| ここには2006年5月のWhat New!を保存しています。 |
| タイトル | 本 文 |
| タイトル メディア 日付 |
この情報の最も新しい更新日は5月31日(水)です。 |
| 在日米軍再編 閣議決定 普天間移設 地名も計画期限も削除 「沖縄配慮」 政府に不協和音 (読売 5月31日 朝刊) |
[概要]30日に閣議決定した在日米軍基地の再編では、普天間飛行場の代替施設の具体的地域名や、建設計画の策定時期を明記しなかった。具体的な移転計画は、これから地元との協議機関で話し合うという配慮からである。しかしこれでは双方に不協和音が表面化し、今後に火種を残すや内容となった。 小池沖縄相は「県や市の地元では同意できない旨の意見が伝えられてきた」、額賀防衛庁長官は、「私は容認したと聞いている」と、激しいやりとりがあった。県と防衛庁の間をとりもつ内閣府では、「防衛庁は沖縄を軽視している」という思いが強いという。外務省は「普天間移設案では沖縄に配慮して政府が譲歩ばかりしている」と主張している。このような足並みの乱れに、政府内では「この調子では、スケジュール通りに進むか疑問」という声も出て始めている。 今後も県側が閣議決定に反発する中、政府と地元との協議機関がうまく機能するか定かではない。防衛庁は、「政府案を修正する余地はない」(幹部)としており、今後、県側が反発を強める可能性がある。 [コメント]まず防衛庁が米側と協議して同意し、それをもって政府が閣議決定する。それから地元への説明と協議が始まる。どうも順序が逆な様に思う。そこには防衛庁側の「どうせ住民に軍事のことはわからない。それに地元が求めているのは地元振興金だけ」という認識があり、地元には「またしても地元が無視され、政府に勝手に進められた」という怒りがあると思う。この違いは大きな対立を招くことになる。 ちょうど99年の普天間移設の閣議決定と似ている様に感じる。あの時は太田沖縄県知事が辺野古沖移設の反対を表明し、それで政府との話し合いを主張する稲嶺知事が誕生した。しかし今回は稲嶺知事も地元無視の閣議決定に反発を強めている。 結局、公有海面埋め立ての許可権限を知事から奪い、特措法で政府が埋め立てを許可する方式にはならなかったが、これでは地元の反発が強まりそうな情勢になってきた。これも軍事政策はお上が考えることで、国民は政府のやり方に口を出すなと言う意識が根源にあると思う。やはりこの再編問題は、最悪の場合には第2の成田問題になる危険を内包している。 今までのままでは、基地を受け入れる地元も、政府から出来るだけ多くの地元振興策を得ようと考える。しかし今の政府の財源は緊縮財政である。今までのように札束をばらまくことはできない。そのような基地をめぐる官民の対立構造がある。 とてもではないが、このような事情では8年後にキャン・プシュワブに新基地が誕生するとは思われない。しかし2014年には米海兵隊の8000人が沖縄からグアムに移転することは間違いない。しかし、もし普天間移設が遅れれば、沖縄の海兵隊がグアムに撤退するのが遅れるという説明にはならない。普天間飛行場の海兵隊ヘリ部隊は、一時的に嘉手納基地に移転するだけの話しであり、しかしそれでは地元への基地交付金で地元新興策にならない。 もしこれで額賀防衛庁長官が危機感を持っていなければ、第2の成田問題に進展することは確かだ。 官製談合問題のように、今まで基地問題を”金まみれ”にしてきた責任が問われることになる。また国民に軍事問題を説明する責任から遠ざかってきたのも失策の原因である。 |
| アフガンの首都カブール 交通事故・抗議デモ 米軍発砲、数人死亡 一部が暴徒化 (毎日 5月30日 朝刊) |
[概要]アフガンの首都カブールで、駐留米軍の車両が一般車両と死傷事故を起こし、抗議のデモ行進を始めた数百人の市民に発砲し、少なくともデモの数人が死亡し、一部が暴徒化する事態に発展した。米軍は事故の原因を「車の故障」というが、「米軍の強引な追い抜きで衝突した」という目撃情報がある。これに対し、数百人の市民が「カルザイ(大統領)に死を!」と唱えながら大統領官邸に向かった。このデモ隊に米軍やアフガン治安部隊が無差別発砲し、死傷者が出た模様。 アフガンでは今月に入って、武装勢力のタリバンが最大規模の攻撃を仕掛けており、米軍を主体とする部隊がアフガン南部で掃討作戦を展開中だ。掃討作戦では市民の巻き添えが目立ち、国民の反発が高まっており、今回のことで事態が深刻化する可能性がある。 [コメント]今朝のテレビニュースでは、昨日(29日)、米軍はアフガン南部で行っている掃討作戦で、武装勢力を空爆して50人を殺したと発表した。しかしタリバンのスポークスマンは”死んだのは無関係の市民”と発表している。この真相は不明だが、一般のアフガン市民はタリバンの声明を信じるのではないか。 戦車や装甲車に乗って走ると、まるで自分が王様の様に感じる。まず他の車(森なら樹木)と衝突しても自分が損傷を受ける心配がない。また戦車や装甲車のドライバーは背後や両脇が見えず、はたから見ると乱暴な運転をしていると感じる。さらにカブールの米軍ドライバーは市街地の見えない敵から、RPG(携帯式対戦車ロケット)で狙われているという恐怖心がある。だから通行車両の少ない夜間ならともかく、昼間に混雑した市街地を、装甲車や軍用車両の車列が走る場合は、駐車中の車を追い越す場合の交通事故は多くなる。 さらに隣国のパキスタンではアメリカに対する感情が悪化しているという。インドとブッシュ政権が関係を強化した事への不満がある。そこでかつてタリバンを支援してきたパキスタンの情報機関が、再びタリバンとの関係を復縁させると、ムジャラフ大統領の暗殺計画も多発してくると思う。要するにアメリカにとってアフガン情勢は悪化する一方である。 以前に私は、アメリカのアフガンとイラクの戦争を、地中海からインド洋に抜けるネオコンのオセロゲームと書いた。その最終目的はイランをアフガンとイラクで挟み、イランの体制をひっくり返すことと推測した。展開する地中海の米海軍力、インド洋やペルシャ湾の米海軍力もオセロゲームの一部である。そのネオコンのオセロゲームでアフガンやパキスタンが、逆に反米にひっくり返るとイラクの米軍が一気に孤立する。 しかしイラクで手一杯の米軍はアフガンに派遣(増援)する戦力はない。そこで米軍はイラクに展開中の他国籍軍のうち、イギリス軍やオーストラリア軍をアフガンに回す戦略を考えている。イギリス軍やオーストラリア軍が、サマワのあるムサンナ県から急いで撤退する理由である。そこに陸自のサマワ撤退がセットされているのだ。しかしイラク情勢が急に悪化して、なかなか英豪軍がアフガンに行けないのが現状である。だから陸自のサマワ撤退も遅れている。このあたりの事情を正確に把握しておかないと、日本に帰った陸自の部隊に、今度はアフガンに行って多国籍軍の後方支援という話しが出てくる可能性がある。 ブッシュ政権としては、小泉首相の後継者には、こんどは陸自のアフガン派遣の”踏み絵”を踏ませたいところだ。ポスト小泉と言われる次期総裁候補者には、そのあたりの考えを明解にしてもらう必要がありそうだ。陸自部隊をアフガンの多国籍軍の後方支援や、アフガンの復興支援のためと称して、アフガンに派遣する考えがあるかないか。ただし次のアフガン派遣では、復興支援だけという誤魔化しは通じないだろう。 |
| 東シナ〜日本海 海保合同訓練 中韓ドタキャン 「大量破壊兵器対策と関連」 憶測広がり反発か (朝日 5月30日 朝刊) |
[概要]上海からウラジオまでの東シナ海と日本海で、27日から行われている海上保安機関のリレー式追跡合同訓練に、中国と韓国が直前になって参加を取りやめたことがわかった。訓練は日本、ロシア、米国、カナダで行われている。海保関係者は米国が主導し中韓が慎重姿勢を示す大量破壊兵器拡散防止機構(PSI)と、今回の訓練は関連が深いとして中韓が反発したという見方が出ている。 今回の訓練目的はPSIと異なり、不法入国や違法薬物といった密輸や、海上テロの制圧能力を高めるのが主の目的。しかし、この想定が訓練目的に誤解を与えかねないとして、26日午後、「密輸・密航などの不法行為の疑いがある船」と想定を変更した。 韓国の海洋警察庁関係者は「最初に聞いた時は単純な国際犯罪に関する追跡訓練だった。しかし、いつの間にか大量破壊兵器を視野に置いた訓練になっていた」と話している。一方、中国公安省は「関係部門がこの期間中に別の任務があるため、今回の演習活動に参加しない」としている。(以上、朝日新聞) 海保によると、中国は26日の午後、韓国は27日の未明に、電子メールで不参加を連絡してきたという。(以上、読売新聞) [コメント]このページの5月26日に書いた日中韓ロ米加の海上警察6カ国のリレー式追跡訓練である。やはり中韓は北朝鮮に配慮したか、米国が主導するPSIに反発したという理由しかないと思う。しかしそれにしても、なぜドタキャンなのか。海保が竹島周辺海域の調査をしょうとした動きに反発したなら、中国が同調したり、わざわざドタキャンすることはない。やはり海洋警察の上部にあたる政界から、中止の命令が出たとしか考えられない。まさに政治の成熟度(余裕)が不足しているように思う。ここで中韓の対応に腹を立てたいところだが、まあ、そのうち訓練に参加するのが当然の時代が来ることを信じて我慢する。 韓国の有力紙である朝鮮日報の29日付に、韓国が北朝鮮に支援した肥料が、外貨稼ぎのためにタイに輸出されていたことが明らかになった。(産経新聞 5月30日付け)。タイが昨年、北朝鮮から輸入した肥料は2万5000トンで、金額は500万ドル相当(約5億5千万円)という。同紙によると、過去に北朝鮮が肥料を外国に輸出した例はない。明らかに韓国の人道支援の物資を横流し、なりふり構わず外貨稼ぎに奔走している。 |
| 中国軍PKO部隊 スーダンに430人派遣 過去最大の規模 (産経 5月29日 朝刊) 共同 北京支局 |
[概要]中国は28日までに、国連スーダン派遣団(UNMIS)を決めた国連安保理決議に基づき、スーダン南部での平和維持活動(PKO)に参加する人民解放軍兵士約430人を現地に派遣した。中国がスーダンのPKO部隊に兵士を派遣するのは初めてで、過去のハイチ派遣規模を上回り、過去最大の規模という。今回派遣されたのは済南軍管区の部隊で、派遣期間は6年半。中国軍PKO部隊は国連関係者の警護や住民支援などの任務にあたる。 [コメント]いわゆるスーダン南部のダルフール地方の紛争地帯である。スーダン政府軍と「スーダン人民解放運動(SPLM)」の対立で、20年以上にわたる紛争が続いている。特に03年から戦闘が激化し、スーダン政府軍の大規模掃討作戦が行われた。そのためダルフール地方の難民は200万人を数え、そのうち20万人は隣国のチャドに国外難民として流出している。 アフリカ連合(AU)は停戦監視部隊を派遣し、国連の仲介で対立している双方の話し合いを行わせ、05年1月に「包括的和平合意(CAP)」が成立した。しかし現地では05年9月頃から政府系の民間武装組織「ミリシア」(民兵)の襲撃が続き、また地雷などの被害も多発している。またチャド政府はスーダン政府が国境付近で、反チャド武装勢力に武器を供与しているとしてスーダンと戦闘状態になった。(06年2月に両政府の和平合意に署名)。という大まかな流れがある。 しかしダルフール紛争はアラブに近いイスラム系住民(政府系)と、ダルフール地方のアフリカ系(黒人)住民(非イスラム教)との戦いの構図があるという。民族対立や宗教戦争という構図である。さらにスーダン南部の石油をめぐって権益争いが加わっている。そのスーダンの油田を開発し、最も多く輸入している国が中国なのである。 中東のような安定した石油は実質的にはすでに欧米によって支配されている。だから中国が新たに石油を獲得するためには、スーダンの様な危ない油田地帯を開発するしかない。だからスーダンには中国の油田開発技術者が多く駐在している。そこで中国としてはスーダン南部はもちろんだが、スーダン政府の内紛などの混乱は放置できないのである。 中国は今回のスーダンPKO派遣を、新しいエネルギー獲得戦略の実験(テスト)に使うと思う。それはナイジェリアや中米など、危ない地域の油田開発を中国軍PKO部隊が守り、そこを中国の民間技術者が開発することで、石油を安定的に輸入出来る体制を確立させることである。すなわち民間技術者と軍事組織が一体化し、危ない地域の資源開発を行うという資源戦略である。そこに国連安保理からPKO派遣要請の一文があれば、錦の御旗を掲げて中国軍を堂々と派遣できる。 今回のPKO派遣で、現地の中国軍がスーダン政府寄りとして攻撃を受けなければ、PKO派遣の兵員数を増やし、派遣期間も伸ばすことが確実である。さらに派遣期間を終えたPKO兵士が、そのままスーダンに民間技術者として残って活動する可能性もある。中国関連企業の石油設備を警護することや、中国人技術者の保護などである。すなわち中国版の民間軍事会社の社員になるという意味である。そのような軍事戦略からすると、まさに今回のPKOは中国軍の実験場なのである。 この方式の悪い点は、中国は資源のない国には見向きもしなくなることである。また資源さえあれば、その地域が一時的に不安定化することで、中国が動きやすくなると考えることである。本来ならば、地域が安定すれば開発や交易が盛んになり、その地域が発展すると考えるのが常識だが、その安定化も中国が主導権をとって行う以外は許さないという危険さがある。 そのように中国軍の特徴を上げることが可能である。できるだけ少ない軍事力を海外に展開させ、地域の治安を維持させることで資源を開発する。これは反米意識の高いアフリカではアメリカができない外交戦略である。まさにネオコンの逆を突く発想でもある。 |
| F・フクヤマ氏 ”決別宣言” ネオコン「軍事力を過信」 「イラク」判断誤った (読売 5月27日 朝刊) |
[概要]ブッシュ政権で外交政策の基軸をなす新保守主義(ネオコン)の論客だった国際政治学者フランシスコ・フクヤマ氏が、近著「岐路に立つ米国」でネオコンに”決別宣言”して話題を呼んでいる。この記事はフクヤマ氏をワシントンのジョンズ・ポプキンス大学の研究室でインタビューしたもの。(interviewer は読売新聞の貞広貴志記者) (以下はインタビューの要約) 米国の外交政策でネオコンは軍事力ばかりを過信し、3つの判断の誤りを行った。第一はイラクで核拡散疑惑で先制攻撃をして、米国を国際社会で孤立させたこと。第2に世界における反米世論の強さを見誤ったこと。第3には、イラク国家を再建する困難さを見誤ったこと。 今のイラン核問題の様に、差し迫っていない脅威の場合、”先制攻撃”ではなく”予防戦争”となる。もし他国が予防戦争を行えば米国はだまっていない。しかし米国は自国が慈悲深い国と思い、可能だと信じてしまった。だが欧州のどこでもそんな理屈は通用しない。 私はネオコンであったが考え方を変えた。世界には軍の力でできないこともあることがわかった。イラクのようなもろい国を武力で安定させるのは難しいと知った。 今はブッシュ政権でネオコンの影響力は低下した。ライス国務長官は中道に移行し、北朝鮮問題では6カ国協議を重視し、イラン問題でも武力の必要性に飛びついていない。力に依存した重心は明確に移った。 ラムズフェルド長官はネオコンではなく、伝統的なナショナリズムの保守主義者で、国家再建など意に介してない。チェニー副大統領は複雑で、ネオコンの考えを反映している部分もある。しかし2期目のブッシュ政権はネオコン主体であり、民主化拡大についての物言いはネオコンそのものだ。 私はネオコンに対抗するのは「多重の多国主義」と呼ぶ国際体制を提案している。国連に全てを委ねるのではく、機能別、地域別などの組織を通じて、多重の国際協力を進める必要があるという意味だ。 私の著書に対する反応は大きい。それも右派からの批判ではなく、多くは左派からで「なぜもっと早く心を入れ替えなかったか」という指摘だった。 [コメント]やれやれである。ホッとした。フクヤマ氏がやっとネオコンの間違いに気がついた様である。ネオコンは最低限であっても、アメリカがイラクで独裁者フセインを軍事力で倒し、自分たちが解放軍であるはずなのに、イラク国民から歓迎されないとわかった時点で気がつくべきだった。 私はそのことをベトナム戦争の教訓から学んだ。アメリカがベトナムにアメリカ型のデモクラシーを育てようとしたことが、ベトナムへの侵略行為だったと、ベトナム戦争を指導したアメリカや南ベトナム(当時)の有力政治家や軍の指揮官たちから直接聞いた。 生意気をいうようで悪いが、フクヤマ氏がアメリカの価値観が世界に通用しないことを理解したことで、ネオコンの主張する”独善性の異常さ”がさらに鮮明に浮かび上がると期待する。その「多重の多国主義」の実例が下段のコメントである。東アジア海域とか北太平洋海域とか、地域に相当する海洋域の治安を、多国間機関で維持するような機構の創立である。 私もネオコンのような軍事独善的な論理ではなく、多国間で問題を解決する方法(組織)を創立するべきと思う。もはや米ソ冷戦の様な時代ではないし、軍事力だけで国際問題を解決できる時代ではないのだ。 私はこの記事を読んで、私がこれからも進もうと思っていた道が間違っていないと確信した。ちょっと遅れてきたフクヤマ氏に自慢したい気持ちである。「なぜもっと気がつかなかったのか」と。 そして日本でも陸上自衛隊のサマワ派遣を正当化する人に、「なぜもっと早く現実に気がつかないのか」と問いたい。 |
| 日中韓ロ米加が参加 不審船追跡 多国リレー あすから訓練 (朝日 5月26日 朝刊) |
これは米国が主導して中韓が不参加の大量破壊兵器の拡散防止構想「PSI」とは別のもので、不法入国や違法薬物の防止や、海上テロの抑制や制圧能力を高めるために行う合同訓練である。 まず00年から4カ国で協議が始まり、カナダ、中国が順次参加し、情報交換システムの開発や机上訓練を行ってきた。訓練では米国の沿岸警備隊の船が大量破壊兵器の流出が懸念される国の貨物船に扮し、上海に入港する際に船の仕様や寄港地などの保安情報の提出を拒否する。そしてロシア方向に航行するのを、沿岸各国が自国の排他的経済水域(EEZ)で追跡して、その情報交換システムでデータをやりとりする。 [コメント]いうまでもなく、これは北朝鮮の不審船や違法薬物(麻薬など)を積んだ貨物船を取り締まることを目的にした合同訓練である。海上保安庁は通常の警備や救難以外にも、東南アジア方面における海洋警察の育成や海賊の取り締まり支援など、海保の活動範囲を拡大させている。最近はロシアやアメリカや中国、それにオーストラリアなどの海洋警察とも合同訓練を積み上げている。海保の少ない職員数と限られた予算、それに広大な活動海域と多種の任務をよくやっていると感心する。ある意味、北朝鮮という危険な違法国家がいなければ、海保がこれほどまで能力を上げたか疑問と思うほどだ。しかし海保の力で日本人が北朝鮮という怖さを大きく軽減できていることは確かだ。 また、ここに提示した地図は朝日の紙面にあったものだが、追跡コースが竹島の南側に設定されている。これは日本が韓国の独島領土を認め、その経済的排他水域を竹島南側と決めたと騒ぐ人が出ると思う。しかしそのことでこの訓練を中止せよという論理は通らない。今回の訓練想定は竹島の領土問題とは別と考えるべきと思う。もし竹島の北側を追跡コースに設定すれば、この合同訓練に韓国は参加できなかっただろう。私はこれで結構よしと考える。この訓練で日本が竹島を韓国領と認めたことにならない。むしろ日本の国家としての成熟度(余裕)を見せる機会になると思う。しかし、もしこれが韓国海軍と海上自衛隊の共同演習(対テロ)なら、この想定(追跡コース)では許せない。あくまで警察組織の海保だから許せるのである。 そこで提案するが、海保は北朝鮮という国家が消滅したら、これまでの組織と任務の見直しをはかり、新しい国際環境で他国と共同で広範囲に海洋警察活動ができるように改革すべきと思う。もちろん海保の規模や予算も大幅に増やし、国家に代わって登場する国際的な犯罪組織やテロ集団の取り締まりをおこなう様にする。 やはり海上自衛隊という軍事組織では、軍事同盟関係のない国とは共同訓練がしにくいからだ。これから海保の役割は増すと思う。しかし将来も、海保の取り締まり能力を超えた事犯は、海自が対処するという治安システムは維持すればいい。そのほうが周辺国も海保と共同しやすいと思う。 なぜそんなことを思うかといえば、軍事の取材をやっていて、たまに海保の取材に行くと、海保の予算や職員が格段に少ないのに驚くことが多い。そこで海保の規模と任務を大幅に拡大し、西太平洋海域で海保がリーダーシップをとって、海洋犯罪の防止や救難活動、それに海洋の汚染問題などの国際活動をまとめるのである。今回の合同訓練がその一歩になることを期待したい。 今回の追跡訓練にカナダが参加したことも政治的な意味が大きいと思う。北朝鮮の核問題を話し合う6カ国協議と同じように、今回の訓練の枠組みが東アジアの海洋問題を話し合う枠組みになる可能性が高いからだ。 |
| ミリタリー・バランス 2003年中国軍事予算 公式発表の1,7倍 (産経 5月25日 朝刊) |
[概要]英国の国際戦略研究所(IISS)は24日、世界の軍事力を分析した年次報告書「ミリタリー・バランス 2006年」を発表した。その中で中国の軍事費を新しい資料で算定して、03年の実際の軍事費を公式に発表された予算の1、7倍という見方を示した。 報告書では、中国の軍事費を正確に数値を算定することは困難としながら、98年以降に中国の軍事予算をめぐる透明性が増し、新たな資料を分析した結果、諸外国では軍事費に含まれる部分を加えると、公式予算額の1,7倍になると算定した。 具体的には、外国からの兵器購入費や国内の軍事産業への助成金、研究開発費用などが計上されていなかった。03年の軍事費は公表されている1907億元の1,7倍で、実際には国民総生産の2,7パーセントに相当する3284億元でドルに換算すると総額が755億ドルとはじき出した。 今年の報告書ではイラン情勢について、イランはイラン・イラク戦争の教訓として、地域での抑止力を高めるために、最先端で革新的な軍事力の増強を図っていると指摘している。またイランの核開発には触れていないが、軍事力増強のために核濃縮技術の獲得にイランがこだわっているとの見解を示した。 [コメント]中国の軍事力が不透明とされ、軍事費も非公開や別の予算に紛れ込まされることがよく指摘される。しかし戦車の台数や航空機の機数、それに艦船の隻数を計測することは可能である。また兵員数や部隊数、また軍学校や訓練施設の場所や数、司令部の場所や指揮・通信の方法などとか、軍事演習の目的や規模の探知などが可能である。 また中国の軍関係者をロンドンの研究機関に招き、英国式の軍事力の計り方を教えることは可能である。そのような交流を通じて、軍事力の計測方法を同じシステムに近づける努力をする。おそらくIISSはそのような交流で1,7倍という数値を算定したのではないか。絶対に英国の情報機関のMI6が、中国にスパイを送り込んで調査した数値ではない。 私が軍事の勉強を始めた30年も前から、中国や旧ソ連の軍事費を算出する難しさは指摘されていた。しかし公式の2倍だ、3倍だ、10倍だという割には、軍事費の算出方法や購買力平価を考慮して、誤解や邪推を解く努力はしてこなかったと思う。だから不要な危機感が自己増幅されてきたのだ。その結果、日本は世界でトップクラスの軍事費大国なってしまう。自衛隊員の給与や兵器の価格(格差)が修正されていないからだ。 日本の防衛研究所(防衛庁)も、中国やロシアを含む外国人研究者を受け入れ、共通した価値観を共有できる体制をつくることが必要だと思う。今のような国際交流ではなく、共同研究の体制作りだ。そのことが最新兵器や莫大な軍事費よりも、戦争の抑止効果を高める効果があることに気がつくべきである。むろん逆に中国軍の研究機関に日本人が行き、共同研究を行うことも同様である。軍事といえばすぐに機密で、その機密をスパイが探るという考えは遅れている。 ところで日本では軍人恩給にあたる自衛隊員の年金は、国際的な常識に従い防衛費で処理されていると思いますか。それとも自衛隊員も公務員である以上は、防衛費以外の公務員年金枠で計上されているでしょうか。 |
| 教育基本法 改正 「愛国心」 子供の内心 評価せず 政府、慎重答弁 (毎日 5月25日 朝刊) |
[概要]教育基本法改正案は24日の衆院特別委員会で実質的な審議が始まり、政府案に盛り込まれた「我が国と郷土を愛する態度」を養う教育が、内心の自由を侵害するかどうかの議論が行われた。政府の小坂文部科学相は「子供の内心に立ち入って(愛国心あるか)評価するものではない」と慎重な答弁に終始した。 福岡県では02年に、導入された現行学習指導要領に基づき、ほぼ半数の69校で6年生の社会科の通知票に「愛国心」を3段階で評価する項目が設けられたことがあった。(しかし市民団体の反発で03年には削除)。この事例を指摘された小泉首相は「小学生に対して愛国心があるかどうか、そんな評価は必要ない」と述べ、愛国心の評価は不要との認識を示した。 [コメント]与野党ともに、愛国心教育というものが現実的なこととして認識されず、極端な事例で議論されている様に感じている。というのは、私は陸自の少年工科学校で愛国心教育を受けた経験があるからだ。私たちに愛国心教育を行ったのは、主として教育隊長(3佐)で実戦経験のある旧軍出身者だった。教育隊長が戦場で戦った経験を語りながら、国のために殉ずることがいかに大事かと話された。また昼休みの時間は校内中に軍歌や隊歌がスピーカーで流され、夕方になると区隊(クラス)ごとに軍歌を歌って士気を高めた。 当然ながら歴史教育も重視され、皇室がいかに日本にとって大事かと教えられた。初めての遠足にあたる東京見学では、靖国神社に参拝し、青山の絵画館では戦争絵画を見た記憶がある。 また時事問題として、中国の核実験、日米安保、ソ連の共産主義など、今の高校生にそのまま行えば、マスコミが大きく報道する政治色の濃い内容だと思う。それらは愛国心教育とは言わず、少工校では精神教育(週2時間)という課目で行われた。むしろ本当の愛国心教育は日常の生活の中で行われていたと思う。軍歌演習を歌うことや、歴史博物館(横須賀の三笠記念館など)の見学や、一般課目の授業時間に行われる”脱線”などの普通の時間である。 そうするうちに、「日本のためなら死ねる」という気持ちが強くなったのである。愛する家族や友人を守るため、美しい郷土を敵の軍靴に踏み荒らされないため、日本の歴史(伝統)や文化を奪われないために、自分は武器を持って敵と戦うという愛国心である。 その気持ちを評価する、評価しないとは、議論する意味がないように思う。福岡の小学校の例は極端な例で、愛国心を育てる意味をまったく知らない者の行為でしかない。 私は日本人が素直に愛国心を持つことは反対をしない。しかし私の様に、究極の愛国心とは国に殉じることと、政府が学校で教育することには反対である。少年工科学校をやめて初めて街でデモを見た時、ごくごく普通の人がプラカードを持って歩いているだけのデモなのに、”あんな国民がいるから日本がだめになる”と情けなくなり、自然と涙が出た思い出がある。そんな極端だった自分の過去を思うと、愛国心教育といわなくとも、日本の素晴らしさを感じる日本人教育でいいような気がする。 |
| 米国防総省 中国軍事力報告を公表 台湾海峡ミサイル増強 (読売 5月24日 朝刊) |
[概要]米国防総省は2006年版の「中国の軍事力に関する年次報告書」を米議会に提出し、公表した。中国政府は06年の国防予算を2838億元(約350億ドル)と公表しているが、この報告書では実際の公表額の2〜3倍に達すると推計している。報告書は、「中国の軍事力拡大は、すでに地域の軍事バランスを変えるほどになっている」と指摘し、強い警戒感を表明している。具体的には、台湾海峡に配備している短距離弾道ミサイルが昨年の「650〜730基」から、「710〜790基」に上方修正をしている。また報告書では中国の軍拡は短期的には台湾海峡有事に照準をおいたものながら、「資源や領土紛争など、他の地域紛争にも適用可能な能力」と分析し、懸念を表明している。 [コメント]台湾海峡に配備された中国軍の短距離弾道ミサイルが、昨年は60基程度の増強が行われたという。しかし以前は毎年70〜90基程度の増強だったから、若干、増強のペースが落ちてきた様だ。それとも古くなったミサイルを更新して、ミサイルの総数を増やさなかったのか。そのあたりの確かな事情を知りたい。それでも、そろそろ中国は台湾向け弾道ミサイル戦力を飽和状態と考える様になったような気がする。 むしろ台湾空軍の増強に対処して、ロシアから対空ミサイル・システムを導入する方向で台湾との軍事バランスを図るのではないか。中国の軍拡は日本や米国の反発や対抗手段を招かない様に慎重に行っている。もし中国沿海部の航空基地に空中給油機や早期警戒管制機を配備すれば、日本やアメリカの軍事的な強い反発を招くことは必至だ。また台湾向けに配備した弾道ミサイルを、中国東北部の瀋陽軍管区に配備すると、韓国と日本と米国ばかりか、ロシアからも反発する動きが出ると思う。 中国は広大な国土に13億人の人口を抱え、経済開発に伴う農村部と都市部の経済格差は深刻である。近代国家として必要な法整備も遅れている。中国の社会体制も民主的とは言い難い面がある。だから軍事費の使われ方も、日本やアメリカとまったく違う配分がされている。すなわち中国の軍事力を正確に分析するには、日本やアメリカとは違った視点が必要という意味である。ひとつだけ確かなことは中国政府の誰もが、中国に攻め込んで来る外国軍は存在しないと自覚していることだ。 私は今年の報告書をまだ読んでいないが、この記事から受けた感じでは脅威を感じるものではなかった。 |
| 米軍再編 「説明責任果たさず」84% 負担「納得できぬ」77% 本社世論調査 (朝日 5月23日 朝刊) |
[概要]朝日新聞が20日、21日に実施した世論調査(電話)で、米軍再編について政府が「説明責任を果たしている」と答えたのは6%で、「そうは思わない」が84%と否定的な回答が出た。海兵隊のグアム移転で日本が負担する約7000億円も、「納得できる」と答えたのは17%で、「納得できない」が77%と大きく上回った。内閣支持層でも「納得できる」が25パーセントで、「できない」が69%。今回の再編で沖縄の負担軽減を評価するかについては、「評価できる」が48%で、「評価しない」が45%と見方がわかれた。日本の安全保障に及ぼす影響については、「プラスになる」が39%で、「マイナスになる」に26%を上回った。しかし判断を示さない「その他・答えない」が35%とかなりの割合を占めた。 今月13日、14日に調査した沖縄県民世論調査では、「プラス」が31%で、「マイナス」が43%と否定派が多数を占めている。 [コメント]昨日の下段でも「政府が国民に説明していな」と書いたが、政府には説明する意志がないと言うよりも、説明する能力がないのではないか。というのは日本の国家戦略が根本的に変質する「米軍再編」という大変革なのに、小泉政権のこの5年間に4人の防衛庁長官が代わっている。まず中谷氏、次が石破氏、その次が大野氏で、今回の額賀氏の4人である。これだけ防衛庁長官がポンポンと代われば、日本が米側と徹底的に議論して話し合うのは無理である。だから防衛や外務官僚が米側と細部にわたり交渉し、最後の場面に防衛庁長官を登場させて政治決着したように演出する。そして政治家には「これで画期的に日米関係が変化する」と大仕事をやり遂げた様な発言をさせる。同時に、米側と交渉した官僚の責任を政治家に転化させるのである。だから政治家は、「日米関係が新たな段階に入る」と言っても、それが何のことだかわからないのではないか。もちろん官僚も政治家に詳細に説明しない。いくら説明しても理解力がないから無駄と思っている。また、非常に重要なことを政治家に相談なく、勝手に決めたことの後ろめたさもある。だから政治家に説明しないのだ。 最近、石破氏が盛んに防衛問題で発言しているが、とても日米再編の核心を理解しているとは思えない。石破氏自身は理解していると思い込んでいるのはわかるが、もし、この質問をすると石破氏の国防論が自壊すると思うことが多々ある。ちょうど中国脅威論を自慢げに語っていた民主党の前原氏と同じ雰囲気である。全く基礎の部分が出来ていないので、砂上の楼閣の様に危ない構造になっている。以前、防衛庁の役人に石破氏を教育したのかと聞けば、「そんな無駄なことはしない」と話すのを聞いた。所詮、軍事オタクに国防論を説いてても無駄という考えがあるように感じた。防衛庁長官に基礎知識が圧倒的に不足しているのだ。彼らが求めているのは、防衛利権と票(選挙)だけという蔑視もある。 軍事だけは正確と不正確の評価がはっきり出る。ちょっと知ったかぶりが出来るのは短期間である。 とにかく政府に「米軍再編」の説明責任を求めるより、政治家や官僚が説明できない現状を追求することが緊急の課題の様に思えてきた。 |
| 報道2001 フジテレビ 21日(日)放送 抄録 米軍再編合意 説明を 宮沢喜一元首相が指摘 (産経 5月22日 朝刊) |
[概要]昨日、21日のフジテレビ「報道 2001」に出演した宮沢元首相が、日米関係と小泉外交について話した抄録である。 米軍司令部が座間に来る理由がわからず、国民にも説明がない。(経費が)3兆円というのに日本も米国も聞いたことがないという。訳がわからない話しだ。小泉首相は(説明)責任があるのに何も国民に説明していない。また普天間飛行場の返還だけはやる気があっても、(再編)全体の問題はやる気がないから何も言っていない。中国は敵にも味方にもできる(相手だ)。靖国参拝も日本の首相として適当ではない。経済同友会が参拝自粛を求めたが、(小泉首相は)商人は黙っていろというべきでない。(商人にも国政に関して発言する権利はある)。ポスト小泉は日本の顔として小泉色ではなく、独自の(外交政策の)意見を持つべきだ。 ( )は神浦が書き込みました。 [コメント]昨日は水戸街道を歩きながら、このテレビ番組を携帯ラジオのイヤホーンで声だけ聴いた。テレビと違いラジオは話している人の心まで感じることができる。この宮沢元首相の話を聞いて、心が洗われる様なすがすがしさを感じた。額賀防衛庁長官は2プラス2の合意を受けて、これで日米安保は新たな段階に入ったと語ったが、どのような段階なのか政府の誰れも国民に何も語らない。なぜ語らないのか。なぜ語れないのか。元首相の宮沢氏が関係者に聞いても、誰も何も語らないという。政府はこれが異常だと思わないのか。政府がここまでして国民の目と耳を塞ぐ意味とは何なのか。 この番組で新聞記事には載っていないが、宮沢氏が貴重な時代の証言を行った。それは岸信介元首相が安保改正を行った時のことである。 「岸氏は日米安保をより正常な形にするために努力したのに、国民が激しく反発する理由がわからなかった。おそらく死ぬまで気がつかなかったと思う。あの時の国民の激しい反発は、岸氏のこれで戦後が終わると考えに反発したのだ。国民は安保改正に反対したのではなく、これで戦後が終わるという岸氏の考えに反発した。この安保改正で戦後体制が終わってはたまらないと考えたからだ」。 これを今の沖縄にあてはめるなら、沖縄の米軍基地負担の軽減が、今回の海兵隊司令部のグアム移転や、キャンプ・シュワブ沿岸を埋め立てて飛行場を作ることで、沖縄の基地負担が解決するという考えに、沖縄県民の反発が起きるという意味である。今回の沖縄基地返還は沖縄米軍用地全体の10パーセント程度の返還でしかない。それをもって沖縄の米軍基地負担が解決するという日米政府の言い方には大いに問題がある。 私は昨日の宮沢氏の言葉を確かに心に刻んだ。日本に必要な愛国心と平和主義を宮沢氏から学んだ様な気がする。それに米軍再編を国民に説明しない政府の対応には国民はもっと怒るべきと思う。 |
| グアム副知事が訪沖 米軍艦受け入れ示唆 基地建設で連携も 浦添市・県庁訪問 (沖縄タイムス 5月20日 朝刊) |
[概要]グアムのカレオ・モイラン副知事が浦添市の儀間光男市長を訪ね、「8000人の海兵隊員だけでなく、軍艦も受け入れ可能だ。またノースウエストフィールドで空軍の受け入れ可能だ」と述べた。また「グアム移転では現地のインフラ整備などの能力が欠けている。沖縄の企業が労働力や技術力を導入して頂ければありがたい」と述べた。この面談には下地幹郎衆議院議員が同行した。 県庁では牧野副知事が面談し、モイラン副知事は「基地のインフラ整備に何らかの保証が行われるべきで、一時的な建設ブームに終わらせるべきではなく、長期的な経済発展につなげたい」と語った。牧野副知事は、「基地の返還後は跡地利用などの計画策定が必要になる。今後とも情報交換していきたい」と述べた。 [コメント]沖縄で米軍再編に強い発言力を持つ下地衆議院議員が、連休中にグアムに出かけたことは聞いていたが、副知事を沖縄に連れてくるとは思わなかった。しかし建設業経営の下地氏なら、グアムのインフラ工事も視野に入っていても不思議ではない。しかし本土の大型ゼネコンがだまっていないなだろう。グアムで日本が負担する7000億円以外にも、総額103億ドルの移転費用をめぐってアメリカ企業を加えた大型商戦が始まる。 下地議員の動きは”先んずれば敵を制す”の”先制攻撃”の意味がある。 またモイラン副知事の話は、嘉手納の米空軍や沖縄の米海軍をグアムが引き受けるという意味である。軍事的に考えてその可能性は高いが、米軍が基地だけでも残したいという気持ちをどうするかである。すなわち沖縄にプレゼンス(存在感)だけでも残したいという気持ちを消すことができるか。 米海兵隊はキャンプ・シュワブ沿岸基地でプレゼンスが残せると判断した。実際の運用は巡回訓練で使用する程度だろう。私の勝手な言葉であるが、車と、船と、家と、基地は、大きいほど快適である。 ※ 今は日曜日の午前5時半です。今日は久しぶりに晴れそうなので水戸海街道を歩きに起きます。体調は快調です。これから電車で牛久(茨城県)に行きます。そこから4日目を再開します。 |
| 中国のパソコンに 情報漏れの恐れ? 米国務省 1万6000台 ” 排 除 ” (産経 5月20日 朝刊) |
[概要]米国務省が中国から調達した業務用パソコン1万6000台(総額1300万ドル)が、中国への情報漏れを懸念して、同省は機密情報を扱う部門からこのパソコンを排除することを決めた。問題になったのはIBMのパソコン部門を買収した中国・レノボ(聯想)グループから調達したもの。国務省はこのうち900台を在外公館とワシントンの本省を結ぶ機密性の極めて高いネットワークで使う計画だった。情報漏れを懸念する議会側に対し、リチャード・グリフィン国務次官補(保安・在外公館担当)は、「レノボ製パソコンは機密性のないシステムで使用する」と下院・国務小委員会に回答した。今後、中国企業が米政府の情報関連機器の調達に参入するハードルが高くなった。 [コメント]これが米議会のロビスト政治の実態である。安くて、それなりの性能を持つ中国製パソコンに脅威を受けた米企業が、ロビスト活動で中国製パソコンを排除したのだ。中国と聞いただけで、アメリカの先端技術を盗むスパイのイメージを利用している。納入した中国製パソコンのどこかに暴露ソフトなどが仕掛けられ、やがて眠りから覚めて情報活動するというSF物語である。 もし中国がそんなことを企めば、アメリカの先端技術で簡単に探知(発見)できるし、それが真実なら中国企業は致命的な打撃を受けることが確実である。しかし数人の米議会や国務省職員の軽薄な愛国心が中国のスパイ活動に反応し、中国製品を排除する政策を決定したのだ。これが、さらに一般市民(社会)に影響し、中国製パソコンは危ないという話しが広がっていく。さらには中国人を見たらスパイと思えというような社会風潮にまで成長していくのだ。 日本でもコカコーラを飲むと、骨を解かして病気になるとか、やがてマックのハンバーガーが日本の食文化を滅ぼすといった同種の話しもある。 このような米国務省の対応に、中国政府や企業は毅然と抗議すべきと思う。そのような対応こそが、米国と中国の健全な関係を育てるからだ。もし中国が抗議しなければ、今回、中国が国務省に納入したパソコンに仕掛けがあったと認めたことになる。そんな危ない中国製パソコンは日本でも使えない。 かつて私は統一教会の世界日報のインタビューを受けた事がある。軍事に関するテーマだったが、記事を読むと私が中国から活動資金をもらっていると書かれていた。まったくウソの記事で、どうしてそのようになったのか腹が立った。しかしその記事を読んだ世界日報の軍事問題の顧問が、神浦はそんな男ではないと編集長に電話を入れた。私が抗議する前に、その編集長から丁寧な謝罪文が届いた。誤解した理由は、私が開いた軍事情報の勉強会で、元陸将で自衛隊を退職後に日本の商社に再就職し、中国に何度も通い、中国の軍事関連の企業と交流して人物を講師に招いて、私が勉強会で中国の軍事に関する話しを聞いたからだそうだ。 これはもう20年も前の話しだが、中国共産党が憎ければ、その関連の話しを聞く私も憎いというやつである。私はその世界日報の顧問の方にも、何度も勉強会に講師にお招きして話しを聞いていた。旧海軍出身の元大佐で世界の軍事情報(資料調査)に明るく、人間的にも非常に信頼していた方だった。これだけで軍事専門家には誰のことかわかる人である。 |
| 米が検討 北と平和協定交渉 6カ国協議復帰すれば (読売 5月19日 朝刊) |
[概要]18日のニューヨーク・タイムス紙は米政府高官の話しとして、ブッシュ大統領の顧問らが、朝鮮戦争休戦協定にかわる平和協定締結交渉の開始を軸とする新たな北朝鮮政策を進言した。これは半年間中断している北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議に、北朝鮮を復帰させることを条件にしている。ブッシュ大統領は北朝鮮が復帰すれば、この新政策を承認する見通しという。この平和協定の締結交渉には、米中韓と北朝鮮の4カ国が加わる。ただし米政府当局者は北朝鮮の不法行為に対する金融制裁や、脱北者受け入れなどの締め付けは継続するという。 [コメント]今朝のNHKニュースでは北朝鮮北部でテポドン2の発射を窺わせる兆候があるという。NHKニュースの解説では、テポドン2は米本土まで到達する能力があると話していた。しかし北朝鮮が米国に対する揺さぶりの可能性も指摘していた。そうえいば先日にも北朝鮮の核処理施設のある寧辺地区で、また再処理工場(らしい)の煙突から煙り(水蒸気)らしいものが出ているという報道もあった。北朝鮮がアメリカに対して挑発を行うとしたら、寧辺で煙を出すか、北部でミサイルの発射台を組み立てるという方法しかないようだ。その間にも、アメリカが北朝鮮に対して行われている経済制裁はグイグイと効いている。 だから今回の平和協定締結交渉を進めるアメリカの新政策は、これで北朝鮮の軟化を誘うよりも、むしろイラン向けの対応策であるような気がする。あくまで強硬に自国の核開発を主張するイランの姿勢が、イスラム国家の支持を増やしている現実がある。しかしアメリカがイランに対して軍事手段など強硬手段が取れないことは目に見えている。そのような事態を打開するために、アメリカは北朝鮮に話し合いを求める平和協定締結を進めてきたのだ。もともと北朝鮮がアメリカに平和協定締結を求めていたという事情があるからだ。今までの様にブッシュ政権が軍事手段を中心にした強硬策(圧力)だけでは通じなくなった。 アメリカはイランに対しては、北朝鮮のように強硬な姿勢を取らないで、EUなどとの交渉姿勢に転じるように求めている。その政治的なメッシージを北朝鮮との平和協定締結交渉でイランに送っている。 さてテポドン2の発射兆候だが、北朝鮮がミサイルをアメリカに向かって発射する力はない。もしこれが確かな動きなら、すでに佐世保(長崎県)に米海軍の弾道ミサイル追跡艦の「オブザべーション・アイランド」が入港しているし、また三沢基地(青森県)には米空軍のRC−135のミサイル追跡用の電子偵察機が飛来している。北朝鮮の動きは宇宙からの偵察衛星以外に、公海上を飛行して地上の様子を探知する側方合成開放レーダーで細部にわたり捉えることが可能である。北朝鮮の幼稚な挑発が通用するのは日本だけで、アメリカの情報力には通用しない。 ブッシュ政権は最近になって、北朝鮮の核問題とイランの核問題が連動していることに気がついた。アメリカが北朝鮮に強く出れば出るほど、イランが逆に強硬になるという関係である。そこでアメリカは北朝鮮に軟化の姿勢を示して、同時にイランの軟化を誘う外交作戦である。 ※先日、What Newで、北朝鮮はアメリカを狙うには、東に向けて弾道ミサイルを撃つしかないと書いたら、北朝鮮から北極圏の上空を経由して、アメリカ本土を狙うのが常識というメールを頂きました。そのことですが、弾道ミサイルが進歩したロシアや中国なら、そのような弾道でアメリカを核攻撃すると思います。しかし未熟な北朝鮮の弾道ミサイルは、射程を伸ばすために、地球の自転を利用して東に向けて撃つしかないという意味です。テポドン発射のように日本海を飛び越え、東北地方の三陸海岸の上空を通過する東コースです。アメリカが空自の車力駐屯地(青森県)に移動式Xバンドレーダーを配備するのはそのためです。 |
| 国連のイラク北部 事務所開設 空自が輸送支援 (産経 5月18日 朝刊)
|
[概要]政府はイラクで輸送活動を行っている空自部隊(輸送機3機、人員200人)が、国連の北部アルビルに事務所開設を支援するため、空自の任務を拡大を拡大して人員や物資輸送を行うことを決めた。これは来日中のアナン事務総長の要請に応じたもの。 国連イラク支援派遣団(UNAMI)はバグダッドなどでイラク新政府のために政治プロセスの助言を行ってきたが、03年8月の国連事務所爆破テロ以降は、その活動を縮小していた。しかしイラクに本格政府が発足する機会に活動を拡大する方針。アルビルはトルコ、イランの国境に近く、治安は比較的安定している。韓国軍3200人が駐留するが、年末までに1000人が削減される。 日本政府は陸自のサマワ撤退後も、空自は駐留米軍の物資輸送を拡大する方針を固めていた。しかし国連の支援活動は6月から始まるので、米軍より先に国連支援を開始すれば、米政府の反発も懸念される。 [コメント]17日にアナン事務総長と小泉首相が首相官邸で会談した。そして即、小泉首相は空自のイラク国連支援を約束した。ということは、以前からこの件で根回しが行われ、米政府との打ち合わせも済んでいたと考えるのが常識だ。また空自側の事情や輸送能力も、慎重に調査・検討しなければならない。小泉首相といえども一夜にして即断で決めることはできない。 だから米側の懸念などまったくあり得ない。それよりも、米側が懸念する様なことを日本が行うとイメージさせたい狙いがあり、小泉首相の対米一辺倒の姿勢をカモフラージュしたい魂胆が見える。もともと陸自がサマワから撤退すれば、空自部隊はイラクの国連関連の物資輸送を行うという計画であった。しかしイラクの治安悪化で陸自部隊のサマワ撤退が遅れ、それで国連物資の輸送が始まるという時間のずれが起きただけである。 イラク駐留米軍は空自のC−130輸送機3機の輸送力に期待しているわけでない。米軍自体が莫大な空輸能力を保持している。空自のC−130の3機が国連物資の輸送に回っても、それで日本に懸念を伝えることはない。その程度の空輸力ではイラクで戦争はできない。日米共にイラクに自衛隊を派遣しているという政治的メッセージを得たいのだ。 それよりも気になるのは、小泉政権がイラクの戦場に自衛隊を派遣したという失敗を隠すために、最後の最後になって国連支援に任務を拡大したことである。これで民主党の小沢氏が主張する自衛隊の国連軍参加を先取りしたことになる。すなわち政争の具に空自が使われた可能性も指摘できる。 政治部、外報部の記者諸君は、今回の空自イラク派遣部隊の任務拡大の背景を詳細に取材して欲しい。官邸サイドの”おわり良ければすべて良し”作戦が実施されているように思うのだが。 |
| ウィニー被害 有事演習計画も流出 海自文書計3000点 (朝日 5月17日 朝刊) |
[概要]海自の内部文書がインターネットに流出した問題で、防衛庁は03年11月に行われた海自最大の実動演習である「海上自衛隊演習(海演)」の、作戦計画を含む3000点の文書が流出していたことを確認した。03年の海演(10日間)には艦艇約80隻、航空機約170機、人員約2万五千人が参加した。作戦は周辺事態と防衛出動に分け、九州や沖縄を管轄する海自の佐世保地方隊が、主力部隊の自衛艦隊や米海軍とともに事態に応じて実施する作戦を列挙。秘密指定は第3ランクの「秘」に指定されていた。(問題発覚後に「秘」指定を解除)。 海演のシナリオは日本周辺の2カ国で、日本に対して弾道ミサイルを発射する準備に入ったり、「S諸島」の領有権を主張するという筋書きになっている。佐世保地方隊は、対馬海峡から九州西方にかけた海域で、警戒監視活動や船舶検査活動、邦人輸送、機雷掃海を行う。日本有事に移行すると、海自部隊は作戦海域に向かう米空母部隊などを警護し、S諸島に陸自部隊を揚陸させるために艦艇による海上輸送作戦を行う。米艦隊は、朝鮮半島を中心に作戦行動を展開し、日本海でも海上阻止行動を行うとしている。 流出資料の中には、九州沿岸部に派遣される移動通信部隊の周波数や通信可能範囲を示した図などもあった。(ともに「秘」指定)。 今回、海自が資料流出に気がついたのは2月16日、5日後の21日に流出元を突き止めた。 [コメント]この流出資料は私の手元にもCDに保存したものがあった。マスコミ関係者が入手した資料をCDに焼いて送ってくれたものだ。だからテレビ報道でウィニーによって流出した海自資料を入手したサイトは0000件と話していた意味はない。CDコピーによってネットに乗らないで流れているからだ。(私はその後にCDを粉砕処分した) しかし私は入手した時にすごい物が手に入ったとは思わない。元々、海自と米海軍は、北朝鮮や中国との軍事対決では、そのように行動することを基本としていることを知っていたからだ。とくに内容が目新しいものではなかった。もしも中国が日本に対して核威嚇があれば、米国の核兵器をこのように配備して相殺するなどという記述があれば、それはそれで驚くこととだと思う。しかしこのような軍事作戦のシナリオでは、過去の、旧ソ連軍の4コ師団が北海道の3方面(道東、道北、道央)から上陸してきたり、北朝鮮軍が韓国を南下して北九州や山口県に上陸する作戦シナリオと同じと思うからだ。 米ソ冷戦時代に、青森など東北の部隊はソ連軍が太平洋への回廊を確保するために、津軽海峡を制圧すると想定して作戦や訓練を行っていた。また、新潟など関越の部隊はソ連軍が首都圏を制圧するために、まず、新潟平野に上陸して関東を目指すと考えて作戦や訓練を行っていた。すなわち、いろいろな各自衛隊は自らの存在価値を認める(確認)ために”都合のいい作戦”を想定しているのだ。 この流出した作戦計画も、今の海自と米軍の価値を確認する作戦と思う。おそらく来年も海自と米軍は同じような想定で海演を行うことになる。これほど大規模な演習になると、それ以外に演習の想定を変えることは難しいからだ。私はこれを演習の”硬直化”と呼ぶことにしている。 もし現実的な演習シナリオにするなら、朝鮮半島のN国で深刻な感染症が大発生して、感染力の強い病原体に汚染された難民が、隣国のC国やS国と周辺の海上に貨物船や漁船で大量に脱出している。と、いうような演習内容にすべきである。 また中国が尖閣諸島の領有権を主張して、日本と軍事対立を覚悟して尖閣諸島に派兵すると想定することができるだろうか。仮に架空戦記であっても、そのような小説を書くとすれば、かなり無理な演出を行う必要があるだろう。 だからこのような演習シナリオを真に受けて、海自と米海軍はそのようなことを現実に起こると想定していると信じないで頂きたい。まあ、海自と米海軍の戦争ごっこと軽く受け流すことが重要である。昔の戦略研究の「三矢研究」とは明らかに違う。 |
| グアム島の軍事演習 米太平洋軍司令官が、 中国軍幹部を演習に招待 (読売 5月16日 朝刊) AP通信 |
[概要]米太平洋軍司令部のファロン司令官は、訪問先の中国の遼寧省瀋陽で、米軍が来月に行うグアム島周辺での「バリアント・シールド」演習に、中国軍幹部をオブザーバーとして招待したことを明らかにした。これは米中両軍の信頼醸成を図るのが狙い。 [コメント]米軍としては今回の再編(トランスフォーメーション)が、中国への軍事対峙を意味していないことを証明したいのだ。このグアム島での演習は名前が示すように、グアム島を防衛するための軍事演習である。貨物船や漁船を装った自爆テロ犯などを、グアム近海で発見し、阻止、制圧する内容となるだろう。明らかに中国海軍の艦船がグアム攻撃をするのを阻止するものではない。 最近の日本の軍事・防衛論で、今回の米軍再編を対中国シフトのためと説明するものがあるが、これは明らかに間違いだ。米軍再編に”対中国”は含まれていない。今まで中国脅威論を煽ってきた者が、いたたまれなくて対中国論を主張しているにすぎない。 米軍の太平洋軍司令官自身が中国を訪問し、米軍のグアム強化の説明を行っていることが現実なのである。あくまでグアム強化は東南アジアなどイスラム勢力へ米軍の睨みをきかすためである。また、グアム強化を中東情勢と関連させるのも無理である。米軍にとって中東地域は、ひとつの独立した中東戦域として想定されている。グアムは米軍の東南アジア戦域という概念を想定している。米軍の世界戦略を読むために、この二つの戦域の違いを理解する必要がある。 日本は東アジア戦域で朝鮮半島を中心にする地域である。沖縄の米軍基地は東アジア戦域であったが、今まではその一部が東南アジア戦域と混在していた。それを切り離すために米海兵隊は司令部を沖縄からグアムに移転させるのである。ただし米空軍は長距離・機動力が高いために、戦域という概念が薄く、三沢や嘉手納の戦闘機部隊がイラクで作戦を行っている。 はっきり言って、中国の軍事力が怖いという人の方が恐い。 |
| 北朝鮮 「ソフト強国」目標に 技術者育成 軍事力直結懸念も (毎日 5月15日 朝刊) |
[概要]北朝鮮が「ソフトウェア開発強国」への脱皮を国家の重要目標に掲げ、技術者の育成を進めている。金正日総書記は90年頃からIT重視の姿勢を示し、開発部門に迅速な技術向上を指示した。そのため科学技術政策で「人民経済の情報化」が位置づけられ、平壌情報センターでソフトの開発が進められ、全国的に光ファイバー網が整備された。 これまでに開発されたソフトは、日中露など6カ国国語の自動翻訳機、指紋の鑑識、3次元建設設計、囲碁プログラムなど多岐にわたり、「ソフトは極めて高水準」(韓国のIT関係者)だという。平壌の金策工業総合大学で技術者の大量育成環境が整備され、中国や日本の企業とシフト開発の委託契約を結んでいる。しかし中国の北朝鮮研究者は、「技術が高まれば、日米韓の軍事情報収集能力が高まり、サイバーテロ能力の強化になる」と軍事面と一体化してソフト開発が進む危険を指摘している。 [コメント]インドがソフト開発の大国として世界に進出しているが、中国がソフト開発の大国になるという話しを聞いたことがない。中国ではインターネットや携帯電話のメールで、政府が取り締まることができない政治的な情報を流す程度である。これはインドと中国の社会体制の違いが大きいと思う。13億人の中国の人口であっても、世界をけん引するソフトを開発するには、世界に開かれた自由な社会体制が必要なのである。 だから北朝鮮がいくらソフト開発に力を入れても、国が独裁的で閉鎖社会であれば優秀なソフトは持続的に開発できない。せいぜい他国のソフトの海賊版を作り、闇に流して売り渡す程度のことだろう。それ以上のことを北朝鮮の支配体制が期待すると、それは自らの支配体制を崩す危険がある。世界で北朝鮮の偽札、ニセ煙草、覚醒剤ときて、つぎはニセソフトが大量に出回る可能性がある。 北朝鮮が日本にサイバーテロを行うなら、逆に北朝鮮の光ファイバー網を攻撃して、北朝鮮のコンピューター・システムをダウンさせることの方が容易である。日本の対サイバーテロ能力は決して低くない。なぜなら、日本は世界に開かれた自由な国で、コンピューター技術以外にも高度な先端技術を持っているからだ。日本が北朝鮮のハッカーに怯える必要はない。それよりも日本のソフトを大量に複製して、海賊版を世界に売る方が脅威である。北朝鮮のサイバーテロの心配はいらないから、むしろソフトの海賊版製造に注意を向ける必要がある。 かつて海賊盤全盛期の香港で、イギリスから毎年出版されるミリタリーバランス年鑑が、ロンドンでの発売日の数日後に、香港で海賊版が売られた。むろん価格が本物の10分の1以下で、多少は印刷文字がずれていても、あまりの安さに本屋でつい買った思い出がある。 北朝鮮が日本製の模造ソフトを中国で売れば、今の中国では莫大な利益を上げることも可能である。中国当局も安いソフトが国内に流通するので、北朝鮮製のコピーソフトを厳しく取り締まらないことが考えられる。 |
| シーア派とスンニ派 イラク首都、 暗殺の犠牲絶えず 治安権限めぐり暗闘 組閣交渉さらに紛糾 (朝日 5月12日 朝刊) |
[概要]イラク正式政府の組閣交渉で、治安権限を握る内務相ポストをめぐってシーア派とスンニ派の対立が続いている。タラバニ大統領(クルド人)が明らかにした4月中に首都バグダッドで見つかった暗殺遺体は1019体。遺体の多くはシーア派民兵組織による組織的なスンニ派暗殺の犠牲者とみられる。 暗殺部隊は有力シーア派政党のイスラム革命最高評議会(SCIRI)配下で、イラン育ちの「バドル軍」。そのSCIRIの幹部で現在の移行政府の内相がジャブル氏で、内務省はバドル軍の配下に置かれ、その中の秘密組織「死の部隊」が組織的なスンニ派暗殺を行っていると見られる。SCIRIはジャブル内相の続投に固守している。 これとは別に、2月末のシーア派聖廟爆破事件の後、シーア派最強硬派サドル師の民兵組織「マフディ軍」もスンニ派の暗殺を始めた。 SCIRIやサドル師派でつくる統一イラク連合(UIC)に推され、首相に指名されたダワ党のマリキ氏は、治安に関わる内相や国防相には「民兵組織を持ついかなる政治勢力にも属さない人物」を充てることで各派が合意したと述べた。 対するスンニ派は、旧フセイン政権下で力を持ち、イラク戦後に職を追われた軍、警察、情報機関の元幹部が、米軍やシーア派治安部隊に対する攻撃の中心にある。スンニ派は世俗派のアラウィ暫定政権で保証された復権を、シーア派主導の移行政府で拒絶されたという。ジャブル内相の最初の仕事は、決定していた6350人の元警察幹部の復帰帳消しだった。その後、「死の部隊」の活動が活発化した。 「挙国一致内閣」を作るとして、マリキ氏はジャブル氏の再任を拒否した。しかしシーア派内で政治基盤が弱いマリキ氏の限界も見えている。 [コメント]先日、タラバニ大統領が4月中に1019人殺されたと発表した時、あまりの死者数の多さに驚いた。殺されてゴミ捨て場に放置された遺体は、激しい拷問を受けた跡や、死後も首を切断するなど損壊している者が多いという。激しい憎しみで暗殺が行われている証拠だ。シーア派は過去にスンニ派から受けた虐殺の報復をしているようだが、そこに権力闘争が加わると、さらなる報復を恐れて収拾がつかなくなる。さらにイラクでは自動小銃などの武器が氾濫し、狙撃や襲撃など軍事訓練を受けた者も多い。これからも残忍な殺し合いが激しくなる可能性が高い。 もう駐留米軍が互いを制止することは不可能だろう。両派の中に割って入ってくれば、旧フセイン軍やアルカイダなどの攻撃に晒されるからだ。これが2月にシーア派聖廟を爆破したアルカイダ系自爆者の狙いである。 イラク国内のシーア派のスンニ派を激しく対立させ、内戦状態を作り出し、その仲裁に出てきた米軍(多国籍軍)を攻撃する作戦だ。そのことを裏付ける様に、イラクで米兵の戦死者が4月から急増し始めている。 これはサマワの自衛隊もイラク内戦に巻き込まれて、攻撃を受ける可能性が高くなるということである。日本が好きとか嫌いとか、サマワの自衛隊にお世話になっているという次元の問題ではなくなるのだ。 これでジャブル氏が内相に留まったなら、スンニ派の猛烈なシーア派攻撃が始まる。互いに殺して、殺して、殺し疲れるまで殺す、そのようなイラク内戦はまだまだ収まらない。 アメリカは隣のイランのことなど構っているヒマはないだろう。ブッシュ大統領というか、ネオコンの中東戦略は大破綻した。まだまだ石油価格は値上がりする。これは第3次オイルショックの様相を示してきた。イラクのシーア派にイランの影を感じるが、確かな証拠を見つけるのは難しい。 |
| 普天間代替 建設費 3000億円余に 辺野古沖案より 1000億円少なく (読売 5月10日 朝刊) |
[概要]名護市キャンプ・シュワブ沿岸部に建設する米海兵隊普天間飛行場の代替施設の計画概要が判明した。施設の総面積は180ヘクタール前後で、陸地が2割で、埋め立て部分が8割を占める。2014年の完成を目指し、総工費は3000億円〜3500億円を見込んでいる。V字滑走路の長さは1600メートルで、左右のオーバーランを含む部分を加えると1800メートルになる。 建設費の内訳は埋め立て費が約2000億円で、滑走路や駐機場、格納庫などの施設費と、キャンプ・シュワブ既存の施設を演習場に移転する費用が1000億円となっている。 埋め立て面積が増えたことで、ジュゴンの餌場となる藻場の埋め立て面積が約10ヘクタールから約20ヘクタールに倍増した。 [コメント]以前にも書いたが、岩国飛行場で10年前に始まった沖合埋め立て工事は、総工費が2400億円だった。岩国の新滑走路はあと2年で完成予定である。工事は山を削り、土砂をベルトコンベアで運び、沿岸の岸壁を築いた内側を埋めていく。そして埋め立てた土地に、滑走路や駐機場や格納庫を建設する。土砂を切り取った山は、新たな住宅地として整備され、市販されて新しい街が誕生するはずだった。しかし長い不況が新しい街作り計画を葬り去った。新しい宅地に家が建てられることなく、放置されているという記事を読んだことがある。もしかして、そこに厚木基地から移り住む空母艦載機の家族が住むのだろうか。 キャンプ・シュワブではどこから土砂を運んでくるのか。新しく既存施設が移転する演習場内の場所を削り、そこの土砂を運ぶのだろうか。あるいは隣接する普天間弾薬庫の地下施設を拡張し、掘り出した土砂を埋め立てに使うのか。普天間弾薬庫は沖縄に核兵器の「メースB」が配備されていた時に、その核兵器を保管していた弾薬庫である。かなり施設が古いので、この機会に辺野古弾薬庫を大改造して、嘉手納弾薬庫の機能をこの場所に移したいと考えているのでははないか。 一時は普天間基地の代替として、嘉手納弾薬庫を整地して使う提案があった。米空軍の爆弾はJーDAMのように精密誘導化して、以前の様に大規模な弾薬庫は必要なくなっている。この機会に辺野古弾薬庫を拡張して、嘉手納弾薬庫を密かに移転させることが可能である。 まだまだ沖縄の米軍基地は目につかないところで動いている。今回の2プラス2の最終報告でも、これから返還される軍用地は、沖縄の米軍施設の10パーセント程度でしかない。日本政府がいう沖縄の負担軽減にはほど遠い数字である。 メディアでは報じられない米軍再編に注目して欲しい。見えない場所で巨大な竜が動いているからだ。 |
| 米大統領指名 CIA長官にヘイデン氏 「傍受問題」で論議も (読売 5月9日 朝刊) |
[概要]ブッシュ大統領は5日に辞任したゴスCIA長官の後任に、マイケル・ヘイデン国家情報副長官(61)を指名した。承認には上院による指名承認が必要だが、共和党を含む一部の議員が、ヘイデン氏が国家安全保障局(NSA)長官時代(99年〜05年)に手がけた「令状なき通信傍受」を問題視する姿勢を見せ、公聴会の審議で白熱した論議が予測される。 米・民主党は11月の中間選挙に向け、NSA傍受問題を争点のひとつに据えており、公聴会でブッシュ政権の「専横」を追求する構えだ。公聴会を主宰する上院情報特別委員会のパット・ロバーツ委員長(共和党)も、「ヘイデン氏指名に賛成とは言えない」と慎重な姿勢を見せている。また対テロ戦争で軍の重要性を高めているときに、空軍出身者がCIA長官になることで、軍の影響力がますます強まることに懸念の声があがっている。 ヘイデン氏はNSA長官時代に、同時多発テロ後は大統領の指示に従い、国際テロ組織「アルカイダ」関係者と疑われる電話や電子メールを、法廷の承認手続きを経ず監視する活動を指揮した経歴がある。 [コメント]ヘイデン氏は現役の空軍大将である。過去に軍人出身者がCIA長官になった例はあるが、現役の将官がCIA長官となる例は少ないのではないか。明らかに異例と思われる人事である。しかしそれ以上に興味深いのは、NSA長官からCAIA長官に就任することである。 NSAは言うまでもなく盗聴屋である。その盗聴は特定の情報源(者)に絞って盗聴しているのではなく、「エシュロン」で世界で飛び交う全般の通信を盗聴して記録し、そこから特定の通信に絞り込んで内容を分析する方法である。 すなわちアルカイダ組織の容疑者でなくとも、ヘイデン氏のCIA就任に異議を唱える議員に対しても、今までに行った通信内容を知ることが可能なのである。膨大に記録された通信データーの中から、議員などの特定の個人番号(電話番号やネット・アドレルなど)で通信内容を知ることが出来る。そのようなことを裁判所の許可なく行ってきた者を、ブッシュ大統領がCIA長官に指名するのは”脅し”として指名したともいえる。 過去にCIA長官を長期間勤めたものが、その後の調査で歴代の大統領や議会議員の通信を盗聴し、それを使って辞任を防ぐために”脅し”ていたことがあった。だから長期間にわたりCIA長官を務め、絶大な権力を行使できたのである。その記憶がまだアメリカ国民の頭の中に残っていると思う。そう思えば、ヘイデン氏がCIA長官として上院で承認されることは、今のところ5分5分と推測している。 日本でも将来は政治の世界で大きな仕事をしたいと思う者は、自分の電話やネットやFAXはすべて盗聴されていると覚悟しておくこと。今は無名であっても、個人の通信情報は巨大なスーパーコンピューターに蓄積されていく。日本でいう個人情報の保護など、これが国境を越えると直ちに裸にされる。今はインターネットに時代を迎え、個人情報は国境を越えて行き交っている。9月の自民党総裁選でポスト小泉を争う有力4氏が、過去10年間にわたって行った電話の通話内容やFAXを、NSAが調べることは可能である。日本の政治家が「そんなことは知らない」では済まないのだ。 |
| 陸上自衛隊 米軍指導で「防護」訓練 昨年3月「暴徒鎮圧」を想定 内部資料「ウィニー」で流出 (毎日 5月8日 朝刊) |
[概要]陸上自衛隊が昨年3月、沖縄の米軍実弾演習場の「キャンプ・ハンセン」で、米海兵隊から暴徒鎮圧などの部隊訓練を受けていたことがわかった。これは陸自の内部資料がファイル交換ソフト「ウィニー」で流出し、その中に「国内隊付訓練『部隊防護』成果報告」があったことからわかった。報告書には「暴徒(化)する、群衆に対する制圧・鎮圧」などの記述がある。米海兵隊の教官から陸自隊員が、人の急所を素手や警棒で攻撃を押さえる訓練などの指導を受けている。また訓練に反映させる事項として、「テレビの視聴者に悪い印象を与えない」「シビリアン(文民)への過剰な攻撃の禁止」など、マスコミ対策の重要性を指摘している。 9月11日の米同時テロ後の自衛隊法改正で、自衛隊は在日米軍基地の警護が可能になった。そのような流れで訓練が実施されたようだ。自衛隊の治安訓練は70年安保闘争のころまで行われたが、国民の反発を危惧して長年行われて来なかった。 [コメント]安保闘争が吹き荒れた60年、70年の自衛隊治安作戦では、暴徒に対する警告と、指導者や火炎ビンを投げる者への射撃手順などの訓練が行われた。その時、絶対に空砲などを威嚇に使うなと教えられた。警告射撃であれば、近くのビルの壁に実弾を撃ち込むか、頭上に向けた曳光弾などを使い、実弾であることを暴徒に知らせることで威嚇(警告)とするようにした。まだデモ鎮圧にゴム弾(プラスチック弾)など開発されていなかったからだ。また暴徒が女性の集団を前にして接近してくる場合も、これを躊躇(ためらう)ことなく鎮圧する心理面での訓練も行われた。当然ながら、当時の自衛隊が行ったデモ治安訓練は報道陣に公開された。一般に公開することで威圧効果を得るためである。 しかし9・11以降の基地警備訓練は、米軍基地に押しかける暴徒の攻撃ではなく、自爆などのテロリストから防衛する訓練が主体になる。米軍基地の前に警備線を引き、障害物を設置し、最終警備線を突破した車や者を射殺する訓練である。 この記事で私が注目したのは、沖縄のキャンプ・ハンセンで行われたことである。先日の2プラス2の最終報告で、このキャンプ・ハンセンには陸自の部隊が移駐してくると書かれている。沖縄の米軍基地を描いた地図を見ると、新しく1800メートルの滑走路2本のV字型滑走路が建設される米海兵隊のキャンプ・シュワブと、この陸自が移駐するキャンプ・ハンセンは隣接しているのだ。このふたつを合わせると日米共有の広大な演習場が誕生することになる。 陸自の部隊が米海兵隊のキャンプ・シュワブを警護することが容易になるし、常時、日米が共同で訓練することも可能になる。4月の産経新聞の「正論」に、グアムに移転する米海兵隊と共同訓練できるように、グアムに陸自の訓練施設を建設する提言が書かれていたが、そんなことをしなくともキャンプ・ハンセンとキャンプ・シュワブが一体化すれば、はるかに効率的な日米共同訓練場が誕生することになる。 そのような場合、私は以前からキャンプ・ハンセンに移駐してくるのは、西方の第一普通科連隊(長崎県佐世保市)だと予測している。準・特殊部隊の色彩の濃いこの部隊なら、米海兵隊との共同訓練が可能である。今年1月にカリフォルニアの米海兵隊基地で共同訓練を行ってきた部隊である。 本日の産経新聞の朝刊には、横田基地に移転する航空自衛隊の総隊司令部が、指揮機能を大幅に強化することが報じられている。全国に4つある航空方面隊・混成団を統廃合し、横田で一元指揮が出来る体制を目指すという。このように日本ではすでに2プラス2が動き始めている。 |
※これ以前のデータはJ−rcomFilesにあります。