| 日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。 |
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この情報の最も新しい更新日は10月31日です。 |
| カシミール ”国境”開放 印パ合意 5カ所の往来認める 来月7日 信頼醸成へ前進 インド首都テロに決裂せず 両国、和平を優先 (読売 10月 31日 朝刊) |
[概要]パキスタン大地震で大きな被害を受けたカシミール地方で、印パが支配する実行上の支配線(国境)の5カ所を、11月7日から開放することが決まった。これは対立していた印パ両国が信頼醸成に向けた大きな前進となる。これによってインド側の3カ所に作られた援助物資配給所にパキスタン側から行けるようになり、パキスタンにはインド側から5カ所の場所を通り、地震で被災した親族などを見舞うことが可能になる。ただし交通手段は徒歩に限られる。 ニューデリーの爆弾テロが悪影響を与えることが危惧されたが、インド人の中にカシミールのイスラム過激派は、パキスタン政府の意に反して活動しているという認識が広まってきたため、インド側から強い拒絶意見はでなかった。 [コメント]スマトラ大地震で大きな被害を受けたアチェでは、政府軍とゲリラの間で和平が合意され、政府軍はアチェから撤退を行っている。これでカシミールでも停戦や和平が合意されれば、大災害は戦闘を終結させるチャンスだということになる。戦争は人間が作り出す大きな災害だが、自然の災害に比べたら小さな災害でしかないということか。 もし北朝鮮に大地震が発生したら、北朝鮮に大水害が起これば、さらに北朝鮮に鳥インフルエンザで多くの人が被害を受ければ、そのような危機に政権がマヒして動かず、周囲の国や国連などから救援部隊が入れば、一気に体制が崩れる可能性があるということだ。いくら軍事力で圧力を掛けても崩れなかったものが、自然の大災害で崩れる可能性もある。 カシミール問題が片づけば、インドとパキスタンは交通や交易の交流が加速される。パキスタンはかつてのアフガン戦争(対ソ連)で反ソ連の軍事拠点として使われた。今もその名残が強く残っている。しかしタリバンなどの影響力が低下していくと、インドとの交易で新たな富が生まれてくる。インドとパキスタンの友好を高めことは、アメリカのアフガン、イラン戦略で非常に重要なことである。 私が予測していることだが、来年からはアフガンに大きな戦力が再投入されると思っている。その詳しい説明は次の機会にする。 |
| CIA疑惑 副大統領補佐官 起訴へ ブッシュ大統領 指名撤回に続き失点 (読売 10月29日 朝刊) |
[概要]ブッシュ大統領は連邦最高裁判事に指名したマイヤーズ大統領法律顧問を、わずか24日で指名撤回して自らの威信を失墜させた。 さらにCIA工作員の実名を漏洩したとして、チェイニー副大統領のルイス・リビー主席補佐官が起訴される見込みとなった。この情報漏洩事件はイラクの大量兵器開発疑惑で、元駐ガボン米大使がブッシュ政権を批判したため、この元大使の妻はCIA工作員として有力メディアに暴露し報復したもの。ルイス・ルビー主席補佐官は大陪審の証言で偽証したため起訴される。この記事を書いた記者は、ルビー副大統領補佐官とカール・ロープ大統領次席補佐官が情報源だったと認めている。ロープ補佐官はブッシュ大統領の右腕的な存在で、ブッシュ政権は「非常事態」の様相を呈している。 [コメント]ハリケーン被害でブッシュ大統領に批判が高まっている。イラク占領統治では戦死者が2000名を越え、イラク戦争の意義を疑問視する声が高まっている。そこに政権内ネオコンのリーダである副大統領主席補佐官が起訴(情報漏洩罪ではなく偽証罪)されるという危機に襲われる。これはイラクの大量破壊兵器疑惑に匹敵する政治スキャンダルになる可能性がある。むろんチェイニー副大統領の責任もこれから厳しく追及されされる。 もしブッシュ大統領が有効な対抗策を出せなければ、ニクソン大統領のウォーターゲート事件のような事態に追い込まれるだろう。 それにしてもブッシュ政権のネオコンが、「フセインがアフリカのニジェールでウランを入手した」というニセ情報で世論操作を行い、それを批判した米外交官に報復するために、外交官の妻はCIA工作員という情報をリークするやり方に、ブッシュ政権(ネオコン派)の正体を見るような思いである。 もうアメリカはイラクで戦争を続けることは無理である。これで来年の中間選挙でブッシュ大統領が率いる共和党が大敗北する可能性も出てきた。共和党の議員たちにはそのような危機感が生まれてくることは間違いない。問題はそのようなブッシュ政権の失敗が、テロリスト達に勝利感を与えないか心配である。 だからこそイラクからの撤退時期と撤退方法が難しいのである。イラクからの撤退には、並みの政治家や軍人にはない高い見識が必要なのだ。それがアメリカに出来るかである。ネオコンなどには決してできない。しかし次の米大統領を待っていては、さらなるイラクの泥沼にはまることになる。 |
| 横須賀に次期配備の空母 原子力空母に決定 米国防省、本日にも発表 (NHK 10月28日 朝7時のニュース) |
[概要]横須賀に配備されている空母キティーホークが3年後に退役することに伴い、次に配備される空母は原子力推進艦とすることを決定した。これは本日中にも米国防省から正式に発表される。しかし地元横須賀の反発は高まることが予想される。 [コメント]今朝7時のニュースで、今は入ってきたニュースとしてトップで報じられた。地元の横須賀市(神奈川県)では、米国防省に原子力空母ではなく通常型の空母の配備を求めていた。しかし国防省の決定は原子力空母と決まった。 原子力空母の利点は大量の燃料を搭載する必要がないため、その分を兵器や弾薬を多く搭載できることと、燃料の消費(交換)を考えないで高速・長時間の航行が可能になることだ。だが建造費は通常型の約2倍と言われている。しかし今後はイラクのような大規模戦争を想定することは難しく、空母の活用は紛争地の海域に出動して、紛争が大規模に拡大することを防ぐことが重要な任務になる。そのために横須賀という前方展開と、原子力推進という利点を考えての決定と思う。 すでにハワイでも新しく空母を配備させる準備が進んでいる。ハワイの州知事も空母受け入れを表明した。横須賀に配備された原子力空母は、通常の修理や改修は横須賀のドライドッグで行うが、原子炉の点検や燃料の交換はハワイで行うことが考えられる。 ここで問題になるのはやはり地元の対応である。日本人にとって原子力空母というイメージが非常に悪いからである。横須賀市としては原子力空母の母港というイメージを嫌っている。しかし横須賀にはすでにアメリカ海軍の原子力潜水艦(SSN)が日常的に寄港している。そのことを理由に原子力空母の配備が強行される可能性がある。 では横須賀は米空母にとって住み心地が良いかと言えばそうでもない。それには2つの原因があげられる。ひとつは横須賀が羽田空港に近いことである。9・11のように旅客機が乗っ取られて、寄港中の空母に自爆テロを行うリスクがあることだ。もうひとつは目の前に浦賀水道がある。東京湾に出入りする大型タンカーなどの船舶が、昼夜を問わず頻繁に通過する浦賀水路が目の前にある。もし大型タンカーなどがテロリストに奪われ、横須賀港内に自爆テロを仕掛けてくるリスクである。そのようなことは米海軍も予測し対応に頭を痛めているという。 ともあれ3年後である。3年後には横須賀の空母艦載機を厚木から移転させる岩国基地の埋め立て工事が完了する。アメリカは小泉首相の在任中に重要課題のトランス・フォーメーションを日本に承認させたいと考えているようだ。この前の総選挙で大勝した今が絶好のチャンスと判断したような気がする。 |
| 普天間移転合意 米、浅瀬案を断念 県幹部「環境問題厳しくなる」 (琉球新報 10月27日 電子版) |
普天間移転の日米合意を受け、沖縄県幹部は「大浦湾埋め立て、浅瀬埋め立てとともに過去に検討し、実現困難として消えた案だ。合意案が浅瀬にせり出すことことで、サンゴや藻場の保全が難しくなる。さらに課題を抱えることになり、早期移転にもならない」と強調した。
東京の全国紙でもすべてが指摘しているが、この合意案を沖縄の県庁サイドや、名護の人々をどのように説得するかが問題である。防衛庁は米側から合意を勝ち取ったと喜んでも、まだまだ決して完全な成功ではないのである。 さらに問題がある。それは今後5年間のことである。防衛庁の考えでは、順調に事が推移して5年後に新施設の完成である。(遅れる可能性もある)。その5年間に今まで通り普天間基地に隣接する人々は、米軍のヘリなど航空機の事故や事件の危険にさらされることになるのか。 新基地建設が県庁や反対派住民の抵抗で遅れたとする。そして普天間で大きな航空機災害が起これば、それは反対派の責任とされるのだろうか。それは巧妙な責任転嫁であると思うし、圧力になる。 私が何を言いたいかといえば、キャンプ・シュワブの新基地建設とは別に、普天間基地の役割を臨時でもいいから別の基地に振り替えるべきということである。新基地が出来るまでと言い訳し、普天間基地の危険を放置するなといいたいのだ。 この地元紙の記事が指摘しているように、地元の合意を得ることは簡単ではない。その間だけ、もし5年とか10年と使用期限を限定すれば、下地島の空港を使うことはできないか考えた。むろん下地島空港を軍用に使わないという地元との協定があることは知っている。だから緊急避難的に期限を切って、普天間基地の訓練の一部に限り、下地島空港を使用させてもらうのである。 それなら中国の軍事的な反発も抑えられると思う。東シナ海の軍事的な緊張を高めることにならない。とにかく普天間基地周辺の住民を人質にとった形で、キャンプ・シュワブの新基地建設の説得を推し進められると、政府と住民との間でさらなる不信と摩擦が生まれるような気がしてならない。そのことを防ぎたいのである。 再度いうが、この問題は第2の成田問題に発展する危険性を含んでいることを知るべきだ。これからが正念場である。 ※ http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-7882-storytopic-3.html ※ http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-7883-storytopic-3.html (注) 図下は滑走路と駐機場を含めた埋め立て図。大浦湾を大きく埋め立てることになる。琉球新報のウェブ・サイトより。 |
| 米軍再編 中間報告 座間に統合作戦司令部 パトリオットPAC3の配備も 自治体反発、調整は難航 (産経 10月26日 朝刊) |
[概要]日米両政府が米軍の変革・再編(トランス・フォーメーション)で策定する「中間報告」の全容が明らかになった 第1部でテロや弾道ミサイルの脅威に対処すると指摘している。 第2部では日米の共同対処能力の向上で、互いの役割分担に言及し、具体的に無人機航空機や高速輸送艦での協力体制などを挙げている。国際安全保障環境の改善では、昨年末のインド洋大津波のような協力活動を重視するとしている。 第3部では、第1軍団司令部を座間(神奈川県)に移転し、拠点司令部(UEX)を設けるという。また、座間には陸自の「中央即応集団司令部」を設置し、朝鮮半島有事や台湾危機に備え、米軍の相模総合補給廠を陸自と共同使用する。米軍の横田基地は空自の総隊司令部と共同使用し、米軍が行っている航空管制も自衛隊に移管すると記述した。岩国基地は3年後(平成20年度)に完成する沖合の新滑走路で、厚木の空母艦載機を移駐させ、民間共用化を検討すると明記。沖縄の第3海兵機動展開部隊の司令部をグアムに移転させるとしている。 この中間報告の解説記事で、これで日米の一体化は促進されるが、「一つでも潰れると全体がパンクする」(防衛庁幹部)という指摘もあるという。しかし機能強化が盛り込まれた基地を抱える自治体は猛反発しており、調整が難航必至という。 [コメント]東京で行われている普天間基地の移転先をめぐる日米審議官級協議では、浅瀬埋め立て案か沿岸案かの合意は出来ていないようだ。このように日米政府間であってもパンクする危険がある。その上、地元との調整が加わるから米軍のトランスフォーメーションには難産が予測される。また日米両軍の一体化といっても、将棋の駒を動かすように簡単にはいかない。米軍にとっては世界戦略の一部でも、日本にとっては基本戦略からの大改革である。日本(自衛隊)が対朝鮮半島戦略、対中国、対台湾、対ロシア、それにテロ対策やアジアの大規模災害まで含んで、国家戦略を再構築する変化となる。そう簡単には済ませて欲しくない。 それにしても、これだけ大きな政治課題が、新聞にリークされるだけの情報で推移してきたように感じる。国会できちんと在日米軍の再編問題が提議され、中身のある議論が行われたのだろうか。そのような不安を感じるのは私だけなのだろうか。 この記事で新しいことといえば、米軍の相模補給廠が自衛隊と共有化され、事前集積基地になる可能性があるという部分である。相模補給廠は横田に運べば空輸が可能で、横浜や横須賀に運べば海上輸送が可能な地にある。さらに首都圏に近いので、国内交通の便も申し分ない。また新聞の報道によれば、全国をカバーする陸自の即応部隊(800人)が相模補給廠に移駐してくる動きもあるという。これでますます相模補給廠から目が離せなくなった。 |
| イラク憲法案 あと1州「反対」なら否決 きょうにも開票結果 (朝日 10月25日 朝刊) |
[概要]イラクの新憲法案の是非を問う国民投票で、アンバル州での「反対」が97パーセントに達し、これで「否決」をした州が2つになった。(3つの州が否決すれば憲法草案は否決) まだ開票結果が出ていないスンニ派地域4州のうち、残り1州でも反対票が2/3を越えると、今回の憲法案は否決される。これで今日にも開票結果が発表される北部のニネベ州の開票結果が賛否を決めることになりそうだ。 ニネベ州はクルド人が多いため、反対票が2/3に届かないという見方があるが不透明だ。スンニ派地区で投票率が低かったディヤラ州は51パーセントが賛成している。否決はスンニ派4州のうちフセイン大統領出身のサラフッディン州(「82パーセントが否決)と、アンバル州の2つの州が「否決」した。 [コメント]北部のニネベ州で否決票が2/3を越えるか微妙だという。しかし万が一、ニネベ州で「否決」されても、アメリカは致命傷を負わない仕掛けがしてある。むしろ今回の国民投票では「否決」された方が都合のいい場合もあるのだ。 それは新憲法ではスンニ派が不利で排除されているという不満を解消できるからだ。スンニ派の投票で否決されても、それは同時にスンニ派が政治活動(投票)に参加したことになる。またその意志を表明した政治活動によって、新憲法が否決されたという民主的なイメージが生まれるからである。そのためわざと3州の反対で否決という仕掛けが組み込まれた可能性すら指摘できる。 今回は新憲法が否決されても、再度、一部を訂正して再投票にかけることも可能だ。要はスンニ派の大部分を新政府に組み込むことが重要なのである。その意味からすると、仮にニネベ州で否決されてもアメリカやイラクの暫定政府には強い危機感は生まれない。 このように選挙には負けてもいいから、スンニ派を戦闘から政治活動に誘導する仕掛けがしてある。 まあ、仮に国民投票の否決が3県に足りず、新憲法が承認されてもスンニ派には満足感が生まれる狙いがある。スンニ派4州の大多数が投票を棄権するような最悪の場合を想定すれば、2州や3州の否決など結果オーライで予測の範囲以内だということである。 ※ 新憲法の是非を問う国民投票で、ニネベ州で反対票が2/3に達せず承認された。(10月26日 追加記入) |
| イラク 米兵の死者 2000人に迫る (毎日 10月24日 朝刊) |
[概要]イラクの駐留米軍によると、ファルージャ近郊で21日、路上に仕掛けられた爆弾が米軍車両の近くで爆発し、米兵2名が死亡した。ロイター通信によれば米兵の死者は1996人となり2000人に迫った。 [コメント]今日にでもイラクで米兵の戦死者は2000人を越える可能性が高い。アメリカ国内でイラク戦争への疑問が高まる中で、この戦死者2000人という数字が持つ意味は大きい。マラソンで言えばちょうど折り返し点で、次はゴールという「イランからの出口」を指し示す時期が来たと感じるからだ。しかし米軍は「イラク戦争の敗北」を意味するイラク撤退に及び腰という。米国防省の中に作られた撤退計画作成チーム(撤退による情勢検討委員会)への参加も不人気だそうだ。まだ出口戦略を示すことがでいない。 軍事組織とはそんなものである。行け行けドンドンの時はやたら威勢がいいが、敗北や撤退となるととたんに意気消沈する。軍拡は声が大きいほうが有利で、軍の縮小や統合・合理化は小声になるという特性がある。しかし優秀な軍人は撤退計画にこそ、あらゆる問題を解決できる能力が求められることを知っている。正しい撤退とは、損傷を受けることなく周到に戦場から離脱することで、あわてふためいて逃げ出すことではないからだ 自衛隊が撤退後にもサマワの治安が安定し、自衛隊がまいたタネで繁栄が築ければ、自衛隊の撤退は大成功となる。しかし自衛隊が撤退と同時に暴動や略奪が起こり、今以上の貧困や環境悪化が起これば、サマワの人々は自衛隊が住民を見捨て逃げたと思うだろう。サマワから好ましい撤退を行うことは、サマワに堂々と進駐するよりも数十倍難しい。 イラク全体で考えれば、現実にイラクでは2000人を越える米軍兵士が、反米勢力が仕掛ける仕掛け爆弾や待ち伏せ攻撃で死亡した。そしてアメリカ国内ではイラク戦争への反戦ムードが高まっている。この数字がもつ政治性がどう出るか。アメリカ国内の動きに注目する。 |
| レバノン元首相暗殺 国連調査委報告書 シリア大統領の身内を指弾 シリア政権 窮地に シリアに米が警告 「脅迫、容認せず」 (読売 10月22日 朝刊) |
[概要]今年2月に起きたレバノンのハリリ元首相暗殺事件で、シリアとレバノンの治安当局が関与したとする国連の独立調査委員会報告書が、20日、国連安保理事会に提出された。シリアのアサド大統領は厳しい立場の追い込まれた。 報告書ではアサド大統領の義兄アースィフ・シャウカト軍事情報局長や実弟のマーヘル・アサド共和国防衛隊司令官など、アサド一族を指弾した。アサド大統領自身には直接触れていないが、親族を含むシリア、レバノン治安当局高官5人が暗殺共謀したと言及している。報告書はシリアに対する事実上の「起訴状」とも言える厳しい内容。シリアとして今後、イラクの国境管理強化などを通じ、アメリカに融和姿勢を示し、国際的な逆風が和らぐのを待つしか打つ手がない厳しい状態が続く。 21日のニューヨーク・タイムズ紙は、報告書はハリリ元首相暗殺の首謀者はシリアのアサド大統領の義兄で、アースィフ・シャウカト国軍情報局長(情報機関トップ)と見なしていると報じた。 [コメント]今月(12日)になって、レバノン支配の最高実力者であったシリアのカナーン内相が拳銃を口にくわえて自殺した。本当に自殺か他殺かわからないが、国連調査団の報告書が完成に近い時期に、シリア統治の最高実力者であった者の口を封じた事件だった。 私はあまりにもアメリカに好都合なハリリ氏暗殺に、米CIAあたりがシリアに罪を被せるために行ったと感じていた。あの時期にシリアのレバノン駐留に批判的なハリリ元首相暗殺は、シリアを苦しめることはあっても助けることはないと考えたからだ。しかしCIAが仮にハリリ氏の暗殺を立案ても、大規模な自動車爆弾である必要はない。狙撃銃でことが足りる。しかし自動車爆弾なら、暗殺の背後に巨大な秘密組織の存在を感じ、ハリリ元首相と同じ考えへの者に強い恐怖心を与えることが出来る。シリアの情報機関はそこまで考えて暗殺を実行したのだろうか。 しかし国連調査団の報告では、あくまでシリアの情報機関が暗殺を行ったとある。もはやシリアが反論することは難しい。 中東でオセロ・ゲームが行われている。シリアはどのような次の手を打つか。今まで反米・反イスラエルで統治してきたシリアだから、アメリカに融和策をとれば国民の反発が生まれる。若いアサド大統領の難しい舵取りが続く。 ※ 読売新聞 10月23日付けによれば、最終報告書ではハリリ元首相の暗殺に関与したとされる人物の名前は削除されたという。 |
| 普天間 暗雲 「2プラス2」中止も 防衛庁 米に反発 (地元に)頭越し接触で硬化 「沿岸案がベスト」 (産経 10月22日 朝刊) |
[概要]24日から在日米軍の再編問題を話し合う日米審議官級協議に暗雲がかかってきた。普天間移転問題で、あくまで「浅瀬埋め立て案」を主張する米側と、兵舎と海域にまたがる「沿岸案」を主張する防衛庁が対立し、29日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)が中止になる可能性が出てきた。外務省は米側の「浅瀬埋め立て案」に同調するが、防衛庁側は「その場しのぎの策」(防衛庁幹部)と批判の矛先を外務省に向ける。防衛庁としては現行の計画案に似ている浅瀬案では、同じ失敗を繰り返すことになりかねないと考えているためだ。防衛庁は2プラス2で策定する「中間報告」に、浅瀬案と沿岸案の両論併記で盛り込むことを「落としどころ」に考えているが、激しい論議になることは必至だ。 [コメント]私は正直に言って、米側が求める「浅瀬埋め立て案」は住民の猛反発を受けると思う。美しい海を埋め立て、そこに新しい軍事基地を作るという考えが地元の反発をま招く。さらに反対住民には、自分たちの抗議活動で「現行の埋め立て案」を中止させたという勝利感が生まれた。そのことで浅瀬案であっても、今以上の反対運動がわき起こるだろう。そのことが米側にわかっていない。沖縄に人にとって、米軍基地とは憎しみ(苦しみ)の対象か、あるいは仕方なく公共工事か基地対策費の供給源でしかない。もう米軍が住民の感情を無視して、勝手に海上基地を新しく作れと言えるような環境ではない。 そして普天間移転が遅れる間に、最悪のタイミングで米軍ヘリが普天間市街地に墜落すればどうするのか。米軍は普天間から出て行くのではなく、住民からたたき出されることを覚悟して欲しい。 米軍はキャンプ・シュワブの兵舎を移転させるのが嫌だとか、訓練場にヘリ滑走路が出来て小さくなりるのは嫌だといっている。そんな勝手が許されると思っているのか。今までに沖縄の人がどれだけ米軍の横暴に苦しんできたか考えて欲しい。米側が最後の最後に勝手なことを言えば、沖縄の今までの怒りが沸き上がってくると思う。 どんなことがあっても、沖縄の海は守らなければいけない。辺野古沖のサンゴの海を、住民が命をかけて海上基地建設を阻止したと語りつがれる海になって欲しい。 あくまで米側が浅瀬埋め立てにこだわるなら、2プラス2の中止もやむなし。現実的に浅瀬埋め立ては住民の反発が強くて建設できない。私は第2の成田空港問題になることを恐れる。 |
| ライス米国務長官 シリア攻撃、否定せず (毎日 10月21日 朝刊) |
[概要]19日の米上院外交委の公聴会で、ライス国務長官はイラクの治安に悪影響を及ぼす国についてシリアとイランを挙げ、「両国は戦争と平和のどちらの側につくか決めるべき」と主張した。また米国がシリアへの攻撃を検討したとの報道を受けた質問には、「すべての選択肢は排除されない」と述べ、これを否定しなかった。この日、ライス長官は「シリアとイランからイラクに武装勢力が流れ込んでいるのを許している」と、シリアとイランを厳しく批判した。 ニュースウィーク誌(10月17日号)によると、ブッシュ政権内で最近イラクの国境を越えてシリアへの軍事攻撃が議論されたが、ライス長官が国家安全保障会議で反対したと報道している。 公聴会で議員から、「シリアを攻撃する場合は議会の承認を求めるか」と質問されると、ライス長官は「大統領にはその権限がある」と述べ、必ずしも議会の承認はいらないと見解を示した。 [コメント]私はこれをオセロ・理論と勝手に呼んでいるが、レバノンで親シリア政権が倒れたことで、シリアは地中海の米機動艦隊とイラクの米軍に挟まれたことになる。もしオセロゲームならこれでシリアは親米的な政権に変わることになる。もしシリアが親米的な政権になれば、アメリカ軍は地中海から直接イラクに、軍事物資を陸路で輸送できるようになる。米軍はペルシャ湾やクェートを経由しなくともイラクに物資が送れるようになる。これはイラクの米軍にとって数十万人の援軍が来たに等しい話しなのである。 これでシリアから反米武装勢力を排除するどころか、長期戦略的な補給路を確保できることになる。 さらにである。こんどは米英豪軍が配置されたアフガンとイラクで、宿敵のイランを挟み込むことができる。これもオセロゲームなら、こんどはイランの保守政権が倒れ、親米的な進歩政権が生まれることになる。 しかしである。アメリカとイラクの現実を見ると、イラクの米軍はゲリラ戦に足を取られ、先の見えない泥沼化の様相を強めている。米国内でも米軍のイラク占領に対する非難・不支持も高まっている。とてもシリアに戦線を拡大する余裕はない。さらにイラク撤退の可能性を示す出口戦略さえ示されない。 そこでかつての米軍はベトナム戦争時代のカンボジアのように、秘密作戦が繰り返し行われることになる。シリアを拠点にする反米武装勢力狩りを口実に、特殊部隊を使った短期間に限る制圧作戦を実施するのだ。(米大統領の戦争権限で可能) 少人数の特殊部隊といっても、空にはA−10攻撃機などの対地支援機が援護につく。別の攻撃機から精密誘導爆弾を投下することも可能なのだ。そのような秘密作戦と同時進行で、CIAがシリア政権内にクーデターの罠を仕掛けていく。 このようなことはアメリカのような巨大軍事力を持ち、情報・謀略機関のCIAに莫大な資金をつぎ込んでいれば、誰もが考える一般的な常識なのである。イラクから駐留米軍の大半を撤退させるためには、シリアの支配はなんとしても確保したいところだ。それによって隣国イランに対しても、無言の軍事的な圧力を数段高めることになるからだ。 次にシリアで何かが起きる。決してシリアから目を離さないように。 |
| 米国防長官 訪中 中国軍拡に懸念表明 胡錦涛主席らと会談 交流促進では一致 (毎日 10月20日 朝刊) |
[概要]中国を訪れているラムズフェルド米国防長官は19日、胡錦涛主席、曹剛川国防相と相次いで会談した。中国側は大陸間弾道弾(ICBM)を管理する第2砲兵部隊の指揮本部に、初めての外国人としてラムズフェルド国防長官を案内した。しかし曹国防相との会談では、ラムズフェルド国防長官は「中国の軍事費が不透明で、軍拡にも多くの国が疑念を抱いている」と不満を表明した。最近になって米国では中国脅威論が高まり、中国ではアメリカが台湾に武器を売却することに反発している。 ただ曹国防相は、「軍の交流・協力を拡大し、中米の協力関係に積極的に貢献したい」と述べ、ラムズフェルド長官もこれに賛意を表明した。米国防省は中国の実質的国防予算を900億ドルとしているが、中国は300億ドルと反論している。 [コメント]以前にも書いたが、アメリカも日本も中国に対して旧ソ連のような封じ込め政策は取れない。最大の理由は中国とアメリカがあまりにも非対称であるからだ。国土、人口、文化、歴史、軍事力、どこをとってもアメリカと中国は違いすぎる。だから中国に封じ込めなど行えないのである。やっても封鎖効果が生まれない。 それなら中国には関与していくしかないことになる。中国の政治や経済や軍事に関与して、中国が主体的に覇権を目指すことを阻止するのだ。これはブッシュ大統領やネオコンが、イラクで行った先制攻撃論とは反対の考えである。軍事力の行使ではない。例えば、中国が石油輸入に期待している国に対して、アメリカへの依存心を高めるように政策を変える。今はアメリカを嫌う産油国や、アメリカが見向きもしない産油国を中国が味方に付けている。しかしそれにも限界がある。中国もそろそろ限界を感じてきた頃だろ思う。 中国はこれから親米的な産油国であっても、石油の輸入を獲得すべき行動するのである。それしか繁栄(成長)を続けることができないからだ。 中国とアメリカや日本が 相互に交流し依存しあって、初めて両国に親しいパートナーシップが生まれると思う。EUやロシアはそのことに気づき、大型の通商代表団を次々と中国に送り込んでいる。 日本も東シナ海の日中中間線付近の海底ガス田は、日中共同で開発するしかない。中国が独自に奪い合っているように見えるのは、技術力で劣る中国が少しでも対等な立場で日本と話し合うための実績を作りたがっている。日本がその気になって、全力で海底のガス田を開発すれば、中国よりも早く事業を開始することができる。中国は3対7で日本と話し合うより、5対5で話し合いたいと考えている。 とりあえず、日本はいつでも東シナ海で本格的な掘削工事を始めるように準備を急ぐことである。日本が中国に対して牽制することが必要なときもある。 |
| 陸自第1混成団 一部訓練をハンセン移転 米軍再編報告に明記 部隊の常駐化も検討 (琉球新報 10月19日 朝刊) |
[概要]日米政府は18日、陸自の第1混成団(司令部 那覇市)の訓練の一部を米軍のキャンプ・ハンセン(沖縄県金武町など)に移転することに合意した。また第1混成団の一部をハンセンに常駐させることも検討している。第1混成団は定員1800人で、第1混成群(那覇市)と第6高射特科群(東風平町)とで編制。県内に適当な演習場がないので、年5回程度ほど、鹿児島や熊本県内の演習場で射撃訓練などを実施している。 日米の再編協議では、自衛隊と在日米軍の役割分担を決め、双方の基地を共同使用して相互運用性を向上させる方向で検討している。第1混成団のハンセンでの訓練、部隊の移転はその方向の動きである。 また日本政府内には、陸自部隊が米軍基地に移動した後の空きスペースを、米軍の有事の物資集積所などに使用したい思惑もある。 [コメント]第1混成団の一部をハンセンに移転するといっても、ハンセンから撤退する米第12海兵連隊の撤退に合わせるようにハンセンに移転していく。だから最初は一部でも、最終的には第1混成団の司令部を含むほとんどの主力ということになる。そうなればトリイの第1特殊部隊群第1大隊(グリーンベレー)が抜けた後には、佐世保の西方普通科連隊が移駐することになる。嘉手納には空自の百里基地(茨城)からF−15戦闘機が移駐してくる。 米軍の沖縄撤退で本土から自衛隊があいついで沖縄の米軍基地に移駐する。これは力の空白を生まないという考えで、軍事力を保有する国や地域では必ず起きることである。そこで心配なのは沖縄住民の自衛隊移転への反発である。でも私は、今想定されている規模なら、それほど心配はないと思う。ハンセン内での実弾射撃でも、自衛隊は世界で最も厳しい安全基準で行っている。米海兵隊のような訓練方法とはまったく違う。 今日の琉球新報の1面トップには、沖縄に米国防総省のジョン・ヒル日本部長が来県したとある。 米軍再編 『米国防省日本部長、非公式に来県』 >ヒル部長は複数の与党県議と意見交換を行ったようだ。そして米側はあくまで「辺野古沖の浅瀬埋め立て」であることを強調した。またSACO合意との関連について、「米軍の世界戦略とSACOは関係ない。これは世界戦略で決定された」と述べた。米軍の世界戦略とは、米軍の再編・強化(トランスフォーメーション)のことである。また稲嶺知事の考え(軍民共用・15年使用期限)を取り入れる考えがないことも表明した。> あくまで米側は浅瀬埋め立て案で来るのか。日本にはこれだけの外圧を防げる政治家がいるだろうか。米軍はあくまで辺野古沖の浅瀬埋め立てで、在沖縄の米軍存在のシンボル(ランドマーク)にしたいのである。浅瀬を埋め立てた1300メートルの滑走路1本では、いくら新型のMV−22ティルト・ローター機を配備しても、戦力的に重要な軍事力にはならない。これは明らかに象徴的な存在である。 |
| イラク復興 陸自撤収後 米「空自支援 継続を」 輸送先拡大も要請 政府、慎重に検討 (読売 10月19日 朝刊) |
[概要]イラク復興支援特別措置法に基づいて航空自衛隊が行っているクウェートからイラク国内への空輸支援(C130輸送機が3機)について、米政府は、仮に陸自が撤収した場合も継続するよう日本に要請していることが18日、わかった。 また今は輸送先がイラク南部のタリルなどに限定されているが、新たにバグダッドやバグダッド近郊にのバドラ空港にも物資や兵員の空輸を希望している。これに対し日本政府内では、「陸自ほど危険な任務ではない。継続は可能」という見解と、「陸自といっしょの引き揚げでないと、撤収の機会を失う」という慎重論も多い。日本政府は空港周辺などの安全確保の状況を踏まえ、慎重に判断する考え。 [コメント]これで段々と明らかになってきたが、来年前半にもサマワから自衛隊が撤退することが鮮明になってきた。すでに米側もその方針で事後策の検討に入っている。まだイラクの治安が安定しないで、イラクから陸自が撤退できないと考えている人は再考して欲しい。サマワの陸自は来年前半から撤退を開始する。 しかし空自の派遣延長は行うべきでない。自衛隊はイラク復興支援特別措置法に基づいてイラクに派遣された。そして撤収はその法が求めた任務を完了して撤退してくるのだ。決してイラクから自衛隊は逃げ帰るわけではない。あくまでイラク特措法の任務が完了し、これからは日本はODAなど形を変えたイラクへの復興支援をおこなう。そのけじめを明らかにするためにも、空自は陸自の部隊とともに日本に帰ってくるべきなのである。 アメリカとしては空自のC−130輸送機が3機、イラクで空輸していることで、米軍と自衛隊が連携してイラクに駐留していることをアピールしたいのだろう。その政治的な意味しか価値はない。米軍にとってC−130輸送機の輸送量などそれほど大きくはないからだ。その政治的な価値も、英軍やオーストラリア軍が南部から撤退すれば、それほどの価値はなくなる。むしろ日本の主体性の無さをアピールすることになる。 もう十分に日本はブッシュのために汗を流した。これ以上、自衛隊がイラクにいる必要はない。来年前半には、陸海空・自衛隊が堂々とイラクでの任務を完了して日本に帰ってくるべきである。 |
| 在沖米軍再編中間報告 沖縄米軍負担軽減策 の全容判明 基地の大部分 北部集約 強制接収地返還を重視 (琉球新報 10月18日 朝刊) |
[概要]在日米軍の再編に伴い、17日、沖縄の負担軽減策の全容がわかった。それによれば中南部の米軍基地の大半を北部に集約する形になる。普天間移設の他、@牧港補給地区と那覇軍港の全面返還し、キャンプ・ハンセンかシュワブに移転 Aキャンプ端慶覧は大半を返還。Bキャンプ桑江も一部返還。C嘉手納常駐のF15戦闘機や外来機の訓練を本土で巡回移転。Dキャンプ・コートニーの第3海兵遠征軍司令部をグアムに移す。グアムへ沖縄から移転する米軍の兵員は約5000人、という内容である。これらの基地整備・縮小には日本側が負担する数千億円が見込まれている。この案を29日に開く日米安保協議委員会(2プラス2 米側は国防長官と国務長官、日本側は防衛庁長官と外務大臣)で正式合意を目指す。 [コメント]すなわち米側は嘉手納以南の米軍基地をすべて返還するから、キャンプハンセンやシュワブの浅瀬埋め立て、これからも米軍が自由に使え、かつ住民が基地に依存する社会をと考えているようだ。 というわけで、これから沖縄を再開発する際には、北部の米軍基地や施設がどうのように影響するかが問題となる。 米軍首脳はハワイのように、軍と観光が両立すると認識しているのだろう。さらに軍事的な視点(戦略思考)を付け加えるなら、北海道から台湾まで、日本海や東シナ海を囲む西太平洋の防衛ラインに穴を空けたくないという意図がある。沖縄は防衛線を結ぶ線上の1点で、それだけの戦略価値で沖縄北部に拠点を確保したいのである。 それをもって、中国との本格的な戦争に備えるためという考えは軍事的な無理である。あくまで沖縄の米軍基地は抑止効果のためで、もし本当に米中戦争になれば真っ先に攻撃を受ける拠点である。 これはちょうど山頂にある空自の警戒レーダーに似ている。もし戦争になれば真っ先に攻撃を受ける場所にある。だからといって山頂の警戒レーダー基地には、厳重な防空部隊や対空兵器は配備していない。せいぜい携帯SAM(肩撃ち式の対空ミサイル)程度である。空自の飛行場のような厳重な防空体制はとっていない。真っ先に破壊されても、あとは移動式警戒レーダーで肩代わりする。戦時に山頂で孤立している警戒レーダーを防衛することは難しい。費用対効果の面でも問題になる。しかし山頂の警戒レーダーは平時であれば強力な抑止力になる。そのような意味で沖縄の北部に米軍基地が必要なのだ。 これから先は沖縄の人が主体になって考えることだ。将来の沖縄に何を期待し、子供達に何を残し伝えるか。 沖縄で米軍がこれからも沖縄に残ると信じる人はいないだろう。これからも米軍基地に依存することも不可能である。 ※ 名護市の岸本市長が来年1月の市長選挙に「体調不安」を理由に出馬しないと表明した。岸本氏は新たな辺野古浅瀬案について、「選択肢に入る」として見解を示していた。 |
| 防衛庁方針 Cー130輸送機 空中で受油可能に 航続延ばし、支援迅速化 (読売 10月18日 朝刊) |
[概要]大野防衛庁長官は17日の衆院テロ防止特別委員会で、空自のCー130輸送機に受油機能を付加する方針を決めたと述べた。現在のCー130の航続距離は4000キロだが、パキスタン地震救援で千歳からイスラマバードまで3日間かかった。もし空中給油を行えば大幅に短縮できるという。しかし空中給油のためには、あらかじめ空中給油機を海外に待機させる必要がある。防衛庁は来年度予算の概算要求に27億円の試験改修費を計上する。 [コメント]空自のC−130に受油装置が着けば、空自の空中給油機をあらかじめ海外に待機させる必要はない。もし必要ならばアジア各地に展開する米軍の空中給油機が支援してくれるからだ。米軍の空中給油システムに組み込み、C−130のパイロットを飛行中に交代させれば、それこそ日本から中東までも無着陸で飛行することも可能になる。こうして空自の海外展開能力を向上させて、将来は空自がC−17大型輸送機を取得できる環境を整えるが目的だ。派遣隊員を政府専用機で運ぶのは海外派遣の環境が整備できるまでである。 その場合にも、必ず海外の大災害救難に備えるためという常用句が使われることになる。 |
| 比・ルソン島 在沖米兵ら5700人参加 米比合同訓練始まる (琉球新報 10月17日 電子版より) |
[概要]フィリピンのルソン島中部のクラーク旧米軍基地跡で、在沖海兵隊員を主力に5000人、比国軍兵士700人が参加する合同演習が16日に始まった。米比両軍は、これはミンダナオ島で行っている実戦型演習と異なる定期訓練としている。しかしこの種の年次演習は米兵の参加は100人程度で、1999年に批准された訪問米軍の地位に関する協定(VFA)からの大型演習でも最大2000人だった。 これほど大規模になったのは在沖海兵隊の移駐計画の中枢で、クラーク基地跡に「国際対テロ訓練センター」を設けるための布石とみられる。今回の対テロ訓練は2週間にわたり、空からの降下急襲訓練、海から陸への急襲訓練が、5カ所で実施される。 [コメント]東南アジアのイスラム原理主義過激派には、これから米軍はフィリピンの軍事拠点を使うことになる。この地の東南アジアの戦域特徴として、ゲリラやテロリストが小島やジャングルを活動拠点にしているからだ。フィリピンの環境が似ていることが選ばれた。沖縄ではそのような環境がない。仮にあっとしても、西表島のように観光地化されて軍事訓練に使えない。 この記事に書かれているVFAとは、フィリピンで米軍人が犯罪を起こしても、逮捕権や裁判権は米側にあるというものである。これがなければ米軍は海外の基地に拠点を築くことは難しい。 なお、米海兵隊の市街地戦闘訓練は、グアムの米軍基地内にある古い住宅を活用して行う予定である。砂漠戦はオーストラリアの北部に巨大演習場が建造されている。 このように在沖縄米軍は潮が引くように沖縄から撤退をしていく。くれぐれも沖縄の人は潮見を見誤らないようにして欲しい。 |
| 岩国基地(山口県) 海自機一部 厚木移転 日米検討 米軍機と ”交換” (読売 10月17日 朝刊) |
[概要]在日米軍再編協議をめぐり、岩国基地所属の海自・航空機の一部を、厚木基地(神奈川県)に移転させる方法で検討している。厚木の米・空母「キティホーク」の艦載機(FAー18Aなど約70機)は、岩国基地に新滑走路が完成する2008年度に移転させる。それにともない岩国基地の海自のEP3電子戦データ収集機、OP3画像情報収集機など約15機を厚木に移転させるという案だ。岩国基地のUS1救難機はそのまま残す。空母艦載機の夜間離発着訓練(NLP)のために、岩国基地の沖合4キロに超大型浮体式海上構造物「メガフロート」を建設することも検討されている。 [コメント]沖縄の普天間基地から岩国基地に移転予定であった米海兵隊のKC−130空中給油機は、海自の鹿屋基地(鹿児島)に移転先が変更された。また嘉手納の米空軍のF−15戦闘機は、新田原や築城など本土の空自・基地を巡回して行うことが決まっている。さらに那覇軍港や牧港補給所なども日本返還が日米で合意している。 これで沖縄の米軍基地が劇的に減少する。それにともなって本土の基地でも動きがある。百里基地(茨城県)のF−15戦闘機部隊が嘉手納基地に移転し、那覇空港(軍民共用)のF−4戦闘機が本土に撤退することが計画されている。 米軍が沖縄から引くと共に、自衛隊の南方進出がいよいよ本格化する。 私の推測では、北朝鮮が片づけば佐世保の陸自・普通科連隊も沖縄に移転し、米海兵隊の撤退(グアム移転)で明いた軍事的な空白を埋めるはずである。 また厚木に移転する海自のEP3やOP3は、今は主として北朝鮮情報を収集している。これを岩国から厚木に移すことは、対中国へのシフト体制を整え始めたような気がする。米軍でも電子偵察機は三沢基地(青森県)に所属し、嘉手納に飛来してここを拠点に東シナ海などで対中国情報を収集している。情報戦は平時こそ有事である。だから厚木に移転した電子戦機が嘉手納に飛来し、嘉手納を拠点に無防備(護衛なし)で情報収集する可能性があるのだ。いよいよ在日米軍のトランスフォーメーションも本格的に姿が見え始めたてきた。 岩国沖のメガフロートだが、瀬戸内海という穏やかな海面が「売り」だが、もう30年前から日本造船業界の期待の星として、いつもメガフロート(海上飛行場)の話しを聞いてきた。正直、また出てきたかという気持ちが強い。 ※ 一昨日の沖縄の米軍基地のことで、「軍事通信員のコーナー」で訂正のメールが届きました。米軍の辺野古沖の浅瀬埋め立て案の代償として、地元ではモノレールの名護延長を求めているそうです。参照してください。 |
| 本日と明日は更新お休み ! (10月15日) |
[コメント]本日、郷里の広島に帰郷するため、本日と明日の更新を休止します。月曜日には再開します。なお、広島には携帯電話を持参しています。緊急の御用のかたは携帯に電話してください。自宅に電話を頂ければ、自動的に携帯に転送します。 ※ メールにお返事は更新しておきました。ぜひお読み下さい。辺野古沖の埋め立て案に拘るアメリカの考えを推測しました。 |
| 普天間移転 日米審議官級協議、 合意至らず 「沿岸案」で出口探す 政府 地元利権に配慮 (産経 10月14日 朝刊) |
[概要]日米両政府の外務・防衛当局の審議官級協議で、日本側はキャンプ・シュワブに代替施設を作る「陸上案」を正式に取り下げた。しかし、ここにきて新たな「沿岸案」が浮上してきた。これは米側が望む「浅瀬案」(辺野古沖縮小案)と、日本側の「陸上案」の中間案だという。自民党の日米安保・基地再編合同調査会の額賀福志郎座長によれば、「沿岸案」は陸上部500メートル、海上部800メートルで、全長1300メートルの滑走路を沿岸部に建設するというもの。海上の部分は桟橋方式として、多数の杭の上に桟橋式の滑走路を建設するという。この桟橋方式により環境破壊が抑えられる効果があるという。 この「沿岸案」の提案に対し、米側の代表であるローレス国防副次官は、「結論を出す時期に急に言われても困る」と留保した。 この「沿岸案」が急浮上した背景には、環境への影響が小さいことよりも、工事発注などで地元経済の”実利”への配慮がある。名護市は来年1月の市長選挙を控え、土地をならして舗装するだけの「陸上案」より、工事費が5倍の受注額が見込める「浅瀬案」が地元企業に期待された。さらに「沿岸案」でも地元企業に一定の工事発注が見込めるからだという。(沖縄県政関係者)。埋め立て縮小案を支持している岸本名護知事も受け入れやすいと政府関係者は語った。 [コメント]桟橋方式なら埋め立てではないので稲嶺沖縄県知事の許可は必要ない。稲嶺知事は基本的には県外への普天間移転で、県内なら軍民共用と15年使用期限にこだわっている。その稲嶺沖縄県知事が外された形の新「沿岸案」となった。 先の総選挙では、郵政改革法案に反対した自民党議員を公認せず、刺客まで送り込んだ小泉手腕と同じパターンである。稲嶺知事はあくまで自民公認で立候補して当選し、掲げた公約を無視された場合はどういう対応に出るのか。自民党はもし知事が中央に逆らえば、次の知事選に非公認や刺客を送り込むのか。小泉流政治とはそんな危うさを堂々と掲げる政治体質である。 来年1月の名護市長選挙で、現職の岸本市長が敗れ、新施設反対の市長が誕生すれば、辺野古沖やキャンプ・シュワブでの普天間移転は白紙になる可能性が高い。米側はこれを恐れている。これで普天間移転問題は今月中の合意を目指して一気にヒートアップするだろう。 もう地元では、正当性という建前では通じないだろう。これからは毎日、琉球新報と沖縄タイムスの電子版を読む。沖縄全体や名護市など地元の動きを知りたい。 |
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普天間移転 一部埋め立て案 軸に 「シュワブ第3案」模索 解決の「切り札」期待 米側説得がカギ 駐日大使、 「陸上案を改めて拒否」 (読売 10月13日 朝刊) |
[概要]政府は普天間移転問題で、米側がキャンプ・シュワブの演習場に移転する陸上案に難色を示していることから、シュワブ沿岸部に施設を作る第3案を模索することに決めた。しかしこれはリーフ内の一部を埋め立てることから、環境団体の反対が懸念されるので、米側の意向を慎重に見極める考えだ。 政府が先に陸上案を提議したのは、@反対派への対応が海上より容易。A県知事の埋め立て許可がいらず、演習場内なら国の権限で工事ができる。Bこれは米軍施設内の移転で、新たな基地建設にならない。という利点があったからだ。しかし、埋め立て案ではこれとは逆の課題が生まれる。 これに対して米側は、浅瀬埋め立て案は沖縄県北部の経済関係者で構成する県防衛協会北部支部が作成し、岸本名護市長が容認する姿勢を見せており、「地元の理解が得られている」と主張している。しかし稲嶺・沖縄県知事は、軍民共用や15年間の使用期限という公約にこだわっており、「説得は容易でない」(防衛庁幹部)という。浅瀬であっても埋め立てには県知事の許可が必要だ。また浅瀬埋め立てでも、市民団体の海上阻止行動が激しくなると予測されている。 また米側が陸上案を拒否する理由として、12日、トーマス・シーファー駐日大使は読売新聞記者と会見し、「陸上案は普天間が抱える住宅地問題を他の場所に移すだけだ。また普天間とシュワブの統合では普天間の基地機能が低下しかねない」と主張した。 [コメント]この記事は日米の考え方の違いを鮮明にしてくれるわかりやすい記事と思う。しかし米側の「浅瀬埋め立て案」の正当性が、陸上案は普天間問題を他の場所に移すだけで、普天間とシュワブを一緒にすれば基地機能の低下になるという主張に拍子抜けした。 在日米軍基地の統合と縮小は、これからの在日米軍で行われるトランスフォーメーションの主要なテーマである。それによって米側は効率的な配備を目指し、日本側は負担の軽減を図るというのがトランス・フォーメーションである。普天間のKC−130空中給油機は鹿児島の鹿屋基地に移転するし、第3海兵師団がグアムに司令部を移転することで、沖縄では数千人規模の縮小が行われる予定だ。沿岸埋め立て縮小案でも、滑走路は普天間の2743メートルから沿岸埋め立てで1300メートル(滑走路)と基地機能は低下してくる。 不可解なのは米大使が、基地の統合で普天間の基地機能が低下するという部分である。米大使は飛行場が海上に面した方が、基地機能の向上になるといいたいのか。それでは軍事の正当性と環境保護とを比較すると、環境保護の方が重要となるのではないか。もし飛行場が海に接近していれば、離発着の航空機が周辺から携帯・SAM(対空ミサイル)を撃たれる可能性が低くなるが、そんなことを言い出したら日本にある米軍基地(航空基地)はほとんどが失格になる。 また現在(あるいはこれから)は、潜水艦などを使って海から武装工作員(特殊部隊)が潜入する時代である。また北朝鮮のように偽装漁船の攻撃もある。だから海の近く(沿岸)が軍事基地に最適とは言えないのだ。陸上案のほうが基地の防衛上、軍事的な飛行場に適していると主張することもできる。 とにかく米側が、一部埋め立ての「辺野古沖縮小案」を強引に押す意味がますますわからなくなった。 以前、「辺野古沖埋め立て」(96年)のときも、軍事的なオンチさに首をかしげた記憶がある。今回も同じように首をかしげてしまった。 やはり「辺野古沖縮小案」の背後に、また軍事オンチの外務官僚の気配を感じてしまう。米側にはもっときちんとした説明を求めたい。 ※ 辺野古沖縮小案の新基地構想は、施設の全長が1500メートルで、滑走路の長さは1300メートルでした。上記記事の一部(新滑走路の長さ)を訂正しました。 |
| NHKの世論調査 自衛隊のイラク派遣延長 72パーセントが反対 (10月12日 NHK 朝のニュースより) |
[概要]12月で延長期限を迎える自衛隊のイラク派遣で、NHKが世論調査を行ったところ、72パーセントの人が派遣延長に反対であることがわかった。内訳は派遣延長に賛成が20パーセントで、派遣期限の12月で撤退すべきと答えた人が60パーセント、今すぐ撤退が12パーセントで、派遣延長に72パーセントの人が反対している。 [コメント]やはり多くの人が自衛隊のイラク派遣に危うさを感じているようだ。私も以前から言っているが、自衛隊はイラク撤退を考えて対応を急ぐべきと思う。もはや自衛隊の任務は終了し、これからはイラク政府と協議して、ODAなどでイラクの復興に日本が支援すべきと思う。 その意味では、来年前半の後期(4月、5月、6月)に、英・豪軍が検討しているイラク南部からの撤退は最大のチャンスである。今月15日にはイラク新憲法の国民投票がある。今年12月にはイラクに正式政府が誕生する予定だ。英・豪軍のイラク撤退も、その機会を考慮しての検討だと思う。 今やイラクはテロリストを育成する訓練場と化している。これほどイスラム過激派テロ集団に闘争意義を与え、攻撃目標を提供している場所はないのだ。 またブッシュ政権にとっても、イラクの失策は国民の不支持を拡大させている。これ以上、イラクの泥沼に足を奪われている余裕はない。イスラム過激派のテロ集団にとっても、今のアメリカで大きなテロを起こせば、最大の政治的な効果を上げられることがわかっている。アメリカは非常に危険な状況にある。 やはりアメリカはテロと闘うという意味がわかっていないようだ。巨大な軍事力を築き上げるより、アメリカが世界各国から支持される国家を目指すべきなのである。 私はNHKの世論調査で、72パーセントの人が自衛隊のイラク派遣延長に反対しているという数字にホッとした。しかしこの数字も、サマワで自衛隊員が戦死すれば、90パーセント以上になることを考慮すべきだ。その時に、逃げ出すように自衛隊がイラクから撤退をすれば、日本は世界から無責任な国と冷笑を浴びることになる。 日本は国連で安保理の常任理事国を目指すより、まずは敵国条項の撤廃を求めることから始める必要がある。 |
| 北朝鮮 労働党創建60周年式典 金正日 後継者現れず 平壌で式典と 軍事パレードとマスゲーム (10月11日 朝のTVニュース) |
[概要]北朝鮮労働党は10日、党創建60周年を迎える式典を行った。平壌のメーデースタジアムでは8月から開かれているマスゲーム「アリラン」には連日10万人が出演している。また平壌中心地では祝賀の軍事パレードが行われた。しかしこの日は金正日の後継者が現れという観測も流れたが、実際に後継者は登場しなかった。まだ北朝鮮の権力内部で後継者問題が確立していないことをうかがわせる。 [コメント]先月、韓国の北朝鮮研究者からメール(日本語)を頂いた。その頂いたメールには、私が推測する中国の北朝鮮併呑戦略(非軍事)について、同感する旨の内容が書かれていた。さらに金正日の後継者問題については、そのような生やさしい環境ではないと書かれていた。もし金正日が後継者を決定すれば、権力闘争を避けるために、他の後継者を支持する者を粛清しなくてはいけない。そのような大規模な粛清を行えば北朝鮮は存続できないという意見だった。 日本ではまるで競馬の予想屋のように、「長男の正男が優勢」「祖国のおもに(母)と軍部が宣伝する高英姫(コウ ヨンヒ)の息子の正哲だろう」という推測が飛び交っている。でも北朝鮮では後継者決定で大粛清が始まることを予測した意見が見られない。 そのような見識からすれば、韓国の北朝鮮研究者の指摘は説得力があった。北朝鮮のような独裁国家では、後継者問題というは前後に大規模な粛清を伴う権力闘争なのである。 それから昨日の軍事パレードで戦車や自走砲や車載ミサイルが登場しなかった点だが、これはパレードの練習を含めて軍隊の燃料不足と部品の不足からである。また華々しく軍事パレードに登場しても、我々から見れば兵器は旧式な物ばかりで、今でも動いていることに感動する物が多いのだ。とても国威発揚とはならないのだ。 また92年の暗殺未遂事件のことだが、確かにパレードの参加部隊の一部が、戦車砲を金正日向けて発射する計画があったという情報は聞いたことがある。しかしそれが軍事パレードを中止した理由ではない。なぜなら92年以後も軍事パレードに戦車や自走砲は登場して行われていた。軍事パレードで戦車などが姿を消したのは98年頃だったような気がする。やはり燃料と部品の不足がパレードから戦車やミサイルが消えた理由なのである。 |
沖縄の負担軽減策 海兵隊司令部グアムへ 日米で一致 数千人削減で調整 嘉手納基地の F−15訓練は一部移転 (読売 10月9日 朝刊)
普天間移設 「シュワブ沿岸」で最終調整 防衛庁 内陸案を断念 (毎日 10月9日 日曜日) |
[概要]日米両政府が米軍再編協議で、沖縄の第3海兵遠征軍司令部(キャンプ・コートニー うるま市)をグアムに移転し、海兵隊員を数千人削減するほか、嘉手納のF−15戦闘機は訓練の一部を本土の複数の空自基地で分散訓練することに合意したことがわかった。また普天間基地KC−130空中給油機(12機)は鹿児島の鹿屋・海自基地に移転させる。なお普天間の大型滑走路機能は福岡の空自・築城基地、宮崎の空自・新田原基地で代替えする。なお、普天間のKC−130については、岩国基地(山口県)に移転が決まっていたが、岩国基地には厚木から空母艦載機が移転するため、鹿屋基地への変更が行われた。(以上、読売新聞)
[概要]日本政府は在日米軍再編協議の焦点になっている普天間基地移転先を、名護市のキャンプ・シュワブ沿岸を埋め立てる建設案に同意することにした。日本側はシュワブ内陸部(演習場)への移転を希望したが、米側が強く反対し「辺野古沖縮小案」(滑走路 15000メートル)に同意を求めていた。しかし縮小案でもサンゴ礁の海を埋め立てることにかわりなく、騒音などの問題と共に、地元住民の調整に難航さる可能性がある。日本政府はブッシュ大統領が来日する11月中旬までに決着する考えという。(以上、毎日新聞)
[コメント]この二つの記事は同じ日の読売と毎日に掲載された。紙面は違うが、明らかに意図的に情報をリークした記事である。それは暗礁に乗り上げた「辺野古沖埋め立て(海上)」(2500メートル)を米軍の求めに応じて「辺野古縮小案」(1500メートル)に受け入れるが、念願の海兵隊司令部は沖縄からグアムに移転させるといった負担軽減のイメージを与えるためである。 軍事や米軍のトランスフォーメーションの意味をしらなければ、そのような幻想に惑わされかもしれない。しかしここでよく考えて欲しいのは、すでに米海兵隊は沖縄にいる必要がないということだ。米軍は緊急展開能力を高め、情報・通信・指揮・後方支援なども、短時間に長距離・緊急展開が可能な体制と戦略を進めている。そのためには、沖縄の基地は必要でも、常駐の兵力を配備する必要はない。むしろ沖縄は中国に近すぎるし、その上、米海兵隊の特殊性から中国軍相手に戦うような部隊ではない。 沖縄の海兵隊司令部がグアムに移転することは数年前から指摘してきた。中国が軍事的に台頭してきても、この問題とは異質なことなのである。ただし北朝鮮が崩壊を免れて軍事的に復活してくれば話しは違ってくる。だが北朝鮮の軍事力が復活する兆候はまったくない。だから米海兵は司令部をグアムに移転して、新たなアジア戦略に備えるのである。 問題は辺野古縮小案だが、沖縄の繁栄は海の美しさが大きな割合を占めているのは間違いない。その美しい海を埋め立て、サンゴ礁の上に新たな1500メートルの滑走路を造る必要があるのか。沖縄から海兵隊司令部がグアムに移転する。沖縄の海兵隊訓練所もオーストラリア(砂漠戦)やフィリピン(ジャングル戦)に移る。激減するはずの沖縄・米海兵隊が、わざわざ1500メートルの滑走路にこだわる理由が不明確である。 さらにこれで15年問題が霧消したことになる。移転のために建設した新施設を、日米軍民共用とし、15年たてば日本に返還すると日米が合意した協定である。 それにしても96年にSACOを作った橋本元首相が政界を引退すると、待ってましたというようにSACOを反古にして、「辺野古縮小案」や「シュワブ内陸案」が出てきた。政治とはそのようなものなのか。 |
| ノーベル平和賞 IAEAとエルバラダイ氏 核拡散防止の功績評価 核廃絶の期待込める (朝日 10月8日 朝刊) |
[概要]ノルウェーの05年ノーベル平和賞は、国連の専門機関である国際原子力機関(IAEA)と、モハメド・エルバラダイ事務局長(63)に贈ることを決めた。IAEAとエルバラダイ氏が核査察を行って、北朝鮮やイランの核拡散に核兵器が広がることに警鐘を鳴らした功績が評価された。しかし問題がないわけでもない。インドとパキスタンはNPT(核拡散防止条約)に加盟しないで核実験を行い、核兵器保有国に踏み切った。またイラクの大量破壊兵器疑惑では、米英が核開発の「証拠」として指しだした物に、IAEAは疑問を投げかけられたが無視された。しかしIAEAの正しさは戦争後に証明された。 今後、IAEAはイランの核開発への対応が正念場となる。 [コメント]先月、北京で合意した第4回の6カ国協議で、まだ北朝鮮が核査察の方法を具体的に話し合おうとしない。だからまだまだ北朝鮮の核問題の行方は未知数と考える人がいる。しかし北朝鮮を除く5カ国が、北朝鮮が核計画を放棄したことを共同声明で発表したのだから、北朝鮮はコソコソと核兵器を開発するようなまねはできない。やはりこの問題を徹底的に解決し、問題の要因を取り除くには、北朝鮮のNPT復帰とIAEAの査察と監視を継続させることである。 そのようにNPTとIAEAは国際的な中立と、信頼できる専門性を確立していると思う。これでエルバラダイ氏の任期は、アメリカが嫌ってもさらに1任期延長が可能になった。この任期期間に北朝鮮とイランの問題が片づくことを切に期待する。 |
| 露前原子力相を米移送へ 支援金横領容疑で 対イラン・核開発関連など 露、機密流出を懸念 イランの原発建設 米、露の支援姿勢牽制 (産経 10月5日 朝刊) |
[概要]ロシアの前原子力相で、米国が支援した巨額の支援金を持ち逃げ(約900万ドル)したと指名手配され、スイスで身柄拘束されていたアダモフ前原子力相の身柄が米国に移送されることになった。ロシアは自国への移送を求めていたが、これで拒否された形となった。ロシアはアダモフ相からロシア国内の核開発状況や、イランとの核協力に関する秘密情報がアメリカに流れることを警戒していた。ことし4月にロシアはイランの核施設で、使用済み燃料棒を引き取ることを条件にしているとライス米国務長官に語っている。あくまでイランの平和利用の核開発に協力しているという姿勢をとっている。 [コメント]以前にもこのコーナーで、スイスで逮捕されたアダモフ相がアメリカに送られるか、ロシアに戻るかと書いた記憶がある。もしアメリカがアダモフ相の身柄の受け取りに成功すれば、ロシアやイランの核情報が大量に入手でき、そのことからイランの核問題に重要な影響を与えると説明した。それがどうやらアメリカ行きに決まりそうなのだ。 しかしその間にイラクは石油価格の高騰から、莫大な石油収入と外交影響力を手にしている。今はどの国も石油が欲しくてイランと対立を避けている。さらにロシアと中国は、上海協力機構にイランがオブザーバーで迎えると決めた。アメリカを牽制するためである。さらにイランはアメリカに強い影響力を持つインドに、パキスタンを通過して天然ガスパイプラインを建設することを決めた。南アジアでイランの影響力は拡大する方向で動いている。(朝日 10月5日付け 朝刊 「米の核拡散戦略、転機」に関連記事)。 ブッシュ大統領はイラク情勢の悪化と、ハリケーン被害の深刻さで窮地に立たされている。ブッシュ支持率も40パーセント前後で定まった感がある。不支持率はすでに60パーセントを越えている。 はたしてブッシュ政権は送られてくるアダモフをどのように使うか。巨額の支援金を持ち逃げするワルである。やり方によっては、アダモフは150パーセントの情報を提供するだろう。今回はアメリカに送られたアダモフの使われ方に注目したい。ただしそれまでに、スイス国内でアダモフが暗殺される可能性の方が高い。 |
| 東シナ海 日中共同開発 4ガス田が対象 日本側の提案判明 (読売 10月3日 朝刊) |
[概要]中川経済産業相は2日、日中の東シナ海の天然ガス田開発を巡る局長級協議で、日本側が提案した共同開発の対象は、日中中間線をまたいでいる4つのガス田と初めて表明した。また閣僚級の協議を行うことも表明した。4つのガス田は、「白樺(春暁)」「翌檜(龍井)」「楠(断橋)」「樫(天外天)」である。( )は中国名。 [コメント]このガス田の開発問題は、結論を先に言えば日中共同開発しかない。日中中間線をまたぐガス田なら、その採掘は日中共同で開発し、浅い海を利用し海底パイプラインで中国側に送る。そして地上の施設で不純物を取り除いて液化し、それを50対50(折半)で分けるのである。日本は液化天然ガス運搬船で中国から日本に運んでくる。日本側に陸上施設を作ることは東シナ海の東側の海底の深度から難しい。浅い東シナ海を活用したほうが効率がよい。この共同開発案には中国も必ず応じるはずだ。 間違っても、このガス田の問題で日本と中国が軍事対立する可能性はない。先日、中国の巡洋艦が問題のガス田海域を遊弋した。これをもって中国が日本を軍事威嚇したと話す者がいる。大間違い。話しは逆である。日本は毎日、海自のP3Cが上空をパトロールしている。海保も盛んにジェット機を飛ばしてガス田を監視している。一方的に軍事的な脅威にさらされているのは中国側である。それなら中国も哨戒機を飛ばせばいいといっても、中国海軍や空軍にそれなりの性能を持った哨戒機はいない。やっと中国本土から飛んできて、ガス田上空から写真を撮って帰るだけのことしかできない。 そこでしかたなく、中国は海軍の艦船をガス田海域に派遣したのである。他に日本の軍事的な脅威に対抗する手段が無いからである。それを知らないで、中国側が軍事的な脅威を高めようとしているとは大間違い。 中川経産相も日中協議の成功に自信を持っているはずだ。それに日本側が帝国石油にガス田の試掘を命じたのも、日中協議を成功させるカードを手にしたいからだ。 日本は中国と軍事的な対立を高めたくないし、中国も日本以上に軍事的な緊張が高まることを恐れている。私が心配なのは、むしろ中国が東シナ海のガス田問題を、北朝鮮に進出する隠れ蓑(陽動作戦)に使っていないかという点である。北朝鮮に進出(非軍事)する中国の勢いはものすごい。北朝鮮の今の支配体制が崩壊すれば、中国が一気に併呑するような勢いである。その動きを日本やアメリカにさとられないために、東シナ海でわざと波風を立てているという気がしてならない。 日本人は東シナ海を片目で見つつ、片目では中国の北朝鮮進出に注目する必要がある。 |
※これ以前のデータはJ−rcomFilesにあります。