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この情報の最も新しい更新日は9月27日(水)です。

  更新休止のお知らせ

 (9月27日 木曜日)

 9月28日〜10月1日の間、グアム取材のため更新を休みます。受信したメールも開くことができません。たぶん携帯電話も通じないと思います。気分的にはちょっと遅い夏休みです。7月5日のテポドン騒動から始まり、今年の7月、8月は猛烈な忙しさでした。9月に入って落ち着きましたが、まだ気分の切り替えができていない気がします。そこでグアムです。旅行費用が安くなる時期を待って、今日、一人で出かけてきます。家族も気持ちよく許してくれました。

 10月から、また禁酒やダイエットやスポーツや、本業の仕事への挑戦を始めます。それではこれから成田空港に向かいます。

安倍内閣発足

集団的自衛権の行使

久間防衛庁長官

 「検討の余地あり」

冬柴国土交通相

 「できない」

(朝日 9月27日 朝刊)

 

[概要]久間防衛庁長官は昨日の就任記者会見で、集団的自衛権行使をめぐる政府解釈について、「今のところ従来の解釈を踏襲しながらやっていくが、現実に即した場合、その解釈だけで乗り切れるだろうか。具体的に検討する余地がある」と述べ、見直しに前向きな姿勢を示した。一方、公明党から入閣した冬柴国交相は、「我が国に対する急迫不正の侵害がない限り武力行使はできないという解釈が一貫しており、集団的自衛権の行使はできない」と明言し、見直しについては「個別的自衛権の範疇(はんちゅう)に入る部分」と条件をつけた。

[概要]この問題を本日の産経新聞は、朝刊一面トップの大見出しで、「集団的自衛権 解釈見直し」と書いている。そして安倍首相が「日米同盟では双務性を高めることが極めて重要。集団的自衛権の研究をしっかり進め、結論を出していきたい」という談話を報じている。安倍首相は持論の憲法改正と同じく、集団的自衛権の解釈変更に積極的に取り組む姿勢を強調したと報じた。

 しかし安倍首相の憲法改正には、当然ながら集団的自衛権の行使を容認することが内包されている。だから今の段階で言えることは、安倍首相は憲法改正よりも先に、集団的自衛権行使の”解禁”だけでも目指していることになる。それほど急ぐ事情とは何なのか。

 その理由は2年後である。2年後には米大統領選挙で、ブッシュ大統領に代わるホワイトハウスの新しい主(新米大統領)が決まる。その新しい主に日本の集団的自衛権の解禁を”プレゼント”したいと考えている様だ。安倍首相が表明した5年後の憲法改正では遅すぎる理由がここにある。

 日本がベトナム戦争で自衛隊を派兵しなかったのは、交戦を禁じた平和憲法が盾になったわけではない。アメリカが自衛隊の派兵を諦めたのは、平和憲法が禁じた集団的自衛権の行使がベトナム参戦の盾になったのです。それが証拠に、現憲法下でも自衛隊の集団的自衛権の行使をだけ禁じれば、戦場のインド洋やイラクに自衛隊を派遣できることが可能になっています。

 また冷戦終結で宿敵ソ連を失い、日本の専守防衛は意味を失った。そこで日本政府がとった策は、集団的自衛権の「解釈拡大のなし崩し」なのです。集団的自衛権の範囲を解釈拡大することで、日米両軍が共闘できる有事法制の周辺事態法(99年)ができた。さらに同時多発テロでも、無理を承知の解釈拡大と、2つの臨時の特措法で小泉政権は乗り切った。

 しかしこれ以上の解釈拡大や特措法では、集団的自衛権の行使を禁じた壁は崩せないと誰もが考えている。それでも安倍政権は無理矢理崩して”解禁”し、2年後の新しい大統領にプレゼントしたいのです。それで安倍政権の安定と長期化を図り、5年後と表明した憲法改正へ突き進む作戦なのだ。

 さて安倍政権がどのようなマジックで、集団的自衛権の行使を禁じた壁を崩すのか。皆さんも御一緒に考えてください。あえてヒントをいえば、日本の核武装論にタネが隠されています。来月10月の「所長ご挨拶」でそのマジックのタネ明かしをします。

 まだ2年もあります。その間に参議院選挙などで自民党が大敗すれば、安倍政権は崩壊します。崩壊すれば集団的自衛権の解禁はありません。しかし安倍人気がさらに高まり、選挙で大勝すれば”一気”に「行使の禁止」を崩します。タカ派を自他共に認める安倍政権らしい時代が始まりました。

 公明党との関係ですか? それは今言えば悪口になるから言いません。でも連立与党の公明党の存在が、安倍首相が進める集団的自衛権行使のストッパーになると思いますか? 公明党はイラク派遣に最後まで反対をしましたか? 

安倍総裁「日本版」検討

米国家安全保障会議(NSC)

大統領が直轄 機密集中

議会追求受けず

   監視機能課題

(産経 9月26日 朝刊)

[概要]安倍次期首相は官邸に米国の国家安全保障会議(NSC)を倣(なら)い、日本版NSCの創設を打ち出している。米国のNSCは200人程度の小所帯だが、大統領に直結して安全保障の立案や関係者の調整にあたるため、米政府内で最も強力な組織の一つといわれている。政府機関の機密情報がNSCに集中することで、政権運営の効率性を増している。また議会からのチェックを直接受けず、大統領の掲げる政策を実行するために、人数の振り分けや優先課題の順位を決めて任務をこなす。

 そのNSCの中でも最も重要なポストが、スタッフを束ねる大統領補佐官(安全保障担当)だ。歴代補佐官にはキッシンジャー(ニクソン政権)、プレジンスキー(カーター政権)、ライス(第1期ブッシュ政権)ら、軍関係者や学識者が名前を連ね、政治家はほとんどいない。補佐官は「仕切り」として議会の承認を必要とせず、証言義務もない。閣僚ではないが、閣僚と同等かそれ以上の力を持つため、歴代補佐官は国務長官や国防長官との間で権力争いを演じてきた。

 日本のように首相に権限が集中することを望まない党指導者が多い内閣制で、大統領の下に権力が集中するNSCが活動できるかは未知数なことが多い。米国もNSCの歴史は失敗と成功の繰り返しで、日本も米NSCの歴史から有益な手引きを学ぶことができる。

[コメント]私は安倍氏が掲げる日本版NSCを見て、これはホワイト・ハウスの大統領府にある米NSCとは”似て非なるもの”と考え、日本版といわず”安倍版NSC”と呼ぶことにした。

 安倍次期首相がNSCを立ち上げる目的は、政策を実行する行政組織が縦割りで、各省庁が利権を確保して手放さないことである。互いに権限を棲み分けて、予算を奪い合い、それで新しい時代に対応できない行政を改革するためである。内閣に出向してくる官僚たちも、出身母体の省庁に軸足を置き、内閣(官邸)でも出身官庁の連絡調整役にすぎない。通常、政権が代わる2〜3年たてば、出身の官庁に戻るのであるから、母体に不利益なことができないわけである。

 そのような体質を壊すことが安倍版NSCの目的だが、そのスタッフは各官庁の課長級から自薦させて選ぶという。また安倍版NSCには局長クラスの高級スタッフ会議を置くような構想もあるようだ。これでどうして各省庁の利権体質から切り離されるのか疑問に思う。日本版NSCを目指すのなら、政治家や官僚はそのスタッフから除くべき存在と思わないのか。

 また日本では官邸に各省庁が得た情報を上げることも、歴代の首相から何度も指示が出され、省庁から情報を官邸に伝える受け皿の官僚も配置された。しかし満足に機能していたとは言い難い。各省庁に不利な情報を官邸から隠すという場合と、それは逆に各省庁が官邸に自信できる情報を収集していないという理由もある。(アメリカ側から提供を受けているだけという現実)。

 だから安倍次期首相は各官庁を支配できるNSC構想は無理なのである。官邸のNSC構想はいいのだが、細部について論理が曖昧である。しかし安倍氏がNSCを創設しなければ、官庁の利権体質や族議員を政策や行政から切り離すことができない。まさに日本が退廃していく道しかないことになる。

 与野党を問わず、政治家の第1の使命は官僚政治を切り崩すことだ。そのカギは日本のNSCスタッフには官僚や政治家を主力として使わないことである。はたしてそれが安倍政権でできるかどうかだが、安倍政権にはその課題と宿命が背負わされている。

 そして安倍政権では、軍事制度の改革や軍事理論の練り直しが、安倍版NSCにとって最大の課題になることを知っている。

米情報機関が機密報告

「イラク戦争がテロ問題悪化」

ニューヨーク・タイムス紙

(読売 9月25日 朝刊)

[概要]ニューヨーク・タイムス紙は24日、米国の情報機関が「イラク戦争は、全体としてテロ問題を悪化させた」という結論の機密報告をまとめていたと報じた。これはCIAなど16の米情報機関が、国際テロとイラク戦争の関係を分析したもので、ブッシュ政権の「対テロ戦争で世界と米国は安全になった」という公式見解を情報機関が否定する形になった。

 同紙によると、世界規模でのテロの傾向」と題された機密報告は、政府機関内の激論を経て今年4月にまとめられた。国際テロ組織「アル・カーイダ」とその関連組織を核としていた勢力は、アル・カイダ指導部と直接の関係を持たない「自己派生」の細胞組織に変ぼうしたと分析している。また「イスラム過激主義は、衰退しているというよりも拡大している」と指摘している。

[コメント]ブッシュ大統領が先日の議会で、「対テロ戦争で世界と米国は安全になった」と話しているとのを聞いて不安になった。どのような情報と分析から、そのような楽観的な言葉が出てくるのか不安になった。この記事を読んで、米情報機関の正常さを知って少しはホッとしたが、別の心配も生まれてきた。

 その新しい心配とは、日本で盛んにいわれている対外情報機関の創立である。日本で創立された対外情報機関は、このように大統領の主張とは異なる報告を、正常にまとめることができるかという点である。日本であれば、首相の好むような情報を集め、首相の主張に沿った報告書をまとめようとすのではないかという心配である。情報収集の能力は限られているし、米情報機関の分析結果を覆す様なことは仕事は難しい。結局、日本独自の対外情報機関といっても、米国の17番目の情報機関を創立させ、東アジアなど限定した地域の限定した情報を収集するだけの組織になるような気がする。

 安倍新首相も官邸にホワイトハウスのNSCを作ると威勢はいいが、都合のいい情報だけや、米情報機関に”おんぶにだっこ”では、政策決定に悪影響を与える可能性が大になる。

 さて本題に戻って、この時期に、この報告書の内容が明らかになったのは、11月の米中間選挙を意識したリークだと思う。もはや米情報機関もブッシュ大統領の面倒は見られないと判断したからではないか。そのような判断も16の情報機関が激論を闘わしたからできた。単独や少数の情報機関では考えられない結論である。

アフガン・イラク戦争

米兵死者数 同時テロ超す

(朝日 9月24日 朝刊)

[概要]AP通信の独自調査によると、ブッシュ政権が派兵したアフガンとイラクの戦争で米兵の死者数が22日、2974人となり、01年9月の米同時多発テロの犠牲者2973人を超えた。内訳はアフガン戦争が278人で、イラク戦争が2696人だった。イラクの民間人の死者数は、国連の発表では7,8月の2ヶ月間だけで6599人と伝えている。

[コメント]同紙の別の記事に、昨日、バクダッド北東部にあるシーア派地域のサドルシティーで爆発があり、少なくとも市民37人が死亡したと報じている。昨日はイスラム教はラマダン(断食月)の初日で、宗教意識が高まり、例年、テロや暴力が頻発しているそうだ。昨日の爆発はスンニ派と見られる組織が犯行声明を出したという。

 それにしても、サドルシティーでは爆発や銃撃で今までに多数のシーア派住民が犠牲になった。同時にシーア派からの報復で、スンニ派にも多数の犠牲者が出ている。報復が報復を呼び、憎悪が憎悪を増す悪循環である。もはやイラクを3つに分断し、シーア派、スンニ派、クルド人地区に分けるしかないかと思うが、それこそがイラクの内戦を中東全域に拡大し、トルコやイランを呼び込んで宗派や部族戦争の泥沼にしかねない。

 もともとイラクは中東の中ではエジプトと並んで、高度な学問を学べる教育水準の高い国だった。それがフセイン大統領の独裁支配と、アメリカの戦争と軍事支配でメチャクチャにされてしまった。そして今の駐留アメリカ軍は、イラクの治安回復への情熱も自信も失っている。ブッシュ大統領は「テロとの戦い」を訴えるだけで、イラクからの出口(撤退)を示すことができない。

 ブッシュ大統領はアメリカがイラクから手を引けば、イラクはテロリストの巣窟になると言う。しかし昔、同じような言葉を聞いたことがある。「もしアメリカがベトナムから手を引けば、東南アジアは共産主義に席巻(せっけん)される」と。しかし南ベトナムは北ベトナムと統一したが、ラオス、カンボジアを含めてそれ以上の共産化は起きなかった。逆に社会主義国が資本主義の自由競争を取り入れている。

 イラクの治安回復は、ブッシュ大統領の様なアメリカ主義から切り離し、新たな国際的な機構で練り直すことはできないか。アメリカが単独で先制攻撃論で始めたイラク戦争を、キリスト教原理主義や、ネオコンなど根本的な問題から問い直し、新たな解決策を練り直す必要があると思う。

 それ以外にアメリカがイラクの泥沼化から抜け出す方法は考えつかない。

土曜解説

  宇宙基本法案

安全保障利用拡大狙う

(毎日 9月23日 朝刊)

[概要]自民党が検討を続けてきた宇宙基本法案(仮)が、早ければ26日開催の臨時国会で提案される。法案の柱は2つ。ひとつは偵察衛星など防衛目的で、自衛隊が宇宙利用できるようにすること。ふたつ目は国が宇宙開発の総合的な戦略を策定して進めるという点である。

 国連は宇宙条約を採決し、これを受けて日本の国会は1969年に「宇宙開発は平和目的に限る」と決議した。当時の平和目的とは”非軍事”であると解釈された。この国会決議が問題になったのは85年の防衛予算の審議である。自衛隊が米軍と共同訓練を行う場合に必要な通信衛星受信装置の予算を計上したところ、公明党が国会決議に反すると提起した。これに対して当時の政府は、「通信衛星はごく一般的に利用されているものだから利用が可能」という判断を示した。すなわちこの「一般化原則」が自衛隊が宇宙利用する道を開いた。同時に衛星開発分野で重要なハイテク技術など、一般化されていない先端技術を活用する道を閉ざすことになった。

 日本の情報収集衛星は、98年8月に起きた北朝鮮のテポドン発射で政府が開発を決めた。しかし”非軍事”の解釈で、防衛庁や自衛隊は自前の衛星の開発はできない。そこで災害などの対応を目的にして、内閣官房の予算で衛星を開発することになった。しかし事実上は軍事目的の偵察衛星である。災害時であっても、情報衛星が撮影した画像が公表されたことはない。情報衛星が持つ解像力がわかるからである。また現在までに情報衛星の開発や運用に5000億円以上の費用がかかっているが、最先端技術が使えないために「解像度1メートル」の能力にとどまっている。

 宇宙基本法はこれらの制約を取り払い、安全保障にかかわる宇宙利用を拡大する目的がある。欧米並みの、「防衛目的ならば自衛隊の宇宙利用を認める」という考えに立脚している。しかし「国会の宇宙平和利用の決議が何を意味し、防衛庁や自衛隊に何を認めて、何を認めないか、国民を巻き込んだ議論で明確にする必要がある」(鈴木一人 筑波大助教授)という意見もある。

 一方で、法案は省庁の縦割り障害を解消するため、政府に首相を本部長とする「宇宙開発戦略本部」を設置し、「宇宙開発基本法」を策定することを義務付ける。計画では研究開発だけでなく、安全保障や外交、産業振興などの国家戦略を推進するとしている。

[コメント]日米共にミサイル防衛(MD)で目指している究極的な弾道ミサイルの破壊システムは、敵のミサイルが発射されてスピードの遅い上昇中に、宇宙からレーザーを照射して弾道ミサイルを破壊することである。これなら多弾頭や囮に欺瞞されることもないし、敵地に近い場所で破壊するので、空中分解したNBC(核・生物・化学兵器)弾頭の被害を受けることもない。また開発されたレーザー兵器の新技術で、地上でも対人・対車両などへの新レーザー兵器が生まれ、戦争を画期的に変革する可能性を秘めている。しかしこれには大きな問題が2つある。一つは衛星に搭載できるほどレーザーの出力装置を小型化できるかという点である。そしてもう一つが、宇宙に攻撃兵器の配備を禁じた宇宙条約をクリアーできるかである。それをクリアーできなければ、宇宙の軍拡競争を誘発し、宇宙で各種の攻撃兵器が飛び回り、地球で極めて危機的な軍事環境が生まれることになる。

 最近、テレビでミサイル防衛(MD)構想のイメージ・アニメが放映され、宇宙空間でレーザー光線を使って簡単に敵の弾道ミサイルを破壊するシーンが出てくる。しかしあのイメージには非常に危険な宇宙環境を作り出すことを知っているのかと気になる。

 また日本の防衛戦略の特徴として、わざと限定されているのを承知で実行し、だから改正が必要という論理を好む性格がある。たとえば戦場のイラクに自衛隊を派遣し、いろいろな問題を発生させて、だから自衛隊改革の必要性を説くというやりかたである。このような実例は山ほどある。例えば憲法で集団的自衛権の行使が禁じられているのに、とにかく日米共同演習を活発化させ、そこで集団的自衛権の問題点を示し、その行使を”解禁”しようとするなどである。宇宙基本法制定もそのような実例になるだろう。 

 ところで最近気になっていることがある。03年3月に打ち上げた偵察衛星だが、一基のH2Aロケットで2つの偵察衛星を地球の周回軌道に乗せた。私は1つの偵察衛星が光学カメラと地上レーダーと2つの機能を持っていると考えていたが、どうやら別々の偵察衛星が別々の軌道を周回しているようだ。ということは前回の情報衛星打ち上げでは、日本のロケット技術がICBMで使われるMIRV(個別誘導多弾頭)を基礎的に獲得したと考えていいのだろうか。お恥ずかしい話しだが、ちょっと判断に迷っている。

韓国軍

巡航ミサイル開発完了

新聞報道

 北朝鮮全域が射程内に

(毎日 9月22日 朝刊)

[概要]韓国紙・中央日報は21日、韓国軍と国防研究所が北朝鮮全域を精密攻撃できる巡航ミサイルを開発したと、軍高官の証言を引用して報じた。来年導入する潜水艦からも発射が可能で、周辺国にも攻撃能力が大幅に高まる。

 韓国製巡航ミサイルは「天竜」と命名予定で、射程は500キロで、南北休戦ラインか付近から発射すると、北朝鮮全域が射程に入る。韓国軍高官は、「有事の際、開戦初期に北朝鮮のミサイル基地と戦争指導部の施設を集中攻撃できる」と述べた。

[コメント]韓国の周辺国とは中国や日本であるが、この巡航ミサイルの第1目標は北朝鮮軍の地下ミサイル基地である。スカッドやミサイルの移動発射台が地上に出てきた時、空中の無人偵察機で探知して、北朝鮮の弾道ミサイルが発射準備完了(数時間)するまでに破壊する兵器である。同時に平壌周辺にある司令部や、指揮・通信施設、電力施設などを破壊し、ミサイルの発射命令を混乱させる効果を狙っている。米軍艦船の海上配備・巡航ミサイルでは距離があるし、空中発射(航空機搭載)の巡航ミサイルでは航空機の運用に時間的な制約があって効果的でない。そこで韓国軍が地上発射の巡航ミサイルなのである。北朝鮮のスカッドは射程を伸ばして、休戦ラインから後方に下がる配置転換を進めている。そのことも韓国製・巡航ミサイル開発の理由であると思う。

 しかし日本や中国がこの韓国製・巡航ミサイルに過剰な反発をしないように、あらかじめ目標を北朝鮮国内の施設に限定していると日・中両国に説明したのではないか。これによって北東アジアで巡航ミサイルをめぐる軍拡競争が起きないための配慮である。また日本でのM−5ロケットの小型版(移動発射式)開発を、韓国政府が引き換えに同意した可能性もある。

 以上のような調整が行われていなければ、韓国製巡航ミサイルは北東アジアで大変な軍拡を誘発させる危険なことになる。私は米国の承認は勿論だが、日・中の了承を得て巡航ミサイルを開発したと考える。

タイ陸軍司令官

 「2週間内に暫定首相」

国王が「評議会」承認

クーデターは「必要悪」

市民 兵士を歓迎

軍トップに自信

民主主義後退 批判も

(読売 9月21日 朝刊)

[概要]タイのクーデターで実権を掌握した「民主改革評議会」は、クーデターを主導したソンティ陸軍司令官が、プミポン国王から評議会議長に任命されたと発表した。これはクーデターの後とはいえ、国王の意向が間接的とはいえ示されたのは初めて。同司令官はバンコクの司令部で外交団や記者団と会見し、「2週間以内に暫定憲法を制定し、暫定首相を選んだ上で、文民政府に権限を移譲する」と表明した。司令官は新憲法の起草には、「1年程度かかる」と述べ、総選挙の実施と本格的な民主政権の誕生は来年9月以降になると表明した。

 バンコク市内は戒厳令が敷かれ、政府機関や学校や一般企業も休業して閑散としている。主要な交差点には小銃を構えた兵士もいるが、「無血クーデター」を歓迎する市民も多く、緊張感は漂っていない。戦車の砲や兵士の肩には、国王に忠誠を示す黄色いリボンが飾られ、「プミポン国王に忠誠を誓い、市民の味方である」と若い兵士は話している。市民はクーデター兵士に飲料水や食料を提供し、兵士と会話を交わしたり記念写真を撮っている。ただ野党民主党のスポークスマンは、「タクシン氏の政治姿勢がこういう結果を招いたが、民主的でない軍のやり方にも不快を感じる」と話した。政府系や民放系のテレビやラジオは通常の通りの放送に戻った。

 タイは1932年に立憲君主制を確立して以降、16回ものクーデターが起きた。しかし92年のクーデターを最後に、軍は政治の表舞台から去り、タイは民主主義に到達したと思われていた。今回のクーデターで「タイの民主主義は振り出しに戻った」という論評もある。また政権を追われたタクシン前首相は、所得の低い地方の農民にカネをばらまき、人気を得ていたという現実もある。タイはバンコクへの一極集中を解消し、所得格差を改善しなければ民主主義が成熟しない。

[コメント]やはり今回のクーデターで正当性を主張するためには、プミポン国王の承認が絶対に必要であることを証明した。今後、今回の成功例に刺激されて安易に軍部がクーデターを起こすのを封じるためでもある。しかし国王はクーデターが非民主的な政治手段であることを知っている。国際的に信頼性がない非民主的な国は発展しない。だからタイでは今後、国王のクーデター容認はないと思う。だから初めての異例な国王承認声明は、タイにおける最後のクーデターであることの表明でもある。

 今回のクーデターでタイは、外国からの投資など経済的な損失や、イメージとして政治環境の悪化などのダメージを最小限に抑えた。

 東南アジアで次のクーデター要注意国はフィリピンだが、最近はアメリカとの軍事同盟化を強化している。だからアメリカはフィリピンの政変を嫌って、よほどのことがない限り軍部のクーデターを許可しないと思う。

 私は若い頃に、「クーデターの技術」という本を読んだ気がするのだが、本棚を探しても見つからない。米ソ冷戦時代にCIAのクーデター工作(謀略)を分析した本だが、日本人はクーデターを”決起”として感情的に考えているが、CIAは政治的な外交手段のひとつとして冷静に考えていたことに驚いた。日本で三島事件が起きて十数年後のことだった。

陸軍「首都を制圧」

タイでクーデター

外遊中のタクシン首相

 非常事態宣言

(各紙 9月20日 朝刊)

[概要]タイのタクシン首相が国連総会に出席のためニューヨークに滞在中に、ソンティ陸軍司令官がクーデターを起こした。すでにテレビでは「陸軍司令部がバンコクを掌握している」と放送している。タクシン首相は国営放送を通じ、バンコクに非常事態を宣言し、ルアンロー国軍最高司令官に陸軍司令官を兼務する辞令をだした。しかし解任された形のソンティ氏が軍を掌握し、タイ中心部にある首相府や官庁を、戦車や装甲車で制圧している模様。

 タイでは首相一族による株取引をきっかけに政局が混乱し、タクシン首相は2月に下院を電撃解散させた。4月の下院選挙では主要3政党がボイコットする中で行われ、与党・タイ愛国党が過半数を得たが、大量の白票で定員割れを起こした。首相はいったん退陣を表明したが、その時期をあきらかにせず、政局は不安定をまし、クーデターの噂が出ていた。

[コメント]クーデターの成否は決起した軍が、タイ国王の事前の承認を受けていたかが決定的な要素になる。タイでは国王の存在感や政治的な影響力は絶大で、タクシン首相とて国王の意向に反することはできない。

 その国王の意志だが、クーデターを起こしたソンティ陸軍司令官は国王の側近を通じて密接な関係にあるという。そこで今回は軍内部の対立や、市民の反クーデター行動は起きないと思う。

 クーデター軍は次の選挙まで臨時首相を指名して暫定政権を維持するが、選挙後に新首相が選任されると、穏やかに政権を移譲することは確実である。もはやタイのような国際社会と深い関係のある国では、クーデターによる政治や社会の混乱などは国益を損じて命取りになる。国王、政治家、軍人、市民が、ともに共有する国家観とクーデター論である。それを逆に悪用してタクシン首相は政局を混乱させた。軍のクーデターはもう起こせないと考えたのだろう。

 だから今回は軍独自のクーデターより、タイ国王の宮廷革命に近い政変である。軍独自で決起したわけではないし、国王の事前承認がなければ必ず失敗する。

 バンコクやタイに在住の日本人は、平静に行動して欲しい。今回は最小限度の緊張で収まると思う。

※クーデターと革命の違い

 クーデターは社会構造上で、政権や実権を持った者同士の権力闘争だが、革命は社会的に下位の者が上位の者の政権や実権を奪う権力闘争。日本のように高度近代化した国では、クーデターや革命は社会構造上から起こり得ない。クーデターや革命が可能な国の条件は、政治権力が一部の者やグループに集中し、容易に変革を起こしやすく、変革によって多くの者が損失を受けないという特徴がある。またクーデターが成功する重要な要因には、クーデター勢力の背後に大国や強い権力者の支持が必要である。

米で論戦

安倍氏は「国民主義者」?

ナショナリスト報道

(産経 9月19日 朝刊)

 

海外メディア、安倍氏に関心

目立つ「タカ派」懸念

(毎日 9月19日 朝刊)

[概要]自民党総裁選挙を20日に控え。米議会やメディアで安倍晋三官房長官への関心が高まっている。ニューヨーク・タイムス、ロサンゼルス・タイムス、ワシントン・ポスト紙などが「ナショナリスト」と形容し、日本のナショナリズムの高まりと結びつけている。ただ、専門家の中には、戦前のナショナリズムと同列ではないという指摘もある。

 特にニューヨーク・タイムスは頻度が多く、昨年5月には安倍氏を「保守的なナショナリスト」と名付け、「右派のナショナリスト」「若い世代のタカ派のリーダー」と紹介した。日本の近代史を研究するジョージタウン大学東アジア言語文化部長のケビン・ドーク教授は、日本の戦前と比較する論調について、「1930年代の民族主義的な傾向は見られない。むしろ国民の国に対する意識や参加を高めようとする国民主義者といえるのではないか」と指摘している。(以上、産経新聞)

[概要]米国の有力誌「ニューズウィーク」と「タイム」が先週発売のアジア版で、そろって安倍氏を表紙で取り上げ、海外メディアも安倍氏の評価に関心が集中している。外交・安全保障政策の「タカ派姿勢」を理由に、中国や韓国との関係悪化を懸念する記事が目立ち、さらに経済・財政の改革路線の継続を疑問視する見方も出て、辛口批評が多い。

 ニューズ・ウィーク誌は安倍氏を、@平和憲法の改正 A中国への対抗 の2大目標を掲げていると指摘。タイム誌も安倍氏を、「危険な国家主義者」とみなす批判と、「強い指導者」との期待の双方を紹介している。ドイツ誌シュピーゲルはホロコーストの否定を行ったイランのアフマディネジャド大統領となぞらえた極端な記事もあった。シンガポール紙ストレーツ・タイムズは、「小泉首相より保守的で、東京裁判を否定している」と指摘した。米誌ファーイースタン・エコノミックレビュー9月号は、「安倍氏は小泉首相と違って人材を外部から登用せず、内部の官僚や政治家で周囲を固めている」として、「日本は改革から離れる」と結論づけた。(以上、毎日新聞)

[コメント]はっきり言って中国や韓国の反日批判は、自国の政策や国民の不満を解消する目的が大半である。韓国の盧武鉉大統領は支持率の低下とともに、「困った時の反日頼み」で、日本との対立で韓国民の民族感情を煽った。中国共産党も反日闘争で誕生した正当性を強化するために、日本の侵略戦争を再利用して国民の愛国心を鼓舞した。いずれも根源は内政問題で、国民の不満が高まり、そのはけ口に反日感情を利用した。しかし今の対日闘争では、国内の問題は解決できないのである。その壮大な矛盾に中国と韓国は気がつきだした。中・韓の過激な反日運動は、やがて自分たちに向かう両刃の剣ということである。

 最も警戒すべきはアメリカと東南アジアの対日感情である。特にアメリカは阿倍氏の太平洋戦争・聖戦論や、A級戦犯・無罪論を警戒している。そのことで戦後に、アメリカが日本を根本から改革して作り直した反戦思想やアメリカ流価値観が否定されるからだ。

 しかし我々戦後世代に1930年代のような民族主義的な国粋主義はない。日本国民の大部分が考える日本国憲法の改正も、ただ自衛隊の存在を認め、自衛のための戦力行使を容認するだけである。しかし一部の勘違いした者が、日本は外国で戦争ができる軍隊を保有し、アメリカ軍と供に世界で戦える憲法改正を主張している。そんなことでアメリカの支持を得られると考えているし、日本の国益が拡大できると考えているからだ。

 むろんアメリカは日本の軍事大国化は支持も許容もしない。また日本が軍事力強化や戦争で得られる国益よりも、そのことで失う国損のほうがはるかに大きい。日本の核武装論などこの問題を考える上で好例である。

 残念ながら、阿倍氏の周辺にはそのような勘違い組が集まっている。これは阿倍氏がそのような者を好むというより、そのあたりの認識や感覚が鈍く、容易に懐に抱え込むスキを作っているからである。深層心理に戦後保守政権を再建した祖父の岸信介氏の影響を受けているからだろう。

 ちょうどこれは、北朝鮮と国交回復などやる気がないのに、外務省の北朝鮮利権のために動かされた小泉首相と似ている。日本は北朝鮮と国交を回復するためには、拉致問題の解決は避けて通れなかった。一方、北朝鮮は日本との国交回復で、日本から得られる戦争賠償金(経済協力金)が欲しかっただけである。そのため、日朝交渉はすぐに拉致問題で暗礁に乗り上げた。日本が北朝鮮に100億ドル(1兆円)払うから、拉致者全員を帰してくれでは通用しない問題である。ブッシュ政権が北朝鮮を見る厳しい視線を初めて知った。

 拉致問題は日本が北朝鮮と戦争になっても、拉致者を取り返すぐらいの覚悟がなくては解決しない。そこまでの覚悟は、阿倍氏や日本国民にない。だからいつまでも拉致問題が解決できないのである。私に制裁は戦争につながる道なので、北朝鮮への制裁は危ないという人がいた。しかし戦争の1歩前の段階の政治的な闘争手段して、経済制裁は相手が悲鳴を上げるほど厳しく行う必要がある。相手に戦争を選ぶか、屈服するかを迫る政治行為なのである。戦争をやる覚悟がないのに、経済制裁をやることほど危険なことはない。

 北朝鮮に経済制裁などを強めることを求める国民に、政治家はそのことを正しく理解してもらう必要がある。これが1930年代とは違う日本のナショナリズムである。日本への軍事的な威嚇に対して、日本は平和主義を捨てることなく、軍事的な威嚇に屈服しないという意味である。このくらいの覚悟がなくては日本の平和主義は貫けない。

※産経は”ナショナリスト”を、阿倍氏にだけは「国民主義者」と訳した。これには偽善のようなものを感じる。その訳では言葉の意味が正しく伝わらないと思う。ナショナリストは”民族主義者”と訳し、それから昔と違う意味があることを説明すべきだ。そもそも国民主義とは何なのか。非常に曖昧な言葉で、このような言葉が間違ったナショナリズムを生み出していく。

発信箱

美しい国の核武装

山田孝男 署名コラム

(毎日 9月18日 朝刊)

[概要]書店では核武装はタブーではないと帯をつけた「日本核武装の論理」(PHP研究所)が平積みされている。編著者は安倍官房長官のブレーンといわれる中西輝政京大教授である。冷戦期に比べ米国の核の傘は信頼が低下してきたとし、北朝鮮や中国の核兵器に日本の核武装論の議論を始める必要があると説く。

 今年3月には週刊文春が麻生太郎外相の「核武装発言」を報じた。昨年12月に訪米した際、麻生外相はチェイニ副大統領やラムズフェルド国防長官に、「北朝鮮が核開発を続ければ、日本も核武装しなければならない」と語ったという。麻生氏は記者会見で否定したが、この発言は事実と見る向きが少なくない。

 中曽根康弘元首相も最近発表したレポート「21世紀の日本の国家像について」で核武装論に触れ、「非・核保有国としての立場を堅持し、NPT体制の強化に努め、将来における国際社会の大変動に備え、核問題の検証を行っておく」と記している。

 安倍氏は副官房長当時、「憲法解釈上は、自衛のための必要最小限度を超えなければ核兵器も保有できるが、非核3原則やNPTにより、核保有という選択肢はない」(02年6月10日 衆院武力事態委)と語っている。安倍氏は従来の政府見解を踏襲しているが、これから安保環境が激変する中で、新首相の核戦略がどう変わるか注目される。

[コメント]広島や長崎の被爆体験を持つ日本が、核武装するとは考えられないというのが一般論と思う。しかし日本では確実に核武装論が広がっている。今や反核論者は悲惨な被爆体験に依存するだけでなく、核武装論者と議論して正当性を主張する論拠が必要だと思う。もし北朝鮮が核実験を行えば、日本で核武装を訴える政党が選挙で大勝する可能性があるからだ。残念ながら、今の核戦略では核攻撃を抑止できるのは、核兵器による大量報復しか効力がないとされている。

 今後、米軍の再編(トランスフォーメーション)で韓国や日本から、駐留米軍が劇的に撤退していく時代が来る。それと相まって、米国の核の傘に対する不安や信頼低下も強まることは間違いない。

 なぜ日本は核武装しないのか。なぜ日本は核武装が必要なのか。比較的冷静な今のうちに、質の高い議論を始めたいと思う。

 先日、暇つぶしに読んだ本に、日本の核武装を最も恐れているのはアメリカと書いてあった。私は日本から中距離弾道ミサイル(射程が500キロ〜5000キロ)の射程に入る中国と思っていたが、アメリカとは意外だった。

 ところで日本は今まで、核兵器の威嚇を受けたことがあるのか。日本は核兵器で何を攻撃するのか。またどのような場合に核兵器を発射するのか。核兵器以外の抑止力は本当にないのか。安倍新政権では集団的自衛権の次の課題は、この核武装論が問題になると思う。今はその準備と下工作が行われている。憲法改正はその次の課題である。

NATO

アフガン増派 調整難航

戦闘激化、加盟国尻込み

(読売 9月16日 朝刊)

[概要]アフガニスタン南部で活動する国際治安支援部隊(ISAF)を増派するNATO(北大西洋条約機構)の調整が、激しい戦闘のために加盟国が増派をためらっている。本来は治安維持を担当するISAFだが、対テロ作戦に従事する米軍並みの作戦領域に足を踏み入れつつあるからだ。

 ポーランド政府は14日、ドイツ国境の約1000人をアフガンに転戦させると表明したが、これは以前から予定されていたもので、任務もカブール北方の空軍基地警備である。戦闘激化で増強が必要な南部は、加盟各国は派遣に尻込みしている。

 フランスやイタリア、スペインなどはレバノンへの派遣を控えているし、英国、カナダ、オランダの部隊は米軍とアフガン人部隊とともに、激しい戦闘任務に従事している。最近のオランダ軍の基地警備ですら、米軍のF−16戦闘機による対地支援で16人のタリバンを殺害する様な戦闘が行われている。これは「治安維持」のレベルとはかけ離れている。

 NATOは8日から加盟国に部隊供出を求めているが、アフガン南部に増派や派遣を公式に示した国はない。NATO事務局は「9月下旬の国防相理事会で何らかのメドをつけたい」(アパスレイ報道官)と危機感を強めている。

[コメント]日本はすでにこのアフガン戦争に参戦している。今のところ自衛隊の活動地域をインド洋に限定しているが、テロ対策特別措置法(テロ特措法 01年10月に成立)はアフガンに海上から武器・弾薬が持ち込まれたり、アフガンの戦闘員(テロリストなど)が海路で移動することを警戒して活動している。当初は2年間の期間限定法であったが、毎年延長されて今もインド洋での給油活動は継続している。

 またアフガン南部のタリバンも勢力は復活して、南部ばかりか、首都カブールでも自爆テロを起こし始めた。もしタリバンが復活すると親米路線をとるパキスタンのムシャラフ大統領が危うくなる。パキスタンでムシャラフ大統領が実権を失えば、こんどはカシミール地方のイスラム過激派がインドへの攻撃を強めてくる。

 ということでアフガンのタリバン問題は、レバノンやイスラエルの問題や、イラクの米軍駐留やイランの核開発と連動し、さらにはパキスタンやインドのカシミール問題にまで強く影響を与えているということである。

 とてもアメリカ一国にレバノンからカシミールに至る地域まで、延焼を始めた火事を消せる力はない。消火するためには、ブッシュ政権の軍事力依存をやめさせ、ロシアや中国にもこの消火に参加させ、NATO軍やイスラム諸国も消火に参加させる以外に、延焼する火事を消すことはできない。

 おそらくアメリカのイラク戦略は、2年後の大統領選挙でホワイトハウスの主が変わるまで好転は期待できない。まずはレバノンで国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の活動を成功させることである。最近になって、UNIFILに中国が部隊派遣を表明した。またロシアもUNIFILに参加はしないが、平和維持のためにレバノンに部隊を送ることを表明した。トルコも1000人の部隊をUNIFILに派遣することを国会で承認した。

 かすかだが、中東に和平の兆しが見えて来たように感じるのだが。それにしてもネオコンが同時多発テロを利用して、中東などにまき散らし戦禍の跡が痛々しい。政治の失敗はそれほど大きな不幸を生んでしまう。我々の世代はこのような光景を心に刻んで、後世に語り継ぐことを忘れてはいけない。

米海兵隊移転

「グアムに最大85機」

太平洋軍副司令官

 沖縄県内基地影響も

アジア拠点2ヶ所に

問われるシュワブ必要性

(沖縄タイムス 9月15日 朝)

[概要]在沖縄米海兵隊のグアム移転を担当する米太平洋軍のリーフ副司令官は、今月11日にグアムを訪問した際、「米海兵隊のヘリや航空機を、最大で85機がグアムのアンダーソン空軍基地に配備させる」と話したことがわかった。在日米軍再編のロードマップでは、岩国基地に配備されている海兵隊のCH53Dヘリ(8機)を、司令部要員とともにグアムに移転させることが明記されている。グアムの地元紙「パシッフィック・デイリーニュース」などによると、リーフ副司令官はグアム選出の国会議員との面談で、「海兵隊はグアムのアンダーソン基地で空軍と滑走路を共有する」と述べたが、どの部隊がくるか6年間はわからないと話した。日米政府の調整が終わっていないことや、海兵隊から具体的な計画が示されていないからだという。

 米軍はアンダーソン基地に空軍の戦闘機48機や最新の無人偵察機などを配備する計画を策定している。台湾や朝鮮半島に近いグアムに、海兵隊部隊や航空部隊が強化されれば、沖縄に海兵隊の陸上部隊を残留させる合理的根拠を欠くことが考えられる。キャンプ・シュワブに海兵隊の陸上部隊と航空部隊を一体化し、2000メートルの滑走路2本を持つ普天間飛行場代替えの必要性も問われることになる。

[コメント]沖縄のキャンプ・シュワブにはこれから沿岸部に建設される飛行場と、隣接する辺野古弾薬庫、それに海兵隊の部隊が駐屯する。それに新飛行場に建設される軍港も重要である。しかしほとんどの海兵隊部隊はグアムやハワイや本土に撤退すると思う。そこを管理するのは、隣接するキャンプ・ハンセンに移転してくる陸自部隊である。米海兵隊は年数回の巡回訓練でキャンプ・シュワブに来て、ハンセンの陸自と共同演習を行うと推測できる。その時はグアムから飛来した海兵隊の航空部隊も、シュワブ沿岸の新飛行場に集結する。その程度の活用に莫大な基地建設費が必要かという議論になる。

CIA工作員漏えい

アーミテージ氏を提訴

(毎日 9月15日 朝刊)

[概要]米CIA工作員身元漏えい事件で、身元を暴露され損害を受けたとして元工作員のバレリー・プレイムさんと、夫で元駐ガボン大使のジョゼフ・ウィルソンさんは、漏えいを認めたアーミテージ元国務副長官をワシントン連邦地裁に追訴した。これは既にチェイニー副大統領などを相手にした損害賠償請求訴訟の裁判にアーミテージ氏を追加したもの。

 訴状によると元副長官は、米紙のワシントン・ポスト紙の記者に、「元大使の夫人はエージェント(CIA)で働いている」と機密情報を漏らした。アーミテージ氏はプリイムさんに謝罪している。

[コメント]ご存じのように、アメリカでは情報機関で働く者の名前などを漏らせば処罰される法律がある。それは大統領や国務長官であっても処罰の対象になる。ところが日本では情報担当者が堂々と名刺を差し出して挨拶をする。肩書きの入った名刺を出して所属を示し、相手から情報の提供を受けることが日常的な情報収集活動だからと思う。

 安倍官房長官が官邸に対外情報機関を作るというが、もしCIAのような情報機関を作る気なら、だれが彼らの身元を守ってやるのだろうか。日本に対外情報機関を作る必要性は理解できるが、単に人材をよせ集め、資金を出すだけではロクな情報は集まらない。省庁間の利権争奪に左右されることなく、10年、20年、30年といった、長い時間で情報収集や工作活動が必要である。さらにもし捕らわれれば、スパイ交換などして工作員を助けることも大事だ。日本の政治家や官僚にそんな能力や決意があるのだろうか。

 要は日本には国際的な情報機関は無理ということではないか。それよりも合法的な国際会議などを主催し、学者や研究者を集めて議論する方が向いているような気がする。私が30代の前半頃に、ある人からシベリア鉄道に関する分厚い調査・報告書を頂いたことがある。その方は政府の情報機関で働き、学者やジャーナリストに研究・取材資金を提供したり、国際会議などに参加して、シベリア鉄道の情報を集めたと話された。そのころは米ソ冷戦の真っ最中で、その報告書を読んですぐに、「有事にはシベリア鉄道を爆破するつもりだ」と直感した。まだ第2シベリア鉄道が開通する前だった。

 満州の関東軍もシベリア鉄道の爆破計画や、スターリンに反対するロシア人勢力を使ってシベリア鉄道を爆破する工作をしておけば、終戦直前のソ連軍南下を防げたと思うことがあった。今ならペルシャ湾のホルムズ海峡を、大型タンカーの爆破で封鎖するぐらいの影響を与えることができたと思う。

ワシントン・ポスト紙報道

イラク米軍、悲観報告

「西部制圧には兵力不足」

(朝日 9月14日 朝刊)

[概要]イラク西部のアンバル県で米兵の兵力が絶対的に不足し、このままだと国際的テロリストのアルカイダ勢力を押さえることが不可能とわかった。現地駐留の米海兵隊情報担当者が、8月に悲観的な分析報告をしていることを米有力紙が相次いで伝えた。スンニ派が集中し反米攻撃が続く同県では、米軍が首都バクダッド周辺の宗教間対立に米兵を増強して安定を目指したため、米軍の兵力不足が深刻になった。

 米国では11月の中間選挙を前に、ブッシュ大統領のイラク政策が失敗したとの考えが国民の間で広まり、与党共和党の議員からも撤退日程の設定を提唱する声が少数ながら起きている。しかしイラク西部の現場から兵力増強の声が出てきたことで、撤退論の圧力をしのぐ材料としてブッシュ政権側で使われそうだ。

[コメント]7月12日にイスラエル兵2名をヒズボラが拉致して、それを機会に、イスラエル軍がレバノンへの侵攻を開始したことは、ブッシュ政権がイラクの泥沼から抜け出すためにイスラエル政府と共同して行った作戦と考えている。すでに昨年(05年)4月には20年以上にわたりレバノンに駐留支配したシリア軍は撤退している。同年2月に起きたハリリ前レバノン首相の暗殺事件を、シリアの秘密警察の仕業と疑われ、反シリア運動が高まったためである。次ぎにレバノンでアメリカが排除したかったのはメンバー数が5000人程度というヒズボラである。82年にイランの革命防衛隊によって創立されたヒズボラは、シーア派住民が多く住むレバノン南部に軍事拠点を築いた。そしてベールト近郊やベッカー高原に政治部門の拠点を構築していた。

 最近になって、イスラエルはレバノン南部のヒズボラ拠点に、イランからシリア経由で1万3000発のロケット弾が運び込まれたことを察知した。何としても、この武器を破壊させたいと虎視眈々と狙っていた様だ。またアメリカはレバノンからヒズボラを追放すれば、シリアのアサド大統領を暗殺かクーデターで葬り去り、レバノンのベイルート港からシリアのダマスカスを通り、イラクのバクダッドを結ぶ陸上補給路を築くことができると考えた。同時にシリアからイラク西部に侵入するアルカイダなどの国際的な反米武装勢力を防ぐ”万里の長城”の役割を補給路に担わせることが可能だった。すなわちイスラエルのレバノン侵攻は、アメリカにとってもイラクの泥沼から抜け出す起死回生の中東作戦だった。

 しかしイスラエルはヒズボラを捕捉するのに失敗した。今までのヒズボラの秘密主義が効力を発揮して、避難民とヒズボラ兵士を分離させることが出来なっかたのである。イスラエルは確実な戦果を得ることなく、レバノン各地の道路・橋・住居などの生活インフラを破壊しただけで、国連安保理の停戦提案を受け入れた。アメリカのライス国務長官が最初はイスラエル寄りの発言を繰り返し、ヒズボラをイスラエル軍が壊滅させてくれることを願っていた。しかし7月30日のイスラエル軍の誤爆事件(56人死亡)で、レバノン国内ばかりか、国際世論までもイスラエル軍の軍事作戦に批判の声を強めだした。これでライス国務長官もイスラエル寄りの発言を繰り返すことができなくなった。こうしてイスラエルはレバノン南部から撤退したのである。

 これは同時に、イラク西部の米軍兵力が増強される見通しが立たなくなったばかりか、イラクに駐留する14万人米兵に出口(撤退時期)を示すことができなくなった。さらに核開発を強行するイランに対しても、アメリカの軍事的な圧力という手段は封殺され、金融制裁という限定的な圧力しか使えなくなったという意味である。

 イスラエルが国連安保理の停戦案を受け入れた時、イランではヒズボラの戦勝を祝って祝宴が催された。またレバノンからイスラエル軍を撤退させヒズボラに、レバノン市民の支持が増しているという。

 アメリカとイスラエルが共同して始めたレバノン侵攻だが、結果はブッシュ政権が期待していたものとはほど遠いことになった。そのような政治状況の中で、イラク西部に派遣されている米海兵隊情報担当者の悲鳴がこの報告書なのである。

米中海軍

ハワイ近海で初の合同訓練

(産経 9月12日 朝刊9

(北京 時事)

華僑向けの中国通信社の中国新聞社電によれば、米国を訪れている中国海軍のミサイル駆逐艦は10日、ハワイ近海で米太平洋艦隊のミサイル駆逐艦と合同で初の海上通信・機動訓練を実施した。合同演習は米中の高級将官が交代で指揮を執り、相手側の駆逐艦にオブザーバーを派遣し、6時間かけて行われ、それぞれの指揮官が全体の評価を行った。中国艦隊のミサイル駆逐艦と総合補給艦はこの後、サンディエゴ軍港に向かい、災害救助を目的とした米海軍との共同訓練を行う。

[コメント]広島市に本社がある中国新聞社の幹部が、東京の新聞協会の会合に出かけた時、「わざわざ中国から訪日されたのか」と言われたことがあると聞いた。その日本の中国新聞ではなく、中国の華僑向け通信社の中国新聞の配信である。

 このように米中両国では冷戦を防ぐために、互いに軍艦を訪問させ、信頼醸成を行っているのである。今は狭窄(きょうさく)的な視野での中国脅威論は通用しない。その程度の低い軍事知識では、中国海軍の潜水艦が故意に日本の領海を侵犯したというような話しを生んでしまう。また別の推測では、中国海軍が北京の政治指導者に、海軍の存在感を示すために領海侵犯させたというものもあった。それほどの力が中国海軍にはない。

 でも初のこの共同訓練で、敵味方に分かれて対抗形式なら、どちらが先に相手を探知できたか興味がある。まあ、そのような実力の差が歴然と出るような想定は、エチケットして米側が避けるだろう。今回の演習の想定が記事には書かれていないが、貨物船などの海難救助や漂流者捜索などが想定された可能性が高い。

 日本の海自も中国海軍の艦船と、海難救助の合同演習を行うぐらいの度量を見せて欲しい。しかし潜水艦救助の想定ではちょっと刺激が強すぎると思う。

 日本の古い冷戦思考での中国軍の研究者は、とにかく脅威を強調して中国軍脅威論を説く傾向がある。冷戦思考の中国軍研究者たちは、今回の米海軍と中国海軍の交流をどの様に位置づけているのだろうか。

ハタミ前イラン大統領

「実行犯、天国行けない」

「イスラムの名でテロ」非難

(毎日 9月10日 朝刊)

[概要]訪米中のイランのハタミ前大統領は、ワシントン近郊のアーリントンで行われた「米・イスラム関係評議会」の会合で演説し、「9・11の惨禍では二つの犯罪が行われた。ひとつは無実の人々を殺害し、第2はイスラムの名の下で行われたことだ」と指摘した。「いかなる理由でもテロは市民を殺すことで、人道に反する。我々イスラム教徒はもっと強くこの蛮行を非難すべきだ。こうした道義を欠いた人間は、絶対に天国に行けない」と語った。

[コメント]明日の9・11(休刊日)を前に、各紙では同時テロ発生から5年後のテロ戦争を特集する記事があふれている。そのほとんどの記事が、読めば気が重くなるものばかりである。しかし唯一、明るい希望を感じたのがこの記事である。ハタミ前大統領はホメイニ革命後に訪米した最もランクの高いイランの要人である。アメリカが訪米ビザを出したことに驚いたが、ハタミ前大統領が訪日した直後に訪米ビザが出たことから、日本政府がアメリカにハタミ氏訪米を仲介したと信じたい。

 私は若い頃に”洗脳の技術”について研究したことがある。社会問題や犯罪になる詐欺や霊感商法や占いなどを通じて研究した。無論、軍事でいうところの”心理戦”を学ぶためだった。そこでわかったことは、洗脳は貧富、学歴、社会的地位、教養、宗教(信仰)に関係なく、どのような人にも短期間で可能ということである。大学院で最新の物理学研究で博士号をとった者でも、難関の司法試験に合格した弁護士でも、オウムの様な狂った教義で簡単に反社会的な洗脳された事例が証明している。要はこれらすべて、軍事心理戦の応用なのである。

 とくにイスラム教では殉教の行為を高く評価している。だから殉教という行為と死後の世界を説くことで、イスラム教徒は容易に洗脳しやすい環境になっていると思う。その様な環境では、日本の太平洋戦争の戦前・戦中と似ている。しかし自爆テロと特攻の違いは、一般人を犠牲にするかしないかの点である。その点ではアメリカの原爆や都市爆撃のほうが、はるかにテロの分類に近いのではないか。アメリカやイスラエルは「国家の軍事組織が行うことはテロではない」というが、それは強者の手前勝手な論理で、弱者から見れば一般人を殺戮することでテロと大差はない。テロやゲリラ戦は弱者の論理から発展している。

 そこで世界のイスラム教の聖職者や政治リーダーは、強硬派や穏健派の区別無く、テロの反イスラム性を強く説いて欲しい。イスラム教徒で自爆テロを行った者の多くが、天国のドアを開けるためのカギや、天国に入るためのカードを所持していると聞く。だから「罪の無い者を殺害する者は天国には行けない」と説くだけで十分である。

 我々が目指すテロとの戦いは、イスラム教徒との戦いではなく、無実の市民を殺傷する無差別攻撃との戦いである。その点では、一般市民をテロリスト容疑者として殺害するアメリカやイスラエルのやり方にも重い責任があると思う。ハタミ前イラン大統領の言葉には、アメリカの対テロ戦争に対する非難の言葉も含まれている。

※明日は9・11である。世界は極東の日本から夜が明けていく。東南アジア、パキスタン、アフガン、中東、ヨーロッパ、そしてアメリカの順である。大きなテロ事件が起きないことを祈っている。

情報収集衛星3基目

  9月10日 打ち上げ

安定軌道へ正念場

H2Aロケット

 3年前の失敗教訓に

(産経 9月8日 朝刊)

[概要]日本の情報偵察衛星の光学2号機が10日、種子島宇宙センター(鹿児島県)からH2Aロケット10号機で打ち上げられる。H2Aロケットの打ち上げは10回目だが、3年前の6号機では情報衛星の打ち上げに失敗している。03年3月にはH2Aで光学衛星1号と地上レーダ衛星1号の打ち上げに成功したが、同年11月の打ち上げ失敗で光学2号とレーダー2号を同時に失った。

 今回の打ち上げでは、光学2号だけを打ち上げ、レーダー2号は来年初めの打ち上げを予定している。光学衛星は高性能デジタルカメラを搭載し、レーダー衛星は夜間や悪天候時にも地上の様子を把握できる地上レーダーを搭載している。来年の打ち上げが成功すれば、地球上のどこでも毎日1回の監視が可能な衛星4基体制が出来上がる。

 内閣官房内閣衛星情報センターによると、現在運用中の衛星2基は順調で「予定の5年間の運用を越えてしばらく運用できそう」という。しかし今年7月5日のテポドン発射では、日本の衛星の能力が低く、政府の情報を米国の衛星情報に頼るしかなかった。日本の光学衛星では解像度が1メートルで、地上でトッラクか乗用車を判別できる程度だが、アメリカの早期警戒衛星は解像度10センチという高性能である。日本は09年に打ち上げ予定の光学3号では、解像度を60センチに上げる予定である。

 H2Aロケットは7回目以降3回連続で成功しており、こんどの10回目で4回連続に成功すれば信頼性が増し、衛星の民間市場にアピールできることになる。

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)の立川敬二理事長は、「搭載する衛星を意識しないで、着実に打ち上げたい」と話している。

[コメント]この日本製の衛星を”情報”衛星と呼ぶが、これは国際的にはれっきとした”偵察”衛星である。軍事目的の偵察衛星では「まずい」ということで、大規模災害時に使用できると詭弁して情報衛星と名付けた。今や軍事目的のものが”大規模災害に使える”という詭弁で誤魔化すのが常識化している。例えば、無人偵察機、軽空母などの例である。そんな詭弁はやめて、堂々と国防を論じる習慣を日本に根付かせたい。

 またこの偵察衛星の運用が内閣府に置かれているが、これも警察庁や国土交通省が新たな利権として奪い合うので、無用の対立を避けるために戸籍上で衛星運用組織を内閣府に置いている。実際の運用や画像の解析にあたっているのは、大部分が防衛庁の技官や自衛隊員である。

 さらに国民が知っておく必要があるのは、光学デジタルカメラではないが、衛星の地上レーダーに使われている電波の周波数帯はLバンド(1〜2ギガ)で、アメリカの偵察衛星のXバンド(8〜9ギガ)ではなく、Lバンドなら高度にもよるが、解像度1メートルという性能を疑問視する専門家が多い。私は数メートルと聞いたことがあるが、日本ではそのことが軍事機密らしく、アメリカで日本の偵察衛星を取材した方が詳しくわかるという。

 ちょっと気になるのは、この記事では解像度が10センチという早期警戒衛星だが、早期警戒衛星は偵察衛星(KH−12)と違い、高度が3万5000キロという遠方から静止して、ミサイルの発射などを監視している軍事衛星である。KH−12の場合は、400〜500キロの高度で地球を周回し、偵察画像の精度を高めたい時は200〜300キロ付近まで一時的に高度を下げることが可能である。早期警戒衛星と偵察衛星の解像度を比較するのは変だと思うのだが。

 ともあれ10日の衛星打ち上げは”成功”して欲しい。イラクのサマワから自衛隊が撤退する際、自衛隊の宿営地周辺に不穏な動きがないか、”たぶん”日本の偵察衛星で情報収集したと思う。テポドン2の発射はアメリカの偵察衛星にまかせ、日本の衛星はサマワ周辺に注目していたのではないか。日本独自の判断で宇宙から見てみたい所は少なくない。

在日米海軍

新空母、グアム以外に配備

(産経 9月7日 朝刊)

[概要]在日米海軍のケリー司令官は6日、日本記者クラブで会見し、米海軍が来年春に計画している太平洋での6隻目となる空母の配備先について、グアムではない見通しを示した。配備先としては、ブレマード(ワシントン州)、サンディエゴ(カリフォルニア州)、パールハーバー(ハワイ州)と、グアムの4ヶ所が候補に上がっていることを確認。しかしグアムは一時的な寄港ができる能力を維持したいが、母港になることはないと述べた。

[コメント]グアムのアプラ港はアプラ米海軍基地があるが、アプラ港の入口の幅が狭く、巨大な空母が出入りするには無理だと思う。港の入口まで伸びる防波堤の一部を撤去し、入口の幅を広げることも考えられるが、空母への後方支援能力や乗員の休養施設を考えると、狭いグアムでは能力が不足する感がある。また、ブレマードとサンディエゴには、すでに空母が配備されているが、太平洋の広さを考えると、ハワイが最も妥当な6隻目の配備先として浮上する。またハワイ州では、空母の母港化を誘致する運動が盛んで、州政府を中心に熱心な誘致合戦を繰り広げている。私はハワイのパールハーバーが新空母の母港に選ばれると推測している。

 しかしグアムの米海軍には、空母ではないが新しい強力な戦力が配備されることは確実である。すでに、中国海軍の潜水艦に対抗する攻撃型原潜(SSN)や、東南アジアのイスラム原理主義過激派に対抗するための特殊部隊を輸送する原潜(SSBNの改造)の配備は公表されている。さらにこれからのトランスフォーメーション(米軍再編)で、在韓米陸軍や沖縄の海兵隊が削減されれば、佐世保配備の強襲揚陸艦がグアムに移駐し、グアムに移駐してきた米海兵隊と連携した作戦をすることが考えられる。しかし佐世保の艦船修理施設は手放したくないから、仮に強襲揚陸艦がグアムに移駐しても、日本には海兵隊の巡回訓練や艦の定期修理で、佐世保には度々寄港すると考えられる。

青森・大湊総監部

海自艇、機関砲10発誤射

射程内には民家

(朝日 9月6日 朝刊)

[概要]青森県むつ市にある海自・大湊地方総監部の突堤で、5日午後7時20分頃、停泊中のミサイル艇3号の20ミリ機関砲から10発の弾が誤射された。発射された弾は実弾4発、訓練弾4発、曳光弾2発だった。ミサイル艇は津軽海峡沖の洋上で射撃訓練を終え、午後6時頃に総監部の突堤に入港した。射撃訓練で機関砲を遠隔操作する部品に不都合があったため、部品を交換して作業確認中に誤射があった。

 実弾4発は「焼夷りゅう弾」で命中すると爆発する。訓練弾は爆発しない弾で演習では混ぜて使用される。20ミリ機関砲の最大射程は4,5キロだが、誤射した時の銃身の角度から、弾は2キロ以内に届いたと考えられる。2キロ以内には民家もあることから、地元の警察や自衛隊が付近を捜索している。

[コメント]実弾の管理や安全点検の厳しい自衛隊ではちょっと考えられないような誤射事故である。沖合で実弾射撃訓練を行えば、実射終了後に必ず安全点検を行い、機関砲の薬室を含めて弾が完全に抜き取られているか点検を行う。その基本作業を忘れたというものだろう。このミサイル艇の艇長は、かなり厳しい処分を受けると思う。

 海保は同種の20ミリ機関砲を使い、東シナ海で北朝鮮の不審船を銃撃し、自爆に追いこんでいる。あの時の弾は命中しても破裂しない弾(訓練弾)だった。不審船の機関や船体の一部を破壊し、逃走出来なくするのが目的で、海自のように”大破”や”撃沈”することが目的ではないからだ。

 本当に考えられないような事故だが、この1件で、今まであれほど自衛隊で厳しく安全管理を行ってきたことが”怠慢組織”というように見られてしまう。これから兵器がオートマッチクになると、異常電流や振動や衝撃で誤射が起きてしまう可能性がある。自衛隊はヒューマンエラー(人間のミス)以外にも、これからは安全点検を厳しくする必要がでてきた。

レバノン処理に手間

停戦後12人死亡

不発弾10万発

復興の障害

(読売 9月5日 夕刊)

[概要]イスラエル軍がヒズボラとの戦争末期に使用したクラスター爆弾の不発弾除去作業が始まっている。「子爆弾」と呼ばれる不発弾は10万発以上といわれている。8月14日の停戦後から不発弾で12人が死亡、50人以上が負傷するなど深刻な被害が出ている。

 地雷や不発弾の処理専門の英民間団体(MAG)は、一日がかりで約50個以上の不発弾を処理しているが、まだまだ農地には多くの不発弾が残されている。レバノン南部を担当する国連地雷対策調整センターによると、自宅に戻った住民が自宅近くの不発弾を除去しようとして死傷するケースが頻発しているという。同センターの報道官は、「人手も資金も足りず、家やその周辺を除去するだけの緊急措置しかできない状態。完全に除去するには1年以上がかかる」とため息をついた。

[コメント]今回、イスラエル軍が使用したクラスター(集束)爆弾だが、空中散布の対人地雷の代替えとして活用している。ヒズボラに立ち入らせないためとか、交通や移動をさせないという目的での使用である。地面を掘って対人地雷を埋設する時間がないときに使われる方法である。しかしこの犠牲者はヒズボラよりも、地雷の知識のない子供や女性が多い。アフガニスタンでは空中(米軍輸送機)から食糧を入れた黄色いバッグを大量に投下し、そのあとで黄色いクラスター子爆弾を散布し、食糧と勘違いした子供や女性が多数死傷したケースもあった。

 ただクラスター爆弾の知識があれば、地面に転がっている子爆弾の安全装置が、外観から容易に解除されているか判別できる。安全装置が解除されていなければ、拾って集めて爆破処理することは容易である。また安全装置が解除していれば、長いロープの先に針金を曲げて子爆弾を引っかけ、安全な場所まで移動させて爆破処理する。しかしイスラエル軍が対人地雷として散布したなら、同時に別の爆発物を仕掛けて、子爆弾の除去を難しくしている可能性がある。そのあたりの判断は爆発物処理の専門家に頼るしかない。

インドネシア

レバノン派遣決定

PKOも月末から1000人

(朝日 9月5日 朝刊)

 

レバノン暫定軍

カタールが派兵

アラブ諸国で初

(毎日 9月5日 朝刊)

[概要]レバノン南部で停戦監視などの平和維持活動にあたる国連レバノン暫定軍(UNIFIL)に、インドネシア政府は9月末から約1000人の兵士を派遣することを決めた。20日には先遣隊を送り、本格派遣の準備に入る。インドネシアではイスラエル軍のレバノン侵攻に反発が高まり、大規模な抗議デモが各地で相次いで起こっている。今回のレバノン派遣には、「中東問題に手をこまねくだけの政府に批判の矛先が向かう前に、真剣に取り組んでいる姿勢を示す国内世論対策」(地元ジャーナリスト)という指摘もある。派遣部隊にはユヨドノ大統領の長男アグス陸軍中尉(28)が加わっている。インドネシア国民の中にはイスラエルを壊滅させに行くという誤解も生まれており、政府は平和維持を目的とする国際貢献であることを強調している。(以上 朝日新聞)

[概要]カタール政府は4日、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)に200〜300人規模の兵士を派遣すると発表した。アラブ諸国からUNIFILに参加表明は初めて。これは4日に国連アナン事務総長のカタール訪問を受け、ハマド第1副首相兼外相が記者団に発表した。しかし参加時期は明らかにされていない。(以上、毎日新聞)

[コメント]イスラエルと国交のないインドネシアが部隊を派遣することに驚いたが、アラブ諸国からもUNIFILに参加が表明されて、また驚いた。これでイスラム教国家が相次いで参加を表明したことになる。

 アメリカのイラク統治の失敗には、イスラム諸国の多国籍軍イラク参加が得られなかったことが上げられる。そのためイラク統治がイスラム国家対非イスラム国家の構図になり、国内の対立を高めることになってしまった。その点でフランス政府はイスラム国家からのUNIFIL参加を強く促したのではないか。

 そこで昨日も書いたが、日本の自衛隊がUNIFILに参加する可能性であるが、欧州中心の編制ということが、インドネシアやカタールからの参加で大きく様変わりした。これでますます自衛隊が参加する可能性が高くなった。特に安倍新政権では国連UNIFIL参加で、小泉首相のブッシュ寄りとは違う外交カラーを出そうとする。外務省としてはレバノン派遣を押さえたい所だが、防衛庁はレバノン派遣の可能性を探っていると思う。

 もし安倍新政権で防衛長官就任で入閣を希望する政治家は、自衛隊のレバノン派遣を今から主張すれば、白羽の矢が当たる可能性が高くなる。今や自衛隊の海外派遣(大規模災害派遣を除く)は政治家の野心を満たす道具になってしまった。

 どうしても安倍政権がUNIFIlに自衛隊を派遣するというなら、今度は自衛隊の不発弾処理部隊を派遣すべきと思う。レバノン南部には火砲や爆弾の不発弾以外にも、1万発以上のクラスター爆弾の不発弾が散らばっているという。自衛隊の不発弾処理部隊は海自の掃海部隊と同様に高い技術力を誇っている。また海自や空自にも特殊技術を取得した不発弾処理要員はいる。陸海空の不発弾技術要員を統合し、4年間はかかるといわれているレバノン南部の不発弾処理を、半分の2年程度で処理すれば、日本の高い平和貢献力を世界に示すことができる。また不発弾処理は住民の目の前で行うので、レバノンやアラブ世界に日本の姿を見せる効果が期待できる。

国連レバノン暫定軍

  増強本格化

衝突再燃の火種消えず

武装解除困難

 ヒズボラ勢力維持

(読売 9月4日 朝刊)

[概要]レバノン南部での停戦監視にあたる国連レバノン暫定軍(UNIFIL)増派の主力としてイタリア軍900人がレバノンに上陸した。イタリアに引き続きフランス軍も今月半ばに到着し、スペインも派遣を決定しており、暫定軍指揮官のペレグリニ司令官(仏軍)は「2週間以内に5000人増派される」と語った。停戦決議では最大1万5000人の増派を認めている。

 国連側が派遣を急いでいるのは、イスラエル軍の完全撤退を促すためだ。しかし国連部隊のレバノン南部への展開は遅れ、イスラエルが行っている海・空の封鎖解除も見通しが立っていない。イスラエルは海・空の封鎖解除のために、レバノン南部だけでなく、武器密輸を監視するためにシリア国境への暫定軍展開を求めている。

 暫定軍の権限も曖昧で、停戦決議ではヒズボラを含むレバノン国内での武装解除を求めているが、暫定軍はレバノン軍が行う武装解除を補助する役割しかない。しかしレバノン軍にはヒズボラの武装解除を行う力や意志はない。2000年にレバノン南部からイスラエル軍が撤退した後も、国連暫定軍は停戦監視を行っても能力が不足し、イスラエル軍とヒズボラの衝突が繰り返して発生した。今回、暫定軍のペレグリニ司令官は、「暫定軍は装備、人員を増強し、より強力な権限を得た」と自信を示したが、まずヒズボラの支持者が多い南部住民の理解を得ることが大きな課題となる。

 3日のイスラエル紙ハアレツはイスラエル軍幹部の話として、「暫定軍が現在のペースで展開すれば、10日から2週間でレバノン撤退が可能」と伝えた。イスラエル政府のオルメルト首相は、イスラム圏のインドネシアのよる暫定軍派遣に反対しない方針を示した。当初はイスラエルと国交のないインドネシア軍の参加に反対していたが、欧州諸国が「イスラム教国との共同編制」を主張したことから、方針を修正したものといえる。

[コメント]停戦監視とか兵力引き離しの国連軍といっても、装甲車も持たず、偵察ヘリなどの配備がなければ、単に国連の無力さを示す象徴にしかならない。私が南部レバノンで目撃したのは確かアルジェリアから派遣された国連レバノン暫定軍だった。当時、レバノン南部でイスラエル軍は、我が物顔で部隊や兵力の移動を自由に行っていた。私がイスラエル軍に同行して取材していると、たまたまアルジェリア兵が乗ったピックアップ・トラックの国連パトロールと遭遇した。するとピックアップの荷台に乗り自動小銃を持った8人ほどの国連軍兵士は、顔を下に向け、私たちと目が合うのを避けたのである。その様子は”だらしない”というよりも、可哀想なぐらい惨めだった。イスラエル兵はアルジェリアの兵士(あるいは政府関係者)が、国連から支給される派遣費(ドル)を得るために来ているぐらいにしか考えていなかった。

 そのような厳しい現実を誰もが知っている。しかしイスラエルはレバノン軍がヒズボラの武装解除できないことを承知で停戦決議を受け入れた。レバノン政府も自国の軍隊がヒズボラの武装解除できるとは思っていない。また司令官を派遣したフランス軍も、暫定軍がヒズボラの武装解除を補助できるとは思っていない。停戦決議に同意した誰もが、何もできないことを知っているのに、これから続々と国連暫定軍がレバノン南部に終結する。

 さらにレバノン南部には、停戦直前にイスラエル軍が大量に散布したクラスター爆弾の不発弾が散らばっている。これでレバノンを安定化させろと言うほうが無理である。

 しかしイスラエルも、レバノンも、シリアやイランも、ヒズボラも、当面の和平を求めていることは間違いない。幸い、イスラム国のインドネシアからも暫定軍への派遣が決まった。フランス、スペイン、イタリアからの派遣が決まった。この和平のチャンスは今までにない状況が生まれている。とにかく一日でも和平を長続きさせることが大事だ。

 これはイスラエルとレバノンという紛争当時国が、和平のために国連平和維持軍の受け入れを認めたことになる。これは日本政府が定めた国連平和維持活動の派遣条件に該当する。間もなく誕生する安倍新政権が、自衛隊のレバノン南部派遣を検討することは必至である。隣接せるゴラン高原にはすでに陸自が派遣されている。日本のメディア各社は今より対応をおこたりなく。

ミサイル防衛 テポドン2想定

米、迎撃実験に成功

(産経 9月3日 朝刊)

 

解説 米迎撃成功

有効性検証には時間

テポドン2号 性能把握もなく

(毎日 9月3日 朝刊)

[概要]米国防総省ミサイル防衛局は1日、北朝鮮のテポドン2号などを想定した地上発射型ミサイル防衛実験を太平洋上で行った。アラスカ州コディアクから標的になる模擬弾頭が打ち上げられ、カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から発射された迎撃ミサイルが大気圏外で撃ち落とした。同基地での迎撃実験成功は初めて。今回の発射実験は従来の「試験モード」から「実戦モード」切り替えて行われた。

 今回の実験は総額8千万ドル(約93億円)の費用をかけて実施。地上発射型の迎撃実験は04年12月と05年2月とこれまで2回とも失敗している。(以上、産経新聞)

[概要]米国防総省が行った長距離弾道ミサイル「テポドン2」を想定した迎撃実験で、実験の成功は「大きな前進」となった。しかし実験の設定が「現実的ではない」との指摘もあり、有効性の検証にはなお時間がかりそうだ。今回の実験は日本に配備される最終段階(ターミナル)の迎撃システムではなく、大気圏外を飛来する中間段階(ミッドコース)を撃破するシステムだ。米メディアによると99年以降9回実施され、そのうち成功は5回。今回は02年10月以来、約4年ぶりに6回目の成功だが、より実戦に近い包括的実験の成功は初めて。

 しかし北朝鮮のテポドン発射が失敗したため、どの程度の性能を有するか分かっていないという指摘がある。また今回の実験では、囮(おとり)となる偽装弾や風船などで混乱させる「防衛装置」が使われていない。ミサイル防衛に反対する「憂慮する科学者同盟」のスティーブン・ヤング上級分析員は、「いつ、どこで、どこから飛来するか事前に分かっている台本通りの実験だ」と米メディアに批判を寄せている。ミサイル防衛の開発費は20年間で10兆円を突破し、巨額の財政負担から議会の目も厳しい。ミサイル防衛局では今年12月に次回の実験を予定し、次回は囮を装着した標的ミサイルを発射させる計画だ。ラムズフェルド国防長官は、「実験は次第に困難なものになっていく」と、前提条件を厳格化する意向を示している。(以上、毎日新聞)

[コメント]カリフォルニアのバンデンバーグ空軍基地には取材で一度訪れたことがある。この基地の新司令官に日系2世の海軍大佐が配属された。彼は太平洋戦争の子供時代に、カリフォルニアの日系人収容所で生活し、ベトナム戦争では海軍パイロットして参戦して墜落し、北ベトナムで捕虜としての生活を体験していた。新司令官に2度の捕虜生活を体験した軍人としてインタビューを行った。

 いうまでもなく、バンデンバーグ基地は米軍のミサイル研究の聖地である。米軍でも多くのミサイル・ハイテク技術者が集まる基地である。産経新聞では空軍基地とあるが、日系人司令官は確か海軍大佐だったと記憶しているのだが。

 日本もここで国産の艦対艦ミサイルのSSM1の開発・実射テストを行い、あまりの優秀さに米軍の技術者を驚かせたと聞いたことがある。

 さて今回の発射実験だが、この成功はまだまだ初期の一里塚でしかない。ハイテク兵器にはチャフ(レーダー波のかく乱)やフレア(ニセ熱源)のように、敵の対抗手段を欺瞞(ぎまん)させる手段が取り組まれるのが普通である。そのようなMD(ミサイル防衛)では相手の対抗手段を排除し、迎撃できて一人前である。今の段階では「実戦モードで成功」「実戦配備に評価」という表現はオーバーだと思う。

 しかし日本の防衛産業界では、すでにMD商戦が過熱して、バスに乗り遅くれるなと必死な業界となっていると聞く。国産偵察衛星(情報衛星)の次のビッグビジネスとして、日本のMD商戦なのだそうだ。その次はF−4ファントムやF−2戦闘機の後継としてFX(次期戦闘機選定)が大きな防衛ビジネスに予定されている。

 日本の防衛産業の場合、有効で効果的な国防戦略よりも、防衛産業界を潤す方に重点が置かれているようである。そのことが日本の国家戦略を誤らせることにならなければ良いのだが。

 本日の更新を休止します。

 本日は「防災訓練」

   見てきます。

     (9月1日)

  これからバイクに乗り、各所の防災訓練を見てきます。今日の天候は雨の様です。カッパを着て、事故を起こさないように、気をつけて走り回ってきます。カメラや携帯電話はビニールの袋に入れ、濡れないようにします。特に取材申請はしていないので、今までとは違う一般の人の視点でみるつもろです。

 たぶん夕方にはずぶ濡れで自宅に帰ってくると思います。それから熱めの風呂に入って、一日の汚れと汗を流すのを楽しみにしています。

※ 先ほど。無事に帰宅しました。今回は足立区の荒川河川敷で行われた防災訓練を重点的に見学しました。雨のせいで観客は少なく、民間人を含め訓練に参加する人ばかりでした。そのためカッパを着ていた私は、実動訓練をすぐ脇で見れる環境でした。消防指揮所では総指揮官の横3メートルの場所で、各隊が到着申告するのを聞いていました。ソウル市から訓練参加したレスキュー部隊の到着申請も間近で見ました。さすがにこれには「感動!」しました。

 ここで陸自の野戦病院システムも見学しました。近代的な野外手術システムでは、カンボジアの奥地で見た手術小屋を思いました。村の中央にある掘っ立て小屋の手術室で、中には小さな木製のテーブルにビニールシートが敷かれ、壁には手動のゴム製呼吸器がぶら下がっていました。床やテーブルの至るところに血痕があり、対人地雷で吹き飛ばされた足を切断した様子がうかがえました。農婦を兼ねた女医は、手術に必要な麻酔薬もないと話していました。

 



※これ以前のデータはJ−rcomFilesにあります。