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New Files Jan 2001

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海自幕僚長判断でインド救援物資積む (毎日 1月31日 朝刊) [要約]インド訪問予定で出航していた護衛艦「あまぎり」は、途中の沖縄に寄航しインド地震の緊急援助物資として、毛布1000枚、缶詰、乾パン、医薬品などを搭載して再出航した。これは外務省とインド政府との外交ルートでの話がまとまる前で、海幕長の独自判断で行われたという。防衛庁幹部は、「政府の対応が遅れているので緊急避難としておこなった」と語っている。これをインド側に渡すには、改めて政府や外務省の正式な要請が必要という。これはシビリアンコントロールの原則に違反するとか、政府や外務省の対応が遅い責任を自衛隊に押し付けてきたとか、あいまいな部分を内局(防衛庁)は指揮官(自衛官)の責任にしてしまうという意見などがでている。

[コメント]の処置は結果的に正しいと思う。「あまぎり」のインド訪問は軍事(戦闘)行動ではないし、あくまで親善訪問が目的だからだ。これをシビリアンコントロールなどの問題というのは、新大久保駅のホームで落下した人を助けようとした人に、許可なく線路内に入った違法行為とののしるようなものである。こんな当たり前のことが、新聞社会面のトップにくるような日本が異常なのである。かつて奥尻島の大津波(地震)の時に、陸自ヘリで最初に救難物資を積んで飛んだパイロット(当時は1尉)が、帰りに島民の負傷者を独自の判断でヘリに乗せて基地に帰った。もちろん病院に運ぶためである。だが自衛隊ヘリに民間人を乗せることは事前の許可が必要である。上司の中に、その許可を取らなかったパイロットを問題視するものもいたという。それを聞いた私は、もしこのパイロットが処分されたら、自分のペンで徹底的に戦うつもりでいた。しかし処分されなかった。(できなかった)。このパイロットは私と同期生のSである。私は彼が現場で判断し実行した行為を賞賛している。もしSが許可を求めても、現場の状況を知らない上司が許さなかったら、Sは重傷者を島に残して帰るようなやつではないからだ。これは危機管理能力の欠落とか、有事法制の未整備だとか、シビリアンコントロールが機能しなかったとか、指揮権があいまいという問題ではない。あくまで人道上の問題だ。そのように「あまぎり」のことを結論づけた上で、次の点もはっきり指摘しておきたい。というのは、いままで防衛庁(自衛隊)は長い間、警察や外務省の支配下にあった。その理由は、かつて陸軍省や海軍省の時代に、警察(内務省)や外務省は軍部の力に対抗できなかった。その反動で戦後、自衛隊は警察や外務省の支配と干渉を受けたのである。外国の日本大使館に勤務する駐在防衛官(武官)は、今も防衛庁(自衛隊)に直接現地情報を送ることを禁じられている。情報は外務省経由で送るが、外務省の判断で防衛庁に伝えられる。日本の大使の中には、赴任してきた防衛駐在官に対し、露骨に「あまり動かないようにしてくれ、問題が起こると面倒だ」といって、注意するのもよくある話だ。ところが今、警察や外務省はかつてない不祥事で、その影響力が確実に衰えている。この機会に、防衛庁(軍)が影響力を回復させるために、わざと外務省の対応の遅れというスキをついて、今回の「あまぎり」にインド緊急救難物資を積み込み、新聞を通じて発表を行った可能性もある。それくらいのことを考えておかないと、この話題も美談につくりかえられて、別の目的のために利用される危険もある。護衛艦「あまぎり」のこんな当たり前のことが、全国紙の新聞社会面トップ9段に賛否両論の記事で掲載される国なのである。ちょっとぐらい用心深くなってもいいだろう。この関連取材として、だれが、どのようなルートで、海幕長にインドへ救援物資を送るように要請したのか。インドの日本大使と防衛駐在官の関係はどのようなものか。余裕があれば調べていただきたい。この背景に軍事オンチの外務省の体質が災いしていなければいいのだが。
ブッシュ元大統領(父) 「中国重視を確約」 (毎日 1月29日 朝刊) [要約]ブッシュ元大統領は離任が決まった李駐米大使の歓送会で、「息子(新大統領)のことは誰よりも私が理解している。江沢民国家主席や中国人民は私を信じて欲しい」と語ったと、中国通信社電(インターネット版)が伝えた。米側は離任する李大使と、パウエル国務長官、ライス安全保障補佐官がすでに会談し、対中国重視の姿勢を伝えたという。

[コメント]いつの時代にも、指導者が自国民を団結させる最強の手段は、共通の敵を作って(煽って)危機感を高めることである。ブッシュ新政権でアメリカの敵になれるのは中国だけである。イラクのフセイン大統領はクリントン時代から使われているので新鮮味がない。だからブッシュ新政権で中国を競争相手と意識するような発言は、あくまで新政権を団結さすための手段なので、中国は誤解にないでくれという説明(メッセイジ)だろう。中国にはこの手が使えると読んだのは、アメリカでも屈指の中国通であるブッシュ元大統領ならではの政略である。さてここからちょっと高度な外交戦略の話になるが、日本がかつてアメリカで沸きおこった「冷戦時代の安保ただ乗り論」で反論したように、「アメリカの世界戦略に日本は最大の貢献をしている」というのは説得力がなくなった。なぜなら中国とアメリカは、米露冷戦時代のような東西対立をする可能性がなかからだ。むしろ中国とアメリカがこれからは直で東アジア政策を進める可能性が高い。その場合、日本の立場が軽視されるか無視されることになる。むしろ日本としてはアメリカ抜きでも、東アジアの地域安全保障関係を密接にさす必要がある。中国、KOREA(統一された韓国と北朝鮮)、極東ロシア、それに日本の4カ国である。この場に、アメリカを加えるかどうかの対応で日本の立場が強まる。ちょっと禅問答のような言い方だが、暇な折にこの政治的な意味を考えてください。アメリカの軍事政策に恩を売って、日本の発言力を高める時代は終わった。この言葉の意味がわかりますか。すでにアメリカも中国も、そのことを十分承知している。
北朝鮮機関紙 「上海の発展」触れず 体制の安定化図る?(毎日 1月24日 朝刊) [要約]北朝鮮の朝鮮中央放送によれば、23日、労働党の機関紙「労働新聞」が、金正日総書記の訪中成果を伝える社説を掲載した。しかしもっとも重要な訪中目的である上海の発展には触れていない。ただ金総書記が上海を参観したと報じただけである。これは北朝鮮が報道管制をひき、体制の安定を優先しているのではないか。(1月28日、北朝鮮のテレビは金総書記の上海訪問のビデオを放送した)

[コメント]当ホームページで、昨日(下段)の記事を掲載したら、本日は何本かの関連メールを頂いた。その中に本ホームページの通信員の「銭湯犬」さんから、「萬晩報」(www.yorozubp.com) で面白い記事が掲載されているというメールがあった。それは韓国の河 信基さんの文で、「金正日総書記の非公式訪中の目的」というタイトルの記事だ。非常に面白いので読まれることをお勧めする。掲載日は昨日の1月23日である。河さんによれば、開放されるのは北朝鮮東岸の「通川市」ではないかという。河さんも金総書記が、この春にソウル訪問すると予想していた。日本のどこかの新聞に、クリントン大統領の訪朝が中止されたので、金総書記のソウル訪問も中止になり、朝鮮半島での緊張緩和の動きは逆行するだろうと書いていた。どっこい、そうは進んでいなかった。それがやれるほど、北朝鮮の状況は生易しくないからだ。
金総書記自ら上海行きを望む (朝日 1月23日 朝刊) [要約]今月中旬に行われた金正日総書記の上海訪問は、昨年秋頃に金総書記が上海視察の希望を述べ、それを中国が聞き急いで準備し実現したことがわかった。昨年5月の訪中の際、金総書記は江沢民国家主席に、「経済開発特別区の視察を希望したい」と語っており、そのときにも上海の名前が出ていたという。(この情報の発信は北京である)

[コメント]公式的に北朝鮮は、今まで中国の改革・開放経済政策を批判してきた。しかし間もなくこの国是を変えることがはっきり見えた。その変革の際に混乱を起こさないよう、中国当局がこの情報を事前にリークしたのである。今後の歴史的な展開を勝手に予測すれば、間もなく行われる金総書記の訪韓(ソウル訪問)の際に、北朝鮮の「開城(ケソン)市の経済特別区宣言」を行う可能性が高い。韓国(ソウル)に近い開城市は、当然ながら軍事的な要衝である。もし北の人民軍がソウルを攻撃する時は、ここに大兵力を集中させて、戦争を始めるのが常識という戦略的な位置にある。ここを国際的(上海のように)に開放すれば、朝鮮半島の軍事緊張は一気に和らぐ。真の意味での対立解消である。これが金正日総書記が訪韓で持参する「お土産」なのだろう。このお土産で、韓国経済は開城開放で活気ずき、下降気味の金大統領の人気も確実にあがる。今までのように中国国境付近の豆満江といった北端では、インフラが未整備で外国(韓国も含む)の投資は得られない。そう考えると金正日総書記の「開城市経済開放宣言」ほど、韓国にとっても国際的にも価値あるお土産はない。このような私の勝手な予測で、あなたの周囲にいる国際政治(朝鮮半島情勢分析)好きの友人との賭けをすすめます。まあ掛け金は双方に負担の少ない千円ぐらいにしておいて、当たったときの自己満足を味わってください。ただし外れても、当方は一切責任を取りませんのであしからず。(1月17日のWhat's New!を参照してください)地図が不鮮明なので説明しますが、開城市はソウルの北西約100キロのところにあり、平壌市はソウルの北西約250キロの位置になります。すなわちケソンはソウルとピョンヤンの中間地点にある街です。
ブッシュ新政権 保守回帰、経済より安保 (朝日 22日 朝刊) [要約]朝日新聞アメリカ総局長の高成田 亨氏の署名記事である。共和党のブッシュ新政権では保守階層の回帰傾向が強まり、クリントン政権で進んだ冷戦時代からの変化を止め、もう一度冷戦時代に後戻りする可能性をあげている。特にラムズフェルド新国防長官は、NMDの熱心な推進論者だったことから、NMDの配備をめぐって中国やロシアそれにEUと対立が高まる可能性があるという

[コメント]ここで忘れてはいけないのは、ブッシュ新政権は選挙期間中にアメリカ国内の軍需産業から莫大な献金を受けているということである。その軍需産業は冷戦終結で深刻な打撃を受けており、アメリカがあらたな敵を見つけて(作り)、窮乏する軍事産業を立ち直らせることをブッシュ新政権は期待していることである。元国防長官だったチェイニー新副大統領、元統幕議長で湾岸戦争の司令官だったパウエル新国務長官、NMD推進者のラムズフェルド新国防長官、それに対中強硬論者のライス安全保障担当補佐官と並べば、この新政権が軍事政策の転向を重視してることは一目瞭然である。またブッシュ新政権は共和党クリントン政権との違いを浮き出すために、安全保障政策全般に大きな変化(突破口)を見せるかもしれない。といっても、とにかく今は注意深く見守るしか方法はない。(写真は大統領就任式のブッシュ新大統領。青いコートはコーラ夫人。二人には双子の娘がいる)
ブッシュ新政権 対中・露関係に緊張感 (毎日 1月20日 朝刊) [要約]ブッシュ新大統領の就任式を明日に控え、クリントン政権とブッシュ新政権の「国防政策」の違いについて書いている。パウエル次期国防長官は、「中国は戦略的パートナ―ではなく、競争相手だ」と述べ現政権との違いを述べている。また次期安全保障担当補佐官のライス教授は、「NDMを強力に推し進める。それがアメリカの国益だ。ABM条約は時代遅れだ」とのべ、NMDの早い配備を宣言している。これらに中露が反発するのは必至で、すでに中国ではNBMを無力化する新型戦略弾道ミサイルの実験を行った。このようにブッシュ新政権では中露との対立が深刻化する可能性が高い。そのためブッシュ新大統領は最高権力者の地位についたら現実的な情勢判断が必要だ。

[コメント]確かに次期政権でアメリカの国防政策を担当する2人の発言は厳しく激しい。まだ民主党との選挙戦が続いているのかと思うほどだ。しかし私は2人の激しい言葉をそれほど重要視しない。というのは今の時期は、次期政権で自分の存在感を誇示し、リーダーシップをとるための威嚇競争(政権内競争)を行っているからだ。また、まだ新政権についていない状況下で、できるだけ中・露を威嚇しておくという意味もある。このようなやり方をみると、つくづくアメリカの伝統的な外交手段の主流は力の外交であると思う。それで旧ソ連を崩壊させ、冷戦に勝利したと信じているようだ。そのような私なりの理由で、ブッシュ新大統領が政権につけば、選挙時のような激しい言葉は沈静化して、現実的で穏やか軍事・軍事政策に落ち着くのではないだろうか。その最初の兆候として、ブッシュ次期大統領は最近のインタビューに答えて、次期政権は「NMDの配備を急がない」という言葉をもらしている。日本では小さく報道されただけだが、いくらタカ派の共和党でも不要な軍拡競争を国民に正当化することはできない。その無理を承知で突っ走れるほど、ブッシュ新政権は強い権力基盤を持っているわけではない。まあ今は、彼らの発言にイライラしないで、とりあえずお手並みを見守るほうがよさそうだ。現実的という意味では民主党より共和党の方に実績がある。(写真はライス次期安全保障担当補佐官とブッシュ次期大統領)
北朝鮮 金総書記、中国を訪問中 (朝刊 1月17日 各紙) [要約]金正日総書記は20日までの予定で中国を訪問している。中国政府は公式に発表していないが、16日には経済開発区の上海・浦東地区を訪れたことから、北朝鮮が間もなく開放・改革経済に方向転換する可能性があるこという。また新大統領に対して米国牽制説や、食料や燃料の緊急援助要請説、それにソウル訪問の打ち合わせ説などを考えられる。

[コメント]さて金総書記の訪中の目的だが、経済や食料援助の緊急要請、ブッシュ米新大統領の就任式に対するけん制、開放経済の準備、韓国訪問前の打ち合わせなど、新聞各紙にいろいろな意見が示されている。どれも考えられるものばかりだが、それより重要なのは、その訪中理由の中で優先順位はどうなっているかという点である。そう考えると、私はソウル訪問直前の打ち合わせがトップだと思う。すでに中国は経済や食料援助は充分に行っている。(しかし公表はされていない。その理由は国際社会が北朝鮮問題を中国1国に押し付けてくるのを警戒するからだ)。ブッシュ新大統領の就任式の前に、中朝関係の密接さを米国に示してけん制することも、今の時期にわざわざ行わなくてもアメリカは充分に承知している。開放経済転換も北朝鮮の政治体制からすれば詳細なシナリオが出来ており、中国の経済開発区を視察して決めるようなものではない。むしろ金総書記の訪中に合わせ、中国側が上海を無理やり視察させたという見方が普通である。中国は早く北朝鮮に開放・経済改革を実行してほしいのだ。そのように考えると、今の時期の金総書記の訪中は、今春にソウルを返礼訪問する最終打ち合わせの意味が強い。まさか金総書記がお土産なしの手ぶらで訪韓はできない。世界中が注目する訪韓で、何を金総書記は韓国に持っていくのか。その綿密な打ち合わせである。どのような政策(お土産)であっても、それは中国の了解が絶対に必要だ。これで金正日総書記の今春の訪韓はほぼ決定したと私は読んだ。金大中大統領のピョンヤン訪問に対する答礼のソウル訪問は、国際的な外交儀礼では極めて重要な意味を持っている。答礼の訪問を行わないのは無礼で非常識である。さて今回の金正日総書記の訪中でどんなお土産が準備されたのか、今年の春が楽しみだ。
湾岸戦争 開戦10年 揺るがぬフセイン政権 米国戦略の見直し迫られる (読売 1月16日 朝刊) [要約]明日17日で湾岸戦争10周年を迎える。湾岸戦争でイラク軍は完膚なきままたたきつぶされ、それから国連の厳しい経済制裁が続いている。しかし崩壊が予測されたフセイン政権は存続しており、むしろその国内指導体制は強まったように見える。一方のアメリカが強く希望する経済制裁は、ロシア、フランス、中国が、イラク制裁早期解除を要求して機能停止状態に陥っている。そのようなイラクやアメリカからの報告である。

[コメント]北朝鮮もそうだが、独裁国家というのは国内情報の統制で、なかなか崩れにくい特徴があるようだ。また情報無国籍のインターネットも、その威力を発揮するために必要なインフラが整備されていないからだろう。それと大事なのは、周辺諸国や国際な関係国が、その地域の急激な変化を嫌い、独裁国家でも混乱するよりはマシという対応をとっているからだ。北朝鮮の急速な崩壊で最も悪影響を受けるのは韓国だが、その次に影響を受けるのは隣国の中国である。経済発展を急ぐ中国としては、今は朝鮮半島を絶対に混乱さすことができない事情がある。イラクの闇経済(密輸)を黙認する周辺諸国にも同じようなことがいえる。さらにアメリカにとっては巨大な軍事力をもってしても、中東のひとつの政権さえも崩壊させることができなかったことを学ぶべきである。つい先日、アメリカで国際戦略を研究してきた日本人のホームページを覗いたら、いかにアメリカのアジア戦略に日本が貢献するべきかと説いていた。あたかもそれが日本にとってベストの政策と信じきっている。国会議員を目指している。困ったものである。
緊急報告 「空挺団、初降下は対ゲリラ戦」 1月14日 習志野演習場をルポ [要約]1月14日(日)に、千葉県習志野に駐屯する「第一空挺団の初降下訓練」が行われた。恒例になっている機能別訓練では、今年初めて「対遊撃(ゲリラ)戦」を想定した演習を公開した。これは日本に潜入した数十名程度の武装ゲリラを想定して、空挺部隊員と陸自各種ヘリの連携運用をベースに演習を行った。

[コメント]今朝の朝刊3紙を見たが、どこもこの演習を書いた記事はなかった。おそらくいつもの空挺団初降下訓練と思っていたからだろう。しかし軍事的な知識がある人なら、昨日の演習を見れば大きなショックを受けるだろう。例年なら戦車部隊が対抗部隊に参加して、空挺隊員が対戦車火器で戦車を仕留める場面が必ずあった。しかし今年は対抗部隊に戦車は参加していない。対抗部隊になったのは茂み(ブッシュ)に潜んだ十数名のゲリラ兵だけである。まず偵察ヘリやヘリで運ばれたレコン(偵察部隊)で偵察のあと、120ミリ迫撃砲が輸送ヘリで運ばれ設置された。さらにゲリラの周辺を取り囲むように待ち伏せ部隊が配置についた。その段階で、ブッシュにひそむゲリラに向かって120ミリ迫の砲撃が始まった。そして最後にヘリで運ばれた空挺隊員が、ゲリラの潜むブッシュに向かい掃討攻撃を行い、ゲリラ全員を射殺あるいは捕獲して状況終了である。これは空挺団が今後の対ゲリラ戦でも、主役の地位を守ることを宣言した演習想定であった。それにしても対戦車戦の機会がなかったAH-1が、各ヘリの援護や対地攻撃(ロケット弾と機銃)で参加しているのは寂びそうであった。対地ロケットと機銃掃射なら、UHヘリでも可能であるからだ。ともあれ今後の対遊撃(ゲリラ)作戦が、陸上自衛隊の主作戦になったことは確かである。それからちょっと今回の作戦で気になった部分があったが、それは別の機会にゆっくり話すこととしょう。(演習の写真は1月18日(木)発売の「週刊宝石」グラビアで一部を公開。当ホームページでも近日公開予定です)写真は初降下演習の一風景である。空挺団ラッパ手の吹奏、対地攻撃をするAH−1ヘリ、状況終了で引き上げる空挺隊員。
論陣 21世紀の日中関係 村井友秀防大教授 Vs 呉寄南上海国際問題研究所・日本室長 (読売 1月9日 朝刊) [要約]日本にとって中国は脅威なのかという問題から始まり、予見できる脅威の範囲や、それを回避するための方策をそれぞれが提案している。村井氏は中国が軍事力を遠隔地に投入できる能力を高めているという。それにを透明性を高める努力がされていないので、日中の信頼醸成になっていないと指摘し、日中間で不信感が高まる可能性があるという。これに対して呉・日本室長は、中国の最大の課題は経済発展であり、沿海部と内陸部の経済格差の解消だという。それで軍事的には周辺諸国の脅威にならないと主張する。しかしともに、日中関係がライバル関係になる可能性があることを否定していない。解決策としては、相互に軍事の透明性を高め、信頼醸成を高める努力と、経済面などで共存関係を強める必要があると提案する。

[コメント]西欧的な軍事力の単純比較すれば、中国の軍事力は周辺諸国の脅威になっていない。しかしその軍事力も、中国の総合的な政策や社会現象(経済や国民意識)と連動させれば、周辺諸国は強いプレゼンスを中国に感じるというが私の意見である。要するに、中国の軍事力だけを分離して分析しては、その影響力を見誤るという考えだ。だが中国としては、自分たちの弱い軍事力だけを見て、ほかの分野とは分離して分析して欲しい、だから心配ありませんという。そこで思うのは、中国が軍事力を不透明にしているのは、本当は強いから隠しているのではなく、逆に弱いから隠してより弱く見えるようにしているのではと思うのだ。中国がかつて周辺諸国に大量の移民(難民)を送り出し、それらの国を併呑(蛇が飲み込むように併合すること)したようにである。その併呑支配の場合、軍事力は必ずしも占領の主役ではなかった。広大な領土と莫大な人口、それに同族意識で固めた団結意識と、旺盛な経済活動で見られる向上心であった。むしろ軍事力よりはそのほうが効果的であったはずだ。伝統的に中国は、周辺諸国に勢力を拡大させる傾向がある。ここで話は違うが、私の住んでいる近くにあり、東京でも有数の歓楽街の話をしよう。その歓楽街の近くには普通のマンションの一角に、不法長期滞在者が通う韓国系の飲食店や、フィリピン系の飲食店などがひっそりと開店している。そこで聞いた話だが、「最近はこの街に中国系マフィアの進出がすごく、日本のヤクザも怖くて彼らには手が出せない」という。日本のヤクザが中国系マフィアに喧嘩を売ると、刺殺や撲殺など、今までは想像を出来ないような報復を受けるからだ。だから日本の犯罪組織は住み分けを求めたり、逆に中国犯罪組織の傘下に組み込まれているという。そこで売春や麻薬売買それに窃盗団が暗躍し、日本への密入国などが仕組まれているそうだ。これを取り締まるのは、もう日本の警察力では無理なような気がする。日本警察のアジア・タクスフォースというように、中国や東南アジア系の人や、それにイラン人などアラブ人などを警察が採用して、彼らを訓練して正規の警察官とし外国人犯罪を取り締まる必要がありそうだ。でも、日本の警察官に高いモラルがなければ、彼らは外国犯罪組織に簡単に抹殺されるか、こんどは外国犯罪組織のスパイとして悪用されるだろ。15年以上も前になるが、日本の犯罪組織(ヤクザ)がアメリカ西海岸へ進出した際、LAPD(ロサンゼルス警察)に新設されたアジア・タクスフォースを取材したことがある。が、日本人街で彼らの評判は非常に悪かった。日系人社会に乗り込んでは、些細なことで脅しては賄賂を要求していたからだ。そのようになっても困る。要は日本の警察官に、世界で通用する高いモラルがあるかということだ。この読売新聞の『論陣 21世紀の日中関係』を読むと、そのあたりに中国のアジア進出に対応できるキーワードが隠されていると感じた。日本がアジアに誇りを持って示せる高いモラルである。その力で中国など外国犯罪組織の武力支配を封じることができる。
中国が衛星測位システム開発に着手 (読売 1月6日 朝刊 [要約]中国は2005年までに、米国のGPSに相当する測位衛星30個以上を打ち上げると新華社電は発表した。中国は昨年12月21日に、その航法衛星を搭載した「長征3号A型ロケット」で予定軌道に乗せている。新華社電ではGPSは、「道路、鉄道、海上交通などのサービス向上に使用する」と報じた。衛星測位システムはミサイル誘導などの軍事活用もできることから、パキスタンなどの兵器技術援助が懸念されている。

[コメント]道路どころか、地図さえないような中国のへき地開発では、GPSの果たす役割は計り知れない。しかしアメリカが開発したGPSに頼らず、自前のGPSシステムを開発するのは軍事目的を含んでいるからだ。砂漠や海面上など平面な場所(地形照合が出来ない場合)で、巡航ミサイルの誘導システムではGPS抜きには考えられない。発射されて数千キロをGPS誘導で飛行し、最後(終末誘導)は先端のカメラが受像した画像照合で移動目標(航行中の空母など)を命中する巡航ミサイルを開発すれば、中国は空母を持たなくとも米空母への対抗手段を得ることになる。さらに、その巡航ミサイルがステレス化されていれば、迎撃の困難さは数十倍に増すだろう。中国製の巡航ミサイルの航続距離(攻撃範囲)が台湾ばかりか、沖縄さえも及んでくると、沖縄の米軍は強い脅威にさらされることになる。沖縄の米軍が撤退する軍事的な理由になる得る。
メコン新世紀物語 中国船南進 (朝日 1月4日 夕刊) [要約]1990年10月に中国雲南省からメコン河を下って、東南アジアに至る航路が初めて開かれれた。この時に景洪(雲南省都・チンホン)からラオスの首都ビエンチャンに4隻の中国船が到達した。それから11年が経過した。今では中国船だけでも75隻が海運に従事しているという。今は未整備の危険な航路だが、やがて主要航路に成長する様相を見せているという。そのメコン航路で海運に従事している中国船乗船記である。(取材 宇佐波 雄策 アジア総局長)

[コメント]久しぶりにいい記事を読ませて頂いた。これは私が密かに狙っていた取材テーマだった。中国が東南アジアに進出するには、海軍力が弱いので内陸路を開発するほうが戦略的には有利だ。そこでメコン河である。このメコン・ルートであれば、アメリカが手出し出来ないからである。今後に進められる整備とは、メコン川で危険な場所には標識や灯台を立てる、船の修理や荷の積み下ろしができる港などの建設、税関や警察など政府機関の整備、そして各港から周辺地域に延びる道路網などの整備である。21世紀が中国の世紀となる理由は、決して思い付きではなく、このような裏付けがあることを知ってほしい。すでに書いたが、21世紀の中国の政治・経済圏は、朝鮮半島を通じて日本にも進出してくる。その中国に対して、軍事力だけで対抗するのは愚の骨頂である。しかし放置しておくは、さらに悪い結果を生むだろう。日本は巨大化する中国にどう対処するか。(写真と図は朝日新聞の夕刊に掲載されたものを無断で転載させてもらった。怒られるかもしれないが、すごくいい記事と写真なのであえて紹介する。次に何かいい情報を得たら、真っ先に宇佐波さんに教えて穴埋めをするつもりです。ごめんなさい)
ここから上は1月4日(木)以降の情報を掲載しています。