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カンダハル 米空爆 幹線道路狙う (サンケイ 11月30日 朝刊) [要約]カンダハルのタリバン筋の情報によると、米軍の空爆はカンダハルとパキスタン国境のチャマンを結ぶ幹線道路で行われ、事実上、この道路での交通が不可能になっている。またカンダハル州内の小村から、カンダハル市に移動するタリバン兵士が目立っている。

[コメント]米軍がカンダハルへの交通を断ち、空地・包囲網を固めていくと、タリバン勢力はカンダハル市街に集まるしかない。しかし前にも書いたが、米軍はカンダハル市で市街戦は行わないだろう。狙撃や地雷などで、あまりにも犠牲が多くなるからである。都市への戦略爆撃や市街戦のような消耗戦は、すでに過去の戦闘形態である。まずは都市部の包囲を固めて敵を孤立(周囲と遮断)させる。無人偵察機や特殊部隊の投入で敵の中枢を探る。次に敵の指令機能を空爆や砲撃で麻痺させる。これで敵を段々と追い詰めていく。そこでパシュトゥン人勢力による降伏交渉である。あくまで米軍は接近戦を避ける。これがアフガン型(カンダハル・タイプ)RMA(軍事革命)の実験である。敵の「指揮・命令機能を麻痺」させるという言葉に注目。敵の消耗や殲滅ではない。写真はカンダハル近郊の飛行場に到着した米海兵隊員。当面の武器、弾薬、医薬品、野営具、食糧、雨具、防寒具などを背負っている。
米海兵隊 岩国基地 大型ヘリCH−53D 8機を配備 (朝日 11月30日 朝刊) [要約]在日米軍は日本政府に、ハワイ海兵隊基地所属の大型輸送ヘリCH−53Dを岩国基地に配備することを伝えた。配備時期は特定していない。CH−53Dは最大6トンの荷物をつり上げたり、55人の兵員を空輸できる。

[コメント]岩国基地は朝鮮半島への最前線・海兵隊航空基地である。そこにハワイから大型ヘリの移駐である。これが朝鮮半島の緊張に連動していないといったらウソになる。ただしこれから始まる新たな緊張に対応である。岩国基地では滑走路の沖合い移転工事と、拡張工事が行われている。それが完成すれば、普天間(沖縄)の海兵隊・航空部隊の移駐も可能である。今、私が最も注目している在日米軍は岩国基地の航空部隊である。写真は米海兵隊が配備しているCHー53E。CH−53Eは、53Dのエンジン2発を3発に、主回転翼を6枚から7枚に改造した強化型。搭載兵員数の55名は同じである。
多国籍軍の受け入れを拒否 北部同盟内相  (CNN 11月29日 Cnn.co.jp) [要約]ドイツ・ケーニッヒスビンター(CNN) アフガニスタンの暫定政権づくりに向けての各派代表者会議で、北部同盟のカヌニ内相は28日、「治安はアフガニスタン国民が守りたい」と、多国籍部隊のアフガン展開を拒否する姿勢を示した。国連としては、暫定行政機構(政府)設置のために、多国籍部隊を導入し、首都カブールを非武装・中立化させたい考えだ。しかし、カブールを実効支配する北部同盟は、これまでも英国軍の駐留を拒否するなど、外国部隊の展開に消極的姿勢を示していた。

[コメント]北部制圧や南部のアルカイダ壊滅や、オマル師とビンラディンの追跡に必死の米軍が、ふと振り返れば北部同盟とロシアの旗が並んでいた。そんな光景をアメリカやパキスタンが許すだろうか。パキスタンが北部同盟に接近(容認姿勢)するのも気味が悪い。北部同盟が火事場泥棒のようにカブールを押さえただけで、パキスタンがニコニコするような間柄ではない。きっと何か裏で仕掛けられている。今の虚構を信じると危険である。
米の政策エリート”自己批判” [テロの背景」中東戦略誤り (朝日 11月29日 朝刊) [要約]米国の戦略国際問題研究所(CSIS)の、キャンベル副所長(前国防次官補)ら24人の研究員が、報告書「打ち勝つために テロと戦う米国の戦略」(400ページ)をまとめた。米国は今まで中東の石油を安定的に優先供給させるために、民主主義を十分に発展させないままでいるイスラム教国を許してきたと自己批判している。民主化を援助することがテロ根絶に寄与すると提言してる。また西側対イスラムという戦争観に対抗するために、非政府組織(NGO)を援助して、西側とイスラムの宗教指導者との対話を始めることも提案した。

[コメント]
間違っても、アメリカの価値観を押し付けないようにしないと、またベトナムのように「アメリカの民主主義は素晴らしいから、ベトナムもアメリカ社会を真似て国を作りなさい。それに反対するものは敵だ」の構図になってしまう。しかしお互いを理解するために、民間レベルの交流(対話)やNGOの援助活動は賛成である。それにしても、問題はイスラム諸国ばかりではない。アフリカの混乱と貧困は大問題である。アメリカが孤立主義を楽しめるほど、世界の社会環境は甘くない。
朝鮮総連元局長ら逮捕 (各紙 11月29日 朝刊) [要約]警視庁は朝鮮銀行・東京信用組合の融資をめぐる不正流用疑惑で、朝鮮総連の中央常任委員で元財政局長の康(カン)永官(66)を業務上横領で逮捕した。

[コメント]この康(カン)永官なる人物が、どれほど北朝鮮にとって重要な人物なのか、じっくり新聞を読んで考えて頂きたい。今まで日本から北朝鮮に、莫大な送金を行ってきた中心的な人物である。これで北朝鮮は日本からの送金ルートが断たれた。金正日体制は太い補給路を切断されたのだ。私はこの逮捕はアメリカ政府の強い指示があったと思っている。今まではいくら証拠があっても、政治的判断で日本の司法当局は手が出せなかった。それがアメリカが同時多発テロ以降に強化した「国際テロ組織を資金の流れで封じる」作戦で可能になった。その意味では、ついに北朝鮮に対するアメリカの攻撃が始まったと考えていい。ブッシュ大統領の対テロ戦争宣言に、北朝鮮がますます緊張を高めのは間違いない。
アフガン北部 暴動の収容所 反乱兵3人 目の前で処刑 700人が死んだ (朝日 11月28日 朝刊) [要約]マザリシャリフから南に10キロのところに、戦争の村という意味の「カライジャンギ」がという要塞の村がある。北部同盟はここの砦を捕虜収容者として使った。暴動が始まったのは25日午後1時頃だった。外国人志願兵など800名の反乱は、まず近くの北部同盟兵士から銃を奪い、それから砦の武器庫を襲って、警備の北部同盟と銃撃戦が始まった。その際に、マイケルという米国人(おそらくCIA)が暴行を受け死亡した。もう一人のデビッドは取り残された。そこにデルタ・フォース50人が駆けつけ、直ちに米軍の空爆が始まった。デービッドは25日の夜に脱出した。その後、26日も空爆が続き、同日(26日)にウズベクから米山岳師団の100人が到着した。反乱兵3名が外壁の上に引き出され、北部同盟の兵士に撃たれ、その遺体は要塞の内側に落とされた。27日に、立てこもっている最後の建物にロケット弾が多数発射され、その直後に米特殊部隊が機関銃を撃ちながら、建物に突撃した。北部同盟軍兵士は米軍の援護を行うのみだった。27日午後、暴動は鎮圧され、タリバン700名と多数の北部同盟兵士が死んだ。(現地ルポ 横村出記者)

[コメント]私が聞いた暴動はこうして始まった。まずヨーロッパにテレビ局員が捕虜にインタビューするために近づいた。すると捕虜の一人が、「我々が戦う異教徒が来た」といって、警備兵の銃を奪った。すぐに銃撃が始まり、近くの北部同盟の兵士が殺されたというものだった。(米ABC放送で元米海兵隊の大将が証言)。しかし米軍はこうなることを承知で、戦闘経験の未熟な北部同盟に多数の捕虜を扱わせた疑いはないのか。反乱を起こしても、土で出来た昔の砦に、多数のアルカイダ兵士が立てこもっている。そこを空爆で一気に始末すれば、これからの自爆テロや奪還テロを防ぐことができる。じつは特殊部隊にはそのように教育され、訓練されている。特殊部隊は情報収集のために敵兵を誘拐するあっても、敵兵を降伏させて、武装解除し、捕虜として扱う訓練を受けたなんて聞いたことがない。少人数、軽武装の特殊部隊に、そのような作戦は無理なのである。まだまだ特殊部隊のことが正しく理解されていないようだ。私はこれを偽装されたアルカイダの大量処刑だと思う。写真(上)は朝日新聞に掲載されたカライジャンギの米軍特殊部隊。写真(下)は砦の反乱兵に向かって射撃する北部同盟軍兵士。撮影は武田剛氏。撮影日時は27日の突入前。
米海兵隊投入 カンダハル進攻 視野 パシュトィン部隊の支援も (読売 11月27日 朝刊) [要約]26日付のワシントン・ポスト紙は、アフガン南部の海兵隊が二千人規模に膨らみ、目標達成まで無期限に駐留すると報じた。同日のニューヨーク・タイムス紙は、海兵隊は敵の捜索を行う特殊部隊とは違った任務を持ち、攻撃ヘリ、ハリアー攻撃機、装甲車で広範囲な地域で活動し、継続的な攻撃を行うと報じた。また南部で特殊部隊の救出やパシュトゥン人勢力の支援を行いながら、アルカイダに攻撃をちらつかせ、軍事的な圧力をかける任務だという。

[コメント]米海兵隊の最も重要な任務は、反タリバンのパシュトゥン勢力を支援して、カンダハルを彼らに制圧させることである。間違っても、北部同盟にカンダハルを渡さないことである。北部同盟は民族的に違うから、南部カンダハルまで進攻してこないという見方があるが、その常識を裏切ったのが北部同盟のカブール制圧だった。北部同盟がカブール方面とヘラート方面からカンダハルに進撃し、空から米軍機が支援の空爆をすれば、カンダハルも北部同盟に制圧される可能性があった。それを防ぐために、米海兵隊はカンダハル近郊の空港に移駐してきたのだ。また仮に、山中にビンラデンやオマルが逃げれば、それを追跡するのは特殊部隊やパシュトゥン人勢力である。米海兵隊ではない。米海兵隊は、ビンラデンの存在が確認されれば、その周辺を包囲して封じ込めるのが任務である。もし海兵隊員が追跡に加われば、旧ソ連軍と同じ待ち伏せ攻撃に会うだけだ。そんな危険な作戦は行わない。だが追跡中の特殊部隊が危機になれば、救出するのは海兵隊の任務である。カンダハル市街の攻撃は、市民に犠牲が出ることから、米軍は海兵隊を最前線(市街)に投入せず、パシュトゥン人勢力を後押しする作戦をとるだろう。むろん海兵隊が築いたカンダハル包囲網を破ろうと試みるアルカイダ兵には、容赦ない銃弾が浴びせられることになる。現地の部隊を最前線に立たせて戦わせる。米軍はそれを上空や後方から支援する。これがNATOやアジア地域に限らず、アフガンでも米軍の戦略・戦術の基本形になってきた。要はベトナムのような惨めな戦争をしたくないからである。写真は25日、米強襲揚陸艦「ペリリュー」からカンダハルに展開するためにヘリに向かう海兵隊員。同行のAP通信記者が撮影。世界中(特にアメリカ国民向け)に戦果を配信するために、AP通信記者が同行している。アメリカ政府はアフガン戦争の最後に、アルカイダやビンラディンが米軍に包囲されて、壊滅するシーンを見たい(見せたい)のである。
カンダハルの空港に米海兵隊を投入 16000人規模 (米ABC 11月26日 日本時間 午前8時のニュース) [要約]米ABCニュースによれば、昨夜未明から今朝の明け方にかけて、カンダハル近郊の空港に米海兵隊が進駐し始めた。多数の装甲車も空輸され、この24時間で総兵力は1200人〜1600人の規模になる模様

[コメント]本格的な冬が来る前と、北部のクンドゥズから多数のタリバン兵が帰還してくる前に、タリバンの本拠地カンダハルを制圧する作戦のようだ。すでにパシュトゥン人勢力が、クエッタとカンダハルの補給路を切断しているので、千人を越える海兵隊であれば、攻めあぐんでいる反タリバン勢力を、強力に支援できる兵力である。しかしカンダハルには、普通の市民が残っている上、タリバンの中でも強硬派のアルカイダが集まっているという。一般市民の被害を考慮するなら、非常に難しい作戦になると思う。(考慮しないなら簡単に片付く戦闘である。ベトナム戦争時代の米軍は、住民のことなどまったく考慮していなかった。だから負けた) 米軍の作戦としては、まずカンダハルを分断することである。包囲して,分断する。これだけでも、タリバンの戦力は大きく低下する。(この日、北部のマザリシャリフでは捕虜収容所で暴動が発生し、数百人のアルカイダ兵士(捕虜)が戦闘や空爆で死亡した) 写真は米海兵隊の装甲車LAV−25。重量が10トンと軽いため、C−130輸送機で空輸したり、CH−47輸送ヘリで吊り下げて運搬ができる。
米英 ソマリア、スーダン、イエメン 次の攻撃対象として情報収集開始 (サンケイ 11月26日 朝刊) [要約]英紙サンデー・タイムス(25日付け)は、米英両国はアフガニスタンでの作戦が終了すると、ソマリア、イエメン、スーダンの3カ国を、国際テロ組織壊滅として攻撃対象に位置付けたと報じた。この3カ国はビンラディン氏と関係が強いと言われている。攻撃は早ければ来年1月下旬にも行われる予定で、すでにCIAなどの要員がこの地域に潜入し、テロリストの訓練施設などの攻撃目標を選定に入っている。

[コメント]今のアフガン周辺での米英軍事力を向ければ、この3地域の軍事拠点を叩くことは十分可能である。空爆で数日もあれば、アルカイダと関連が疑われている訓練キャンプなどの軍事破壊できる。しかし誰もいない施設を空爆するだけである。この情報は、むしろイラク攻撃から目をそらさすために、意図的に流された情報ではないか。米英軍の攻撃主体は、あくまでイラク軍に置いているのは間違いない。米英軍がアフガン周辺に集結させようとしている航空戦力は、仮に全体を100とすればアフガン攻撃に必要なのは3〜5程度で、95〜97はアフガン攻撃に不必要な戦力である。まさにA−10攻撃機は地上の戦車軍団を攻撃するためで、山中に潜むゲリラ相手の攻撃機ではない。写真はAー10攻撃機。旧ワルシャワ同盟軍・大戦車部隊の侵攻阻止を目的に開発された。
1300人以上のタリバン兵が投降 北部クンドゥズ (CNN 11月25日 CNN.co.jp) [要約]アフガニスタン北部クンドゥズ市とその近郊で、24日、タリバン部隊が相次いで投降し始めた。CNNが得た情報では、1300人以上のタリバン兵が降伏したという。北部同盟とタリバン軍司令官の間で合意されたタリバンの投降が実行に移されているもようだ。マザリシャリフで北部同盟の指揮を執るドスタム将軍は、投降したタリバン兵士をよく調べ、外国人義勇兵を洗い出し、国連に引き渡す方針だ。ただ、国連軍が現地にいないことから、当面は北部同盟の捕虜として拘置されることになるという。北部同盟の兵士は、投降したタリバン兵士に対し、暖かくあいさつし、握手で迎えているという。

[コメント]多少の抵抗は続くだろうが、これでクンドゥズの戦闘は沈静化していく。問題はタリバンに家族などを殺された北部同盟の兵士である。タリバン兵士に両親や家族を殺されて、復讐のために北部同盟の兵士になったものは多い。彼らは心底タリバンを憎んでいる。まして外国人義勇兵となると自制心が効くか心配だ。アメリカも国連も、この問題に強く関与する気はなさそうだ。もし数千人の処刑(虐殺)が行われたなら、後世の人は我々に、なぜクンドゥズの虐殺を止めることが出来なかったと問う。なんと答えればいいのだろう。写真は投降後に北部同盟のトラックに乗るタリバンの兵士。24日にクンドゥズ周辺で撮影。
韓国ミサイルは射程300キロの新型 (朝日 11月25日 朝刊)                [要約]韓国の中央日報紙は、22日に行われた韓国のミサイル実験は、新型の射程300キロの地対地ミサイルだったと報じた。韓国軍の関係者によると、「射程300キロ飛ばせる実験場がないので、燃料を減らして100キロとした。すでに開発は2/3は到達した」と語ったという。

[コメント]この地対地ミサイルで脅威を受けるのは、北朝鮮というより日本である。日本は韓国に配慮して、対馬海峡を越える射程100キロ以上の地対地ミサイルの開発を行っていない。(開発能力はある) しかし航空自衛隊が、早期警戒・指揮管制機を配備したり、空中給油機を導入することから、韓国はこの300キロ・ミサイルの開発を行ったのだろう。いわゆる対抗手段である。たとえ友好国でも、地域の軍事バランスは怠りないという姿勢か。というわけで、日本は韓国のこのミサイル開発に対抗手段をとる必要はない。ところで、久しぶりの同時多発テロやアフガン戦争以外の書き込みである。本日の午前8時に、対テロ特措法に基ずいて、自衛艦(護衛艦1、補給艦1、掃海母艦1)がインド洋に出発した。日本周辺を取り巻く情勢も、刻々と変化が続いている。
米軍、イラク空爆の可能性 (11月24日) [コメント]米軍がイラクを空爆することは、ほぼ確実な情勢になった。イラク空爆は無人偵察機、特殊部隊、爆撃機、攻撃機、それに空母艦載機と巡航ミサイルで行われる。戦車部隊などの地上軍は投入しない模様。またサウジの空軍基地は使用されず、トルコ、タジク、キルギスなどの基地が使われる。クエートの基地が最前線基地(米海兵隊が防衛)になる。アラビヤ海に展開してる空母機動部隊は、空爆開始とともにペルシャ湾などに移動する予定。攻撃開始の時期は、早ければラマダン明けだが、アフガン情勢の展開を見ながら決定されるだろう。なお、日本の対テロ特措法では、ペルシャ湾で米軍の後方支援活動を認めている。これで日本がイージス艦を派遣しなかったことに、米側が極めて残念と表明した理由が判明した。外務省はこの作戦を知っていて、日本のイージス艦派遣を強く求めていたのだろうか。
米 攻撃機をアフガン北部に派遣 F−15E A−10機をタジク、キルギスへ (共同 11月23日 朝日新聞朝刊より) [要約]22日のニューヨーク・タイムズ紙は、米軍がアフガン北部のタジキスタンとキルギスの空軍基地に、F−15E戦闘攻撃機とA−10攻撃機を派遣すると報じた。米軍がF−15EとA−10を両国に派遣するのは初めて。米政府高官はタリバン部隊の最前線に近い基地に配備することで、残存するタリバン部隊に圧力が強化できるとしている。

[コメント]ちょっと待った。タリバンが崩壊している情勢で、F−15EやAー10を派遣する意味があるの? ちょっと変だと誰でも思うはずだ。現在、精密誘導爆弾の空爆は、空母艦載機(海軍)のF−18やF−14などで行われている。局地制圧にはAC−130が使われている。大規模空爆はB−52でやっている。これだけでも十分すぎるほどの航空戦力を保持している。その上に、精密誘導爆撃ではF−18以上の高性能を持っているF−15Eだし、局地制圧ではAC−130以上の高性能機のA−10である。こんな派遣をすると、空軍戦闘機部隊にも出番を与えるための派遣か、イラクを爆撃するための戦力集中と思ってしまう。サウジからイラクを空爆すると、イスラムの反発が大きいので、あえてタジクとキルギスの基地が選ばれたという訳である。まあ、フセイン大統領(イラク)は空爆で殺せるかもしれないが、それからイラクをどうするのと問いたくなる。
タリバン、北部クンドゥズの停戦に合意 (CNN 11月22日 CNN.co.jp) [要約]アフガニスタン北部の拠点クンドゥズで抗戦していたタリバンは.21日、停戦に合意した。しかし停戦合意にクンドゥズの明け渡しが含まれるかはまだ明らかでない。 マザリシャリフで交渉を重ねていた北部同盟のドスタム将軍と、タリバンのファイゼル司令官はクンドゥズのタリバン兵が戦闘を停止すると合意した。 ドスタム将軍は「クンドゥズではもう戦いは起きないと、そしてあなたはクンドゥズにいる全てのタリバンを代表していると、アラブ人やチェチェン人、ウズベク人、パキスタン人も全て代表していると、報道陣にはっきりと伝えるべきだ」と促し、「彼ら(外国人兵士)は、あなたの言葉を受け入れるのか」とさらに念を押した。 これに対しファイゼル司令官は、「受け入れる」とうなずいた。クンドゥズにはタリバン兵約1万人がたてこもっているとされる。なかでも外国人兵士約3000人が、投降後の虐殺を恐れて、徹底抗戦を主張していたが、ファイゼル司令官は、外国人兵士も戦闘停止に従うと約束した。

[コメント]まだまだアラブ義勇兵など外人部隊の問題は解決されていない。大虐殺の可能性は大きい。またアメリカもそれを期待しているようである。アメリカ兵が直接、虐殺の引き金を引かないのであれば、あえて黙認するという姿勢である。同時テロが発生して間もなく、ソ連侵攻時代のアフガンで、ソ連軍に追い詰められたアフガンゲリラが、崖から飛び降りる映像がテレビで放映された。そのテレビの解説では、アフガンゲリラの高い士気について語られていた。それは違うと思った。彼らは敵に捕まることを嫌って崖から飛び降りているのではない。ソ連軍の拷問が怖いから死を選んだのである。拷問されて殺されるより、崖から飛び降りる方が楽に死ねるからである。本当に士気が高いなら、崖から飛び降りないで、敵兵を一人でも多く道づれに爆死する。これからそんな戦いが始まるかもしれない。写真は現在のアフガン勢力図。毎日新聞 11月22日夕刊より。
イラク攻撃 「米近くに決断」 軍事専門家が分析 (読売 11月22日 朝刊) [要約]米・戦略国際研究センター(CSIS)の元上級副所長で、ブッシュ政権に幅広い人脈をもつウィリアム・テイラー氏は、読売新聞・板元記者のインタビューに答え、米軍は間もなくイラク攻撃を決断すると語った。そのために米軍は、タリバン崩壊には不必要な大規模な軍事力(例えばアラビア海に4個空母群)をアフガン周辺に集結させており、これらの戦力がイラク攻撃に向けられるという。攻撃は特殊部隊と空爆が主体で、攻撃目標はフセイン大統領だと分析した。ロシア,フランスも対テロという意味から攻撃に同意し、他のアラブ諸国も勝つほうにつくだろうと語った。

[コメント]ある雑誌に頼まれて、「報復の論理」という原稿を書いている。それを書いていて気がついたのだが、アメリカ国民はタリバン崩壊、アルカイダ殲滅、ビンラディン暗殺では、同時多発テロの報復量として少なすぎると思うのではないか。国民がこの程度の報復では満足しないのである。もし満足しなければ、ブッシュ大統領は国民の支持を失うことになる。さらに次の大統領選挙では負けることになる。それではブッシュ大統領は、大統領選挙に勝つために報復戦争を続けるのかという見方も出てくる。しかしブッシュ大統領が十分な報復(国民が満足)を行わないなら、次の米大統領は強硬な戦争主義者(ヒットラーのような)が選ばれる危険がある。結局、アメリカ国民がどこまで政府に報復量を求めるかで決まるだろう。だから反戦活動や市民運動が盛り上がる社会環境が生まれてくる。(22日、ニューヨーク市当局はWTCの犠牲者を、死者673人,行方不明3275人と発表した。当初、情報の混乱から犠牲者6500人という数字も上がっていた。ちなみに国防総省では189人、ピッバーグに墜落したハイジャック機の44人で,合計4181人が同時多発テロの犠牲者。この人数は今後も減る可能性が高い)
米国防省 イラク空爆立案に着手 米メディア連日報道 (サンケイ 11月21日 朝刊) [要約]米国務省の戦略専門家たちは、テロ戦争の次の目標をイラクに絞り、大規模な空爆作戦の作成に取りかかった。米議会も爆撃計画の作成を認めている。これは19日付けのUSA TODAY紙やAP通信が伝えたもので、CNNも19日に「次はイラクか?」という特別座談会番組を放映した。またライス大統領補佐官などの政府高官が、「イラクは危険なテロ国家」という発言を始め出した。空爆の目標には、フセイン大統領を警護する共和国防衛隊本部や兵舎などが上がっている。

[コメント]来年春のタリバン崩壊後に、米国のイラク戦略が動くと予想していたが、意外なほど早かったタリバン崩壊を受けて、イラク攻撃が動きだしたようだ。9月11日の同時多発テロの時、アメリカ人の多くがテロの背後にイラクの影を意識していた。タリバンやアルカイダ崩壊では、まだ危機意識から脱することはできないようだ。しかしイラク攻撃が始まれば、イスラム社会で大規模な反米行動が沸き起こる危険がある。イスラム原理主義は危険なテロ思想という単純な認識は危険である。テレビに写る米軍の空爆を見て思ったが、大量の生物兵器や化学兵器を貯蔵する北朝鮮は、アメリカが言う「テロ支援国家」で「ならず者国家」ではなかったか。あの空爆がイランの次に北朝鮮で行われることは否定できない。北朝鮮の指導者は、米軍のアフガン空爆をどんな気持ちで見ているのか。もし北朝鮮・空爆が行われるなら、韓国軍が北部同盟の役割をして、そして日本がパキスタンの役を担うのだろうか。
パキスタン、タリバーンと事実上断交 「政権は崩壊」 (朝日 11月20日 朝刊) [要約]パキスタンのサッタル外相は19日、タリバーン政権をまだ承認しているかの質問に、「わが国は外交断絶は発表していないが、政権は崩壊しており、承認しているとはいえない」と発言、事実上外交断絶したことを認めた。これでタリバーン政権と国交を結ぶ国はなくなった。

[コメント]パキスタンの新たな戦略としては、一旦タリバンを解体し、ビンラデイン、オマル師、アルカイダ、アラブ義勇兵を排除して、旧タリバンの勢力をパシュトゥン人勢力に再編させ、新しい看板で北部同盟に対抗させるというものだ。この新戦略でパキスタン情報部(ISI)が、タリバンのアフガン部隊とパシュトゥン人勢力の降伏交渉を仲介している。切り捨てられた北部クンドゥズのアラブ義勇兵は、降伏しようとするタリバンを射殺(すでに400名近いという情報もある)するとともに、国連に降伏後の保護を求めている。ここで大事な軍事常識をいえば、背後に補給や退避路を持たない兵力は、ゲリラであっても戦いはできないということである。一部の報道に、山岳戦に慣れたタリバンが山にこもれば、米軍に対して有利な戦いを繰り広げるという見方があったが、それは十分な補給や退路が保障されていればの話しである。パキスタンの支援がないのに、タリバンが山にこもって戦うことはできない。以上のような理由から、ビンラデインの追跡にパキスタンのISIも協力している可能性が高い。今のアメリカの戦略は、アルカイダを壊滅させるための軍事攻撃(空爆)と、米CIAがISIと共同してタリバン後のアフガン体制を作り上げる、2つの政治工作を行っている。
ビンラディン 東部山岳部で追跡 射殺命令 (読売 11月19日 夕刊) [要約]19日発売の米誌タイム最新号は、ビンラディン氏が護衛のアラブ兵約1500人と、ジャララバードから同国北部のウルズガン州にかけて、夜間に移動しているというパキスタン当局者の話しを載せた。追跡しているのは米陸軍「デルタフォース」で、発見次第、射殺するように命令を受けている。

[コメント]英サンデー・タイムズ紙〔18日付け)はカンダハル近郊の山岳地帯で、米タイム誌最新号は東部山岳地帯と報じている。しかしどちらも射殺命令を受けているのは間違いない。ビンラディンを逮捕しても、奪還テロが起きる可能性が高い上に、死刑になれば殉教者として祭られるからである。ビンラディンもそのことを覚悟して、もし捕まるような事態になれば、自分を射殺するように息子や側近に命令しているという。しかしアメリカとしては、ビンラディンがどのように死亡しても、本人の確認をすることは間違いない。生死が確認できなければ、アメリカ国民の不安が無くならないからだ。これにはビンラディンの出身国サウジの治安当局も協力するだろう。DNAでビンラディンを検死するのだ。自爆テロを賛美する思想には、潔く自らの手で命を断つような習慣はないのだろうか。
タリバン分裂表面化 アフガン人と外国兵対立 (読売 11月19日 朝刊) [要約]タリバンと激しい戦闘が続く北部クンドゥズでは、3万人のタリバン兵のうち1万弱がアラブ、パキスタン、チェチェンなどの外人部隊だ。外国兵士は和平(降伏)に応じるアフガン人に対して、その一部〔150人)の殺害を行ったという。南部のカンダハルでもアラブ人と強硬派民兵が居残って、徹底抗戦の構えを見せている。(またパキスタン政府はアフガン国内のパキスタン人テロリスト96人が、国内に逃げ込むことを警戒して厳戒態勢をとっている。この情報は産経新聞・19日朝刊より)

[コメント]リバン崩壊で逃げ場のない外人兵士にとって、降伏は処刑されることを意味する場合もある。それがクンドゥズに1万人弱もいるなら、影響は深刻である。米軍の空爆は、この部隊を目標に行われているのだろう。それにしても、テロリストには奪還テロを防ぐため、死しか与えられないのであれば、さらにテロが過激になっていくような気がする。戦争という名目で、多数の反社会的な者を死刑(抹殺)することは許されるのか。人間の英知が問われる問題である。写真はクンドゥズで行われている米軍の空爆を見る北部同盟の兵士。英BBC放送によれば、彼らは実戦の経験はまったくないという。18日撮影。
クンドゥズで抵抗のタリバン、投降を示唆?(CNN 11月19日 CNN.co.jp) [要約]イスラマバード(CNN) アフガニスタン北部で唯一、タリバン軍が抵抗しているクンドース州をめぐり、同州のパシュトゥン人部族実力者の6人が18日、パキスタン・ペシャワルで記者会見し、「我々との交渉の結果、タリバンの現地司令官と州知事は、同州が国連の管理下に置かれるなら、投降することで合意した」と述べた。有力者6人と交渉したのは、ダドゥラ現地司令官とハジ・オマル・カーン州知事。

[コメント]ますますタリバンの投降者が、パシュトゥン人勢力に吸収される状況が加速している。これは言うまでもなく、反北部同盟を目指すパキスタン国防情報局(ISI)が行っている秘密工作である。北部同盟の首都カブール制圧やアフガンの広範囲支配を嫌うISIが、パシュトゥン人勢力を使い北部同盟の支配地拡大阻止を目論んでいるのだ。すでに何度も書いているが、この動きが米軍の航空攻撃が弱まる冬季にどうでるか。タリバンの中でも、アラブ義勇軍を主軸としたアルカイダ、同時テロを指導したといわれるビンラディン、カリスマを失ったオマル師については排除されるだろう。それに補給路や支配地区を能力以上に拡大した北部同盟を叩くのは容易である。まだまだアフガン情勢の流動化と緊迫化は収まらない。ところでこの欄への記入は、午前3時半に行っている。たった今、しし座流星群をベランダから見てきた。わずか5分ぐらいの間に5個の流星を目撃した。あの流星をアフガンの人々はどのような気持ちで見ているのだろうか。自分自身がアフガンの和平に直接貢献できる方法はないのだろうか。最近はそんなことを考える時間が多くなった。地図はアフガン北部で計画されている国連の救援物資輸送計画図。クンドーズで戦闘が終われば、陸路を使った効率の高い物資輸送が可能になる。
北部同盟、英軍特殊部隊に撤退要求 人道援助のみ認める(CNN.11月18日 CNN.co.jp) [要約]カブールを制圧した北部同盟指導者が18日までに、首都北部に到着した英国海兵隊特殊部隊約100人について、15人のみを残してアフガニスタンを出るよう求めていた。ロイター通信など報じた内容では、 北部同盟情報省幹部のアリフ氏は、「100人のうち85人は、国連主導の人道援助活動との調整も事前連絡もなくやってきた。我々の決定は、15人だけを残して、後は撤退させるというもの。15人だけの残留が認められないなら、100人全員が撤退して欲しい」と述べ、英軍のバグラム空港常駐に反対した。 これに対して英国防省は、北部同盟からの正式な撤退要請は受けていないとして、特殊部隊をアフガニスタンから引きあげる予定もないと説明している。

[コメント]これで北部同盟の打撃が確実になりつつある。パキスタンのISIがタリバンの残党勢力を活用して、冬季の間に北部同盟に手痛い打撃を加える作戦である。今の北部同盟は補給路が伸びきっている上、展開範囲が広すぎて軍事力が薄くなっている。これを攻撃して打撃を与えるのは、赤子の手を捻るのと同じである。北部同盟の支配に反対するパシュトゥン人勢力にとっては、北部同盟を叩く絶好のチャンスである。北部同盟は墓穴を掘った。春までに首都カブールから撤退を強いられることになる。カブールの北部同盟を支えてくれるのは、グラハム空軍基地に移駐してきた英軍だった。その支援の芽を自らが刈り取った。カブールで活動する国連の人道支援職員を保護するために、緊急の対策が必要である。世界のマスメデアはカブールの国際援助団体の活動を積極的に報じる必要がある。彼らの存在価値を高めるためである。
タリバン後のアフガン 南北二分の勢力図 衝突のおそれ (読売 11月18日 朝刊) [要約]北部同盟のカブール制圧と、タリバンの撤退が続く中で、アフガニスタンの勢力範囲が二分されてきた。北西部を支配する北部同盟と、南東部を支配するパシュトゥン人勢力である。北部同盟軍はカンダハル西方250キロの地点に達しており、さらにカンダハル攻略・占領を目指している。カンダハル周辺では米軍の支援を受けた反タリバンのパシュトゥン人勢力がタリバンと交戦を続けている。もしここに北部同盟軍が攻めてくれば、タリバンとパシュトゥン人勢力は一枚岩となり、北部同盟と内戦になる最悪の可能性がある。

[コメント]アフガンでの戦闘がこの段階に入ると、これからは戦後の政治体制作りを目指して、戦闘を考えなくてはいけない。とにかく勝てばいい、敵と倒せばいいという考え(戦略)では、戦後の混乱と不安定化を招くだけである。ここにきて、アメリカが反タリバンのパシュトゥン人勢力を活用しているのもそのためだろう。北部同盟だけに点数を稼がせないためだ。そこでアメリカ軍がアフガンに駐留していれば、北部同盟とパシュトゥン人勢力の武力衝突は防げるが、問題は米英軍がアフガンから撤退した後である。さらに北部同盟の内紛も防ぐことができるか。また国連がどれだけ存在感を示すことができるか。まだまだアフガンの和平は見えてこない。
アフガン東部 地方政府樹立の動き 反北部同盟のパシュトゥン人(朝日 11月17日 朝刊) [要約]ジャララバードのあるナンガハル州で、北部同盟をけん制する目的で地方政府を樹立する動きが始まった。これはタリバンに替わり東部を掌握した「東部シューラ(評議会)」が、同地区の支配下にあるナンガハル、クナール、ラフマン3州の政治家や司令官で、パシュートゥン人の勢力を結集して北部同盟をけん制するための地方政府。この動きはパキスタンが支援しているとされている。

[コメント]だんだんとタイ軍とポル・ポト派の関係に似てきた。これはパキスタンのペシャワール、イスラマバードを北部同盟から防衛する防波堤である。逆な言い方をすれば、北部同盟が支配するカブールをパシュートゥン勢力が攻撃できる態勢が築かれることになる。すべてパキスタンの外交・軍事戦略の工作を担当する国防省統合情報局(ISI)が描くシナリオ通りである。これに対応を誤ると、アフガン問題が泥沼化する要因になる可能性がある。なお国連の多国籍軍(治安維持)だが、英軍はカブール北部のバグラム空軍基地に展開する。カブール市内はイスラム諸国の部隊が担当することとなった。フランス軍はマザリシャリフの飛行場に展開する。
英仏などの多国籍治安部隊 数日内にアフガンに(CNN 11月16日 CNN.co.jp) [要約]国連安保理が14日、アフガニスタンの治安維持のための多国籍軍編成を支持する決議を受け、英、仏、カナダなどの各国軍が数日内にも展開する見通しになっている。英国各紙の報道によると、英国が派遣する部隊は約4000人規模。第2パラシュート大隊、第16航空強襲連隊、第3特殊旅団、第45海兵隊特殊部隊などが主力になる。当初の計画では、北部マザリシャリフに展開する予定だったが、事態の急変でカブールなどの他都市にも展開する見通しだ。また、フランスのリシャール国防相も15日、数日以内に部隊をアフガンに派遣すると述べた。規模は明らかではない。カナダのエグルトン国防相も同日、同国部隊の約1000人を展開することを明らかにした。このほか、多国籍軍には、トルコ、インドネシア、バングラデシュ、ヨルダンなどのイスラム教国も参加する見通しだ。

[コメント]イスラム諸国が多く参加することは朗報である。しかし全体で数千人では規模が少なすぎる。全体で何万人になるかが重要である。また危険な南部や東部を、どこの国が担当するかが問題になるだろう。自衛隊の派遣は、国会で武器がどうのこうのと言っているうちは無理である。しかしアフガンに行けるものなら、行ってみるのはいいことだ。だが国会の議論を聞いていると、戦争なら何でも反対の人と、アメリカのために自衛隊を派遣したいという意見ばかりで、そんな政治環境で自衛隊を派遣したら自衛官がかわいそうである。
米、特殊部隊主体に転換 南部に数百人展開 ラマダン中、空爆縮小の見通し (読売 11月16日 朝刊) [要約]これまで十数人規模と伝えられていた特殊部隊は、USAツデー紙によると数百人に規模になっていることがわかった。カンダハルに通じる道路に検問所を設け、逃亡者を阻止するとともに、尋問を行ってビンラデイン一派の動静を探っている。空爆はタリバン兵士と離反したタリバン兵士の区別がつきにくく、空爆を断念して爆弾を投下しないまま帰投する爆撃機が増加している。

[コメント]米軍はタリバン崩壊の表明で、いよいよビンラデン追跡が本格化する。しかしこのホームページでは、米軍の空爆が制限を受ける条件として、冬季による天候の悪化と、兵士と市民が混ざり合うことを指摘しておいた。米軍の特殊部隊が強いのは、空爆を誘導して周囲の敵に精密な爆撃ができるからと説明した。すなわち、空爆の支援ができなければ、特殊部隊は決して強い戦力ではないのだ。さらにラマダンで米軍の空爆は縮小を強いられる。崩壊し、逃亡中と言われるタリバン兵に、爆弾を投下することにイスラム諸国が反発するからだ。これから治安維持目的の多国籍軍の投入が始まるだろう。しかしともに治安維持にあたる北部同盟自身が内紛を起こす可能性もある。またタリバン後の政治体制についても、国連でやっとアイデアが示されたばかりである。フランス国防省はいち早く、北部のマザリシャリフへフランス軍の多国籍軍派遣を表明(15日)した。これは危険なカブールや南部への派遣はしないという意味なのだろうか。オーストラリアの外相は多国籍軍への参加に慎重な姿勢をみせている。また北部同盟の外相は多国籍軍不要を表明した。アメリカはアフガンの将来より、同時多発テロに報復するためビンラデインの追跡に必死である。こうみると、すでにアフガンの混迷は始まっている。軍事常識に、「戦略の失敗は戦術で補えない」という言葉がある。アメリカ軍の戦略の失敗が、アフガンを危険な状況に突き落とした。それを国連や多国籍軍で補おうとしても、無理である。
パキスタン大統領 断食明け訪中を予定 (朝日 11月15日 朝刊) [要約]中国の外交筋は、ラマダンが終わった後の12月20日前後に、パキスタンのムシャラフ大統領が訪中する予定と語った。またパキスタン外務省のカーン報道官は、「パキスタンにあるタリバンの大使館はまだ存在している。私たちは状況を見守っている」と語った。タリバンが首都から撤退し、政権が事実上崩壊したにもかかわらず、当面は外交関係を維持していく姿勢を示した。

[コメント]今後、タリバンを殺すか、生かすかはパキスタンの意志が大きく作用する。かつてカンボジア内戦のとき、ベトナム軍がカンボジアに侵攻してタイ国境に迫ったとき、タイは敗走してきたポル・ポト軍に武器と食糧を与え、ベトナム軍と戦わせた経緯がある。ポル・ポト軍をベトナム軍の防波堤に使ったのである。この時、タイと一緒にポル・ポト軍を強く支援したのは、ベトナムと対立する中国だった。それからは乾季になると戦車に乗ったベトナム兵とカンボジア人民軍が西部や南部を攻め、戦車が動けなくなる雨期になるとポル・ポト軍が奪い返すという、ドロドロの内戦が何年も続いた。北部同盟を嫌う(対立)パキスタンにとって、アフガン東部や南部に拠点を移したタリバンを、自国の防波堤に使う可能性もある。むろんカリスマのなくなったオマル氏は排除されるが、もしカリスマが残っていれば保護されることもある。(ポル・ポト氏はタイに保護された) アラブ義勇兵、アルカイダ、それにビンラデン氏は、追放されるか、逃亡するか、殺されることになる。神学生を募ってタリバンを作り、育てたのはパキスタンの参謀本部情報部(ISI)である。そのタリバンをビンラデン一派とオマル師が乗っ取ったという論理(いい訳)である。今も以前も、タリバン活用の目的はアフガンの北部同盟を駆逐するためだった。パキスタンはタリバンを再度活用する。そのような状況が生まれたとき、北部同盟を支援したアメリカはどう動くか。アメリカの戦略はいつも短慮的である。
米 南部でも特殊作戦 タリバン本拠地 撤退部隊を空爆 (読売 11月14日 夕刊) [要約]ラムズフェルド国防長官はカブールから撤退し、南部に逃走中のタリバン要員に米軍機が空爆を加えていることを明らかにした。会見に同席したマイヤーズ統合作戦本部議長も、山岳地帯の洞穴に潜んでいたタリバン部隊が姿を現して逃走を開始。米軍機はこれらの人員、車両、戦車、弾薬貯蔵目的の洞穴を重点的に空爆していることを説明した

[コメント]タリバン全体が敗走中という情報である。そして逃げこむ先は、山岳地帯と説明が行われている。これにパキスタンがどうでるか。本日の新聞(夕刊)を読むと、タリバンは敗走し、北部同盟は勝ち誇っているようだ。そして北部同盟の虐殺(処刑)や略奪も始まった。やがて内紛も始まるだろう。この事態を生んだ責任はアメリカにある。同時テロの報復を行うために、北部同盟という凶暴集団に力を与えたのはアメリカである。
アフガン情報が混乱している。こんな時は冷静になろう。(11月14日 朝) [コメント]北部同盟のカブール進攻で、アフガン情報が混乱している。今朝の新聞を見ても、「タリバン政権維持困難に。北部同盟ジャララバード奪回。カンダハル空港制圧か」(サンケイ)、「隣国パキスタン大誤算。アフガン国王 進攻「合意に違反」。暫定政権へ難航は必死」(朝日)、「タリバン政権 事実上崩壊。拠点の南部でも守勢。新政権は混乱も」(読売)、「オマル師、戦闘継続指示。北部同盟ドスタム将軍、各民族参加の政権を否定」(毎日)などと、評価や意見はさまざまである。タリバンの撤退を予定通りとして、これから得意のゲリラ戦に移るというのは、元パキスタン情報部(ISI)長官のハミド・グル氏である。逆にタリバンに継戦能力はなく、オマル師など指導部が立て直しに必死という見方もあった。北部同盟軍兵士が降伏してきたタリバン兵を殺し、持ち物を略奪しているという記事もあった。(ニューヨーク・タイムス) マザリシャリでは少年兵(神学生)100人を含む600人が虐殺(処刑)されたという国連筋の情報もある。カブールでも残党狩りが行われ、アラブ人兵士が路上で処刑された映像もあった。(米ABC) 空爆が止まったカブールには、難民として市外に逃げていた市民が続々と市内に戻ってきているという話もある。これから彼らの食糧をどのように確保するのだろうか。またマザリ周辺では食糧を運ぶ国連のトラックが北部同盟軍に襲われ、略奪されたという情報も伝わっている。残ったタリバンとしては、ラマダンの期間中に部隊を建て直し、米軍の航空作戦が制限を受ける冬季に攻勢をかける作戦ではないか。タリバンが山岳に移動をするのは、冬季に北部同盟を叩いて、航空作戦が再開される春以降である。多少でも軍事を理解していれば、まだ今の段階で北部同盟の勝利を信じるものはいない。ここ数日は、落ち着いて事態を冷静に見る必要がある。不確実な情報を分析して、誤った評価をだす危険がある。特にカブールやマザリを撤退したタリバン勢の正確な情報が欲しい。写真はカブールに入ってきた北部同盟のT−54戦車(産経新聞より)。北部同盟のナディーム広報官は、20日前にロシアから整備状態のいいT−62戦車50両の供給を受けたことを明らかにした(14日付け 毎日新聞)。
北部同盟 カブールに進撃 市の庁舎を占領 タリバン撤退 (11月13日 正午のNHKニュース) [要約]正午のNHKテレビのニュースによると、北部同盟はカブール市内に入り、市庁舎の建物を占領したようである。市内の刑務所から囚人が脱走して、略奪を始めたという情報もある。

[コメント]この刑務所の鍵を開いたのは撤退前のタリバンだろう。カブール市内の治安を悪化させるためである。この北部同盟の行動は極めて危険である。アメリカのコントロールをはずれると、北部同盟は危険な武装集団でしかない。まさかアメリカは北部同盟を見限ったわけではないと思うが・・・・。これがアフガンの現実なのだろうか。しかしハラハラするほど危険な行動である。北部同盟の戦力ではカブールを確保することは難しい。米国も北部同盟の行動を追認できるとは思えない。パウエル国務長官の声明を聞きたい。写真はカブールに向かって進撃する北部同盟のT−54戦車。
ウズベク アフガン国境開放 (朝日 11月13日 朝刊) [要約]ウズベクの南部、アフガンとの国境にあるテルメズで、13日にもアム川の港を開放することになった。また陸路を鉄橋で結ぶ「ハイラタン鉄橋」も間もなく開放される。テルメズにはユニセフの食糧160トンが滞留している。さらにハイラタン鉄橋が開放されると、テルメズからマザリまで70キロの陸路(数時間)が結ばれる。米軍部隊のアフガン北部の展開に必要な重装備の補給が可能になる。

[コメント]何度も言うようだが、米英軍が航空作戦に支障(制限)受ける本格的な冬が到来(あるいは冬季間中)するまでに、どれだけの物資(装備)をアフガン北部に運び込めるか、それがここ数ヶ月間の重要な作戦ポイントである。航空機が悪天候や滑走路の閉鎖などで飛べなくなると、撤退をしたタリバンが動き出すからだ。それにしても、タリバン軍の撤退作戦は見事だった。あれほど鮮やかに撤退作戦するゲリラに怖さを感じた。北部同盟の支配地域拡大など、今回の撤退作戦と比較すると、何の意味もないことに気がつくべきだ。むしろ危険な罠である可能性が高い。写真はアフガン北部で10日に目撃された北部同盟軍に警護される欧米人の兵士(四人)。おそらく米英軍の特殊部隊の隊員と見られる。米軍の攻撃機に空爆目標の指示(誘導)を出すために前線に移動中と思われる。11月12日 読売新聞 夕刊より。
255人乗せたアメリカン航空機、NY住宅街に墜落(CNN  11月13日 CNN.co.jp) [要約]ニューヨーク(CNN) 12日午前、乗客乗員255人を乗せたアメリカン航空機587便が、ニューヨークJFK国際空港を離陸後、同市クィーンズ地区の住宅地に墜落した。これまでに、墜落原因は明らかになっていないが、国家運輸安全委員会(NTSB)は事故として捜査を開始した。地上では機体の炎上とともに、複数の住宅が燃えている。乗客乗員の安否や地上での犠牲者については不明だが、多数の死傷者が出た模様だ。

[コメント]今のところ、特にテロに関連するとの情報はない。しかし航空業界や旅行業界はさらなる打撃をうけるだろう。それにしても仮にテロだったと仮定すると、最悪の事態が予想される事故だった。事故であっても、改めて、テロ犯罪の残忍さを知った。
北部同盟 タロカン・バーミヤンも制圧と発表 北部一帯を制圧する勢い (CNN 11月12日 CNN.co.jp) [要約]北部同盟のアブドラ外相は11日、マザリシャリフに次いでタハル州タロカンとバーミヤンを制圧したと発表した。タロカンは、北部同盟の拠点の一つで、ファイザバートとマザリシャリフ、バーミヤンも首都カブールとマザリシャリフを、それぞれ結ぶ重要幹線上にある。いずれも米軍が空から進撃を支援した。 バーミヤンには空港もあるので戦略的な価値が高い。タリバン側の アフガン・イスラム通信(AIP)も、3州が北部同盟の支配下に入ったことを確認した。北部同盟は、タロカン、バーミヤンとともに、クンドゥズ、バグランなど要衝を抑え、ヒンズークシ山脈の北、タジク、ウズベク国境沿いの北部全を支配下に置く戦略とみられる。当面は、タジク国境に近く空港もあるクンドゥズでの攻防が焦点になる模様。しかし補給路を断たれたタリバン軍の撤退は時間の問題と思われている。北部同盟側が北部一帯を制圧する勢いをみせている。(別の情報によれば、クインドゥズにはタリバン兵15000人が包囲されているという)

[コメント]ラマダン前の北部制圧である。この攻勢で感じたのは空爆支援の重要性と、補給の大切さである。確か、同時テロが起きた時は、北部同盟の兵士はだれも迷彩戦闘服を着ていなかった。今は全員がロシア軍から支給された戦闘服を着ている。弾薬も十分に行き渡っているようで、もう残弾の心配をしながら戦闘を行う必要はないようだ。ロシアと米軍の補給が効いてきたのだろう。これで近いうちにタリバン側のマザリシャリフ奪還は可能性が低くなった。タリバン側が有利に戦いを進めるには、米軍の空爆支援ができないようにすることと、逆に北部同盟の補給路を断つことである。それができないなら、タリバン側に有利な戦闘はできない。このままラマダンを迎え、厳寒の冬にはいる作戦なのだろう。本格的な冬になれば、米軍の航空作戦は天候の影響で大きな制限を受ける。それまで北部同盟に目一杯守備範囲を広げさせ、タリバンはそこを叩く(反撃)作戦を考えているようだ。まだまだタリバン軍の戦意は衰えていない。それにしても本格的に冬が来る前に、一刻も早く難民救援活動を始めなくてはいけない。こちらはこれから始まったばかりである。写真は迫撃砲を撃つ北部同盟軍の兵士。
米軍高官表明 多国籍軍で補給路防衛 人道援助も強化 (読売 11月11日 朝刊) [要約]米統合参謀本部のスッタフルビーム作戦副部長は、マザリシャリフ制圧に関連し、ウズベキ、タジクとアフガン北部を結ぶ補給路の防衛について、「米軍だけでは不可能だ」といい、多国籍軍で防衛する見通しを示した。これで米軍は多国籍軍化への戦略を転換させることになる。米軍は北部同盟への支援を行うほかに、食糧などの人道支援も強化する方針だという。

[コメント]今まで私の分析を笑っていた人は、ちょっと恥ずかしい思いをしているだろう。それから私の分析を信じてくれた人は喜んでくれていると思っている。でも今まで、結構、心ではハラハラしていたのも事実です。本日、9月11日の同時テロから2ヶ月が経過しました。そしてこのホームページも本日20万件のアクセス・カウントを突破しました。すでに何人かの方から、お祝いのメールを頂きました。ありがとうございます。背景に同時多発テロやアフガン戦争という深刻な問題はありましたが、緊張感のあった2ヶ月間だったことは確かです。私の世界もすごく広がりました。生活にも大きな変化を生んでいます。これまでの2ヶ月間とこれからの1ヶ月間をあわせて、このホームページが何を報じてきたか、その裏にはどんなエピソードがあったのか、それを一冊の本にする話しが進んでいます。皆さんの励ましで、私がどれだけ元気付けられたか、そんな気持ちが伝わる本をだしたいと思っています。改めて、皆さんの応援に感謝します。
首都カブール進攻 思惑にズレ (サンケイ 11月11日 朝刊)  [要約]10日、北部同盟の前線司令官によれば、同軍は3日以内にカブール進攻を開始するため、マザリ攻略を果たした部隊をカブールにむけて移動中であると語った。しかしパウエル国務長官は、10日、FOXテレビに出演して、「カブールに北部同盟は入るべきでない」と話した。一方パキスタンはインド、ロシア、イランと関係が深い北部同盟の南下に、自国の安全保障に対する危機と不信感を高めている。今後のカブール進攻の推移は、米軍と北部同盟との協議にかかっている。

[コメント]米軍と北部同盟との協議などは存在しない。米軍が北部同盟に厳しく命じるか、穏やかに命じるかの違いだけである。その命令を北部同盟が無視すれば、タリバン軍が襲い掛かって始末するだけの話しである。米軍が空爆の手を休めると、すぐにもタリバン軍が回復して反撃を開始するからだ。それに航空作戦が制限される本格的な冬が、もうすぐ来ることを忘れてはいけない。今は米軍の命令に従って、カブールからマザリシャリフへ通じる道に、強固な阻止線を構築するだけだ。それが将来のカブール包囲網になっていく。写真はカブールの北方35キロにあるラバトにむかう北部同盟軍のT−62戦車。11月10日に撮影。夜間暗視装置はまだ搭載されていない。
空母から転落の海兵隊員 死亡を宣言 国防総省 (CNN 11月11日 CNN.co.jp) [要約]アラビア海に展開中の空母キティーホークから8日に、シカゴ出身の工兵、ブライアント・デイビスさん(20)が転落する事故があった。国防総省は2日間捜索を続けたが、10日、デイビスさんの死亡を宣言した。 米側の犠牲者は、10月19日にパキスタン国内で起きたヘリコプター墜落事故での死者2人についで3人目。

[コメント]これが事実なら、米軍は北部の戦闘に従軍している米特殊部隊に、まだ戦死者はでていないことになる。それとも北部の特殊部隊に関する損害は、作戦の性質上から公表しない方針なのだろうか。ヘリ事故は第75レインジャー連隊で、れっきとした米軍特殊部隊の隊員である。
北部同盟が要衝マザリシャリフを奪還か (CNN 11月10日 CNN.co.jp) [要約]北部同盟のスポークスマンによると、北部同盟軍は9日、北部の要衝マザリシャリフ市内に進撃し、空港を制圧した。同氏は「タリバン軍はカブール方面に退却した」と語った。 マザリシャリフ攻略の主力を率いていたドスタム将軍もCNNの取材に対して、市内への進撃を認めた。現地からの情報では、タリバン側はほとんど応戦しなかったという。 米国防総省はマザリシャリフ奪還の情報を確認しなかったが、「勇気付けられる」とした。 攻防でタリバン側は、ウズベキスタンの反政府組織「ウズベキスタン・イスラム運動」(IMU)のナマンゴニ司令官ら外国人部隊が主力になっていた。

[コメント]私はタリバン側がほとんど応戦もぜずに、カブール方面に退却したという情報に注目している。以前にも書いたことがあるが、マザリシャリフのタリバン軍としては、米軍に支援された北部同盟軍を正面で受けとめるほど不利な戦いはない。まずは一旦マザリシャリフから撤退するのが作戦の常套である。その上で、マザリシャリフで市民と北部同盟軍が混ざり合った時に、市内に偽装して残してきたタリバン兵と呼応し、逆襲を仕掛けるのである。こうすれば、北部同盟は米軍の航空支援は受けられなくなる。市民や北部同盟軍を誤爆する危険があるからだ。これも一種の人間の盾である。米政府がマザリシャリフ陥落を確認しない理由はここにある。今後は北部同盟の進撃を慎重に行って、まずはマザリシャリフを包囲する作戦が正しい。包囲網は兵員の不足を戦場監視機材で補う。次にテルメズからの補給路を確保する。その次に郊外にマザリシャリフの市民を収容する難民キャンプを設営する。さらにマザリ防衛のために周辺の飛行場を確保して、タリバン軍の逆襲に備える。・・・・まだまだマザリシャリフを完全占領できるほど、タリバン軍は無力ではない。皆さんも、その通りと思いませんか。まだラマダンまで6日間ある。それからマスコミの方に勝手にアドバイスするが、マザリが陥落したらすぐにカブール攻略とはならない。まずはマザリの占領を守り抜くことが最重要である。また仮に北部同盟がカブールを攻略しても、タリバン後の合意が出来ていないので権力の空白が生まれるし、カブール占領後の補給もできない。カブール攻略は来年の春以降の作戦です。今はタリバンをカブールからマザリ奪還に来させないための防衛と攻撃あるのみ。タリバン軍は北部同盟の戦力と配置を探るために、今は偵察部隊を投入して活発に探っている段階です。
警察庁 サブマシンガン1400丁を配備(サンケイ 11月9日 夕刊) [要約]警察庁は原子力発電所など重要防護施設など抱える茨城県警など28都道府県警の機動隊銃器対策班や特殊急襲部隊(SAT)と、情勢によっては他の本部への配備分を含め、1379丁のサブマシンガンを緊急テロ対策費として計上した。(防弾装甲車27両も予算請求)

[コメント]この銃はドイツ製のMP5になるだろう。すでに警察SATにはMP5が配備され、訓練も行われていると聞いたことがある。となれば、今後は警察機動隊も9ミリ拳銃を装備することになるのだろうか。MP5と弾が共通化するからだ。警察庁は最初、サブマシンガンではなく自動小銃を検討したが、威力が強すぎて見送ったそうだ。警察官が89式5.56ミリ自動小銃を持った光景を想像すると、結構、怖いものを感じる。写真はMP5サブマシンガン。弾倉に30発の9ミリ弾が装填できる。射撃時のブレが少なく命中率が良いのが特徴である。
「戦果に満足」米中東軍司令官がアフガン攻撃に自信。マザリシャリフ攻略を優先 (CNN 11月9日 CNN.co.jp) [要約]フランクス米中東軍司令官が8日、国防総省で記者会見し、約1カ月に及ぶ作戦の成果に満足していると述べ、軍事行動が手詰まり状態にあるとの見方を否定した。 米英軍の軍事行動は順調に進んでいることを強調した。 戦況については、「マザリシャリフに関心がある」と述べ、反タリバン勢力の北部同盟が、北部の要衝マザリシャリフを奪回すれば、ウズベキスタンからの陸路が確保され、部隊展開や物資輸送が可能になるとの期待を示した。

[コメント]
この会見を聞くと、やはり米英軍はテルメズ(ウズベク)からマザリシャリフの陸路を確保する作戦のようだ。そうならタリバンの行動が制限される積雪期が狙い目である。積雪の平面はタリバンの動きを監視しやすいからだ。重要な地域周辺には監視資材を設置する。雪原なら赤外線探知や夜間暗視鏡の精度も上がる。ただし降雪時には精度が落ちるので、戦場監視ドプラーレーダーやJSTARSの設置や運用も必要である。あと数年すれば、米英軍はマザリシャリフの攻防戦で雪原をこのように活用したなんて戦記本がでるだろう。昨夜、マザリシャリフ周辺の航空地図(100万分の1)を見ていたら、マザリシャリフから約100キロ離れた西と東の2箇所に飛行場を見つけた。テルメズ(ウズベク)の飛行場、アフガン北部の3飛行場、それに調査中のタジクの3飛行場と合わせると、アフガン北部の航空戦力は冬季の間に画期的に向上する。それにアラビア湾に空母1隻を追加配備である。私には米軍が苦戦しているとは思えない。タリバンが頑張っているとも思えない。これからも米軍は圧倒的な勢いで、ただタリバン戦力を叩き潰すだけのシナリオである。軍事作戦とはそんなものと知っていても、本当にこれでいいのかと不安になることもある。
米対テロ攻撃 多国籍軍化 米、戦果見えず戦略転換 (読売 11月9日 朝刊) [要約]米国は英国以外の協力をやんわりと拒んできた。これは英国以外が空爆に加われば、米軍が自らが望む軍事作戦が展開できないという懸念があったからだ。コソボ空爆で米軍は多国籍軍に配慮しながら戦闘した経緯があった。しかしここにきてNATO軍などを中心にした軍事行動参加を受け入れるようになったのは、ブッシュ政権がなかなか戦果の上がらない軍事行動に、米国内外から不満やいらだちが高まり、それを諸外国軍の反テロ参加で支持を取り付けようと戦略転換したからである。しかし米国は極めて微妙な指揮・統制が要求される特殊作戦については、今後も米英両軍で実施すると見られている。

[コメント]この記事については、私は事実を的確につかんでいると思うが、戦略を転換したという部分だけは間違いではないだろうか。米政府は最初から、空爆の初期段階は米英軍が独自でやる予定であったと思う。私はこれを、「今の段階での援軍は邪魔、邪魔をするだけ」と話してきた。空爆の目標選定は心理戦要素の強い空爆にあり、誤爆などで一般の人にも犠牲がでると予測できたからだ。また多国籍に頼るほど、空爆の目標がないからだ。むしろ米英軍は最初から、今の段階での同盟軍の投入を計画していたと考えるほうが常識的である。米国は同盟軍投入で国内外の支持を確かなものにしたいという面と、これからのテロ発生に同盟軍の参戦でリスクを分散したいという面もあると思う。なんといっても多国籍軍化の最大の目的は、将来、米軍が大規模な地上戦部隊を送り込むとき、「米英軍が単独で行っている戦争」というベトナム戦争のようなイメージを払拭したいからだ。例えば、米国が売られたケンカに多国籍軍が応援に駆けつけてくれた。その連中がアフガンでタリバン相手に苦戦している。よし、それなら米軍は大規模地上軍を派遣して、一気に攻めてタリバンに引導をわたしてやる。(イスラム教なら引導とは言わないか) そんな戦争のシナリオを考えているようだ。図は読売新聞の11月9日 朝刊に掲載されたもの。
アフガン北部戦線こう着状態 見えぬ[空爆の先」 「米の意図わからぬ」北部同盟 (朝日 11月8日 朝刊) [要約]北部同盟のドスタム将軍が率いる部隊がマザリシャリフの南に迫った。しかし現地は冬を迎え、兵員や物資の移動がままならなくなっている。楽観できる状態ではない。北部同盟は当初、首都カブールを奪う意図を公言していた。しかしカブール攻略戦がこう着状態になり、マザリシャリフ攻略という長期戦覚悟の戦略に転換した。その後に、米軍はカブールのタリバン前線に空爆を強化した。北部同盟の幹部には、「米軍の意図がわからない」という声がある。また北部同盟の幹部は、タリバンを支えてきたパキスタンとの関係を重視する米国に不信感をぬぐえないでいる。

[コメント]この記事は、現在のアフガン情勢を的確に伝えてきていると思う。しかしアメリカのアフガン戦略は当初からまったく転換していない。最初に描いたシナリオ通りに進んできると断言できる。当初から米軍には北部同盟のカブール陥落など予定になかった。アメリカは北部同盟に将来のアフガン政権の中枢を担わす気などまったくない。ここではっきり意識することは、アメリカにとってパキスタンと北部同盟のどちらが重要かといえば、パキスタンとしか言いようがないのだ。これを他の例に例えるなら、パキスタンとアフガンの地政学的な関係は、日本と韓国の関係と同じである。アメリカが日本という戦略拠点を失えば、朝鮮半島で韓国を支えることはできない。即、韓国は中国やロシアの影響下にはいることになる。それは同時に、アメリカが日本という軍事拠点を失えば、東アジアもしくは西太平洋での影響力を失うという地政学なのである。だからアメリカはロシアやイランやインドなどの手垢にまみれた北部同盟を、アフガン政権の主役にすることはできないのだ。ならばアフガン(タリバン崩壊)後を考えて、北部同盟が主体の組織とパシュトゥン人を含む連合政権のどちらが重要かと言えば、それも間違いなくパシュトゥン人を含む連合政権といえる。このことはロシアも、将来は北部同盟がこの地域で軽視されることを承知しつつ、アメリカのアフガン作戦に北部同盟軍の活用を認めているのだ。(ロシア兵を送るよりいいやという程度の認識) 日本のマスコミは従軍取材可能な北部同盟の見解を多く引用するから、やれアメリカの戦略が転換したとか、予想外にタリバンが強く北部同盟軍が弱かったという「言い訳記事」を書くはめになる。今のアフガン戦争の主導権はアメリカが握っている。この戦争の主導権をだれが握っているか見失わないようにしよう。このようにマザリシャリフ攻略戦を含め、アフガン戦争はアメリカのシナリオ通りに進行している。地図はアフガン北部の戦線。マザリシャリフとカブールの主要な交通路はヒンドゥークシ山脈により渓谷や峠で制限されされている。このことも米軍がマザリシャリフを最初に陥落させる重要な目的を持っている。地図は同日の朝日新聞から。
米特殊部隊4000人を増強 ビンラデイン氏がアフガン南部に潜伏の情報 (読売 11月7日 朝刊) [要約]米軍はビンラデンがアフガン南部に潜入しているという情報を入手した。このためパキスタンに駐留する米特殊部隊の隊員を1600人から4000人に増強し、ラマダン前にビンラデイン氏の拘束を目指して、大規模な地上作戦に踏み切る計画であることがわかった。カンダハル北方には洞穴が多く、ビンラデン氏が潜む可能性が高いという。

[コメント]これもマザリシャリフ攻略に際して、カンダハルのタリバン勢力が支援に駆けつけさせないための陽動(謀略)作戦である可能性が高い。特殊部隊4000人程度の兵力では、確実な後方支援や航空支援を得れないことを考えると、ビンラデイン拘束に必要な戦力とはなり難い。それほどアメリカはあせっていないと思う。まずはマザリシャリフを確実に攻め落とすことである。もし米英軍がマザリシャリフ攻略に失敗すると、世界はアメリカが意図したものとは別な方向に進み始める可能性がある。
中国 新鋭の通信傍受部隊 アフガン国境に配備 米「戦術漏れ」警戒 (サンケイ 11月7日 朝刊) [要約]中国人民解放軍は新鋭の通信情報(SIGINT)部隊を台湾海峡からアフガンに近い新疆地区に移した。これはビンラデンの通信を傍受して、アメリカに協力をするためというが、米軍の各種部隊の通信を傍受して戦術的な動きを捕そくすることも可能だ。むしろ米軍は中国に「戦術漏れ」を警戒している。

[コメント]軍事ではこの程度の厚かましさは常識である。アメリカだって同じことをやっているのだから文句は言えない。中国にとっては、米軍のRMAを知る絶好のチャンスと張り切っているだろう。移設場所が新疆ウイグル地区なら、アフガン北部戦線を探る最前の特別席である。こんどは米軍が装備している無線機の秘話装置の優劣が重要になってくる。中国がどこまで解読するか、非常に興味のあるところだ。
国連 空前の物資代輸送 米に攻撃中断期待 (毎日 11月7日 朝刊) [要約]国連によるとアフガン国民2600万人のうち600万人、戦争のため生存の危機に直面し、老人や病人、女性、子供が、次々と餓死、凍死する危険がある。それを救うために国連では、史上空前の大規模救難作戦を実施する計画である。特に状況が厳しい北部では陸路や河川を使った輸送のほか、4000メートル級の山が連なる山岳地帯には、積雪のため輸送機を使った食糧の空中投下も必要である。国連関係者はそのためにも、冬季の期間に一時的でも米軍に攻撃中断をして欲しいと訴えている。またタリバン側にも国連救難機を攻撃しないように確約を求めている。しかし今はそれらを強く求める状況ではないという。

[コメント]タリバンの指揮・命令系統は空爆で破壊されている。ならば山間部のタリバンに、航空機からラジオと無線機を投下する。その袋にはイスラムの赤十字である緑の三日月のマークを入れる。そしてラジオ放送で食糧投下を呼びかける。もしタリバン側が承諾なら、投下する位置に鮮やかカラーの煙幕をあげてもらう。その指定した位置に食糧を投下するのである。事前のインフォメーションを行って了解をもらい、投下時間と投下場所の指定をしてもらう。それらをタリバン側にゆだねるのである。ラジオといっしょに投下した無線機は、現地の国連職員と通話できるようにしておく。今はこの方法しかないと思う。援助物資投下はタリバンの支配地域でも行われる。タリバンに対しても公平に行われるということである。ただ心配なのは、タリバン側が国連を非難していることである。しかし何もやらないより、だめでもこれしかないならやってみるべきだ。米軍の攻撃中断は、国際世論を高めれば実現する。攻撃中断は1週間でもいいのである。攻撃中断要求を無視すれば、アメリカに対する風当たりは強くなることを覚悟してもらう。地図はアフガン北部での国連の救難物資輸送計画を示したもの。すでに韓国やフランスから輸送機の提供を受けている。この地図で特に注目したいのは、国境の町テルメズからマザリシャリフ周辺の難民キャンプには物資を空輸をすることになっている。テルメズからマザリシャリフまでの輸送道路を米英軍は確保しない作戦の様である。
米軍 コマンド・ボール爆弾(大型特殊爆弾)を投下 (NBC 11月6日)  [要約]アメリカのNBC放送は、米軍がアフガニスタンでBLU−82爆弾を投下したと報じた

[コメント]この爆弾は通称「コマンド・ボールト」と呼ばれる重量15000ポンド(6.8トン)で、ベトナム戦争時代にジャングルなどに投下して、緊急のヘリポートなどを作るときにしよう使用された。この爆弾の今回の使用目的は、タリバン兵士に強い恐怖心を与えるためである。この爆弾が爆発すると、地面に巨大なクレーター(緊急のヘリポート)ができるほど強烈である。強烈な爆風、振動、轟音などと、きのこ雲を上空に吹き上げる。アフガンでは心理的な圧迫を与えるために使用された。この爆弾を投下するときは、パイロットは投下時に急激に機体が上昇(跳ね上がる)するために、Gによって失神しないような対策が必要である。じゅうたん爆撃といいコマンド・ボールトといい、アメリカの空爆の8〜9割は心理戦(恐怖心を与える)のために実施されている。別な言い方をすれば、これから始まるマザリシャリフ攻略戦に、カブールやカンダハルからタリバン軍の援軍を送らせないためである。コマンド・ボールは湾岸戦争でも使用された。BLU−82爆弾は燃料気化爆弾ではない。(固体や液体が気体にならない) 情報が混乱しているようだ。写真はBLU−82超大型爆弾と同種のもの。投下はCー130輸送機を使って行われる。輸送機は爆風を避けるために、爆弾にパラシュートを装着してゆっくり落下させる。
北部同盟が7000人の大規模演習を実施(毎日 11月6日 朝刊) [要約]カブールの北方にある軍事拠点ジャバルサラジで、北部同盟軍は戦車、装甲車300両と兵士7000人が参加して大規模演習を実施した。ラバニ前大統領の演説の後、激しい砂嵐が舞う中、タリバン軍に見立てた丘を戦車が砲撃、十数人の兵士が丘を駆け上がり、頂上を攻略する演習を行った。(CNNによれば、これらの兵士は演習後にマザリシャリフに向かうという)

[コメント]この演習といわれる丘への攻撃をテレビで見たが、これが7000人参加の大規模演習?という気持ちになった。演習というより、戦闘をしらない大半の新米兵士に、こうやって戦闘をするんだよ、と教えるためのイベントではなかったか。あれでは丘を駆け上がった北部同盟軍の兵士は全滅である。ところでマザリシャリフの攻防戦に関して、先日(11月4日)のこのコーナーで、タリバンはマザリシャリフに攻勢をかけてきた米英軍にいろいろな仕掛けを残して撤退し、米英兵がマザリシャリフに入ったところで逆襲し、航空支援を受けれない状態の市街戦に持ち込む作戦と、タリバン側の作戦を分析した。すると次のようなことが考えられる。このタリバン軍の作戦に関して、その次の米英軍の対抗策(作戦)である。まず米英軍と北部同盟はマザリシャリフに一気に突入しない。タリバンが撤退前にマザリに残した仕掛けの中には、市街地に武器を隠したタリバン兵を潜ませて残す手があるからだ。マザリシャリフに入ってきた米英軍と北部同盟軍を内と外から襲うのである。そのため、米英軍はまずウズベクとアフガンの国境からマザリシャリフまでの交通路(補給路)を確保して、マザリシャリフの周囲を取り囲む作戦を考える思う。そして郊外に新たな難民キャンプを設営する。このマザリ包囲網にタリバン側が攻撃を仕掛ければ、地上センサーやJSTARSで感知し、B−52爆撃機や攻撃ヘリなどの航空支援を受けて撃退する。攻撃してきたタリバン側には市民が含まれていないので、米英軍の反撃はやりやすい。また北部同盟軍をマザリシャリフに入れないのは、略奪や虐殺を行う危険があるからだ。そうして新設の難民キャンプにテントや暖房器具、食糧や医薬品を揃えマザリの市民を誘う。むろん難民キャンプに入る時には、市民に厳重な武装チェックが行われる。こうして冬の厳しい寒さを利用して、マザリシャリフに残ったタリバン兵士とマザリ市民の選別を行うのである。米英軍は補給路(約60キロ)の確保、マザリ包囲網の維持、難民キャップの設営と警備を行えば、春までにマザリシャリフ一帯の支配が可能になる。こういう作戦の立て方は、RMAを基礎にした新しいタイプの攻略法(作戦)なのです。すなわち今までの兵器や戦術ではできなかった作戦なのです。RMAが戦争を変える。これがその一例です。(どうして今まで出来なかったのかという疑問は、もしRMAが行われていない部隊でこの作戦が可能かどうか考えてください。冬季に数万人で60キロを確保できますか。敵の支配地区で都市を包囲できますか。今の兵器で殲滅を目的としない攻撃が可能ですか。) むろん冬の期間も、カブールやカンダハルに絶え間ない空爆や地上攻撃が行われます。そして決戦の春を迎えることになります。今日の講義はこれでおしまい。写真はUH−60ブラック・ホークで空輸される地対空ミサイル搭載の「アウェンジャー」。今後は空輸できる兵器の重要性がますます高まる。
米英軍 数週間以内に地上軍をアフガン北部へ 人道援助目的 (CNN 11月5日  CNN.co.jp) [要約]英紙サンデー・タイムズは4日、数千人の米英軍地上部隊が数週間以内に、ウズベキスタンから国境を越えてアフガニスタン北部に展開すると伝えた。ウズベク国境から北部の要衝マザリシャリフまでの一帯を制圧し、人道援助の前線本部を設けるのが目的だという。米第10山岳師団に、英国の海兵隊と特殊部隊が加わる。いずれも冬期の戦闘の訓練を積んでいる。制圧に当たっては、基本的には米英軍は北部同盟の攻撃を後押しする役割だが、タリバン軍との直接戦闘も想定されている。タリバーン軍を掃討した後、食料、衣料品、医薬品などの配布に乗り出すほか、難民キャンプを設ける。軍事行動の中心を、空爆でのタリバン拠点破壊から人道援助へ移すことによって、イスラム諸国での反発を和らげる目的があるとみられている。

[コメント]
数千人の実数だが、限りなく1万人に近い数千人である可能性が高い。この情報によれば、米海兵隊が含まれていないが、やはりアラビア海の強襲揚陸艦「ペリリュー」の海兵隊は、寒冷地訓練とその装備をもっていないようだ。(しかしラマダン前という制限がなくなったので、今、パキスタンで寒冷地訓練を行っている可能性もある)。米海兵隊の2000人という兵力は、米中央軍司令部からすると喉から手が出るほど欲しい兵員数だ。それで作戦開始を数週間後に設定し直して、米海兵隊も投入する作戦に変えたのだろうか。ラマダン枠を切り離せば、それも可能になる。このあたりの情報はまだない。(これまでの分析、当たったと思いません。やっぱりでしょう。)
米軍、タリバン前線部隊に激しい空爆 (CNN 11月5日 CNN.co.jp) [要約]米軍は4日、首都カブール北方と北部マザリシャリフ周辺のタリバン軍前線に対し、激しい集中空爆を加えた。空爆はこれまでで最も激しいものだった。 カブール北方の空爆では、「タブク」という名前のアラブ人司令官が死亡した模様。負傷者の多さにタリバンは、民間人に車やトラックの提供と、負傷者の運搬を依頼したという。カブール市内では、走行中のトラックにミサイルが命中し、タリバン兵9人が負傷した。 空爆は、北東部のタジキスタン国境近くのタリバン軍にも加えられた。この空爆にはB52戦略爆撃機が使われた。

[コメント]毎日、毎日、「これまでで最も激しい空爆」と報道されると、米軍がガンガンとタリバンを殴りつけている印象が強くなる。最近の空爆は飛行場や弾薬庫などの軍事施設から、タリバン部隊に目標が変わってきたようだ。それも私はまだ、マザリシャリフの総攻撃を成功させるための空爆と思っている。カブール方面での空爆は、マザリシャリフに援軍を出させないための予防処置である。2次的に考えても、タリバンを壊滅させるための空爆というより、空爆で心理的な恐怖心を与えようとしているといるのではないか。タリバン軍の指揮と情報を混乱させ、無力感を味あわせるための空爆である。写真は11月3日の空爆を受けるカブール郊外の村。爆撃の煙に覆われている。背後の山はタリバン軍が軍事拠点として使っていた山で写真は11月3日の空爆を受けるカブール郊外の村。爆撃の煙に覆われている。背後の山はタリバン軍が軍事拠点として使っていた山ではないか。衛星写真で見た郊外の山には、多くの地下施設が写っていた。(フラッシュ誌に掲載された)はないかと思う。衛星写真で見たカブール郊外の山には、弾薬庫らしい多くの地下施設が写っていた。(フラッシュ誌に掲載された)
タジク 米軍に3基地提供 アフガン空爆 北にも拠点 (読売 11月5日 朝刊) [要約]先日の3,4日の両日、ウズベキスタンとタジキスタンを訪問したラムズフェルド国防長官は、タジキスタンから同国南部の3基地提供を了承された。使用用途を限っていないので、アフガン空爆に使用できる。米軍はすでにウズベクの基地にも出撃基地を築いているので、これでアフガンに向けた攻勢体制が一段と強化されることになる。

[コメント]タジクの基地は、ソ連時代にアフガン侵攻時に使用した基地だそうだ。基地とは不思議なもので、地図を見ているだけで位置が見えてくる。それだけ地形(自然)や道路の影響を受けやすい。だれが基地を作っても、その場所にしか作れないのである。アフガンとパキスタン国境付近の航空地図で見ても、そのような基地(航空)が各所にあるのに驚いてしまう。ところで私は、同時多発テロが起きるとすぐに三省堂書店(神保町)の2階にある地図専門コーナーに駆けつけた。そこでアフガンを中心に周辺国を含めた100万分の1と200万分の1の航空地図を買った。その地図のおかげで、メデアに登場する地名だけで基地の位置を正確に特定でき助かった。(素早く対応してくれた地図担当売り場の橋本さんに感謝) 先日、テレビ局の取材クルーが、「アフガンの地図がない」と嘆いていた。ところでアフガンに入った米軍特殊部隊はどこが作った地図を持っているのだろうか。あれだけ素早い空爆開始や特殊部隊の投入を見ると、アフガンの地図を常時更新していたのだろうか。それともパキスタンの統合参謀本部情報局(ISI)から、地図の提供を受けたのだろうか。アフガン誤爆の原因にひとつに、ISIのミスインフォメーションの可能性はないだろうか。ISIは今もタリバンに武器・弾薬を密輸している可能性があるという。ある種の人にとって戦争は儲けるチャンスなのだ。アフガンの地図からは、そこに載っていないものも見えることがある。写真はタジキスタン訪問後に向かったパキスタンで、ムシャラフ大統領と会談するラムズフェルド国防長官。ラムズフェルド国防長官はラマダン中の攻撃に理解を求め、ムシャラフ大統領はタリバン後の政権にタリバン穏健派を含める案を復活させた。
米大統領 ラマダンも攻撃続行。 タリバンも戦闘継続を決定 (毎日 11月4日 朝刊) [要約]ブッシュ大統領は今月中旬から始まるラマダンの期間中も、米軍はアフガニスタン攻撃を行うことを表明した。ブッシュ大統領は「敵もラマダン中は休まないだろう。我々もだ。目的を達成するまで戦争を続ける」と決意を語った。タリバンのオマル師側近もアラビア語衛星テレビ「アルジャジーラ」に、タリバンはラマダン中も米国と戦闘を継続することを決めたことを表明した。

[コメント]これでラマダン期間中の戦闘継続が確実になった。これでどちらが得をしたかといえば、私は米軍側が有利になったと思う。米軍はラマダン前にマザリシャリフを占領し、もしタリバン軍が逆襲を試みようとする動きがあれば、ラマダン期間中でも攻撃を加えるという作戦だと思っていた。これに対しタリバン側の作戦としては、わざと北部同盟や米軍にマザリシャリフを占領(タリバン勢が一旦はマザリシャリフを撤退する)させ、逆襲で北部同盟占領下のマザリシャリフに浸透し、空爆の支援が得にくい市街戦に持ち込んで戦う作戦をとると予測していた。航空戦力などが優勢な米軍と戦うには、タリバン軍が正面で受けとめていたら大きな損害を受ける。そこでマザリシャリフにいろいろな仕掛けを残して撤退し、逆襲でマザリシャリフへの交通路を断ち、占領中の北部同盟と米軍の殲滅を狙う作戦である。これをタリバンにやられると、兵員数が少ない米軍特殊部隊は深刻な脅威にさらされることになる。なんとしても米軍は兵員数を増やして、マザリシャリフ攻撃を開始したいと考えていたはずだ。そのような状況の中で、ラマダンの制約がなくなったから米軍が有利になったと思うのである。もしマザリシャリフのタリバン勢力が1万〜1万5千人であるなら、最低でも米軍の五千〜1万人と北部同盟軍1万〜2万人の兵力は必要になる。とにかく米軍は一人でも多くの味方が欲しいのと、北部同盟に十分な弾薬を与えておく必要がある。そのためにはラマダンに関係しない時間が欲しいのである。私が16〜17歳の頃の戦闘訓練では、最後の突撃で敵の丘を占領すると、息も絶え絶えなのに敵の逆襲に備えて、背中のエンピ(小型スコップ)で穴を掘らされた思い出がある。中国戦線で実戦の経験がある教育隊長(中隊長)の指導だった。こんなことを今の自衛隊でもやっているんでしょうか。
米軍、新型偵察システム搭載機を投入へ(CNN 11月3日 CNN.co.jp) [要約]ワシントン――米軍筋は2日、対アフガニスタン攻撃で、新型の「統合目標監視攻撃システム」(JSTARS)搭載機を投入して、タリバン軍の動きを監視することを明らかにした。同機投入について米紙ワシントン・ポストは、北部マザリシャリフと首都カブールに対して、米軍に支援された北部同盟軍が侵攻する兆候だと報じた。米軍は、2万メートルの上空から45キロ先までの映像を送ることができる無人偵察機「グローバル・ホーク」をすでにアフガン周辺に展開させており、JSTARS機と合わせ作戦に使う。タリバン軍の動きをリアルタイムで地上に送り、地上作戦を支援する意向とみられる。

[コメント]湾岸戦争の時は開発中のJSTARS(ジョイント・スター)を急いで投入した。それでも地上偵察には想像を絶する威力を発揮したという。胴体下に取り付けられた凸状のものが、合成開口レーダーである。これはJSTARSが飛行した距離が、そのまま巨大なアンテナとなるという探知システムで、これで地上のあらゆる動きを探知する。米陸軍と米空軍が共同開発した空飛ぶ「電子の目」である。50キロ以内なら、地上を走る(停車中も)車両の形(車種)や、向いている方向も探知する。されに短距離の地対地ミサイルを誘導できる能力も秘めている。はるか後方の地上戦闘指揮所にデーターを送り、そこから地上の目標に対して対地ミサイルを誘導できるのである。これで危険な偵察部隊の投入は必要がなくなり、特殊部隊の任務が軽減される。今回のJSTARSの任務は、マザリシャリフの総攻撃に活用されることと、カブールからマザリシャリフにタリバン勢の援軍が駆けつけないように牽制することである。それからJSTARSが全天候であることも重要だ。航空攻撃は天候に左右される。しかしJSTARSは悪天候でも、夜間でも作戦への投入が可能である。湾岸戦争では地上監視能力を発揮した。今回はさらに発見した目標(タリバン)に、短距離の対地ミサイルの誘導能力を発揮させる作戦だと思う。いよいよマザリシャリフでRMA(軍事革命)の実戦実験が始まる。写真はボーイングE−8 JSTARS機。1機の価格が約1200億円という。Fー15戦闘機の10機分である。</