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この情報の最も新しい更新日は3月31日(金)です。

イラクの米軍検問

死者出た誤射 8週30件

準機関紙 報じる

「武装勢力増える一因」

駐留米軍No2の中将反省

(朝日 3月30日 朝刊)

[概要米軍準機関紙「星条旗」(中東版)はイラクで米軍検問所に近づいた市民が誤射される事件が、日常茶飯事に起きていると数字をあげて紹介した。同紙は3月中旬までの8週間で、検問所や車列に近づいた住民を脅威と認識して対応、誤射につながりかねなかったケースが600件以上だったと報じた。うち30件でイラク人が死亡、負傷者は60人以上にのぼったという。この記事で駐留米軍のNo2のカレリ中将は、「こうした誤射が我々に対して銃撃を加え、爆弾を仕掛ける人を増やすことになる」と述べて反省している。しかし実際に爆発物を満載した車が接近した際、射撃で助かった例を紹介して、交戦規定を変えることはないと発言した。これから近づいてくる車にレーザー光線を当てて、注意を喚起する装置を導入して対応するという。

 米軍の検問所や車列はイラク市民の恐怖と憎悪の対象になっているという。米軍は長い間、「安全確保のため、やむえない措置」としてきたが、こうした事件が反米武装勢力に人々が加わる理由になっていると米軍上層部も認識している。

[コメント]戦闘地域における民間人への誤射は、各国の交戦規定(ROE)でも最も難しい問題である。イラク派遣の陸上自衛隊の場合は、自衛隊員による誤射を”業務上過失致死罪”として処理し、業務上過失致死罪は”国外での犯罪を問わない規定”により、この問題の法的な扱いを決めている。すなわち無罪(不起訴)である。しかしそれは日本の法的な問題が解決しただけで、「目には目、歯には歯」のイスラム教徒の怒りから逃れることはできない。しかし近づいてくる者に対し、”停止”を命令しても従わなければ撃つしかない。あるいは遠くで銃を構えてこちらを狙ったと判断し、これを銃撃し射殺した場合に、銃と思ったものがクワなどの農具でも同じである。戦場では相手が撃つまで待って、それから正当防衛をしていたのでは間に合わない。殺される前に殺し、撃たれる前に撃つのである。

 軍事行動で正当防衛を論じるほど無駄なことはない。そのような無駄な論議を重ねて自衛隊はイラクに派遣されている。

 軍の車列の問題は日本人にとって馴染みが薄いが、軍隊の車列を追い越す行為は「敵対行動」と認識される場合が多い。だから車列最後尾の車両は後方に銃を構え、自爆テロなどの車が追い越しをかけることを禁じている。それに従わなければ追い越しをかける車を銃撃する。

 バグダッドの日本大使館員2人とイラク人運転手が銃撃され、死亡した事件を思い出して欲しい。トヨタの軽装甲車であるランクルに乗った日本人外交官は、まず後方からピックアップトラックに追い抜かれた。その荷台には自動小銃(AKー47)を所持した一人が乗っていた。追い越して車線を変えてランクルの前に出て車線を塞いだ。そしてランクルが追い越しをかけないようにボンネットに向けて威嚇のために数発の銃弾を発射した。これがランクルのボンネットに残った弾痕である。そしてランクルの頭を押さえると、後方からもう一台の乗用車が追い越しをかけてきた。そして同じ武装グループが乗用車の窓を開いて、ランクルの横からAK−47を撃ち込んだのである。これがランクル側面に低い位置から高い角度で貫通した弾痕である。

 だから日本大使館のランクルを護衛するためには、ランクルの前後に武器を持った武装ガードを配備する必要があった。追い越しをかける車は後方の車が阻止する。前方を走っていて急にスピードを落とした車は前方の車が阻止する。さらに厳重な警備を行うなら、予備の車を前後に増やして、想定以外の脅威が発生した時に対応させることになる。

 そのような軍事作戦の基礎に従うなら、無関係のイラク市民を誤射する可能性は避けられない。市民が何かの理由で急いでいれば、軍の基本戦術など関係がないからである。当然のように誤射が起きる。

 自衛隊がサマワから撤退する時、自衛隊の車列の前後を「民間軍事会社」の武装警備員が守るのはこのためである。同時に、自衛隊員に誤射させないための処置でもある。

 これでも自衛隊員のイラク派遣を継続せよと主張できるか。私は今でも一刻も早く自衛隊をイラクから撤退させることを主張している。

宇宙戦略

防衛的軍事利用に道

自民小委員会

 基本法策定目指す

(産経 3月29日 朝刊)

[概要自民党の宇宙平和利用決等検討小委員会は28日、非軍事に限られている宇宙利用政策の見直しを盛り込んだ宇宙基本法(仮称)の策定をまとめた。来年の通常国会に議員立法で提出する方針。非侵略性であれば軍事利用を認めることになる。宇宙基本法が成立すれば、自衛隊が高レベル(解像度)の情報収集衛星を直接保有して運用できるほか、ミサイル防衛の早期警戒衛星も保有が可能になる。

 日本では69年(昭和44年)に宇宙利用を平和目的に限る国会決議を行っている。小委員会はこの決議が安全保障面で支障をきたしているとし、見直し作業を行っていた。しかし新国会決議を与野党一致で採択することは困難との判断から、宇宙基本法の制定で宇宙利用を抜本的に転換するべきと判断した。

[コメント]まずなぜ急にこのような議員立法案が出されたかというと、3年前の03年3月28日にH2Aロケットで、日本初の偵察(スパイ)衛星が打ち上げられたからである。まさに3年前の3月28日だった。これは光学カメラと地上レーダーの2基を搭載した多目的衛星である。しかし同年11月29日に打ち上げたH2Aは打ち上げに失敗した。だから現在は特定の位置を1日1回の撮影しかできない状態が続いている。国産の情報衛星打ち上げで2500億円の費用がかかったという。

 多目的衛星というのは、大規模災害や沿岸警備にも活用することができるという意味である。しかし明らかに軍事偵察衛星であることを隠す目的があった。宇宙平和利用の国会決議に違反するからである。軍事偵察衛星であることは、この衛星が送ってくる画像は、市ヶ谷の防衛庁敷地にある「内閣衛星情報センター」で、自衛隊の情報本部の自衛隊員約300人が解析している。内閣衛星情報センターは内閣情報調査室の直轄だが、これは衛星の帰属をめぐって防衛庁や警察庁や文部科学省、それに外務省や国土交通省(旧運輸省)が争い、それを静めるために内閣情報調査室直轄とした経緯がある。

 さらにこの衛星が明らかに軍事スパイ衛星とわかるのは、三菱電機など衛星打ち上げに関わった企業が取材を一切受け付けないことである。災害対策が目的の情報衛星なら、企業が取材を受けても問題はない。しかし軍事スパイ衛星だといろいろ差し障りがあるから取材を受け付けないのだ。

 自衛隊は01年にアメリカの商業衛星から衛星画像を買い、その画像を分析する「画像情報支援システム」を立ち上げている。さらに日本の4ヶ所に衛星画像受信基地を建設する予定である。それは北海道(苫小牧)、茨城県、東京・市ヶ谷、鹿児島県である。

 これから次々と偵察衛星は打ち上げられるし、毎年、50億円前後の運営・維持費がかかるという。またミサイル防衛(MD)などで高い高度(3万5000キロ程度)の警戒監視衛星も視野に入っていると思う。(画像情報衛星は高度500キロ以下)。だから自民党の国防族は宇宙の平和利用限定の国会決議に危機感を持っていた。今までのように多目的衛星という言葉では誤魔化せないからだ。

 これも最大野党の民主党が機能不全に陥った今こそ、軍事活用を見直すチャンスと判断したのではないか。民主党の永田、前原両議員は、一刻も早く国会の機能を回復し、このような法案が国会で議論できるようにして欲しい。 

フィリピン

ホロ島で爆発

  29人死傷

日本政府のODAで

 米軍格納庫を建設か

(毎日 3月28日 朝刊)

[概要フィリピン南部のホロ島で27日、繁華街にある2階建ての共同店舗ビル1階で、開店直後に大規模な爆発が起きた。警察によると少なくとも9人が死亡し、20人以上が重傷を負った。ホロ島はイスラム武装勢力が強い勢力を維持している島で、米軍の支援を受けたフィリピン軍が掃討作戦を続けている。(以上、毎日新聞)

 フィリピンのルソン島中部にあるクラーク旧米空軍基地で、嘉手納基地所属の米空軍F−15イーグル戦闘機部隊が移動訓練を開始した。日本政府はクラーク基地内にODAを活用して軍用格納庫(1棟 数億円)の建設を検討中。比国防筋の話しでは、嘉手納のF−15や空母艦載機のF−18がクラーク基地で夜間飛行の訓練を開始したのは今年1月から。クラーク基地では沖縄から派遣された米海軍や空軍の関係者50人以上がクラーク経済特区のホテルに駐留を続け、同基地や近隣山地の上空で夜間飛行訓練を行っている。現在、米軍需企業のボーイング社やロッキード・マーチン社は、米軍戦闘機を管理する国営クラーク国際空港に投資条件を詰める交渉を行っている。(以上、琉球新報 3月25日付け)

[コメント]沖縄の普天間基地移転で、政府と名護市の交渉が大詰めをむかえている。あるいはグアムへの移転費用を負担する問題で、大きな関心をよんでいる。しかし在日米軍の再編はアジア全体で見る必要がある。決して日本だけで独立して動いている問題ではないのだ。嘉手納の米空軍所属のF−15戦闘機も、千歳基地や百里基地など日本の6基地を巡回して訓練するというより、フィリピンのクラーク基地やグアム基地を巡回して訓練を行うのである。そのうちクラーク基地では日本で反発の大きい夜間離発着訓練や、山間部での低高度進入訓練を行うようである。

 それにしてもフィリピンでは日本のODAを使って米軍の格納庫を建設する話しがあるという。ODAの目的は海外の米軍支援ではないと思うが、政府からODAの役割変更の説明を聞いた覚えがない。外務省が独断で変更していると思えないが、どうして国民に説明がないのか。またどのような法的な根拠によるのか知りたい。

 フィリピンは東南アジアのイスラム武装勢力を攻撃する米軍の軍事拠点になろうとしている。その軍事拠点は日本の資金で建設されようとしている。グアムの移転費問題はすでにクラーク基地で進行しているようだ。

 日米軍事体制は非常に不気味な動きを見せ始めた。まさに最大野党の民主党が永田問題で機能マヒをして、その不気味な動きが一気に加速したような気がする。

緊急時

自衛隊が統合運用

陸海空から任務部隊

(毎日 3月27日 朝刊)

[概要自衛隊は本日27日より、陸海空の自衛隊を1人の指揮官が束ねて作戦行動をする統合幕僚監部を置く。初代の統合幕僚長には先崎 一(まっさき はじめ)統合幕僚会議議長が就任する。弾道ミサイルの対応や海外への派遣に備え、自衛隊を効率的に運用する目的だ。新体制では統合幕僚長は防衛長官命令で3自衛隊から隊員を集め、「統合任務部隊」を組織し、緊急事態に対応する。その際、各幕僚長は後方支援に回り、統合幕僚長を補佐する。

[コメント]3自衛隊の統合運用が必要な実例として、阪神大地震の教訓が語られる場合が多い。緊急物資を運ぶ自衛隊ヘリの運用で、災害地でのヘリ基地に連絡が行われず、陸自は神戸にヘリ基地を確保していたのに、連絡が遅れて海自のヘリが物資を運ぶのが遅れた例などである。

 しかし私が3自衛隊の連携が悪いのに気がついたのは、JAL機の御巣鷹山墜落事故の時だった。墜落現場の上空を旋回し、現場を目視していた空自の救難ヘリ(百里基地)と、地上をバイクで進入した陸自の偵察部隊(相馬が原)と、交信する無線機がなかったからである。そのため正確に墜落現場を特定するのに、翌朝の朝まで待つしかなかった。もし空自の救難ヘリと地上の偵察部隊が交信できれば、空挺部隊などに早い段階で待機命令を出すことが可能だった。現場確認は、夜明けを待って立川基地からOH−6が飛び立ち、墜落現場を見て険しい地形に驚き、それから空挺部隊に出動命令が出されたのである。

 そんなことを取材で知った私は驚いた。上空のヘリと地上の偵察隊員の間なら、無線機はハンディーで交信が可能である。そのことされも怠っていた自衛隊の怠慢に驚いた。バイクの偵察隊員は険しい山のために、基地との車載(バイク)の無線機の交信が遮られ、10円玉を持って公衆電話の列に並ぶしかなかったのだ。当時は携帯電話などないため、公衆電話の前には記者達であふれていた。さらに公衆電話回線は緊急回線確保のために、大幅に制限され通話不能の状態だった。

 もしあの時、上空の空自のヘリと交信できたり、無線中継が可能であれば、自衛隊の救難活動はまったく違ったものになったと思う。あの時、12師団(現在の12旅団)の偵察隊員(バイク)から、10円玉を握って公衆電話の長い列に並んだ時の恥ずかしさを聞いた時、涙が出るほど情けない思いがした。

 だから今頃になって、3自衛隊の統合運用と聞いても、「遅い、遅い、遅すぎる」という気持ちしか浮かんでこない。もう3自衛隊を分割して運用することさえ時代遅れである。米海兵隊のように、自衛隊の陸海空の一元化を考える時なのである。それが日本の基本戦略を誕生させる芽になることを願っている。

普天間移設問題

政府が微修正案提示

 ギリギリの線か

滑走路、角度変更し移動

名護市側対応 焦点に

(読売 3月26日 朝刊)

 

[概要額賀防衛庁長官は25日夜、名護市の島袋市長と都内のホテルで会談し、政府として初めて微修正案を提示した。微修正案は@米軍機の予定飛行ルートの真下に住宅10戸があるため、滑走路の角度を変更(神浦・・・10度反時計回り)し、A滑走路を沖合に移動、の2つを組み合わせた案。しかし市側は回答を留保した。防衛庁は沖合にずらす幅は50〜200メートルで調整されている模様。この微修正案は政府が実行可能と考え、名護市が受け入れられるギリギリの線とみられる。

 名護市側は政府案よりも450メートル以上沖合にずらす修正案を主張している。政府が沿岸案にこだわっているのは、従来の埋め立て案では、市民団体による海上阻止行動でボーリング調査さえ進まなかった教訓を踏まえている。今回の微修正案では大半が米軍提供水域で、常時立ち入り禁止の「第1、第2区域」にかかっている。

 額賀長官は26日、沖縄県の稲嶺恵一知事とも都内で会談し、県の最終意見を確認する見通しだ。(本日26日、額賀長官は島袋氏と防衛庁で会談する)

[コメント]今までの経緯を考えると、今回の微修正案はまさしくギリギリの案だと思う。これを沖縄県や名護市が拒否すれば、第2の成田闘争になることは目に見えている。あくまで政府案を実現するためには、県知事の沖合埋め立て許可権限を取り上げ、特措法を作って国が許可権限を奪い返すしか方法がなくなる。そうなれば名護の地元では、一気に反対派が勢いづき、第2の成田闘争という構図になるからだ。

 まずは今日の稲嶺知事、島袋市長の対応を見たい。私は金曜日(24日)の午前7時10分からの文化放送で、普天間移転問題では地元と政府の合意が、今月中にも行われる可能性が出てきたと話した。

01年〜05年 兵器輸入

中国、軍拡浮き彫り

最大の1兆5600億円

(産経 3月24日 朝刊)

[概要スウェーデンのスットクホルム国際平和研究所(SIPURI)の推計によれば、01年から05年までの通常兵器輸入総額は中国が133億4300万ドル(約1兆5600億円)で世界最大であることがわかった。2位はインドの93億5500万ドルで、産油国ではアラブ首長国連邦(UAE)が48億6700万ドルで世界4位の水準に達していた。

 中国はロシア製兵器を主に輸入し、早期警戒機や対空ミサイルの購入で空軍力を増強し、陸軍、海軍も兵器輸入に強い関心を示している。東アジアで日本は15億3900万ドルで世界17位で、韓国は25億6100万ドルで世界9位だった。

[コメント]いわゆるシュプリの兵器輸入統計である。この産経の記事には書かれていないが、逆にシュプリの通常兵器輸出額と順位も公表されている。当然ながらロシアとアメリカが全体の6割を占めている。

 中国としては台湾の空軍力を強く警戒しているから、対空ミサイルや地上の警戒レーダーが破壊された場合の早期警戒機を購入したと思う。あくまで台湾の空軍力を封殺する対抗手段である。日本は中国の軍事的な脅威を強調したいために、ネズミをオオカミと見誤ってはいけない。

 ロシアも中国の軍拡には敏感になっている。中国に兵器を与えることは、同時に、中国と隣接するシベリアや沿海州にとって両刃の剣になる可能性があるからだ。今は中国を戦略的パートナーシップといっても、シベリアに流れ込む大量の中国人移民が原因で、再び中ロが険悪な関係になる可能性はある。そのあたりの事情をロシアは考えて、今は中国への兵器売却を慎重に行っている。ロシアの狙いは中国軍を利用して、アメリカや日本や韓国の軍事力が、東アジア全体に拡大し支配をさせないことである。中国へのキロ級潜水艦売却で米空母を台湾から遠ざけた様に、中国の軍事費とロシア製の兵器で東アジアに壁を築いているのだ。無論、中国への兵器売却で得る外貨も、ロシアの経済を潤している。しかしあくまでロシアが中国に兵器を売る目的は、アメリカや日本や韓国の軍事力が、東アジアの支配力を確立させないためである。

 私はロシア軍が20年後にRMA化で武装し、再び東アジアに巨大な軍事力で台頭してくると推測している。中国軍の軍拡はそれまでの“つなぎ”程度の意味しかない。日本は20年後のロシア軍復活に備える必要がある。無邪気な中国軍の軍事脅威論で遊んでいるヒマはない。多くのロシア人はスターリンのような冷酷で残忍な独裁者を好む民族であることをお忘れなく。今、ロシアではスターリンの人気が復活しているという。

アフガン南部

学校放火 深刻

「女子教育やめろ」

 タリバン 教師殺害も

(朝日 3月23日 朝刊)

[概要アフガンのイスラム原理主義勢力タリバンが強い南部で、学校が放火され教師が脅される事件が多発している。これは「女子教育はイスラムの教えに反する」という主張する同勢力の関与が疑われている。国連筋によると教師や学校に「女子への教育をやめろ」と脅される事例がこの6ヶ月で60件あった。南部のザブール州では高校教師が首を切られて殺され、子供を学校に通わせない家庭が増えている。カンダハル州のマルーフ地区では治安の悪化を理由に、42校のうち3校しか授業が再開できない。

 アフガン全体では女子の教育を認めているが、南部の田舎は保守的な土地柄で、タリバンの原理主義に共鳴する人が多い。その理由は地域の教育水準が上がれば影響力が低下することに危機感を持っているという。教育省のガフール副大臣は、「国防省や内務省に取り締まりと警備の強化を求めた」と話す。

[コメント]最近のアフガン情勢が気になっていたが、南部では女子教育が攻撃のターゲットになっていたのか。その背景には多くの大人が文字の読み書きが出来ないという現状があると思う。その子供達(特に女子)が教育によって読み書きが出来ると、自分たちをバカにして言うことを聞かなくなるという危機感を持っているのだ。その感情を「女子の教育はイスラムの教えに背く」と信じているのだ。

 だから対策としては、地域の大人を根気よく説得に努めるか、あるいは女子(子供)を学校に通わさなければ親を逮捕したり罰金を課すぐらいの強行策が必要なる。しかしそれを外国人が行えば文化や宗教への侵害(弾圧)となる。あくまで自国民かその地域の有力者(たとえば宗教家)が説得を行う必要がある。

 また教育によって受ける恩恵を知らせることも必要だ。難しいことではない。田舎の村や町に役場を作り、小学校で基礎教育を受けた者を雇い、役場で働けば給与を払って安定した生活を保証するのである。小学校に行って教育を受ければ、飢えや寒さに怯えない生活を与えるのである。このとき村役人の給与を払うのは、外国の経済援助であっても文化や宗教の侵害にはならない。

 さらに村役場や町役場を通じて、地元の中学校まで教育の質を拡充し、郡や市や州の行政機能を拡充していく。まさに教育こそは国を作る原点の仕事なのである。

 アフガン南部で日本が行えることは、自衛隊を派遣して学校や教師を脅迫や暴力から武力で守ることではない。村や町などの地域で、そこの住民のために役立つことを行う人や仕事を作り出すこととである。そして人や仕事が誕生したら、初期の費用や給与を援助することである。その仕事が植林や治水であったり、簡単な医療施設をあるかもしれない。それで充分なのである。村や町の医療施設は手術室を備えた大病院である必要はない。

 私の知人にアマチュア無線で仲間を集め、日本で廃車になったタクシー無線を寄付してもらい、それで東南アジアやアフリカの未開発地域で行政無線網を寄贈するボランテアを行っている人がいる。その地域の役場、病院、警察、消防などの行政機関を、持参したタクシー無線で繋ぐのである。ちょっと高い山や丘に無線中継所を設置すると、タクシー無線の通信範囲は数百キロに広がる。それだけでも大変な貢献になる。ボランテアの人が現地を往復する交通費は外務省の援助が出る。足りない分は自分持ちだという。また現地での移動や宿泊や安全は、現地の行政機関が負担する。そのため、たまには野宿のような時もあるという。私はこれが日本式だと思う。

 アメリカのように学校や教師を米軍兵士で守っては解決できないことも、日本式で問題を解決することは可能である。お金では決して解決しない。外務省も日本国内の1000グループ程度の海外ボランテアに、1グループ年間2000万円程度の援助をするぐらいの度量があっていいい。200億円なんて安いものである。各大学ではそのための教育コースと現地で実践する機会を作るべきと思う。世界各地の対象地から現地の宗教者やリーダーを招いて話しを聞くのもいい。そんな時代が来たと期待したい。

普天間移設

額賀長官 初交渉

  名護市は拒否

首相が微修正容認

滑走路の向き変更か

「海」側に大幅移動か

(産経 3月22日 朝刊)

[概要額賀防衛庁長官は名護市の島袋吉和市長と都内で会談し、キャンプシュワブ沿岸埋め立ての政府案を修正する交渉を行った。しかし名護市が求める海側への大幅修正は拒否する構えだ。また島袋市長は政府の微調整案を拒否した。この日の協議は平行線をたどったが、今後も話し合いを続けることで双方が合意した。小泉首相は額賀長官の微調整案に同調した。

 政府案と地元案は隔たりが大きく、また決着の方向が見えていない。しかし政府は沿岸案で一般の立ち入りが禁止されている周辺海面内での修正に応じる構えだが、地元が求める大きく海側にずらす「大幅埋め立て」の海上建設案は拒否する姿勢を崩していない。(以上、産経新聞)

 政府が微修正に応じることにしたのは、今月上旬の日米審議官級協議で米側が地元の同意が得られるメドが立たないまま最終報告をまとめるのに難色を示したためだ。米側は昨年秋の日米協議で、海上埋め立て案を提示し、外務省も同調した経緯がある。このときは防衛庁が今の沿岸案で押し切った経緯がある。(以上、毎日新聞 3/22 朝刊)

[コメント]名護市側の案を地図で見ると、陸地と埋め立て基地が橋のような狭い場所で結ばれている。これで岩国基地(山口県)の埋め立て基地のように、住宅街から離れて墜落や騒音問題を解決すると主張していると思う。しかし岩国基地の埋め立ては狭い橋で結ばれていない。そこが軍事基地として問題なのである。すなわち埋め立て基地への交通アクセスが、狭い橋というのがネックになっているからだ。その橋を爆破されれば、埋め立て基地は孤立する。軍事基地としては使えない。ただし反基地闘争などで、反対派がこの基地に押し寄せた場合は、橋を封鎖することで反対派の基地突入を容易に阻止することが可能になる。米側が埋め立て案を支持したのは治安対策上の理由からだ。しかしそのような住民対策を行う必要があるのか疑問である。

 それに埋め立て範囲が広がると、自然環境の悪化に与える影響も大きくなる。埋め立ての地元案ではまた再び、基地建設が身動き取れなくなることが目に見えている。いくら沖合埋め立て工事費で、莫大な費用が計上されても、工事が動かなくては地元にお金は落ちない。

 今まで基地建設といえば巨大な工事利権で地元にカネをばらまいた。そのような金権政策が混乱を生んだ最大の要因になっている。

 基地があるから地元の発展が遅れて基地対策費に依存するのか。地元が貧しいから地元対策費の出る基地がやってくることを期待するのか。

 いっそ山間部のダム工事のように、飛行コースに近い辺野古と豊原地区の集団移転を考えるぐらいの政策を練るべきだった。しかし今となっては時間もないし、埋め立てによって莫大な工事費に魅せられた人の心を変えることは難しい。やはり元凶は橋本元首相と野中元幹事長が利権絡みで、埋め立て方式を考えた辺野古沖案(原型)にある。今の政府はその責任を取らされている。(地図は産経新聞(3/22付け)に掲載されたもの)

イラク開戦3年

本格政府 めど立たず

宗派・民族対立激化

高まる内戦不安

(読売 3月21日 朝刊)

[概要イラク開戦3周年のイラクは、憲法改正と2度の選挙を実施したが、宗派・民族の対立から肝心の本格政府樹立のめどが立っていない。かけがえのない「自由」を得たはずの国民の暮らしは一向に楽にならず、ガソリン価格は1年前の3倍、電力はバグダッド市内で「2時間通じ、その後4時間停電」という繰り返しだとう。イラク治安部隊は2年前の2倍の23万2000人に増え、対武装作戦でのイラク人部隊の比重も増えた。しかし2月のシーア派聖廟爆破事件以降は、多くの人が政治治安部門を牛耳るシーア派民兵組織の専横に怯えている。イラクでは拉致、射殺、武力での強制退去など、いつでも起きる日常に「内戦」と呼ぶ声が高まっている。

 アメリカでは米軍のイラク駐留に対し、政府が重要性を強調する一方で、「軌道修正」を求める声が広がっている。ラムズフェルド米国防長官は、「今、イラクから米軍が撤退することは戦後ドイツをナチに手渡すものと同じ」と訴えている。しかしポール・イートン退役少将はニューヨーク・タイムス紙で、「ラムズフェルド長官は米欧同盟を損ね、国防長官と制服組の信頼関係を台無しにした」と糾弾し、公然と辞任を求めた。米CNNテレビは19日、共和党と民主党の政権下でそれぞれ大統領補佐官を努めたキッシンジャー氏とブレジンスキー氏の対論を放映した。ブレジンスキー氏は「米国は敗れつつある」と断じた。対するキッシンジャー氏はブッシュ政権の政策を現時点では支持しつつ、「うまく行かなければ国際社会の関与を求めなければならない」と言い添え、「イラク問題の出口戦略」ではブレジンスキー氏と一致した。2300人を越える米兵の犠牲を出し、2000億ドルの戦費を投じた3年間の戦争に苦悩する米国を映しだした。

[コメント]もしアメリカがベトナム戦争の教訓を正しく学んでいれば、ここまでイラク情勢の泥沼(悪化)に深くはまることはなかっと思う。さらにベトナム戦争より悪いことは、イラクには北ベトナムや中国やソ連が存在していないことである。もしイラクに影響を与える背後の力を上げれば、それはアメリカと激しく対立するイランである。もしイラクのシーア派武装勢力とイランの革命防衛隊が結びつけば、隣国のヨルダンやサウジは簡単に吹き飛ばすほど大きな爆発力を秘めている。それこそネオコンが構想した中東の民主化など絵に描いた餅にもならない。

 だから私はキッシンジャー氏がいう国際社会の関与でアメリカ軍撤退という考えは無理だと思う。ここで国際社会というのは、ベトナム戦争時代の中国やソ連のことである。今のイラクに当てはめれば、隣国イランしか国際社会になり得ないからだ。中国やロシアにイラクの内戦の停戦を調停しうる力はなく、欧州のNATO軍もイラクの石油利権に絡み合って無理である。あえて可能性をあげれば、国連平和維持軍だが、あくまでイスラム教国家の平和維持軍である必要がある。インドネシア、マレーシア、パキスタンなどだが、トルコ、シリア、ヨルダン、エジプトなどはどう対応するのか。国連がやり方を誤れば、まさに中東で第3次世界大戦を始めることになりかねない。

 このままでは11月のアメリカ中間選挙でブッシュ大統領の共和党は大打撃を受けることは確実だ。そこまで待つしかないのか。

 一つだけ確実なことは、アメリカという国は撤退を決めたら一気に引く。そしてイラクはイスラム原理主義過激派がアメリカに勝利した国として聖地になってしまう。そもそもの誤算は独裁者フセイン大統領を倒したアメリカ軍が、イラクで解放者になれなかったことである。独裁からの解放者ではなく、異教徒の占領者になったことだ。

サウジへの兵器売り込み

苦戦の仏 歓喜の英

仏 商談失敗

  いまだ1機も売れず

英 ホクホク

  60億ポンド取引成功

中国、ロシアの参入

  神経とがらす米

(毎日 3月16日 朝刊)

[概要世界最大の産油国サウジアラビアに対する兵器の売り込み合戦がし烈さを増している。フランスは3月上旬にシラク大統領をサウジ訪問させ、仏ダッソー社のラファール戦闘機48機など総額60億ルーブル(約8400億円)と、総額70億ルーブル((約9800億円)の国境監視システムをサウジに売り込んだ。しかし具体的な成果は発表されなかった。イギリスのブレア首相とリード国防相は、昨年7月に相次いでサウジを訪問し、12月に英BAEシステムが独伊スペインと共同開発したユーロファイター(輸出名タイフーン)の売却契約覚え書きを交わした。詳細は公表されていないが、最大72機、総額60億ポンド(1兆2600億円)の巨額と見込まれる。これでBAEシステムは9000人の職が10年間保証される」と大歓迎している。英国内の国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」は06年の年次報告で、「英国はサウジの人権抑圧に目をつぶって武器の売り込みを図っている」と批判している。

 最近は原油価格の高騰で、ロシアや中国も中東の兵器市場に参入しており、中東の武器輸出で突出していた米国が懸念を高めている。アメリカは兵器の売買を「対外有償軍事援助」として、米軍と協力関係のある国に互換性のある兵器システムを売り、地域で部隊の展開を容易にするという発想がある。だからサウジが中国から弾道ミサイルの購入で対中関係強化に乗り出したことや、ロシアがシリアやイランに武器を売却し始めたことに警戒している。

[コメント]アメリカは02年に韓国とシンガポールに、F−15戦闘機の売却交渉を成功させている。F−15戦闘機はサウジ、イスラエル、日本とアメリカの4カ国から、2カ国を加えた6カ国の配備が決まっている。韓国での配備数は60機が予測されている。さらにこのホームページで書いているように、日本にF−22ラプターがFX(次期主力戦闘機)として本命になりつつある。というよりも、Fー22以外に日本のFXはあり得ないというのが現状である。しかし今のところ、日本のFXでは4機種の候補が残されている。F−22ラプター以外は、F−18スーパーホーネット、F−15Eストライクイーグル、それにユーロファイターである。なぜユーロファイターかといえば、サウジが調達を決めたので、その性能を詳細に見てみたいとして候補機にあげ、調査費を計上したのである。アメリカの「対外有償軍事援助」という視点から、ユーロファイターがF−22を押しのけて、日本のFXに決まる可能性はない。それならなぜサウジはユーロファイターではなくF−22を購入しなかったのかということになる。そこには政情が不安定なサウジをアメリカが嫌ったという事情がある。サウジに配備したF−22がテロリストに襲われ、機体全てが「最高機密」を奪われる危険があるからだ。F−22が事故などで砂漠に墜落し、その機体の一部でも奪われれば、アメリカが受ける損失は計り知れない。

 そういえば、ウラジオストックの海軍歩兵師団(ロシア版海兵隊)を訪ねた時、一部にTー55という旧型戦車を配備していた。あまりにも古い戦車なので、どうしてT−55を保有しているのかと質問した。すると、アフリカや南米にT−55が輸出され、今でも配備されているからだという。ウラジオの海軍歩兵は緊急展開の際、Tー55戦車を現地調達しても、すぐに戦力として使えることに注目していたのだ。

 まあ、日本にF−22を売却するアメリカ空軍の狙いも同じようなものである。フランスもラファール戦闘機を海外で売りたいなら、自分で火を付けて火事(戦争)を起こし、その消して見せるぐらいの演出が必要である。日本が兵器輸出に熱心に取り組んではいけない理由もそこにある。日本が火を付けて火事を好むような国になれば、ほとんどの資源を輸入し、日本製品の市場を海外に頼っている国としては、火事で国際社会が混乱することは許されないからだ。

※ 明日は娘の中学校の卒業式です。午前中は卒業式出席で、午後は「卒業祝賀会」の幹事役(PTA)です。明日の更新はお休みすると思います。それから土日、飛び連休となります。お墓参りや、娘の制服購入などを予定しています。ちょっと忙しい日が続きます。飲み過ぎないように気をつけます。

東京都八王子

ひき逃げ米兵「減給」

海軍司令部

  軍事裁判経ず

(毎日 3月15日 朝刊)

[概要昨年末、東京都八王子市の横断歩道で小学生男児3人が、米兵の運転するワゴン車ではねられ、重軽傷を負うひき逃げ事件があた。現場近くで逮捕された米兵は日米地位協定の「公務中」を理由に、八王子警察署から即日釈放された。この女性兵士は米海軍厚木基地所属の上等水兵(23)で、この事件で米軍当局は正規の軍事裁判ではなく、艦長による「懲戒裁判」の形式で、「減給」の懲戒処分を下した。減給は基本給の半分の2ヶ月間で18万6000円相当になる。45日間の謹慎処分や階級の降格は執行猶予になった。処分理由は「無謀運転」だという。

 日本の場合、ひき逃げ事件で被害者が多数の場合は実刑も言い渡されるが、米軍関係者は「日本と裁判の形式、過失の概念が異なるので比較は難しい。米軍は米兵に甘いというのは偏見で、今回も厳しい懲戒と見ている」と説明した。

[コメント]昨夜、TBSラジオの夜8時から、生放送番組「ブジオ」にゲスト出演した。映画監督の井筒さんが怒鳴りまくる「どないなっとんねん」である。テーマは在日米軍再編と岩国の住民投票であった。その番組のトークで、在日米軍の兵士一人に対して、日本は年間1800万円を負担していると紹介した。もちろんこれは年間の”思いやり予算”や米軍駐留費の日本負担分を、駐留している在日米兵の数で割った数字である。その米兵が横断歩道を渡っている小学生をはね、重軽傷を与えながら逃げたと聞けば虚しくなる。逮捕や拘留、そして正式な裁判を受けることなく、罰金18万6000円の処分で片づいた。いくら日米法制度の違いといっても、日本人には理解できないことである。「そこまでして米軍に守ってもらう必要があるのか」(井筒監督)という怒りが生まれてくるのも当然と思う。(黄字の部分はメールで間違いを指摘されて訂正しました)

 そのトークの最後に、井筒さんから、「神浦さん、この際、いいたいことがあれば言ってください」と言われた。「そうでね。よく政府関係者が北朝鮮の脅威とか、中国の脅威といいますが、あれはほとんどが防衛予算を獲得するための方便ですから、あまり本気にしないほうがいいですよ」と話した。

 日本政府は脅威を誇大して宣伝することで、米軍依存の体質を強める悪矛盾に陥っている。ここは素直に「米軍は何から日本を守っているのか」を再考する必要があるように思う。日本の国防が確立できない最大要因である。

 昨夜のTBSラジオでは、転勤で沖縄に赴任した自衛官が、あまりにも大きな米軍の存在に嫌気が差し、「ここは日本だ。米国ではない。大きな態度をするな」と、嫌米になる者が多いというエピソードを紹介した。本当の話である。

 番組の放送中は井筒監督のド迫力で圧倒されたが、あとで振り返って放送内容を考えると、井筒監督のあの怒鳴り(指摘)は、日本人がお利口で素直になることで失った率直な感情のような気がした。「なんで日本はそこまでして米軍に守ってもらう必要があんの」である。すでにアメリカ国務省は中国に武器技術供与を再開すると表明している。米国防総省が「中国脅威論」を掲げているのである。今までの軍事脅威論がガラガラと崩れていく新たな国際化のようだ。

米軍のグアム移転費

  100億ドル

日本負担 75%要求

日本分 8812億円

(産経 3月14日 朝刊)

[概要在日米軍再編をめぐるハワイでの日米審議官級協議で、米政府が日本に示したグアム移転総費用は、インフラ整備など総額100億ドル(1兆1750億円)で、日本側には75パーセント(8812億円)の負担を要求したことがわかった。しかし港から基地までの道路整備費用や、自衛隊の訓練施設建設の費用は含まれておらず、総額はさらにふくらむ可能性がある。グアム移転費用は司令部など関連施設の建設や、体育館などの厚生施設と、家族住宅などの宿舎が含まれる。

 米側は今まで80億ドル程度の見積もりを示していたが、詳細な積算を日本政府が求めたところ、今回は100億ドルに上積みして説明した。この日本負担分で、純粋に日本が負担するものと、返済を求める融資分は、次回の審議官級協議で再建検討し、最後は政治的な決着をさせる見通しだ。

[コメント]今までの日米安保関係から推測すると、日本側としては、どうせ新しい法律を制定して、海外の米軍基地建設や整備に日本政府の資金(税金)を投入できるように法整備を行うから、今は多めに要求して欲しいと米側を説得したと思う。これは”第2の思いやり予算”の前例となる。だからべらぼうな額の見積もりが提示されることになる。そして最後の政治決着とは、9月に任期が終わる小泉首相の”置きみやげ”として、今後も日本政界に君臨する後ろ盾としてアメリカ政府への貢ぎ物である。

 しかしこれを真正面から議論するはずの民主党は「ニセメール事件と、永田議員の”ボク謝ったもん”」で混迷が続いている。移転費の総額が、当初の80億ドルの2倍である160億ドルになっても、今の民主党では正面から議論することはできないと思う。

 岩国の商店街を歩くと、多くの店でアーケードが降りて閉店し、ゴーストタウンのようだったと昨日書いた。基地があるために地元産業の育成を押さえ、政府から支払われる地域振興費に依存する経済体質を作ってしまったからだ。昔のように地元産業も基地もあり、それで賑やかな街が形成できた時代ではないのだ。

 そこまで地方が苦しんでいるのに、グアムに移転する米軍に国際的にも前例のない莫大な移転費用を支払う必要はない。今後、沖縄などでは返還された米軍基地の現状復帰が大問題になる。重金属や化学物質などで汚染された基地の土壌改良など、その費用は1兆円を超える資金が必要になるだろう。本来ならば、日本の基地を使用し、土壌を汚染させた米軍が負担すべきものである。これが沖縄返還協定で問題となった”密約”のことである。今回はグアム移転費の中に”密約”で、この在沖返還基地の現状復帰経費を潜ませ、日本側が負担する気なのかと疑ってしまう。

 今後、在日米軍再編・最終報告後の最初の政治問題として、グアム移転費の日本負担と、返還される在沖基地の現状復帰費用が政治問題化することになる。今までの法例、前例、国際慣例、密約などよくよく調べ、決して日本をアメリカの戦争下請け国の地位に押し込まぬ様に。

 アメリカは日本よりも中国と親しい関係を築く方向で動き始めている。米国防総省の”中国軍事脅威論”など、国防予算を獲得するための一時的な口実にすぎない。日本が必死にアメリカの軍事費や兵力を支える方向で動いても、日本にとってアメリカが中国の勢力拡大を阻止する力にはならない。日本はいいように利用されるだけである。アメリカや中国から日本は蔑視を浴びないように、日本は米中に媚びない毅然とした国家を築く必要があるのだ。

岩国住民投票

米軍移駐「反対」9割

米部隊受け入れ反対

  圧倒的多数

地元説得後回しのツケ

(各紙 3月13日 朝刊)

[概要米海兵隊の岩国基地(山口県)に、米空母艦載機の移駐受け入れの賛否を問う住民投票が12日に行われ、投票率は58,68パーセントで有効の50パーセント以上を越えて住民投票は成立した。開票の結果は「反対票が87,42パーセント」で圧倒的多数を占めた。この数字は全投票有資格者の51、30パーセントで過半数を占めている。これは在日米軍の再編で岩国基地強化に対して、強い住民の反対意志が表明されたことになる。今回の住民投票に対しては、移転容認派が投票ボイコットを訴え、成立に必要な50パーセントを切るボイコット運動を行なったが、投票率は59パーセントで規定を超えて成立した。

 しかし住民投票に法的な拘束力はなく、「米空母艦載機移転はぜひとも実現しなければならない。今後とも地元に説明し、理解が得られるように最大限の努力をする」(額賀防衛庁長官)と語った。

[コメント]岩国の住民投票に反対した人は、今回の住民投票は来月下旬に行われる市長選(周辺市町村の合併にともない)の現市長の事前運動とか、国からより多くの地域振興費を得るため「値段つり上げ運動」と批判した。また、安全保障という国の政策に、住民エゴという投票を行うべきでないという人もいる。その中には、住民投票は民主主義の乱用という人までいた。しかし国の政策だと言えば、住民は反対や批判をしないで、黙々と従う義務があるのかといえばそれはない。やはり住民の意思や考えは、それなりに政策を決定する重要な要因になると思う。それこそが民主主義なのだ。

 昨年の夏、岩国市の繁華街を昼間に歩いたことがある。そこの商店街は多くの店でシャッターが降りて閉店していた。まるでゴーストタウンのようであった。私がベトナム戦争当時(後期)、賑やかな岩国の街でリフレッシュ休暇でベトナムから来た米兵と遊んでいた頃とは雲泥の差を感じた。それで私は岩国市が空母艦載機の移転を受け入れると思った。しかし住民投票の結果は「圧倒的多数の反対」であった。もう、地元のタクシー運転手さんが米兵のチップで、岩国市長よりも高い給料を稼ぐ時代ではない。今は市民の生活レベルが上がって、より裕福な生活よりも、安全で穏やかな生活を志向するようになったようだ。

 在日米軍再編案では、岩国に厚木から米兵1600人が移転してくるが、岩国から自衛隊員の700人が厚木基地に移転する。移転してきた米兵は岩国の街でお金を落とすことはないと思う。物価の安い基地内の米軍PX(スーパーマーケット)で買い物をして、「思いやり予算」で建てた充実した基地内のクラブで遊ぶのではないか。だから地元経済界が空母艦載機移転で期待できるのは「地域振興対策費」だけということになる。だから地元政治家や事業家は基地対策費ばかり頼らないで、別の地域振興策を考え出さなければ、どんどんと街や地域が基地で衰退することになる。

 ここで軍事的な視点で岩国基地を語ると、もはや空母艦載機の岩国移転は避けられないだろう。岩国基地の沖合に埋め立てて建設中の新岩国基地は、厚木から空母艦載機が移転してくることを想定して建設されている。むろん夜間離発着訓練(NLP)を含んでいる。それは10年も前に国と地元で決められた約束(合意)でもある。艦載機の移転受け入れで大規模な基地拡張を認め、工事受注で地元が潤い、その工事が完成間近になって移転反対では筋が通らない。どうして艦載機移転に賛成派も反対派も、そのことを何も話さないのか。だれでも知っていることなのに。 

MD実験

性能試験に成功

日本担当部品

 「ノーズコーン」

(朝日 3月9日 夕刊)

[概要防衛庁はミサイル防衛(MD)システムで日米が共同技術研究を進めている次世代型迎撃ミサイルで、日本が担当している「ノーズコーン」の性能を確認するハワイ沖での試験に成功したと発表した。ノーズコーンは海上配備型迎撃ミサイルSM3の先端に取り付けるカバーで、敵の弾道ミサイルを識別する「赤外線シーカー」を空気との摩擦熱から保護し、迎撃直前にミサイル本体から分離される。

 これで残るのは、日本が担当している赤外線シーカーの性能試験が終了し、標的を直撃する「キネテック弾頭」と、飛翔速度を上げる「第2段ロケットモーター」も最終確認を残すのみという。MD開発では日本が10億〜12億ドル(1175億円〜1410億円)の開発費を分担する見通し。

[コメント]昨日、日本のメディア関係者から、「日本製MDミサイルが敵弾道ミサイルの飛来を想定したハワイでの迎撃実験で、見事撃ち落とし、実験が成功した」と電話がかかってきた。思わず「ちょっと待って!」と叫んでしまった。今回の実験成功はミサイル先端のノーズコーンが、大気圏を加速上昇中の空気摩擦熱に耐え、内部の赤外線シーカーを保護し、さらに空気のない宇宙空間でミサイル本体から分離して、敵弾道ミサイルの熱源をシーカーが探知できやすいようにする実験だったと話した。すると「それって難しい技術なのですか」と聞かれた。「アメリカの宇宙開発技術にとっては初歩的な技術だと思うよ」と答えた。「それならなぜアメリカが分担しないで日本がやるのですか」という質問である。「たぶん簡単な分野を日本に分担させ、MD開発に日本を巻き込みたいからじゃないの。開発資金を分担させるためにね」。「それじゃ、今回の実験成功は重大なニュースではないのですか」と聞かれた。「政府や防衛庁の連中は日本がMD開発に貢献していると誇大に報じて欲しいと思っているよ」。「なーんだ、興奮して損した」で終わりである。

 日本の自衛隊が初めて戦場に行った「ペルシャ湾の掃海」(1991年)も、遅れてペルシャ湾にくる海自・掃海部隊のために、米海軍は海自が担当する掃海海域をわざと残して、海自が初参加しやすいように演出したという。今回の日米MD共同共同開発も、そのような細やかな心配りで”演出”されているようだ。スペースシャトルで何度も宇宙を行き来しているアメリカにとって、MDミサイルのノーズコーン開発など極めて初歩的な技術だと思うからだ。

 MD開発にとって今回の実験成功は、「今回の成功はいかに技術的な能力が高まっているかの現れだ」(小泉首相)とか、「日米共同技術研究について高い信頼性が得られた」(安倍官房長官)との過大評価は、やはり馬鹿馬鹿しさを感じてしまう。こんな幼稚なやり方でいつも国民は騙されているのだろうか。

イラク

「イラン部隊介入」 

米国防長官

 「将来を破壊」と非難

(産経 3月9日 朝刊)

[概要ラムズフェルド米国防長官は7日の記者会見で、イラクの隣国であるイランから革命防衛隊の特殊部隊「クドゥス」(全勢力は1万五千人規模)のメンバーがイラクに潜入し、テロ活動などをしてイラクの将来を破壊していると激しく非難した。この会見に同席したペース米統合参謀本部議長は、米軍に被害を与えている高性能の仕掛け爆弾(IED)が、イランからイラクに持ち込まれていることを明らかにした。

 米政府がイランの軍事的な干渉を公表した背景には、地域秩序の破壊行為を指摘してイランへの国際包囲網を促す一方で、イラクの混迷がイランからの助長で起きていることを国内に示す狙いがあると思われる。

[コメント]この記者会見をTVで見なければ、この記事を取り上げなかったと思う。イランのウラン濃縮問題(核兵器開発疑惑)で国際的なイラン非難が高まった時に行われた政治色の強い内容だったからだ。もし本気でイランの軍事介入を非難するなら、アメリカはその証拠を示すことが必要だった。しかしアメリカが「イラン人捕虜」などの確かな証拠を示せば、アメリカとイランの軍事対立は一気にエスカレートすることになる。今回はアメリカが証拠を示すことなく、イランを強く非難した背景には、この程度の警告で留めておきたいという意志があったと思う。特別にアメリカはイランに対する「大騒ぎ」を求めていないと考えた。

 しかしここ2日間で、イラン情勢は一気に緊張してきた。いよいよ国連安保理にイラン問題が付託させたからだ。さらに国連安保理では常任理事国の5カ国すべてが、このイラン問題を協議することに賛成した。国連安保理でイラン制裁が採択される可能性が高まってきた。それに対してイラン政府は、「アメリカは他国に痛い思いをさせることができるが、我々もアメリカに痛い思いをさせることができる」と声明を発表した。まさに今はイランと国際社会のギリギリの攻め合いが行われている。

 しかしである。しかしイラン問題では誰も軍事的な手段を使って解決することはないと思う。アメリカの軍事力がイランまで戦線を拡大するには不足しているからだ。また史上最高まで高騰している石油価格が、これ以上、高騰するのを避けたいと国際社会が思っているからである。

 国連安保理にはアメリカを中心に国際社会が結束すれば、イランは必ず妥協してくるという読みがあるのではないか。イランの核兵器開発だけは、どうしても許すことができない常任理事国(大国)の共通認識である。それほどまでも核武装をするということは、政治的に重いことなのである。単に核の技術的に可能だとか、軍事的な劣勢を逆転させたいというだけでは核武装できない。大国を含む国際社会の重圧を跳ね返す政治力が必要になる。

 イスラエルにはアメリカがおり、パキスタンの核実験(核武装)は中国という大国のバックアップがあった。またインドの核戦力を地域で戦力バランスをとるという背景があった。イランの核兵器開発にはそのような政治的な背景がないのである。イスラエルのように国家存亡の危機にのみ、核戦力の行使というわけにはいかない。

 さてもうひとつの問題だが、本当にイラン政府はイラクに特殊部隊を組織的に投入して、駐留米軍への攻撃を行っているのかといえば、それはない。あくまでもアメリカ流の脅しである。しかしイラクとイランのシーア派が結びつけば、それこそ最悪のアメリカの悪夢になることは間違いない。

比 新憲法案

 米軍駐留禁止条項を削除

米軍基地復活に道

 在沖軍移駐の障害除去

(琉球新報 3月8日 朝刊)

[概要在沖米軍の比移駐問題で、最大の障害になっている比現憲法の「外国軍基地設置の原則禁止条項」が、比国会で現在審議中の新憲法草案には削除されていることがわかった。アメリカの同時多発テロ以降、比政府は在沖米軍を中核にして米比合同演習を頻繁に行ない、実質的には在沖米軍の比移駐を進めている。

 フィリピンの現憲法では、「条約として上院が批准した場合を除き、外国軍駐留と基地設置は認めない」と定めている。しかし99年に米比政府は「訪問米軍地位協定(VFA)」を結び、01年9月の同時多発テロ以降は、沖縄の米海兵隊を中心に数千人の比移駐を行っている。新憲法で米軍が本格的にフィリピン移駐体制をとることが可能になる。フィリピンの新憲法は今年内にも制定される見通しである。

[コメント]沖縄の米海兵隊はグアムとフィリピンとオーストラリアに移駐する。グアムは市街戦を想定した訓練場が建設され、特殊作戦用の潜水艦や高速輸送艦で緊急展開の部隊が待機し、司令部などの指揮・情報などの中枢機能が整備される。フィリピンはジャングル戦や島嶼潜入の訓練基地となる。オーストラリアは砂漠戦の訓練場や大規模上陸作戦の演習場となる。だからグアムに移転する在沖の8000人の海兵隊というのは、グアムを拠点に動く部隊で、フィリピンやオーストラリアに派遣される部隊を含んでいない。

 北朝鮮問題で片が着けば、残った沖縄のほぼ全ての海兵隊はフィリピンやオーストラリアに移駐して行くと推測している。しかし北朝鮮が存在している限り、韓国の米陸軍がいるので沖縄の海兵隊をカラにすることが出来ないのだ。それだけの理由である。

 しかし米軍は沖縄にベースキャンプだけは残し、いつでも使えるように体制を取りたいと願っている。それがキャンプシュワブ沿岸に建設する1500メートルの滑走路を持つ飛行場兼軍港ということになる。

 だから米軍としては、キャンプシュワブ沿岸の新基地がどうしても欲しいのである。しかし防衛庁は北朝鮮問題が片づけば、沖縄から米海兵隊がいなくなると言明することはできない。北朝鮮の手前、そんなことを言えば大変なことになる。

 これが普天間移転問題の本質である。しかしそれを利権に利用しようと「橋本政権」あたりがごちゃごちゃにかき混ぜてしまった。そこでキャンプシュワブ沿岸案で基本から軌道修正しょうとしたが、今度は地元が勝手な変更は許さないと揉めている。

 これほど混乱の本質が見えているのに、だれも解決できないとは情けない。沖縄知事選まで待つ気だろうか。まあ、すぐに沖縄で戦争が始まるわけでもない。しばらく放置して、頭を冷やすことも大切なことだ。

※この記事は沖縄の方からFAXで届きました。もし皆さんの地方紙で重要な記事が掲載されましたら、このようにFAXで送ってください。東京にいると地方の情報がなかなか入りません。

ウィニー対策

防衛庁、PC緊急購入へ

警察庁は使用禁止

(朝日 3月8日 朝刊)

[概要ファイル交換ソフト「ウィニー」を入れた自衛隊員の私物パソコンから業務データーが流出した問題で、防衛庁は業務上必要があるすべてのパソコンは、緊急処置として官費で購入して支給する方針を決めた。数十億円の購入費用は05年度予算から支出する。防衛庁によると職場で私物のパソコンを使っている隊員は、陸6万人、海2千人、空5千人で、背景に官品支給のパソコンが支給されていなかったり、複数のパソコンを1台で共有して不便を感じているという実情があった。情報漏洩を防ぐには、職場から私物のパソコンを排除する必要があると判断した。

 しかし警察内部の捜査情報などが流出した問題で、警察庁は全国の都道府県警に対して、公務で使用するパソコンの情報セキュリティー対策を徹底するように通達した。具体的には庁舎外に持ち出す場合は、警察情報を暗号化したり、ウィニーの使用や、無許可でのインターネットへの接続を禁止した。警察庁によると全国で4割の警察官が私物のパソコンを業務に使用している。

[コメント]このような情報漏れが起きた場合、その危機管理として最も効果的な方法は情報の入った箱を分離させることである。そしてデータ情報が正しく仕分けされ、分離され箱の中で秘密性が高いものにはカギをかけることである。その秘密が入った箱は外に接続することは出来ないし、持ち出すことも限定され、むろん外から接続できないようにする。それ以外に情報漏洩を防ぐ方法はない。

 逆にもっとも悪い危機管理法は、職員に秘密厳守の意識を徹底させ、情報の漏洩防止をはかるなどの通達を出すことである。そのような意識の問題で情報漏洩は防げないからだ。インフルエンザが流行しているのに、インフルエンザに気をつけろと100回いっても、その予防効果はしれている。情報流出を各自の自己責任に問題を転化させただけなのである。

 防衛庁と警察庁が私物パソコンの情報漏洩に対して、互いがとった異なる処置が非常に興味深い。この場合、警察庁には危機管理能力があるのかと疑いたくなる。警察官の私物パソコンからの情報漏洩はこれからも続くと断言できる。

 前にも書いたことがあるが、危機管理(クライシス・マネージメント)とは元々は「核戦争の被害を軽減する研究」としてハーバード大学で始まった。それがやがてアメリカの多国籍企業などが、国際通貨危機や内乱やクーデターなどのダメージを軽減する方法として応用した。さらに警察や企業でハイジャックなどの人質事件や、食品の毒物混入なども、危機管理法は応用されていったのである。あくまで個人の自己責任で解決できない場合の危機を想定し、その被害を最も軽減させる方法を考えるのである。現実に核爆発が起きているのに、核爆弾に気をつけろと叫んでも仕方がないのだ。

 まあ、警察庁のやり方は軍と警察の意識の違いを示す好例でもある。警察官は市民社会の中で生活し、地域の住民と交流しながら治安や防犯を任務とする。そこで警察官のパソコンすべてを市民社会と分離させることは、警察の孤立を意味することになる。この点を考慮した措置ともいえなくはない。

安倍官房長官

「地元合意なしでも」

在日米軍再編の

  最終報告

(毎日 3月7日 朝刊)

[概要在日米軍再編問題で沖縄などの地元と調整が難航している問題で、6日、安倍官房長官は地元との合意がなくとも、今月末の最終報告をまとめる考えを示した。日米両政府は7日よりハワイで、外務・防衛審議官級協議を開き、今月末を目指して最終報告を目指すという。しかし3月末までに地元の同意は得るのが困難な状況との見方が強まっている。

[コメント]政府が地元の合意を無視すれば、海面埋め立ての許可権限を知事から国に移す特措法に近づいていくことになる。しかし沖縄では計画の見直しを譲る気はないし、アメリカ側もキャンプシュワブ沿岸埋め立て方式を見直す気持ちはない。どんどんと両者の溝(対立)は深まっているようだ。

 これを冷静に軍事的な視点だけで見ると、当初の辺野古沖埋め立て案は軍事基地としては最低で、米軍も投げ出したくなるような基地建設案であった。しかし今のキャンプシュワブ沿岸埋め立て案は、軍事基地としては最高の設計図で、米軍としては飛びついてでも離したくない基地建設案なのである。

 これからの展開は、地元がどの段階で同意するかが焦点となった。すなわち地元が態度を硬化すればするほど、同意の価値が高くなる構造になってしまった。だからこの戦いの主導権は地元が握ったといっても過言ではない。

 政府は海面埋め立て許可権限を、太田知事時代のように特措法で知事から国に奪えば、それで主導権を得て簡単に片がつくと考えていたようだ。しかし各地で基地強化の反対が表明されているのに、そのような状況で沖縄を特措法で切り捨てれば、全国で大変な事態を招くことになる。

 三竦み(さんすくみ)という言葉があるが、まさしく地元、政府、アメリカの三者が、互いに動けない状態になっている。私の経験では、このような時に大きな事件が起きるような気がする。軍用機が住宅街に墜落したり、米兵の凶悪犯罪が起きたり、とにかく偶然だが最悪な事件が起きる嫌な予感がする。これをマーフィーの法則というのだろうか。

 そのような激しい変化を受けて、各地の歴史や文化が創られていくようだ。沖縄の若い世代から、現状を打破できる新しい力が誕生することを期待したい。今の混迷から沖縄の新しい指導者が生まれてくる。  

混迷イラク どこへ

内戦の影

シーア派対スンニ派

  報復合戦 米軍は傍観

(朝日 3月6日 朝刊)

[概要2月22日のシーア派聖地のアスカリ廟爆破事件以後、シーア派とスンニ派の報復合戦が激しくなり、イラクは内戦の兆しを見せ始めてきた。しかし治安活動を行うべき米軍は、一方の荷担になることを警戒して動けず、シーア派が多数のイラク治安部隊も中立性に疑問が出てきた。また治安悪化が進んでジャファリ首相の影響力も急速に低下し、新政権発足のめども立たなくなった。

 以前は米軍の摘発を恐れ、武器を隠していたシーア派で強硬派のサドル師派マフディ軍は、白昼堂々と武器を持ち歩くようになった。スンニ派が排除されシーア派が多数を占めるイラク治安部隊も、紛争の現場に出れば、スンニ派から攻撃を受けて反撃することで、その中立性に疑問が出てきた。米軍は今までスンニ派武装勢力を掃討すれば、イラクの治安部隊に権限を移譲し、イラクから撤退を行う戦略だった。しかし米軍がスンニ派武装勢力を攻撃すれば、シーア派に荷担しているとしてスンニ派から反発や離脱されることに繋がりかねない。米軍は内戦の危機を前にして動けない状態になっている。

 ただし以前は治安の悪化が懸念されていたスンニ派三角地帯では、地元で外国人過激派追放を掲げる部族が現れ、自警団の動きが活発化して治安が回復したところもある。

 ここ数日、スンニ派とシーア派の衝突は減少傾向にあるが、このままでは陸上自衛隊の撤退論議に影響を与えかねない状態である。

[コメント]今月(3月)には小泉首相が陸自の撤退を表明し、サマワ宿営地では撤退の動きが始まり、5月中には撤退を完了する予定だった。同時期に、英軍やオーストラリア軍もイラクから撤退を表明することで話し合いが進んでいた。しかし先月22日のシーア派聖地爆破事件以後、イラクの治安悪化が深刻化してくると、アメリカ側から情勢を注視するように要求された。そこで日英豪の撤退表明が出せなくなっている。

 しかし日本の場合、イラクの治安悪化は撤退延期の理由にならない。日本はあくまで復興支援でイラクに行っている。イラクの治安維持のためではない。むしろ治安悪化は自衛隊を派遣中止する要因になるのである。もしサマワのサドル派が自衛隊を攻撃すれば、日英豪軍のうちで最も早く撤退声明を出すのが日本となる。そうだと日本は、「やられたから逃げ出す」という形になってしまう。これこそ絶対に避けたい最悪の撤退スタイルである。

 すでに陸自は小泉首相の撤退表明に関係なく、サマワからの撤退準備を開始している。例えば、宿営地はイラク治安部隊に引き渡すとか、撤退に備えて特殊作戦群や第一空挺団をサマワに派遣する、などの動きである。日本の撤退計画にイラクのジャファリ新政権の発足など想定していないのである。多少の遅れが出る可能性があるが、サマワから自衛隊が撤退することは間違いない。

 このままイラクの内戦に巻き込まれても地獄、サドル軍から攻撃を受けて逃げ出しても地獄である。それともイラクの混乱が収束して、自衛隊がサマワの人々に拍手で送られる日まで待つ気なのか。確かなことは、今のイラク情勢の悪化は、アルカイダ系のザルカウィ容疑者が誘導する内戦に向って動いていることだ。ここで日本の国会で論議した「イラクが戦争状態か、戦争状態ではないか」の虚しさを考えるべきである。イラク情勢の正確な分析こそが、自衛隊のイラク撤退を表明することに繋がって欲しい。5月になればイラクは酷暑の季節になる。

ブッシュ大統領

  「米印関係、最も緊密に」

米、インドへ戦闘機売却へ

(産経 3月4日 朝刊)

[概要米国防総省は2日に声明を発表し、ブッシュ大統領とシン首相が戦略的パートナーシップを拡大したことで、インドにF−16戦闘機やF−18戦闘機の売却を検討する方針を明らかにした。インドはミグ戦闘機など旧ソ連やロシア製の兵器が主力だが、米国はインドへの兵器市場を拡大することで中国を牽制する狙いがある。米国は戦闘機以外にも、ヘリコプター、哨戒機、艦船などの売却も検討するという。米印両国はすでに共同でマラッカ海峡のパトロールを実施しており、両国はイスラム原理主義の拡大を防ぐパートナーに緊密化する方針が見受けられる。

 ブッシュ大統領は3日にニューデリーでインド訪問を締めくくる演説を行い、「インドは世界各国の民主主義を支援する歴史的な義務がある」と述べ、約11億人の人口を擁する世界最大の民主国家としての貢献を求めた。また米印関係も「これまで最も緊密だ」「軍事協力も過去にないほど強化された」と、今後もインドとの関係強化をすることを表明した。

[コメント]数年前なら、インドに米国製のF−16やF−18戦闘機が売却されるとは信じられない出来事である。ロシアは中国には性能を落とした戦闘機や艦船を売却するが、インドには最新鋭の兵器を輸出するといわれてきた。しかし今ではロシアは中国の巨大兵器市場に期待し、インドは中国の次という関係になるつつあった。それを一気にアメリカがインドの兵器市場をロシアから奪い取った形になる。ブッシュ外交の功績として、支持率拡大に利用したいところだ。

 アメリカはパキスタンにはF−16戦闘機を売却しているので、インドにはさらに高性能のF−18戦闘機を売却する可能性が高い。隣国同士が同じ性能の兵器を持つと、ケンカする可能性が高くなるからである。これは韓国にF−15K戦闘機という第4世代の戦闘機を売却し、日本には第5世代のF−22ラプターを売却(FX)するという話しに似ている。隣国同士で売却する兵器に段差を着けるのである。だから韓国にF−15Kの導入が決まった時に、日本へのF−22ラプターの売却が決まったと考える必要がある。新兵器導入の政治力学である。

 もしこの米印の兵器商談が決まれば、アメリカは南アジアでの影響力を確実なものにすることになる。アメリカとしてパキスタンのムジャラフ大統領では不安感を払拭できないのだろう。また米印接近でパキスタンは東のインド軍、南のインド洋の米海軍、西のアフガンの米軍と取り囲まれることになる。その南の一翼を占めている一部は日本の海自・艦船である。日本はこのようにアメリカのアジア戦略にドンドンと組み込まれていく。

米・インド首脳会談

核保有に「お墨付き」

説得力欠く二重基準

インド、「大国」へ一歩

(毎日 3月3日 朝刊)

[概要ブッシュ米大統領とシン・インド首相が首脳会談で合意した民生用核協力協定は、事実上、アメリカがインドの核兵器保有を認知することになった。米政府はインドが民生用核施設を国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れたことは、核拡散防止の強化になると考える。しかし兵器用プルトニューム生産に適した高速増殖炉2基は査察対象からはずされた。これら非民生用施設の核施設は35パーセントになるという。

 インドはこれまで核拡散防止条約に加入せず、74年と98年に核実験を行った。そのため各国の制裁が措置を受け、世界的に孤立してきた。しかし今回の合意で制裁措置は事実上解除され、各国から原発開発技術支援や核燃料輸入に道が開ける。インドは核保有の「大国」として認知を受けることになる。今回の合意の背後には、インドが中国への警戒感を利用して、欧米や日本などに関係強化を図る強気の戦略が成功したといえる。

[コメント]ブッシュ大統領がインドの核兵器保有を認めながら、イランや北朝鮮の核武装化には強い態度で反対を表明する。そのようなアメリカの二重基準が通用するのかと言えば、インドがアメリカに到達する弾道ミサイルを保有していないので認知するのである。核兵器は運搬手段とその能力で価値(戦略)がまったく変わってくる。日本は核兵器の運搬手段(宇宙ロケット)としては能力を持っている。しかし核兵器は持っていない。だからアメリカや周辺諸国は、日本の宇宙開発に文句は言えない。

 また貧国ロシアがなぜ大国として扱われるかといえば、アメリカを攻撃できる核戦力を保有しているからである。

 ならばインドが宇宙開発に積極的に取り組み、地球規模で核戦力を行使できることをアメリカが許すかといえば、それは絶対にありえない。ブッシュ大統領がアメリカの議会を説得するのはこの倫理である。要するに、核兵器ほど国家のエゴが出やすい兵器はないのである。

 そのあたりの核兵器の力学が理解できないと、北朝鮮はすでに核兵器を保有しているという無責任な発言を生んでしまう。仮に、北朝鮮は技術的に核兵器を開発できても、核兵器の保有はしていないというのが正しい答えである。北朝鮮がノドンという弾道ミサイルを保有している以上は、核攻撃が可能になる中国が決して北朝鮮の核武装を許さないからだ。むろん日本も北朝鮮の核武装を許せる訳がなく、アメリカも日本の核武装が恐くて北朝鮮の核武装を許さない。

 そのように論理的に核戦略は考えられ、各国はそれに対応をしているのだ。たんに個人の感情論で、「北朝鮮は核兵器を持っていると思うよ」では通用しないのである。

世界の論調

スーダンへ

  NATO軍派遣を

英エコノミスト誌

(読売 3月2日 朝刊)

[概要スーダン西部のダルフーク地方の住民600万人の多くが、過去3年間に自国政府から武器を供与された民兵に陵辱され、虐殺されて30万人以上が死亡し、200万人以上がキャンプに収容されている。米国は1年以上前にこれを「ジェノサイド(集団虐殺)」と表現した。難民の一部は隣国チャドに逃げ込み、チャド政府の支援を受けてスーダン政府軍と戦っている。そのためスーダンとチャドの戦争の危機が懸念されている。

 ダルフール地方はアラブとアフリカの合流点にあり、アラブ系住民が奴隷を求めて黒人を襲い、水や牧草地を巡って紛争が起きている。スーダン政府は国家分断(神浦・・・・ダルフール独立)を恐れて、爆撃や機銃掃射で村々を襲い、政府に雇われた民兵が襲撃している。

 この集団虐殺に、欧州連合(EU)の資金援助で、アフリカ連合(AU)の平和維持部隊7000人が派遣されているが、兵力不足で悲惨な事態を防止できないでいる。中国はスーダン政府から石油を買い、ロシアはスーダンに武器を売っている。今までは中ロ共にスーダン問題に消極的であったが、国連安保理でスーダンにNATO軍の派遣計画が出れば承認するだろう。すみやかにNATO軍をスーダンに部隊を派遣すべきである。

[コメント]このダルフール地方に派遣された国連職員(インド人女性)が停戦のために奔走しているドキュメント番組(衛星放送)を見た。実際に目の前で戦闘が起き、襲撃が繰り返されているのに、停戦だけを監視するAU軍に無力さを感じながら、必死で虐殺を防ごうとしている姿に感動した。しかしそのドキュメント番組は国連職員の活躍ぶりを紹介するものではなかった。世界各地の紛争の現場で若い国連職員が必死で働いているのに、ニューヨークの国連本部では特権を与えられた幹部職員が無責任な日常業務を行っていると告発する内容だった。

 しかしダルフール地方の異常さはよくわかった。反政府ゲリラがいると思えば、スーダン政府軍の爆撃機や武装ヘリが空から襲ってくる。さらに4輪駆動車に機関銃を搭載した民兵が現れて、村で生き残った者を虐殺していく。その戦争の構図はアラブ人と黒人の戦争であり、イスラム教徒とキリスト教徒の戦争である。

 私は緊急にNATO軍をスーダンに派兵すべきと思う。そしてアジアでそのような事態が起これば、日本は兵力引き離しや停戦監視に自衛隊を派遣すべきと思う。しかしスーダンを含むアフリカに自衛隊を派遣する必要はない。アフリカはNATO軍たちの活動エリアとして、アジア向けには日本の自衛隊を中心に国際平和緊急展開部隊を作るべきと思う。アジアの大災害や地域紛争に緊急投入できる国際平和維持部隊である。

 スーダンをめぐる今後のNATO軍の動きが、アジア版国際緊急派遣部隊のモデルケースになる。自衛隊関係者は注視して推移を見守って欲しい。

※ スポーツクラブで汗を流してきました。しかし昼食前の空腹時でしたから、軽めの運動メニューにしておきました。その後、近くのファミレスでランチを食べ、食後にゆっくりコーヒーです。実にいい気分です。以前なら、今回のような場合は、典型的な「朝からお酒+お昼寝」コースでした。そして夕方は罪悪感でいっぱいになりました。だから今回の展開は正解でした。それにしても、平日の午前中でもスポーツクラブには多くの人が運動に来ていました。その半分くらいは定年後の方ですが、夜勤明けの警察官や消防官の人もいました。また家事の合間の主婦という方もいるそうです。お風呂にも入れて月1万円の会費は安いと思います。特に飲み助の人には絶対にお勧めです。

 

 今日は更新を午後に

します。

(3月2日)

  今朝はラジオの生放送などで午前4時に起きて資料の準備をしました。かなり緊張して仕事をしたので疲れています。今、午前9時40分です。気分転換にこれからスポーツクラブに行き、10時から2時間ほど運動で汗を流して、そのあとクラブのサウナに入ってきます。

 ですから更新は、気持ちをリフレッシュした午後に行うつもりです。クラブで運動中は携帯電話を脇に置いていますから、緊急の際の連絡はとれます。勝手なことを言ってすいません。

 野田氏辞任 前原代表

は続投

 メールは偽物と断定

 永田氏謝罪

 民主党謝罪

   (各紙 3月1日)

[概要民主党は国会で取り上げた、ライブドアの堀江容疑者から自民党幹事長の武部氏の次男にあてたメールが、偽物だったと断定し、謝罪した。この問題で野田国対委員長が責任をとって辞任した。国会で取り上げた永田氏は辞任せず、6ヶ月の党員資格停止処分とし、前原代表も辞任しないで代表を継続する方針を示した。鳩山幹事長はメール問題の処理を終えた段階で辞任する考えを示した。この問題で前原民主党は大きな打撃を受けた。

[コメント]軍事問題ではないので、このホームページでは扱わないつもりだったが、民主党幹部の情報(メール)を扱う対応があまりにも幼稚なので書くことにする。

 世の中には正確な情報は少ない。アメリカのCIAの仕事には、ニセの情報を加工し偽装して流すのが仕事の者もいる。その中には味方を鼓舞させるためのものもあるが、ほとんどは相手(敵)を混乱させたり、別の目標に誘導するためである。今回の事件で、あんな幼稚なニセ情報に騙されるようでは、国政を行う上で失格者である。そればかりかメール情報が怪しいとわかってからでも、民主党幹部達のいい加減な対応で我々を失望させた。

 前にも書いたが、私は前原氏が安全保障に詳しいという話しを疑っていた。中国を軍事脅威と言う前にも、軍事知識を疑うような発言が度々聞かれたからだ。松下政経塾内で軍事をまったく考えたことのない者の中では目立っても、そんな理屈が通用する世界情勢ではない。私は小泉首相が登場したときに期待したが裏切られた。同じように前原代表にも期待を裏切られた気持ちを感じている。

 もはや民主党はシンクタンクを持つのではなく、党独自の情報機関を設立して、情報の精査を正確に行うべきと思う。国政を行うものが、情報に甘いし、幼稚で、扱い方をしらなすぎる。しかし本当に日本の政治はこの程度のものなのだろうか。

 



※これ以前のデータはJ−rcomFilesにあります。