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この情報の最も新しい更新日は12月29日(土)です。

イラクで苦戦

アルカイダ

各地で連携強化か

宣伝工作を活発化

(朝日 12月29日 朝刊)

[概要]「ムシャラフ政権はもうすぐ終わりだ。ブットの帰国やムシャラフの非常事態宣言など一連の動きは、米国がこれまでの失敗を取り繕うために仕組んだものだ」。アルカイダのナンバー2、ザワヒリ容疑者は今月16日のビデオ声明でパキスタン情勢を分析、「米国の戦略は失敗した」と断定して、イスラム教徒に聖戦(ジハード)への参加を訴えた。

 パキスタンでは今年に入って40件以上の自爆テロが発生、800人以上が犠牲になっているが、これはイラクで横行する自爆テロをパキスタンの過激派が取り入れた可能性が指摘されている。アフガンとパキスタンの国境地帯に潜伏するアルカイダ幹部らが、パキスタンの過激派との連携に務めているとの見方もある。 

 パキスタンでのアルカイダの「影」の広がりは、アルカイダが対欧米の主戦場と位置づけるイラク戦線のじり貧傾向の裏返し見られる。イラクでは昨年、米軍がイラク・アルカイダ最高幹部のザルカウィ容疑者を殺害し、アルカイダに同情的だったイラク・スンニ派部族長を反アルカイダ組織に結成し、米軍と共闘させてアルカイダを追いこんだ。

 イラクで苦戦するアルカイダ側は宣伝工作を活発化、16日のザワヒリ容疑者のビデオ声明でも、イラク、アフガン、チェチェン、アルジェリア、ソマリアなどイスラム教徒に「聖戦」参加を促した。アルジェリアでは反政府闘争の過激派がアルカイダと呼称を変更して首相府や国連施設を狙ったテロを起こした。リビアでも11月に過激派がアルカイダに忠誠を表明した。このようにアルカイダ・国際ネットワークは広がりを見せている。

[コメント]来年のアメリカ大統領選で民主党候補者の一人であるオバマ候補はイラク戦争開戦時に反対を表明した候補者である。また大統領選で独走していたヒラリー・クリントン候補を激しく追い上げていることでも知られている。そのオバマ候補が次期大統領に選ばれれば、米軍の主戦場をイラクからアフガンとパキスタン国境に移し、アルカイダ幹部と潜伏拠点を壊滅させると表明している。むろんパキスタン政府が米軍のアフガンからの越境攻撃を禁止しても、攻撃を強行することも合わせて表明した。

 米軍の無人偵察機、各種の地上設置の警戒センサー、宇宙からの衛星監視、高々度から戦術偵察機などを多用すれば、険しい山岳地帯であっても人、車、動物の潜伏や移動を探知できる。そこにピンポイントで精密誘導兵器を撃ち込むことができる。

 あらかじめ広範囲にの山岳地帯で人の立ち入りを禁止すれば、一般人への誤爆を防ぐことも可能になる。むろんその付近一帯は米軍が包囲網を築き、危険区域からの脱出を防ぐことは可能だ。ときには特殊部隊を特殊作戦ヘリなど送り込み、監視や偵察を行い、攻撃や洞窟の爆破なども作戦可能だ。

 それが米軍に出来ないのは、イラクでの治安回復に失敗して、これ以上戦線を拡大することができないからだ。またムジャラフ大統領がアルカイダと反政府過激派と結び着くことを警戒して、アフガンのアメリカ軍の越境作戦に反対だったと考えられる。しかし今はアルカイダはパキスタンの反政府過激派と組んだことが確認されれば、アルカイダ攻撃を躊躇っては自分の政治基盤が危うくなる。

 ということから、来年のパキスタン情勢はブット暗殺での国内情勢の悪化とともに、さらに危うい政治状況になると思う。

世界の目

北朝鮮にアメと

   ムチで臨め

南成旭・韓国高麗大教授

(李明博次期大統領ブレーン)

(毎日12月28日 朝刊)

[概要]2月に発足する李明博韓国次期政権の北朝鮮政策は、@北朝鮮に核を廃棄させる。A支援を相互主義原則に転換する。B大統領選の公約「非核・開放・3000構想」を具体的に実現させるーーことだ。

 3000構想とは北朝鮮に対して経済特区新設など5分野の大規模な包括的支援を通じ、10年間で北朝鮮の国民所得(1人)を現在の約6倍にあたる3000ドルにする行動計画だ。あくまで北朝鮮の核廃棄決断が前提になる。李明博新政権は現在の盧武鉉大統領が行った一方的対北支援は行わない。また拉致問題や韓国軍捕虜問題なども南北当局者協議で主要議題に取り上げるだろう。

 北朝鮮の核廃棄のプロセスは、盧武鉉政権のように6カ国協議任せにしないで、6カ国協議に強調はするが、南北当局者協議の課題から外すことはない。盧政権のように北朝鮮にアメだけを与えないで、李政権ではアメとムチの両方で関与していく。

 盧政権は10月の南北首脳会談で南北経済協力事業を無理に合意したが、李政権ではその妥当性、財政的裏付けを検証する。そのまま実行される事業は1割程度しかならないだろう李政権は6各国協議や米中協議の進展を注視しながら、盧政権と違って国民負担のかかる経済協力の口約束をしない。したがってこれから半年は北朝鮮との葛藤も起こり得る。南北関係の緊張をどう管理するかが重要なポイントだ。

[コメント]パキスタンでは昨日ブット元首相が暗殺された。暗殺者は車に乗って窓を開けて手を振るブット元首相の頭部に銃弾2発を浴びせ、体に付けた爆弾を爆発させて自殺(自爆)した。暗殺前の集会で演説する光景をテレビニュースで見たが、明らかに過激派から狙われているのにづいぶん甘い警備体制だと感じた。ムジャラフ大統領が暗殺を命じていなくとも、あのような甘い警備体制では暗殺を誘導した疑いが残る。とりあえずパキスタンの1月8日の総選挙は延期される可能性が高い。

 それから韓国の李明博次期大統領の政策だが、注目の対北朝鮮関連の骨子が出始めてきた。やはり盧武鉉政権の北朝鮮・過保護政策は韓国民にも不支持が高まったようである。北朝鮮の金正日体制にとって盧武鉉政権は”打ちでの小槌”みたいなものであった。「何でも欲しいものを上げるから、暴れないでね」という過保護の親である。そんな子育てでは健全な子どもは育たない。核兵器という危ない火遊びで出火し、ご近所が大きな火災を被ることになることもある。そんなときはライターを取り上げて、お尻を一発叩くぐらいの躾は必要だ。

 私は李明博政権に期待している。盧武鉉政権には失望していたが、これから李明博大統領でかなりの軌道修正が可能と思う。韓国に対する北朝鮮の圧力には、日本やアメリカも連携して対応することになる。無論、中国やロシアも韓国が北朝鮮に筋を通せば支持することは間違いない。 

ロシア軍

新型核ミサイル

  実験成功

米MD網突破へ着々

(産経 12月27日 朝刊)

[概要]ロシア軍は米国が推進するミサイル防衛(MD)システムをかいくぐり、敵国への攻撃を可能にする新型大陸間弾道ミサイルの発射実験を行い成功したと発表した。

 ロシア軍は25日、ロシア北方、バレンツ海海中を潜航中の原潜「トゥーラ」から潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「(通称)シネワ(青)」を発射し、極東カムチャッカ半島にある標的に命中させた。「シネワ」は旧型SLBMのSSM54を基に作られた新型で、最終段階で弾頭が分離し、巡航ミサイルになるため現在のMDシステムでは対応できない。もうひとつの新型戦略核ミサイルは、戦略ロケット軍が北西部のプレセツク基地から発射した多弾頭型大陸間弾道ミサイルで(MIRV)RS24。午後4時過ぎに発射されたミサイルは、数分後に7000キロ離れたカムチャッカ半島の目標に着弾した。

 ロシア軍のバルエフスキー参謀総長は15日、ロシアのミサイル報復システムは米MDのミサイル発射を「攻撃」と誤認し、報復に動く可能性があると警告し、改めて米MDの欧州配備を牽制した。ロシア軍の国防費は石油価格の高騰を受けてここ数年は20〜30パーセント増大し、ロシアが対抗意識を燃やす欧米との軍拡競争は避けられない方向に進み出した。

[コメント]ロシア軍は冷戦時代のようにすべての軍事面で軍拡競争を挑んでいるのではない。あくまでアメリカに頭部に突きつけた銃口である戦略核戦力の近代化に力点を置いている。すなわちロシアはいつでもアメリカを核攻撃で壊滅できる戦力を維持して、欧米に対して一流国としての待遇を求めている。

 これに対してアメリカは、ソ連邦崩壊後も微動たりともしなかったロシアの核戦力を無能化することを進めている。これがアメリカが東欧(チェコとポーランド)で進めているMD配備の動きなのである。

 アメリカがいう欧州のMD配備は、イランの弾道ミサイルから欧米を防衛するためというのはウソで、本当は将来、東欧(チェコ)に地上発射のレーザー攻撃システムを配備し、ロシアからアメリカに向かって打ち上げられるICBMを上昇中に破壊するためである。すなわちロシア軍のICBMを無力化させるためである。まだ地上発射式のレーザー兵器は完成していないが、すでに技術面では完成間近の段階に達している。そのことでロシアはアメリカの東欧MD配備に猛烈に反対している。

 また新型の潜水艦発射核ミサイル(SLBM)は、アラスカなどの米軍基地に配備されるMDシステムに対抗するもので、弾道軌道を終末段階で変化させることで迎撃を不可能にさせている。

 まさにこの点に限って、米露は激しく戦略核ミサイルとミサイル防衛(MD)で駆け引きを行っている。ロシアは核戦力を無力化されれば一流国の待遇を受けられないことを知っている。またアメリカはこれからもロシアからの核攻撃の恐怖に怯えたくないのである。

英紙報道

タリバンと極秘会談

英情報機関MI6

(読売 12月27日 朝刊)

[概要]26日付け英紙デイリー・テレグラフは、情報機関筋の話しとして、英対外情報部(MI6)がアフガンで、タリバンの指導者らと和平を目指す極秘会談を行ったと報じた。会談は今年夏から、南部ヘルマンド州都ラシュカルガ郊外で6回ほど行われた。この会談にはアフガン政府関係者も同席した。

 英政府は、同紙の報道にコメントを拒んでいる。ブラウン首相は、今月の下院で「(敵である)タリバン指導者らと交渉はしない」との英国の立場を改めて説明している。

[コメント]もしブラウン首相の言うようにタリバン指導者と一切交渉しないなら、デイリー・テレグラフ紙の取材に対して「英政府は交渉していない」といえば済む問題である。なのにコメントを拒んだことは、暗に交渉を認めたと受け取れる。それも6回も継続して行われたなら、それなりの成果が出たものと推測できる。MI6のように影で動く英情報機関なら、タリバン指導部と秘密交渉を行うのは当然の任務である。

 英政府ではブレア前首相からブラウン新首相に政権が交代したので、何か大きな変化が起こると思っていたが、今回の報道はその大きな変化に匹敵するだろう。

 交渉内容を推測すれば、まずタリバンはアルカイダと絶縁することを約束する。テロ攻勢を強めるイスラム原理主義過激派を押さえる。またアフガン南部のタリバン支配を認める代わりにアフガン政府にタリバン代表者を送り、アフガン政府との対立関係を解消するなどと思われる。

 そこで最も気になるのは、アフガン南部で栽培されているケシ(麻薬の原料)を認めるかどうかと、イランの革命防衛隊との関係断絶を認めるかである。ケシの栽培はタリバンの資金源で、イランの革命防衛隊は武器・弾薬の供給源であるからだ。

 ことしの夏から6回も会談が行われたといういうことから、それなりの成果があったと思う。今回の秘密交渉でアフガン情勢が根本的に変化する可能性は極めて高い。

イージス艦情報漏洩

3佐ら4人

 書類送検

流出ルート解明、捜査終結

(産経 12月26日 朝刊)

[概要]海上自衛隊第一護衛護衛隊群の2曹(33)がイージス艦の中枢情報を持ち出していた事件で、神奈川県警と海自警務隊は25日、特別防衛秘密(特防秘)を漏らしたとして、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反容疑で、海自第1術科学校の元主任教官で海自訓練指導隊群司令部の3佐(43)ら4人を書類送検し、捜査を終結した。

 県警は、イージスシステムに関する情報を扱っていた3等海佐の松内純隆容疑者(34)=同容疑で逮捕=から、特防秘入りデータが3佐に渡り、元同僚教官の1尉を経て、学生隊員や護衛艦の乗組員らに拡散した流出ルートをほぼ解明した。

[コメント]この事件はすでに各メディアが報じているので新しい内容はない。しかしイージス情報漏洩事件の発端となった中国人妻を持つ海自2曹が送検されていないのを不思議がる人が多いようだ。

 なぜ自宅のパソコンにイージス情報を持っていた2曹は処罰(送検)されないのか。確かこの事件を報じた初期の段階では、新聞は中国人妻がスパイであるが如く報じ、メディアの中には中国情報機関の「ハニートラップ事件」と指摘したものもあった。私のところに取材に来た週刊誌記者に、これは中国の情報機関が関与した事件ではなく、あくまで海自の情報保全がいい加減で起きた漏洩事件と説明した。しかし発売された週刊誌を読むと、私が中国情報機関のハニートラップを認めた内容になっていた。

 その後、週刊文集がこの中国人妻と2曹の記事を掲載したが、この記事が最も正確で、この情報漏洩問題の焦点を突いていた。

 そこでこの事件を整理すると、自衛隊の秘密というのは各法律によって厳密に指定される。まず秘密は防衛大臣、事務次官、各幕僚長など資格を持った者が”極秘”、”機密”、”秘”などの秘密指定を行う。秘密指定を行う項目も範囲を決められている。秘密情報はこうして金庫に入れられ、カギをかけて保管される。そしてこの金庫を開いたり、中の情報を読めるものには”資格”が与えられる。

 その資格のある者が、”職務上知り得た秘密”を漏らせば罰せられる。それ以外の者の漏洩では罰することが出来ないのである。もちろん秘密情報が詰まった金庫を壊したり、無理やり開けたり、開けることをそそのかしても罪になる。

 中国人妻を持つ2曹はイージス情報に接する資格はなかった。またイージス情報が秘密かどうかの認識もできない。いつの間にか自分のパソコンにイージス情報があったにすぎない。そこで県警と警務隊はその流出元をたどって、イージス情報の入った金庫を開けて情報を取りだした人物と動機を糾明した。それからイージス情報が秘密であることを知りながら、コピーして拡散させた者たちを送検したのである。

 そこで一部の新聞や週刊誌の記者にお願いする。今までに自衛隊で秘密情報漏洩事件が起きると、安っぽいスパイ小説のようなストーリーで記事が書かれる。あるいは不慣れな警察がそのような見込みでマスコミ発表するのかもしれない。そのような混乱を避けるために、これから防衛上の秘密情報というものをもう一度勉強して欲しい。自衛隊は秘密指定された情報以外を秘密として扱うことはできない。また職務上秘密を知る立場のない者が、知らぬ間に情報を漏らしても漏洩罪には問われないのだ。

 インド洋の海自・補給艦が、ペルシャ湾のどの港で、いつ、どの会社から”給油の燃料”を購入し、その量と代金という契約実績情報は秘密指定を受けていない。石破防衛相「相手があることなので、どこまで情報を公開できるか、相手とすりあわせる必要がある」という答弁は全くの間違い。防衛相の気分の問題で秘密を盾に答弁を拒むことはできない。

安全保障会議

 「官邸機能の強化は必要」

日本版NSC

  正式断念

「内閣情報分析官」を新設

  政府の情報収集・

       分析力強化

(読売 12月25日 朝刊)

[概要]政府は24日の安全保障会議で、首相官邸の外交・安全保障政策に関する機能強化を目的とした国家安全保障会議(日本版NSC)創設の断念を正式に決定した。安全保障会議設置法改正案などの関連法案は廃案とする。

 福田首相は会議で、「今の政治状況では法案を審議する状況ではなく、成立する見込みも極めて乏しい」と述べ、「しかし、官邸機能強化は必要で、官房長官、外相、防衛相が一層緊密に協議し、国家安全保障会議で求められた機能を果たして欲しい」と指示した。

 日本版NSCは安倍前首相が今年4月に関連法案を閣議決定し、国会に提出したが、一度も審議されていなかった。町村官房長官は会議後の記者会見で、日本版NSCの創設断念について、「安倍前首相を含め、関係者の了解を得ている」と説明した。

 政府は日本版NSCの創設断念を受けて、来年度からインテリジェンス(情報)機能を強化するため、北朝鮮や国際テロなどの情報分析を行う「内閣情報分析官」を内閣官房に新設するほか、情報保全の徹底を図る「カウンターインテリジェンス・センター」を設置することにした。

 新設される内閣情報分析官は内閣情報調査室(内調)に5人程度配置し、「朝鮮半島」「中国などアジア地域」「国際テロ」「大量破壊兵器」などの分野を担当する。人から入手する情報や、衛星による画像情報など、政府全体の情報を集約して分析し、首相官邸に報告する「情報評価書」の原案を作成する。

 担当する人材は内調や防衛省、外務省、警察庁、公安調査庁の審議官・課長級職員のほか、民間の有識者も対象にする。

[コメント]またしても政府の情報機能強化の「お砂場遊び」が始まった。今までに何度同じような話しを聞いただろうか。もう毎度のことで馬鹿馬鹿しくてコメントする気もなくなった。政府の情報機関である外務、防衛、警察、公安調査庁の省庁の垣根を取り払い、内閣官房がすべての情報を吸い上げて一元的に管理するという構想である。そのための日本版NSCだったし、また福田内閣の「内閣情報分析官」の新設なのである。

 なぜだめかというと、まず日本には情報を収集できる機能がないし人もいない。衛星情報も自前(国産)の衛星を運用しているが、外国から購入する衛星写真と衛星情報のほうがはるかに高精度である。国産の偵察衛星は「衛星利権」のための衛星打ち上げだった。また人からの情報(ヒューミント)といっても、外交官(防衛駐在官を含む)が話しを聞いた程度か、現地の新聞を読んだ程度の話し(情報)である。専門的なスパイ(情報工作員)など日本にはいない。そこで頼みの電波情報傍受も相手が無線の使用を控えるとその傍受できなくなる。日本は世界的な通信傍受を行っているエシュロン(米NSA)の一端を担っているにすぎないのだ。

 だから、関連する各省庁にさえ重要な情報が入っていない。各省庁は情報が入っていないことがバレレば予算がこないから情報を出さない。

 審議官や課長級の情報分析官といっても、その能力をどの程度と理解しているのか。はっきりいってその能力を期待する方が間違っている。現在、話題になっているミサイル防衛(MD)の壮大な矛盾点さえ指摘できない程度の官僚たちである。国防利権の前では口を開くことさえ封じている連中である。

 さらに致命的にダメなのが政治家の無知である。小池前防衛相が安倍前首相の安全保障担当補佐官になったとき、アメリカに出かけ、米大統領主席補佐官(安全保障担当)に「私があなたのカウンターパートナーです」ですと言った時には背筋が凍った。子猫のタマとライオンの区別がついていないからだ。またある元防衛官僚が最近のブログで書いていたが、現在の額賀財務相が初めて防衛長官になったとき、その防衛官僚が「中期防衛力整備(中期防)」の現況について額賀長官に説明に行くと、「ところで中期防って何」と聞いたと書いている。また石破防衛相は先日のUFO発言の時、「ゴジラには災害派遣で自衛隊が対応」と述べたが、災害派遣では武器の使用は出来ない。ゴジラに戦車砲を撃つことも、戦闘機が機銃掃射やロケット弾を発射することもできない。自衛隊が治安出動で出た場合でも、武器の使用は警察官職務執行法の範囲しか武器の使用権限はない。まさに自衛隊にとって「いろはのい」の常識なのである。

 ちなみに中曽根元首相が初めて防衛長官になったときについたあだ名がトイレットペーパー長官なのである。由来は防衛庁長官になって初めて北海道の部隊に視察に出かけ、隊員との懇親会で話した時、「私にやって欲しいことを言ってくれ」と問うと、隊員が「部隊のトイレットペーパーは隊員がお金を出しあって買っています。公費で買うことが出来ませんか」と言うと、それからトイレットペーパーは官費で購入できるようになったからである。中曽根防衛長官もその程度のことしか自衛隊のためにならなかったとい皮肉も込められている。

 そのような政治家が政府の情報機能の強化というと、「各省庁の垣根を越えて、情報を官邸で一元化して、専門官が運用・分析し、緊急時などの政策に生かす」という官僚用語でお茶を濁すのである。

タイ総選挙

 現政権に厳しい審判

タクシン派 第1党

PPP 連立協議を開始

勢力拮抗 難しい運営

有権者、根強い政治不信

(朝日 10月24日 朝刊)

[概要]軍政から民政移管を目指すタイの総選挙(定数480)は23日、投開票された。昨年9月のクーデターで追放されたタクシン前首相派が主力の「国民の力党」(PPP)が半数近い議席を獲得して圧勝。他党との連立協議を始めた。

 PPPのサマック党首は23日夜、「クーデターで自由を失った国民の勝利だ。私が首相になる」と勝利宣言をした。同党首は他党党首2名と連立協議を始めたことを明らかにし、政権を取った場合は前政権与党タイ愛国党幹部111人の公民権停止処分を解除すると表明した。

 タクシン前首相はPPP中心の政権が出来れば2月に帰国すると表明している。前首相が帰国すれば汚職防止法違反容疑で起訴されているため、直ちに収監されるとみられるが、PPPや支持者と、クーデターを主導した軍・反タクシン勢力との間で緊張が一気に高まりそうだ。

 「(もしタクシン首相の帰国が)実現すれば、軍部などと対立して再び政治的混乱を招き、景況の悪化は避けられない」(邦銀関係者)とみられる。国民はさらなるクーデターの懸念や政治家への不信感が強く、選挙後も政党間の対立で政局が混乱する可能性を心配する声がある。

[コメント]タイの農村部に行くと農業以外に産業が見あたらず、その農業も根本の部分で貧しさから抜け出せないことが理解できる。バンコクに安い賃金で働きに出ているのは、その貧しい農村からきた出稼ぎの人たちである。だからタクシン前首相がその貧しい農村地域をばらまきで優遇すれば、すぐに選挙結果に反映させることができた。これがタクシン前首相が01年から5年間もの長期間にわたり、強いリーダーシップで民政が維持できた背景である。

 これを都市部に人からみると、タクシン前首相は主要な産業から得た賄賂で、農村で票を買い、政権基盤を強化する悪徳政治家になってくる。同時にタイの古い社会構造を改革する政治家にも見える。そこでタイの国王と軍部はクーデターによってタイの社会構造の変化を防いだのだ。

 同じことは日本でもかつてはよく見られた光景である。日本の自民党政治を支えたのは地方の農民や漁民たちの時代であった。しかし今の日本ではその貧しかった農民や漁民が自民党を支えなくなった。日本の社会構造全体が都市型に変化したからである。

 今さらそのような日本の社会変化を正座していう気はない。しかし正座して言いたいことは、先進国ではクーデターは政治の方法としては通用しないということである。クーデターの持つ政治性が先進国の政治構造に不適格なのである。

 それならクーデターの可能な国とはどのような国か。まず国民全体の生活が貧しく、政治の恩恵を受けることが少ないこと。政治や経済活動が一部の少数派に占められ、容易に政権交代が奪いやすいこと。軍のクーデターを支持する大国のバックアップがあることなどが上げられる。というように考えれば、もはやタイや韓国のように進歩した国ではクーデターは政治方法として不適なのである。

 もし2月にタクシン前首相がタイに帰国して、再びPPP政権を倒すようなクーデターが発生すれば、さらにタイは政治的な大混乱が発生し、そのことが東南アジア全域で経済発展の足を引っ張ることになる。不幸にもタイにはクーデターを社会科学的に研究し、警鐘を鳴らす政治学者がいないようだ。あるいは王族や軍部に押さえられて自由な批判を封じられている可能性がある。

米情報機関

中国に傍受内容

  筒抜け

翻訳委託先がダミー会社

(産経 12月23日 朝刊)

[概要]米紙ワシントン・タイムス紙は21日、ハワイで中国の通信を傍受していた米国家安全保障局(NSA)の施設が、中国の情報機関が作ったダミー会社に翻訳業務を委託した結果、機密である監視対象や傍受内容が中国に筒抜けになったと報じた。

 情報が盗まれたのはホノルル近郊のクニアにあるNSAのアジア向け通信傍受施設。傍受記録の英訳をハワイの翻訳会社に委託したが、この会社が中国最大の情報機関である”国家安全省”が作ったダミー会社であることが発覚した。この会社名や情報漏れの期間は報じていないが、米海軍犯罪捜査局(NCIS)の対スパイ捜査から判明した。数百万件もの傍受記録がこの会社に渡り、監視対象や米側の情報源まで中国に把握された。また米側を混乱さすために「偽情報」を流す中国側の工作を手助けしたことになった。中国は業務委託の接点を通じて、NSA内部の軍人・軍属に対して、スパイ獲得工作を図った。

 米国国防局(DIA)の日系元工作員のマイケル・タンジ氏は、ブログで「(問題になった翻訳は)10年前ならいずれも軍人か政府の文民職員がやった仕事ばかりだ」として、とりわけ翻訳の業務委託からの情報漏えいの懸念を訴えている。

[コメント]日本ではイージス艦の「特防秘」情報流出で大騒ぎになったが、アメリカのNSAは傍受したア中国情報の翻訳を中国の情報機関に委託して大騒ぎになる。いずれも秘密情報の管理(保全)が難しくなってきている証だろう。どうやらNSAは大量の盗聴情報をコンピューター翻訳で処理しているというのは「偽情報」らしい。 

 それにしてもアメリカの防諜機関も情けない。極秘に入手した秘密情報を一時的にも預けるのに、翻訳会社の厳格な身元確認をしなかったのか。

 しかし”人の振り見て我がふり直せ”という言葉がある。日本でも中国軍関連の秘密情報が中国に漏れている可能性が高い。公安調査庁の高官が北朝鮮がらみの詐欺で逮捕される時代である。孫子を生んだ国の手練にわが国は対抗できるだろうか。 

※ 本日(23日)と明日(24日)は連休を利用して我が家の大掃除です。今回の大掃除では書斎のレーアウトを大きく変えて、仕事が出来やすいように広い空間を作ろうと思っています。そのため書斎の本箱2個を解体して、古い雑誌や書籍を処分します。冷戦が終わって4回目の大焚書ですが、本箱から冷戦時代の書籍がほとんど姿を消しました。ちょっと淋しい気もしますが、新しい時代の情報を入れるためには仕方ないと諦めています。

ISAF本体参加

政府 警察活動の補完

アフガン派遣

 「合憲」解釈

自衛隊参加、

   現時点は慎重

(読売 12月22日 朝刊)

[概要]政府がアフガンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)本体への自衛隊参加に関し、憲法上、可能との見解をまとめていたことが、21日、明らかになった。

 これまでの閣僚らの国会答弁では、自衛隊のISAF参加は憲法が禁じる武力行使にあたるとしてきた。今後、政府はアフガンで武器使用を伴う参加が認められる事例があるとした。今後はアフガン本土の「非戦闘地域」の認定が、自衛隊参加の条件となるが、将来のISAF本体の参加には可能性を残した。現時点での参加は憲法の問題が解消しても、アフガンの治安状況を見極めて慎重に判断する。

 政府は国、または国に準ずる組織と交戦が行われている場所を「戦闘地域」として、そこに自衛隊を派遣することは違憲だとの立場をとっている。今回、政府はアフガンのISAFの治安活動について、@アフガン政権の同意を得た、警察行為を補完するもので、国際法上の「武力行使」ではない。A「武力行使」でない国際活動で、任務遂行のために武器使用が想定される場合でも、国または国に準じる組織との交戦が行われていない「非戦闘地域」が認定できれば、その地域には自衛隊が参加できる。ーーーとの見解をまとめた。

 ただ反政府活動を行っているタリバンは、過去にアフガンで政権を掌握しており、タリバンを「国に準ずる組織」と見なすかで、非戦闘地域の設定が異なってくる。この点に関する政府内の見解は一致していないため、今後の検討改題になっている。

 ISAF本体への自衛隊参加は、民主党の小沢代表が10月上旬に提唱したが、その際、町村官房長官、高村外相、石破防衛相らは相次いで、憲法違反との見解を示した。その後、政府内では、こうした答弁が国会内で定着すると、将来、国際平和協力活動を拡大する道が閉ざされるとして、外務省、内閣官房、内閣法制局で対応を協議していた。

[コメント]自衛隊を海外に派遣する目的が、一義的には「武力行使」の任務ではなく、現地政府の警察行為を補完するものと認定されれば、武器使用を含む任務についても対応できる新判断を示した。

 タリバンをどのように位置づけるかという問題は評価や解釈の問題で、政治的な決断すれば簡単にクリアできる問題だろう。また政府が求める「非戦闘地域」の認定も、イラクのサマワに陸自を派遣したことから、「現に戦闘が行われておらず、戦闘が行われる兆候が見られない」という主観論で、派遣地を決めることが可能になっている。要するに、この程度の政府見解では、いつでも、どこにでも、政府は自衛隊を紛争地に投入できるフリーハンドを得ることになる。

 またしても防衛省は守屋問題などでゴタゴタしている内に、外務省の自衛隊活用路線に乗せられようとしてしている。この様な自衛隊活用法はまさに外務官僚の発想である。軍事を知らないし、紛争や戦争の知識がない外務官僚が、将棋やチェスのように自衛隊を”駒”として動かす様に思える。

 それにしても町村官房長官、高村外相、石破防衛省が、自衛隊のISAF参加は憲法違反と国会で繰り返してきたことが、舌の根の乾かぬうちに合憲と言わせる。政治家の公約や国会証言は何なのかと考えてしまう。

 はやりこの見解は詭弁ある。この新解釈に自衛隊が従うなら、自衛隊はタリバンと緊張が高まっている地域にも派遣することが可能になる。しかし自衛隊員は武器使用を制限され、戦時法がないままに戦闘に巻き込まれる。この様なインチキな政府見解ではなく、今の与党と交代してできた新しい政権が、自衛隊の国際貢献のあるべき姿を描いて欲しいと思う。 

新テロ法案

民主党、

 今日にも対案

参院提出へ

 世論踏まえ判断

(毎日 12月21日 朝刊)

[概要]民主党は政府の新テロ対策特別措置法案について、対案を21日にも参院に提出する方針を決めた。国会会期が来月15日まで再延長されたが、世論調査(毎日新聞)では給油活動を「中止すべき」が「再開すべき」を上回るなど世論動向を踏まえて判断にした。

 20日夜、小沢代表、鳩山幹事長ら幹部が党本部で会談し、小沢氏が「国民から見ても我が党が何を考えているか示した方がいい」と提出を指示した。来月の1月9日には党首討論も行われる予定で、年金記録問題で内閣支持率が急落してことから、首相を追いこむ「攻め」の姿勢を強調すべきと方針転換を決めた。党内ではこれまで、今国会に対案を提出することに消極的な意見が大半だった。

 対案では、医療支援や食糧輸送支援などの民生支援が中心。自衛隊を復興支援に限定して派遣し、活動地域は停戦合意が成立している地域などに限定する。この対案では、自衛隊の派遣を「停戦合意」を前提にするなど、その実効性に冠して党内から疑問の声が出ていた。それでも提出に踏み切ったのは、各種世論調査から給油活動再開に対する支持が低下し、民生支援を中心とする民主党案に一定の理解が得られると考えたため。また対案には、小沢氏がこだわる「アフガンの国際治安支援部隊(ISAF)の設立を承認した国連決議に基づく」と原理原則を盛り込んだ。同法案を1年間の時限立法としながら、自衛隊海外派遣に関する恒久法整備の必要性も明記した。

[コメント]福田内閣の支持率が急落している。安倍内閣末期の水準(31パーセント)まで落ちたという数字が出た。(朝日新聞 12月21日 朝刊) 福田内閣の年金問題取り組みを「評価しない」が72パーセントで「評価する」の17パーセントを大きく上回った。同時にインド洋での給油活動再開にも「中止すべきが」が「再開すべき」を上回ったのは確実で、世論は給油再開の中止を求めている。

 しかし安倍前首相、小池前防衛相、福田首相が相次いでブッシュ大統領や米政府首脳に面談し、「給油活動再開」を公式に約束をしたことから、1月下旬の衆院の再採決で採択されることは間違いない。これが”大河の流れ”なのである。もう誰も大河を止めることも流れを変えることができない。

 福田首相が総選挙で与党が敗北することを恐れ、解散・総選挙を避けることもできないのである。これで小泉元首相は見事に自民党をぶち壊したことになる。前回の総選挙で誕生した小泉チュルドレンは小泉首相が自民党に送り込んだ刺客に過ぎなかった。

 ところで民主党の対案だが、私はこれでいいと思う。1年間の時限立法ということで、魂を込めたことで良しと感じた。細かいことを言えば何とでも言える。しかし国際貢献を本来任務に格上げした自衛隊にとって、今までの自民党の様な無秩序な自衛隊派遣は絶対に避けるべきであった。

 どうやらNATOとしては自衛隊にISAFの空輸部門を期待しているようである。空自の固定翼機(C−130輸送機)ではなく陸自のCH−47輸送ヘリなどで、復興支援物資の空輸活動である。無論、戦闘地域でのヘリボーン作戦は行わない。自衛隊は陸自部隊以外に海自や空自の多用途ヘリを統合して運用することもできる。近い将来、アフガンの治安が回復すれば、橋や道路の復興は民間業者が請け負うことも可能になる。まずは自衛隊のヘリ部隊をアフガンに派遣して、何ができ、どれだけ出来るか、現地調査をするのもよいと思う。

 これなら民主党の対案でもアフガン再建に日本が自衛隊を使って貢献が出来る。出来ることなら、アフガンに派遣する自衛隊の輸送ヘリや車両は、機体に迷彩色を使わず、目立つ白色で塗色し、機体(車体)に日の丸を鮮やかに描くことをお勧めする。日本の国旗であると同時に国際的な平和目的の復興支援活動のシンボルマークに育ててみるのもいい。

露の核燃料提供

米、対イラン政策

  行き詰まり

米、苦渋の容認

(読売 12月19日 朝刊)

[概要]ブッシュ大統領は17日、ロシアがイランのブシェール原発に核燃料供給を開始したことについて、「これでイランは自力でウラン濃縮方法を学ぶ必要がなくなる」と述べ、支持する意向を表明した。しかしブッシュ政権はもともと核兵器転用の恐れがあるとして同原発建設に反対だったし、イランのマフマディネジャド政権がウラン濃縮活動を停止する可能性は極めて低い。米国内ではブッシュ政権のイラン政策の行き詰まりを指摘する声が次第に高まっている。

 ブッシュ大統領はバージニア州での演説で、ロシアの核燃料提供を容認する一方、ウラン濃縮と弾道ミサイル開発を続けるイランを「平和を損なう危険な存在」と述べ、イランに圧力をかけ続ける方針を強調した。しかし今月3日に発表された米情報機関による国家情報評価(NIE)でイランが03年に核兵器開発計画を停止していたことを明らかにしている以上、ブッシュ大統領の演説が迫力を欠くのは否めない。

 18日付けのニューヨーク・タイムス紙によると、ロシアがアメリカに核燃料提供開始を通告してきたのは報告書(NIE)発表の直後だった。ケーシー国務省副報道官は、ロシアのイランに対する核燃料提供が、イランに対する3本目の安保理制裁に影響を与えることはないとの考えを示した。しかし制裁に消極的だったロシア、中国はNIE報告を受けて、いっそう制裁に後ろ向きになっている。イランも中部ナタンツで行っている濃縮ウラン活動を停止する意向を示していない。

 ライス国務長官は17日の英SSC放送とのインタビューで、「イランが安保理決議に従うなら、私はイランの外相とどこでもいつでも会う用意がある」と強調したが、ブッシュ政権の呼びかけは掛け声だけに終わる可能性が少なくない。

[コメント]もはやこれは喜劇である。アメリカの情報機関が公式(NIE報告で)にイランの核兵器開発の停止を発表したのに、ブッシュ政権は相変わらずイランの核兵器開発を脅威と強調し、国際社会にはイラクに強い制裁を求めるという喜劇である。逆に北朝鮮に対しては核実験を行ったというのに、制裁どころか対話や援助を申し込んで機嫌をとる有様である。これではブッシュ政権を信じて支持しろというほうが無理である。

 韓国では北朝鮮に無条件の支援や支持を与えた盧武鉉政権が、今日の大統領選挙で国民の強い反発を受けて終わろうとしている。オーストラリアではすでに政権が交代して、ブッシュ政権の対テロ戦争に批判的な政権が誕生した。

 日本でもブッシュ大統領に新テロ特措法案の採決で、再び海自にインド洋で給油活動を再開させようとする福田政権が国民(世論)の支持を失っている。来月に参院で、福田首相に問責決議案が採決されても、福田首相は衆院を解散しないという話しまで飛び出してきた。しかしそれは、7月の参院選挙の大敗北にもかかわらず、首相に椅子にすがりつこうとした安倍前首相と同じ運命しかあり得ない。

 来年のアメリカの大統領選挙ではブッシュ共和党政権から、イラク政策に批判的な民主党から新大統領誕生が確実視されている。ロシアではいよいよプーチンの独裁政治が始まった。

 このような激しい変化の時代に、日本では防衛行政の官僚トップにあったものが、防衛利権という汚職にしか頭を使っていなかった。日本だけではない、世界中が狂い始めている。

 私は昨日、ラジオの生放送でイージス艦のSM3が実験成功したことを聞かれ、『大変なことなのか』と質問された。「あれこそ現代の”大本営発表”です」と答えた。国民を騙す何物でもない。ちょっと深刻な気分になってきた。

海自 イージス艦

海上型MD

実射実験へ

NHK 「成功」と報じる

(朝日 12月18日 朝刊)

[概要]防衛省は米ハワイ沖で弾道ミサイル防衛(BMD)の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)の実射実験を初めて実施する。SM3を搭載した海自のイージス艦「こんごう」が、カウアイ島の米軍基地から発射された標的用のミサイルを迎撃を試みる。イージス艦「こんごう」は佐世保基地(長崎県)に来年1月上旬に実戦配備され、日本のミサイル防衛に加わることになる。

 実験では米軍の模擬ミサイル(標的)をレーダーで探知、SM3を発射して高度100キロ以上の大気圏外で迎撃する予定。

[コメント]今朝のNHKニュースでは、このMD実験が「成功した」と報じていた。NHKはMD実験に成功したのはアメリカ以外では日本が初めてと解説していた。NHK報道ではいかにも実験成功が大きな進歩の様に感じられるが、以前のアメリカのMD迎撃実験では標的に細工がされ、迎撃しやすい様に実験が組まれたいたことが発覚したこともあった。NHKはそのあたりの検証を忘れないで行って欲しい。でないとインチキMDのお先棒を担いだことになってしまう。

 また海自イージス艦のSM3が配備されることで、アメリカに向かう弾道ミサイルの迎撃が日本の海自で可能になり、日本の集団的自衛権の問題が議論されると解説していたが、そんな馬鹿馬鹿しいことはないので心配は無用である。なぜなら仮に北朝鮮がアメリカ本土に到達できる長距離弾道ミサイルを開発できても、北朝鮮から発射すれば北海道のはるか北を飛翔するコースで、イージス艦のSM3が迎撃できる可能性はまったくない。またハワイやグアムの米軍基地を狙っても、日本海上空の高度1000キロ以上の大気圏外を飛翔する。とても最大射程が500キロ程度のSM3では到達しない。SM3で迎撃することは物理的に無理なのである。

 また日本の到達する北朝鮮のノドン・ミサイルは移動式の発射台に載っている。トンネルや地下に隠されたノドンが、発射のために地上に出てくれば、数時間で日本に向かって発射可能である。佐世保基地にいる「こんごう」が、異常を察知して飛翔するノドンの弾道下(海上)に移動したいと思っても間に合わない。だから私は日本のMDはインチキだと言っているのである。国民の税金が1兆円も使ってMDシステムを作るというが、こんな無駄なものを作って喜ぶのは、山田洋行のような「国防を口実に儲ける企業」と、軍事企業からワイロが入る防衛族政治家、それに守屋前防衛事務次官のような汚職官僚だけである。日本国民にとってはグアム利権と同様に迷惑千万な利権兵器なのである。

 メディアの記者諸君、もっと真面目に取材をしようよ。ウソ八百の官僚や政治家の話を集めて、それで国民を騙すようでは、インチキ兵器の片棒を担がされてしまう。

テロとの戦い 前進

英軍が治安権限

 イラク側に移譲

イラク・バスラ

 シーア派内構想に不安

英の視線、

 アフガンにシフト

(産経 12月17日 朝刊)

[概要]イラク駐留英軍は16日、イラク最大の油田地帯である南部の要衝、バスラ県の治安権限をイラク側に移譲した。これで03年のイラク戦争後、英軍が駐留したイラク南部4県の治安権限はすべて移譲された。シーア派が多数を占める南部では、英軍の影響が弱まる中で、シーア派各組織の権力闘争が激化し、治安悪化の不安要因になっている。

 英軍は来年半ばまでに現在の4500人を2500人に縮小、イラク治安部隊とイラク側から要請に応じて出動する緊急展開部隊として任務に当たる。イラク南部ではマリキ政権を支えるイラク・イスラム最高評議会、反米強行派指導者サドル師派、さらに第3勢力のファディーラ党の民兵が衝突を続けている。

 いずれもイスラム穏健派の宗教勢力ではなく、イスラム教では女性の義務とされるヘジャブ(スカーフ)を被っていなかった女子大生が両足を撃ち抜かれる事件が起きている。バスラ市内には「ヘジャブを被らない者は処罰される」という警告文が壁に描かれ、地元警察によると今年7月〜9月の間に、このことで殺害された女性は42人にのぼるという。

 各派の民兵組織は武力で警察を圧倒しており、地域によっては民兵組織が治安部隊に入るこんでいるケースも多い。イラク南部は中部や北部に駐留する米軍への重要な補給路になっており、将来的にシーア派が米軍と対立すれば、米軍は補給路を断たれる懸念が生まれる。

 英軍がイラク南部の治安権限を移譲したことで、ブラウン英首相はアフガンの復興支援を今後の「テロとの戦い」の最前線に位置づける考え。ブラウン首相は12日の下院演説で、アフガンの駐留多国籍軍はタリバンとの戦いに「勝利している」と強調し、英軍7800人規模を維持し、NATO加盟国の増派と応分の負担を求める考えを明らかにした。

[コメント]イラクの武装勢力が南部のバスラ県を支配できれば、イラク最大の石油産出地域とペルシャ湾に通じるバスラ港を支配下に置くことが可能になる。いくら英軍が2500人の特殊部隊をバスラに残しても、これらの民兵組織と本格的に対峙することになれば、次々と繰り出される自爆テロや仕掛け爆弾の攻撃に耐えることはできない。すなわち今回の英軍の治安権限移譲は、英国がイラク戦争に敗北してイラクから撤退したことと同じである。

 その英軍の軍事力空白を狙い、武装勢力各派が奪取を争っているのである。そのような場合、最も優勢になるのは隣国イランの革命防衛隊の支持が得られた勢力となる。またイラン革命防衛隊は対米威嚇で最も効果的な南部支配を考えると、密かにサドル師派武装勢力を使う可能性が高くなる。

 すでにイラク戦争では英軍ばかりか、アメリカ軍が敗北したのは確実で、あとは敗北イメージをどのように払拭して撤退するかの問題だけだ。アメリカ軍がイラクで敗北したという言葉が嫌なら、”アメリカ軍はイラクで勝てない”という言葉で鮮明になる。これはベトナム戦争で私がアメリカの指導者たちに質問した言葉と同じだ。「アメリカはなぜベトナム戦争に敗北したと思うのか」と質問すると、「我々はベトナムで敗北していない。大統領が帰って来いと言ったからベトナムから撤退した」と答える。しかし「なぜアメリカはベトナム戦争に勝てなかったと思うのか」と質問すると、誰もが敗北した原因を雄弁に語った。これと同じという意味である。

 ところで英軍のイラク南部撤退で、最も怖い思いをしているのはサウジの王族である。イラク南部が強硬シーア派やイランの支配地域に下ると、サウジにイスラム革命が押し寄せる可能性が高くなる。そのためにサウジはマリキ政権を支えるイラク・イスラム最高評議会の武装勢力に、サドル派勢力を攻撃できる資金や武器を援助する可能性がでてくる。今後はイラク北部のクルド人支配地区と南部のシーア派支配地域が、トルコやサウジの介入で戦闘が激化することが考えられる。中東の戦争とはまことに厄介なまのである。

国会延長きょう議決

新テロ法

 成立確実に

公明、不安な越年

 解散の懸念なお消えず

(毎日 12月14日 朝刊)

[概要]与党は新テロ特措法案の成立に向け、15日までの臨時国会の会期を来年1月15日まで31日間再延長することを決めた。本日14日の衆院本会議で再延長を議決する方針。これによって同法案は仮に参院で採決されなくとも、来年1月12日以降は憲法の規定(衆院通過後60日後は否決とみなす)に沿い衆院で再可決(衆院議員の2/3の賛成多数)されるため、今国会での成立が確実になった。

 早期の衆院解散・総選挙の回避を念頭に、越年延長に慎重姿勢をとってきた公明党も、新テロ特措法案の今国会成立にこだわる政府や自民党に配慮し、再延長を受け入れた。ただし衆院で再可決されれば、同法案に反対の民主党など野党が首相問責決議案を参院に提出する可能性もある。

 福田首相は日米首脳会談で「早期成立に全力を尽くす」と表明した以上、法案が成立されなければ政権は大きな打撃を受け、連立を組む公明党にも影響は及ぶ。福田首相が再延長を決断すれば、公明党が拒否する余地はなかった。

[コメント]いくら公明党が来年秋以降の解散を望んでも、間違いなく1月下旬に新テロ特措法案は衆院で再可決され、それで参院では野党から首相問責決議案が採決されことは間違いない。それから福田首相による衆院解散・総選挙となる。これが政治の大きな河の流れになってしまったのだ。一旦、この大きな河の流れが起きると、誰もその大河をせき止めたり流れを変えることは極めて難しい。

 考えてみて欲しい。民主党の小沢代表は新テロ特措法案を「憲法違反」としている。党の代表が明らかに”憲法違反”としている法案を採決されて、首相問責決議案を出せないようでは政党とはいえない。また参院では民主党が単独で過半数を占めているのではない。野党が集まって過半数を占めているのである。民主党は他の野党との協調関係からも、首相問責決議案から逃れることができないのだ。

 参院で首相問責決議案が採決されれば、福田首相は参院の委員会などに出席(発言)するのを拒否される。与党の最高責任者の首相にとって、参院で排除されることは政治生命の否定に等しい。首相の解散権を使わなければ政治家として自滅することになる。

 公明党も福田首相が”解散の覚悟”を決めて再延長することを決断したと考えている。衆院解散については首相が「ウソ」を言っても良しとされていることをお忘れなく。

 しかし新テロ特措法によって最大野党から ”憲法違反”と断罪された給油活動に向かう海自の隊員を思うと複雑な心境である。せめて自衛隊の国際貢献活動だけは与野党からの支持(大部分)と、国民の理解が欲しかった。

 ところで今回の新テロ特措法では海自・輸送艦による給油・給水活動だけと規定されているが、01年に採決された従来のテロ特措法では輸送艦と護衛艦(駆逐艦)の派遣が決められていた。それはインド洋の”戦場”に海自艦船を派遣するのに、丸腰の輸送艦だけでは危険というためだった。そのために護衛艦とペアの派遣が決まった。そのように前テロ特措法では明らかに自衛隊を”戦場”に派遣するという意志が込められていた。私が海自のインド洋派遣に反対したのは、政治家や防衛官僚には自衛隊員を”戦場”に出すという意識があるのに、そのための法整備や装備調達を行わず、政治家の都合だけで派遣命令を出したからである。

 幸い、海自艦船が攻撃を受けることがなかったが、そのことで当時の責任が免罪されたり正当化することは許されない。  

「更新止」

 のお知らせ

  (12月6日)

 今年のホノルル・マラソンに挑戦するために、12月7日(金曜日)〜12月13日(木曜日)までハワイに行きます。

 そのためホームページの更新を休止します。せっかくアクセスして頂いたのにすいません。今回は携帯電話(国際回線)も持参しません。仕事などでご迷惑をおかけしますが、このマラソン挑戦のために1年間頑張ってきました。

 どうぞご理解を頂きます様お願いします。でも「完走」は出来ないかも知れません。それでも頑張って走ってきます。

防衛省汚職防止ビデオ

これって あの人?

(毎日 12月6日 朝刊)

[概要]防衛省が製作した論理啓発ビデオが、前防衛事務次官の守屋容疑者の汚職事件で揺れる省内で話題になっている。これは全隊員を対象にしたもので、ゴルフや旅行など業者の接待に警鐘を鳴らす内容で、3月に完成し6月から各部隊で上映されていた。その内容は守屋事件に酷似する内容となっている。ビデオは自衛隊の会計隊契約班が舞台で、守屋容疑者そっくりのゴルフ接待付け上司が登場する。仕事は出来るが結構傲慢な上司が、業者からビール券を贈られ、ゴルフに頻繁なゴルフ接待を暗示するシーンがある。

 若い隊員がこの上司から業者に引き合わされ、旅行やゴルフの誘いを受けるようになる。若い隊員が告発しても、先輩は「先輩後輩の付き合いで、割り勘」と釈明し、告発はいったん撤回する。しかし最終的には工作が露呈、上司が処分されるという内容だ。最後に自衛隊員倫理規定に違反する場面をまとめている。ある自衛官は、「守屋さんは接待漬けで見る暇がなかったかも」とぼやいた。

[コメント]昨日、いくつかのマスコミからこのビデオの感想を求められた。さらに、このような出来事が自衛隊では頻繁にあるのかと聞かれた。私としては、「民間企業や他の役所と同じです」と答えるしかなかった。「民間企業や他の役所と同じように頻繁にある光景」なのである。

 ある部隊の業務隊・仕入れ責任者の自宅では、大型冷蔵庫に出入りの業者からもらった高級牛肉や高級果物が詰まっていたと聞いた。そのためにこの責任者はわざわざ大型の冷蔵庫を購入したという。また別の者から子どもが高校に入学すると、出入り業者から10万円の「お祝い」が届いたという話しも聞いた。あるいは防衛庁(当時)のあるポストに移動すると、上司から「お前のポストは3年で家が一軒建つ」と言われたと驚いていた。

 その中には悲惨な話しもあった。在職中は部下に出入りの業者(元の上司)から接待を受けるなと指導していた幹部自衛官が、定年後にその部隊から出入りの業者に再就職の世話をされ、自分のいた部隊に営業で通っている内にノイローゼになって自殺したという。その営業とは部隊にコーヒーセットを設置して、コーヒーの補給やフィルターの交換などをする仕事である。おそらく元の上司が恨んで、その部隊に幹部自衛官の再就職先を営業部門にしたものと思われる。

 結局、かつての上司・部下の関係であっても、接待や贈賄を基盤にした癒着は、汚職犯罪を生むだけでなく、組織自体の活性を奪うものでしかない。苦しむのは自衛官なのである。

 ところでの啓発ビデオを製作した者が、守屋の業者癒着の実態を知っていたかという点であるが、それはないと思う。あくまでよくある実例のひとつで、守屋は規模や回数、一回の金額がずば抜けて大きかったという違いだけである。この啓発ビデオを見て、さらに守屋事件の内情を知って、ヒヤリとした防衛省・自衛隊関係者は決して少なくないはずだ。

イラン核兵器「開発中断」

米政策に影響も

「圧力」の根拠ゆらぐ

(読売 12月5日 朝刊)

[概要]米情報機関の調査をまとめた国家情報評価(NIE)の一部が3日に公開され、イランが核兵器開発計画を03年秋の段階で停止していたとする分析が明らかになった。このためイランの核武装阻止を目標に掲げてきたブッシュ政権は、内外からの批判にさらされることになりそうだ。

 今回公表されたNIE報告では、05年の情報機関報告を事実上覆し、イランが「民生用」と公言しているウラン濃縮を核兵器開発計画の一環とみなさないとしている。これでブッシュ政権がイランの核開発を阻止するためにウラン濃縮の停止を呼びかけてきた政策の根拠を揺るがすことになった。

 国連安保理の常任理事国とドイツの計6カ国は、ウラン濃縮停止に応じないイランに対し、3度目の制裁決議案策定を目指していたが、この協議も見通しが不透明になりそうだ。もともとロシアや中国は制裁に消極的で、「今回の報告書で3度目の制裁案決議は望みがなくなった」(米ブルッキング研究所のブルース・リーデル氏)との声も出ている。

 米国内では4年以上前にイランが核兵器計画停止をしていたのに、イランの核武装の脅威を強調していたブッシュ政権に批判が高まるとみられる。

 イランのモッタキ外相は4日、「(核問題に関し)過去に疑問を持っていた国々が現実的な見方に修正した場合、それを歓迎するのは当然だ」と国営ラジオ放送で話した。さらに「イランの平和的な核活動の状況が世界に明らかになっている」と語り、イランの核開発の正当性を強調した。

[コメント]なぜこの時期にNIE報告はイランに核武装計画がないと公表したのか。それは今が意図的な「ウソ」を訂正する最後のチャンスだからである。来年のアメリカは大統領選挙の年である。来年の12月頃になればブッシュ・共和党政権にかわって民主党の大統領が選ばれる可能性が高まっている。次期大統領がヒラリー候補かオバマ候補であっても、当然ながら次期政権でイラク核計画の総点検が命じられることは確かである。その時になって「イラン核情報」を根本から訂正すれば、NIEに対する国内外の信頼は地に落ちる。せめてブッシュ政権の今回に訂正を行うことが、権威を保つ最後のチャンスだったのだ。

 これが政権の交代ができる政治体制のメリットと思う。政権交代で政策のインチキが持続できないからである。

 それを証明するのは今の国会で行われている自衛隊のアフガン派遣論争である。すでにこのHPでは自民党の安倍政権下では自衛隊のアフガン派遣(国際治安支援部隊 ISAF)が決定していたと指摘している。それが7月の参議院選挙で民主党が大勝し、民主党の小沢代表が自衛隊のISAF派遣を主張すると、逆に自民党(首相、官房長官、外相、防衛相)は自衛隊をISAFに派遣することは憲法上できないと主張している。特定の政権が長期化すれば、腐敗や不正が増えるばかりか、政策のウソや謀略までがやりやすくなり、平然と持続することがわかった。

 もし夏の参議院選で野党が過半数を占めていなければ、間違いなく自民党は野党が「憲法違反だ」と批判しても、自衛隊をアフガンのISAFに派遣していた。昨日(午後)のテレビの国会中継で立場が逆になったシーンを見て笑ってしまった。

 これでアメリカ軍やイスラエル軍がイランの核施設に攻撃するという推測は根拠を失った。またブッシュ政権はイラクの軍事占領が成功していれば、次はアメリカの軍事力をイランに向け、アフガンのISAFとイランを挟み込む作戦(戦略)であることが判明した。そのためにイランの核武装脅威を内外で強調したのである。

 そこで私はこれから日本の政治を正常化するために、民主党や野党を支持するというのではなく、政権交代ができる政治を目指して、野党全体の軍事政策を勝手に応援することにした。民主党を含む野党はあまりにも軍事的な知識がなさすぎ、アフガン支援策(新テロ特措法に対抗できる代案)さえも骨子を示しただけで、国会に法案提出まで進めないことがその証明である。

 自民党の防衛族(防衛利権だけが目的)に守屋問題で厳しい国民の目が注がれている今こそ、野党を支援する効果が期待できるからだ。これから野党も責任政党の自覚を持って欲しい。

 でも明日はホノルルに向けて出発します。ホノルル・マラソン・ツアーって一度申し込めば、申込者の気が変わって逃げ出さ(キャンセル)ないようにフォローがすごいですよ。まるで私の心の迷いを読まれているように、次々と事前説明会や練習アドバイスなどイベントが準備されています。気がつけば、昨日は”着て走る”ランニングシャツを受け取り、明日は成田空港に集合してホノルル行きの飛行機に乗ります。 

防衛省改革

問われる官邸力

有識者会議

  骨抜き懸念も

(朝日 12月4日 朝刊)

[概要]不祥事が続く防衛省のあり方を官邸主導で見直す「防衛改革会議」の初会合が3日、首相官邸で開かれた。主な論点は、@文民統制の徹底、A厳格な情報保全、B防衛装備品調達の透明性確保、である。政府高官によると、改革会議の設置が決まったのは10月下旬で、海幕がインド洋で行っていた輸送艦の給油量取り違えを隠蔽していた問題が発覚した時だった。

 しかし同省は調達実施本部事件(98年)など不祥事の度に、再発防止策を打ち出してきたが、それでも繰り返される不祥事に、委員から「なぜ今までの改革が機能しないのか。『防衛の特殊性』の名のもとに不適正な状態が温存されたきた『省の体質』に問題がある」という声が相次いだ。

 しかし同会議が取り上げる3つの論点については、すでに防衛省内に検討チームが存在している。補給燃料取り違え問題を受け、文民統制徹底のための「検討委員会」は10月22日に設置。今年3月のイージス艦の情報流出発覚では4月に「情報流出対策会議」を設けた。防衛装備品調達の透明化は守屋事務次官と軍事産業との癒着の表面化でプロジェクトチームで議論を進めている。

 来年2月中にまとめる同会議の中間報告を受け、防衛省は本年度内に改革案をまとめる、というのが政府が描く段取りだ。しかし同会議が報告書で、「抜本的な方向性を示しても、具体的な中身は防衛省にまかせるしかない」(同会議座長の南直哉・東京電力顧問)という。防衛省の各論検討会で、有識者会議の総論が骨抜きにされる懸念は否定できない。防衛省・OBや有識者会議の「常連」で占められている有識者会議が、「防衛省のうみ」を出し切る抜本的な対策を打ち出せるか焦点になる。

[コメント]防衛族と呼ばれる政治家と、防衛行政を担う防衛官僚が腐りきっているのに、その腐敗撲滅の具体策をその政治家と官僚に委ねるという同会議の構図(位置づけ)が間違っている。これは泥棒に防犯対策を命じるようなものである。

 なぜ今まで防衛省に再発防止策が効かなかったのか。それは公務員倫理規定(自衛隊員倫理規定)で防衛省の最高監督官であった守屋容疑者自身が言っていたように、「あんなものどうにでも出来ますから」という感覚でしか受け止められていなかったからだ。

 防衛省の問題解決は「うみを出す」ことではない。まさに『体質(システム)』を作り直すことしか改善は期待できないのだ。それは調達実績情報を積極的に公開することである。どこから(会社)から、何を(調達品)いくつ(数量)買って、いくら支払った(購入額)かを積極的に公開することである。それを防衛省の職員が勝手に秘密情報にする根拠はない。むしろ秘密と言いつくろうから、汚職や癒着が生まれる。

 公開すればテロリストに狙われるとか、調達品目が多く「すべて」監視できないとか、兵器の性格上「公表できない」ものもある、などという馬鹿げたウソを言うな。装備品の水増し請求を調達に関する業務を取締る職員は100人もいれば十分である。しかし調達で不正を見つければ、必ず相手に「損害賠償請求(罰金)」「取引停止」「刑事告発」などを厳しく行う。そうすれば防衛調達品全体に自浄作用が働き、不正取り引きは激減することは間違いない。

 個々の兵器の性能に秘密性はあっても、兵器の調達実績では秘密性はないのである。その点を政治家や防衛官僚、それにメディアは骨の髄まで知っていてほしい。もし防衛省が調達情報を公開しなければ、防衛装備品の調達に一般競争原理は作用できないのである。それでは汚職の温床になることは必至である。

 すでに防衛省の調達改革や沖縄基地問題を官邸主導(町村官房長官)にしたことで、今までの防衛装備品利権、沖縄基地利権、米軍再編利権を町村官房長官が奪いに動き出したという見方がでている。そこまで腐り切ったのが政治家の防衛利権の実態である。

 とにかくは防衛省の改革第1段階としては、Bの装備品調達の透明性確保(原則公開)の徹底を図ることである。くどいようだが、防衛調達実績に秘密性はないし、それが秘密指定された情報でなない。国民は騙されているのである。その証拠に、月刊誌「軍事研究」には毎月、詳しい調達実績の4ページが記載されている。防衛省は調達実績を公表することが義務付けられている。国会議員の国政調査権などよりもはるか以前の「情報未公開」の問題ないのである。

露下院選 与党圧勝へ

プーチン大統領

”院政”盤石

監視団制限

 「密室」懸念も

(産経 12月3日 朝刊)

[概要]ロシアの将来の権力構造を決定づける下院(定数450)の選挙は2日に投票され、プーチン大統領は自らが率いる与党「統一ロシア」を圧勝させ、2期目の任期が切れる来春以降も権力基盤を保持する思考だ。同党が憲法改正に必要な2/3議席を獲得し、さらに下院の議席数をどこまで独占するかが焦点だ。

 今回の選挙では統一ロシアの圧勝を見越した有権者の無関心が指摘され、政権は行政機構や資金、政府系メディアを動員して票の掘り起こしに躍起になっていた。

 外国選挙監視団の関係者は「選管職員の仕事ぶりは向上しているが、有権者の意識はまだまだ低い。不在者投票などの仕組みが不正の温床になる可能性もある」と話している。

 また親大統領の極右・自民党は、リトビネンコ元FSB(連邦保安局)幹部の毒殺事件で英国が容疑者としているルゴボイ元KGB職員を比例名簿の2位に登載した。ルゴボイ氏が当選すれば不逮捕特権を受けられる。しかし国際的な反響を呼ぶことは必至だ。

[コメント]先ほどの朝のNHKニュースでは、すでに与党の統一ロシアが憲法改正に必要な2/3議席を確保したと報じていた。また極右・自民党も当選に必要な7パーセント以上を獲得したという。これで大統領の任期を延長できる憲法改正や、ルゴボイ氏の不逮捕権特権獲得も確実になった。

 まさにプーチン大統領は政府機関、潤沢な選挙資金、政府系メディアを通じて、KGBが得意とする心理戦選挙を展開し、国民の圧倒的な支持を獲得した。

 もうプーチン大統領に恐いものはないようである。さらにプーチン氏がこれからも強いロシア大統領を演じることで、ロシア国民はプーチン大統領を熱烈支持するだろう。このような光景を見て、私はドイツでヒットラー政権が誕生した時代のことを考えた。ドイツは第1次世界大戦に敗れドイツ国民が深い挫折感の中にあるとき、ヒットラーは強いドイツという民族主義(ナチズム)を掲げて台頭した。

 これからのロシア政治とナチの時代のドイツを比較することは重要なことだと思う。そのためにもナチズムやヒットラーのことを研究してみたくなった。双方の何が似ていて、何が違うかである。

テロ指定解除 

  ハードル上げる

米、北朝鮮に

  追加3条件

ウラン実態など

  明示求める方針

(読売 12月1日 朝刊) 

[概要]米政府は北朝鮮のテロ支援国指定を解除する条件の一部として、寧辺の核施設の無能力化完了に加え、核計画の申告時に、@「核爆弾の材料になるプルトニュームの抽出量」、A「ウラン濃縮計画の実態」、B「シリアなど外国への核移転の状況」の3点を明示するように、北朝鮮に追加で求める方針を固めた。

 米国が今回の条件を設定する背景には、解除しないように強く求める日本政府の要請に配慮したとみられる。しかし北朝鮮は申告完了期限の年末までに残り1ヶ月となった現在でも、申告のための「第1次リスト草案」すら提出していない。追加の3点にしても、AやBは全面否定し、プルトニュームを含む現存の核兵器の申告にも難色を示しているとされる。

 ヒル国務次官補は12月3日から3日間の予定で訪朝するが、北朝鮮がこれまでの姿勢を変えない限り、12月上旬に予定されている6カ国協議首席代表会合では、核計画の申告をめぐる議論は紛糾する可能性が高い。

[コメント]アメリカ政府が日本政府に配慮して、追加の3点を北朝鮮に求め、ハードルを上げたという見解は間違いだと思う。これはアメリカ政府の最初からの作戦で、北朝鮮が従来のように曖昧や誤魔化しを行えば、厳しく対応する姿勢に変化させるという考えからきている。日本政府に配慮したというのは、リップサービス程度のお世辞でしかない。北朝鮮との核交渉はそんなに甘い世界ではない。

 しかし日本人拉致事件を無視して、アメリカが北朝鮮にテロ支援国指定解除を行えば、核交渉とは別の日米危機が生まれることは確かである。日本で対米不信感が深まり、安全保障を含む日米関係が変質していくことは避けられない。

 そこでアメリカ政府が新しく追加した3条件だが、これを北朝鮮に問いたださなければ、米議会を納得させ、来年の大統領選で国民の支持を得ることは出来ない。

 すでに北朝鮮が6カ国協議に応じた段階で、北朝鮮の核武装化は封じられたのである。途中で北が核実験らしきことを行っても、さらに追いつめられただけの話しだった。アメリカは騙されたフリをして、北朝鮮にテロ支援国指定解除をちらつかせたにすぎない。北朝鮮はこの疑似餌に飛びついた。

 アメリカという国家が北朝鮮の事情や手口を細かく研究し、直接、軍事力に頼らない心理戦争を仕掛けているのである。

 北朝鮮はシリア・ルートなど使い必死に核技術の温存を図っているが、もはやアメリカの監視の中から逃げ出すことは不可能である。

 そこで日本の拉致家族会の方に言いたいが、アメリカが北朝鮮のテロ支援国指定解除を行うことはないので、その点でご心配は無用である。また北朝鮮もアメリカが求める”核計画の申告”をすることはできない。

 いつも言うことだが、北朝鮮の核兵器開発は”核計画の廃棄”をアメリカに高く売るためのもので、核武装によって在韓米軍や韓国軍の北進を抑止するものではない。ましてアメリカ本土を攻撃できるものでもない。北朝鮮は核実験したフリ、核武装したフリ、核攻撃できるフリをしているだけだ。アメリカや中国はそのことに充分気がついている。

 



※これ以前のデータはJ−rcomFilesにあります。