわると、今後の緊急事態に対応できなくなる可能性がある。国産化は将来の課題として残し、今は目前の緊急事態に備え、米国製の新型ミサイル導入に踏みきった。などが考えられる。今の段階でその答えを予測するのは難しいが、開発経緯から考えると、私は(3)の可能性が高いと思う。昨日の一部の新聞に、「これで北朝鮮の全域が射程に入った」と書いた記事があったが、それは間違い。北朝鮮の全域ではない。300キロという射程は、間違っても韓国軍が中国領土を誤射しない配慮がなされている。米、アフガンでスティンガー買い上げ (サンケイ 1月5日 朝刊) [要約]3日付けボストン・グローブ紙(米)は、米軍当局者の話として、米軍はアフガンの武装勢力からスティンガー・携帯式対空ミサイル5基を、原価の4倍の1基15万ドル(約2千万円)で買い上げた。またアフガン東部のトラボラ地区掃討作戦では、地元武装勢力の司令官に兵士一人100ドルを支払った。米軍は自軍の損害を極力抑えるために、ドルの威力を最大限に活用している。
[コメント]地元の武装勢力を活用するにはお金が一番である。アメリカのような国がアフガンで戦争をするときは、地元兵士一人100ドルは常識(相場)の範囲内である。司令官が全体の半分をとって、現地の指揮官クラスが2〜3割をポケットに入れる。結局、兵士に支払われる額は、良くて20〜30ドルだろう。悪い司令官なら、兵士に給料は略奪して自分で稼げという者もいる。しかしステンガ―の一基15万ドルには驚いた。以前、アフガン物で一基200万円〜300万円という闇値を聞いたことがある。今回のアフガン攻撃では、アメリカも自国の兵器であるステンガ―の脅威に相当苦しんだようだ。次のソマリア攻撃だが、ここでも米軍の戦力以上に、地元にばら撒かれるドルが威力を発揮されるだろう。別件だが、昨日、イスラエルはパレスチナ向けの武器密輸船(4000トン)を紅海で拿捕したと発表した。船には対空ミサイルや対戦車砲など50トンが積まれていた。イスラエルはイランが関与していると指摘している。パレスチナ自治政府は関与を否定した。中東では武器が闇で意外と簡単に入手できる市場がある。アフガン物のステンガ―でさえも、お金さえ払えば入手可能である。アメリカがステンガ―1基を15万ドルで買い取ったという話を聞いて、「しまった、あの時に買っておけばよかった。アフガンに持ち込んでアメリカに売れば儲かったのに」と、悔しがっている人もいるはずだ。米海兵隊 展開 対ソマリア (読売 1月5日 朝刊) [要約]4日付のワシントン・ポスト紙は、米軍はソマリアのアルカイダ拠点を作戦視野に入れ、特殊作戦能力を持つ米海兵隊3個師団の3600人をアラビヤ海に展開させると報じた。
[コメント]米海兵隊の3個師団から、各1200名(増強された大隊)ずつを派遣するようだ。これは各師団で任務を分担するというより、各師団の兵士に実戦経験を積ませるための意味も含まれている。これで米軍のソマリア攻撃は確実になった。その開始時期だが、早ければ今月中にも始まるだろう。アフガンと同じように、形だけでも背後のケニアやエチオピアの国境を固め、アルカイダの退路を断って攻撃開始となる。今度はアルカイダ兵士の数は数十人程度といわれている。攻撃はアルカイダ基地を破壊させることに意味がある。それに今回の攻撃を機会に、ソマリアの無政府状態を終わらせ、親米的な政権を樹立させることも目的がありそうだ。しかし米軍が首都モガディシュに入ることは危険が大きい。米軍が市街戦を戦った1993年10月3日のことが、モガディシュ市民に憎悪の記憶として鮮明に残っているからである。さあ、今年もやるぞ。(2002年 1月4日) [コメント]昨日、沖縄から帰京しました。お正月の沖縄は、往復の飛行機も、泊まったホテルも、各地の観光地も観光客で一杯でした。もう沖縄の観光客減少は大丈夫のようでした。私は沖縄そばが気に入って、毎日1食は沖縄そばを食べていました。「こってり、あっさり味」がいいですね。やはりお正月ということで、米軍の軍用機や軍用車両の動きは止まっていました。那覇空港では海自のP3C哨戒機(15機ぐらい)が整列して駐機し、空港を利用する観光客や帰省客に存在をアピールしていました。ただ不自然と思った光景は、米軍基地の前に立っている警備の警官(日本)の姿です。将棋で言えば、角や飛車、金銀や桂馬が固めた陣構えの前に、歩をひとつ置いているようなものでした。外国の軍や警察の関係者が見れば、あまりの違和感に笑いだすでしょうね。有事法制を検討する前に、あのような不自然な光景を作り出した、日本の政治家や官僚の質を問直す方が先だと思います。 軍事常識の欠落に、まったく情けなくなりました。ともあれ、今年も始まりました。よろしくお願いします。