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「地雷ゼロ」に挑むアフガン 地雷犬活躍 急ピッチ (朝日 12月30日 朝刊) [要約]首都カブールからカンダハルまで、南北幹線道路を作る工事が行なわれいる。その両脇で地雷犬を使った地雷除去が行なわれている。アフガンにはNGOの「地雷探知犬センター」があり、200匹を越える(年間50匹)探知犬が育った。地雷探知犬の能力は高く、金属探知ではできないプラスチック地雷も探知する。その信頼度も高く2匹の犬でダブル・チャックすれば100パーセントの信頼性が得られる。問題は今後5年間に3億ドルと見込まれる資金だ。日本では地雷除去といえば、すぐにハイテク機器を連想する。しかしアフガンの例を見れば、地雷探知犬のほうが成果を期待できる。

[コメント]このニュースをもって本年最後のWhat New!にしたい。私の実感も、この記事を書いた百瀬編集委員と同感である。どうして日本は、現地では使いものにならないハイテク探知機に力を入れるのか。不思議というより、強い不信感を持っている。
 この地雷犬の活躍は素晴らしい。これは犬の虐待と考える人がいるかもしれないが、対人地雷は犬の体重程度ではほとんど爆発しない。もし日本がアフガンの地雷除去に援助をするなら、アフガンの地雷探知犬の訓練施設や、それを使った地雷除去の活動を支援するべきであると思う。正直にいうなら、私は今年5月に訪問したカンボジアで、地雷除去活動の暗部を見た。地雷除去を口実に、地元や援助国の「援助金」の奪いあいである。作家の小山内さんのように、カンボジアで素晴らしい活躍をされている方もいるが、中には地雷処理援助金に群がる金の亡者がいたのである。
 とにかくこのニュースは私に新しい希望を与えてくれた。来年はアフガンを訪ね、この地雷犬の訓練と、地雷除去の現場を見てきたいと思う。それから私に何ができるか、もう一度、よく考え直してみたい。ことしの最後にふさわしいニュースだと思った。

 それでは皆さん、良いお年を! この1年間、ありがとうございました。
イラク攻撃 サウジ基地使用容認 作戦重要拠点を確保 サウジ国内に反米感情根強く (サンケイ 12月30日 朝刊) [要約]ニューヨーク・タイムス紙は29日、米空軍トップのジャンパー空軍参謀総長らの話として、米軍がイラク攻撃に踏み切った際に、サウジ国内の領空、基地、作戦施設の使用を、米軍に認めると伝えた。すでにイラク南部の飛行禁止空域の監視飛行には、米軍機はサウジから出撃しているという。当初、サウジは米軍のイラク攻撃に際し、同国の基地使用に否定的だったが、これ以上米軍に非協力の態度は不利として、対応を変更したものと思われる。

[コメント]イラク周辺の地図を見ると、イラク攻撃でサウジが使えるとなると、作戦効率は画期的にアップする。ちょうど北朝鮮の軍事境界線の38度線を空爆するのに、岩国基地(山口)から出撃するか、嘉手納(沖縄)や三沢(青森)から出撃するのかぐらい違ってくる。この調子でいくと、クエートに配備された米地上部隊も、サウジを通過してバクダッド攻撃の可能性も高くなった。クエート国境(西方)から攻めると見せかけて、サウジ国(南方)から攻め込む陽動作戦である。何としても、あのチグリス・ユーフラテス川の渡河は避けたいと思うからである。もしイラク軍が市街戦以外で、米軍に大打撃を与えることができるのは、チグリス・ユーフラテス川での戦闘以外にない。まだこの一帯の精密な地図を見ていないのでなんとも言えないが、今、米軍がクエート北部のイラク国境地帯でやっている演習は、米軍の陽動作戦の一環である可能性が高い。
イラク攻撃 米軍展開 最終局面へ 空母2隻に配備命令 (サンケイ 12月29日 朝刊) [要約]ラムズフェルド国防長官はイラク攻撃に備えて、空母2隻を含む大規模な地上部隊派遣命令書にサインした。(これで合計4隻になる) また病院船「コンフォート」もインド洋に向け30日に出発する。空軍は戦闘機、爆撃機、給油機などを擁する5個戦闘航空団に出動を命じた。(空軍はすでにトルコやクエートなどに400機が配備されている) 陸軍はドイツに駐留する第1機甲師団と第一歩兵師団、ジョージア州の第3歩兵師団、第101空挺師団が派遣される。海兵隊はカリフォルニア州の第1海兵遠征隊など、今回派遣されるのは合計5万人の規模となる。

[コメント]この米軍の戦力とイラク軍の戦力を比較するなら、大人と子供というより、プロボクサーと子供の喧嘩といったほうが合っている。まさにアメリカの軍事力の凄さを見せ付けている。ちょうど第2次大戦で、瀕死状態の日本に原爆2発を投下して、世界にアメリカが開発した核兵器の凄さを見せたのと同じである。ブッシュ大統領にはフセイン政権を倒すという目的と、アメリカの軍事力の凄いさを世界に見せつけるという目的を強く感じる。
 この圧倒する強さがアメリカにテロを呼ぶし、対米テロを激化させることになる。この軍事力の強さは、同時にテロに対する弱さにもなってくるのだ。このお正月に時間がある人は、岩波文庫の「ローマ帝国衰亡史」を読むことをお勧めする。特に若い人にお勧めである。
北朝鮮制裁案 「万景峰号」入港停止 送金停止 立法化の動き (朝日 12月28日 朝刊) [要約]北朝鮮との日朝国交正常化交渉の膠着(こうちゃく)状態を打破するため、政府・与党のなかで「万景峰号」の入港停止と、日本からの送金停止を立法化する動きが出てきた。これは北朝鮮との新たな外交カードにするため、議員立法で対応するというもの。万景峰号は年間30〜40回ほど新潟港に入港しており、在日朝鮮人の訪朝や、物資輸送に使われている。また対日工作や現金の輸送にも使われているという指摘がある。送金停止は、昨年9月末に採択された国連安保理決議1373(テロリストに対する資金供与の防止)を根拠にして、現行法でも日本単独の停止ができる。しかし、ともに港湾法や外為法などの改正が必要になる。

[コメント]これは日本が北朝鮮に対して持っている伝家の宝刀である。日本がこれを抜くと北朝鮮が受ける損害は莫大なものになる。特に今のように北朝鮮が国際的に孤立し、経済が破滅状態であれば、死刑宣告にも等しいものになる。まあ、はっきりいって、太平洋戦争の開戦理由になった日本への石油供給停止と同じか、もっと厳しい対応策になる。北朝鮮もそこまで日本はやらないと見ているだろう。日本が本気でやるなら、自衛隊や米軍に厳戒態勢をとらせ、日本全土に臨戦体制をとる必要がある。有事法制の論議でガタガタするどころではない。
 やるなと言う訳ではないが、やるなら北朝鮮と戦争する覚悟でやれと言いたい。首相や防衛庁長官が、「わが国は北朝鮮と戦う準備はできている」と言えるか。また、そのようなことを国民が許すと思うのか。さらに自衛隊員に北朝鮮と戦えと命じることができるのか。政治家にはそれでもやるという覚悟があるのだろうか。
イラク軍演習 人口密集地で演習 (読売 12月27日 朝刊) [要約]イラク軍機関紙「アルカディシャ」は26日付けで、イラク軍が中部バビル州内の人口密集地帯で、敵軍を多方面から攻撃する軍事演習を実施したと報じた。(以上、27日 読売) また25日のCNN放送は、米軍の情報筋の話として、共和国防衛隊の装甲3個師団と、1個歩兵師団がバクダッド周辺に集中配備された報じた。また北部のクルド人の反乱に備え、歩兵2個師団2万人を配備した。米軍が進入路となる西方(クエート方向)には、2個特殊旅団の6千人を配備したという。イラク軍は今も、60の地対空ミサイル中隊を維持しているという。(以上、26日 読売夕刊)

[コメント]アメリカ軍の作戦としては、地方都市で市民を楯にして立てこもったイラク軍部隊は無視をする。都市に留まっていれば脅威にはならないからだ。しかし郊外や砂漠に出てきた部隊は、徹底した空爆や砲撃で壊滅させる。(RMAでこのような作戦が可能になった) すなわち都市に敵兵を閉じ込めるのがアメリカ軍の作戦である。あくまでバクダッド包囲を確立することが戦闘の第一目標なのである。市街戦は極力避ける。
 アメリカはフセイン色の濃い共和国防衛隊は壊滅させる気でいるが、普通のイラク軍はできるだけ存続させ、フセイン後に軍事的な空白が生まれないようにしている。
 初期の空爆を予測すれば、まず航空機の脅威になるイラク軍の地対空ミサイル部隊を壊滅させ、次にバクダッド周辺の共和国防衛隊の司令部などに精密爆撃(心理的なBー52などの絨毯爆撃を含む)を行なう。3段階目に、米軍進攻部隊の進攻ルートに合わせた戦術爆撃が行なわれる。この全期間が7〜10日間程度と予測している。空爆がひと通り終わって、いよいよ地上軍の進攻となる。
 空爆開始の1日前になると、バクダッドでテレビが見えなくなったり電話などの通信ができなくなる現象がおきる。米軍が電子妨害を始めるからである。 
「北」原子炉、燃料装填へ 1、2ヶ月で再稼動 (サンケイ 12月26日 朝刊) [要約]韓国の連合ニュースは、北朝鮮がこのまま寧辺地区で、補修や整備作業を行なえば、実験用原子炉(黒鉛減速炉 5000キロワット)は1、2ヶ月で再稼動する見通しと伝えた。(昨日、燃料棒を注入) この燃料棒はウランを金属管に入れたもので、使用済みの燃料棒を再処理しれば、原爆の材料のプルトニューム239が抽出できる。しかし原子炉の整備に1、2ヶ月かかり、稼動させて使用済み燃料棒を得るにはさらに1〜2年かかり、それで兵器級(高純度)のプルトニュームが6キロ抽出できる。これは原爆約1発分(5キロ)に相当する。さらに建設が中断している2号機(5万キロワット)や、泰川に原発(20万キロワット)が稼動すれば、年間50個の原爆製造が可能になる。またすでに封印してある使用済み燃料棒を使用すると、より早期に核爆弾の製造が可能である。CIAの推定では、北朝鮮はすでに兵器級のプルトニュームで原爆数個分を保有しているとみている。

[コメント]この記事は、非常にわかりやすい表現なので、原爆製造の工程がよく理解できない人にはお勧めである。CIAが推定しているプルトニュームというのは、1994年に米朝が核開発凍結で合意した時、KEDOの軽水炉完成まで封印しておくと約束した使用済み燃料棒8000本のことである。CIAはこの8000本以外に北朝鮮は精製したプルトニュームを隠し持っていると推定している。しかし確かな証拠はないし、だれも証言できるものはいない。この8000本を再処理に回せば、早い原爆製造が可能である。
 北朝鮮の動きを慎重に見ると、本気で刀を抜いたようには思えない。抜くぞ、抜くぞといっているが、よく見ると刀には覆い袋がかかっている。この件に関して、本日(26日)の「メールにお返事」で関連の解説をしましたので、関心のある方はどうぞ。
 核武装というのは、技術的に可能であっても、核兵器を持つことは政治的に極めて難しい。中国とアメリカの了解と後押しがなければ、北朝鮮の核武装は朝鮮半島の核武装化を再現するだけの話である。それだけは中国は避けたいことである。
 しかし中国といういう国はおもしろい。ポーカーフェースで何をやっているのか。台湾問題でアメリカに要求を突きつけ、見返りに北朝鮮の核開発凍結を約束させるのか。アメリカも台湾問題があるから、中国に対して安易に影響力行使をお願いできない。アメリカと中国の意地の張り合いという側面も注目する必要がある。
 本日から、子供の冬休み。またお昼ごはんを作る必要がある。本日は近くのラーメン屋(地元では有名)で昼食。子供がラーメン好きでよかった。
北朝鮮 対米姿勢、一層強める 国内引き締め? (朝日 12月25日 朝刊) [要約]北朝鮮が核開発凍結解除の動きをエスカレートさせている。24日には金正日総書記の朝鮮人民軍最高司令官就任11周年慶祝中央報告大会が開催され、金インチョル人民武力相は、「米国が核戦争の火を放てば、朝鮮の軍隊と人民は原爆より強い一心団結の力で米帝侵略者に断固かつ無慈悲な懲罰を加える」と述べた。

[コメント]この演説ですべてが解明した。北朝鮮はふたつの作戦を実施している。ひとつは核開発再開でアメリカを米朝交渉の場に引き出したいということ。(アメリカは無視) そして二つ目は、国内向けに危機感をあおって、体制の引き締めを行なっているということだ。北朝鮮の強硬姿勢を受けてラムズフェルド国防長官が、米国は二正面作戦が戦えるなどという必要はない。今、北朝鮮は極寒の冬を前に、燃料や食糧の絶対量が不足している。その深刻な飢餓は、今まで優遇されてきた平壌市民や軍隊にも広がっている。国民の不満をわきに向けるため、アメリカが核兵器を使って北朝鮮に攻めてくるとわめき立てているのだ。今のような北朝鮮をアメリカが攻めるわけがない。まして核兵器を使うなど被害妄想もはなはだしい。韓国軍、在韓米軍、在日米軍は、まったく北朝鮮に対応して動いていない。だまって注視しているいるだけである。明らかに北朝鮮の一人芝居だ。
 北朝鮮はよくこの手を使う。毎年、春になると全国に高度の警戒態勢を布告して、米・韓軍の侵略に備える体制を命じる。全国の部隊に命じて、いつでも非常事態に対応できる体制を敷く。しかしこの本当の理由は、春になって暖かくなり、昨年秋に収穫した米や穀物などの保存食糧を食べ尽くし、人々が食糧を求めて国内で移動を始めるので、大規模な食糧暴動が起きないように警戒しているのだ。だから春に植えた作物が採れはじめる夏になると、この非常警戒態勢は自然に解除される。
 それを今回は、今の時期に国内の引き締めを始めたことにる。再度言うが、北朝鮮が核武装することは中国が絶対に許さない。北朝鮮が韓国を攻める軍事力はない。今の北朝鮮の状況は、明らかに独裁体制の末期症状を示す症状なのである。
独 イラク攻撃 「参加」に軸足、国内は反戦色強く シュレーダー政権 正念場 (毎日 12月24日 朝刊) [要約]9月の総選挙で、「ドイツはイラク攻撃に兵も金もださない」と公約したシュレーダー首相が、連邦軍がもつ空中警戒機(AWACS)をNATO域内(トルコ)を条件に、攻撃に参加させることを容認した。またイラク攻撃の際に、米軍やNATO軍の領空通過や基地使用を認めることを明らかにしている。しかし連立政権を組む緑の党は、「領空通過を認めない」と決議した。また米国はイラク攻撃の際に、クエートに展開しているドイツ軍の生物・化学・核兵器に対応できる「フックス」特殊装甲車部隊52名の兵員投入を要請している。シェレーダー首相はこれを拒否したが、イスラエルには要請のあった2基のパトリオット・地対空ミサイルの供与を認めるなどチグハグな対応をしている。国内のイラク戦争反対論と、米国の同盟国としての役割で、シュレーダー首相は早くも正念場を迎えている。

[コメント]国内にきちんとした国防戦略がないまま、ムードで反米・反戦色をだすと矛盾を拡大するだけである。かつて日本でも、細川元首相がこの例である。初めて自民党が野党になり、その新首相になってアメリカに行き、米大統領にはっきりと「ノー」と言って潰された。アメリカの情報機関にとって、日本の政治家のスキャンダルなど山ほど握っている。アメリカに「ノー」というような首相は、簡単に葬り去られる運命にあることを証明した。そこで日本の政治家は、若い頃からアメリカ詣でをして関係を築き、政治家として大物になっても、アメリカに潰されないように最大の配慮をする。この成功例(?)が中曽根首相である。また失敗例に田中元首相がある。アメリカの了承を得ないまま、中国と国交回復した田中首相はアメリカの逆鱗に触れた。
 とにかく日本に必要なのは、大多数の国民に支持された「日本の国家戦略」である。アメリカや中国の顔色ばかりをうかがう国家戦略ではない。
北朝鮮 「核」の封印を撤去 監視カメラも妨害(各紙 12月23日 朝刊)  [要約]北朝鮮は94年の米朝合意で凍結された寧辺の核施設で、大半の封印を除去するとともに、監視カメラも覆いをして使えないようにした。これはIAEA(国際原子力機関)の自制要求を無視したもので、北朝鮮の核問題は重大な局面を迎えることになった。

[コメント]各新聞を読むと、北朝鮮が次に切る核カードは、IAEA要員の北朝鮮追放という見かたで一致している。さらに一致していることは、これは北朝鮮が核の問題で、危険な脅迫(チキン)ゲームを行なっていると見ている点である。支配体制の存続と援助を求めて、アメリカに核の恐怖を与え、その核開発中止に見返りを求める「脅迫」作戦であるという。前回(94年)はカーター元大統領を相手に成功したが、今回のブッシュ大統領では通用しないことに気がついていない。中国やロシアも、北朝鮮の対応に呆れているのではないか。まさしく末期症状であると言わざるを得ない。そこで日本の対応だが、アメリカは北朝鮮問題ですでにルビコン川を渡っていることを認識しなければいけない。だからその混乱をできるだけ和らげ、崩壊後は緊急に援助を行なう必要がある。具体的には、日本からの送金停止問題と、万景峰号の積荷検査の厳格化である。日本には北朝鮮の生命線になりはじめたこの2枚のカードがある。それを細くすることも、太くすることも日本に裁量権がある。
イラク復興支援 化学兵器破棄へ陸自派遣 政府新法検討 (読売 12月21日 朝刊) [要約]政府は米国がイラク攻撃に踏み切った場合、その戦後復興に陸上自衛隊の「大量破壊兵器の破棄支援」をする方針の検討を始めた。これはイラク派遣自衛隊の任務として、輸送や医療支援のほかに、化学兵器の焼却、中和、爆破、製造工場の解体を明記するもの。アメリカ政府は日本政府に、イラクの大量破壊兵器の保有を伝え、その破棄や処理についても非公式に支援を打診してきている。

[コメント]オウム教団の地下鉄サリン事件で、すでに陸自の化学部隊は実戦経験があると判断されての打診だと思う。イラクでのこの任務は、軍の化学部隊や民間の処理会社を問わず、かなりの数の破棄・処理要員が必要になる。イラク攻撃には批判的な露、仏、独などの部隊は、このイラク戦後復興に終結して、戦後の影響力を確保する考えのようだ。しかし忘れていけないことは、日本には北朝鮮の大量破壊兵器の破棄・処理が待っている点である。政府は新法を検討しているようだが、これが朝鮮半島に初めて自衛隊が派遣されるケースに結びつく可能性があることを忘れないで頂きたい。近い将来、日本が北朝鮮・復興支援法を検討する際、今回のイラク戦後復興支援法が参考にされるからである。隊員が携行する武器や派遣する化学装甲車など、現実を踏まえての論議を期待する。
米、対イラク、年明けに5万人増派も  (サンケイ 12月20日 朝刊) [要約]ロイター通信は18日、米政府当局者の話として、米軍を来年初頭に合計5万人をペルシャ湾地域に派遣する可能性があることを報じた。実現すれば、対イラク攻撃のための米軍兵力は11万人になる。ただしこの当局者は、「ブッシュ大統領は米軍増派の最終決断は下していない」と述べた。

[コメント]いままで、どのように計算しても、地上部隊の兵員数が圧倒的に不足していた。なぜ米軍は増派を行なわないか不思議でならなかった。この情報でやっと疑問が解消した。やはりアメリカは1月の開戦(空爆開始)を決定したようだ。地上部隊のイラク国内進撃は1月下旬から2月の初めで決定。この件に関しては、本日の「メールにお返事」のコーナーで、イラク攻撃の予想シナリオを書いています。参照してください。
韓国大統領選挙で与党・民主党のノ ムヒョン氏が当選。(各紙 12月20日 朝刊) [コメント]もしイ 野党のフエチャン候補が当選していれば、北朝鮮は四面楚歌になると思い緊張していたが、ノ氏の当選でひとまず北朝鮮側の危機感は下がったと思う。昨日、友人との忘年会から帰宅して、このニュースをテレビで見たが、なんだかホッとした感じがした。あのホッとは何だったのだろうか。韓国の人も同じような気持ちを感じていたのではないか。もしイ氏が当選すれば、朝鮮半島は一気に緊張が高まっていく。だから韓国の人はあのホッとを求めて、今回はノ氏に投票したのではないか。しかしこれで北朝鮮の存続が保障されたことではないのは確かである。
北朝鮮内部にも「不満の声」 経済改革徹底求める文書で言及 NGO入手 (毎日 12月19日 朝刊) [要約]北朝鮮当局が、今年7月からの市場経済転換政策を徹底するために、職場や学校の所属長に指導のために配布された文書を、日本のNGO「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」が入手した。これによると闇市(農民市場)で売られているものは、国家物質をかすめ取り、高く売っているものと分析し、偉大な将軍様(金正日)はそれを正しくするために市場経済転換政策を定めたと記している。また、新たな国家的処置を自分勝手に解釈し、良からぬ世論をかき立てる現象があるとして、体制批判が起きていることも明記している。この文書を10月末に北朝鮮から中国に持ち込んだ青年は、北朝鮮では体制批判を口にすることは当たり前になっているという。北朝鮮当局の統制はもうできなくなっているとも話している。

[コメント]・・・・・・・。私が予測しているより、緊急事態は早く起こるかもしれない。北海道方面の陸・海自衛隊は、山陰や北陸などの駐屯地に移動し、緊急事態の準備を整える必要がある。一次的には、北朝鮮方面の警戒体制と難民対策。2次的には北朝鮮へ食糧や医薬品の緊急援助だ。まさに緊急対応が必要になる。北朝鮮の民衆は敵ではない。圧制に苦しむ国民である。日本の援助を必要とする人たちである。
露軍幹部が「北の核脅威論」を批判 (読売 12月18日 朝刊) [要約]中国を訪問中のユーリー・バルエフスキー・ロシア軍参謀長第一代理(大将)は17日、米国が北朝鮮の核開発計画の脅威を指摘していることに対して、「根拠が薄弱で作り話が多い」と強く批判した。バルエフスキー大将は北の核脅威論には、MD網の構築を正当化する狙いがあると指摘した。(タス通信)

[コメント]伝統的にアメリカは、意図的に脅威を煽って莫大な軍事予算を獲得する国である。私も最近の北朝鮮・核兵器脅威論は度が過ぎていると思う。とくにラムズフェルド国防長官の発言がひどい。北朝鮮はすでに核兵器を持っているというが、その根拠は何も示すことができない。あくまで想像で語っているだけだ。原料、精製、電力施設、加工、起爆装置、技術者など、確たる証拠を1点でも示してほしい。ノドンも同じである。韓国軍部や米国防省は、北朝鮮が日本向けに100基のノドン・ミサイルを配備しているというが、何の証拠も見せていない。北朝鮮に核兵器を使って、どこかの国を攻撃する必要はない。またノドン100基程度で日本に脅威を与えることはできない。とにかく米・韓は日本を意図的に踊らせたいようである。パウエル国務長官とアミテージ国務副長官の発言は信用できる。ただし軍事常識の範囲内の話である。そこに政治や外交が絡むと、オーバーアクションや駆け引きが出て、足したり引いたりして見る必要はある。
 石破防衛庁長官が一人で踊りださないか不安である。
北朝鮮に強く警告へ 「大量破壊兵器使用は重大な結果を招く」 日米安保委 (サンケイ 12月17日 朝刊) [要約]ワシントンで開かれている日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、委員会終了後に発表する共同声明には、今月初めに行なわれた米韓国防首脳会談時と同様に、北朝鮮に「大量破壊兵器の使用は極めて重大な結果を招く」と、強い表現でメッセージを送ることになった。また日米で共同開発のMD(ミサイル防衛)では、「調査・研究」段階から「開発」段階に早期移行を目指すことが共同声明で確認される模様。政府内には慎重論も多いが、防衛庁は来年夏にも開発段階への移行を目指したい考え。

[コメント]先日、イラクに対してアメリカは、「もし生物・化学兵器などの大量破壊兵器を使用すれば、核兵器を含むあらゆる兵器を使って、重大な報復を与える」と警告を行なったばかりである。こんどは北朝鮮に対して同じ警告を行なうことになった。今までに何度も言っているが、これが大量破壊兵器使用への抑止効果を狙った警告である。だから大量破壊兵器は核兵器を含めて、報復力を持った強い敵には使えない兵器なのである。自分より弱い敵か、報復力を持たない敵にしか使用できなかった。しかしこの常識が、昨年の9・11同時多発テロで通用しなくなった。すなわちテロリストに大量破壊兵器が渡れば、この抑止論が効力を持たなくなったのである。だからテロリストと結びつき易い、イラクと北朝鮮の体制を滅亡させるのである。確かに今までは、イラクと北朝鮮に抑止効果が効いていた。しかし効果が効かないテロリストに渡ることを警戒している。だからイラクと北朝鮮が、「昔は何も言っていなかったじゃないか。どうして今頃になってアメリカはカリカリするんだ」と言ってももう遅い。
 それからMDだが、「開発」段階は来年の夏ということが面白い。防衛庁の中に、何人の者が来年の夏まで、北朝鮮が存続していると思っているのか。日本のMDは上昇中の弾道ミサイルを、イージス艦で撃墜するシステムを担当している。あくまで半島という北朝鮮の弾道ミサイルを脅威に想定している。中国やロシアの内陸部から発射される弾道ミサイルは、イージス艦から発射する迎撃ミサイルでは射程が不足して迎撃できない。あくまで北朝鮮が存続してくれて、MDの日米共同開発なのである。その北朝鮮が来年の夏まで存続してくれるか。していないね。すなわち日米のMD共同開発は、北朝鮮の崩壊でお開き(中止)になる。
 確かなことは、007のジェームス・ボンドが北朝鮮を崩壊させてくれないことである。北朝鮮は戦火を交えなくとも自壊する。
風 ソウルから 鴨緑江を渡る冷たい風 韓国の中朝関係を精通する専門家の見方 (朝日 12月16日 朝刊)  [要約]八方塞りの北朝鮮が、最後の支援を求める国は中国である。その中朝関係に注目が集まっている。ソウルに住む中朝関係の専門家は、「近々に金正日の訪中はない。中国は指導部交代の途中、来春の全国大会で首相や主要閣僚が交代してからです」と分析する。また最近の中国と北朝鮮の関係は冷え込んでいるという。まず、11月のASEANで朱首相が北朝鮮の核開発の断念を求めた。つい最近は、訪中したプーチン大統領が江沢民主席と、共同声明で同様な趣旨の核開発断念の発言をした。これで金正日はショックを受けたと想像する。さらに新しく新議州特別行政区の長官に任命された中国系オランダ人の楊氏を中国当局は逮捕した。これらのことから中国と北朝鮮の関係は冷えていると分析する。

[コメント]私もまったく同感であるし、ほとんど同じ内容の原稿を書いたばかりである。まさにこの3点は、最近の中朝関係を明確に示している。だから強硬な態度を見せる北朝鮮の核再開発も、現実に動かすのは無理だと思っている。なにより中国とロシアが許さないからだ。私はロシアはすでに北朝鮮崩壊に向けて動きだした思う。(この解説は後日) さらに中国も北朝鮮の存在が、中国東北部(旧満州地帯)の開発に邪魔となれば、北朝鮮への対応を変える可能性が高い。とにかく今は、韓国の大統領選の結果待ちである。韓国はこの時期の大統領選挙でよかった。韓国民の民意が問えるからだ。金正日もハラハラ・ドキドキしながら見守っているだろう。なにしろ彼には韓国の大統領選は、自分の生死がかかっているからだ。
検証 イージス艦派遣 「押し切る理屈づけが必要」 「居住性」を名分に公明党が飛びついた (読売 12月15日 朝刊) [要約]10月4日、米国から帰国した額賀自民党幹事長代理(元防衛長官)は小泉首相を訪ね、イージス艦の派遣を「首相、政府の判断でできます」と伝えた。これに対し、小泉首相は、「おれの判断で出来るのか」と聞き返したという。「出来ます」。米英軍のイラク攻撃で手薄になったインド洋に、テロ特措法に基いてイージス艦を派遣するという案である。公明党幹部には防衛庁の幹部がイージス艦の説明を、高性能ではなく居住性がいいと説明すると、公明党幹部は「それだよ。それをどうして早くいわないんだ」と答えたという。そこで公明党の了解を受ける前に、政府が決定して公表することになった。そのほうが公明党が対応しやすという判断からである。また派遣に反対の野中元自民党幹事長には、あらかじめ政府決定のこの方針を伝えたという。その結果、野中氏も反対論を展開することはなかった。最後になって、アミテージ国務副長官が12月8日に来日することが決まった。そこでアメリカの圧力で派遣したというイメージをなくすために、アミテージ訪日前にイージス艦の派遣を公表することになった。

[コメント]この記事でもっとも重要なことが欠けている。それは額賀元防衛庁長官が訪米し、だれに会って、何を話したかということである。失礼だと思うが、額賀氏にはこのような知恵がないことは確かである。また確かに石破防衛庁長官は、イージス艦の居住性を活用することを発言していたが、だれがそのような発言をさせるように仕向けていたかということだ。もし護衛艦の居住性を高めるだけなら、最新の護衛艦でさえあれば、ないもイージス艦である必要はないという議論になる。それは簡単に論破される論理だった。まさに与・野党が混乱と弱体だから出来た発言だった。それこそ石破長官の短所(知ったかぶり)を活用したことになる。
 3度の派遣見送りで、イージス艦派遣が集団的自衛権行使の象徴になっていた。このシナリオを書いた者は、それを正面から突破せず、裏門から入ってきて本丸を落城させた。それでもまだ与・野党の中には、本丸(集団的自衛権行使の禁止)が落城したことさえ気がついていないものが大部分だろう。
 これまで海上自衛隊は、米艦艇と共同して行動することだけを考え、そのための兵器や訓練しか与えられなかった。その米艦艇が冷戦終結後に日本周辺から激減し、中東方面に行ってしまったために、無用の艦隊になりつつあった。北朝鮮が崩壊すればますます海上自衛隊は窮地になる。適度な敵がいないのに、強力な戦力は周辺諸国を圧迫するからだ。
 次の壁は専守防衛の束縛である。現在のところ海上自衛隊は日本周辺でしか作戦行動できない。せいぜいフィリピン近海までの約1000マイルまでの範囲である。アメリカと小泉政府はこの専守防衛の壁をどのように崩すか。すでにテロ特措法で小さな穴は開いている。
 日本に確かな国家戦略がないから、海上自衛隊は再び米軍に吸い戻されていく。超党派で議論する「日本戦略会議」の創設を提案する。まあ、そんあことを言っても、偉そうに講師役で集まってくる連中は、今の日本を作り出した者(政治家や省庁の官僚)の子分みたいなやつばかりだろう。期待するほうが無駄か。
北朝鮮 「核」再開を宣言 重油凍結に反発 (各紙 12月13日 朝刊)  [要約]北朝鮮の外務省スポークスマンは、12日に談話を発表して、1994年に合意された「核関連施設の凍結解除」を宣言した。さらに、「電力生産に必要な核施設の稼動、建設を即時再開する」と表明した。これはアメリカが米朝枠組み合意の、重油供給を中断したことへの対抗処置である。ただし、「わが国が核施設を再び凍結する問題は、全面的に米国にかかっている」として、米国との交渉を望む立場も強調した。

[コメント]イエメン沖で擬装したミサイル運搬船が臨検され、貨物船に乗り込んだアメリカ軍の特殊部隊にスカッド・ミサイルを発見され、北朝鮮はなんらかの対抗処置をとる必要に迫られていた。しかしもはや北朝鮮には、アメリカに切れるカードがないのである。そこで倉庫の隅で腐りかけていた核カードで、「核関連施設の再開カード」を無理やり切ったというところだ。そんな切羽詰った事情をアメリカは見抜いている。切った核カードが使えないカードであることも。
 北朝鮮の核施設再開はない。まず中国が許さない。ロシアも反対である。北朝鮮が核武装しなくても、核武装できる能力を高めることさえ許さないからだ。
 北朝鮮は、日本に武装工作船で覚醒剤を密輸することも出来なくなった。また拉致問題で、日本から100億ドル頂くという経済援助(戦後補償)の糸も切れた。KEDOで合意された軽水炉建設と重油(年間50万トン)供与も打ち切られた。昨日は、中東方面のミサイル輸出で外貨を稼ぐ糸も切れた。北朝鮮の生命線がどんどんと切られていく。
 いつも言うが、北朝鮮の殺生与奪権を握っているのは中国である。アメリカではない。北朝鮮の最大援助国は中国なのである。その中国の動き(対応)が重要性を増してくる。。
 一連の北朝鮮が見せる対応は、韓国の大統領選で太陽政策に批判的で、劣勢を伝えられるハンナラ党の李候補を有利に作用する。次は注目点は韓国の大統領選である。もし李候補が当選すれば、北朝鮮は韓国という糸も切れたことになる。(窮鼠ネコを噛む。北朝鮮の軍事力が壊滅状態であることは知っているか、ちょっと怖い)
 アメリカのイラク戦争が短期間で終了すれば、北朝鮮の激変(限界点到達)は予想外に早いような気がする。こんどの年末・年始は仕事で決まり。
北朝鮮のスカッドミサイル、イエメン政府に引渡し認める (NHK 12月12日 朝のニュース) [要約]イエメン沖で北朝鮮の貨物船を臨検し、船内で発見したスカッド・ミサイル15基の本体、通常弾頭、燃料を、アメリカ政府はイエメン政府に引き渡すことを認めた。これはイエメンと北朝鮮との間に、ミサイル取引を禁止する法律や条約がないからである。引渡しの際にアメリカはイエメン政府に対して、他国に売らないように確約を求めたものと思われる。

[コメント]なんだか「おとり捜査」臭くなってきた。CIAがイエメン政府を使って、北朝鮮からスカッド・ミサイルを購入させ、その擬装した北朝鮮のミサイル運搬船を押さえるという仕掛けである。昨日は、北朝鮮が米朝交渉でミサイル・輸出カードを切るために、臨検を承知でイエメンに向かわせた可能性があると思っていた。が、どうやらそうではなさそうである。
 イエメンにスカッドミサイルが必要でないことは確かだが、それを今のように米軍の監視が厳しい中で、どこかの国がイエメンから購入して運び込むことができるだろうか。今のイエメン国内には、アルカイダ探しのCIAがウジャウジャいる。イエメン政府の中にも、情報をCIAに売りたいものは山ほどいる。やはり「おとり捜査」臭いがプンプンする。この15基のスカッドミサイルは、イエメンからアメリカの送られ、材料や加工技術などの分析が行なわれる可能性が高い。
 しかし明らかになったことは、アメリカが北朝鮮に対して、さらに厳しい対応に出ることは確かである。また北朝鮮が大量破壊兵器をばらまく危険な国という国際的なイメージが高まった。
 今回のミサイル輸出を露見させたことは、戦争に頼らないで、北朝鮮を潰すアメリカの作戦が本格化してきたと考えていい。
 それからアメリカが北朝鮮と戦争をしないのは、味方(米・韓)の犠牲が多いと予測されるからではない。北朝鮮と中国の間には、軍事同盟の相互防衛条約がある。これがあるからアメリカが北朝鮮に対し、イラクのように攻め込めないのである。(これに関連する質問が、「メールにお返事」のコーナーで書いています)
 ところで、昨日、テレビ局の人が自宅にきて、今年4月25日に行なわれえた北朝鮮軍のパレードのビデオを見せてくれた。前から見たかったものだった。やはり戦車や装甲車、自走砲などの車両部隊は登場しなかった。航空機も小型ヘリが一列で飛んだだけだった。それも間隔が不ぞろいで、見ていても操縦未熟さを感じた。北朝鮮軍が徒歩部隊だけでパレードをする。そんな時代が来ているのだ。(パレードのビデオはダビングしてもらえそうなので、手に入ったら鑑賞会でもしますか)
イエメン沖で北朝鮮貨物船を臨検 スッカドミサイル12基を発見 (NHK 12月11日 お昼のニュース)  [要約]イエメン沖で北朝鮮の貨物船がスペイン海軍の艦船によって臨検され、積荷(セメント)の中にスカッドミサイル12基分の部品と燃料が見つかった。この貨物船は北朝鮮の南浦港からアメリカの偵察衛星が追跡しており、これで北朝鮮が弾道ミサイルを輸出していることが明らかになった。

[コメント]なんという醜態(ドジ)なのだろうか。北朝鮮は致命的な現場を押さえられてしまった。イエメンの闇武器市場なら、スッカドC本体(移動式発射機を除く)が一基で400万ドルほどで売れる。この12基でぼろ儲けを企んだつもりが、国際的に北朝鮮は危険な国というイメージをさらに高めてしまった。それにしても不可解なのは、今月2日付けのニューヨーク・タイム紙が、11月中旬に北朝鮮の貨物船がミサイルを積んでイエメンに向かったと報じている。それを承知で航行させたのだろうか。アメリカとの交渉でミサイルのカードを使うために、拿捕を覚悟して航行させたのか。それとももはや形振りかまっていられなくなったか。次は中国政府のコメントに注目したい。
日本政府、米側に説明 対イラク 多国籍部隊を側面支援 「3段階」骨格に (毎日 12月10日 朝刊)  [要約]日本政府は米国のイラク攻撃で、@戦争前のインド洋での間接支援、A戦争中の難民支援、B戦争後の復興支援の3段階でアメリカを支援することを決め、来日中のアミテージ国務省副長官に説明をすることとした。その中には、戦争中にペルシャ湾を航行している日本のタンカーを護衛するために、自衛隊法82条に基いて護衛艦を派遣することや、イラクや周辺国にいる邦人を脱出するために、輸送機の派遣を検討することも含まれている。

[コメント]こんどのイージス艦派遣は、本格活動の前哨戦でしかないことがわかった。海上自衛隊は中東の戦域に出動するチャンスを狙っていることを表明した。2年前に能登半島沖で発生した不審船事件で、政府(小渕首相)は初めて自衛隊の軍事力行使という刀を抜いた。その根拠は海上警備行動である自衛隊法第82条(警備行動)の行使であった。それがこんどは戦争中のペルシャ湾に、護衛艦を派遣することを検討することになる。これは日本の海洋戦略の大転換といっても差し支えない。
 しかしこの大転換には、ロシアや北朝鮮という敵役を失った海上自衛隊という事情以外に、別の側面もある。それは、もはや政府は与党からも道路問題で孤立し、政府法案(道路4公団の民営化案)を通さないとまで言われるようになった。そこで政府はアメリカへの軍事協力を高めることで、アメリカ政府の応援を得て、与党の一部を押さえるように画策しているのではないかという点である。これは日本の安全保障問題というより、国内政治のためにアメリカの圧力(支援)に期待する意図が感じらる。それも野党がガタガタで政策チェック能力を失っているこの機会を利用して、日本の国防戦略を一気に転換する行動にでたような気がする。
 これから日本の政治状況は、安全保障問題を軸に、一気に大変動を始めだすだろう。日本の経済回復に効果的な政策が打ち出せないので、安全保障問題で硬直化した現状を打破する衝撃を生み出そうとしている。だれがこのシナリオを書いているのか。アミテージ氏さえも脇役で活用するシナリオ作家である。私には日本人ではないように感じる。
佐世保 米揚陸艦が出港準備 (朝日 12月8日 朝刊) [要約]佐世保を母港とする米海軍の強襲揚陸艦エセックスとドッグ型揚陸艦ハ―パーズ・フェリーが出港準備していることがわかった。乗員らの話しでは、「行く先は中東」という。この艦には沖縄の海兵隊500人が乗船して、ペルシャ湾に向かうことになっている。エセックスは沖縄の第31海兵遠征部隊(31MEU)と連携している。今回のイラク情勢で、日本から米軍の主要艦艇が出撃するのは初めて。

[コメント]北朝鮮情勢の急変に備えて、強襲揚陸艦エセックスと31MEUは、今回のイラク攻撃に参加しないと思っていた。しかし米軍の中央軍司令部は、イラク攻撃で意外と手持ちの駒の少なさが気になって、急いでエセックスの急派を決めたのではないか。これから佐世保を出港しても、ペルシャ湾到着はクリスマス前後になる。また乗船する海兵隊500人(通常は2200人)という人数も少ない。また現地の気候や地形に慣れる時間もないことから、今回の31MEUの任務は、後方の警戒任務が与えられるのではないか。98年の「砂漠のキツネ作戦」では、31MEUは在クエート米大使館員の救出を行なった。今回は不安定な北朝鮮情勢がある。在日米軍の主力は、イラクに動かせないのが実情だろう。
 (ここからは冗談半分です) 日本がイラク攻撃の間接支援にイージス艦を出すと決めたので、仕方なくエセックスを出してしまうことになったのでは。「本当は緊迫する北朝鮮情勢に対応したいのに、日本が急にイージス艦をだすと言い出したのに、在日米軍から主要艦艇が1隻もでていないなんてまずいよ。しかし日本のやることは、いつもタイミングがずれている。もっと世界を良く見て判断してくれよ」というわけである。(以上は、半分だけ冗談でした)
イラクきょう査察団に申告書 米すでに「虚偽」想定 (読売 12月7日 朝刊) [要約]イラク政府は大量破壊兵器開発に関する申告書を国連に提出する。しかしアメリカはイラクの申告が「不完全で不正確だ」と虚偽申告を見越している。これに対してイラクは、国連の査察団に協力する姿勢を示すことで、国際世論の沈静化を図りたい考えだ。国連査察団はイラクの申告が虚偽というなら、アメリカが証拠を見せる番という姿勢である。アメリカはイラク攻撃の体制をさらに強化しており、申告書をめぐる動きが当面の焦点となる。

[コメント]私はアメリカのイラク攻撃を3段階として考えている。まず申告前に行なう事前調査でイラクに協力的な態度を迫る。(これが外堀) 次に申告書に基く査察で宮殿などの聖域を暴く。(これが内掘) 3段階目に、アメリカが独自に持っている情報で、申告書が不誠実であることを査察で明らかにする。(これが本丸) そして国連の安保理でイラクに対して武力査察の決定と、大量破壊兵器の破棄を命じるのである。(総仕上げ) これがこれから1ヶ月の間にイラクで起こると分析している。アメリカはここまで国際世論を有利に引っ張ってきたので、国連安保理の決議なしに単独で武力攻撃はしないと思う。それ対テロ戦争の観点からも、国際世論の支持という状況は無視できないからだ。さあ、これからアメリカはどう動くか。開戦はクリスマス商戦が終わってからである。
体験記 どこまで「創作」か 記者は考える 「北朝鮮という悪魔」(光文社刊) (朝日 12月6日 朝刊) [要約]朝日新聞の田岡記者の記事である。北朝鮮の元工作員と称する人が書いた「北朝鮮の悪魔」という本に、軍事常識では考えられない記述があった。そこで本人に訊ねると、「経歴も身元を隠すために変えてあり、内容も小説のつもりで書いた(創作した)」と話したそうだ。しかし事実と違うことを体験談として書き、出版すれば、読者はどこが事実で、どこまでが創作か迷うことになるとしている。

[コメント]またお化け本がでた。この本を読んだ時は、私も変な本だと感じた。国会で著者の証言を自民党が拒否したときも、それが当然だろうと思っていた。感情的な部分ではうまく書いているが、事実の部分の信憑性がないのである。民社党が本人を呼んで話を聞いたときも、ニュースの画像を見て不安な気持ちがした。この本を読んだ後の感想は、「これは参考資料に使えない」という気持ちだったのを覚えている。
 軍事や政治がからむと、意外とこの手の本は多い。資料や情報が不足すると、勝手な想像で膨らませるからである。そのような著者の中には、意図的に創作を事実(取材)のように書くものもいる。そして究極でいくつく先は、UFOや超常現象にたどりつく。
 でも初めから創作というなら許される。昔、「沈黙の艦隊」というコミックがあった。大人気で何度もマスコミから感想を求められた。「軍事専門的にみて、この漫画をどう思うか」という質問である。明らかに、「この漫画は軍事専門的に見てもよく出来ている」というコメントを期待しているのだ。しかし潜水艦はどこに潜んでいるかわからないから怖いのである。発見、捕捉されれば、これを攻撃するのは簡単である。とても、「専門的に見て、よく出来ている」とはいえない。しかし事実を描いた漫画ではない。「専門的では言えないが、漫画として面白いですね」と話した。
 流れてきた桃を持ち帰り、家で切ったら男の子が出てきた。(桃太郎)。光っている竹を切ったら、女の子が出てきた。(かぐや姫)。創作であっても、むろん名作は多い。
 読んで困るのは、創作を事実のように装われることである。この前テレビで、北京大学の国際関係論の大学院に留学中の日本人女性にインタビューしているのを見た。「なぜ、国際関係論を勉強する気になったのか」という質問に、「0000さんの本を読んで国際政治に興味を持ちました」と答えていた。0000さんとは、想像したことを事実のように書くことで有名な人である。彼が取材と称して、中東のある国を訪問した際、現地語の通訳として全行程に同行した人を知っている。その人は0000さんが書いた本を読んで驚いたそうだ。「うそ800」だったからだ。しかし、その本は日本でベストセラーになった。
イージス艦 今月中旬に派遣決定 インド洋に (各紙 12月5日 朝刊) [要約]政府はテロ対策特別措置法に基いて、インド洋にイージス艦を派遣することを決めた。これを8日に来日するアーミテージ国務副長官に伝える。今回の派遣を、政府は集団的自衛権の行使にはあたらないと判断(解釈)したという。石破防衛庁長官は、「一般的な情報の交換は、集団自衛権の行使にはあたらない」と述べた。公明党は、「反対だが、派遣断念を首相に迫ることはない」という態度を明らかにした。これに対し、アーミテージ氏は、「日本政府にイージス艦の派遣を深く感謝する」と語った。

[コメント]ついにイージス艦が戦闘海域に出撃することになった。いつもこのようなやり方で、集団的自衛権が崩されてきた。自衛隊はもともと朝鮮戦争に出動した米軍基地を守るために創設された。海上自衛隊は日本周辺で米機動部隊を護衛するために整備された。そんな歴史を考えると、アメリカ海軍がインド洋やペルシャ湾に主力を移したので、その後を追っていくのは海上自衛隊の宿命なのだろうか。しかし危うい。仮にアフガンを逃れたアルカイダ兵士が、東アフリカや東南アジアでテロ事件を起こし、アメリカがその軍事制圧のために作戦を実施すると、日本の海上自衛隊がその後方支援を行なうことになる。アフリカ沖で自衛艦が米艦とともに作戦行動をする。それさえも現実になりそうだ。
 昨日、PKO活動で自衛隊が派遣されている東チモールで暴動が起きた。これを受けて、防衛庁と海上自衛隊がどのような対応を協議し、何を決めたか知りたい。それに「イージス艦が収集した一般的な情報と、特別な情報とはどのように違うか」を知りたい。もうやめようよ。いい加減な解釈や論法。ドンドン自衛隊が弱体化していくような気がする。
公明党 イージス艦の派遣に反対。(NHKニュース 12月4日 朝7時のニュース) [要約]自衛隊のイージス艦をインド洋に派遣することで、一度は容認すると見られていた公明党が、従来通り反対する立場を決めた。これは派遣の必要性が認められないことと、朝鮮半島情勢の変化に備えるために日本周辺に置くためという。本日(12/4)の朝日によれば、派遣反対の理由に、集団的自衛権に違反することも考慮されたという。

[コメント]連立与党である公明党の正式反対では、政府もイージス艦を派遣することは難しいだろう。海自も28年前建造の老朽艦をインド洋に送るより、冷房の効いた最新式の護衛艦(イージス艦ではなく)を派遣すれば、乗員の快適さが向上することに気がつかないのだろうか。これに関連する「質問」がメールで届いた。メールのよれば、「朝鮮半島が統一され、その国が中国寄りになればイージス艦は日本の防衛に必要になる」という意見である。本日の「メールにお返事」のコーナーで答えました。(参照してください)。このように、朝鮮半島を仮想敵にすると日本にイージス艦が必要になる。逆に言えば、日本がイージス艦を持つことは、朝鮮半島の軍事力を相殺することになる。また朝鮮半島が日本の脅威を理由に、巨大な軍事力を構築できるのである。
 いつもいうが、朝鮮やイタリアのような半島国家は、大陸の力(グランド・パワー)と、海洋国家の力(シー・パワー)の押し合う場所になる。どうすれば、朝鮮半島を安定した地域(国)になってもらえるか。まさに日本の安全にとって最重要な問題なのである。皆さんもこの問題をよく考えてください。
イージス艦 月内派遣に環境整備 政府が具体的な検討を開始 (読売 12月3日 朝刊) [要約]政府は対テロ掃討作戦の新たな支援策として、海自イージス艦の月内派遣を行なうための環境整備に着手した。これは米軍のイラク攻撃でインド洋の警戒が薄くなるため、自衛官の安全のためにイージス艦派遣の必要が高まったことと、米軍のイラク攻撃には支援が困難なので、側面支援を強める姿勢をアメリカに見せるためである。集団的自衛権に関しては、「そうゆう風に考える人は減っている」(福田官房長官)という。公明党もイージス艦派遣を認める姿勢に変化している。自民党の野中元幹事長たちも政府決定なら、これを覆すことはできないと政府側は見ているようだ。福田官房長官は6日前後に横須賀でイージス艦を視察する予定。

[コメント]12月1日(日)の読売・朝刊で、”1面トップに「イージス艦 月内にも派遣」 政府 米に伝達へ” という記事が出ていたが、他紙がその後、何も書かないので気になっていた。すると昨日の毎日・夕刊に同様の記事が載った。さらに本日は、各紙が一斉に報じたので、どうやら政府は本気でイージス艦を出すことを決めたようだ。朝日には防衛庁側が公明党や創価学会に、現在派遣中の護衛艦「ひえい」は建造後28年たち、冷房が弱くて艦内の温度が30度を下がらず、イージス艦の強い冷房が自衛官の「快適さ」を与えるという論法をしたと書いている。
 しかし本当の理由は、日本がイージス艦を配備していても、日本周辺では使い道がないことと、朝鮮半島が安定化(北朝鮮の崩壊)すれば、日本のイージス艦は東アジアの軍事バランスを不安定にさせることに、海上自衛隊や政府は恐れているのである。むしろ海自のリストラ対策と考えていい話なのである。そのうちP3Cも同じように派遣される運命にあるので、関係者は心の準備をしておいたほうがいい。しかし冷房が効くからイージス艦とは情けない。(今の時代は、こうゆうことを考えだすような者が出世する) 政治家や自衛官はどうして堂々と、日本の非軍事貢献を強調しなのか。自衛隊だって、こそこそ出かけて行くより、国民に励まされ、堂々と派遣されるほうが嬉しいに決まっている。たとえ非軍事的貢献といっても、自衛隊が海外で治安回復や復興支援で活躍する場所はいくらでもある。日本に国家戦略がないから、そのときのご都合主義で簡単に変化する。ああ情けない。クーラーがよく効くからイージス艦の派遣か。インド洋派遣司令官は規定時間外に酒を飲んで、解任された。情けないよ。
回復しました。いろいろご心配をおかけしました。(12月3日) [コメント]1週間にわたり更新がストップしましたが、昨日、やっと回復することができました。私がこのホームページに救援を求めるメモを30日(土)に出したところ、すぐに(約1時間後)にUさんといういう方から最初のメールを頂きました。それは下記のメールです。

神浦 さん

 はじめまして!日頃、神浦さんの分析を楽しく読ませていただいている00と申します。当方、仕事でもウェブサイトの制作を行っていますので、多少のお役に立てるかもしれません。いつもためになる記事を読ませていただいている恩返しが出来るのもこんな時だけかもしれません・・(笑)もちろん無料ですので症状など教えていただければ調査させていただきます。

 もう解決していれば幸いなのですが、もしお困りならご一報下さい。
(以上)

 そこでさっそく自宅の電話を書いて、返事のメールを出しました。すると翌日(日曜日)に電話がかかってきて、昨日(2日の月曜日)に自宅にきて頂くことになりました。

 そして昨日、3時ころに来てくださり、さっそく修理していただきました。約3時間にわたって、点検と修理をして、パソコンの故障が手品でも見ているように解決しました。

 Uさんの話しでは、ウイルス対策のソフトと、日本語変換ソフトがぶつかって、OSが壊れていたそうです。私はOSを入れ直すことを考えていましたが、それをやれば過去のデータが消えていたそうです。いや、助かりました。Uさんには本当に感謝しています。

 聞けば、Uさんは都内に3ヶ所(代々木、渋谷、それに中野に自宅兼事務所を含む)と、横浜に関連のデザイン事務所を経営している社長さんです。それも年齢は25歳(独身男性)。凄い人とめぐり合ったことになりました。ただ、最初に修理のメールを頂いた方というだけの縁なのです。(いるんですね、日本にもこうゆう方が)

 また実に多くの方から、応援のメールが届きました。この3日間で、なんと48通もの故障・応援メールです。中には、沖縄や四国や大阪に住んでいる方から、行けないけどと、いろいろなアドバイスがありました。ほんとうにありがとうございました。感謝、感激でした。胸と目が熱くなったのは事実です。

 Uさんと修理している合間に雑談したのですが、私が、「イスラエルの旅客機にSA−7携帯SAM(肩うち式の対空ミサイル)が命中しなかったので、旅客機に新兵器を搭載しているようなことを書いた新聞があったけど、そんなものはないから早くホームページで指摘したい。当たらなかったのはミサイルが旧式だったことと、運がよかっただけだよ」と話すと、「私もあの新聞記事がおかしいと思ってホームページを見たら、故障だと書いてあったので、すぐにメールを送ったのです」と聞いて大笑いしてしまいました。Uさんは子供の頃から軍用機が好きで、基地などの航空際にはいつも出かけていたそうです。でも最近は、このホームページで国際政治や戦争の背景などを知るのが面白くなったそうです。

 特にUさんの好きなのは、「軍事常識のABC」のコーナーだそうです。そこでUさんの応援に感謝する意味を込めて、これから「軍事常識のABC」を強化することにしました。皆さんが読むと、はっと真実に気がついて、凄くおもしろく、何だか偉くなったような気持ちにさせる、そんな爽快な軍事知識のABCを掲載します。
 
 それにしても、またUさんとの新しい出会いがありました。今年だけでも東京、沖縄、ロサンゼルスのオフ会でも、多くの人と新しい出会いがありました。最近、このホームページは「まだまだ成長するぞ」という実感を、ひしひしと感じています。Uさん、ありがとう。それから応援やアドバイスのメールを頂いた方、ありがとうございました。さあ、これから私もがんばります。