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「Re:メールにお返事
」を保管しています

 人質バッシングは意図的に行われた世論操作ではなかったか。(4月30日)

届いたメール

 神浦さん 福岡の00です。 米海兵隊がファルージャ撤退に合意したようですが、 以下のスレッドに転載してある記事を見ると、未だ予断は許されない状況のようです。

  撤退するにしても、こうも虐殺や略奪を繰り返したあとでは、虚しいばかりです。

●US、撤退をいいながらFalluja攻撃【Aljazeera】 http://www.asyura2.com/0403/war54/msg/221.html 以下は、ファルージャへの緊急支援のお願いです。 =JVCイラク緊急対応・ファルージャ緊急支援のおねがい= http://www1.jca.apc.org/jvc/jp/notice/notice20040415_foriraq.html

 イラク日本人人質事件の被害者、郡山さんと今井君が今日夕方から会見をするようです ね(本日17:30〜;霞ヶ関の弁護士会館)。 会見に対する詳しいことは今ここではわかりませんが、吊し上げにならないように無事 に終わる事を祈ってます(不穏な情報もあります)。

  会社にいるからTVで放映されても見ることが出来ないのはツライですが、密かに応援 しています。 [JANJAN記事]フェアな記者会見を望む http://www.janjan.jp/media/0404/0404273665/1.php 今回の人質事件は図らずも日本という国の危うい面を露呈してしまいました。今後も注 意して経過を見ていかなければならないと思います。

  日本政府が情報操作でネットの掲示板を利用したのではないかという噂ですが、多分ネ ットで勝手に人質バッシングが起きて、また、世論が政府の自業自得自己責任説に傾い たので、ここぞとばかりおおっぴらに被害者迫害をやったのだと思います。 頭のいいやり方とは思えませんが。首相は他の官僚に人質バッシングをさせておいて、 ご自身は表面だけでもかばうくらいの度量を見せた方が対外的にも印象が良かったで しょうに。

  まあ、自分に正直といえば正直なんでしょう。でも、これでネットは利用できるという 確信くらいは持ったでしょう。 よく外国の人から日本がアメリカに盲従するのは、原爆の洗礼を受けたからではないか という質問をされるようですが、それで連想するのがイラク戦の作戦名にあった「衝撃 と畏怖」(でしたよね)というものです。米軍がそれを連想してつけた作戦名ではない かと勘ぐってしまいます。

 派手に脅したら頑固なイラク人もビビって言うことを聞くよ うになるだろうと。 朝鮮戦争時にも核を使おうという意見があったそうですが、イラクでの抵抗があまりに も根強い場合に業を煮やして小型核を使ってしまうという可能性はないでしょうか (ファルージャでもそれが心配でした)。 いえ、そこまで米国も愚かじゃないですよね。

  そういえば、北朝鮮の大事故の続報はどうなってるのでしょう。情報が少なすぎるので しょうか。

 1日から4日まで更新お休みですか。ちょっと寂しいです。 でも、たまのお休みですから、クルージングを存分にお楽しみ下さい。 大島や伊豆半島ですか〜。いいですね。うらやましいかぎりです。 私は家で部屋の掃除や庭の草取りですワ(笑)。 それでは、リフレッシュ後の更新を楽しみにしています。

 
 日本人経営者 (稲盛氏)の同じ意見がUSトゥデーに載っています。(4月30日)

届いたメール

 以前お便りした00です。もう、歯のお具合は大丈夫でしょうか?  神浦さんが前々からおっしゃっている内容と同じ事を、日本の経営者が米最大の日刊紙 USAトゥデーに http://bizns.nikkeibp.co.jp/cgi-bin/search/wcs-bun.cgi?ID=244367&FORM=biztec hnews語っています。宗教/カルト的信条にのめりこんでしまう状況をもたらしている ものは何か、これを考えねば解決しようのない問題は数多くありますが・・・

 これからも、本質を踏まえた鋭い分析をよろしくお願い致します。

所長コメント

 イスラム社会は国家の富の分配を間違っています。多くのイスラム国でもの凄いお金持ちと、もの凄い貧困が混在しています。そのお金持ち部分が米国に傾斜し、貧困部分が反米的な原理主義に傾斜しています。さらにお金持ちで欧米などの先進国に留学した者が、欧米のポルノや売春や麻薬など精神的な荒廃をを見て、イスラム原理主義に傾斜する傾向があると思います。

 まさにこれからは国際的に富の分配をどのように行うかが最重要課題と思います。さらに中国国内の地域格差の問題、また南北朝鮮の格差の問題など、東アジアを見ても2重3重で大きな地域格差が広がっています。

 このような格差を縮めるのは、高速大量交通や大容量通信を発展させ、大規模な物流を促して調整するしかないと思います。(むろん教育やインフラ整備なども含まれます)。それができない国や地域では、ますます紛争や戦争が拡大するのではないでしょうか。アメリカや日本で大規模な内戦が起きないのはそのためと思っています。

 これから環日本海経済構想や環東シナ海経済構想など、東アジアで国境を越えた大規模な経済開発が予測されています。これらは経済発展と同時に、地域紛争を抑制するためにも効果的と考えています。(ですから北朝鮮のような閉鎖的な国(地域)は邪魔です。中国もそのように切り替えるでしょう)。

 「揚げ足取り」ではありません。(4月28日)

届いたメール

 What’s New 4月27日付け毎日新聞朝刊記事のコメント欄にあります大型爆弾は「レージー」(怠け者)カッターで正しいのですか? 「デイジー」(ひな菊)カッターと記されることが多いと思うのですが…。あと、Column of This Month のところ、正しい綴りはEnglish Page です。さらにいうと神浦さんのお名前も、Mr,ではなくMr.のほうがより正確な英語です。(Mrのあとはカンマではなくピリオド)

 偉そうに書いてごめんなさい。多くの人が書いているように神浦さんのいつも「ぶれない」姿勢に感心し、陰ながら応援しています。

所長コメント

 いつのまにか、「レージー」と頭の中で固定されていました。確かに、この爆弾をベトナムのジャングルで使用すると、ディジー(ひな菊)を刈ったように樹木が倒れているのでついた名前です。もしかしたら私の誤解で、多くの人がレージーと誤って覚えているかも知れません。

 さっそく訂正しました。また何かドジをやったら教えてください。おりがとうございました。

 軍隊は人道的な活動を禁止されているのでは?(4月27日)

届いたメール

 こんにちは。 毎日読ませていただいています。

 イラクに派遣された自衛隊のことですが、最近確か新聞で、人道的活動のために軍隊を送ることはジュネーブ協定(?)で禁止されている。赤十字などの本来の人道的活動と混同されて、活動が危険で困難になるのを避けるためだ、という記事を読みました。

 その記事をとっておくべきでしたが何のどういう記事だったか忘れてしまいました。 そのような協定ないし国際法があるのはほんとうでしょうか? あるとすればそもそも復興支援のために自衛隊を派遣するという日本政府の考え方自体がそれに違反しているということになりませんか?

所長コメント

 私はその記事を知りませんでした。しかし類似のことが書かれている可能性はあります。やはり問題はその条文です。人道活動を行う振りをして軍事攻撃を行うことの禁止であれば、自衛隊がサマワで行っていることは禁止されていないでしょう。でも日本政府は解釈の問題として正面からの対決することを避けると思いますが、どんな条文を知りたいですね。もしこの記事を覚えている人がいたらメールをください。赤十字のマークを付けた病院船で、兵器や兵員を輸送してはいけないというジュネーブ条約のことなのでしょうか。???

 広島型原爆はおよそ15〜18`トン程度の爆発力です。(4月26日)

届いたメール

 こんにちは、神浦さん。早速ですが、WEBの26日付記事で「広島型原爆が180`ト ンだからまさに小型核兵器並みの爆発力である。」とありますが、広島の原爆は確か1 5〜16キロトン程度ではなかったかと思います。180キロトンですと熱核兵器の規模になってしまいます。また、硝酸アンモニウムは確かにオクラホマシティーのテロ事件で有名になったANFO爆弾の材料ですが、電気火花程度では爆発させるのは難しいはずです(化学や爆薬が専門の方に確認必要ですが)。

 硝酸アンモニウム(ammonium nitrate) と爆発事故で検索すると、例えば戦後すぐのテキサス港での大事故などがヒットすると思いますが、このテキサスの事故で爆発した貨物船Grandcampが積載していた硝酸アン モニウムの量は2300トンです。この事故そのものの被害は甚大(死者約600人)でしたが 、とても広島の被害に及ぶべくもありません。北朝鮮の事例について言えば、いくら長 大な貨車でも、それこそ核爆弾でもないかぎり28キロトンもの爆発力を持つものを積 載できるとは思えません。いずれにせよ実際に何が起きたのかはまだ不明ですが28キ ロトン云々は眉唾だと思います。

(神浦・・・ANFO(アンホウ)爆薬とは硝安爆薬と燃料油との混合比94対6で混合した爆薬。流動性があり、安全性がよい。また硝安爆薬とは硝酸アンモニウムに木粉、でん粉、ジニトロナフタリンを混合したもの。吸湿性が大きく、爆速は小さいが、生成ガスや発熱量が大きいので土壌爆破に適している)

所長コメント

 間違えました。昨日、新聞社の問い合わせには18`トンと答えていたのに、ホームページを書き込む時に200`トンと間違えました。さっそく訂正して置きました。時々、このような大ミスをやります。まさに赤面の恥ずかしさです。それに北朝鮮の貨物列車の爆発力が28`トンというのも確かに変ですね。

 爆心地付近の子どもたちが目を負傷していますが、直接の原因は土砂や建物のガレキが爆風で飛ばされ、眼球に突き刺さったと思われます。しかしそれ以上に、爆風の圧力で眼球が飛び出した可能性があります。それに鼓膜が破れて、聴力を失った子も多いのではないでしょうか。かつて日本でも空襲の時は、両手の親指で耳を塞ぎ、他の指で眼球を押さえるように指導していました。それから軽く口を開きます。強い爆風で鼓膜が破れるのと、肺が潰れることと、眼球が飛び出すのを防ぐためです。

 それにしても北朝鮮の医療施設は予想以上に悪化していますね。このままではさらに死者の数が増えるのではないでしょうか。日本も大型フェリーをチャーターして、医療機器や薬剤を送るといいと思います。手術のできる大型救急車など、阪神大地震で経験したことを活用するチャンスと思います。どうしてそんなことが緊急にできないのか、不思議なような気がします。

 北朝鮮の列車爆発事故で、どのような影響が生まれてくるか(4月26日)

届いたメール

 ここしばらくは神浦さんもイラク人質事件に振り回されて大変でしたね。どうも 日本人には、一部分の非だけを取り上げて全体を否定するという傾向があるようです。私も今回の事件については、神浦さんの立場に決して賛同する者ではあり ませんが、だからといって、神浦さんの正確な軍事知識に裏付けられた鋭い情勢分析を否定することはできないと思います。これからも大いに頑張っていただき たいと思います。

 さて、今回の北朝鮮の列車爆発事故についてですが、いくつか分からないことがあります。
 まず、今回の爆発事故が金正日の暗殺をねらったものであるかどうかです。アメリカや韓国政府は否定していますが、中国では暗殺の噂が流れているようです。火のないところには煙は立たないとも言います。真相はどうなのでしょうか。

  次に、あの爆発がどうして起こったかです。新聞報道では、硝酸アンモニウムを積んだ列車と石油を積んだ列車が衝突して、それに電線の火花がショートして爆発が起こったとなっています。しかし、本当にそれであんな大きな爆発が起きるのでしょうか。軍事の専門家である神浦さんにぜひ教えていただきたい。それに 石油や硝酸アンモニウムは中国から輸入(援助?)されたものでしょうが、石油はともかく、硝酸アンモニウムは何に使うものだったのでしょう。肥料の原料だそうですが、火薬の原料にもなるとのこと。軍事最優先の国ですからやはり爆弾の原料だったのでしょうね。

 最後に、今回の事故が北朝鮮に与える影響です。経済的、社会的、政治的にどんな影響があるのかです。(案外、こうした事故で北朝鮮は崩壊するのかもしれませんね。)

  しかし、多数の死傷者が出ているにもかかわらず、北朝鮮は、外国に援助は要求するが、すぐ近くの中国の病院にけが人を搬送していないとのこと。あいかわら ず情報を遮断し、事故をだしにして援助物資をできるだけもらおうとする北朝鮮政権の思惑が透けて見えるようです。この事故で国民がいくら死のうがどうでも いいのでしょう。

所長コメント

 北朝鮮では金正日が列車で移動する場合は、あらかじめ駅や沿線沿いに保衛部が配置され、駅職員も駅から退去さされて、保衛部員が金正日の乗る特別列車の運行を行います。また特別列車はディーゼル機関のため、線路の電源を落として運行するそうです。単線のために列車衝突事故を防ぐためだそうです。そのような極端な保安処置が通常の列車の運行を狂わせた可能性があります。しかし爆発の原因は当初に報じられた列車衝突(LPG貨物列車とガソリンを積んだ貨物列車の衝突)ではなく、硝酸アンモニウムを積んだ貨車に垂れた電線が接触して爆発したと報じられています。また爆発は硝酸アンモニウムではなく、工業用のダイナマイトという説もあります。このあたりはもう少し情報を待たなければ正確には把握できないでしょう。しかし中国の救助隊の中に、爆発物の専門家が入っていると思います。爆発点付近の土などを採取して、より正確な爆発原因を特定するでしょう。私は硝酸アンモニウムが電線で爆発したという説に疑問を感じています。

 それによっては暗殺説も再び出てくる可能性があります。当初、事故説は韓国から早い段階でテロ説を打ち消すために出されました。ちょっと今回の韓国政府の事件の報じ方に違和感を持っています。北朝鮮の保衛部あたりでは、この貨車が誰によって現場に置かれたのか、そのあたりの調査を行って暗殺説の検証を行っているでしょう。もし軍の高官が関与していれば、このような仕掛けを行うことは可能でしょう。

 私は簡単に事故説を信じることはできないと思っています。おそらく金正日自身も事故説など全く信じていないと思います。北朝鮮の国民も金正日が通過した後の大爆発と知って、心理的な影響を強く受けていると思います。今の段階で言えることは、もし金正日の暗殺を企てるなら、最も可能性が高いのは列車で地方を移動するときで、爆薬を特別列車近くで爆発させることです。今回はそのことには成功したが、爆発の時間が狂っただけの事なのかもしれません。

 自衛隊の撤退時期はどのように決めるのか。

 追伸 ファルージャの情報です。(4月25日)

届いたメール

 何時も貴重な解説ありがとうございます。大変勉強になります 。

イラク情勢が緊迫しているおり、今回は下記の点についてご質 問をさせていただきますので、宜しくお願い致します。

@自衛官はコンテナ内に避難しているとのことですが、迫撃弾が直撃した時、コンテナは有効な防御壁になるのでしょうか?

A万一、イラクからオランダ軍が撤退したとき、自衛隊のみで 残存できる能力があるのでしょうか?

Bワシントンポストによりますと、バクダットへの物資の補給を妨害するため、ティグリス・ユーフラテス川に架かっている 橋を爆破する戦術が抵抗勢力により計画されているとのことで すが、橋を爆破されたとき自衛隊への物資の補給はどうするの でしょうか?

C上記に関連して、自衛隊が宿営地に孤立化する恐れはないの でしょうか?

D抵抗勢力は徐々に組織化されつつあります。組織化された抵抗勢力に包囲された場合、オランダ軍や米軍が救出に来るので しょうか?

E治安が極度に不安定化し中で撤退する場合、大部隊をどのよ うに撤退させるのですか?撤退中に抵抗勢力から襲撃される 恐れはないのでしょうか? ある場合どのように対処するので しょうか?

  報道では、現地の情勢は日々緊迫しているようなので、自衛官 の身を心配しております。上記のような可能性が少しでもある なら、政府は撤退の時期を間違えて欲しくないものです。

追伸

  ファルージャの様子がBBCで報道されています。 http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/3653223.stm どちらも言い分が正しいか、今後検証が必要でしょう。 (スナイパーによる悲劇は、複数伝えられているので真実かも しれません。)

所長コメント

 当然ながらサマワの自衛隊宿営地に運び込んだコンテナのいくつかは、攻撃(砲撃)を受けた時のシェルター(待避壕)として考えています。そのため内部に鉄板を張り、補強しているものもあると思います。直撃弾を受けた場合に備えて、コンテナの上部に砂を詰めた土嚢などを数段に敷き詰めます。これでかなりの防弾能力が高まります。砲撃は短時間で終わるので、それほど居住性を考える必要はないと思います。必要な補給については、緊急の場合は米軍のCH−47大型輸送ヘリで行います。孤立した場合は、数日間宿営地で耐えれば、他国の救援部隊が駆けつけてきます。

 もしもサマワの情勢が悪化して撤退する場合は、一気に移動して朝起きれば宿営地に誰もいなかったというほど迅速に行います。段階的に縮小というのは平和時のやり方です。戦時であれば、密かに最低限度の荷物を積んで、闇の隠れて一気に撤退します。当然、宿営地は放棄します。残った物が略奪されると思いますが、そんなことを考えていては戦時下で安全な撤退はできません。

 スペイン式に撤退を表明して、1ヶ月半程度の時間をかけて撤退するのは、現地の情勢がまだ比較的に安定しているためです。ですからどの段階で撤退を決意するかです。撤退することより、撤退の時期を決めることが難しいのです。

 このホームページの説明が不足していた。(4月23日)

届いたメール

 久しぶりにメールします、豪州の未公認通信員です。 日本にいないので実感は出来ませんが、人質被害者への総攻撃は非常に病的ですね。 魔女狩り、赤狩り、村八分等昔から色々ありますが、日本とは本当に国家なのかと疑うばかりです。

 まるで学校のイジメそのもの、誰も助けようとしない。 集団ヒステリーの中で袋叩きにあい、「この非国民めが!」と 罵倒されてます。家族も含めて。 まったくこの国は成長していません。 日本を離れて本当によかったと思います。抜け出せない方、御免なさい。 神浦さんも本当に大変だと思いますが頑張って下さい。 賛同者の方も勇気をもって支持して下さい。

届いたメール

 乱筆ながら掲載していただき、ありがとうございました。(神浦・・・・この方は昨日・下段のメール(2)の方です)

 確かに、あまりに根拠のないものや脅迫などのメールが存在するということは、一 部の者の事とはいえ、日本全体の品位を下げているというのは事実だと思います。 また、誘拐被害者に「航空券等の費用を賠償せよ」と要求(これを支持している人 が、僕の周りにも結構多いです)というのは全く必要ないことは、正しい意見だと思 います。彼らに“責任”があるのは明確(報道関係者はやるべきことをやっていた。責任は無い、と僕も考えています)ですが、邦人の安全を確保するのが政府の一番の 存在意義であることも、これまた明確だからです。

 しかし、昨日に挙げた(感情的)以外にも、「触れるべきではない」とする根拠に出 来るものはあります。  その一番大きな物が、事件を政治的に利用しようとしている団体があるということです。軍事に政治はつきものですが、あまりに深追いするのは、「国を守る」という 本質を忘れさせるのではないでしょうか。  また、最近だったと思うのですが、この“Re;メールにお返事”で「日本が右傾化 してきている」という意見が掲載されていました。  何について「右傾化」という意見を持っておられたのかは覚えていませんが、ほとんどにおいてこれらは「正常化」だったと思います。

 有事法制や国民保護法制、憲法改正などが論議できなかった暗黒の時代から考える と、現在は“アメリカの51番目の州”ですが、独立国家に戻ることができるかもしれません。それは政治家とそれを選択する有権者の技量だと思いますが。(ちなみ に、まだ有権者ではありませんがw)

届いたメール

 こんにちは。  いつもHPを拝見しておりますが、最近説明不足を感じることが多々あります。 それが皆さんからは「ぶれている」と感じるのではないでしょうか。

 ある分析はこの立場から、別の分析はこの立場からというようなことを、しば らくしてから書かれることが最近特に増えているような気がします。神浦さんの HPを見に来る人の多くは軍事評論家としての神浦さんの分析にもっとも期待しているのに、今度の人質事件の場合は4月17日になって、 > もし私が今までの態度と違っていたら、それは人質を安全に解放させという一 点で物事を考えたからです とおっしゃっていました。こういうことはなるべく早く、わかるように書いたほ うがいいと思います。

 それと、What's Newに提言を書かれることもあるようですが、もし今後もそう いう発言をしていきたいとお考えならば、別のコーナーを作って独立させたほう がいいと思います。見る人によっては、分析を期待しているのに提言が出てきた らそれだけでびっくりしてしまいます。  最近の世の中はかなり激しく動いて大変だとは思いますが、神浦さんご自身も どんな立場で何を発信したいのか、という観点からHPを整理すると、読み手が 無用な誤解をすることを減らせると思うのですが、如何でしょうか。

所長コメント

 言い訳になるかも知れませんが、大きな事件が起こると私の生活はガラリと大変化します。電話が鳴り出し、すぐにコメントを求められます。その中にはラジオの生放送のように、待ったなしで解説をしてくれというものもあります。数社の新聞社からの電話取材に答えたことも、翌日には新聞に掲載されて報じられます。本当に緊張します。そして翌朝からTVの出演などで、猛烈な忙しさに襲われます。その間に、現地から伝わる情報をできるだけ多く知る必要があります。

 我が家には5台(3台が地上波で、2台が衛星波)のテレビがあり、4紙(5紙だとパニックになりました)の新聞をとっています。それらをフル稼働して最新情報(報道)をチェックします。そんなときにホームページの更新を怠っていることに気がつきますが、なかなかパソコンの前に座ることができません。ついついこれは今日テレビで話したからいいやと、ホームページの更新を怠る自分を甘やかすこともあります。

 でも論調や報道の流れが危ない方向に流れ出すと、すぐにパソコンに向かって解説やメッセージを書き込みます。3人の人質事件がまさにそうでした。私は最初の3日間のうちに、人質を殺させないように何をすべきか重視しました。そのとき家族の方が政府にどのように対応したか、そんなことは私の関心事ではありませんでした。むしろ人質の安全解放を最優先に考えれば、放っておくべき事柄なのです。(これが人質解放交渉術なのです)。

 マスコミも政府の判断が正しいとか、正しくなかったかは論じるべきことではなかったのです。まだ人質3人の安否が確認されていなかったからです。イタリアでは4人の誘拐事件後、首相が早々と「テロリストに屈しない」と発言して、一人の人質が射殺されています。そこで外相が、「犯人と話し合う」と軌道修正しています。人質に取られた場合、まず人質の安全ために犯人を刺激してはいけません。これは人質交渉術の鉄則です。

 日本政府もそのあたりの知識は十分にあると思います。マスコミもそのあたりの事情を理解して、人質家族の行動で扇動的な報じ方は慎むべきだと思います。まさに「冷静に、冷静に」です。まだ3人の安否がわからないのに、テレビで首相の決意表明は正しかったと解説する人を見て、まだ日本では本物の危機管理が育っていないと感じました。本物の危機管理論は感情や主観ではなく、冷静な社会分析によって生み出される論理です。もともとの危機管理論は全面核戦争の被害軽減から生まれたことを忘れないでください。これは軍事理論が発展したものなのです。

 レベルの低いメールについて考える。(4月22日)

届いたメール(1)

 イラク人質の五人全員態度不審ですよ、拘束事件あったという客観的証拠は皆無です、ビデオはヤラセですし。ヨルダンからの出国記録はないし、高遠さん解放直後は元気だったのに、帰国と同時に歩けなくなってるようですし。かなり胡散臭いですね。貴方もマスコミ相手の仕事なら、少し引いといた方が無事ですよ。大焼けどしかねませんよ。

届いたメール(2)

 邦人の誘拐事件で今回、あまりにも低レベルな論議がこのHPでも展開されまし た。あまりにも感情的、不必要なまでの同情など必要ないことは明らかだからです。 神浦さん自身の意見さえ、筋が通っていませんでした。  これ以上、このHPのレベルを下げないためにも、この話題に触れるのはやめるべ きだと思います。神浦さん自身、そう書かれていたのですから。

所長コメント

 レベルが低いというのは(1)のようなメールです。(2)については低いとは思いません。しかし「メールにお返事」では無理でも、この話題を意図的に避けるわけにもいかないのです。

 私の体験で言うと、自衛隊がカンボジアPKOにいく前に、何度かカンボジアのポル・ポト派支配地区に入りました。タイ国境にあるアランヤプラペートという街に、ポル・ポト派の人に迎えにきてもらいます。そこからタイ国境を越えてカンボジアに入ります。しかしタイに出国申請は行いません。もちろんカンボジアに入国申請もありません。カンボジア国家の機能が国境に及んでいないからです。時にはタイ国軍の情報部の人も同行しました。またイスラエルからレバノン南部に入ったときも、イスラエルの出国手続きはしませんでした。イスラエル軍情報部も何も言いませんでした。出国記録とか、入国記録というのは、平和な日本などの話で、日本の尺度でイラクの行動を計ると、イラクの現実が見えてこないと思います。

 今回の事件は、私が感情的になったのではなく、日本が感情的になりすぎたのだと思います。大やけどをするとか、仕事ができなくなるとか、政府の費用を弁償しろとか、私に脅迫的なメールが何通かきました。こんなことは初めてです。今までに北朝鮮の体制を批判した時にも、そのように脅迫的なメールは皆無でした。ですから今回の異常さがわかると思います。ある政府寄りの有名評論家に昨年末、「君はどこのプロダクションだ。仕事が来なくなるぞ」と脅かされたこともあります。自分にとって都合の悪い意見を脅迫する。情けないですね。まあ、私は弱くないですよ。このような仕事をするなら、弱いと生きてはいけません。

 自衛隊派遣と人質事件を関連させるのは間違っている。(4月21日)

届いたメール 

 最近のこのHPを読んでいると、情緒的なメッセージが多い。純粋に軍事的な 面で今回の拉致事件を捉えていないと思います。

 イラクに自衛隊を派遣したから今回の事件が起きたと言う論調は、お気楽とし かいいようがありません。  テロ・ゲリラは、日本政府が自衛隊を派遣していなくても、ブッシュ政権を揺 さぶることになるならば、どんな国の人でも拉致するはずです。

 過去のハイジャック事件、9.11のNYのテロ事件、無差別に犠牲者が出たこと を忘れています。更には、諸外国での邦人誘拐事件しかり・・・すべてテロ・ゲ リラは、自分達の存在を誇示するために都合よければ何でも有りです。  もう一度、テロ・ゲリラ側の拉致する意味を考えるべきです。

 私の記憶違いかもしれませんが、ここのHPで、なぜ日本は自衛隊をイラクに 派遣したのか、日本政府の公式見解ではなく、国際情勢、日米間の関係に伴う日 本の立場での説明がなされていないように感じます。このことは、このHPで重 要な意味をなすのではないでしょうか?

 私の見解は、9.11事件以降、米国は自国に物心両面において協力的な国と非協 力的な国との選別を図るようになったと思います。米国に依存している日本にとっ て、自前の情報機関を持たず脆弱な情報収集能力では、「耳」が塞がれること、 まず情報面で制約されることは致命的です。また、北朝鮮問題を抱える日本にとっ て、いざという時に米国の関与の保険の意味で派遣に踏み切ったと思っています。 神浦さんのご見解をお願いします。

 それと、神浦さんは、確か、派兵そのものを反対しているのではなく、自衛隊員が政治的に縛られての犠牲を伴う可能性のある派遣を反対しているのではなかっ たでしたっけ?

所長コメント

 ご指摘のように、私は自衛隊がイラクの復興支援に活躍することを期待しています。その自衛隊がイラクの戦地に行くのに、そこは戦地ではなく戦闘が行われていない平和な地域で、自衛隊は正当防衛しか武器の使用を認めていないことに怒っています。さらに今回の人質事件では、自己責任といってイラクの情勢悪化を人質個人に押しつけ、自己の責任回避する与党の対応に怒っています。

 さらに言えば、ブッシュ大統領にへつらうしかない小泉首相の無責任さに怒っています。もしイラクから米英軍が撤退して、国連のブルーヘルメット(国連PKO)をかぶった自衛隊が、イラクの民兵組織から攻撃されることなく、イラクの復興支援をイラクの人たちとともに行えることを期待しています。このまま自衛隊は米英軍の一部として、サマワに駐屯してもイラクの人に感謝されません。占領軍の一部として敵対勢力と認識されるだけです。

 すでに大河の流れは米英軍の反イラク駐留(占領)に移っています。自衛隊がこのまま米英軍に付き合う必要はありません。アメリカもブッシュ大統領が選挙で負ければ、イラク政策に大変革を行うでしょう。それまで日本(自衛隊)が待つ必要があるのでしょうか。

 小泉首相は中曽根元総理のように、小派閥の弱さをアメリカに支援してもらおうとして、自衛隊をイラクに派遣しただけのことです。いわば自分の政権を維持するために、自衛隊をブッシュ大統領に人身御供に差し出しただけの話です。それも無理矢理イラクに派遣したいから、自衛隊の手足を縛ってでもイラクに派遣したのです。自衛隊こそいい迷惑です。自衛隊幹部は必死に「自衛隊はイラクの人道支援が任務です」と言っているのに、与党の連中は、「日米軍事同盟のためにイラクに派遣した」と言いまくっています。

 今回の人質事件はファルージャの戦闘です。直接的な自衛隊の派遣問題ではありません。それを人質の家族が言い出したので、政府がそれを逆手に活用しているだけです。今回は外国のマスコミがそのことに早く気がついたので、批判的な報道が外国メディアから入っています。

 日本の国民ももっと賢くならなければ、政府にうまく騙されるだけのことです。私は高遠さんのイラクでのボランティア活動を今も尊敬しています。これが私の一貫した基本姿勢で、人質問題で感情的になったり、情緒的な意見ではありません。

 まだまだイラク人質問題の関連メールが届いています。(4月21日)

届いたメール

 初めてメールいたします。0000と申します。 人質事件をきっかけに、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」からジャンプして記 事を拝見し、毎日読むようになりました。 自分の意見が揺らぐことが多かった中、ほんとうにためになります。

  私の職場のボスが「自作自演説」支持者でした。とても信頼し、尊敬していますので、 彼の話を聞いていると、かなり、「そうなのかも?」と心が揺らぎました。(もし、 そうだとしても、そこまでして自衛隊を撤退させたいという信念は凄いなと思いまし たが) でも、こちらを拝見して、「やっぱり、そんなことない」と思えました。

  そして、ニュースや新聞を見聞きして、意外に多くの日本人が狭量で冷たいんだな・・ ・・と悲しくもなりました。 週刊新潮なんかは、あきらかに人質になった3名の方と、ご家族に対して、ネガティ ブキャンペーンを展開してましたね。あれでかなり雑誌としての品位を落としたと思 います。政府ならともかく、か弱い民間人に対しあのような仕打ち。 自衛隊、日本政府としては出来ていない草の根の援助をしていた同胞が、異国で命の 危険に晒されている時に、なぜああいうことができるのか非常に疑問でした。

  願わくば、「そんな風に考えている人間ばかりではありません。あなた方はすごいで すよ」という声がきちんと届いて欲しいです。 税金をいくら投入したんだ!みたいな意見も、一見正しいようですがおかしいですよ ね。私はこういう時のために税金を払っているのだと思いたいです。自衛隊を出さな ければ、たくさんの税金を節約できましたよーだ。と言いたいです。政治家や官僚の 年金割り増しや私腹肥やしのほうが追求されてしかるべきだとも。

  最後に。硬派な文章の中、ちらりと顔を出す「生活」が、タマラナイです。こわもて の軍事評論家も、子供がいれば PTAの会合に行くし、歯が痛ければ、歯科医院に行く。 私は今日は仕事の合間に銀座の並木通りを歩き、「平和っていいな」と痛感しました。 東京には、世界中の美しいもの、素晴らしいものが集まっていて、お金を出せば手に 入る。若い女の一人歩きが普通に出来る。なんとありがたく、希有なことなのでしょ う。

 普段当たり前に感じている「安全」を、涙する高遠さんを観ていてしみじみ感じ ました。 では、長くなりましたが、このへんで。 軍事情勢などにはまったくうといので、もしかしたらおかしなことを言っているかも しれませんが、その時はお許し下さい。これからはもう少し勉強します。 お忙しいことでしょうが、お体どうかお大事に。失礼いたします。

届いたメール

      人質事件から学ぶ日本の正義(仮説)

                                        at 2004 04/21 05:51 編集

 『ニュージランドで交渉学を研究しているものです(私もこの件について最後に長い一言)

 今回の人質事件の実態は完全には解明されていませんが、解放後の3人の放心状態と帰国後のストレスから何を読み取りますか。赤軍派関与説まで飛び出していますが、私はこの事件を交渉学の観点から観ていて重大なことに気がつきました。それは、日本人としての正義感に関わることです。法と正義というのは、私の研究テーマの一つでもあるのですが、英米法の国では国会だけでなくて裁判官も法を作っているのです。日本では、裁判官は法を適用するだけです。では、ドイツはどうか、というと憲法裁判所がありますから、憲法に照らして法を裁きます。しかし、日本の意見訴訟というのは、個別の事件を通じてその事件についてのみ適用されるので、法を裁いているとはいえません。しかも、政治的行為は裁判所の土俵にのらないとして、判断を回避しています。

 そこで、問題です。ある国における法の正統性を根拠づけている国民共通の理念は正義と言っていいでしょう。その正義は法や政策、さらには政権まで覆すことのできる「力」です。政権も正義を背景にしているからこそ法の強制力に国民が納得するのです。

 そうすると正義がどのように制度づけられているかということが問題になるのですが、先にみたように、日本においては、この正義が法制度の最上位に位置づけられていないことになります。アメリカ占領軍が憲法草案を作成した際に、この法と正義の関係を意識していなかったのではないでしょうか。

 このため、日本人の正義感は憲法の条文とともに極めて抽象的なレベルに棚上げされたまま、現代の民主主義、法治主義の下で正義感を持つ日本人が日本国民であることに消化不良を起しているのです。京極純一や中根千枝らが研究したノモス論やタテ社会の枠を超えられない理由がここにあります。

 このからくりを今回の事件に当てはめて考えるとどうなるか。ルモンド紙や一部の日本人ジャーナリストの指摘にある危惧感は、人道主義を求める日本人ジャーナリストが事実を求めて現地に赴くと、政治的な思惑の中に吸収されて、右か左かという単純な政治的主張者としてレッテルを貼られてしまう。そうすると、真実を求めようとする純粋な気持ちが萎えてします、ということだと思います。そのようになってしまう大きな背景が「正義」を共通基盤として法や国策を国民レベルで議論できない制度にあるのではないでしょうか。

 私が自衛隊問題を議論しようと主張しているのは、人質問題をきっかけに、イラクの国民やそこに派遣されている自衛隊をわが身のこととして議論できる絶好の機会だと思ったからです。小泉政権かそれ以外の自民党政権、民主党云々のどれをとるかという問題ではなくて、政権問題を離れて、事実と国益を国民レベルで正義の観点から考えてみるべきです。

 人質事件の真相も政府が果たした役割も究明しない報道機関がなぜ小泉政権の支持率調査をしてしまうのか。論理的思考もない。自衛隊問題が芸能問題のように扱われていいのでしょうか。私が少年の時、三島由紀夫の自殺事件の意味がわからなかったが、あの頃の思考状態にとどまる理由も分かってきたような気がします。

 これだけ経済的に豊かになり、教育や海外旅行にもお金をかけている日本人の多くがこうした新聞報道を受け入れているということは、法や国策(多数意思)自体が正義に従うことになる、と判断している国民が絶対多数だからでしょう。誰も「非国民」になりたくはないですから。
正義感を持つ日本人には慰めの言葉にならないかもしれませんが、「正義」を取り込んでいない制度に欠陥があるのです。その制度を立て直すか、その欠陥を意識しながらまず個人との自我を確立するか、を考えることが必要です。



 自己責任論を批判 「若者誇るべき」と仏紙 (共同通信)


 【パリ20日共同】20日付フランス紙ルモンドは、イラク日本人人質事件で、日本政府などの間で「自己責任論」が台頭していることを紹介、「日本人は人道主義に駆り立てられた若者を誇るべきなのに、政府や保守系メディアは解放された人質の無責任さをこき下ろすことにきゅうきゅうとしている」と批判した。

 東京発の「日本では人質が解放費用の支払い義務」と題した記事は、解放された人質が「イラクで仕事を続けたい」と発言したことをきっかけに、「日本政府と保守系メディアの間に無理解と怒号が沸き起こった」と指摘。「この慎みのなさは制裁まで伴っている」とし、「人質の家族に謝罪を要求」した上に、健康診断や帰国費用の負担を求めたと批判した。

 記事は、「(人質の)若者の純真さと無謀さが(結果として)、死刑制度や難民認定などで国際的に決してよくない日本のイメージを高めた」と評価。パウエル米国務長官が人質に対して、「危険を冒す人がいなければ社会は進歩しない」と慰めの言葉を贈ったことを紹介した。

届いたメール

 神浦さん、こんにちは。歯の具合はどうですか。政府は相変わらず「テロに負けな い」と言い、それで納得する人も少なくないようです。

 そのことはともかく、「テ ロ」という言葉の定義がこのままでいいのか、疑問を感じます。日本のメディアも 「テロ」と「レジスタンス」を分けて使うべきではないかと思います。日本人を人質 にした犯人も、テロリストと呼ばれたことに腹を立てて解放が遅れたという報道もあ りました。現在のことばの使われ方では、拉致・誘拐とテロとの差が分かりません。

  北朝鮮による拉致・誘拐の場合は背後に国家があるのでテロと呼ぶのは構わないで しょう。しかし、イラクで起きた邦人誘拐事件をテロという定義でとらえていいの か、拉致・誘拐をテロと同義とするなら国内で発生する一般の誘拐事件もテロという ことになってしまうがそれでいいのか、情報を受け取る側は混乱してしまいます。テ ロ、拉致・誘拐ということばの定義があいまいでは、問題が見えにくい気がします。 したがって、レジスタンス(またはそれに代わることば)を使うべきだと考えます。

  神浦さんはどのようにお考えでしょうか。 ところで、作家の重松清氏だったと思いましたが(うろ覚えですいません)、「日本では人質の『解放』と言うけれど、外国では『救出』と言う。日本政府も人質を『救出する』と言ってほしかった」というようなことを言っており、たいへん興味深かっ たです。ことばは難しいですね(笑)。

届いたメール

 神浦元彰さん 初めまして、00と申します。 神浦さんの、「サマワの自衛隊は囮である」という指摘は、まさにそのとおりだと感 じます。

  イラクの抵抗市民がくれぐれも、自衛隊を攻撃しないこと、隊員を傷つけないことを 願うばかりです。もし万が一そういう事態になった場合、米軍が待ってましたの報復 とばかりに見境なく攻撃を加え、また多数の犠牲者がでてしまうことは、容易に想像 できます。とりあえず自衛隊が帰ってくる方策はないのでしょうか。

  今回の人質事件では、3人自身の無事を願う事はもとより、もし死者がでてしま? ら、ファルージャがさらにめちゃくちゃにされてしまいそうで、頼むから殺さないで くれ、と願いつづけました。 とにかく、アメリカは酷すぎます。亡くなられた奥参事官もこの戦争は間違っている と言っていたとききます…。

 では、これからも、神浦さんのご活躍を期待しております。 仕事が休みの時など、ニッポン放送でのお話を楽しみにしておりましたが、番組が改 編されたので、出演される番組を新たに探そうと思っています。 それでは、失礼したします。

届いたメール

 イラクの日本人人質事件に関する神浦さんの論評の的確さと公正さに感動しています。そんな神浦さんに「財産を提供して償いをしろ」なんて脅しを掛けてくる、いわゆる「人質の自己責任」論者の卑劣さには、本当に腹が立ちました。

 そもそも、あの被害者たちは、拉致誘拐したグループに対して、自分たちがイラク人の友人であることを証明できたからこそ解放されたのではないでしょうか。 つまり、あの被害者たちは、自分の責任と役割によって自らの解放をかちとったのだと思います。政府が5人の解放にどれほどの役割を果たしたのでしょうか。それ大勢 の人が動いた、やれ莫大な税金を使ったみたいな話が出ていますが、あのオウム真理 教のオッサンの国選弁護費用として、ン億円も税金の支出をしています。

 それは基本的人権の保障の上で必要なことだからです。犯罪者でもない被害者に「費用請求」を したがる人々は、人権も何もわかっていないのでしょう。 イラクの人々が宗派や部族の違いを超えて反占領闘争に立ち上がるのは、常識の目で見れば前からわかっていたことです。イラク人が自衛のために、外国人を警戒するの も予想されたこと。被害者たちの話では、犯人たちはいわゆるテロリストというより も、農村の自警団のような組織に思えます。彼らの身になって考えれば、自衛隊は軍隊、サマワの住民に給水などをするとしても、一方では武装米兵の空輸もする占領軍の一環と見えます。

 善意のボランティアとして、あるいは自主的な報道人としてイラ クに行った人たちも、その自衛隊派遣国民として扱われたことが不幸な事件の始まり でした。 イラクへの自衛隊派遣を決定した人たちは、善意のボランティアを危険にさらすかも しれない状況を想定していたのでしょうか。そのことの「自己責任」を、どの程度自覚しているのでしょうか。もっと広げて言えば、イラクへの自衛隊派遣によって、そ の自衛官(少なくとも陸自のサマワに駐留する550人)が駐屯地に封じこめられて 「人質」にされる危険をどの程度察知しているのでしょうか。さらに、いわゆる「テ ロ」に対して1億3000万人の日本国民が「人質」にされる事態を招いていること を、「自己責任」論者はどう考えているのでしょうか。 「テロ」に屈する、屈しないという議論の前に、私は自衛隊は即刻、スペインやホン ジュラスの後を追ってイラクから撤退すべきだと思います。それは恥ずかしいことで も、やましいことでもありません。少なくとも戦争放棄を誓った憲法を持つ日本国の 国際社会に対する厳正な責務だと思うのですが。

届いたメール

 神浦さん、はじめまして。かなり昔からホームページを愛読させていただいています。 私もいわゆる自己責任論の合唱について、強い戸惑いを覚えております。

  仮に人質となった彼らが、これまでイラクにおいて日本国政府による身辺の保護を 絶えず求め続け、その庇護の元に活動を続けていたのだとしたら、その場合は 自己責任論が浮上しても仕方のないことだと思います。国に国民を保護する義務があるとはいえ、治安が著しく悪化した異国での個人の自主的活動を、何から何まで フォローするような責任は、政府にはないはずですから。

 しかし彼らは、そのような無茶など求めていなかったはずです。国による日常の安全 確保が得られないと分かった上で、現地に渡り、活動を始めようとしていた。危険に遭遇することはやむなしとしつつ、個人に可能な範囲での備えをし、備え切れぬ部分に ついては覚悟を決めておられたのだと思います。そうした姿勢について「無責任だ」 との罵声が大声で繰り返されていますが、私にはそうとは思えません。

 それはむしろ ごく当たり前の、大人としての常識的な態度ではないでしょうか。そればかりか そうした姿勢と行動こそを、本来、「自己責任による行動」と呼ぶのではなかったで しょうか。 しかし現在の世の議論は全く転倒しているように感じます。いわく、渡航自粛が求め られているのだから、その範囲内で活動することが「自己責任」である、と。政府の 言う通りに従い、その代償としてヌクヌクとした保護を受けつつ活動する、これは まさしく護送船団方式に異ならず、無責任の極致であるはずです。

 政府がそのような ことを言いたがるのは今更ではないかもしれませんが、国民の大半が口を揃えて同様に 叫んでいることについては正直驚いています。言葉の意味がちょうど逆さにすりかえ られたままの、老若男女問わずの大合唱。このような状況の中いったいどうしたら いいものか、なにやら気分が滅入ってくるばかりですが、まあ、誰が何と言おうと あの人質になった方々を人生の手本にしていけばいいのかな、とか、漠然と考えたりも しています。

  ホームページでは既に「この問題で議論をすることをやめます」と宣言されていますが、 ささやかな応援になりはしないかと思い、メールさせていただいた次第です。どうか、 健康には気をつけて頑張ってください。

届いたメール

 神浦 元彰 さん、 本日は政治家の方々が自己責任論を振りかざし自由な渡航も制限する勢いです。憲法にも触れる由々しき問題なので一筆書き ます。

  自己責任とは自己のおこなった行為に対して自分で責任を取る ということだと小生は理解していたのですが、世の中の理解は 違って、リスクをとった若者を罵倒する意味のようですね。 小生はタバコを嗜みますが、何時もタバコケースの脇に注意書 きが書かれているのを読んで、癌になったらやばいなと思って おります。癌になるかならないかを覚悟してタバコを喫のは自 己責任であり、癌になった場合高い医療費を使い、周囲の人に 迷惑をかけるは自己責任の範囲外と思っておりました。其のため好きなタバコも用心をして喫んでおります。

 自己責任を主張 される方は当然タバコを喫んで癌になった時、治療費は保険で とは言わないでしょうね。これで高額な医療負担がいくらかは 少なくて済むと言うものです。(川口大臣はあれほど警告を出 していたのにイラクに行く人はトンでもない人達だと言ってお られますよ。お金も請求したいそうです。坂口大臣もあれほど 警告しているのにタバコをまだ喫のか、医療費は保険からは出 さないと言ってやれば良いのに、と馬鹿な頭で考えました。)

  銀行に預金されている方も、今後、銀行が倒産したとき預金を 全額返してくれとは言わないものです。(来年からペイオフが 解禁されますよ。) 経済解会の皆様、労働者諸君、会社が倒産してもゆめゆめ国に頼ろうなどと考えては行けません。自己責任を取れぬ経営者の ために、既に何兆円という国費が浪費されているのですよ。

  日本の政府は自己責任が取れぬもののために、毎年40兆円近 くの金を国債という形で、後世に転嫁しているのですよ。 日本国の中で、自己責任などとの立派なことを言える人はほと んどいません。そのことを良く理解してから発言してください 。 上記のことは貴兄に言っているわけではありません。余りにも 偉そうに「自己責任」などということばを軽軽しく使う人々( 特に政治家諸君に)に注意を与えているのです。 ちょっと過激な発言なので躊躇しましたが、渡航制限の話しな どが出てくると書かざるをえませんね。

所長コメント

 歯痛のほうは、歯医者さんのおかげで直りました。数日前の朝、歯磨きをしていたら、一本の歯がぽろりと折れてしまいました。前夜に何か固い物を噛んで、激痛がしました。その翌日に歯がぽろりで驚きました。歯医者さんに見てもらったら、夜、寝ているときに歯ぎしりで折れたそうです。私は歯ぎしりをしませんと話したら、人間はだれでも歯ぎしりをするそうです。特にお酒を飲んだときは、誰でも歯ぎしりがひどいそうです。治療は麻酔を打って、歯の神経を取り除きました。そして詰め物をして、かぶせる治療を受けています。

 そこでいい機会と歯医者さんに歯のかみ合わせを調べてもらうと、うまく整合していないことがわかりました。すると寝ているときに正常な歯ぎしりができず、ストレスが溜まると説明されていました。その方の治療を受けると、ストレスがすごく少なくなったように感じています。ここ3〜4年間の強いストレスは、歯のかみ合わせが悪かったせいのような気がしてきました。今朝も爽快な気持ちで目が覚めることができました。もしかすると歯のかみ合わせが悪いので、不眠やイライラや過度の飲酒をやっていた可能性があります。それも誰からも指摘されたことのない歯ぎしりです。歯ぎしり、恐るべきです。

 まさに国際関係は歯のように整合性が問題になるのではいかと考えています。アメリカがイラクを占領支配することは、まさに整合性(私はこれを大河の流れと呼んでいます)がないのです。それでもアメリカは7月から3000人の規模でバグダッドの米国大使館を拡充し、CIAやFBIなどを配置してイラクの復興支援にあたると公表しました。この決定は、まさにイラクの政治と整合性がありません。イラク人の反発を高めるだけです。また国連をアメリカが背後で支配し、間接的にイラクを統治しようとしていると見えます。国連にとっても非常に危険なことです。

 イラクからアメリカ軍が撤退すれば、イラクは混乱しテロの温床になるというのは、南ベトナムから米軍が撤退すれば東南アジア全域(タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシアなど)が共産化すると信じたドミノ理論に似ています。すなわちまったくの誤解なのです。

 イラクの国民は今こそ戦争の惨禍から逃れたいと思っています。イラク人自らが自国の政府を作り、国際的な各国の支援があれば立派に復興します。イラク人は平和と威厳を取り戻し、繁栄と幸福を得ることができると思います。ひとまずアメリカ軍がイラクから全面撤退して、ロシア、中国、フランス、ドイツ、それにイスラム諸国から国連・治安部隊(PKO)を派遣すれば、イラクの混乱は収束しるように考えています。

 「イラクから撤退することはテロに屈したことになる」、「イラクから米軍が撤退すればイラクは混乱し、テロリストの温床になる」、とにかく今は普通に語られているこれらの言葉が、本当にそうなのか再考する時だと思います。

 ファルージャの様相が伝わってきません。実情を知りたい。(4月20日)

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 神浦さん、はじめまして。

 こちらのサイトは武器嫌いの私にとって,テロが起こらなければ縁遠いものでした。考えずに済めば、無情な争いは人ゴトと思いたい・・・

 しかし、社会の根幹に世界の現状を操る政治がある以上、真実を見なくてはいけないと、探し出したこちらの HP で、多くの情報を知ることが出来、感謝しております。

 善意を行おうとした同じ日本人の失敗を、許すことなく口撃し続ける荒廃した人々の心を見る毎日ですが、直視するほど、人間の姿とは思えない。

 しかし、その人たちにも、押さえがたい不安があり、不安だからこそ安易な解消を求め、弱ったものを傷つけるのだろう、結局、そんな有りがちな答えしか見つかりませんが、

 この愚かさのパニックを鎮めるもの・・・、 それは、政治家の詭弁ではなく、残念ながら、美しい芸術でもなく、どんな時も果敢なジャーナリストが危険を冒して得た「真実の情報」それだけだと思います。

 どうぞ、がっかりしないで頑張ってください。

 私も、がっかりせずに、誰に笑われようと、平和な未来を信じ続ける人間の一人でいようと思います。

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 神浦さんこんにちは。00と申します。

 テレビや新聞などでは、ファルージャの戦闘では600人のイラク人が死亡したと伝えられていますが、私のような一般人には全くファルージャの状況が見えてきません。

 死んだ600人とはどのような人々で、どのように死んだのか?彼らは、アルカイダなどのテロリスト・反米意識の高いゲリラ・銃を手にした一般市民などで、米軍と戦って死んだのか?それとも、米軍は無抵抗の市民を虐殺したのか。

 そして、イラク全土をあっという間に占領したにもかかわらず、なぜ米軍はファルージャのような一都市の占領に手間取っているのか?米軍は実は弱いのか?それとも、ファルージャに立てこもる武装勢力の方が一枚上手なのか。

 とにかく、今のテレビや新聞は数字だけで全く戦争の実情が全く伝わってこない。

届いたメール

 こんばんは、東京の00です。 人質事件が無事解決してやれやれですね。 しかし、J-RCOMの各コーナーも含めて、 どこもかしこも党派的意見ばかりでうんざりです。 わざわざ読む価値なしというのが、失礼ながら率直な感想です。

  右巻きの人は、

(1)人質解決は政府の功績。 (2)人質への人格攻撃。(自作自演云々まで) (3)人質の行為の全否定。自己責任論。費用請求。 (4)人質事件に便乗した自衛隊撤退運動批判。(わたしも同意見)

 左巻きの人は、

(1)人質解決は、市民団体とアルジャジーラと法学者協会の功績。 (2)政府の救出活動の全否定。小泉首相への人格攻撃。 (3)人質の行為の全肯定。自己責任論はおかしい云々。費用請求は不当。 (4)人質事件解決に自衛隊撤退運動が重要な役割を果たした云々。 いずれにしろ政治宣伝合戦・立場表明の部類で、 多く意見が過度に極端でバランスを失しているように思います。

  こういう事件は「再発防止」の観点から冷静に検討すべきで ではないでしょうか?政府・マスコミ・市民団体の対応も被害者の行為も。 わたしが気になっているのは、「身代金」の問題です。 いろいろなメディアの報道や仲介者の言動から金銭の交渉が なされたと思われますが、交渉者の安易な態度が 日本人の値段をつりあげてしまい、次の人質事件を誘発するのでは 危惧してます。ひとり100万ドルというきりのいい額がでてますが、 テロリスト側であろうと、仲介者であろうと 事件に関連してはビタ一文払わないという「建前」を 確立しないと、海外にいる日本人全員の首に値段をぶら下げることに なりかねないと思います。安易なバラまきをしたのかどうか 検証する必要があると思います。いろいろな経緯から今回の交渉は かなり有利にできたはずなので、なおさらです。

 ところで、安田氏と渡辺氏に対する神浦さんの意見に、まったく同意です。 日本のジャーナリストとしてファルージャを目指したのは、 「壮挙」でしょう。味噌も糞もいっしょにする議論はおかしいと思います。 ちゃんと準備をしたかどうかの議論はあるのでしょうが、 われわれ一般人からすると、上級登山者の装備の議論と同じで、 プロフェッショナルが検討すればいいことでしょうし、 あの二人は遭難して死んでも悔いがない心構えができていたので、 政治的立場とは関係なく尊敬されるでしょう。

届いたメール

 神浦さん、こんにちは。 いつも神浦さんの客観的で軍事的な鋭い分析には敬服させれております。 しかし、政治的な議論には、あまり踏み込まないほうがよいと思います。 今回の「自己責任論」に関しては、政治的な側面が多すぎますので、 軽々に日本人はこうだとか判断すべきことではないと思います。

  いくつか挙げれば… 被害者および家族に、共産党と反政府系の市民団体の人物がいたこと。 最初の家族の会見を、共産党系の人物が世話したこと。 家族の要求の主眼が、「自衛隊の撤退」に置かれたこと。 そして、共産党は自民党および公明党の政治的な仇敵であること。 さらに、国民の多数は、共産党や反政府系の市民団体を嫌悪していること。 これらのことを考えれば、「自衛隊を撤退しろ」(自衛隊の責任だ) という政治スローガンに対して、「自己責任だ」(自衛隊は関係ない) という反対論が生じ、世論がそれになびくのも不思議ではありません。 これを、政府が大人気ないというのは簡単です。 しかし、政府(自民党と公明党)にしても、この件がきっかけで政権が 瓦解してはもともこもないわけですから、全力で防衛にかかるでしょう。

届いたメール

 神浦元彰さん、 本当にJ-RCOMはいつもハッと気づかされることがありますね。今 回の人質事件でも、いろんな側(?)からのメールを掲載されてい て、その姿勢には頭が下がります。

 もう議論は止めとのことなので、ご迷惑になるとは思いつつ、一 つだけ、いろいろ読みながら疑問に思っていたことを書きます。  今回の人質事件で3人(と家族)を攻めたてる人たち(小泉さん は確信犯でしょうが、普通の人たちは思考停止をきめこんでいるよ うに見えます)は、もし、イラク以外で日本人が誘拐され、その犯 人側から「自衛隊の撤退」を要求されたのなら、はたしてなんと言 うのだろうかと。

 たとえイラクではなくても日本人であることだけでターゲットに なりうる状況を我々は選択したのですから、そこが、フランスだろ うと、フィジーだろうと、柴又だろうと、どこで発生しても、自己責任と攻めるたててもらわなければ筋が通らないと思います。  神浦さんや、鳥越さんのような目線のジャーナリストの声が、激昂した報道の中で、同じような力強さで流れるような日本であれば と願わずにおられません。  でも、(小泉さんや安部さんでさえ、まったく望んでいないでしょ うが)、あの「大本営発表」のような時代へとまっすぐに進んでい るように感じられてしかたがありません。

所長コメント

 ファルージャの情勢ですが、2500人の米兵部隊が包囲していたが、そのうちの500人程度を包囲網から撤退させるとか、米軍と地元有力者が折衝し休戦に向けた話し合いが始まったという情報があるだけです。すでに市内は水道や電気が切られ、食料などの搬入もできないようです。また数回の停戦中に女性や子どもが市内から非難し、数万人規模でバグダッドに向かっていると報じられたことがあります。米軍のファルージャ包囲網には、ジャーナリストを市内に入れにという目的もあるようです。

 このような場合、私の経験からすると地元有力者に接触を試みます。そして信頼できる人に迎えに来るように依頼します。そして迎えの人が到着したら、その人の案内でファルージャへの潜入を試みます。もし市内に潜入できれば、部族長などへ挨拶し、専属のガードをつけてもらって取材を行います。以前(20年くらい前)、フィリピンの新人民軍に取材のコンタクトをとったことがあります。しかし迎えのガイドがマニラに到着せず、10日間ほどマニラに待機し、その取材は中止したことがあります。ですからこのやり方は成功する場合と、失敗する場合が半々です。迎えに来ないから押しかけるというような無理は絶対にしてはいけません。相手の都合に合わせることが必要です。

 日本では話題になっていませんが、すでにファルージャ潜入取材については、国際的なジャーナリストたちは猛烈なトライを試みています。今回はアメリカ人たちはあきらめるでしょうが、フランス人やドイツ人ジャーナリストは先を争っています。もし最悪の場合、米軍の包囲網撤退後が一番乗りになるかもしれませんが、それも含めて一歩でも前のポジションを得ようと必死なのです。どうしてそうなのかというと、そのようなやつがフリーのフォトジャーナリストになるのです。TVや新聞記者たちから、吐き捨てるように「あいつはストリンガーだ」と軽蔑されます。それでもカメラを抱えて、最前線を目指して迫っていくのです。私はそのような仕事をやることも、軍事ジャーナリストの重要な仕事だと思っています。兵器ショーを見物に行ったり、ガイドブックや専門誌を読むだけが、軍事ジャーナリストではないのです。

 そして多くの軍事ジャーナリストが戦場や市街戦で死んでいます。

 今回のイラク日本人人質事件で考えたこと。(4月19日)

届いたメール

 私はいつも着実にメールを更新されている神浦さんの努力に感心しながらホーム ページを毎日チェックしています。私は今回の人質事件で「事実」を「事実」として 伝える姿勢に感銘を受けました、日本人で自分の感情とは全く関係なしに事実が存在 していることを自覚している人間 はまれで、今回の一連の報道でそのまれな例を見 せてもらいました。

 私は事件を歴史的に見る(つまりおよそ60年の流れのなかで起承 転結を見ていく)のが好きで、ユダヤ人がからむ「オトポール事件」で樋口 季一郎 を知り「流氷の海(ある軍司令官の決断)」とりわけ「陸軍中将 樋口 季一郎回想 録」を読んで、かっての軍人が本当に日本を背負っていた事を知り、日本では「事実」を「事実」として伝える姿勢が希薄な事を実感しました。

 私は今回の人質事件で 「おや?」という感じを抱いたことがありますので、いずれ落ち着いたらなにかの機 会に神浦さんに解説していただきたいと思っています。私が感じた「おや?」の中味 は、「3人の人質事件」についての日本での論じ方についてですが、冷戦が終了して 次の相対的に安定した体制への移行過程の相対的に不安定な現実のなかで、「3人の人質事件」についての日本での論じ方があまりに「現実感覚が無い」ことと、一連の 論じ方の底に流れている不気味な感じ(大人にもかかわらず子供のわがままの水準で の村八分意識あるいは仲間はずれ意識)です。

 国際的な水準での大人であれば、たと え今から殺し合いをするのであれ、あれこれと殺す為のルールをお互いにこぜりあい を通じて探り合い、殺す為のルールをお互いに確認した上で殺し合いをするのが普通 ではないのかと私は考えます。最近頻発している「自爆テロ」は、「テロ犯」があらかじめ罰せられているので、従来の人殺しのルールでは罰しようがない新たな現象 で、米・英・ロ・イスラエル等の各国首脳とも対応する為の新たな人殺しのルールを模索中であり、たとえ掟破りの人殺しであっても対応策をルールにのせようと努力す るのは、自分の権力の正統性がルールによって守られており、自らルール違反をする と、大衆によって今度は自分が権力より引きずりおろされる、ことを自覚しているか らだと私は考えています。

  ****参考****** 非国民と大学紛争 ・・略・・  

 封鎖したときの学生たちの言い分は、俺たちがこれだけ一生懸命にやっているのに、研究などと称して、お前らがのうのうと仕事をしているとはなにごとか、という ものだった。 ・・略・・  「非国民」の論理がまさにこれだったからである。兵隊さんが戦地で命がけで戦っ ているときに、口紅にスカートとはなにごとか。戦争を知らない世代が、同じ非国民 の論理を用いたとき、非国民の時代は過ぎたという自分の思いこみを、私は即座に修正すべきだった。しかし私は、こうした論理は戦前の軍国主義時代に生じた、特殊な論理だと堅く思いこんでいたのである。だから私は、自らそれを戦後に再び体験した のに、まだそれがいわば偶然の産物だと考えていた。

 まさか戦前の連続だとは、意識 的には思えなかったのである。似たようなことが起こるものだなあ。よく似た雰囲気 だなあ。ただそう思った。いま思えば、もちろんそうではない。非国民の論理は、い つでもあったし、いまでもある。最近私がそれを強く感じたのは、オウム真理教に関する報道だった。 ・ ・・略・・  

 番組の内容についての具体的な打ち合わせのため、そのテレビ局では、ディレク ターがまず現れた。その人が開口いちばん、あろうことか「国民はまだ十分な情報を与えられていませんが」と話はじめたのである。私はただちに、ほとんど反射的に反論した。「オウムも警察も国民ですよ」。ディレクターは一瞬唖然としたらしいが、 そのまま何事もなかったかのように、話を続けた。  この国には、国民に関して二つの定義があるらしい。「拡張されたわれわれ」と、 日本国籍を有する者とである。「拡張されたわれわれ」の範囲は、状況によって適度 に伸縮する。戦時中であれば、口紅にスカートは「われわれ国民」ではない。しか し、その範囲をいったいだれが決めたかというと、それが明瞭ではないという特徴が ある。右の著名な司会者もディレクターも、オウムも警察も国民ではないと思ってい るわけだから、国民の定義は「日本国籍を有する者」ではない。それならそれは、司 会者なりディレクターなりが思っている国民の範囲のわけである。その裏にはさら に、世間はそれをこそ国民の範囲だと思っているはずだという、司会者なりディレク ターなりの思いこみがある。これがいわゆる村八分の構造、いじめの構造の基礎にあ ることは、すぐに気づかれるであろう。そうした人たちで構成される報道が、「いじ めの解決」になんの役にも立たなくて、あまりに当然である。無意識の仲間外れを、 自分たちが日常的に実行していて、しかもそれにまったく気がついていないからであ る。 ・ ・略・・  

 新興宗教のある意味での恐ろしさを、私自身知らないではない。その恐ろしさは、 集団としての匿名性にある。どこから攻撃の矢が飛んでくるか、まったく不明なので ある。しかも事実、確実に飛んでくる。かれらは自分たちこそが正しいと信じている から、その集団に敵と見なされたら、もはや身が持たない。見えない敵にたえず注意 することは、個人には不可能である。ところがそれに対抗すべき組織人が、個人のほ うを裏切ったのでは、もはや手の打ちようがない。坂本弁護士の例は、私のなかのそ の恐怖を確認してくれただけである。  組織人もまた、もっと弱い個人だと、組織人はいう。だから非国民の論理が生じる のであろう。組織人にとってもっとも恐ろしいのは、組織から離されることである。 事実はまったく逆かも知れないのだが、多くの組織人がそう信じている。それは私は よく知っているつもりである。私が組織人であることをやめたとき、あんただからで きるということばを、何度聞いたか、わからない。それが組織人の考え方なのであ る。 ・ ・略・・  自分のお膝元で、それも任意団体が、七三一部隊と似たようなことをやっている。 それでなにが、同じことをもはやくり返しません、か。どう考えても、ここでも無意 識のうちに、非国民の論理がはたらいていたとしか思えない。オウム真理教の事件 は、日本国民のしたことではありません。そう思っているのでなければ、「くり返し ません」と「国民の代表」がいえるはずがないではないか。 ・ 略・・  毒にも薬にもなる話 1997年 養老 孟司著 中央公論社発行 P29-P34より引用

届いたメール

   先日メールを送りましたニュージランドで「交渉学」を研究している者です。

 人質事件(演技指導?)で思うこと

at 2004 04/19 10:03

 今回の人質事件を交渉学の観点から分析しましたが、交渉当事者が誰なのか、という視点からの分析は当を得ていたと思います。
 これから人質事件の当事者で何が起きていたかについての真相が究明されるでしょうが、国民としては、日本の正義の観点から自衛隊派遣問題に真剣な議論を再開すべきです。

 「狼 とヒツジ」ではありませんが、イスラムが羊だとすれば、狼は羊を食べ過ぎて大逆転を食らう可能性もあります。日本は、羊なのでしょうか。羊のふりをした狼 だとすれば、取り残されてしまいます。自国の正義がどこにあるのか分かっていないのでは・・・。歩きながらでも考えていないと、転んでしまってから考えた のでは遅いでしょう。
スペイン政府のことも他人事ではないはずです。軍隊としての活動かどうか、という区別もつけにくくなってきており、一旦撤退 して、国連中心で見直してみるという態度も必要なのではないでしょうか。それなら、自衛隊問題が政争にならずにすみます。政争のなかで国民が流されていく ことには、外国に住んでいる日本人として非常に危機感を覚えます。

(参考:インフォシークから転載)

 スペイン首相、イラク駐留スペイン部隊の可能な限り早急な撤退指示 (ロイター)


 4月18日、スペインのサパテロ首相はこの日、イラクに駐留するスペイン部隊1400人が可能な限り早急に帰国するように指示を出したと発表(2004年 ロイター)
 [マドリード 18日 ロイター] スペインのサパテロ首相は18日、イラクに駐留するスペイン部隊1400人が可能な限り早急に帰国するように指示を出した、と発表した。

 同相は前日就任宣誓を行った後、この日、テレビ放送を通じて、この発表を行った。

 これまで同相は、国連が6月30日までに、イラクでの主権移譲をめぐる権限を引き継がないならスペイン部隊を撤退する、としていた。

 同相は今行動を起こした理由として、スペインの条件に合う国連決議が採択される見通しでないとの見方を挙げた。

 ある政府筋は、撤退には「少なくとも1カ月半から2カ月」かかる、としたが、いつ撤退が開始するかについてはコメントを差し控えた。

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 神浦さん。 フランス在住の0000と申します。 18日日曜日昼、カナル・プリュス(放送局)のヴレ・ジュルナル(本当のジャーナル) という痛切なギャグやアイロニーなインタビューも行う反体制的な番組に、イラクで 数日前に解放されたジョルダノフさんが出演しました。

  この元人質ジャーナリストは、エージェンシーを通してこのカナル・プリュスから依 頼されてイラクに取材に行きました。 ジョルダノフさんは、「太りたければ人質になるといい(食物がふんだんに与えられ たという意味)」「数々の犯人グループから、他のグループに拘束の取次ぎの際の尋 問には慎重に答えた。神を信じるかなどの質問には、相手が誰かを察知し、それに応じて答えなければならなかった」「田舎の農民たちが怒っている。湾岸戦争で、彼ら は父を亡くし、残りの家族、そして今、最後の財産の家畜さえも米軍は殺してしまっ た。」(全意訳)など、イラクの様子、人質期間の様子などを語った後、「またイラ クに戻って仕事をしたい。でも今度はもっと慎重にやります。」と答えた。

 フランス人は、それを歓迎し、応援するでしょう。 なぜなら、一方的な情報や操作された情報を信じて操り人形になりたくないからです。 政府があり、それを検証する一般メディアなどの機関があり、それを国民が自力で判 断したいからです。 国という機関が、真実を隠ぺいすることに繋がるような、情報の自由を侵害するよう なことであれば、それは独裁政治です。 フランス人は、危険を冒してまでそのような仕事をしてくれる人々に感謝します。 そして民主主義をかかげているフランス共和国は、例え政府の主義に反する人間でも、 フランスのパスポートを所持しているものを保護する義務があるでしょう。それが民 主主義だからです。 日本での、渡航禁止や自己責任などの制裁は、もしかしたら、その考え方さえ政府や イラク侵略賛成派の操作かもしれませんよ。 国民は判断意識を奪われ、米国に不利なことをしてくれるな、イラクに行って真実な ど探ってくれるな、だまってお上に従えということかもしれません。 イラク情報は、他国のニュースで伝わるかもしれませんが、日本人が日本人の目で見 て伝える。観客ではなく証人として伝えてゆく…というジャーナリスムが存続して構 わないと思います。 ---------------

  イラク戦争=経済戦争(いつも戦争はそうかもしれません)を起こしている政治家や 企業、株主の自己責任はないんでしょうか? 対岸の火事の火元はアメリカであり、日本であると思います。

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 神浦さんの最新情報を興味深く拝読させていただいてます。

 

 ところで今回、イラクの武装集団に日本人3人が誘拐され政府がその解放に全力を挙げ、多大の努力をされ、小泉首相を始め多くの方が臨時の仕事をさせられた。 ただ 仕事は常に努力して達成するものだから政府の行動は当然であるが、分別を欠いたNGOの活動の為に余計な大仕事をさせられたと不快に思うのも当然と思う。

 そんな感情から自己責任論が出るのも致し方がないが、救出のための膨大な費用は国民の税金だから「解放の3人にチャーター機代など請求」するという外務省の 小役人的発想は情けない。
費用対効果から考えればイラク人から帰れと言われ人道支援も順調とはいえない自衛隊派遣の膨大なコストこそ無駄遣いだし、天下りをはじめ税金を無駄使いしている一部官僚達の悪さ加減と比較しすれば、今回の救出活動のコストはズーと性質が良い。


 さてイラクのために活動している彼らNGOに分別を欠いた点はあったとしても、イラクの為に体を張った彼らの活動がイラク人に理解されているならば、ここは政府も国民も「頭を冷やして今後の対イラク外交」のために彼らを大いに利用する方が我が国の国際的評価も上がり国益にもなると思う。また彼らのような国境や宗教を越えた我が国NGOの人道支援活動を発展させれば、今回の
救出のための膨大な費用もそれ以上の国益となって回収できるのではないだろうか?
 外交は外務省だけの独占では成り立たない、今日の日本外交は国民の理解と我が国の民間人の世界中における活動の成果で成り立っている。
 使命感に燃えた元気なNGOの人道支援活動を今回の事件で萎えさせては我が国の将来は暗い。今回、イラク武装集団から解放された3人へのバッシングがかなりあると聞いて残念に思う。
神浦さんの大所高所からの啓蒙活動に期待してます。

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 ご無沙汰しております。お元気で御活躍のご様子、テレビなどで 拝見しております。歯の方はいかがでしょうか。 今回の「日本人人質事件」ですが、「誘拐された同国人を取り戻 すには」という主旨の神浦さんのご説明は、非常に勉強になりま した。

 ただ少し気になることがございましたので、お願いも含めて、メー ルを差し上げることにした次第です。 「日本人が人質に取られた」ということで、マスコミの報道は、ここ しばらくそれ一色という感じでした。神浦さんのホームページもそ うだったように…特に「メールにお返事」のコーナーなど…思われ ますが、その取り扱い方そのものに、私は、少々疑問を感じまし た。

 人質事件は確かに大きな問題ですし、対処の仕方や、あるいは 報道の仕方について、プロの立場から提言をなさることは必要で あろうと思います。実際、私も勉強させていただきましたし…。 ですが、こういう時期に、話題がそればかりになってしまうというの は、どうなのでしょう。 今回の事件で大騒ぎしている間に、ブッシュ大統領が、これまでの アメリカのパレスティナ政策を大きく変更するような発言を致しまし たね。イスラエルの言い分を全面的に認めると申しますか…。 これは非常に大きな出来事だったのではないかと思うのですが。 (本日、ハマスの指導者が殺害されたというニュースが流れましたが、 これは、やはり米国の政策変更に関わりのある動きではないかと 素人目にはそう見えます。)

 イラクだけを取ってみても、今回、狙われたのは日本人だけではありません。まだ拘束されていらっしゃる方も、また、殺されてしまった 方もいらっしゃいます。ファルージャやナジャフの情勢も予断を許し ません。イランが仲裁に入るというニュースが流れた途端、イラン の外交官が射殺されました。それにはどういう意味があったのか、 それからどうなったのか、マスコミのニュースとしては大きく取り上げ られないままです。 確かに、今の日本社会に与える影響は、これだけ騒ぎになったので すから、今回の事件の方がはるかに大きいかもしれません。 ですが、こちらさまは軍事情報を発信なさるサイトであると私は理解 しております。人質に取られた方や拘束された方を心から案じてお られた方たちには冷たく聞こえるかもしれませんが、その方たちが 無事日本にお帰りになりましても、現実に、サマワに、ゴラン高原に、 日本の自衛隊はおります。あるいは、イラク以外の中東諸国で働い ておられる日本人もたくさんおいでです。何といっても日本は中東の 国々からエネルギーを購入して経済活動を行っているわけですから。 今後情勢がどのように推移するのか、ブッシュ大統領の発言は政策 転換と見なしていいのか、その場合、今後の中東情勢にそれはどの ように影響するのか。そういう、問題が複雑すぎて素人では考える手 がかりもないようなことについてこそ、神浦さんの、軍事的な視点から の分析をお伺いしたいと思うのはこちらの我が儘でしょうか。 私とて拘束された方を心配しなかった訳ではございませんし、ご家族 を非難する気もありません。

 自衛隊派遣に反対しておりました私でも、人質を取っての要求に従っ て自衛隊を撤退させるという論理はおかしいと思いましたが…、さて、 これが我が身に起こりましたらそう言えましたかどうか。 私事ですが、我が子を亡くしました時、止まってしまった心臓はもう動 かないと頭では判っておりましたけれど、それでも、何とかしてくれと 泣いて口走った自分でした。 親の情というのはそういうものでしょう。 ですがこれはどこまでも個人感情レベルの話です。マスコミまでそ れに巻き込まれてしまったような今回の報道の在り方は…、正直、 どうかと。 こちらさままでそれに振り回されておいでのように見えるのは、私が 至らぬゆえの誤解でございましょうか。 やはり、神浦さんには、広い視野に立った軍事専門家の立場から の冷静な分析をこそお聞かせ願いたいと思いますが…。 ご一考いただけましたら幸いに存じます。 今後の一層の御活躍を心からお祈りしております。

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 はじめまして、私は国際情勢や軍事問題に興味を持ち、貴殿のHP を閲読させて頂いている者で0000と申します。  イラク三邦人人質事件についての貴殿の文章、ならびに「自己責任」 の考え方について、少々違和感を感じましたので、失礼を承知でメー ルさせていただきます。

 18日のコラムにある、「神浦氏のHPや公演会が事件の元凶である から私財を処分し賠償しろ」という妄言は、相手にする必要はないと思 います。しかし、それ以降のあなたの言葉は全て蛇足であり、また傲慢です。  あなたは11日のコラムで、「危険な地帯に、それを承知で行くのだか ら、それは自己責任という考えが広がっています。(中略)一見、正し いように思えますが、パレスチナで虐殺を防ぐために、NGOの人が人 間の楯になるために世界各地から集まっています。彼らは無責任で しょうか。東南アジアや東アジアで多くの人が虐待されたり、人権を踏 みにじられているのに、そこが危険だからと我々が無視していいでしょ うか」と論じています。

 これは、NGO活動の有用性を訴える文章としては立派だと思いま す。しかし、それは“自己責任”議論が間違っている根拠には、なりえ ません。  また、つづいて「私は危険であると認識しても、行くときは必ず行きま す。もし現地でゲリラに人質となっても、私の生命を守るために交渉してくれとはいいません。殺されるときは毅然として死にます。もし苦しん でいる人がいれば、自分の命を賭けて助けることが日本人の誇りだと 思うからです」と論じていますね。  なるほど。あなたはとても立派です。

 しかし、あなたにその覚悟があっても、あなたのご家族はその 時、「これは本人の意思です。彼は自らの誇りと信念をかけて現地に赴いたのですから、それを穢すようなことはしないでください。彼を助け る為のあらゆる行動は、彼の意思に背きます。どうぞお見捨て下さい ますよう宜しくお願いします」と言うでしょうか? 仮に家族にもその覚 悟があったとして、それで政府はあなたを見捨てるでしょうか? 答え は否です。

 どんな立派な覚悟があって、どんな崇高な精神を持っても、それでテ ロリストが避けてくれるとは思えません。そのことは私などよりも良く 判っておいでのことと思われますが、それでもしあなたがテロリストに 囚われ人質となり、あなたの身柄解放を条件に政治的要求をつきつけ てきた場合、あなたを助けるのは誰ですか?  あなたは、あなたの家族は、誰に助けを求めますか? あなたが私費で護衛を雇っていたり、あなたの家族が私費を投じて民間の警備会 社に救出を依頼したり、或いはあなたの家族が独力でテログループと 交渉出来るのであれば、それでも良いでしょう。しかし、問題が生じた とき、それを解決するのは政府です。

 「何故イラクが危険であるか」「何がイラクを危険地帯にしているか」。 これらを討議することは、実は全く意味がありません。何故なら、「イラ クは危険地帯であり、戦闘地域である」という事実のみが、そこにある からです。なら自衛隊の派兵を云々するのは人質問題とは関係なく、 戦闘地域に丸腰で出向いた三人の無謀さこそが問題にされてしかる べきではないでしょうか。  「今回の3人を助けたのは、まさに高遠さんのような活動があったらです。日本の政府が助けたわけではありません。今までの高遠さんの 活動を無責任と非難しますか。私は尊敬します」(11日のコラム)  百歩譲って高遠氏の行動(ボランティア活動)が、開放を早めたのだ としても、同時に高遠氏の行動(無防備にイラクに足を踏み入れるこ と)が、人質にされるという事実の基となっています。  小泉首相は、「イラクの戦闘は終結した」「サマワは危険地帯ではな い」と言って自衛隊派遣を強行しました。しかしこれは、「自衛隊は軍 隊ではない」という嘘を貫く為の方便に過ぎません。

 自衛隊は軍隊であり、イラクは戦場です。ただ自衛隊は「親方日の 丸土木業者」と揶揄されてまでこなしてきた実績から、民間より劣るも ののインフラ建設などをも行う能力があり、民間にはない戦闘能力もあり、民間人(日本の民間組織)と違って火器の威力行使を含めた武力 使用能力があります。  だからイラクで活動出来るのであって(その「能力」については私より あなたの方が詳しいでしょうから、「実際はそれが出来るだけの能力は ない」とおっしゃるかもしれませんけど)、民間人にはそれだけの能力 があるのでしょうか?  あなたは18日のコラムで「戦場には戦場の論理がある。今まで私が 戦場で鍛えてきたのはそのための経験を積むためである。戦争の厳しさを知ろうとしない者に、戦争は危険だから、国に迷惑がかかるから行 くなと言われたくない」とおっしゃいましたね? では、人質となった三 邦人は、「戦場の論理」を理解していたのでしょうか? 戦争の厳しさを 知っていたのでしょうか?  また一方であなたは「戦場で鍛えてきた」とおっしゃいましたが、銃弾 を跳ね返す訓練でもしたのですか? 人質にされたときは速やかに自 害する訓練でもしたのですか?  あなたは戦場で、何を見てきたのですか? 大地に横臥する骸も、あ なたには他人事でしかないのですね。「明日は我が身」と考えたこと は? その時の身の処し方を、ご家族に話していますか? そして、理解してもらってますか?  もしそうなら、あなた自身に関する私の暴言は撤回し、謝罪いたしま す。

 けれどそうでないのなら。そしてまた三人の問題については。  問題のすり替えは止めてください。政府の「自衛隊派兵問題」と「イラ クの治安」と今回の「邦人人質事件」は、密接に関連しているとはいえ 別問題です。「自衛隊の派兵が間違っているから、高遠氏らの無謀な 行動は許される」という問題ではないのですから。  「軍事の専門家」である神浦氏に対し、随分失礼なことを申し述べた 自覚はあります。「戦争を正邪善悪の二元論で分析する人が本当に専 門家か?」という疑問はありますが、それでも私よりも軍事問題には詳 しいのでしょう。私よりも問題の本質が見えているのでしょう。  なら、問題の本質を議論してください。「全て自衛隊を派遣したのが 悪いんだ」というような、結論がまずある頭の悪い文章は、なるべく控えていただきたいものです。

所長コメント

 今日の昼のテレビ朝日の番組で、鳥越さんが「それでもイラクに行く」という意見に賛成です。ジャーナリストである以上、危険な目にあうことは覚悟しています。ジャーナリストは冬山に登ったり、未開の地を探検することではありません。そこに問題があって、そのことを報道によって広く明らかにし、その問題を解決して苦しんでいる人を助ける使命があるからです。国にとって迷惑だから行くなという人は、日本という国の威厳など語る資格のない人と思います。

 まあこれは社会と関わる見解の違いです。すべての人に同意を得て行うことではないのかもしれません。ファルージャの戦闘で市民600人以上の人が死んでいるのに、そこに誰も入ろうとしないことが異常と思います。人間には命をかけて果たさなければならない仕事があります。これが私の結論です。もうこの問題で議論することをやめます。日本の姿にちょっとがっかりしました。

 今、エルサレムで取材を行っています。(4月19日)

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 00です。お久しぶりです。 今はエルサレムにいます。

 昨日、ガザでイスラエル軍がハマスのリーダーを暗殺しました。その為今日からエルサレムでパレスチナ人のストライキが始まりました。 パレスチナ系の店は全て閉鎖です。僕が泊まっている宿は旧市街なのですが、そこはムスリム地区なので回りの店は全て閉まってしまいました。新市街は比較的ユダヤ系の店が多いので、今僕がいるネットカフェのように開いています。

 エルサレム市内は緊急事態という事で、イスラエルの警察や軍が報復テロに備えた警備を普段よりも厳しく行っています。それでも市民はもう慣れているのか、あまり気にした様子はありません。
新潟での万景峰号来航の日と同じような感じを受けます。

 いい機会なので、じっくりとエルサレム以内を観察しようと思っています。


 神浦さんのHPは毎日拝見しています。帰国してから、たくさんお話したいです。 先ほど、2通目の絵葉書を投函しました。1通目の絵葉書は無事に届きましたか?

所長コメント

 17日にハマスの指導者ランティシ氏が暗殺され、ヨーロッパではそのニュースで大騒ぎです。しかし日本では大きな扱いではなく、また一人過激派が暗殺された程度の扱いです。この温度差はなんでしょうか。先日のイラクの日本人人質事件では、まるでこの世の終わりかというほど大騒ぎでした。エルサレムにいる00君もイスラム活動家にスパイ容疑で取り調べを受けると、国家的な大事件にされて、危険な場所に勝手に行った無責任な若者にされていまいます。

 冗談はともかく、数日して喪が明けるとハマスの報復が始まります。ジャーナリストとして見るべきところはきちんと見てきてください。

 今回のイラク日本人人質事件が与えた教訓。。(4月18日)

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 神浦さんと申します。いつも興味深く読ませてもらっております。

 さて本題ですが… 神浦さんは人質になった18歳の今井さんと面識があるそうですね。 彼は普通の18歳とは違う立派な意識を持った人間だと 弁護されておりましたが、彼がいくら並みの18歳ではなくても、 やはり軽率に彼を行かせた両親は、批判を受けても仕方ないと思います。

  たとえが適切かどうか分かりませんが、 軍隊でも、経験も知識もまだ十分とはいえない少年が志願してきたら、 意識がいくら高くても、足手まといとして雇わないのではないでしょうか。 周りが少年を庇おうとして統制が乱れ、被害が拡大する可能性もあります。

  たしかに、今井さんは18歳としては、経験も知識もあるかもしれません。 しかし、プロのジャーナリストや、医者や技術者のような専門家たちが、 危険を承知で使命を果たす意思で、自分の人生経験を活かしているのとは、 社会に与える印象もだいぶ違うと思います。 それでも行きたいと言い出す、若者の気持ちは分かります。 だからこそ、話し合ってそのリスクを十分に認識させる人が必要です。 家族の会見からは、家族がリスクを十分に認識していたとは思えないので、 社会から批判が集まっているのだと思います。

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 神浦さん、こんにちは。今回の人質とその家族に対する卑劣な中傷・バッシングの件で、私はマスコミの「報道倫理」に疑問を持っています。元神奈川新聞の社会部記者で、現在フリーライターの江川紹子さんもご自身のHPで、以下のような指摘をされていました。http://www.egawashoko.com/menu4/contents/02_1_data_28.html

“今回、ここまで口汚い被害者叩きが行われるのは、事件発生から間もない時点で、メディアや政治家などから被害者の「自己責任」を問う発言が相次いだこととは無縁でないような気がする。
例えば、読売新聞の4月10日付社説。以下のように書いたのは、事件発生の第一報から24時間も経っていない時期のはずである。

<3人にも問題はある。イラクでは、一般市民を巻き込んだテロが頻繁に発生している。それを承知でイラク入りしたのは、無謀な行動だ。3人にも、自らこうした事態を招いた責任がある>
同じ日の産経新聞・産経抄は、こう書いた。

<▼誤解を恐れずにいえば、“いわぬこっちゃない”とは、本来、人質になった三人の日本人に対していわねばならぬ言葉だ。イラクでは日本人外交官も殺害されて治安悪化は深まっていた。外務省は再三、最高危険度の「退避勧告」を行ってきたのである。

 ▼三人のうち一人は週刊誌に写真や記事を売り込むフリーのジャーナリスト、もう一人もフリーライターの若者。女性だけはイラクの子供たちへのボランティア活動に従事していた。同情の余地はあるが、それでも無謀かつ軽率な行動といわざるをえない。

 ▼確かに、国家には国民の生命や財産を保護する責務はある。しかしここでは「自己責任の原則」がとられるべきだ。危険地帯に自らの意志で赴くジャーナリストにはそれなりの覚悟が、またNGO(非政府組織)の活動家らにもそれぞれの信念があったはずだからである。>

 読売新聞は、4月13日付の社説で家族に対しても批判をしたうえで、こうたたみかけた。

<3人は事件に巻き込まれたのではなく、自ら危険な地域に飛び込み、今回の事件を招いたのである。自己責任の自覚を欠いた、無謀かつ無責任な行動が、政府や関係諸機関などに、大きな無用の負担をかけている。深刻に反省すべき問題である>”   

 確かに、なぜマスコミがまだ事件も解決していないうちから、一方的に事件の“被害者”に批判をぶつけなければいけないのか。これは、被害者とその家族の人権をまったく無視した、客観性と公平性に欠けた行為ではないか。上記の“いわぬこっちゃない”という表現は、フリージャーナリストや民間人道支援活動の“価値”や”地位”に対する個人の一種見下した感情で、世論に当事者および同業者に対する誤った認識や過小評価を刷り込む危険性はないか。マスコミが一方的に被害者を批判し、それに誘導された一部の国民が卑劣な攻撃で追い討ちをかける、という第2の被害を生んでいないか。それにより、被害者はイラクでは誘拐犯に武器をつきつけられ、日本では家族を人質に報道の凶器をつきつけられ、言論、行動、思想の自由が脅かされていないか。疑問に感じています。

 ちなみに、こちら(オーストラリア)でも20時間の拘束にあった支援活動家の女性が解放された後に、首相と外相が“あまりにreckless(無謀)な行動だ!”とつよく批判していましたが、それを受けて、“そもそも、recklessな行動をとっているのは、政府じゃないか!”と本人がTVインタビューで反論していました。そしてTV局は、どちらをサポートするコメントをだすわけもなく、政府の批判コメントを流した後に人質解放のニュースに喜ぶ日本人被害者の家族の映像を流す、という編集で視聴者にその判断をゆだねていました。こちらでも政府の批判を受けて、すんなり自己責任論、自己反省論で盛り上がってくれる従順な国民性だと、総選挙をまじかに控えている政府にとっては、何かとありがたいかもしれません。しかし、その兆しはまだありません。

 今回日本では、”退避勧告を無視した無謀な行動”という点が議論のポイントになっているようですが、イラク国内で復興人道支援の活動を行っているジャパン・プラット・フォームという団体(外務省より委託)は、退避勧告後も活動を続けている、との指摘もあるようです(http://www.janjan.jp/government/0404/0404133160/1.php)。もしそうであれば、これは政府公認の団体に属していれば退避勧告後も活動を続ける価値はあるが、その他の団体や個人の活動は価値がない!長いものに巻かれてろ!という解釈につながりかねません。万が一、そのようなダブルスタンダードがあるのであれば、それも問題ですね。

 また、日本ビジュアル・ジャーナリスト協会が緊急集会を開いたという記事がありましたが、「被害者の側に立った報道が出来ない」「日米政府にとって都合の悪い実態は隠れてしまう」「危ないからと戦場から記者がいなくなれば、傷つく側から戦争を伝える人がいなくなる。弱い側の立場から伝えることこそジャーナリストの仕事だ」「ファルージャの戦闘では、600人以上のイラク市民が死んでいる。それを伝えることが無謀と言うなら、我々は仕事が出来ない」という訴えに同感です。我々お茶の間国民にも、事実を知る権利があります。また後世に、より真実にちかい情報を残していく義務もあります。でなければ、50年、60年も過ぎた頃、あちらこちで”○○でっちあげ説”が上がりかねません。取材する人間が、フリーのジャーナリストであろうと、大手メディアの記者であろうと、その「活動の重要性」に優越はつけられません。Size doesn't matter ですよ。

 今回の人質事件では、神浦さんがいち早く外国民間人誘拐の基本的な“カラクリ”を提示してくださったので、犯人側、米軍側の心理状態が想像でき、冷静にニュースを見ることができました。
ありがとうございました。

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 神浦さんこんにちは。 先ほど夜8時50分ころの民放のニュースで見ましたが残った人質2人の安田純平さん と渡辺修考さんが無事解放されTVの画面で元気な姿を見せていました。人質が全員 解放された事でまずは一安心といったところです。

 これまで事件について本人や家 族たちへの非難や政府の対応への批判等ばかりが目立ちましたが少々別の事で気に なる事があります。昨日解放された3人のうちの郡山さん、そして今日解放された渡 辺さんが2人とも元自衛官つまり「ヤメ自」ということです。いろいろ見ていると 紛争地に渡航するジャーナリストや傭兵にヤメ自の人がかなり多いように感じます。

 以前神浦さんは紛争地で戦う元自衛官の傭兵について「ちょっと思い込みの激しい 人たちだと思いました」とおっしゃっていましたが私はそれは違うと考えます。 自衛官として戦闘訓練を受けた者として「苦労して習得した技術を死蔵するのは、 鍛えてくれた上司にも納税者にもにも申し訳ない」と考える見方もあっていいと思 います。ジャーナリストも傭兵も場合によっては自分の命を危険にさらし、ましてや後者の傭兵なら他者を殺す事もありうるのです。そういった職業を自ら選んだ人 たちが思い込みや自己満足やかっこ良さだけで仕事をするという事はないでしょう。

 ヤメ検(元検事)は隠居せず弁護士や公証人になって第2の人生を歩む人が多いで す。やはり苦労して習得した仕事力を死蔵するというのは罪悪感を伴うものなのです。 イラク派遣要員選抜で「志願した」隊員たちの鼻息の荒さ、「落選した」隊員たちの落胆 ぶりはいずれもかなりのものだったようです。敵が攻撃をためらうくらいの軍事的な 練度を維持し抑止力でありつづける事が最もよいことですが、それ以外に自分の兵士と しての技術、勇気と気迫を圧制からの解放や真実のスクープにつなげたいというヤメ自 の人たちの考えを無視してはいけないと思います。

 現在与党で「危険地帯渡航禁止法案」を作るべきか否か論議になっているようですが 憲法との関連上慎重論も多いようです。プライドを持った職業人を保育器の中の未熟児 扱いするこの種の法律には私は反対です。 できればむしろ医師免許や狩猟免許のように「危険地帯渡航免許」等の制度をつくり 危険な土地であえて働こうとする人々の存在を国は認めるべきだと考えます。

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 初めまして、00と申します。いつも、神浦さんの解説に学んでいるものです。

 ところで、今回の人質事件について「自己責任」が湧き上がっています。私は、世論の中で「自己責任」という言葉が出てくることは、とやかく言うつ もりはありません。民主主義国家ですから多様な意見があるのは当然です。しかし、政治家や官僚からそんな言葉が出てくることが信じられません。

 人質になっていた3人は無謀であったかもしれませんが、彼らの活動は同じ日本人として誇りに思っていいと思います。政治家や官僚は、少しは彼ら見習って欲しいところです。

 「解放された人質から救出費用を負担させろ」という政治家、誘拐されてもなおイラクで活動したいという発言に対して、不愉快そうにする首相。この ような、政治家・官僚を見ていると日本政府とはこれほどまでに器が狭かったのかと驚いてしまいました。「また、誘拐されても救出してみせる」とか言えない のでしょうか。(無理だろうな)

 政治家や官僚から「自己責任」などという言葉が出てきた今回の事件は、日本政府の狭量を世界に示したのではないでしょうか。また、世論からも自己 責任論が出てきたことは日本人の狭量を世界に示したのではないでしょうか。こんな様子では、日本の未来は真っ暗だと思った今回の事件でした。

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 神浦さん。 最近神浦さんのこのサイトが偏向しているというご意見がありますが、多分 それはバランスのせいだと思います。それだけ今の日本が極端に偏ってしまっ たと言うことでしょう。 足りない部分をフォローしていれば、自然に傾いていくと思います。 これについて大橋巨泉氏がいみじくも言っておられます。 「一番怖いのは…永六輔、大橋巨泉は昔は真ん中より右だった。全体 の軸が右に傾斜した。今は左翼と言われる。もう左側に人がいない。」 http://kaname.cc/?date=20040418

 以下は、阿修羅サイトのエンセンさんの投稿で知ったページです。 「ファルージャの目撃者より:どうか、読んで下さい」                  ジョー・ウィルディング http://www.onweb.to/palestine/siryo/jo-fallujah.html

 この方は名前はジョーですが、文章の内容や名前のスペル(Jo;男性ならJoe になる)からすると女性でしょう。 これはあろうことか一時停戦中に起こった出来事です。イラクのジェニンとも ソンミ村ともいわれている、ファルージャで起こっている殺戮のほんの一部で す。 また、高遠さんのことについても触れられています。どうか読んでください。

 次は今井さん救援サイト系のホームページです。 http://www.creative.co.jp しかし、ここの掲示板も例の「サイバーテロ」食らってますね。 なんであんなに執拗に被害者を罵倒するのか。救出に金がかかったから一部請求したいくらいだって、あんた、政府がこんな事言って恥ずかしくないのか?

 このままでは、景気も、失業者が減らないのも、消費税が上がるのも、郵便 ポストが赤いのも、全部人質解放に経費がかかったからと言いだしておかしくはない。 日本政府が自国民である被害者をを叩いて、他国である合州国の国務長官が被害者をフォローする・・・、なんか変じゃないか?

 「イラクに自衛隊派遣をごり押しした政府が悪い。」から、 「勝手にイラクに行って危険な目にあって迷惑をかけた彼らが悪い。」に見事 にシフトされました。 このままではこの3人が帰ってきた時どうなるが、空恐ろしくなります。 ご家族の方も疲れ果てて正常な判断が出来なくなっていることでしょう。 なんとか彼らを守る手だてはないものでしょうか。

  因みにこれは今回の自作自演疑惑に反論するページです。 <「イラク日本人人質事件・被害者自作自演説疑惑」の「根拠」を検証する ページ> http://www.geocities.jp/iraq_peace_maker/index.html このままイラクの戦況が最悪の展開をして、自衛隊の方たちに深刻な被害が出 たら、日本国内でテロが起こったら、また、国民の声も変わるかもしれませ ん。日本人の民意なんてそんなものだと思ってしまいます。 しかし、911後の合州国のようになる可能性もあります。 神浦さん、そうならないようにこのサイトと共に頑張ってください。 微力ながら私も協力いたします。

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 00です。 宜しくお願いします。

  今回の人質事件について感じたことですが、自己責任や自ら の覚悟は抜きにして、家族の話し合いが徹底的に不足しては なかったでしょうか。 (家の子に限ってみたいな...) 神浦さんは自分が危険地帯に行く時は、身の回りを整理して いくとおっしゃいましたが、御家族とはシュミレーションを 細部にわたって行い、この状態の場合はこの方法で対処する 等、残されて行く家族が本当に納得いく方法で説得されてい ますか?

  私は今回の家族を見ている限り、そこまでの話し合いはなさ れていないが故に、あの様なある意味醜態をさらしたのでは ないかと思っています。 例えば、個人として戦場に取材もしくは支援に行きました。 下手をうって戦闘にまきこまれました。

・背中を撃たれた、下半身が動かない。

・頭をぶつけ記憶喪失になった、荷物を落とし自分を証明  するものは無い。

・不幸にも死んでしまった。 色々考えればきりがありませんが、どの位のスパンかは人に よって違いはありますが、本人から無事の連絡がない家族は 心配します。

  どんな方法を使ってでも、無事かどうかを確認しようと奔走 する筈です。 そして運良く本人は見つかりました。 例え死んでようが生きていようが一刻も早く救い出したい、 でも渡航自粛だし、周りからも止められる。 仕方なく政府若しくは専門の会社に頼む、そしてどの様な形であれ本人が帰国する。 この際、ビジネスライクに考えた場合、一連の動きに生ずる 費用は、馬鹿にならないと思います。 (保険等はどうなるのでしょうか?)

 それら全てを、家族がかぶらないといけないのです。 悲しいけど、現在人が動くという事は、お金が動く事です。 そこまで考え、話あった上で行くのであれば、それは本人の自由だと思います。 今回誘拐という形で事が発生し、危険をとして色々な人間が 動きました。 (もし今回の一連の動きの中、関係者が死んでいたら...) そして費用が発生し税金で賄われました。 これはある意味不謹慎ですが運が良かったかもしれません。 しかし一見落着では済まない、後味の悪い結果です。 (真相は闇の中でしょうか?) まだまだ、この件に関しては世論が動くでしょうね。

 私はダイビングをします、その際誓約書にサインします。 何事があっても自己の責任を確認する為です。 昔潜る直前、一言二言言葉を交わした人が、私がダイビング を終えて、ボート上でまだ上がって来ない人を待っている時 に目の前で溺れ、一時間後病院で亡くなりました。 後で聞いた話ですが、その人はお医者さんだったそうです。 その人がパニックに落ちて溺れました。 ご両親が遺体を引き取りにこられたそうです。 その際、謝るダイビングショップの関係者に文句一つ言わず 深々と頭を下げられ、帰って行かれたそうです。 遊びにも自己責任が問われる様に、今の世の中、この言葉の 意味を考え直す良い機会ではないでしょうか。

 その様な事を考えながら、このニュースを見ている自分がい ました。 神浦さんすみません、全然上手くない文章で、自分の考えを ちゃんと伝える自信がありません。 もし掲載されれば、多くの誤解や批判を引き起こすものと思 います。 それでもこれを機会にNGOや個人ボランティア、公的私的 色々ありますが、政府や国民が戦争を客観的に捉え、議論し 考慮した上での、平和的活動を模索する機会になればと思い ます。 それでは、失礼します。

 今回の日本人3人の人質事件が与えた教訓。(4月17日)

届いたメール

 神浦さん、お久しぶりです。札幌Offでお会いしました旭川の00です。 Offの後、お礼状を差し上げようと思いつつ、ちょうどイラク関係の情勢の急変を受けて『ちょっと落ち着いてから』と思っていたら全く落ち着かず今日に至りました。あの時の講演は非常に面白かったです。


 さて今回、イラク誘拐事件では、その札幌Offに参加されていた方が被害に遭われたとの事で、当初は非常に心配をしていたのですがその後の被害家族の会見などを拝見していると、非常に違和感を感じ、また神浦さんのコメントにも始めて、同様の違和感を感じました。 要約すれば、以下の引用コメントに全てがあります。

>それではなぜ犯人は3人の人質の早い解放を決めたのか。
>それは高遠さんのためであると断言する。高遠さんはバグダッドの
>ストリートチィルドレンのためにボランティア活動を行っていた。
>この行為を犯人たちは高く評価したと思う。このことがイラクで広く伝わって、
>3人は人質から客人に対応が変わったと思う。
>早々とシーア派のサドル氏たちが、この誘拐は我々ではないと表明したのも、
>高遠さんのような友好的な人を誘拐したことを非難した結果と思う

 これはたまたま、今回の誘拐犯が『情緒を理解する』人達だったからこそ成立し得た結果であり、あくまで『結果論』ではないでしょうか?

 一方で自爆テロなども頻発する地域であり、日本にいる者の見方として人命に対する価値観は、日本に比べてかなり低いのではないか?とも取る事が出来ます。

 あるいは今回は起こっていませんが、民族浄化などが行われている地域であったとして、被害者のボランティア映像が『対立民族へのボランティア』であれば、やはり結果は違っていたのではないかとも考えます。

 『自己責任』論とか、神浦さんの『見捨てないで』発言などがありますが犯人との交渉にも人命リスクが伴う事を考慮すれば、やはりそこには最低限の『約束事』は必要と考えます。その約束事が具体的には何か?はこれから議論されるべきでしょうが少なくとも、今回の事件を論じるときに『情緒』面は排除して考えるべきでしょう。

 今回の結果も、神浦さんが指摘されるような『情緒』面がたまたま通じるような話の分かる犯人だったからだ。とこれを例外的に扱うほうが、今後の蓄積にはなると思いますが、いかがでしょうか?

 長文失礼いたしました。今後とも益々のご活躍をお祈りしております。

届いたメール

 先日メールを送りましたニュージランドで「交渉学」を研究している者です。

 交渉学から見た人質解放の理由

  前に説明した交渉学の観点から、今回の解放の理由を考えてみます。

 第一に、交渉当事者が武装勢力と3人の人質のレベルに 戻ったこと、そして、その3人が自衛隊派遣に関する限り日本政府の味方というより、イラク人の味方だという認識で一致したこと。日本政府の立場と一線を画 した家族のメッセージや、3人の人質がイラクで行っていたボランティアなどの情報が確認されて、敵ではない、と認識させることができたから。聖職者協会か らの情報も助けになったのでしょう。

 第二に、日本政府からの自衛隊派遣目的についての説得が功を奏して、武装勢力が日本政府を味方だと認識したから。

 第三に、前二者の中間として、新しい人質を確保したことから、日本政府と世論の様子を見るために、3人を解放してみたという戦略。

 以上のうち、日本政府からは、交渉中の情報管理が甘く誤解を受けたというような反省も出ているほどで、自分達の交渉で自衛田派遣目的の理解が得られたという説明はありませんから、第二はとれません。

 そうすると第一か第三かということになりますが、いずれにせよ、次の2人の解放交渉こそがイタリアと同じ道を通るかどうか、分かれ道になり、日本人としてどのような国策をとるのか、という自分達の大問題に直面せざるを得なくなったということになります。

届いたメール

 こんにちは、50才の会社員(男)です。初めてお便りします。 長い間(3年半位でしょうか?)、神浦さんのホームページを拝読させていただいて おりました。 いつごろからか、ぼんやりと神浦さんの考え方変わってきたなと感じていました。 最近ではハッキリと、特定の思想を感じます。

 読み始めの頃は中立で、ズバリ切り込む鋭さ、軍事をわかりやすく説明して下さるので、ほぼ、毎日のように拝見しておりました。 しかし、最近の内容は・・・?偏ってきたのはなぜでしょうか?残念です。 ありがとうございました。

届いたメール

 こんばんは、東京の00です。 3人が解放されても、左右の遺恨試合は続いて面白いですね。 仲介者も含めて手柄争いも加わるので、笑えますね。 真に汗をかいた人たちに感謝したいと思いますし、 あと2人がんばってほしいです。

  気になる点が一つありまして、 郡山さんの自衛隊歴が早い段階で明らかになってしまったことで、 かなり無責任な報道だと思います。今捕らえられている、 渡辺さんも自衛隊出身らしいですが、テロリスト側は スパイの進入にかなり神経を尖らせている感じで、 情報の流れによっては、簡単に命を落としかねないと思います。

  こういう人質事件の情報戦には、細心の注意を払ってほしいものです。 小泉首相の「テロリスト」発言やベルルスコーニ首相の 「交渉しない」発言も教訓になりましたね。 テロリスト側に同情をよせる人が日本にも多いですが、 民間人を拉致してそののどにナイフを突きつけた以上、 テロリストはテロリストでまったく同情の余地はないですが、 発言には細心の注意を払わなくてはならない。 揚げ足をとられたり、ひと一人が簡単に惨殺されてしまう 人質事件の怖さですね。

  今回の事件で世界中でテロ・ゲリラの論理を肯定する人と 軍事の論理を肯定する人と溝はかなり深いですが、 私はどちらかを選ぶかを強制されるとしたら 軍事の論理を選ぶしかないと思ってます。 ファルージャの戦闘で亡くなった人々、また、 惨殺されたイタリア人のご冥福を祈りたいと思います。

届いたメール

 神浦さん、 いつもHPを拝見させていただいています。0と申します。 今回の誘拐事件については多くの方がメールを送られ、もはや読み飽きておられる事と思います。わかっているのですが、 我慢できません。お許しください。

  今、アサヒ・コムを見たら、トップ記事が『「解放の費用公表を」 自己責任問う声』ですよ。誰の声かと思ったら政府・与党だと。 言う方もどうかと思いますが、こんな見出しをつけてトップに 持ってくるセンスが信じられません。高みの見物決め込んでる のが丸わかりですよ。

 不謹慎かもしれませんが、私が同じ立場だったら、「行く」という 選択肢を最後まで手放さずに悩み続け、結果彼らと同じ判断を下していたかもしれません。準備が足りないかもしれません。 考えが甘いかもしれません。皆がやってないことをやるという、 ちょっとは色気もあるでしょう。 でも、イラクで今起こっている皆が知らない事実に触れ、 それを伝えることで皆の認識が大きく変えうる事を知りながら、 どうして何もせずにいられるでしょう。 素人の私さえそう思うのに、同じジレンマをよりリアルに感じる であろう新聞記者が作る見出しが「自己責任問う声」ですよ。

  こんな糞記事載せなくても、歯医者の賄賂がらみでいくらでも 書くことあるでしょうに。 コーヒーすすりながら同時通訳付でアルジャジーラの番をして、 めぼしいニュースを見つけたら慌ててビデオまき戻す姿が 目に浮かぶようです。 お三方は帰国すれば、多くの批判を見聞きし、悩むことでしょうね。 反省すべき点もあるのかもしれませんが、守り貫くべきものまで 萎縮して引っ込めてしまうことはありませんよ。 わざわざイラクのストリートチルドレンを助けるなんて、高遠さんも 相当変な人です実際。

 でも、公害問題や冤罪事件を泣き寝入りから 拾い出し支え続けたのは、自分には何の得にもならないことに 首を突っ込みたがる「変な人」達ではなかったでしょうか。 「劣化ウラン弾の実態を明らかにするまで、何度でもイラクにいってやる」 位のことを記者会見でぶちまける気概を持つよう、今井さんと面識の ある神浦さん、是非助言してあげてください。 って、暴論ですかねぇ。

届いたメール

 今日は! 今回の3人の解放は、高遠さんの実績が買われて解放されたのでしょうか?

 今回の事件では、犯人グループは政治目的を装いながら本当の狙いは営利目的の誘拐ではないでしょうか?
 

推測1ビデオから

 人質の表情から緊迫感が感じられない。『明日にでも処刑されるかもしれない。』という雰囲気があのテープからは感じられず、手振りで何らかの会話をしていて余裕すら感じる。この時点で解放は時間の問題で、その後のテープ のやり取りはやらせではないか?


推測2自衛隊撤退について
 たかだか3人の民間人を人質に捕ったくらいで、国策が2-3日で変えることが出来るとは、犯人グループも思っていないと考えるのが妥当ではないか?

推測3お互い様
 身代金を要求する側も支払う側も全く事実を公表しない方が相互に都合が良い為。身代金要求の『み』の字もでてこないのは不自然。

まとめ
 献身的なボランティア活動をする方々には、頭が下がりますが、今回の事件を振り返ると、やはり
行動に配慮が欠けていたと非難されてもしかたがないと思います。
 家族の態度にも問題があります。公の場に出るのであれば、まず国民に謝罪すべきです。東京で記者会見している時間があれば、自費でアンマンまで行き、雑用位する覚悟がほしかったです。態度が全て他力本願的で、幼稚です。愛情や崇高な理念だけでは人は救えないのです。ボランティア活動をされる方は、常識もわきまえた人であってほしいものです。

所長コメント

 イラクは今月になって急激に治安が悪化しています。おそらく現地の方でも予想以上に早く治安が悪化したと思います。これは米軍が6月末の主権委譲に向け、一気に反米勢力を叩きつぶす作戦に出たからと予測できます。その象徴的な戦いがファルージャの反米勢力とシーア派のサドル師の民兵組織だったようです。そのような米軍の猛攻を受けて、反米勢力が外国人の人質作戦をとったのが人質事件と考えています。我々には許されない暴挙ですが、圧倒的に強い敵と戦うゲリラ戦では通常の戦法です。

 逆にこのような人質作戦をとられると、民主主義やメディアが発展した国は動きがとれなくなります。そのような政府や国民のイライラが、人質(家族を含む)の無責任論を沸き起こします。ゲリラの人質作戦は軍事作戦上は心理作戦です。人質を取られてパニックになってはゲリラの思う壺です。政府機関など心理戦を行うものは、世論の動向を注意深く分析し、パニックを沈静化する方策をとるべきでした。しかし逆に感情的な部分を煽ったように感じました。感情的な世論では人質に害を与える危険があります。日本政府や社会が、「人質の行為は自己責任」論では、ゲリラにどうぞ人質を好きに殺してくださいと言っているようなもです。

 今回の救出にかかった費用を人質に負担させろという意見には驚きました。そのような暴言が責任ある政党幹部から出たからです。そんなことを政治家が平気で言える国でいいのですか。だから北朝鮮になめられるのです。

 もし私が今までの態度と違っていたら、それは人質を安全に解放させという一点で物事を考えたからです。まず現地のメディアを使って、高遠さんのボランティア活動をイラク人たちに報じることです。間違っても彼ら3人が、好き勝手に戦地のイラクに戦争観光に行ったというイメージを与えてはいけないのです。犯人側が要求した自衛隊のサマワ撤退など、そのことを人質解放交渉の議題にしてはいけなかったのです。これは人質交渉術なのです。

 今回、悪いには明らかに誘拐したゲリラです。そのような者と交渉して、人質を安全に取り戻すことを考えるべきです。その案に賛成も反対もありません。政治的な立場や思想も関係ありません。

 日本人があと二人誘拐されています。この二人は自分たちの行動をゲリラが理解してくれると誤信して現場にいったようです。カンボジアで死んだ一ノ瀬さんに似た行動です。しかし戦場では仲間以外はすべて敵と疑います。いくら本人たちがゲリラを説得しても、最初に中国人とウソをついたことで疑いを晴らすこと難しいと思っています。まず日本人二人がゲリラの敵ではないことを知らせるメッセージを送ることが必要です。   

 日本人人質3人の解放についてメールを送ります。(4月16日)

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 神浦さん こんにちは。無事の帰国の運びでよかったですね。 浦島太郎状態でしょうから、マスコミ等の騒ぎにかなりびっくりするでしょうね。 叩かれるんだろうなあ。 ま、でも助かったんだから、辛いでしょうけど耐えていただきましょうか。(笑)

 さて、「自己責任」て言葉が一人歩きしているように思えますが、どう思われますか? テレビのアナウンサーも「自己責任なんですから」と声高に訴えたり、 「私に万一のことがあっても見捨てよ」という遺書を抱えてジャーナリストが イラクに入ったのを立派だ、というキャスターがいたりしますが、今のイラクは もう「自己責任」の範囲を超える状況で、自らだけで責任を負うことが できない、なんでもありの危険な場所だと感じます。

  テレビ局の人も、フリーのジャーナリストに危険な部分を委託しているのに、 よくそういうことを声高に言えるなあ、と不思議な気がします。 とはいえ、まずはファルージャですよね。 イランの外交官もバクダッドで正体不明の武装組織に殺されました。 シーア派と米がうまくいくのを嫌う勢力の妨害でしょうか。

  世界各国からの圧力がきいてファルージャへの攻撃がなくなると 良いのですが。。 それから外国にある日本企業、大使館、一般人への危険度アップでしょうか。 米のアキレス腱は日本ということがわかったし、いろいろな意味で 日本のプレゼンスは上がったことから、アルカイダから狙われそう。 基本的に、アジアやイラクが親日で友好的であるうちに、 日本には独自のスタンスや政策をとってほしいですね。結果として、 日本が狙われる理由もなくなると思いますし、イラクの為にもなりますし。。 それでは、また。

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 神浦さん またまたこんにちはです。 昼休み中に貴サイトの更新分読みました。昼休み時の楽しみにしています。 昨日は掲載どうもありがとうございました。(神浦・・・人間の楯がおかしいとメールを下さった福岡の方です)

 また、疑問にお答え下さりどうもありがと うございました。やはり今回は人間の盾が一番有効ですか・・・。しかし、この場合、 人 間の盾というより他の呼び名があった方がいいかもしれません。

2ちゃんねるにまったく行かれないとは知らず、スレッドをお教えしてすみませんでし た。 しかし、今回の被害者叩きには、2chに偏見の無い私もさすがにうんざりして、ブックマークしているスレ以外に見る気がしませんでした。しかし、今回、ヤフー等他の「 大手」掲示板も同状態だったと聞きます。それ故に内職説などの逆自作自演(政府側の 自作自演)説が出たりするのかも知れません。こうなれば是非ともあの反吐の出るよう なニセメールを流した当人を確定して厳重注意するくらいは、せめて、やってほしいも のです。

  まあ、2chにもたまには役に立つ、有志が個人で作ったりしたまとめサイトとか出来 るので、その時はお教えしますね。 たとえば、去年のイラク戦のときは、あらゆる局の固定カメラのURLをまとめたサイ トが出来ました。 それから、以下、例によって阿修羅から拾ってきました。ほとんどがソースありのニュ ースの転載ですのでご存じだったらすみません。「バグダードバーニング」は、現地か ら声を上げている24歳のイラク人女性の貴重な文章です。心を打たれます。ご存じでな かったら、是非お読み下さい。そして、是非、貴サイトでご紹介下さい。

  バグダードバーニング by リバーベンド http://www.geocities.jp/riverbendblog/ パウエル長官「『危険をおかしてしまったあなたがたの過ちだ』などと言うべきではな い」(Video) http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/802.html ↓これにはもう開いた口がふさがらず、そのまましばらくぼ〜っとして口の端から涎が 垂れました。 パウエル長官の方が遙かに人間らしい。小泉首相はある意味森前首相よりタチが悪い。 ポチと呼ぶにもポチから文句が来そうです。 「当夜」とは、3人が拘束された情報が入った夜のこと。 これも、万一ご存じなかったら是非お読み下さい。同じように口が開いたままになるこ と請け合いです。 「当夜の行状:こんな小泉首相に「テロに屈しない」とほざかせていいのか!:「康夫 さん、やってください」

  [アサヒ芸能4・22」 http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/222.html 当夜に小泉首相と同席した新聞人:岩見隆夫氏(毎日)・橋本五郎氏(読売)・早野透 氏(朝日)[週刊文春4・22] http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/755.html 3人のおかげで日本の政府と国民は“別人格”だと判断されたことを喜び感謝したい。

  http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/722.html ああ、日本政府のなんと情けないことか。おまけに、人質が助かったことを自分たちの 手柄のように言っているようではないですか(会社でネットでしかニュースが見れない ので勘違いでしたらすみません)。はぁ・・・(ため息) 今回の高遠さん、まさに「情けは人の為ならず」を地でいくような感じでしたね。一日 も早く彼女の「子供たち」に会えますように。私は普段は無神論者で不信心者ですが、 今回は天国の奥さんや井上さんにマジで祈ってしまいました。

 今は安田さんや渡部さん の一刻も早い解放を願って止みません。そして、イラクでの殺戮が一刻も早く終わりま すように。 相変わらず政府は自己責任などとほざいてますが、危険を冒してそういう所に行くジャ ーナリストがいなければ、誰が事実を伝えるのか(あんたらは隠すだろうが)。軍人が ボランティアの心細かい仕事を同等にこなせるのか?私には彼らのマネは多分出来ませ んが、彼らを尊敬こそすれ、愚か等とは決して思いません。そんな人たちを見捨てる国 家なんてもうお終いです。 それでは長くなりましたのでこの辺で。 これ以上、神浦さんがてんてこ舞いになるような大事件が起こりませんように。

                        今日は祈りモードの00より

届いたメール

 神浦さんへ 。初めてメールする00と申します。北朝鮮問題は神浦さんの分析で、無用な恐怖を持つことなく冷静になれました。

 今回の人質の無事解放本当に良かったと思います。ただ、新たに二人の方が行方不明になっているので、予断を許さない状況ですね。 ところで自己責任論が出てますが、これちょっと危険ではないかと感じています。私は、人質になった3人には違和感を感じているし、判断の甘さ等批判的な のですが、この自己責任論が自業自得にすり替わっているのは違うのではないかと思っています。
この誰が悪い論は左派の人は自衛隊派遣が悪いと言い、右派の人は3人が悪いと言っていますが、せっぱ詰まった思いがあるとはいえ、民間人を誘拐して脅迫 した犯人側に非があるのは当然ではないでしょうか。

 またメディアでも、主義主張を超えて人質を救出する事を最優先にするべきところ、別次元で話す事をごちゃごちゃにしていた様な気がします。私は、イラク 戦争にも反対でしたし、特措法による自衛隊派遣にも反対でした。日本が出口政策として、自衛隊撤退の議論するのも必要だと思っています。しかし今回の誘 拐事件を受けての撤退は反対です。ですから要求をのんで撤退すべきという人々が少なからずいたのにはちょっと疑問を感じまています。

 しかし、今回の事で一番痛感したのは、実は自分の脆弱さでした。彼ら3人が声明文の通り惨殺され、映像が送られる様な事があったら耐えられないと思った のです。これは多分生理的なもので、欧米の様に派兵する事が普通の国の人の覚悟と、戦場に行かない国の人間の差だと思います。私の勝手な思いですが、日 本人は、戦争反対派も国際貢献賛成派も、戦争の実相を根本的な所で理解できていないかもしれないと感じました。

 大変お忙しいなか、長文のメール失礼しました。お体にお気を付けて、益々のご活躍をお祈りしております。

届いたメール

 こんにちわ。 いつもサイトを拝読させて頂いております。 さて、過日イラク・サマワの陸自基地近くに着弾した物体の 発射装置の写真を載せたサイトをみかけましたので、 一応メールをお送りしました。 「これが発射装置の写真 サマワの陸自宿営地砲弾」 http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20040414&j=0070&k=200404141284 では、失礼致します。

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 先日はメールの掲載を頂き、ありがとうございました。 とりあえず3人の解放については、とても安心しました。 但し、その後の扱いについては早速懸念が現実になってきた感が見られます。 自民党の会合においては彼らの「自己責任」を問う声が続出し、 救出経費を取るという意見すら出たといい、とんでもないことです。

  だいたい、今回の件で解決に繋がったのは、神浦さんも仰る通り 本人達が強い善意を持ってイラクに接していたからでしょう。 政府は誠意も無くオタオタしていた程度で実質何もしていません。 救出に貢献していないのに救出経費を出せとは噴飯ものです。 また、大前提の自己責任とやら、の考え方にも疑問が強いのは前にお送りした通りです。 もしそれを問うと言うのであれば、その前に政府の責任をまず問うべきです。 何故なら、このような危機を招いたのは超・近視眼的には本人の行動 から来たとも言えますが、元はと言えば政府が自衛隊派遣を強行した が故、情勢が日本にとって悪化したからです。

 他国民にも誘拐が続出していますが、大体において米国支持や派兵をしていない場合は「間違っての拉致・短期解放」となっています。 政府対応が国民の危険・安全に直結している証左です。 自分の行動による他者への影響を考えておらず悪影響を与えたと いうなら、首相の派兵判断にもそのまま当てはまる批判で、程度や規模は比較にならず大きいものです。 本来、トップは国民の安全に責任を担うものですが、むしろ逆行して いますし。 元はと言えば国家の不誠実な判断による事態、その責が問われて いない、という状況の元で自己責任とか言われても、それは単なる 「責任者の責任逃れ」以外ではありえません。 相手を責めることで自分の責任を糊塗するというのは、最近ではよく 見られる傾向で、困ったものです。

 ドレイミ氏はペテン師という情報があります。(4月16日)

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 神浦さん、はじめまして。いつも興味深く拝見させて頂いております、東京の0000 と申します。

 イラク問題でご多忙のなか、ホームページへのコメント大変ご苦労様です。直接は関係ない話で申し訳ないですが、私の母校であります東京外国語大学の教官を中心にして(?)かどうかはよくはわからないのですが、仕事上、大学生の相手をする機会がありまして(都内で競泳のコーチをしております)、『国立大学独立行政法人化の諸問題』というウェブサイトがあります。 

 http://ac.org/dgh/blog/)。元々はタイトル通り、今春に施行された国立大学の独立行政法人化をテーマにディスカッションをすることを目的としたサイトであったのですが、思想的にというか、もともと自衛隊のイラク派遣等に問題意識をもち意見のある人々の集まりであるということもあり、新着情報はイラク問題に関するものが多く見受けられるのです。

 情報ソースの信憑性という面では、検証不能なものも多々含まれてはいますが、人質事件に関して、ドレイミなる人物の情報について、4月13日付で寄せられている情報を、転載します。



>> インナーネットソース#83>仲介者ミズヘル・アル・ドレイミの本性
>> Date: Tue, 13 Apr 2004 03:30:03 +0900
>> Subject: 星川 淳@屋久島発 インナーネットソース #83
>>
>> ■緊急情報2(転載可)【13日3時すぎに受信。“情報”とは補足説明の意】 情報の混乱を避ける目的で書きます。
>>
>> 仲介者として登場したミズヘル・アル・ドレイミ(緊急声明4で仏語式にミュ
>> ズヘール・アル・デライミと書いてしまいましたが)は、謎が多く、ペテン師
>> といわれている人物で、1991年、サダム・フセインのボディーガードだと称し
>> て、フランス・テレビTF1のスター的ニュース・プレゼンテーター、パトリッ
>> ク・ポワーヴル・ダルヴォールのニュース番組に登場し、キャピテン・カリム
>> と名乗った人物です。後日、それが真っ赤なウソだということがわかり、彼の
>> いうことに同意を与えていたパトリック・ポワーヴル・ダルヴォールも事実ね
>> つ造の嫌疑をかけられて裁判沙汰になりました。その後、この男は企業家と自
>> 称して、あちこちのメディアに顔を出し、現在ではイラクで、<イラク人権擁
>> 護団体>の市民反戦活動家と自称しています。しかし、裏ではCPAのポール・
>> ブレーマーとも繋がっているとまで指摘されています。
>>
>> フランスでは、ペテン師として知る人の間では有名です。
>>
>> 読売のサイトが日本時間深夜1時頃に彼の声明を流しましたが、しかし、この
>> 仲介役といわれた男も、現在、拉致グループから追い出されました。私たちの
>> 市民のネットワークが信頼されたのです。一時はこのペテン師が登場したこと
>> で、事態の推移をたいへん危惧しましたが、まもなく、何事もなければ解放さ
>> れるはずです。そして多くの真実がわかるでしょう。
>>
>> 仲間の三人は元気で、客人として接待されているということです。
>>
>> 取り急ぎ。
>>
>> グローバル・ウォッチ/パリ
>> コリン・コバヤシ



 サイト関係者が受信した「コリン・コバヤシ」なる人物の文章の転載の転載でありますから、情報の真偽のほどは不明です。当然、神浦さんのおっしゃるとおり、 ドレイミ氏が犯人グループに何らかのつながりのある人物であることも考えられる訳ですが。

 こういうことに関しては、余りよくわからないのですが、このように自分の経歴を詐称しながら売名行為(?というのかな? 偽名の場合も?)を行ったり、メディアに露出して利得を得たり、あるいは何らかの目的を持って情報の混乱を企図することは、素人考えでも、多いのだろうなとは予想できるのです。が、実際のところ、そこまである筋では素性のしれているような人物を、何の裏もとらずにイ
ンタビューして発言させると言うことも、不自然であるようにも思います。まあ、今回の一連の、犯行声明を放送してしまうというようなアルジャジーラの報道姿勢をはじめとして、やはり西洋的(あるいは、日本人的な)価値観からの観点のみ情報の判断をしてしまうことは、ミスリードにつながってしまう可能性があるということでしょうか。

 いずれにしろ、本日発覚した新たな人質情報の安否も含めて、すべてが解決に向かっていくことを願ってやみません。

 最後になりましたが、神浦さんの、我々素人にもわかりやすい、かつ正確な分析は、いつも自分のスタンスを考えていく上で参考になります。ご多忙とは存じますが、お体にご留意されてなおいっそうのご活躍を期待いたしております。


所長コメント

 日本人3人の人質が解放されて、イスラム聖職者協会の関与(情報)が正確だったことが判明しました。ですからドレイミ氏の評価は逆に低下したと思います。ドレイミ氏がペテン師だったかはわかりませんが、人質をとった武装グループと本筋で繋がっていたと言えなくなりました。今後の人質事件では、交渉人としてドレイミ氏の評価はかなり下がったと思います。

 3人の人質事件が解決してこの情報は非常に価値があると思います。しかし事件が解決する前なら、この情報は単に参考情報として扱われていました。情報は生き物です。中身は本物でも、あるときはボロを着たり、ある時は立派なスーツ姿で現れます。また中身が偽物でも、立派なスーツ姿で現れることもあります。軍事を勉強(研究)することは、そのような真偽混ざった情報を取捨選択し、より高い精度で現状を把握して、適切な対処をすることだと思います。

 批判的な意見も掲載してください。 (4月16日)

届いたメール

 ほぼ毎日見させていただいています。(帰宅後に夕食や入浴よりも優先的に見させていただくことが多いです) 

 学ぶことが多く、有用な情報源であると認識しています。 さて、人質事件が解決するまでは、人質となった人達やその家族に批判的な意見は掲載しないこととするということでしたが、幸運なことに無事に開放されました。(イタリア人の殺害は残念なことです。)

 今後は支持する意見、批判する意見ともに掲載されるようお願いいたします。 世論が割れたと言われますが、実際はどうなのかを考えるためにも批判的な意見についても目を通してみたいと考えています。

所長コメント

 私はより正確な判断をするために、偽(信頼性のない)情報の多い2チャンネルは見ません。また程度の低い情報(軍事を含む)誌は読みません。しかし私に問い合わせをする記者で、2チャンネルの情報を信じて問い合わせてくる人が少なくありません。そんなとき、「根拠のない情報を参考にしないほうがいい。単に思いつきで、それらしく真実を装っているだけだよ」と説明します。インターネットで明らかにウソ情報を意図的に流す人もいるようです。いわゆる情報の質が問われていなく、意外性や面白さだけが情報の価値を与えられているのです。

 今回は人質が自作自演しているとか、家族のプライベートを悪意で書いてくる人がいました。そのような情報をここに載せると、正確な判断(分析)をする妨害になるのです。しかしすべて批判的なメールをボツにしているわけではありません。これは必要だと判断した批判メールは、私にとって不利であっても掲載します。そのことは皆さんもご理解して頂いていると思います。

 軍事情報はその情報の質が問題になります。ゴミのような情報は有害で、混乱を起こすだけの要因になります。ですから私の経験と知識で、情報を選択することは重要な分析過程なのです。むしろ私の仕事は、マスコミなどの情報の質を見極め、そこから情勢を分析をすることなのです。

 これからは他の情報と私の情報を見比べて、どちらがより真実に近かったかを的確に判断してください。とにかく私のホームページでは、使い物にならないゴミ情報はできるだけ排除します。

 悪化するイラク情勢に日本人の感覚がついていけない。 (4月15日)

届いたメール

 おはようございます。東京の00です。 メールを掲載ありがとうございます。

   昨日のメールで日本の左右対立が酷いと書いたのですが、 今日の週刊新潮と週刊文春は最悪ですね。 インターネットでは、人質事件の早い段階から 被害者に対する人格攻撃が始まってました。 それが事実かどうかは知りませんが、 そういうのは、完全に人質の安全が確保されて、 帰国して英雄扱いでもされたらにしてほしいところです。

  現段階では有害無益の鬼畜の所業でしょう。 どんなささいなことで、人質が死ぬかわからない状況なのに、 日本国内の左右両派ともタガがゆるんでいると思います。 事件が完全に解決されるまで、完全に沈黙を守り、 解決された後に、「人質を見捨てた小泉は鬼畜!」「人質事件に 便乗した政治運動は鬼畜!」とハデに戦えばいいでしょう。 右も左も状況に応じたメリハリのある大人になってほしいです。 今日も新たに2人の日本人が人質に取られたようです。 日本全体で人質事件の基本に帰るべきではないでしょうか?

届いたメール

 神浦さん。 福岡の00です。 ご無沙汰しておりますが、サイトは欠かさず読んでおります。(神浦・・・この人は以前、細菌兵器などの情報を送ってくれた方です)

  今回の人質事件で、私は日本人でありながら、すっかり日本不信に陥ってしま いました。これでは大戦中と変わりないではないか。民族の本質というものは 半世紀そこらでは変わるものではないのかも知れません。 今は戦時下なのだと思い知らされました。

  ただでさえ精神的に追い込まれている被害者家族へ、励ましや思いやりより も、誹謗中傷嫌がらせが横行し、あまつさえ3人の自作自演説までが、まこと しやかに飛び交う始末。このまま家族の誰かが発作的に自殺してしまったら、 どうするつもりだろう。いや、それでさえ、ザマアミロと言いかねない。 実際私や妹の職場でさえ、「自分から危険地域に行ったのだから、殺されても 自業自得だ。」という人達がいる。(じつは、私はつい、そいつと昼休みにそ の件で言い合いをしてしまいました。とほほ。)

 しかし、人質事件についてのみスポットを当ててしまうと、大事なことを見誤ってしまうでしょう。 また、各掲示板に書かれた人質や家族に対する誹謗中傷の一部は、1レス 数十円の内職で書かれているという情報もあります。 これが本当としたら、恐ろしいことだと思います。 一体日本はどこまで勢いで転がって行くのでしょうか・・・。

  小泉首相に関しては、私は、はなっから期待できませんでした。 かつて小渕さんが首相が選ばれた時に、小泉さんも候補に挙がってましたね。 その時に3者が演説したTV中継を聞いたのですが、小泉さんの演説だけ要領 を得ず、一体何が言いたいのかさっぱりわからないので、長さんじゃないけど 「ダメだ、こりゃ。」と思ったのです。 それで、今回森さんのあとに彼が首相に選ばれたときに、ゲッと思いました。 そしたら、案の定、かっこいいことは言うけど肝心なことは何が言いたいのか さっぱりわからず。「ダメだ、こりゃ。」

 しかし、まさかこのような事態に国を追い込むとまでは思ってませんでした。 ところで、神浦さんのファルージャでの人間の盾の話ですが、去年イラク戦の ころは確か、人間の盾を批判しておられました。ケースバイケースかも知れま せんが、なんかちょっと違和感を覚えました。 ファルージャが第二のジェニンになってしまいました。これ以上無益な殺戮 が続かないように、子供達がこれ以上殺されないようにするにはどうしたらい いのでしょうか。もはや祈るしかないのでしょうか。 イラクで一体何が起きているのかという事実を、もっと目の当たりにさせる べきだと思います。例え、それがどんなに残酷な映像だったとしても。 イラク人が何故レジスタンスを行わざるを得ないかということを。 どんなに美辞麗句で飾り立てても、戦争はただの大量殺戮だということを。

            今回かなり感情的なメールになってしまいました。

届いたメール

 ご教示お願いしたくメールしました。 お忙しいと思いますが、万が一このメールが目に止まりましたらご意見を伺いたいのです。 本当にお忙しいと思いますので無理でしたら無視してくださっても一向に構いません。 ご無礼をお許しください。

  現在世論ではイラクで拘束された3人の行動を「軽率だった」「無責任で身勝手」という意見が 実に多く聞かれています。そのために自衛隊の撤退を願い出るなど言語道断と言われています。 そのことに関して議論があちこちで生じています。

 私にとって、多くの意見と自分の考えている事を比較するのは、自分が間違っているのならそれを知りたいと思うからです。 自分を振り返るという仕事は、精神的に実にきつい作業です。 しかし、この世界情勢の中で生きる一員としては、どうしてもそれが必要と感じています。

1. 日本にとってアメリカが必要であるという意見に対し、私はむしろ逆なのではないか?と感じています。 それに対して  「あなたは無知だ。対米貿易量を知らないからそのような事を言えるのだ」と言われました。  しかし、アメリカに追従してきた歴史が作り上げた対米貿易量なのではないのでしょうか?  

2 .日本は「戦争に加担しない」をモットーとしてきた事を海外から評価されて来た と私は聞いてきました。 どこにそのような事が書いてある?と攻撃されるのですが、私はインターネットに関しては初心者で  ソースを示せと言われてもそれを上手く探し出す事ができません。  それらは私が生きてきた中での知識であり、どこかで読んだコラム・書籍・新聞・TVで得たものなのです。  そういったことはネット上で理解し合うのは無理なのでしょうか?  それとも私は間違った知識を持っているのでしょうか?

3. 今回拘束されている3人の高遠さん達の行動はNGOにとっては「被害を被る」ことになるのでしょうか?  私は今回3人がこれほど攻撃されていることが不思議でした。  現在イラクで起こっている惨状を知って高遠さん等がとった行動のどこがいけなかったのかが  どうしても理解できないのです。しかしNGOにとっても「被害」なのだと言われると「そうなのかな?」と  考えてしまいます。

  自己紹介が遅れましたが、私は群馬で看護師をしている一般市民です。 昨日はバイク事故の患者が運ばれ 「日本の患者は、なんだかんだ言っても脳が残ってるからねえ。。平和だよ」と脳挫傷患者のCTを見ながら 医師と話しをしていました。 「そうですね」と私は答えて、現在ファルージャの子供達、高遠さんが守りたかった子ども達のこと が脳裏に浮かんで涙がこぼれそうになりました。

 長々とくだらない文章を書き綴ったかもしれません。 神浦さんのネットにある情報を読み感銘を受けています。 本も読んでみたいと思っています。 読んでくださってありがとうございました。

所長コメント

 たった今、朝7時のNHKニュースで、ファルージャで48時間の停戦が合意されたと報じました。つい「やった!」と叫んでしまいました。ファルージャを包囲した米軍はすでに10日が経過して疲れてきています。このまま1〜2週間すれば、米軍は疲労でいったん撤退して、ファルージャの包囲が解かれ、市街地での戦闘は回避できるからです。

 そうですね。確かに私は昨年のイラク戦争で人間の楯に反対をしました。そんなものは大規模な戦争では無力だし、人間の楯に参加する人に偽善的なものを感じたかたです。しかし今のファルージャの情勢を見ると、私にはほかに解決方法が考えられません。フセイン政権時代の人間の楯と、私が提案した自発的に行われる人間の楯とは違うと思います。なぜならファルージャの反米抵抗勢力と、ファルージャを包囲して市街戦に備える米軍の双方から、この人間の楯を心の底で歓迎してくれると思うからです。ファルージャの兵士たちは表面的には敵と戦って大きな犠牲を与え、自分たちが死んだり傷ついても構わないと言うでしょう。しかし心の底には自分を含め家族や友人が死ぬことへのためらいがあると思います。また米軍兵士にはベトナム戦争のように誤って市民を殺す怖さを感じているはずです。

 もちろん他に兵力引き離しの方法があれば、それがいいと思います。双方がどちらも勝ったことにならず、負けたことにならないような方法がないでしょうか。ファルージャでは停戦がすでに4回も成立しました。特に今回は最長の48時間の停戦です。これなら人間の楯を行わなくても、米軍が包囲を解く可能性がでてきました。

 イラクから日本の報道陣(マスコミ系)が引き上げています。これでフリーのジャーナリストがより多くイラクに入ると思います。しかし現地の情勢に的確に対応できない人は、絶対にイラクに入ってはいけません。イラクの情報は嘱託イラク人やアラブ系メディアで入手できます。戦闘中の兵士は平和時の兵士とまったく違う表情をしています。まさに鬼気迫った顔をしています。平時の兵士とコミニケーションができても、戦時の兵士とはできない場合が多くあります。戦場を簡単に考えてはいけません。

 日本人人質事件ですが、このようなメールが到着しました。 (4月14日)

届いたメール

 おひさしぶりです。東京の00です。

  金正日総書記、5月にも訪中と韓国紙 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040412i303.htm 韓国発の情報で弱いですが、待望のイベントですね。

  それと、今回の人質事件は混沌としていて、 日本国内の左右対立も酷い状況ですが、 さすがに、事件に便乗して自衛隊撤退運動している人たちは、 人質事件を純粋に考えれば、論外で非常識でしょう。 黙って、人質の解放を待つのが筋だと思うのですが。

  神浦さんも人間の盾を提案したりして、 無責任だな〜と思いますが、 そういう人気商売の政治的な評論活動(1)と、 政治的立場に関係ない科学的な軍事評論(2)の ページを分けたらすっきりするのではないでしょうか?

 (1)と(2)がごっちゃになっていて、どこまでが 「軍事常識」で、どこからが神浦さんの政治評論なのか わからないので読者としては困ります。 読者層の期待も(1)(2)に分かれているのではないでしょうか? (1)では、便乗デモや人間の盾も肯定されるでしょうが、 (2)では、人質の価値を高めて、その解放を遅らせて、 百害あって一利なしと推量するのですがどうでしょう?

届いたメール

 現在、ニュージーランドの大学院で交渉学を研究していますが、その観点から、この事件の交渉ポイントをまとめてみます。(したがって、感情論は抜きです)

 まず、交渉当事者としての政府の立場。人質の解放を最重要課題という以上、どうすれば解放されるかを考えることになりますね。韓国の人質が解放されたのを見てかどうか、人質は武装グループの敵ではないと言って説得しようとしていますが、それならば、自衛隊もイラクの人のために派遣されているということまで触れるべきではないと思います。むしろ、「日本政府の自衛隊派遣という方針に反対して、自己責任でボランティアに出向いた人たちだ」というコメントの方がよいことになります。「そんな冷たいことを」と考えるのでは、「問題解決手法という交渉はできません。結果が重要なのですから、相手との共通利益を見つけな いといけないのです。

 
 この場合の共通利益は、武装グループがイラク国民を代表していると考えている以上、人質になった日本人もイラク国民のために行動している、ということで成り立ちます。マッサージまでしてあげたという韓国人医師看護チームはそのパターンでした。

 そうだとすれば、日本国政府こそが共通の相手方ということになるのです。自作自演とかいう見解には賛成できませんが、ただ、解決法という意味では日本国政府 がそうした役回りを演じきることが必要です。しかし、残念ながら、日本政府からのメッセージは日本国内向けとしか映りません。一時の冷たい政府のイメージ を怖がったのでしょうか。家族に対しても冷たい態度をとって人質問題を韓国人人質ケースのように終わらせていたなら、私も外務省の交渉能力を評価していま した。

 ところで、自衛隊派遣の問題に焦点が移るということで家族に会わなかったという総理の態度が報道どおりだとすると、それは、交渉学でいう 「問題回避」であって、「問題解決」の手法を駆使していることにはなりません。ファルージャの戦闘が停戦になっていた時期に解決できたかもしれない積極的な手があったはずですが。交渉相手を「テロ」と呼んでしまったことも問題解決手法からするとどうだったか、どういう結果を目指しているのか、あるいは結果に関知していないのか、今回の小泉総理の態度には多くの疑問が残ります。

 さて、日本政府が自衛隊のことに触れた以上は、自衛隊が誰のために派遣さ れているか、というテーマに問題が移ってきます。そうなると「日本は北朝鮮が怖い。北朝鮮から身を守るにはアメリカの助けが必要だ。そのアメリカのいいな りで自衛隊をイラクに派遣した」という論理をどの段階で反駁するのでしょうか。さらに、武装グループが「確かに自衛隊はイラクのために来たのだ」と納得す るには、「アメリカはイラクを侵略していない」と彼らに説得するか、「アメリカは侵略しているが、自衛隊は別だ」と説得するかしかありません。ファルー ジャでの激しい空爆の中、とても前者のようなことを言うわけにいかないのが現実だとしたら、可能性があるのは後者の場合ですが「それならば3人の人質と同 じ命を持つ無実のイラク市民を見殺しにしないで、自衛隊もイラクと一緒にアメリカと戦ってくれ」と言われたらどうするのでしょうか。

 結局、一主権国として「戦争状態がない地域に自衛隊を派遣した」という前提が間違っているということになりませんか。

 最後に、韓国との違いについて、一言。これは、交渉当事者能力が韓国人人質にはあって、日本人人質にはなかった、ということになります。語学力、判断力を含 めた人間力の全てにおいて、差が出たということになります。あの3人に限ってそんなはずはない、という考えからは、自衛隊撤退のための計画だと、いうよう な憶測も出てくるでしょう。しかし、その家族に対する嫌がらせは、旧態依然とした村社会の考えですから、3人人質の家族を自己責任に反すると批判している 人たちの考えも個人主義に立っていません。

 交渉学から見ると、結局、人質個人、政府、国民すべてのレベルで、国際社会を行きぬくための知恵が欠け ているという現状が見えてきて残念です。どこまで流れていってしまうのでしょうか。あっという間にファルージャの戦闘も再開されて、3人の人質の位置づけ も凍結されてしまいかねない状況になってきました。いまの日本を象徴しているようで、気が気でならなくなってきました。西部劇のアメリカと柔術の日本では やはり身の処し方が違うのですね。わが身にあった生き方を思い出すときがきたような気がします。

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 神浦さん、こんにちは。

 お忙しい中、頻繁に更新を続けていただき、ありがとうございます。情報が氾濫する中、いつも碇をおろすつもりで、神浦さんのHPを参考にさせていただいております。私も今回の人質事件の反応に、びっくりしているひとりです。

 私は海外に住んでおりますので、日本での報道の様子や傾向はわかりかねますが、“事件報道後、高遠菜穂子さんのHPの掲示板にアクセスが殺到し、心配の声よりも批判や中傷が多かったため、1時間足らずで掲示板が閉鎖された”という記事を読んで、愕然としました。その後も事件に関するコメントや掲示板では、家族に謝罪や感謝の気持ちがない!とか、やっと家族が謝罪して安心しましたとか、勝手なことをして政府に迷惑をかけて!とか、何が地球人だ!とか、ワイドショー的な反応が多くて、驚いています。

 もちろん、それらの背景には、自衛隊派遣に対する賛成vs反対の意見があってのことと思いますが、日本のパスポートで渡航している以上、彼らには守られる「権利」があり、政府にはその「義務」があるのではないでしょうか?今回は、非常にリスクの高い戦地で起きた事件ですが、海外に住む私たち(3ヶ月以上滞在するもの)は、緊急時にお互いの「義務」と「権利」がスムーズに結びつくよう、「在留届」というものを大使館・領事館に提出することが、旅券法第16条で義務付けられています。もちろん、日々の生活における責任は自分持ちですが、これにより事件や事故、災害に遭ったとき、安否の確認、緊急連絡、救援活動が受けられることになっています。まして、国家にかかわるポリティカルな問題に巻き込まれたときは、国家レベルのツールをお借りするしかなく、根性論、精神論で太刀打ちできるものではないと思います。

 いまや事件が起こるのは、戦地だけとはかぎりません。マドリードの方たちが狙われたように、いつもの時間に起きて、いつもの電車にのって、いつもの車両にのっているだけでも、標的になる時代です。自分だけは Political Game の餌食にはならないと過信して、怒りや不安の矛先を人質やその家族の方たちに持って行っては、ゲリラやテロリスト、侵略戦争を正当化して戦争ビジネスで生きている人たちの思うツボなのではないでしょうか?

 自己の責任論は、すべてが解決した後に、同じような事件が起こらないよう話し合われてこそ、効果があるものだと思います。

 神浦さんのHPでは、いつも感情論ではなく、方法論が提示してあるので、心強いです。これからも、更新たのしみにしております。よろしくご指導ください。

 どうぞ、お身体にお気をつけて。

届いたメール

 いつも J−RCOMを拝見させて頂いております。

 今回のイラク人質三人の件では、いろんな方のご意見を拝読出来、とても勉強になります。 たくさんの方からご意見が、送信されるのもJ−RCOMが愛されているからだと思います。その分、神浦さんのご努力が大変な事だとお察しいたします。 お身体には、どうぞお気を付け下さいませ。 ご自分と愛読者の為にも頑張って下さいませ。

  一息ついて頂こうと思いまして、こんなメールさせて頂きました。 失礼しました。<(_ _)>

届いたメール

 都内在住30代OLです。 今回の人質事件の原因は自衛隊の派遣なのでしょうか。派遣しなければこんなことは起きなかったのでしょうか。 私はそうは思いません。

 今回犯行グループがその撤退を要求しているからといってそれが原因とは思いません。 なぜなら、あらゆるイスラム武装勢力の行動は、反米にその根があるからです。 9.11テロはもちろん、米英と手を携えてイラク攻撃に積極的だったスペインでの列車テロ、 そして先月末の米国民間人殺害がヤシン師殺害の報復としてなされたこと、その後のサドル師の突然の台頭、 シーア派とスンニ派の反米共闘・・ それらすべてが、米国への抵抗、不満、憎悪、怨嗟を示しています。 (事実9.11テロの際、米国の中東政策の失敗が指摘されたかと思いますが、米国はその後バランスを取り戻すどころかイスラエルをサポートすることでますますイスラム勢力との対立を深め 自らの首をしめていると思います)

 そして、彼らから見て日本は米国の最大ではないにしろ重要なパートナーであり自衛隊派遣はそれを端的に示したいわば象徴として、今回取引対象になっているに過ぎないと思うのです。自衛隊派遣という形でないにしろ 、安全保障を米国に負い米国追従を決め込んでいる現政府が、米国の満足するような何らかの対応を取るならば、 それがなんであれけっきょくはアラブ・イスラム勢力から米国と同一視され標的にされる結果を招いたと思います。ですから日本がしなければならないことは、アメリカと距離を置くか、それができないならイスラム武装勢力は敵に回さず、対米的にも言い訳の立つ対応を取ることではないでしょうか。

  今回の事件に対しては、自衛隊派遣の目的と日本の米国とは違う対中東関係とを最大限アピールするしかないのではないでしょうか。 (見事に説得力ゼロですが… しかし今回の事件はそれができていないために起こった、 こちらもあちらを知らず、あちらもこちらを知らないために起こった、ということは言えないでしょうか?)

 そして今後、このようなことをされないためには、イスラム諸国との人的、経済的、文化的、あらゆるパイプを日本独自に築いて、 いや今以上に多彩にかつ太くしていくことが、絶対的に必要だと思います。 と同時にゆくゆくは、安全保障政策・外交政策そのものの方向転換も考えるべきだと思いますが、 アメリカの傘の下から離れることがそう容易であるとも思えず (といってもいざというときアメリカは日本を本当に守ってくれるのかどうか、そんなことは冷戦時代の幻想であり 日本は一刻も早く独自外交・独自安全保障政策を取るべきだとの論もはもちろん(たくさん)あるようですが) その間にもアメリカの行動がイスラム勢力との対立を激化させるばかりである現状では、日本としては その間をぬって少しでも保身を図るしかありません。 アメリカのご機嫌を損ねず、イスラム諸国からはアメリカと同一視されない独自の道を築くしかありません。 (しかしそのような行動をアメリカの機嫌を損ねずとることが可能なのかどうか・・ アメリカはイスラム国家樹立絶対阻止とのことですので(不勉強でその理由・背景は認識しておりません) アメリカ傘下にある限りイスラム勢力と仲良くという余地はあるのでしょうか。 それが無理ならアメリカと距離をおくか、それとも腹をくくってアメリカと一体化しテロに身を晒す覚悟をするのでしょうか)

  なお昨夜さる番組で中東調査会客員研究員 大野元裕氏が「24時間以内に解放」の声明文につき、 いくつかの点を上げてこのグループが規律の取れた組織ではなくまた学もない可能性があることを指摘していらっしゃいました。 そのひとつが、アメリカの蛮行を示すものとして広島・長崎への原爆投下を挙げているが、そのスペルが間違っていること。 広島はホロシマに、長崎はナザキになっている(間違え方はうろ覚えですので不正確です)ということ。 それを聞いた瞬間は、「そんなこと無理ないのではないか? 言語の違う国の固有名詞なんてよく間違うのでは」 と思いましたが、続いて広島・長崎(への原爆投下)というのは反米イスラム勢力内では常套句のように使われる、との解説を伺い合点が行きました。つまり彼らにとって日本はそういうイメージだったのです。

 であれば、 今回の自衛隊派遣がとりわけ目立ち、裏切り行為のように受けと取られても不思議はなかったのかもしれないなどと思った次第です。 身辺であまり意見交換が出来ず投稿させていただくことにしました。 以上、長々と失礼致しました。

所長コメント

 今の世の中には大きな事件が起きると、偽のメディアなどに犯行声明を送る犯行声明マニアがいます。そのため捜査当局では人質事件などのときは、脅迫文や声明文を公表しないことが原則になっています。声明文の書式などを真似て、偽の声明文を声明マニアが作って送ってくるからです。本物と偽物を区別するために最初の脅迫文を公表しません。しかし今回はアルジャジーラが人質の映像とともに、その脅迫文を映像で公表してしまいました。これは絶対にやってはいけないことだったのです。別な言い方をすれば、アルジャジーラの報道は、偽の脅迫文が殺到することを招くことになります。ですから24時間以内に解放という2回目の声明文は、事件の本質を知るための証拠能力は低いということになります。たとえ本物であっても、その信憑性は極めて低くなります。

 このように本物と偽物の区別がつかないのに、それに関する報道だけが肥大していき、それに振り回されているような状況です。記者用語に「書き飛ばし」「書き放題」という言葉があります。事実が確認できないのに、とにかく記事をつくるために思いついたことを記事にするという意味があります。2回目の声明文が出たとき、警察など犯罪捜査の関係者に聞けば、1回目の本物が公表された声明文は、2回目にTV局にファックスで送られた声明文は信頼できないと答えるでしょう。誤字があるとか、西暦が直されているといった問題ではないのです。

 とにかく今は冷静に考えるときです。何が事実かよく考えるときです。私は3人が乗ったタクシーとコンボイを組み、アンマンから一緒に出発した別のタクシーの運転手の証言に注目しています。出発当初は一緒に走っていたが、途中で前を走る日本人の乗ったタクシーと段々に間隔が開いた。追いついたときは、タクシーののそばで運転手を含め4人が地面に寝かされていた。その周辺に100人ぐらいの武装した民兵が取り囲んでいた。そのまま加速して現場を通過した。翌日、そのタクシーの運転手とバグダッドで出会って聞いたら、お前は行けと言われてバグダッドに着いたと話したという証言です。民兵100人という人数はかなり組織的です。通行人を狙う物取り、強盗なら、10人も必要ありません。

 もし2通目の声明文が偽物で、犯行グループとの交渉人を自称するドレイミ氏が本物の可能性はないでしょうか。ドレイミ氏を否定する前に、彼と人質との結びつきを確認するため、人質の持ち物など確認を求めるべきだったと思います。もし彼が人質の持ち物や新しい映像などを提出すれば、それで貴重な交渉ルートが開かれます。もしそれを提出できなければ、偽物として判断することになります。

 とにかく今は冷静に、冷静に、対応する必要があります。

 イラクの日本人誘拐事件で言いたいことがあります。 (4月13日)

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 神浦 元彰さん。 貴兄の覚悟については拝読させていただきました。大変立派な判断と覚悟だと感心しております。

  それにしても今回の人質事件の反応について、余りにも感情的 な反応が多いのでびっくりしております。昨日、「たけしのT Vタックル」という番組で高名な政治評論家が、「日本政府が危険だと言ってる場所に勝手に行き、テロ集団に拉致され、日本国家の政策を危機に落し入れるのはトンでもないことだ」と 感情的に発言されておりました。この「 」内は必ずしも発言そのものではありませんが、主旨は間違いはないと思います。

 この論理は、今回人質になった人達を攻撃する一般的な手法の ように思われます。小生にはこの論旨ほど非合理的、非論理的 なものはないと考えています。小生も多少感情的に言いますと 、劇場国家になれ、ぬくぬくとした場所で、一生懸命に汗を掻 く人を非合理的な手法で誹謗、中傷し、攻撃する日本人がこれほど多くなってしまったかということに恐怖を感じます。勿論 、彼等の行動が100%正しかったとは思いませんし、もっと 慎重に行動することが求められたのは当然のことですが、上記のような卑劣な人間に比較すれば数百倍も大きい志をもって汗を流していると思います。

 それでは上記の発言のどこが非合理的かを考えてみましょう。 まず日本は民主国家であり、国家によりその旅行の自由を奪われていません。したがって法律で禁止されていなければ基本的にはどこの国にも自由に渡航できると言うことです。この意味で彼等の責任を問うことは出来ません(何事についても国家に統制されたいと望む国家主議者は別としてですが)。責められ るとすれば、危険な場所に好んで入った?その道義的責任とその判断力でしょう。警察官や自衛官、また消防士など時により 命を賭けた判断が求められる事業を行いますが、国家から庇護されているので手厚く処置されます。残念がらボランティア活動は現在そこまで認められておりませんので、事業として極めて危険度が高いものでありながら、個人の犠牲の上に成り立っ ているのが現状です。また個人であるからこそ高遠菜穂子さんのように極めの細かい仕事が出来るというのも事実でしょう。

 その様な中で個人の判断に誤りがあったとしても誹謗、中傷を 持って感情的に攻撃することは合理的なことなのでしょうか。 ましてや国家の政策をあやまらせるなどと攻撃するのは政治的 発言以外のなにものでもありません。このことにより国家意志がぐらつくほど軟弱であるとすればそれは政治家の責任であり 、拉致被害者の責任ではありません。高名な政治評論家が発言するにはお粗末過ぎます。 ここでの課題は、危険の中に身を挺してボランティア活動をする人の覚悟を示す、貴兄が書かれたようなマニュアルが今後必 要になるかもしれないということです。

  近代国家は徴兵という形で国民に命を提供するよう命ずること が出来ます。幸い日本には徴兵制がありませんが、有事法制により一旦緩急のあれば、土地、建物、役務など国民の義務とし て提供しなければなりません。また我々は国民の義務として税金を納めています。これらの代償として国家はその法律の範囲で国民を守る義務があります。それが国民と国家の間の契約です。それがなければ協同体としての国家の意味がないと思います。したがって外国に行き、いかなる理由によろうが邦人が危機にさらされた時、命のある限り同胞として救援するのは当然 のことだと考えますがいかがでしょうか。

  最後に家族の問題を考えてみます。 家族の心情としてなににもすがりたいという気持ちは理解できますが、彼らは一人前の人間として判断し、行動しているので すから、その名誉を重んじる態度を示して欲しかったと思います。また、家族の意志に関係なく政治的に利用しようとする集 団(マスコミを含む)が数多くありますので、その術策に乗らない大人の態度が要求されます。これがないと諸外国からも理 解されないのではないでしょうか。注意を喚起したくあえて一 言書き添えました。 貴兄のご意見をいただければ幸いです。

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 00と申します。 4/12のwhat's newを読みました。 イラクで拘束されている3人について サイト内で書いておられる神浦さんのお考えを私は支持します。

 報道から想像するに拘束されている3人はそれなりの覚悟の上のイラク行きです。 それぞれ人道上の目的であり、物見遊山や傭兵として行ったのではありません。 いざというときに本人たちが国をアテにしていたと考える方が不自然です。 また残された家族が、まわりにどう言われようと命を助けようと様々働きかけるのはごく当りまえのことです。 政府にはできない形の現地支援を実績としてやってきた人を 「彼らが危険になったり、負担になったから切り捨てない」のは当然だと思います。 それは、自衛隊派兵に賛成だろうが反対だろうが関係ないだろうと思います。

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 いつもご意見を参考にさせて貰っております

 私は、人質三人が自作自演だったかどうかはここでは問いませんが、極めて命が危ない状態だと思っています。  なぜならば、彼らの死が米軍の利益に直結しているからです。

 1.彼らがテロに殺されて死ぬと、日本国内の反テロ世論が盛り上がり反米感情が薄れます。

 2.彼らが死ぬと自衛隊の撤退がテロに屈する形となり、早期に撤退困難になるばかりでなく、撤退が絶望的になり自衛隊をイラクに釘付けしたいアメリカ軍の思う壺 になります。

 彼らが無事に日本政府か自衛隊、マスコミの庇護下に逃げ込めれば良いのですが、 当然日本政府への協力の建前で、米軍が彼らの現れそうなところは監視網を固めていま す。

 人質3人が米軍の手に落ちれば間違いなく、テロの仕業に偽装されて殺されます。アメリカのエリート達は日本人の命などよりも自分たちの利益を優先します。日本政府及び自衛隊は米軍から独立した救出チームを作りどんなに金が掛かっても 情報を収集し米軍より先に彼らを保護しないと自衛隊の撤退のチャンスが半永久的に 失われます。

 しかし首相は米軍に人質救出の協力を要請しているようです。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040412-00000011-yom-pol  どうしたら軍事素人達が、米軍の警戒網を避けて日本政府の保護下に逃げ込めるの でしょうか?頼りなくても唯一日本人を守れるのは日本の軍隊(自衛隊)しかありま せん。

届いたメール

 再びL.A.の00です。

 神浦さんの 「今日は私が紛争地に行くときの覚悟を書きます。」 を読ませて頂きました。さすがプロの覚悟です。せめて、この神浦さんの「覚悟」を、今回誘拐された方々に「出発前」に読んでいただきたかったです。 本当に残念です。


 さて前回の私の文面、どうも神浦さんに上手く真意が伝わらなかったようですので、追加説明です。

*海外の日本企業の駐在員が、誘拐されたときに「危険を承知した自己責任だ」と、日本人に切り捨てられれば腹が立つと思います。

 駐在員や報道関係者の場合はあくまでも社命ですから、今回のケースとは違うと思います。

*今まで多くの日本人市民が、危険な国や地域でNGOなどの人道支援や取材活動をやってきました。そのことで日本は多くのことを知ったり、尊敬を集めて きました。彼らが危険になったり、負担になったから切り捨てないでください。

 今回事件発生当初より、政府もそして私も含め多くの日本人は誘拐された方々を決して切り捨ててはいません。今回、政府は結構がんばっていると思います。 かつて、日本国内で何ら自己責任もなく北朝鮮に誘拐された方々に比べ、政府の対応は天と地の差があります。

 誘拐された御家族の方々のお気持ちは察しますが、今回の誘拐に関して云えば一次責任は政府にはありません。自衛隊がイラクに派遣されたから、イラクで誘拐されたのではなく、あくまでも戦場であるイラクに行ったから、イラクで誘拐されたのです。 この事は、イラクに軍隊を派遣していない中国の人が誘拐された事でわかると思います。
戦場では誘拐の理由なんて何でもアリです。


 僕が云いたいのは、今回の彼等の行動は無謀であり、日本側の家族の方々の政府に対する言動には甘えがある、というただその事だけなのです。

 個別には高遠菜穂子さんの危険地域でのボランティア活動には頭が下がる思いです。 しかしそれも程度モンです。戦闘地域での社会奉仕はハッキリと「無謀」と云うべき、と思うのです。 それを尊敬したり美談にする傾向はよくないと思うのです。

 僕はジャーナリストの「真実を伝えたい」という姿勢を最大限尊敬します。 真実の報道の為には、危険を返りみず、時に法を破ってでも行動するジャーナリストを尊敬します。 しかし取材行為が「真実を伝える」ことよりも、「事件」になった瞬間、非情にもジャーナリストは失格となる、と思っています。 ですから危険地帯に赴くプロのジャーナリストは取材行為が「事件」にならないように最大限務めます。 災難に巻き込まれても「日本国政府はいかなる妥協にも応じるな。見捨てよ」と伝言して出発したジャーナリストもいます。 きっと郡山総一郎さんもプロとしてきちんと準備して出発されたと思いますが、不運にも同行者がいたために「事件になって」しまったと思います。 お気の毒です。

 そして今井紀明さんに関しては、「親」が社会に甘えていると思います。いつの間にこんな身勝手な親がいるようになったのか、と思うと憂鬱です。 しかし、無事救出された後はきっと常識的な親に戻ると思います。今は気が動転しているのでしょう。

 お忙しいところ長々と書いて申し訳ないです。 神浦さんのご活躍を遠くL.A.よりお祈りしています。
またこちらにも遊びに来て下さい。

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 先日からサイト拝見させて頂いております。 自分も素人ながら幼少より軍事に興味ある者として色々勉強 していましたが、神浦さんの高いご見識と明瞭なご意見には 恐れ入りました。

  今回の人質事件に関して、自己責任論というものがにわかに クローズアップされています。 私は投資関係に関わっていますので、そちらの業界では昔から 馴染みの深い言葉です。 ただ、自己責任だから、意見の違っていた政府に頼るなという 結び付けはあまりに飛躍のありすぎる暴論でしょう。

  まず、政府は何のためにあるのかということ。 意見が違うというのは個々の人々「私」の問題です。政府の役割 というのは、個人では対応出来ない大きな問題に対処することで、 そのために権力機構として大きい力を有しています。 個人のために「無私」として存在する上部システムが「公」であり その機能を使うにあたり意見が違うとかいうのは関係ないはずです。 どちらの意見も同じ「公」が包含する「私」のものですから。

  だいたい、批判した政府に頼るなというなら、警察組織を批判した 人は犯罪に対して警察に保護を求めるのは間違いでしょうか? お役所に批判をした人は、その役所の行政サービスを要求したら いけないのか? 裁判所を批判したら、公平な判決を出されなくても文句が言えない? 単純に自己責任で個人を責めることは、少しでもオカミを批判する なら国民の権利が無い、という話に繋がります。 これは民主政治の否定です。国民が主権者であるという以上、政府の 方針が誤りと思えばこれを正すのは、権利のみならず重要な義務です。

  それから、自己責任というのは、使い慣れない人は無限に適用を拡大 してしまいがちですが、これはあくまで正常なシステム、正当な環境 の元において機能する言葉です。 無限責任ではなく有限責任ということです。 今回の場合、テロ組織に拉致されるといった事態の大きさや突発性・ 偶然性は個人で対処できる範囲を大きく逸脱しています。 (彼らが被害者となったのは只の偶然で、自衛隊への攻撃だったかもしれ ませんし、国内や他国へのテロだった可能性も同等です) またその背景となっている政府や米国の問題ある政策など、個人の責に 帰するには、多くの面で余りある部分が多過ぎます。

  官房長官は記者の質問に逆ギレし「じゃ自衛隊派遣しなければテロは 起こらなかったんですか?!」と述べました。 この件、100%でなくともまず8割以上「その通り!」ではないかと思う のですが。 自己責任論は、そういう政府責任を誤魔化す意図も相当含んでいるの ではないでしょうか。 国民が選択した政治家だから、決まったことには従え、彼らだけの責任 を問うな、という人もいます。 しかし、彼らは国家の「責任者」です。 全体の総意を公平に汲んで、それによって判断を下す、そして判断した 結果に「責任を持つ」のが彼らの仕事です。 結果責任が負えないというなら、トップの資格なぞありません。 まして、総意を公平に汲んだかといえば疑問も大きく、そうなら背任というやつで、検証が必要でしょう。

所長コメント

 昨日もまだまだ多くのメールが届いています。すごいと思うのはメールの発信地が世界中であるということです。世界各地でこの日本人誘拐事件が大きく報道されているからでしょう。それに届いたメールは賛否両論というか、支持、不支持、賛成、反対など、いろいろな考え方の人がメールを送ってくれています。それも互いの異なる意見や立場に理解をしながら、自分の主張をする人が多いということです。そんなサイトは多くないと思います。私もいろいろ勉強させてもらっています。

 マスコミではこの事件を「小泉首相、最大の危機」と報じるものがありますが、私はこれが小泉首相の政局にはならないと思います。仮に最悪の結果が出ても、首相の責任よりも犯人への怒りが高まると思うからです。このことは米軍が強行的な救出作戦を行って、その結果、作戦の失敗で人質の生還ができなかった場合でも、小泉首相の責任論はでないでしょう。日本国内と違って誘拐現場がイラクの戦場だからです。このようにそろそろ日本人も戦場の特殊性に気がつきだしたのではないでしょうか。

 以前にも書いたことがありますが、防衛庁で事務次官をされた久保卓也さんが25年前に私に話された言葉を覚えています。「君は人間一人の命は地球より重いと思っていないか。軍事ではそんは通用しない。国民が何人死んでも国家や民族を守るのが軍事思考だ」と。イラクは戦場です。ファルージャでは激戦が行われ、600人を越えるイラク市民が死亡しました。ファルージャで停戦が成立したとはいえ、米軍は3月31日に米国人4人を殺した犯人を差し出すように要求し、ファルージャを包囲しています。このまま事態が悪化すれば、ファルージャで大虐殺が起こることは必至だと思います。攻撃ヘリや航空機や戦車で攻撃する米軍に、ファルージャの反米民兵は勝つことができないからです。外国人誘拐作戦はそのためのゲリラ戦術だったのです。今は米軍のファルージャ総攻撃を中止させることが、日本人人質を救い出し、ファルージャと米兵を救う方法と確信するようになりました。 

 神浦さん、揺れていませんか。 (4月12日)

届いたメール

 初めてお便りさせていただきます。 神浦さんのJ−rcomはいつも拝見させてもらっています。 また、貴氏の著書「北朝鮮崩壊」もかなり以前に読みました。 北朝鮮の方に興味があり、諸々と本等を読んでいるところです。できましたら、北朝鮮に関するコメントを増やしていただけないかと個人的に思っている次第です。


 さて、メイルしましたのは、イラクの日本人人質事件に関し、神浦さんのコメントが微妙に揺れているというか、相矛盾していまして、いつも歯切れのよいコメントでないように見受けられました。

 最新情報コラムにおける4月10日の「三交渉術」はなるほどと思いました。ところが気になりましたたのは4月11日からのコメントの以下の部分です。

>この事件を受けて危険な地帯に、それを承知で行くのだから、それは自己責任という考えが広がっています。NGOやNPO関係者は危険を予知 し、それを自らが防ぐ行動が必要という意見で、それをしなければ無責任だという考えです。一見、正しいように思えますが、パレスチナで虐殺を防ぐために、 NGOの人が人間の楯になるために世界各地から集まっています。彼らは無責任でしょうか。東南アジアや東アジアで多くの人が虐待されたり、人権を踏みにじ られているのに、そこが危険だからと我々が無視していいでしょうか。私は危険であると認識しても、行くときは必ず行きます。もし現地でゲリラに人質となっ ても、私の生命を守るために交渉してくれとはいいません。殺されるときは毅然として死にます。もし苦しんでいる人がいれば、自分の命を賭けて助けることが 日本人の誇りだと思うからです。今回の3人を助けたのは、まさに高遠さんのような活動があったらです。日本の政府が助けたわけではありません。今までの高 遠さんの活動を無責任と非難しますか。私は尊敬します。>

 私は何もNGOの役割を否定するつもりはなく、危険な地域にいくのも良いかと思いますが、それは貴氏も言われてますようにあくまで「自己責任」でしょう。 パレスチナのNGO(特に欧州から多いです)が、死亡者もでています。これは別に無責任とも全く思っていません。ただし、身に危険が迫ったときにどうするかの問題です。

 今回イラクには外務省から退避勧告が出ていました。はたして拘束された3人は、そのことを知っていたとしてどこまで自己責任・覚悟があったかです。それは現時点で分かりませんが、残された家族の反応をみるとかなりはっきりします。 全くそのような形跡は残されていません。(家族及び周囲の人々が政治的に利用していますが、この際ことことは3人には関係なしとします。) このように形跡が全く残されていないのに、行くのはあまりにも自己責任に欠けるのではないでしょう。 神浦さんの上の決意とかけ離れています。 また、日本政府は無責任と言っていません(閣僚の発言としてありましたが)。

 次に、届いたメイルのコラムで「今井さんが心配です」のコメントの最後のところです。

>今まで多くの日本人市民が、危険な国や地域でNGOなどの人道支援や取材活動をやってきました。そのことで日本は多くのことを知ったり、尊敬を集めてきました。彼らが危険になったり、負担になったから切り捨てないでください。

 重ねていいますが、私はNGOの活動を非難しておりません。その果たしてきた役割には大きなものがあると思います。しかし、リスクのあるところに行くにはやはり自己責任がつきまといます。
日本政府と関係無しに(少なくとも退避勧告が出ている国で)、危険な活動をしていて、それが人質になったときに日本政府に頼むというのはいかがなものでしょうか。


 さて、神浦さんの上の二つを積み重ねていきますと次のようになります。 自分自身が行くときは自己責任で死おも覚悟していく。少なくとも国家に迷惑をかけない。

 それではNGOを目指す多くの若者には何といわれるのでしょうか。これと同等の自己責任のことは言及されないでしょうか。自己責任を明確にする誓約書を取って活動するNGOもあります。

 今回の事件で、危険性は増しましたが、かなりの模倣する若者がでてくるでしょう。 私は、それが自己責任なら仕方のないことだと思っています。 しかし「負担になったら切り捨てないで」との心をどこかに持って行くようでは、今回の3人と同じことでしょう。

 

 長文失礼しました。 今後の益々の活躍を期待します。

所長コメント

 猛烈な忙しさが続いて、なかなか更新や書き込みができませんでした。せっかくアクセスして頂いたのに、なにも書き込みがなかったと思われているかと心配でした。すいませんでした。

 それから昨日のメールで、3人のご家族の対応を批判するものや、3人の行動を非難するものが多く届きました。中には痛烈に批判しているものも少なくありません。しかしこの事件が進行中であることから、私の責任で、そのようなメールの掲載を控えさせていただきます。(私への批判が含まれていることから、上記の一通のみとさせて頂きます)。

 今日は私が紛争地に行くときの準備と覚悟を書きます。

 ラジオのレギュラー番組が終わる先々月頃から、私はマスコミ数社からイラク取材に行くように依頼されました。取材費や原稿料(出演料)など、20年前と比べると破格の金額(取材費)を提示されました。部屋で国際電話が使える一流クラスのホテル代や衛星電話の提供、現地通訳や専用車チャーター代などの支給です。まさに私が若い頃に夢見た特派員記者としての待遇です。しかし私は取材依頼を断りました。イラクが非常に危険な状況になっているからです。それは私が誘拐をされるという意味ではありませんでした。外務省の退避勧告がでているからでもありません。私がイラクから帰国した人に聞いた話では、治安が悪く、武装強盗が横行しているからです。せっかく現地に行っても、取材資金や取材機材を奪われたのでは意味がありません。また強盗から射殺される危険も高いと思ったからです。私の場合、日本人一人で行動することが多くあります。

 私のようなフリーの立場ですと、自分の命と財布は、自分で守るしかないのです。「強盗に奪われたから、至急、追加の取材費を送ってくれ」と頼める人はいません。ですから現地が緊迫してくると、私は駆けつけてくる日本のテレビ局や新聞社の人と、交代するように現地を離れることがあります。テレビや新聞が来ると、車チャーター代やガイド代(通訳)が一桁上がって、取材費が一日2万円が20万円にも高騰し、とてもフリーが動ける状況ではなくなります。それで「神浦は危険が迫ったから、現地を逃げ出した」と言われたこともあります。それでいいんです。私は笑いながら、「危険なときは日本で稼がせてもらう」と答えることにしています。

 

 紛争地の取材に出かける前は、自分の部屋や引き出しをきれいに整理します。例え現地で死んでも、家族や友人に迷惑をかけないためです。また海外旅行(取材)の保険は、紛争地の場合は掛け金が高く、個人では掛けきれないで取材契約先にお願いします。通常の場合は1億円の死亡保険をかけてもらいます。またそのことを家族に告げ、双方の受け取り同意書を取り交わしておきます。そのほかの場合は、成田空港内の海外保険を自分で掛けます。タイやアメリカなど、医療施設が整っている国では便利です。また同時に荷物(撮影機材)の盗難保険や破損保険もかけます。多くの紛争地の場合、病気や怪我をしても医療施設がありませんから医療保険は無意味です。

 それから私が気をつけていることは、軍用品を一切身につけないということです。緑色の短波ラジオや迷彩色のボールペンや通気性のいい軍用の靴など、そのように軍隊を連想させるものは一切持ちません。相手にスパイと誤解されるからです。それと武器になるような果物ナイフでも持っていません。ナイフが必要なら現地の人に借ります。それから防弾チョッキやヘルメットなども持ちません。フリーがそのような装備を付けてしか取材できない状況では、フリーはそこに行って取材してはいけないからです。世の中には高価な防弾チョッキを購入して、武装した警備員を雇い、車に大きく社名の旗を立てて取材できる人がいます。そのような人とフリーは同じではありません。

 要するに、危険に自分で近づいていくような人は、紛争地の取材に向いていません。今は安全だから行ってみるか、そんな図々しい精神が必要なのです。これから紛争地に行く人は参考にしてください。私は戦地で死んだジャーナリストを知っています。これは空想の話ではありません。

 イラクでの日本人誘拐事件で次のようなメールが届きました。今回は時間の関係でお返事が書けません。ご了承してください。メールのみ掲載します。 (4月11日)

届いたメール

 神浦 元彰さん。 イラクの情勢が急転し、大変お忙しいことと思いますが、お身体に気をつけられ、適切な軍事情報の発信を期待しております 。 日本人人質事件の裏に隠れて、余り話題になっておりませんが 、小生、ファルージャの状況についておおきな懸念をもってお ります。

 激しい戦闘が続き情報は混乱しておりますが、500 人程度のイラク人が戦死しているようですし、負傷者も200 0人を超えるとの情報もあります。また死傷者の中には多数の婦女子が入っているとのことです。 アメリカ人4人の死とその死体の陵辱を機に、一挙にエスカレ ートしましたが、冷静に観察してこれは米軍による復讐戦と思わざるをえません。町の周囲を包囲して徹底的な掃討作戦を実 施するのは、かってナチスドイツがワルシャワで行ったポーラ ンド民衆に対する激しく敵意のある掃討作戦を思い起こさせます。これは規模の違いはありますが一種のジュノサイドであり 、許されるものではありません。通常の軍事の常識であれば、 あえて敵の撤退路を作り、激しい抵抗を生まない様にして目的 地を確保するということだと思っていたのですが、いかが思われますか。

  ファルージャの戦いはソ連に対するブタペスト民衆の戦いや、 チェコスロバキアにおけるプラハの春と同じように、米軍の力の前に捩子伏せられることでしょうが、イラク民衆の占領軍に対する抵抗運動のシンボルとして、その歴史に長く記憶されることになるのではないでしょうか。 小生はこのファルージャの戦闘を機に完全にその戦いの意味が変質したと思います。

 今までは胡散臭さはありましたが、まだ 「テロとの戦い」というお題目が世界の人々を納得させる面がありました。今やアメリカは強権によって支配する以外、イラ クの国民を道理により納得させて秩序を保つことは完全に不可能になったと思います。 一時休戦の話しが出ておりますが、正規の軍隊どうしの戦いで あれば休戦という話しも判りますが、アメリカがいうところの テロリストとの間で一時休戦というのも変な話ではありませんか。既にアメリカ自身の論理が崩れており、ファルージャで戦 っている人達はテロリストではなく、レジスタンスと認めていることになるのではありませんか。

届いたメール

 神浦さん。 今回の人質事件は何となくはじめからうさんくさい 感じがしてます。その辺、神浦さんはお感じではないですか? 武器といい、人質の置かれた状況といい、ビデオ撮影の映像といい、 人質の日本人かあるいはバックに誰かアメリカに反対する者のやらせ、ではないかなどと感じています。

届いたメール

 神浦さん、こんにちは。いまメールを書いている時点ではっきりしたことは不明です が、どうにか人質が解放されそうで、少しほっとしています。人質となった人びとの家族も、とりあえずほっとしていることでしょう。神浦さんの読みも当たっていたよ うですね。 しかし、日本人以外にも民間人が誘拐され、イラク情勢はますます混沌としてきてい ます。

 今回の邦人人質事件をきっかけに、国内でも自衛隊派遣の是非をあらためて問 うたり、イラク戦争の正当性の検証を要求する声が高まるのではないかと思います。サマワの治安状況はどんなに悪くなろうと政府は戦闘地域と認めないでしょうが、治安が悪化して野党やマスコミから説明を求められた場合どう説明するか、これまでのような論理のすり替えをすることがないか注視したいと思っています。対米貢献でな く、日本の国際貢献はどうあるべきか。

 神浦さんの「今まで多くの日本人市民が、危険な国や地域でNGOなどの人道支援や取材活動をやってきました。そのことで日本は多くのことを知ったり、尊敬を集めてきました」という言葉が重く響きます。

  ところで、遅まきながら「ニュースわかんない!?」ごくろうさまでした。すっかり主婦のアイドルになりましたね(笑)。重い話ばかりでなく、軽く楽しい話題も神浦さ んから聞けるのを楽しみにしています。がんばってください。

届いたメール

 神浦元彰さん、 00000と申します。 いつも貴重な情報・分析ありがとうございます。

  「三交渉術」も、なるほどそういうことなのか、と感服いたしました。 わたしは『世界がもし100人の村だったら』を出してより、ささやかながら戦争に反対する行動を重ねています。 3人の若者の代替として、わたしが名乗りを上げ、それをあしたアルジャジーラなどで放映してもらい、返事を待つ、さらにはわたしが行くまで期限を延期してもらう、 軍隊が3日で撤退するのはむりなことに気づいてもらい、冷静さをとりもどしてもら う、ということは、可能でしょうか。 あるいは意味があるでしょうか。

  ほんとうは、政府の要員(逢沢副大臣がアンマンに入ったようですが)が身代わりに なると提案するのがいいと思うのですが。 しろうとがとっぴなことを言って、と受け取られることは承知しています。 わたしはいたって冷静です。

 (神浦・・・このメールは3人が解放されると報じられる前に届いていました)

届いたメール

 神浦さん、ご無沙汰しております。立て続けに様々な事件が起こり、大変ご多忙のこ とでしょう。お身体に気を付けて下さい。 4/10「メールにお返事」で 「私も危険を承知で戦場に行きましたが、もし地雷や弾に当たって死ねば、それは自 己責任をあきらめますが、まさか誘拐されて政治要求の道具に使われ、それで日本政府の側から「自己責任だ」と言われれば腹が立ちます。(中略)今まで多くの日本人市民が、危険な国や地域でNGOなどの人道支援や取材活動をやってきました。その ことで日本は多くのことを知ったり、尊敬を集めてきました。彼らが危険になったり、 負担になったから切り捨てないでください。」 という下りを拝読し、私の認識の甘さを思い知らされると同時に、やはり神浦さんは冷静な分析能力と、温かい情と高い品格を兼ね備えた方だと感嘆いたしました。 私も「危険なところだと分かって行ったのだから、仕方ない」と思っていましたが、 神浦さんの文章を読み反省させられました。誘拐された三名の様に、自衛隊派遣に反対の立場で、それでもなおイラクや日本の為に何かをしようとしている人々が、安易に切り捨てられるのはおかしな話ですね。私も同じ立場だったら日本という国を信用できなくなります。

  ところで、逢沢外務副大臣はヨルダンのアンマンに行きましたが、一体何をしに行っ たのでしょう?神浦さんが書かれたように、現地の部族長達と交渉が出来ないのならば、専門会社に委託した方がずっと効果的ですよね。 民間ではもっと効果的なことをしているのには感心しました。アルジャジーラに三人の政治的立場や、これまでの活動を紹介し解放を呼びかけるメールをどんどん送り、実際に放映されました。愛知県では高遠さんに世話になったという名古屋に留学してい るイラク人医師が、解放を呼びかけるビデオを撮影し、ネットを通じてアルジャジー ラに送るそうです。放映されるかどうかは不明ですが、イラク人が、イラク訛りのア ラビア語で「私は高遠さんに世話になった。彼らはイラクの為に行ったのだから解放 してくれ」と呼びかければ、小泉首相や日本の外務省官僚が呼びかけるよりも数百倍 も効果があると思います。現在日本にいるイラク人で、特にファルージャ近くのスンニ派の方が、名古屋にいる医師と同じ様なことをして下されば、交渉のバックアップ になると思います。そうしたことを日本政府はどんどんやって欲しいと思っています。

 神浦さんが推察された通りであれば、三人が即、明日殺害される、という可能性も低 いのですから。 長々と失礼しました。ますますのご活躍をお祈りしております。

届いたメール

 はじめに3人の無事を祈りたいと思います。

 以前に神浦さんが復興支援はNGOを中心にと書かれていた記憶がありますが、今回の事件でNGOの限界というものが見えてきた気がします。小回りがきく分、組織として微力であり、イラクのような治安が回復していない状況では、危機管理能力を備え対応する能力が充分でないと、活動そのものが危険で有るということが実証されました。

 今回の3人はたまたま知り合いになっただけの組織的な行動ではなく、思いつき「運次第」といった、軽薄短小な行動であります。国家と国民がかけ離れ、義務と責任を理解しない人間の尻ぬぐいを、小泉首相を初めとした政府が苦慮している様に思われます。

 神浦さんが言われる、あえて危険な戦地に飛び込む、と言うのは結構なことですが、海外の駐在員を例に並べ、自己責任について政府に不満を言うのはピントがずれているように思われます。海外に駐在する方は、自分の意志で所属している組織の命令により海外に駐在し、避難勧告が出されればそれに従い避難します。誘拐されても駐在している社員に「自己責任」は発生しません。しかし政府の渡航禁止を無視し、現地の危険な状況を認識した上での入国においては、政府の対応を批判する前に彼らの「自己責任を厳しく言及するべきであり、生きて帰ってきたとしても重大な過失により多大なる国損を与えた事に対し、罪を問われるべきです。「切り捨て」という被害者意識は許されるものではなく、法の裁きを受けるべきなのです。

 彼ら3人の親は自分の子息が世間に与える影響を全く考えず、ただ政府に対して不満を連ねております。 また自衛隊の撤退も当たり前の様に口に出しています。まるで自衛隊が悪者のような言い方でです。サマワにいる自衛隊員が気の毒であります。

 過酷な環境で危険な任務に赴き、自分の職務に誇りを持って活動されている自衛隊員が、あの3人の軽率な行動により、「意味のない人道支援」として軽く扱われているのです。

 この3人の軽率な行動により、サマワの部隊は撤退するタイミングを逃しました。

サマワでの状況が悪化し、戦闘が激しくなれば戦闘地域と認められ、正当な理由で撤退することも可能であったにもかかわらず、「テロに屈しない」というお題目を掲げている以上、今の段階での撤退は不可能になりました。

 本当にサマワにいる自衛隊員が気の毒であります。神浦さんの講演に来ていたそうですが、こういう若者を増やさないよう気を付けて下さい。

追伸

「テロリストの持っている武器がフセイン時代の」と言う発言は、武器に関する知識の足り無さを世間にアピールしています

 人質になった今井さんが心配です。 (4月10日)

届いたメール

 初めてメールいたします。昨年の札幌オフではボランティアスタッフを 申し出たのですが、あいにく体調を崩し入院いたしましてご迷惑をおかけしたものです。その節は失礼いたしました。ぜひお会いしてお話を聞きたかったのに 大変残念でした。

 本日メールを差し上げたのは他でもありません。 今回イラクで起きました人質事件、3名のうち2名が北海道の方でした。ご多忙とは存じ上げますが、これを機会にまた近いうちに札幌にいらしていただけないでしょうか?

 今回は前回のときとはイラクに対する関心度が段違いに高く、前回とは比べ物にならないほど注目度もあり、人も集まると思うのですが、いかがでしょうか?

 多くの人が意見の交換を行う場をもうけていただくチャンスだと 思うのですが。 今回の事件は私にとっては予想の範囲内の出来事でした。 当然、政府もシュミレートの中に組み込んでいると思うのですが 、今ひとつ対応の実態がつかめません。昨日の新聞にどこかの中東問題の大学教授のコメントで、 これは単なる脅迫か本気かわからない、3人を殺しても テロリストには得することはないので安易に殺すことはないだろう。と、ありました。 驚きました。

 こんなでたらめなコメントがマスコミに乗って全国に流されています 。以前、神浦さんが指摘したように3人の殺害映像を流すことが 、どれだけのインパクトを与えるか、この大学教授にはわからなくてもテロリスト達にわからないわけがありません。自分たちで映像を録画したCD−Rをつくった連中です。 インターネットで流すのなんて簡単なことです。 彼らをどういう形にせよ、日本政府から自衛隊の撤退を 引き出さずに返すことは小泉政権にプラスを与えることになり 、そんなことをするテロリストなどいるはずがありません


 日本でテロを行うのは難しくても海外の日本人をターゲットにするのは比較的容易なはずですから、このあと他の組織が 似たような犯行を起こすことも十分考えられます。

 私も含め神浦さんに直接話を聴かせていただいたり、 質問したいことがある人はたくさんいると思います。どうか来札について一考お願いいたします

 とりとめのない文で失礼いたしました。

届いたメール

 こんにちは 埼玉の00と申します J-RCOM、いつも興味深く拝見させて頂いております さて、イラクの人質事件の報道を見て驚きました 札幌の今井さんは昨年11月の札幌のoff会で最前列(私の前席)にいらした方ですね 高校生ということと印象的な目付きを覚えていたようで テレビの映像を見て「あれ、この人は?」と記憶がよみがえりました 言葉こそ交わしておりませんがこのような形で思い出すことになるとは思いませんで した 彼の置かれた状況を考えると、表現できる言葉はありません では

届いたメール

 神浦さん、初めてメール差し上げます。私は札幌在住の00と申すものです。

 先ほどのニュースでイラクにて誘拐された今井さんは、私も参加させていただいた

札幌での OFF 会にも参加されていた今井さんのようです。

 恐れていたことがおきてしまいました。どのように解決すべきなのでしょうか。

 突然のメールで申し訳ございません。ただ、日本にもこのようなことが起こるようになる

時代になってしまったことを真剣に考えさせられます。

 それでは失礼いたします。

届いたメール

 神浦さん L.A.の00です。 お久しぶりです。

 今回のイラクでの誘拐事件、ちょっと別の視点から感想です。

 札幌市西区のNGO代表、今井紀明さん(18)に関してですが、僕には無謀な行動としか云えない。そしてお母様直子さん(51)の 「息子たち民間の人道支援を見殺しにしては、自衛隊(派遣)の目的にもならないのではと思う」との発言には首をかしげる。 現在世界で一番危険な地域に勝手に行ってみんなに迷惑かけて...まずは一言わびるのが常識と思うのですが....

 それに「民間の人道支援」とはビックリする発言。あまりの甘えた言動に呆れました。


 僕は今回の自衛隊派遣には反対だけど、誘拐犯の条件をのんでの撤退だと、また次の事件を呼ぶ事になると思ってます。 かつてフィリピンとかでゲリラに誘拐された商社マンを助けた際、初めに条件を飲んだ為に、その後次から次へと誘拐事件がおきました。 犯人とは交渉しない、という原則を貫いた方が結果的には良いと思うのです。

 18歳の子供を戦闘地域にボランティアに出した親、アメリカだったら訴えられるかもしれない。
それにしても日本人としてあまりに能天気で恥ずかしい事件です。

届いたメール

 今井さんは、メールマガジンを発行していて、そこに神浦さんの講演会の様子が書いてあることも分かりました。これで、私が見たのが今井さんなのは確定で す(これは掲載してもよいと思います)。そのメールマガジンのアドレスは次の通りです。
http://melten.com/m/16338.html


 講演会の様子が書いてある号も見つかりました。

(神浦・・・これはスパイク通信員からのメールです。このメールはこの欄に掲載しました)

所長コメント 

 私も最初にTVのニュースを見た時は驚きました。しかし次に顔を見ると殴られた跡がない、服が汚れていない、ボタンが取れていないと分かりました。すなわち暴行されていないということです。またゲリラが持っている武器も、フセイン時代の軍武器庫から持ち出されもので、元フセイン軍の関係者と推測できます。さらに民間の外国人を誘拐しながら、危害を加えていないのはアルカイダの手口ではありません。ゲリラはスンニ派の反米武装勢力で、米軍の総攻撃に対抗して日本人を誘拐して、米軍の攻撃を牽制する作戦と思います。私は今の段階では今井君など3人に、危険な状態にないと思っています。危害や処刑など行わないと思います。アルカイダならすでにやっています。

 今井君を知っているから言えることですが、彼は非常に冷静でしっかりしています。並みの高校生とはまったく違います。彼が高校3年生と言うだけで、だれもが驚くほどしっかりしていました。

 私も危険を承知で戦場に行きましたが、もし地雷や弾に当たって死ねば、それは自己責任をあきらめますが、まさか誘拐されて政治要求の道具に使われ、それで日本政府の側から「自己責任だ」と言われれば腹が立ちます。海外の日本企業の駐在員が、誘拐されたときに「危険を承知した自己責任だ」と、日本人に切り捨てられれば腹が立つと思います。今まで多くの日本人市民が、危険な国や地域でNGOなどの人道支援や取材活動をやってきました。そのことで日本は多くのことを知ったり、尊敬を集めてきました。彼らが危険になったり、負担になったから切り捨てないでください。

 米軍がモスクを攻撃することの愚 (4月8日)

届いたメール

 第 一次大戦終結後、ベルサイユ体制下、民族自結決主義のスローガンのもとに幾つかの民族国家が独立し、ドイツ帝国とオーストリア−ハンガリー帝国は解体し た。ドイツが強国になることを恐れた戦勝国側は民族自決主義とは裏腹にドイツ人による統一国家の樹立を許さなかった。ヒトラーはドイツ民族の単一国家への統合を目指し、ドイツ人居住地域のドイツへの併呑を強行、その結果第二次欧州大戦の口火を切った。第一次大戦の戦勝国であるフランスを屈服させ、イギリス 大陸派遣軍を欧州大陸から駆逐すると、それは全欧州の覇権という野望に変貌し、共産主義ソ連という脅威論を煽り立てソ連に侵攻した。日本の真珠湾攻撃によ り日米両国が参戦し、第二次世界大戦となって以降は独裁体制対民主主義の戦争へとその姿を変えた。お互いの政治思想を武力をもって否定しあうクラウゼビッ ツ理論の究極的具現化であった。

 長い前置きですが、敢えて歴史のおさらいをしました。ここでの教訓は、第一に戦争はそれ自身が変質、変貌し、巨大化、極限化するということ。それは戦争指導者たちにもどうすることもできないほど急激に突き進んでいき、後戻りはほぼ不可能。イラク戦争も(いまだに終結していないという前提で)例外ではないよう です。大量破壊兵器を保有する危険な独裁者の排除が最初のミッションだったはずが、一年でイスラム教対非イスラム教の宗教戦争の様相を呈し始めています。

 第二次大戦のもう一つの教訓は、戦勝国側は公約通りに敗戦国に民主主義的政権を樹立させましたが、その過程において敗戦国の歴史、文化、宗教といったアイデ ンティティーまでは否定せず、戦勝国のアイデンティティーを強要しなかったことです。それが占領政策の成功の鍵となりました。イスラム寺院まで攻撃のター ゲットとした米軍はイラク国民の心を傷つけ、憎悪の念をよぶことはあっても占領政策に同意を期待することはできなくなってしまったようです。

 聖書を愛読書と公言して憚らないブッシュなら分かるはずです、宗教を信じる者にとって宗教がいかに重い意味を持つかということを。建国以来高々200年のアメリカ人にとって物質的文明は分かっても、歴史に裏打ちされた精神的文化は理解できないのだという人もいます。千年を越えるイスラムの歴史、文化、思想を否定しようとするのは愚の愚と言わざるを得ません。400年前アメリカ大陸への最初の移民は エリザベス1世の清教徒弾圧後、信仰の自由を求めたわずか102人の ピルグリム =ファーザーズでした。このアメリカ史の誇るべき原点に正しく立ち返って自分のしていることを見つめ直すときは今しかないのではないでしょうか。手遅れになる前に。

所長コメント

 イスラム国を旅行していると、早朝からコーランが街中に響いてきました。モスクの最上階に付けられたスピーカーから、四方、八方にコーランが大音響で流されていました。あらゆる生活の中心にイスラム教が存在し、人々の考えをイスラム的にしていました。そのような象徴的なモスクを空爆するのは宗教戦争の宣戦布告です。もしゲリラがモスクの壁に隠れていれば、非致死性の催涙ガスを使うとか、別の方法があったはずです。・・・・・・

 今、サマワの自衛隊宿営地近くに砲弾が着弾したという報道があり、TV局から呼び出しがありました。ちょっと行ってきます。

 中国の併呑政策の怖さを実感した。(4月7日) 届いたメール 

 神浦さんこんにちは。 先月24日の中国の民間活動家の魚釣島上陸事件は本当に驚きました。 驚いたというのは上陸そのものではなく(いずれ堂々と行うとは思っていました) 海保・沖縄県警のスピード逮捕。そして政治決断でのスピード釈放の方です。

  「実行犯」には「靖国狛犬落書き事件」の主犯だった猛者もいたので、日本が格好の カードを得た格好でしたが、あえて不法入国以外では裁かず、不法入国以外に器物損壊の罪もあったので検察送致も可能という部分も残したままで、「国外退去」の形での「釈放」になりました。

 格好のカードを逃がした事で弱腰、金正男釈放の二の舞いという非難の声が沸き起こっていますが、私はこの辺りが「限界」だったと感じています。もう日本の国家体制そのものが、政治とは別の部分で中国に飲み込まれかけているのです。

 よく日本の製造業の衰退、逆に「世界の工場」中国の躍進という構 図が、ここ10年くらい定着していますが、最近は少々状況が変わってきているようです 。今日本の製造業は、「中国特需」に沸いてきているのです。乱暴な言い方をすれば 「日本でもはや売れなくなった贅沢品が、今は中国の富裕層によく売れる」のです 。それでやっと日本の製造業が持ち直してきたのだから、中国との関係を損ねるのは避けたい、譲歩せねば…。というのが政治サイドの決断だったと思います。

 考えてみたら日本の海保、警察といった実力装置が機能してももっとマクロな意味 ではもう中国に逆らえないのです。普段の生活。商売、お金で中国を敵に回せない のです。

 以前、神浦さんのおっしゃった「中国が軍事大国だったことは今まで一度もありません。皆、経済の力で併呑していくのです」という言葉の意味が解ってきまし た。中国の併呑政策は、経済と人のつながりの力でなされていくもので、相手に比べ優位に立つための数千発の核ミサイルも、数十万人のスパイも、秘密のうちに編成され た特殊部隊も要らない極めて合理的なものです。

 日本の論客たちは愛国心や義憤だ けでなく、こういった部分も含め問題を冷静に見ていくべきでしょう。 彼ら活動家を撃沈されてお台場に展示されていた不審船のように、「生きた晒し者」 にしたら日本は底なし沼の苦境に立つ所でした。

所長コメント

 今日、衛星放送で香港のTVニュースを見ていたら、小泉首相の靖国参拝は憲法違反の判決が出たと報じていました。しかし政府の反論や小泉首相のコメントは扱っていませんでした。あのニュースを見れば、中国人の日本観が正しいと自覚するでしょうね。私は国に殉じた人を埋葬する国立墓地を作る案に賛成ですが、別に靖国神社があってもいいと思っています。あくまで信仰上の問題でしょう。しかし総理として参拝するのは問題だと思います。小泉首相も靖国神社に参拝したいなら、好きなときに個人の資格で行くべきでしょう。ちなみに私は毎年、7月の御霊祭り(みたままつり)の時に靖国神社に参拝しています。自衛隊の同期生が訓練中に13人水死しています。彼らと死んだら靖国神社の桜の枝で会うと約束しているからです。もし彼らが約束を果たしに靖国神社に来たら、私たちがいなかったら寂しいと思うからです。しかし13人の同期生が愛国心で死んだとは思っていません。当時の区隊長に命令されて、池を渡るように命令されたから、それで溺れて死んだのです。

 ワシントンのアーリントン国立墓地に行ったことがあります。日本にもあのような施設があるといいですね。政治に左右されないで、国に殉じた人を埋葬する国立墓地です。これから日本でも国際的な人道支援活動で犠牲になる人も出ると思います。そのような人を顕彰できる国立墓地です。戦死者だけを称えるための国立墓地ではありません。

 これから日本が中国の併呑政策を防ぐには、そのような筋の通った愛国心がまず必要だと思います。いつまでも愛国心が靖国神社で議論されていてはダメだと思っています。

 日本人は自衛隊イラク派遣のリスクの大きさに気がついた。(4月7日)

届いたメール

  神浦 元彰 さん。

 イラク情勢についての一考察です。 今回のシーア派への攻勢について、サドル師を支持する一派は 少数派(支持はシーア派の1割程度)に過ぎないので、6月末 の主権委譲の前に一挙に叩き潰してしまうというのが米軍の作 戦であり。そしてシーア派を穏健派のシスタニ師を支持する一 派に纏め、チャラビ(シーア派)を主権委譲後の首班に据える というのがBush政権の思惑の様です。

 これは勿論イラクの多数を占めるシーア派が政権を取り、イランのようなイスラム教による神聖国家にしないための方策です。 このため、既に調印が終わっているイラク暫定憲法においても 、実質的にクルド人の拒否権を認める条文がついています。こ の暫定憲法の調印に当たって一度シーア派は拒否したのですが 、アメリカの説得に応じて調印することになりました。冷静に なって考えると、シーア派にとってイラクの歴史上最大のチャ ンスであった政権獲得の機会を自ら放棄したことに気づき、シスタニはUNのブラヒミ事務総長代理に調停を頼んでいる状態 です。

 シスタニ派はこの時の判断で判る通り、宗教的権威は大きいが、政治的な判断能力に問題があることが暴露されてしまいました。これに火をつけたのがサドル師です。シーア派も失業 や米軍の統治など鬱積が溜まっている所に、アメリカから騙さ れたとの感情に火がつき一斉に燃え上がったのです。したがっ て日本の評論家(特に読売新聞)が言うように、一部の跳ね上が り分子が起こした騒乱なので、

米軍の力を持ってすれば抑え込めるとの説は安易すぎます。

 今起きている現実はイラクのパレスチナ化です。この戦いはイラクのインティファーダ−であり、1926年?イギリス軍に対するイラクの一斉蜂起と同じグレイドで考えるべきものです 。

  問題はこれから先です。アメリカにとっての最大の問題は騒乱 を静めることは勿論ですが、6月の権限委譲を誰にするかということが表面的には全く決まっていないということです。腹案 としてはチャラビがアフガニスタンでいうところのカルダイに相当する人物と考えているようですが、これでは全く収まりま せん。ベトナムのゴ・ディンディエム政権と同じように腐敗した、強権政治体制ができるだけで、中東の民主化などというのとは最も遠い姿になってしまうでしょう。

 最悪なのはベトナム 戦争には北ベトナムという統治体系が後ろに控えていましたので、休戦交渉など国家の枠組みで処理することができたのですが、イラクは全くその様なものがありません。アメリカにとっては前進か、撤退しか選択肢がないのです。

 撤退はテロとの戦いという一種の宗教戦争(これはBush政権が自ら作り出し たのですが)に敗退することを意味するので、絶対にできなく なっています。一方、前進による勝利はあり得るのかと言うと 、これもまたあり得ません。長い歴史で見ればいずれアメリカ 軍は撤退することになるのでしょうが、どこまでアメリカの富をイラクに注ぎ込んで撤退するかにより、アメリカの行く末が決まります。 恐れるのは、この騒乱が今後シリア、サウジアラビアなど中東各国に波及し、中東全体が流動化し始めることです。石油の供 給源なので世界に激震が走ることでしょう。

  さて、サマワの自衛隊に一部小火器で武装した群集が押し寄せた場合、どのような処置を講ずるのでしょうか。発砲か撤退か 極めて困難な判断を迫られます。発砲して死傷者が出れば、もはやイラク人の憎悪のなかサマワでは活動出来ないでしょうし 、中東におけ日本の評判も大きく傷がつくことでしょう。一方 、撤退ともなれば国際的な評価は大きく傷つくことになります。日本人はイラクへの派遣がいかほどリスクが大きいものであったかやっと気づくことになるのでしょうか?

所長コメント

 つい先ほどこのテーマで、ある週刊誌の取材を受けたばかりです。シーア反米派(サドル師)と駐留軍との衝突が今後どのように予測されるか、という点と、サマワ宿営地の自衛隊側の対応です。まず衝突(対立)はますます拡大します。サドル師を支持する者たちは、フセイン後に何も生活が向上しなかったことに苛立っています。そこをサドル師が激しく反米感情を煽れば、どんどんと支持が広がっていき、さらに対立で激しい憎悪を深めていくからです。今はシーア派の25lがサドル師支持と言われていますが、この数字は米軍でも簡単に鎮圧できない勢力です。

 自衛隊は宿営地に立てこもるしか方法はありません。デモ隊の一部に武器を持った者がいて、それが攻撃してくれば反撃ができないからです。日本で治安出動が発動されていれば、そのような反撃は可能ですが、イラクでは正当防衛しか認められていないからです。

 だったら一時的にクウェートに避難できるかと言えば、それは逃げ出すことになるので軍事組織では不可能です。また避難中に宿営地の備品が略奪される危険もあります。そんないい加減なことを政府が決めてイラクに自衛隊を派遣したのです。

 ついに恐れていたことが現実になってきました。いままでいい加減なことを言って、政治や世論を動かしてきた人は責任を考えるべきです。

 日本人外交官、米軍誤射説は正しいか。(4月5日)

届いたメール

 昨年のイラクでの外交官殺害事件に関する検証結果が、本日警視庁公安部より発表されました。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040405-00000600-jij-soci

 本年2月5日『イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する 特別委員会』で民主党の若林ひでき議員が、あくまで推論であるとの前置きの元『米軍による誤射の可能性』についてパネル等を用いて質問をされておりま す。  http://wakahide.com/kaigiroku.html

 素人判断の危うさは自認しておりますが、“在り得る”論としてその後の経過を見守ってまいりました。 3月21日にはテレ朝・サンプロに若林議員がご出演になり、かなりの反響を読 んだようです。その後いくつかの新聞にも取り上げられ、議員のホームページ には『緊急レポート』として特集ページが組まれました。  http://wakahide.com/iraq_report.html 

 そこで、今回の警視庁公安部による発表内容に対し、軍事専門家としての神浦さんのご見解をぜひともお聞かせいただきたくメールさせていただいた次第で す。 詳しくは上記サイト内のレポートをご覧いただきたいのですが、車高1.88 メートル前後のランドクルーザーに対し地上1メートルの高さから発射された 銃弾が、果たしてあのような状態で被弾痕として残るものなのでしょうか。

  素人の私が面白がって騒ごうなどという気持ちは毛頭ありませんし、仮に『米軍による誤射』であったとしても、緊迫状態にある戦場であれば充分起こり得 ることと理解しております。しかし、真実を捻じ曲げられるようなことがあっ てはならないと危機感を覚えるところであり、重ねて専門家としての見解をお 教えいただきたくお願い申し上げます。

所長コメント

 私は米軍誤射が推測できるものは何もないと考えていました。昨日の警視庁公安部の発表で米軍誤射説は否定されたと考えます。もしあえて米軍誤射説にこだわるなら、現地の目撃証言か、米軍関係者の新たな証言が必要と思います。推測の上に推測を重ね、さらに推測をしていれば真実は見えてきません。重要なのは証拠や事実を裏付ける証言です。若林議員がこの問題で出てきたとき、軍事の凄さを知らないと、警察の鑑識にもて遊ばれると感じました。

 昨日の公安の発表に若林議員がどのように反論しているか、ちょっと見てきます。

 日本がダメなのは政治家、大学、マスコミが元凶ではないですか。(4月5日)

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 沖縄からメールを書いています。日本の最近の凋落振りと中国の発展には驚いています。 日本は冷戦後のアメリカと中国にかなり食い尽 くされていると思います。理由は政治家とマス コミではないかと思いました。ホテルで食事をしていると若いお金持ちの集団がいました。話は会社や資本の海外移転や政治家やメディアの 批判や非難ばかりしていました。お金持ちにか真実の情報が伝わっていないとしたら悲しいと思いました。仕事が少なくなるのも犯罪が多いのも理由はあるのだと思います。このままだ と日本はとても危険だと思います。海外から見 ると日本の政治家と大学とマスコミは最低ラン クなのでしょうか・・・・・・

 中国人不法入国、日本語学校経営者は「蛇頭」の大物

 東京・新宿の日本語学校「新東京語学院」を舞台に、 8000人もの中国人が不法入国していた事件。手引き役で、同学院を実質的に経営する吉田勝則被告(56) は、警察が5年近く前からマークしていた在日「蛇頭」の大物だった。

所長コメント 

 今の日本では多くの人が自信を失っています。昨日も、私の親戚で大手建設会社に勤務している人からリストラだと電話がありました。すでに何度も倒産の危機に見舞われていた会社なので、とうとう来るときが来たという感じです。しかし不思議なのは、ここに至るまで何の対策を講じていなかったということです。再就職に有利なように資格の勉強をしているわけでもないし、いざという場合に備えて再就職先を探していなかったのです。何とかなる。まさにこの甘さ一点につきます。今はハローワークに通っているそうですが、50歳を過ぎた年齢では適当な仕事がないようです。

 私はフリーで正規の会社勤めの経験がありませんが、厳しい生活の連続でした。まさに軍事を研究しながら、いかに生き残って仕事を続けるかです。そのような生活経験から考えると、今の日本人は甘えが多いように感じます。もう一度、生活の厳しさを知ることも、日本を再生させる大切な過程のような気がします。

 政治家や大学やマスコミが悪いと言っても、それで何もしない本人が最も悪いような気がします。

 米兵容疑者の身柄拘束で新合意されたことに異議があります。(4月3日)

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  神浦さんこんにちは。

  今日NHKの夜のニュースを見ていたら、事件を起こした米兵が日本に身柄引渡しをされた場合、その「身柄引渡し事案」 については、「全て」米軍の捜査関係者が同席する事を合意したと伝えられていました。

 日本は、米兵だけ特別扱いすることはできないという姿勢を最後まで示していたようですが、やはり予想通り、訴訟大国アメリカに譲歩せざるを得なかったことがうかがえます。米軍の主張の要旨は、「日本の司法制度は信用できない」という構造的な不信感で、これは少し以前の米韓関係も同様で、韓国では刑務所に収監中の米兵もアメリカの要請があれば釈放されるようになっていま した。

 ここで考えたのですが、刑事の取調べは容疑者との真剣勝負であり、脅し、疲労させ、方便を用い相手を撃墜するものです。それを「信用できない」というのはどういうことでしょうか。それなら何故そんな「司法制度の未熟な国」で、犯罪を犯すの? 

 シンガポールなら鞭打ちの刑だよ?と納税者として言いたいです。 これは以前在職中に自衛隊で上司に聞いた話ですが、アメリカにミサイル射撃訓練に行った日本の高射部隊の隊員が、「ストリップ 劇場」を見物していたときに、アメリカの警察の「手入れ」で逮捕された場合、全く現地人と同じように留置されるそうです。

  あとこれは米軍側が全く知らないようなので書いておきますが、現在日本では「当番弁護士」という制度があります。 最初の一回は無料で、逮捕だけでなく任意同行でも来てくれる。ちょうど航空自衛隊のスクランブル発進のようなものです。 これを利用するだけで十分過ぎほど十分ではないか?と思います。

 同制度は現在は全国区の制度で沖縄県にもあります。 米軍は「日本の司法界、弁護士は左寄りで信用できるかどうか」と難色を示しそうですが、そんなことはありません。 弁護士は「鉄人28号」と同じで、依頼者が善人でも悪党でもその権利の擁護のために全力を尽くします。 この問題は、容疑のかかった米兵に、日本人よりはほんの少し有利に「当番弁護士を呼べますよ」という告知をするよう警察に義務付けるだけで十分だと私は感じました。

所長コメント

 強姦などの凶悪事件で、日本の逮捕要請と身柄引き渡しに関して、米軍側が拒否して大きな社会問題になることが度々発生しています。米側は日本の司法制度が信頼できないということを理由にあげています。しかしこれは勝手な言い分だと思います。あくまで駐留軍として特別待遇(優遇)を得るのが目的と思います。私が若い頃は麻薬問題です。岩国基地では多くの米兵がマリファナを吸っていました。ベトナムの戦場からリフレッシュ休暇で岩国に遊びに来た連中です。彼らが通う広島のデスコのトイレでは、マリファナの煙がモウモウとしていました。しかし日本の警察が取り締まることはありませんでした。もちろん米軍の憲兵も取り締まりをしていません。米兵は日本の警察などなめきっていました。

 ようするに米兵を日本の司法制度で裁けるかどうかは、そのときの日米関係の力具合で決まると思います。今回の合意は、日本側の身柄引き渡しに速やかに応じる代わりに、米軍の捜査官を取り調べに同席させることで決着しました。しかし問題の日米地位協定の17条はそのまま残りました。まあ、適当にお茶を濁してすませたという話です。

 次に大きな問題が発生したときに、このやり方で被害者の日本人が納得することはないと思います。要するに外務省の考えそうなチャチなやり方です。

 サマワの自衛隊が砂漠迷彩服を着ない理由を知りたい。(4月2日)

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 神浦さん、始めまして。00と申します。 いつも貴重な情報を提供してくださってありがとうございます。

 今日、メールしたのは、TVにイラク派遣された自衛隊が写る度に感じる違和感について神浦さんの御意見を伺いたかったからです。

 その違和感のは、イラクの自衛隊員は砂漠仕様の迷彩服を装備しておらず、他国の駐留軍と比べて非常に浮いた存在に見えて仕方が無いということから来ています。

 そこで質問なのですが、イラク駐留の自衛隊にとって砂漠仕様の迷彩服など意味が無いということなのでしょうか?それとも自衛 隊は迷彩服すら支給されないまま派遣されてしまったのでしょう か?何かのおりにでも解答頂ければ幸いです。

所長コメント

 多くの人から同様の質問を度々されます。皆さん、あれには違和感を持っているようです。私はサマワの自衛隊が、治安部隊の米軍たちとは違うということをアピールするために着ていると思っています。米英軍やオランダ軍のような砂漠迷彩服では、いかにもイラクに戦闘に来ている様に見えます。そこでアラブ人の好きな緑の迷彩服で差別感を出しているのです。

 すでに自衛隊では砂漠迷彩服を購入していますが、まだ自衛隊が攻撃される事態が起きていないので、このまま緑の濃い迷彩服を着用するでしょう。しかし攻撃が頻繁に起きるようになれば、戦闘で保護色の砂漠迷彩服を着用して対応します。

 初期の自衛隊イラク派遣計画では、迷彩服どころか、派遣隊員に緑(モスグリーン)の作業服で行くことも検討されていたそうです。自衛隊の「朝雲新聞」にはそのような記事を読んだ記憶があります。その理由は、米英軍と差別化を行って、自衛隊の安全を確保する狙いです。

 砂漠迷彩の戦闘服は購入されています。それこそ衣替えは1時間でできます。自衛隊は今は緑の迷彩服の効果に期待しているようです。まあこれは、あまり大きな声で言えないでしょう。

 カトリック教徒Vsイスラム教徒の戦争に影響。(4月1日)

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 神浦さんこんにちは。 スペインでは先月11日の列車爆破テロ以来政権交代、次期首相のイラクからの撤退発言などが続き、またポーランドでも大統領が「大量破壊兵器の有無につい ては、ポーランドは完全に欺かれた」と不快感を表明し、アメリカを中心とする有志連合の足並みに乱れが生じています。

 後者のポーランドは軍の撤退はまた別問題としており、スペインとは少々違った姿勢を示していますが、この2国にはある共通点があります。国民の大多数がカトリック教徒だという点です 。少数民族や出稼ぎ労働者を除けば、ほぼ完全なカトリック文化圏の国で似たような動きがあるのは注目しなければならない事態だと感じます。

  イラクでのレジスタンス活動は、最初交戦当事国の米英軍へのものから始まり、 米英はプロテスタント文化圏なのですが、その後事態が泥沼化するにつれ攻撃対象は ポーランド、イタリア等カトリック諸国の軍隊へも広がっていきました。

  私は思いましたが、イスラムゲリラも戦争目的を「イスラム教対キリスト教」の構図にはもっていきたくないのではないでしょうか。せめて「イスラム教対プロテス タント」か、更には「ブッシュは利権が欲しいだけで信仰心はただの方便」という 構図で捉え、世論の「落とし所」をそのあたりにもっていきたいのではないかと 考えます。

  カトリック諸国であとイタリアが外れ、さらにスペイン軍の指揮下に入っている中南米諸国も外れば有志連合は大きな打撃を受けます。 同じキリスト教の中でのプロテスタントへの反発といった単純な問題でなく、 世界でのイスラム教やカトリックの信者数が増えているのに比べ、プロテスタントの信者がずっと減り続けていることと、アメリカでクリスチャンが新旧合わせ実は人口 の半数程度しかいない事実も含めると、カトリック諸国の戦争離脱は米軍にも影響を与えると私は考えます。

所長コメント

 そうなんですか。スペイン、ポーランド、イタリアはカトリック教国という共通項があったのですか。そのことに気がつきませんでした。貴重な助言をありがとうございます。当然、アルカイダなどがそのことに関心を持っているのは確実と思います。私を含め、日本人は国際的な宗教知識が乏しいですね。先日のイラクでの犠牲祭で、自ら全身をむち打って血だらけのシーア派信者を見て、宗教の力の大きさを改めて考えました。