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このファイルには、2003年2月分の「Re:メールにお返事」を保管しています

講演会と出版記念飲み会をやりましょう。 (2月28日) 届いたメール
 神浦さん、著書リリースおめでとうございます。沖縄ではまだ書店に並んでいないようです。さっき近所の書店にわざと注文しておきました。新刊でも2週間の遅れがあるといわれています。

 00氏が神浦さんの講演を再度企画しているようなので(こんどは旅費とギャラを用意しているようです)、その時は出版記念飲み会をやりましょう。
所長コメント
 このメールを読んで、おもわず生唾を飲み込んでしました。うまかった沖縄料理と泡盛を思い出したからです。それから沖縄行きですが、私は3月10日頃からイラク攻撃が開始されると予測しています。約1ヶ月間ぐらいは超多忙な日が続きます。それが(順調に)終われば、4月、5月、6月、7月に北朝鮮崩壊が第一段階に突入すると予測しています。(詳細は次回)。
 はやく沖縄に行きたいですよ。沖縄の海兵隊が撤退を決定したら、アミテージさんを呼んで、盛大に飲み会をやりましょう。あなた方が招待すれば、アミテージさんもやってくると思います。米海兵隊撤退の最大の功労者はアミテージさんです。あなた方の気持ちは伝わっています。
ミサイルの終末誘導に画像識別は実用化されていますか。 (2月28日) 届いたメール
 度々のメールですみません。00です。北朝鮮の領空侵犯は示威行為だというご意見、納得しました。戦争が近ければ、兵力の移動や再配備など、もっと軍事的な兆候があってもいい、というわけですね。

 今回のシルクワーム、日本ではバタバタしてましたが、韓国では早々に通常の訓練、という報道がなされていたようです。福田官房長官の「厳重に」というコメントは政治屋(あえて屋としておきます)がよく使う手で、自分達が責められそうだからとりあえず違うところに責任を持ってけ、的なところがあるのでは?と思ってます。口先だけで、本気で「厳重に」注意したとは思えません。だけど、防衛庁側は大変でしょうね。言った本人は責任転嫁の言い逃れでも、言われた側は本気で対策を考えなければならないのですから。特に真面目な制服組にとっては頭が痛いことでしょう。

 ”メールにお返事”のところにミサイルの話が出ていましたが、「すると電波がかく乱してミサイルが誘導できなくなるのです。」とチャフの説明をされていましたが、かく乱というより”欺瞞”ではないでしょうか?かく乱というと潜水艦で言えばマスカーみたいに本体を隠すイメージですが、どちらかというとデコイのように、本体になりすます、と言う表現が合ってる気がします。チャフはレーダーに対して、フレアは赤外線に対して、欺瞞により本体になりすまして誤爆させる目的に使われると理解していましたが。

 慣性誘導+アクテブレーダーホーミング+赤外線誘導より”画像認識”式のミサイルが一番新しい技術だと思ってましたが、まだ実用化されていないのでしょうか?
所長コメント
 チャフのところは「欺瞞」に直しておきます。このあたりの専門用語は、ときどき自分でも表現に悩むことがあります。これからも、もし気がついたら教えてください。
 それからミサイルの画像識別ですが、防衛庁の技術研究本部あたりでは、基礎研究は終了して、実用化のめどは立っていると思います。しかし今のところ日本に差し迫った危機がないので、画像識別の技術を寝かせているのではないでしょうか。ときどき起こして、新しい技術を導入して、いつでも最新の画像識別のミサイル終末誘導を活用できる能力を保持している作戦のような気がします。ちょうど巡航ミサイルを開発できるのに、わざと日本が開発しないという理由と同じです。日本はRMA時代を前にして、いろいろなハイテク潜在技術を隠しています。
 日本へのミサイル攻撃はアメリカに代理報復して頂きます。 (2月28日) 届いたメール
 以前パソコンの不調の時にメールいたしました、たしか、大阪在住のフリーのSEと名乗りました00です。いつも毎日チェックして、なるほどと思いつつ、最近は要約を読んでから、自分なりの感想を先に考えてからコメントを読むようにして自分で考える事ができるように、勝手にトレーニングしています。

 昨日報道がありました、アーミテージ米国務副長官の発言「日本が攻撃を受けた場合は米国が攻撃を受けたとみなす」、なのですが、報道についてはちょっとだけであまり取り上げられませんでした。が、私の感想としては日本の扱い以上に、外交的には影響が大きいのではと思いました。

 まず、アメリカ人を拉致しないのは、アメリカ人を拉致した事によって招く結果について北朝鮮は恐怖しているからであって、それ故、日本人を拉致できた。これは「人」→「国」「拉致」→「攻撃」に置き換える事もこれまではできたと思います。

 ただ、今回の発言によって北朝鮮は暴発したくてもできない状態に輪をかけて軍事以外でも日本にちょっかいを出しにくい状況をこの発言は作ったような気がします。

 これを同じく韓国を攻撃すれば。と言い出す可能性も、この発言の成分には含まれているような気がします。

 あともう一つには今のイラク攻撃前の日本国内の沈静化。日本には北朝鮮に対しての危機感をアメリカとしては本当は煽りたいところですけれど、今開戦直前には北朝鮮問題をこれ以上大きくしたくないというところなのでしょうか。

 乱文ですみませんが、もしよろしければ感想をお聞かせください。それでは失礼します。
所長コメント
 本日の読売の1面トップで、北朝鮮が「テポドン」噴射実験をしたと報じていました。さっそくラジオで朝7時12分からの全国ネットでコメントを求められました。その質問の中で、「もし北朝鮮が日本にテポドンを発射したらどうなりますか」というのがありました。私は、「その場合は、アメリカが数百倍のお返しをします。攻撃を受けた日本が、憲法を改正して、北朝鮮に報復すると言い出すのが怖いので、アメリカは必死で北朝鮮を攻撃するするでしょう」と答えました。まさに日米安保条約は日本が他国から攻撃されたとき、アメリカは自国が攻撃されたと判断して、アメリカが日本の代理攻撃するための条約です。そのために日本は独自の防衛に必要な戦力を持たないで、アメリカの軍事支配を受け入れているのです。もしアメリカが代理報復をしないなら、日本は在日米軍をさっさと追い出すでしょう。(北朝鮮の恫喝にはこの手が使えることを忘れないでください)。
フランス・ロシアがイラク攻撃に反対する理由。 (2月27日) 届いたメール
 初めまして!京都の00と申します。昨日のシルクワームの事件を検索エンジンで調べていたらこのサイトに行き着きました。膨大な情報と的確な内容なので驚きながら読ませています。

 さて質問なのですが、先日友人と話していたのですが、友人が言うにはフランス・ロシアがイラク攻撃に反対するのは、平和やヒューマニズムなんかでは無いと。イラクは結構ロシアやフランス製の武器を購入しているそうなので、もし,イラク軍がこのままアメリカ主導で攻撃を受けたら、間違い無くイラク軍は壊滅する。そして、ロシア・フランス製の武器はアメリカ製には勝てないというイメージが広がり、ロシア・フランス製の兵器価値は暴落するのではないかと。それをロシア・フランスはそれを恐れて反対しているのだと。これが全てでは無いと思いますが成る程と思います。神浦さんのご意見をお聞かせ下さい。
所長コメント
 ごめんなさい。あと30分で打ち合わせのため、駅前の喫茶店に行くので簡単に説明します。私もそのような見解を聞いたことがあります。確かに湾岸戦争(91年)ではイラク軍のT−72戦車が米軍のM1A2戦車に完璧に敗北して、T−72戦車の国際評価を下げたことがあります。しかし今回のイラク攻撃で問題になるような兵器(米軍と競う)はないと思います。
 むしろフランスやロシアがイラクに売った兵器の代金や、石油の利権が失われることに危機感を持っていることが大きいと思います。しかしアメリカがイラク戦争後の保障を約束すれば問題は解消します。私はアメリカがイラク攻撃を実施すれば、フランスもイラク攻撃に参戦する可能性さえ感じています。すでにフランスの空母「シャルル・ドゴール」はトルコ沖に待機しています。それからフランスは国連査察の必要性を強調しても、最後の手段として軍事攻撃は否定しないと明言しています。アメリカがここまで国連での議論を大切にするのは、フランスと何かの密約を結んでいる可能性が大です。これから来月にかけて巧妙な外交戦見ることができると思います。
国民は軍事の論理で動いてはいません。 (2月27日) 届いたメール
 こんにちは神浦さん。私は、北朝鮮のミサイル発射のニュースを新幹線の中で知りました。車両の電光掲示板に流れる文字ニュースで、「北朝鮮がミサイル発射」と表示されました。ちょうど、入試の帰りだったのですが、前の席に座っていた受験生とその親が、「怖いよね」と言っていたのを覚えています。
 私は、以前からJ-RCOMを読ませていただき、北朝鮮の悪あがき程度で驚いたりはしませんでしたが、「日本にテポドンが向けられている」と騒がれている中での「ミサイル発射」は、殆どの人を驚かせるでしょう。少なくとも株式市場には影響を与えたらしく、WBSという経済系のニュース番組によると、東証ではこのニュースが流れた途端に売り注文が増え、終値は大幅安になったようです。

 「この程度の情報をすべて官邸に上げたら、官邸は軍事情報の洪水で機能がストップしてしまう。
いいかげんなことを厳命するな」という記述がありましたが、それは違うと思います。

 日本国内では北朝鮮の脅威が過大評価され、北朝鮮は「尋常ではない大きな脅威」と見られています。北朝鮮に関する情報は、もはや程度の低いものでは無いはずです。少なくとも、株価を押し下げるだけの力は持っているのです。事前に説明があれば、あるいはニュースと同時に福田官房長が説明をしていれば、混乱は避けられたでしょう。

 軍事問題は、市場や世論に大きな影響を与えます。防衛当局が、情勢によっては「下らない情報」が「とんでもない影響」をもたらす事を自覚すべきです。自衛隊が国民心理に気を配らないのならば、いつまでも北朝鮮のいいようにされるでしょう。国民全てが「軍事の論理」で動くと思ったら大間違いです。
所長コメント
 98年8月のことですが、北朝鮮が「テポドン」ミサイルを発射したことがあります。あの時、日本中が大騒ぎになり、日本の国民が強い危機感を持ったことがあります。マスコミは明日にでも東京にテポドンが襲うというように報じていました。株価が低下するどころの騒ぎではありませんでした。政府はそのような国民の危機感を最大限に活用しました。私はこれを世論操作と判断しました。例えば、テポドンが東に向かって発射され、東北上空を通過しました。これをもって、テポドンは三沢(青森県)の米軍基地を狙ったもので、次は沖縄の米軍基地が攻撃目標になるといった情報(報道)です。しかしテポドンは人工衛星で、人工衛星なら真東に向かって発射するのは常識なのです。(地球の引力圏を脱出するために、地球の自転を活用するからです)。
 今回、北朝鮮で発射されたミサイルがシルクワームと聞いたとき、すぐに思ったことはテポドンの二の舞にしてはいけないということでした。そこでニュース速報がでると数分後に、フジテレビに電話出演して、「これは短距離の対艦ミサイルで、日本に脅威を与えるようなものではない。不必要に怖がってはダメです。画面に使っているテポドン発射の画像は不適切です」と発言しました。このコメントは多くのメデア関係者が見ていたようで、このシルクワームのニュースとテポドン発射の画像が一緒に放送されることはありませんでした。
 さらに一部の軍事専門家から、これは北朝鮮が軍事危機をエスカレートさせる第2段階(第一段階はMIG19の領空侵犯)で、これから核実験の実施とか弾道ミサイルでの攻撃まで予測して対応する必要があるというコメントが報じられました。この報道に対して、「そんなバカなことがあるか。シルクワームにそれほどの政治的・軍事的なメッセージ性はないよ」というのが私の考えです。しかし夕方になると、「北朝鮮が次に行なう軍事行動(さらに危険な兆候)は何か」という質問がマスコミから殺到しました。「それはない」というのが私の答えでした。その説明に必死でした。
 そこで次のテーマを失ったメデアの一部は、政府や防衛庁の対応(危機管理)に誤りがあったという点に目を向けました。そこで政府はミサイル発射を官邸に報告していなかった防衛当局の責任論に転化しました。しかし普通の軍事常識では、この程度(情報価値の低い)の情報は官邸に上げません。むしろシルクワーム発射でうろたえた政府が、その責任を転嫁するために報告の有無を利用したのです。
 さらに石破防衛庁長官は、防衛庁での発言権を拡大するために、防衛庁の責任を認める発言を行なっています。はっきりいって、石破防衛庁長官は軍事オタクかもしれませんが、国家の軍事戦略を考えられるほどの軍事知識はないとうのが防衛当局内の一般評価です。だから自己の存在感を強化するために、あのような発言を行なったと考えています。
 このように、国民すべてが「軍事の理論」で動かないことはよく知っています。だからこそ、そのことを悪用されないように、このホームページでは普通の軍事常識を語っているつもりです。国民を軍事の理論で動かす気持ちはサラサラありません。むしろもう少し、日本に軍事の知識を広めたいと思っているだけです。これが私の姿勢と、今回の経過です。ご理解頂けたでしょうか。これからもよろしくお願いします。 
慣性誘導+アクテブレーダーホーミングって何ですか。 (2月26日) 届いたメール
 いつも楽しく拝見させていただいてます。ところで慣性誘導+アクティブレーダーホーミングとレーダーホーミングとでは、どのような違いがあるのですか?
所長コメント
 昨日、シルクワームの書き込みをしたとき、説明をしようと考えましたが、ちょっと時間がなくて省略していまいました。ごめんなさい。
 簡単に説明しますと、まずレーダーホーミングとは、誘導レーダーを照射すると、電波が敵艦に当たって反射します。この反射波にむかってミサイルが誘導されます。ですからレーダー波が届き難い距離になると発射できません。ですから北朝鮮の地対艦シルクワームは、港湾近くのかなり高い地形の場所に設置されています。見通せる距離しか発射できないからです。これが第一の弱点です。第2の弱点はレーダーホーミングは、敵のチャフ(銀紙の幕)の弱いことです。もしシルクワームの誘導電波(レーダー波)を照射すると、それを受信した敵艦では警報がなります。「対艦ミサイルに狙われているぞ」という警報です。するとチャフを発射して艦全体を覆うように銀紙片で幕をはります。すると誘導電波を欺瞞してミサイルを誘導できなくするのです。
 これに対して、慣性誘導+アクテブレーダーホーミングは、艦や陸上基地から見えない遠方の敵艦をヘリや偵察機(無人偵察機でも可)が見つけたとします。するとその方向に向かって対艦ミサイルを発射します。ミサイルは敵に見つからないように、海面スレスレを慣性飛行して接近します。そしてあらかじめ設定した目標近くになると急上昇します。そして再び海面に向かい、ミサイル自らがレーダーを発信して、目標を捕えて命中します。すると敵が対応する時間が短く、防御のためのチャフや対空機関砲が使えなくなります。
 さらに最新の対艦ミサイルは、終末誘導に赤外線を使うものもあります。慣性誘導+アクテブレーダーホーミング+赤外線誘導です。敵艦がチャフを使っても、最終的には煙突や機関の熱を感知して命中するのです。
 ですから北朝鮮のシルクワームは旧式なレーダーホーミングということになります。それでも昨年6月29日に発生した北限境界線での警備艇同士の銃撃戦では、撃沈に怒った韓国軍の警備艇が北朝鮮軍警備艇を追跡したら、陸上にあるシルクワーム基地から誘導電波が発信され、それで警報が鳴った韓国警備艇が引き揚げる場面がありました。
 これって「軍事知識のABC」に書くようなテーマですようね。こんどもう少し加筆して、ABCに転載しておきます。
本をAMZONで注文しました。 (2月26日) 届いたメール
 無沙汰してます。00の00です。北朝鮮消滅を本日探して見ましたが00の様な田舎ではみつかりませんでした。静岡までいけば東海地方最大といわれる本屋があるのですが、仕事で静岡までいく事もないので、さきほどHPよりアマゾンコム経由で北朝鮮消滅を注文させていただきました。
 10日ほど入院してましてTVと新聞のみ(ラジオは医療装置がおおくて雑音が多いので使わなかった)で短波の朝鮮中央放送を聞けないで居ました。入院中に日経にドイツから北朝鮮の船でサリンの原材料が詰まれて出港したとかいてありました、事の真偽はいかがな物でしょうか?では本がくるのを楽しみしております。
所長コメント
 入院されていたそうですが、まあ10日なら骨休めのつもりでちょうどいい期間ですね。ひょっとしてノミスギではありませんか。肝臓とか、血糖値とか、まあ私も人のことはいえませんが。
 そうなんです。本を書いて、AMZON.COMで買えるようにしました。昨日の午後4時ごろにAMZONとネットで結びましたが、昨夜の9時頃には販売順位が180位になっていました。特に昨日はシルクワーム騒動で、アクセス数が5000件/一日を越えたので、その影響が強かったと思います。本を出した出版社ではこのホームページの凄さに驚いていました。
 ところでサリンの原料は農薬に転用できるので、ほとんど輸出規制できないと思います。アメリカがイライラするのもわかるような気がします。日本でも30年前頃には、民間の化学薬品製造会社がサリンを製造して、実験用のために自衛隊の化学学校に納入していました。数百CCのために高価な実験装置を買う必要がないという理由です。しかし今は化学学校で製造しています。ただし化学防護服や防毒マスクを開発するためです。
ちょっと先日のメールの補足説明をします。 (2月26日) 届いたメール
  先日の私のメール(2月25日掲載)が、キリスト教への差別的な意図を感じさせてしまったようなので、少し弁明させて下さい。実は私は幼少の時よりキリスト教会に通っている信者です。正確にはまだ洗礼を受けていませんので正式な信者ではなく、いわゆる「求道者」という立場ですが。ですので、特にキリスト教などの一神教を危険なものとして誹謗中傷する意図は全くありません。
 
 ただ、あらゆる宗教にはそれぞれ特有の「陥りやすい落とし穴」というのが存在すると思うわけです。例えば禅宗では禅によって陥りやすい落とし穴を「魔境」と言って戒めたりしていますよね。一神教においては同様に「終末思想」が危険な落とし穴の入り口になりやすいのだと思います。そして、アメリカ社会というのはこうした落とし穴に対してかなり無防備な要素があるのではないかと日頃から私は感じているのです。

 その理由の一つとして注目してもらいたいのは、アメリカ社会が少なくとも三つの性格の異なる「団体」の連邦構造を成しているという事です。まず第一は、制度上の連邦構造、すなわち「州」という国家的団体の連邦です。第二が、資本貴族とも言える企業家たちの連邦。そして第三が、キリスト教諸会派の連邦です。NGOのような非企業的団体を四つ目の団体として別に設定すべきなのか、それとも第二の連邦構造の要素として含めてしまっていいのか迷っているのですが、とりあえず、この三つ(あるいは四つ)のスタイルでアメリカ人の社会が主要な人の絆をつくっているのではないかと私は考えています。
 
 そして、重要なのは、どの州も、どの企業家貴族も、どのキリスト教会派も、他を圧倒するほどの大勢力ではないという事です。一見安定したニ大政党制度のように見えるアメリカ社会は、実はこうした「群小政党」の寄り合い所帯であり、それらの勢力抗争による共倒れ防止装置としての表向きのニ大政党制度なのではないかというのが私の考えです。ここで、ニ大政党はこれらの三つのスタイルの団体の結節点として機能します。つまり、ニ大政党制度という安定装置によって共倒れする心配から解放された群小団体が、それぞれ小さな差異をことさらアピールして勢力拡張を競い合う社会なのではないでしょうか。ここに、「宗教の落とし穴」が口を開けて待ち受ける事になります。つまり、「落とし穴」的要素をこそアピールすべき特質として取り上げてしまう可能性が増してしまうのです。
 
 過激な宗教的主張の旗手たちがしばしばテレビ伝道師だという事も、これを裏付けていると思います。 

 次に、私は決して「陰謀史観」を述べたわけではありません。アメリカにおける宗教右派や原理主義団体のもくろみというのは決して密室で企画され、その意図が限られた人たちだけに共有されて密かに実行されている事がうわさされている性格のものではなく、目標やとるべき手段が白昼堂々主張され、実際に選挙などにおいて集票上重要な要素となっているものだからです。
 
 少なくとも、アメリカ合衆国において宗教団体というのが政治権力から一線を画して存在する性格のものではなく、国政の権力闘争において重要な要素、抗争勢力であるということは、アメリカ合衆国と深い絆をつくってしまっている日本国民がはっきり自覚しておくべき事と思います。アメリカのアンチリベラリストによって確かに日本はジャパンバッシングから救われました。しかし、だからといって彼らを無条件に「ありがたい日本の味方」と崇めてしまうのではなく、彼らがいかなる権力構造の上に立脚し、なぜ日本に救いの手を差し伸べたのかを冷静に分析して日本のとるべき道の戦略、戦術を練っていく事が重要なのだと私は考えます。
 
 しかし、これが非常に錯綜した難しいパズルになるであろう事も自覚しなければならないでしょう。例えば、かなり過激な宗教右派を産み出した南部バプティスト教会諸派は、またキング牧師をも産み出しています。

 やはり、現代の日本人の多くにとって、現象分析が非常に困難になってしまっている分野がいくつかある事を認めざるを得ないでしょう。少なくとも軍事問題、宗教問題、民族問題の三つに関しては、日本人の多くが思い込んでいる「常識」と現実に多きなずれがある事を最初から自覚して分析にかからなければならないと私は考えます。
所長コメント
 私は祖父が厳格な古神道信者だったので、宗教を信じる人を尊敬できます。でも私はちょっと苦手です。でも宗教の重要性や存在の大きさを理解できます。その程度の人間ですが、エルサレムにいったことがあります。私はエルサレムで人間の歴史は宗教の歴史であることを感じました。きちんとした自分なりの宗教観を持たないと一人前の人間になれないと知りました。でも今はまだそこまで精神が達していません。でも将来は宗教を必要とする時が必ず来ると思っています。
 むかし代々木上原にあったイスラム寺院にお祈りを見に行ったこともあります。パキスタンから来たイスラム教の偉い人から、イスラムの教えを聞いたこともあります。
 この程度のことしかわかりません。でもキリスト教やイスラム教やユダヤ教のことは理解したいと思っています。これからも教えてください。
福田官房長官の「厳命」には苦笑しました。 (2月26日) 届いたメール
 神浦さん、先日はご返事をいただき、ありがとうございました。2月も押しつまってから、またひと騒動きましたね。昨日はお疲れさまでした。

 職業軍人(自衛官を除く)が姿を消した社会(または、著しく冷遇されている社会)では、この程度の常識もなくなるものかと驚かされます。ある意味、標準的な日本人の軍事常識は50年前からほとんど止まったままなのではないかと思えます。「ミサイル」!というと過激派のロケット弾もICBMも頭の中で同じカテゴリになってしまうようです。しかも、無限に遠くまで飛ぶものと思えてしまうようで。

 昨日、ランチを一緒に食べた人も「大丈夫ですかね?」と質問してくるので、「せいぜい60キロぐらいしか飛ばない、中国製の沿岸防衛ミサイルですよ」と答えましたが、一発でこれだけ人心を乱すことができるなら、(日本に対しては)味をしめることでしょう。

 それにしても、福田官房長官の談話中「厳命」には苦笑してしまいました。まず、情報を重要性と種別のマトリクスにかけようという姿勢が見られない。普段は選別しているのかもしれませんが、非常事態にヒステリックな反応でその原則をひっくり返すようでは、一国の宰相の補佐をする者として失格でしょう。平時の能吏は乱時には普通の人以下ですね。ましてや、官邸に居る彼らの多くは世襲的に政治的地盤を受け継いだか、ペーパーテストで良い点をとったかだけの人種ですから、乱時の資質や常識を期待するのはまちがいかもしれません。

 でも彼らがあわてたせいで、日本がまたもや大恥をかいた一日でした。余波で今日もお忙しいと思いますが、どうかがんばってください。
所長コメント
 どうも、どうも。ご同情をありがとうございます。マスコミの皆が北朝鮮のミサイルは怖い、脅威だ、大変だと叫んでいる時、「うろたえないで下さい。これは大騒ぎするほどのものではありません。冷静に現実を見ましょう」と言うのはちょっと勇気がいります。マスコミの中には、「次に北朝鮮からテポドンが飛んでくるとコメントしてくれ」と言われたりします。勘弁してくれよ、です。
 でも悪いことばかりではありません。私の書斎にはテレビがありません。いつも居間のテレビを見ていました。そこでラジオ局やテレビ局から電話がかかってくると、居間の子機(電話)で受けることになります。しかし子機では音質が悪くて、もう一度かけな直してもらって、次に親機で取ることにしています。するとこんどはテレビの報道が見えなくなります。そこで昨日、我が家の予算委員長(カミさん)と交渉して、机の脇に置ける液晶の小型テレビを買ってもらえることになりました。液晶テレビも最近は安くなって、5万円台のものが出ているそうなので、これから秋葉原に探しにいきます。
 これからも応援よろしくお願いします。昨日は結構、孤立感を感じていました。
たった今、ラジオ放送を聞きました。 (2月26日) 届いたメール
 こんばんわ、00です。たった今、神浦さんのラジオを聞きました。ちょうど神浦さんのHPを見ている時でした。すごい偶然なので驚きました。

 神浦さんはラジオでしゃべる時も、いつもの気さくな喋り方なんですね。ビールを飲みながら話している神浦さんの口調と全く同じでした。

 短い時間でしたが神浦さんのコメントにはインパクトがありますね。

 怪我の具合が良くなったら、また神浦さんに会いにいきたいと思います。その時はよろしくお願いします。
所長コメント
 昨夜は3本の生ラジオ(電話)にでました。テーマは当然ながらシルクワームです。気さくな口調でしゃべっているので、ビール片手にしゃべっていると思ったのではないですか。とんでもない。夜に生ラジオ(電話)がある場合は、夕方からの晩酌をやめて、ウーロン茶を飲みながら軽い夕食をとります。そして時計とにらめっこをして、放送開始の10分頃前に缶ビール(350CC)を一本飲みます。まあこれなら本番中にアルコールの影響はまだでないという判断からです。それに本番前にビールを一口飲むのは、なんとなく緊張が解けて気が落ち着くからです。
 そして生ラジオが終わると、すぐにランランランランと冷蔵庫に行って、冷えたビールをグイグイグイと飲みます。それから残り物の夕食のおかずを肴に一杯です。それが昨日は最後の生ラジオが終わったのは10時半頃です。まさしく犬が、「おあずけ」と言われる気持ちがよくわかりした。
 それから気さくな口調は、偉そうにしゃべっても、内容を理解してもらえないとしかたないという気持ちからです。話すときは、できるだけわかり易い表現で、内容を簡潔に表現して、親しみ易い口調で話すことを心がけています。だからビールを飲んでいるときと同じ口調になると思います。なにより私は偉そうに話すタイプではないでしょう。
カルト宗教と軍事の絡みについて。 (2月26日) 届いたメール
 最近の読者からのメール等で思ったことがあるのですが、

1.原理主義について誤解していませんか。
 聖書主義(いわゆる原理主義)は宗教であり、政治とは本来関係ない(むしろ俗世間の権力政治を嫌がるほう)ではありませんか。
 共産主義者ならすべて過激派とはいえないでしょう。イスラムの原理主義者もすべてテロリストとは限らないはずです(釈迦に会ったら釈迦を殺せという仏教の禅はどうでしょうか)キリスト教原理主義も同じと判断するべきでしょう。

 といっても、私も他宗派なので、よく知らないのですが、いわゆる「聖書主義(原理主義=お気楽脳天気派)」は、米国では少数派であり、南部を中心に400ほどありますが、すべてカルトで、一般の米国人からはクレイジーと呼ばれているそうです(笑)。

 しかし、聖書主義は、我々がそれを笑い飛ばし軽蔑する必要があるのですか。とても間違った発想で「ユダヤの陰謀」などと同じにおい(差別)を感じます。宗教をいうなら日本人の神風は仏教の無常観と関係がある、仏教は危険な思想だなどといわれたらどうでしょうか。軍事のサイトにおいて宗教差別の見解を聞くのは不愉快です。(神浦・・・私は宗教差別と感じませんでした)

 また、(超)少数派であっても米国人の精神のバックボーンの宗派を馬鹿にすると判断を間違えると思います。

2.米国の新保守派について
 もちろん、いろいろな見かたがあって当然ですが、現在の米政権は新保守派の日本は新保守派のおかげで助かっています。新保守派と軍部がリベラル派のジャパンバッシングに反対したおかげで、日米関係はようやく保たれたこと、そして現在日米関係はとても良好になったいることを忘れたら公平でありません。

 どうか、お気を悪くしないでください。もし気に入らないなら無視して結構です。寒い日が続きますが。
所長コメント
 本当に宗教の解釈や認識には千差万別あると思います。しかし軍事と宗教を分離することはできません。またある宗教を一方的に批判することも許されないとおもいます。あなたのご意見と、下段のメールを読み比べることで、読者のかたはさらに深い認識を持つことが出来たと思います。
 私はある宗派の一方的な批判は許しませんが、下段と、この欄の解釈は立派だと思いました。おそらく読者の方も、公平に考えて宗教と政治、軍事と宗教を考えることができたと思います。
 昨日、乗ったタクシーで運転手の方から、延々とある宗教集団の悪口を聞かされてしました。私はその宗派と関係はありませんが、やはり嫌な気持ちですね。しかし下段と、この段の内容は、そのような嫌な気持ちを感じません。いい意見ですよ。
新保守主義とクルド人問題の根幹 (2月25日) 届いたメール
 00です。軍事問題の国際情勢に関して2点ほどメール致します。

1:アメリカの新保守主義者について

 アメリカの政府内で勢力を伸ばしつつあるラムズフェルドら「新保守主義者」について、彼らの宗教的背景を注意して見守る必要があるようです。どうも、彼らが基盤に置いているのは伝統的に共和党が票田として利用してきたキリスト教原理主義者の団体らしいのです。彼らが単に票田として利用されることに飽き足らず、政権自体の乗っ取りをかけている様子は、以下のサイトが参考になるかと思います。
  http://www.yorozubp.com/0211/021119.htm

 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三つの一神教は同じ系列の宗教ですので、いずれもこの世の最後に神による「最期の審判」があり、ここでこの世が始まってからこの世が終わるまでのすべての人間が裁きを受け、神から「義人」と認められた者だけが永遠の「神の王国」で永遠の生を生きるとされています。これらの宗教における「原理主義」とは彼らの考えるスタイルで「聖典を一字一句文字通り信じる」ことによって、下手をするとこれらの宗教が発生した原点ですらあり得なかったような極端な「正しい生き方」をすることによって神から「最後の審判」において「義人」と認められ、「神の国」の住人になることを目標とする宗教的姿勢と言うことができます。
 
 特にキリスト教において、聖書の「ヨハネの黙示録」に「最後の審判」に先立って神の側の陣営と、神に逆らう陣営の最終戦争が行われる事を示す暗示と解釈できる記述があり、多くの原理主義教団はこの解釈を信者獲得のキーとして利用してきました。
 
 閑話休題。この最終戦争は「ハルマゲドン」と言われていますが、日本語に中実に訳すと「メギドの丘」となります。メギドとはパレスチナ地方の交通の要衝となる軍事上重要な意味を持ってきた都市国家の名前で、あえて日本で似たような土地を探すと、関ヶ原(いわゆる関ヶ原の合戦以前にも、壬申の乱における決戦地にもなっている)がぴったりでしょう。つまり、「ハルマゲドン」をニュアンスも含めて意訳すると「天下分けめの関ヶ原」となるわけです。
 
 さて、キリスト教原理主義教団の伝統的な布教方針によってこうした教団の信者の多くは「最終戦争の到来=自分自身が生きたまま最後の審判に遭遇して神の国に救い上げられるチャンスの到来」を心から望んでいます。つまり、彼らは常に最終戦争の相手となる敵の陣営を求める傾向にあるということです。
 
 冷戦期には最終戦争の仮想敵対陣営は共産圏でした。共産圏が崩壊して敵を失った原理主義教団の信徒達は、新しい仮想敵対陣営をイスラム圏に求めています。そして、彼らは「最後の審判」で自らこそがまっ先に「義人」とされ、神の国に行けることを固く信じているため、今我々の生きている世界や地球環境がどうなろうとかまわないと考えています。
 
 このようなグループが政権乗っ取りをかけているということは、アメリカの軍事戦略が通常の「軍事常識」からは考えられないような行動を選択する可能性を高めていると思います。
 
 アメリカにおけるこのような「キリスト教原理主義者の政権乗っ取り」、日本における政府中枢の「軍事常識の無知」といった問題、つまり国家が「軍事常識」からは考えられない「軍事非常識」に走る要素に関して、神浦さんはどのようにお考えでしょうか。

2:クルド人問題に関して

 私がトルコにおけるクルド人問題を考える上で、というより今日における様々な国における少数民族問題について考える上で非常に参考になった本を紹介します。

 「トルコのもう一つの顔 」中公新書 著者:小島 剛一  価格:¥740

 言語学者の著者がトルコ共和国東部でクルド系諸言語のフィールド研究に従事した折に体験したことをまとめた著作ですが、トルコ東半部の山岳地帯ではクルド系諸集団の人口は少数民族とは言えないくらいの大きな規模であること、しかしトルコ政府は近代国家であるトルコ共和国がトルコ民族の単一民族国家であるという建て前をつくるために、国民教育など様々な手段を駆使してクルド系の民族は世界に存在せず、いわゆるクルド人とはトルコ語の山地方言を話すトルコ民族であるという公式見解をとっていること、またクルド人も民族国家をつくることができるようなまとまった集団とはとても言えない、言語的にも宗教的にも、文化的にも多様なクルド系諸集団としか言えない存在であることが見事にあぶり出されています。

 つまり、日本に例えると北日本に「アイヌ共和国をつくれ」どころの問題ではなく、近畿を中心とする西日本で話されている言語が東日本で話されている言語と全く別系統であり、なおかつ県ごとに言語の差が激しくて会話による西日本人同士の意志の疎通も難しく共通文語もなく、政府の公式見解では日本語の方言に過ぎないことになっているという状況を想像してみるといいでしょう。

 こうしたユーラシア大陸部での「民族集団」と「国家」のあり方の現実が日本人一般が持っている常識と大きく異なっている事を理解するためには以下の本をお勧めします。

 「遊牧民から見た世界史」日本経済新聞社  著者:杉山正明  価格:¥2800

 なお、神浦さんがイランでのクルド人への視点を紹介しておられますが、歴史的にユーラシア諸地域において平地民と山岳民の間にこうした緊張関係が普遍的にあった事は認識しておくべきでしょう。つまり、乾燥ユーラシア諸地域において大規模な農耕、牧畜、遊牧が展開できる平野部は大きな集団形勢を先に成し遂げた集団が先に占拠しており、山岳部にはそこに参入する事のできなかった農民、牧民の小さいけれども結束の固い小集団が谷ごとに割拠するという状況がありました。こうした状況下で平野部の農民、牧民の大集団の共同体は生産の不安定さを大きな集団(前近代では王朝国家など)の内部で保障しあったりする事で相対的に安定した生活を送ってきたわけですが、山地の農民、牧民は個々の集団の規模が小さかったり自然条件が過酷な事もあって、不安定な生活を強いられてきました。この不安定さを克服するため、例えば深刻な飢饉に見舞われた時などには、彼らは近隣の他の山岳民集団同士で略奪しあったり、あるいは互いに同盟を結んで平野の住民に略奪遠征を仕掛けたりすることで生き抜いてきました。そうした生活を何千年もくり返す事で、彼らは血縁小集団内の固い結束と、武勇を重んじる気風を育んできました。
 
 もちろん、今日の国家や、国家の多数派民族集団とされている人間集団は平地の農民や牧民の大規模集団にルーツを持っていますから、彼ら山岳民と国家の関係とは非常に相性が悪いところがあるわけです。また、山岳民と近隣平地民の相互憎悪も非常に年期の入ったものと言えます。
 
 歴史的にこうした平地民との摩擦が頻発してきた山岳地域を挙げてみると、クルディスタン〜ザグロス山脈、チェチェンを含むカフカズ、アフガニスタン、アルバニアを中心とするバルカン山岳地帯などとなります。正に今日の少数民族問題がこじれている地域と重なります。
 
 ただでさえ、今日の近代国家の建て前としての民族観と現実の歴史的に形成された人間集団のあり方のずれが多くの国で潜在的な不安定要因となっている上に、こうした戦国時代のような山岳民社会を抱え込んだ地域は今後とも非常に危険な火薬庫として浮上してくると私は考えています。もちろん軍事問題として、目の離せない地域です。
所長コメント
 薄々、新保守主義が宗教的な色彩が濃いと感じていましたが、キリスト教の原理主義による「最後の審判」に結びついているとは気がつきませんでした。確かに、このメールを読んで頷くところが多多ありました。昨年の春から夏頃ですが、アメリカの軍事政策がまったく読めなくなった時期があります。ちょうどチェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官が、狂人的な軍事政策を進めた時期だったようです。まさにあの時は、アフガン戦争が一時的にも終了し、宗教的な軍事政策が暴走を始めた時期だったようです。しかしパウエル国務長官が国連(国際)協調路線を奪い返し、アメリカの軍事政策が再び読めるようになりました。おそらく軍事をまったく知らない人は、今のイラク攻撃はアフガン戦争の延長と考えていると思いますが、同じ延長線上でもラムズフェルドとパウエルとは、まったく異質な戦略論でした。私は今のイラク攻撃におけるパウエル戦略は、ラムズフェルド戦略の立てなおしをしているような気がします。+
対人地雷の撤去方法を考えつきました。 (2月24日) 届いたメール
 突然のメールで恐縮ですが、地雷撤去のアイデアを一つ考えましたので、送ります。中古で、もう破棄するような一般乗用車や大型・小型トラック、または農耕用トラクター、などなんでもいいのですが、車両の後ろに紐やチェーンで古タイヤをたくさんぶら下げて、人の運転の変わりにリモコン操作で地雷原を走り回ります。重い古タイヤが地面を滑走することによって地雷は爆発するでしょう。
 撤去というより、爆破させてしまうやり方ですが、車が通ったあとはほぼ地雷はないと見ていいと思います。車が直接踏まないかぎり車両は何度も使えますし、爆発しても中古車はいくらでも換えがききます。操作をリモコンで行いますので、その技術がはたしてどんなもんか見当がつきませんが、たいしたものではないと思います。ただの思い付きですので、このやり方は、不発弾等に対しては妥当かどうかわかりません。また、森林地区には不向きです。実現可能かどうか、ご検討下さい。
所長コメント
 いやー、私も同じことを考えたことがあります。しかし専門家に聞くとダメだそうです。軍隊では地雷をこのようにして、爆砕処理することもあると思いますが、人道的地雷処理は処理後の安全度を98パーセント(?)ぐらいに設定しています。ですから地面を焼いて処理したり、叩いて地雷を爆発させる方法では、わずかでも地雷が残る上に、変形したり、不安定になってわずかな圧力で爆発する危険さえあります。
 まず地面の表面を焼いて、次に表面を叩いて爆発させる。最後に人力で探知するとなると、人が差し込む探知棒のわずかな圧力で、地雷が爆発する危険が生じてきます。だからダメなんです。私も最初はすごいアイデアと思いましたが、そう言われるとなるほどと思いました。でしょう。
生物・化学弾の攻撃方法とは。 (2月24日) 届いたメール
 まず初めに、昨日、文字化けしたメールを出した事をお詫び申し上げます。

 私は以前、北朝鮮の内部事情についての、宮崎学氏のHP上のレポートのリンクを送った者です。あの時はお返事を戴き誠にありがとうございました。

 今回一つお訊きしたいことは、弾道ミサイルに生物・化学兵器を搭載して、果たして効力はあるのか?ということです。

 というのも、随分以前に読んだ雑誌記事で、数人の軍事評論家が、「生物・化学兵器を弾道ミサイルに載せて撃っても、着弾時の熱と衝撃によって効力を失う」とか、「弾道ミサイルに搭載可能な生物化学兵器は、未だ実用化に至ってない」というようなコメントをしていたのを記憶しているのですが。

 最近の週刊誌などでは「NBC兵器を搭載したテポドン云々」といった記事がやたらと氾濫しており(『日本を標的にする場合、中距離ミサイルのノドンじゃないの?』とツッコミ入れたくなりますが・・・)しかも、よくテレビや雑誌に登場する軍事評論家までもが、その種の脅威論を裏付ける様なコメントを出しているからなのです。

 軍事情報で飯を食っている人間がそのような事を言うからには何らかの根拠があるのでしょうか?
所長コメント
 私も同じような質問を受けたことがあります。「生物・化学兵器の砲弾は、着弾したときに破裂(爆発)するので、その熱と圧力で毒性を失うのでは?」というものです。ここでカン違いをしているのは、生物・化学砲弾は破裂しないことなのです。「砲弾が破裂しない?」と思う人がいると思いますが、破裂しない砲弾はたくさんあります。例えば照明弾です。発射後に目標上空でパラシュートを開き、ゆっくりと降下しながら明るく光ります。また発煙弾もあります。味方前方に着弾させ、数分間、発煙して味方部隊を煙で隠します。これも砲弾は破裂しません。
 化学砲弾の場合は、爆風や破片効果は必要ないので、毒剤を散布するために小さな破裂だけ行ないます。これを軍事専門用語で、化学弾の発生は「曳火破裂方式」と呼んで分類しています。
 またミサイルやロケットでも同じように使うことができます。特にミサイルやロケットの場合、空中に薬剤を散布しながら飛行させることも可能です。これをエアゾール散布といいます。もちろん着弾地して散布することも可能です。ですからノドンの場合でも、弾頭に生物・化学剤を搭載することは可能で、それを着弾地周辺に散布(エアゾール化)させることができます。
 弾道ミサイルの場合、落下時の空気との摩擦熱を断熱すれば、中の生物・化学剤は無力化しません。イスラエルがイラクが発射する弾道ミサイルに怯えているのは、弾頭に生物・化学剤が搭載されているのを警戒しているのです。
 ここで一つの秘話を紹介します。かつて陸上自衛隊には通称30Rという大型・地対地ロケットがありました。直径が30センチで射程が28キロもある大型ロケットです。これはソ連や北朝鮮の生物・化学兵器に対抗するために開発されました。もしソ連や北朝鮮と日本が軍事対峙し、生物・化学兵器で向かい合ったときに、自衛隊が速やかに生物・化学戦能力を保持するために開発されたのです。(このことは開発理由に明記はされませんでした)。20年ぐらい前に私がこの兵器に興味を持って、開発に関係した人に、「どうしてこのような古い兵器をいつまでも陸自は保有しているのか?」と質問したことがあります。すると、ソ連や北朝鮮の生物・化学戦に対抗できる能力を持つためと説明を受けました。(写真は自衛隊のR30ロケット。今は退役しています) 
トルコのクルド人問題は重要です。 (2月23日) 届いたメール
 先日は拙い質問にご回答下さりありがとうございました。トルコ情勢についてお書きになっておられましたので、一筆いたします。

 トルコの新政権にとって対米協力が難しいのは、経済事情に加え、クルディスタンの要因が大きいのではないでしょうか。クルド人はイラン・イラク北部・トルコにまたがって居住する人びとですが、彼らの独立運動は厳しく弾圧されており、とくにトルコにおける弾圧は人権上問題になっています。

 EU加盟の拒否の口実にもされています。さて現在、イラク領のクルディスタンは事実上の独立状態にあり、米軍が既に活動中です。ここにはイラクの原油生産量の三分の一が属しており、実際問題としては独立宣言しないのはアメリカの意向があり、またトルコの反発を招いて同国領内での同胞に弾圧が及ぶのを懼れるからです。クルド人はおおむね米国のもたらした自由を歓迎しており、浸透を図っているイスラム原理主義者とは対立関係にあります。

 ところが、トルコにとっては、イラク北部での独立クルディスタンの成立は、悪夢以外の何物でもありません。多分不適切な例だと思いますが、これをあえて日本で譬えれば、シベリアで戦争を米軍が行う、ついては現地人の協力が必要であり、樺太と北海道の一部にまたがる「アイヌ共和国」を作れとアメリカがいうようなものです。東京(アンカラ)にとって飲める内容ではないし、そもそも出来たばかりのイスラム政権(穏和派とされていますが、伝統的な世俗主義の”藩屏”たる軍や、欧米からは警戒されており、世論の人気が頼りといわれています)にとっては国内の反応が心配なところです。

 このアメリカの親クルド的な姿勢をトルコは危惧しているわけで、そのためにも巨額援助など説得材料となる代価がなければ、現政権は潰れかねません。というのも、クルド問題はトルコのナショナリズムを刺激する問題だからです。

 長くなりました。この問題、ヨーロッパでは難民問題と直結しているので重要です。

 今後のさらなるご活躍をご期待申し上げます。

      パリにて
所長コメント
 日本にいると、多少の感じは掴めるのですが、実感とは程遠いものがあります。貴重な情報をありがとうございます。トルコのクルド人問題はぜひ現地で実感してみたいと思っています。そういえば、昨年末にロスに行ったときに、バクダッドで長年働いていた日本人と知り合いました。その方の話しでは、イラン人にとってクルド人は、毎年、収穫期になると山から下りてきて、略奪する人たちという認識があるそうです。私はそれまでクルド人といえば、差別され、虐待されている人という認識が強かったので意外な気持ちがしました。しかしアメリカがフセイン後のイラン統治で、クルド人を戦後統治の中枢から外したことから、やはりクルド人にはトルコばかりかイラク人の反発も強いことを感じました。
ミグ19は威力偵察ではないですか。 (2月22日) 届いたメール
 こんばんは。先日、ホームページに掲載して頂いた00です。ありがとうございました。

 さて、今回の北朝鮮の領空侵犯ですが、以前、ソ連が日本に行っていた東京急行、いわゆる”威力偵察”ではないでしょうか?対日米韓との緊張が高まる中、米韓の防空体制を確認する意図があったと思われますが。また、政治的には新大統領の出方を探ったのではないかという観測もあるようです。ちなみに陸上でも越境があったと報道されていました。
所長コメント
 今回の領空侵犯は武力偵察の可能性はないと思います。武力(威力)偵察とはどこに、どの程度の敵が存在しているかわからないような場合、敵から攻撃を受ける覚悟のもとに偵察を強行し、その行為で敵の存在を確認する偵察方法です。北朝鮮は韓国の防空能力や迎撃態勢は十分にわかっています。今さら、武力偵察を行なう必要はないでしょう。また陸上の越境というのも、板門店で北朝鮮の警備兵が数センチ入った程度で、たまたま時間が戦闘機の時間と一緒だったので、越境の意思があったのではないかという程度です。
 また新大統領はまだ就任していません。軍の指揮権を持っていません。ですから今の段階で新大統領の出方を探ることはできません。
 やはり単純な示威行為と片付けたほうが常識的です。
JAL機、御巣鷹山墜落の記事について。 (2月21日) 届いたメール
 初めてメールします。私は航空自衛隊の幹部候補生ですが、空自の幹部機関誌「翼」において気になる記事がありました。それは御巣鷹山での日航機墜落事故における災害派遣で、「降下可能でありながら空自のヘリは降下しなかった」なる発言をした軍事評論家k氏、という記事です。
 この発言をした軍事評論家とは神浦氏なのでしょうか?もしそうだとしたら、どのような状況判断で発言したのかお聞かせ願いたいと思いメールいたしました。当時の中空司令の書かれた寄稿文と含めて、卓越した見識のある神浦氏の意見をお聞かせ願えれば、今後の空自の災害派遣の資となると思いました。人違いで有れば無視していただいて結構であります。hpでの返答が不可で有れば、私のメールアドレス「00000000.ne.jp」にメールをいただけたら幸いであります。
所長コメント
 この「翼」の記事は悪意が隠されています。ここにある軍事評論家K氏というのは私を指していると思います。当時、この件で取材を行なっていた軍事ジャーナリストは私だけです。ただし「降下可能でありながら空自のヘリは降下しなかった」というように書いていませんし、発言もしていません。「百里から飛来した空自の救難ヘリは、まだ空が明るいうちに現場上空に到着した。嘉手納から横田に飛来した米軍のC−130が現場上空を旋回する中、何度か現場降下を試みたが、急斜面と樹木に阻まれ救助隊員を地上に降ろすことができなかった」という風に書いたり、発言しています。
 まず、その様子をぶどう峠から見ていた地元の人(北相木村、上野村の住民)から取材しました。それから空幕の広報室、中部航空方面隊司令部(中空司令官と幕僚長と救難隊長)に取材をしました。(これらの人に救難ヘリのパイロットがどのように行動《操縦》し、判断したかを聞きました)
 しかしその記事の中には、墜落地点特定作業に関係した人で、あまりにも責任回避をするるためにいい加減なことを話したり、事実とは違う情報を流したので、そのことを批判したことはあります。そのことがジャーナリストの使命と思っているからです。しかし私の取材は徹底していたので、かなり関係者を緊張させたことは事実と思います。しかしいくら悪意やデタラメでも、着陸できるのにしなかったなどと書けるような状況ではありませんでした。まさに敵前逃亡か職務離脱ですからね。
 当時、その救難ヘリのパイロットの方に聞くと事実がすぐに判明します。もし当時、私がそのようなことを書いたり発言したなら、その救難ヘリのパイロットをすごく屈辱したことになります。それほどひどい屈辱を受けたなら、決して私のことを忘れていないと考えられるからです。救難パイロットの方は屈辱を受けた記憶はないと話されると思います。
 当時は、私の記事を悪用(引用)する人が増えてこまりました。私は週刊プレイボーイ誌の10月頃から6回ぐらい連載しました。すると全く知らない人が、JAL機は自衛隊のミサイルに撃墜されたという本を出しました。するとその中に、私が知らないうちに多くの記事が引用され、「神浦の記事によれば000と書いてある。だから自衛隊のミサイルでJAL機は撃墜された」と、とんでもない推論をしているので驚いたことがあります。もちろん抗議をしましたが、編集者が会社を辞めたり、著者が逃げ回って出て来ませんでした。
 また困った原因の一つに、私が徹底的に取材し、その真実を書いたために、神浦の記事は反自衛隊の意図をもって書いたと反応をした人がいたのです。その人は正面では私に対抗できないので、この「翼」の記事のように、私が言いもしないことを書いて反撃しているのです。無礼であり、卑劣な行為です。
 もし可能なら、JAL機が墜落したあの夜のことを、空自の幹部候補生学校に講演しに行ってもいいですよ。あの時、自衛隊機は墜落現場で住民からどのように目撃されていたか、警察、消防との連系はどうだったか。その夜に現場特定のためにどんな試みが行なわれたか。そしてマスコミにどのように対応したか。そもそもなぜ現場特定に時間がかかったのか。空幕・広報室(当時の室長は佐藤 守1佐)の対応、中空司令官(当時は松永空将)の対応など、私には当時の様子を皆さんに詳しく話すことができます。私のような軍事ジャーナリストが行なう取材のやり方を、将来の空自幹部の人が知るのもいいでしょう。
 「翼」に抗議して、謝罪文を掲載させるより、私が皆さんに講演したほうがよっぽど空自のためになると思います。もちろん謝礼や交通費はいりません。もし航空自衛隊もそれを受け入れるぐらいの度量があれば、この「翼」の記事のような姑息な手段で、自己の失敗を塗り隠すようなことはしないはずです。
 もし必要なら、航空自衛隊も当時の関係者(元自衛官)を招いて、学生といっしょに私の講演を聞く(反論も可)といいでしょう。防衛庁の記者クラブの人も、この後の展開に興味を持っていると思います。また防衛担当記者なら、フリー(一人)の軍事ジャーナリストが行なう取材のやり方にも興味があると思います。ですから正々堂々とやるように学校側に勧めてください。それから、あなたは何も問題を発生させていません。もしあなたがこのことで学校から処分されそうになったら、同期の者や良識ある自衛官が守ってくれるはずです。心配しないでください。
 貴重なメールをありがとう。私は自衛隊を騙していません。いつでも堂々と説明できます。
戦車の前にある地雷処理具とは何ですか。 (2月19日) 届いたメール
 神浦所さん、お疲れ様です。北海道の00です。最近は特にお忙しそうですね。

 さて、このような時期に適切な質問なのか、ちょっと躊躇する所ではありますが、以前からの疑問が丁度『今週の一枚』に出ていたので、質問いたします。

 以前から、神浦さんのテーマの一つに『対人地雷の廃絶』があるようにお見受けしておりますが、いかがでしょうか?で、この地雷の撤去は非常にマンパワーが必要な、高い技術を擁するものである旨、記述があったかと思いますが、『今週の一枚』にあったように、ブルドーザーとかで、そこら辺の地面ごと掘り返して『ドーン』って訳にはいかないのでしょうか?

 地面に与えるインパクトの大きさなら、地雷がある可能性だけでも十分なマイナスのインパクトを与えている気がするのですが・・・

 あと、これは本当に素人の質問です。戦車の車体に大きく白い『赤い星マーク』が書かれていますがこれは一体何ですか?折角砂漠の色を塗っているのに、これじゃ意味が無いくらいに目立つのですが・・・。これって、大戦末期のP-51あたりがハデな塗装(あるいはジュラルミンむき出し)をしていた事と同じ意味でしょうか?

 余りにも時候のものとは思えない質問ですみません。
所長コメント
 地雷には対人地雷と、対戦車(対車両)地雷があります。M1A2戦車の先につけているのは対戦車地雷を掘り出すものです。対戦車地雷は人間が乗っても爆発しないように、数百キロの重さが加わらないと爆発しません。(対人地雷も小動物の体重では爆発しないものもあります)。ですから強引に砂を掘り起こしても爆発しないのです。また対戦車地雷の下に圧力解放式(重いものが取り除かれると爆発する)の対人地雷を一緒にセットして、対戦車地雷を取り除くと対人地雷が爆発して、その爆発力で対戦車地雷が爆発するようにセットする場合もあります。そのような場合は、とうぜんこのM1A2戦車の前で爆発しますが、戦車の底の部分には爆発力が及びません。せいぜい地雷処理具が破損する程度で済みます。もし破損すれば取り替えることになります。そのための道具なのです。
 しかし敵が設置した地雷原に誘い込まれ、そこで戦車戦闘を行なうことになれば、戦車は縦横無尽に動きますので、極めて不利になるし、戦車兵のストレスも高まると思います。
 それから赤い星マークは、実戦演習で敵味方を識別するためのマークだと思います。訓練は演習場に違う方向から戦車各20両程度が進入してきます。そして模擬戦車戦を戦うことになります。早く敵戦車戦車を発見して、攻撃する必要があります。また態勢が不利なら、くぼ地に身(戦車)を隠すことも必要です。そのような実戦的な訓練を行ないます。ただし演習ですから実弾の代わりに光線を照射します。すべての戦車の車体に光受感器がついていますので、光線が当たれば命中ということになります。ですから模擬戦でも戦車兵士はかなり緊張します。疲れ、睡眠不足、空腹、長いストレス、そのような環境で演習を行います。
 それから戦車の色は、米軍の砂漠迷彩と呼ばれるもので、戦車の姿を砂漠の風景に溶け込ませたり、戦車の形(凸凹も)を崩して発見され難しくする効果があります。当然ながら、実戦になると赤い星マークは消すことになります。実戦で敵戦車は偵察ヘリ(空)の情報か、シルエットで判断することになります。米軍は敵戦車部隊への探知能力、長い距離での交戦能力があり有利ですが、市街戦になるとそれらの優位さを発揮できないので不利になります。
 が下がって、原油が上がっています。 (2月19日) 届いたメール
 朝早く失礼します。昨夜はつい徹夜して欧米市場を注視していました。前回メール差し上げた後、金はますます下落し、現在340ドル台前半をうろうろしています。最高値から1割以上下げたわけです。原油(NY先物)はさらに上げて、37ドルに届きそうだというのに。
 先週の査察団追加報告以来、緊張緩和を見込んだのか米株とドルに買い戻しが入っている模様です(対円だけでなく、ユーロとフランの相場も見ればわかります)。それだけに原油の高止まりが不可解です。
 いずれにせよ、3月までに決着がつく可能性は高そうですが、ところで仮にイラク全土が占領されたとして、その後パレスチナのような抵抗運動が起こる可能性はないのでしょうか(ある、或いはないとしたらどのような条件下でしょうか)。派手な反乱はなくとも、占領軍駐屯地や石油施設へのチマチマした、あの手この手の嫌がらせやサボタージュが、しつこく繰り返されるのではないかと私は考えています。
   乱文失礼しました。駆け出し相場師より
所長コメント
 どのような終わり方をするかで直後の状況はまったく異なると思います。イラク国内各地で戦闘が行なわれる。あるいはバクダッド市街戦が行なわれる。あるいは油田に放火されて、大規模な破壊が起きる。難民が大量に発生して、国内情勢が不安定化する。そのような混乱がイラクで起これば、反米テロや米軍への抵抗は続くと思います。
 逆に、米軍が進攻しても、イラク国内で抵抗らしいものはなく、油田も破壊されず、バクダッドを包囲した段階でイラク政府が降伏(フセイン亡命、暗殺、クーデターなど)すれば、それほど深刻な抵抗を心配する必要はありません。
 じつは私が聞いた情報では、思った以上にフセイン大統領は国民に不人気で、共和国防衛隊以外はほとんど支持していないようです。ですから、米英のイラク攻撃にそれほど抵抗しない可能性が高いと思っています。
日本は現実的な目でアメリカの暴走を制御すべき。 (2月18日) 届いたメール
 どうもこんにちは。今日は携帯から失礼します。
 最近イラク問題を見ていると、フセインがどうこうよりナポレオン、ウィーン二百周年も相まって、「凡ヨーロッパ主義」的な独仏vsEUがうっとうしい米と、伝統的に大陸に大勢力を作られるのを阻止するイギリス+独仏中心のEUとロシアがうっとうしい欧州諸国の欧州と、中東における主導権争いと漁夫の利をねらうロシアの駆け引きにしかどうも見えません。
 ただ、アメリカの戦争における圧勝は確実だと思いますし、下手に国連決議無しの単独となった場合の方が、「独仏」はEUでの威信はがた落ちし、ましてやカブールの時のようにバグダット解放を喜ぶ市民って感じで、メディアに演出されたら計り知れないダメージか特に独あるような気がします。
 また実際はシュレイダーの「念仏」のせいで、フランスの行動範囲を狭めシラクはうっとうしがっているような気がします。平和が一番ですが、日本は民衆受けのための「念仏」に同調するよりも、現実的な難民、医療などの対策をすべきだと思います。皮肉にもフセインの圧政下の貧困に苦しむよりも、アメリカのもとの方がイラク国民にとっては幸せだと思います。日本は理想ではなく現実的な目を持って、アメリカの暴走制御役をすべきです。
所長コメント
 携帯からの文章だと、読点や句点がはっきりしないので、多少直しました。これでいいのでしょうか。要するにヨーロッパ内部の利害関係や、ヨーロッパとアメリカの関係が変化し、イラク問題をきっかけにロシアが漁夫の利を得ようとしているということですね。そして日本はブッシュ大統領の暴走を押さえる役割を演ずるべきと。
 最近はアメリカの反戦運動も報じられるようになりましたが、それでも米民主党には「反愛国的」というイメージを恐れて戦争反対を大声で叫ばないようです。でもやはり、アメリカのやり方によっては、フセイン後に難問題を抱え込むことは間違いないと思います。ドイツやフランスはその時なって、「だから言ったじゃないか、戦争は最後の手段で、まだ交渉で解決できる方法が残っていたよ」、と。
 しかしアメリカの攻撃が効果的に行われ、早い時期にフセイン体制が崩壊し、その直後に大量破壊兵器が山のように見つかれば、「最後の手段として、軍事力を行使してよかったね。これからも協議をしょうね」で終わると思います。その時はアメリカもヨーロッパも、日本のことなどすっかり忘れていると思います。
 日本の核武装をアメリカが論じています。 (2月18日) 届いたメール
 神浦さん、こんにちは。先日は私のメールに回答していただいてありがとうございます。

 CNN (JP)のHPで、マケイン上院議員が「北朝鮮問題に関連して日本が核武装の可能性」と報じています。中国に対しても言及しており、神浦さんの意見と全く同じ可能性を論じているようです

   http://www.cnn.co.jp/usa/K2003021700107.html

 一方のライス米大統領補佐官は、否定的な見解を示しています。共和党と政権高官の話なので「観測気球を上げたのかな」と思いますが、Webで見る限り日本のマスコミは報じていないようです。

 少し前なら蜂の巣をつついたような騒ぎになったのではと思いますが、神浦さんはどのように判断されますか? 日本の世論やマスコミの反応を見るためのものなのでしょうか?

 イラク情勢がらみで大変な日が続くと思いますが、がんばってください。では失礼します。
所長コメント
 本当にマケイン議員は日本が核武装するとは思っていないでしょう。ただし軍事の原則では朝鮮半島で核実験(プルトニューム型)を成功させ、運搬手段の中距離弾道ミサイル(弾頭重量が約1トン)の保持を確認さすと、核武装宣言が行なわれます。すると日本は核抑止論によって、日本独自で核武装する可能性が高くなります。これが軍事原則なのです。反核意識や平和運動とは別の意識なのです。ライス補佐官はそのような動きが日本にはまだないと発言したのです。
 それではなぜこの時期に、マケイン議員がそのことを言い出したのかといえば、やはり北朝鮮の核開発を中国の力で中止させるためです。もし日本が核武装すれば、最も困るのは中国ということになります。中国は日本から向けられた核ミサイルに対抗するために、莫大な経費と兵力をつぎ込むことになります。また互いの核抑止戦略で、日中関係が非常に緊張した状態になります。
 そのような緊張を東アジアで生み出さないように、マケイン議員は中国に警告していると考えていいでしょう。
偵察衛星とU−2偵察機の違い。 (2月15日) 届いたメール
 いっも拝見しています。 質問ですが、軍事衛星と偵察機の違いについて教えください。
所長コメント
 軍事衛星には監視衛星、偵察衛星、通信(傍受を含む)衛星などがあります。また偵察機にも戦略偵察機と戦術偵察機があります。質問の趣旨は、イラクの大量破壊兵器をめぐる空からの偵察と思いますので、その視点で説明します。
 まず偵察衛星では、地上の表面を画像として光学撮影するほかに、赤外線探知やレーダー電波を使って撮影します。すると建物や陣地や車両などほかに、地下資源の場所や穀物の収穫量などがわかります。しかし周回軌道をまわっているものは、偵察する時間や場所の制限を受けます。偵察される側は、偵察衛星が上空に来る時間を計算して、上空に偵察衛星がいない間に移動させることも出来ます。また偵察衛星はほぼ真上から撮影しますので、屋根や天井を張って、地上のものを覆い隠すこともできます。
 一般に戦略偵察機は迎撃しにくい高い高度から、地上の様子をさぐります。その偵察精度は衛星と比べ格段に向上します。また偵察機だといつでも長時間の偵察ができるので、地上の敵部隊は強いストレスを感じます。また地上を斜面状に偵察したり、ドプラーレーダーを使って移動中のものを探知することもできます。また陣地の配備状況や戦闘車両の移動のほかに、総合的に敵の戦争能力を探知することも可能です。空から電力、輸送力、水資源、燃料消費などを探知して、その能力を総合的に判断できます。戦略偵察機は空中のゴミから、核兵器開発を調査することもできます。
 戦術偵察機とは、まさに戦闘に必要な情報を空から得る方法です。敵の陣地の配備として、車両部隊、砲迫陣地、燃料や弾薬の集結地や配備などや、敵の通信手段やレーダーの位置や周波数などを探知します。敵の無線を探知するのは、発信地から割り出して敵陣を攻撃したり、妨害電波を出し通信や防空能力を無力化するためです。
 このようにイラクに対して、U−2偵察機を査察手段に投入することは、開戦前のイラクに対して強いプレシャーをかけることができます。例えば、東京の歌舞伎町の高いビルに数台の監視カメラを設置して、それらを周回させて防犯監視しているのが偵察衛星なら、通りや街角の電信柱に多数の防犯カメラを設置し、それの映像(撮影方向やズームアップ)で防犯監視しているのがU−2偵察機ということになります。(歌舞伎町とは東京の歓楽街で、最近、犯罪が多発して問題になっているところです)。
 またドイツが提供を表明した小型の無人偵察機と大型のU−2偵察機では、その偵察能力に大きな差がありすぎ、偵察する側はU−2を使った方がはるかに有利になります。それでも小型機は無人なので、同時に大量投入(ミツバチの群れのごとく)して、その偵察情報を有機的に統合させる運用が研究されています。RMAでは市街戦を想定して、路地裏、建物の中、壁の裏側などの敵情を、兵士のゴーグルに画像で表示(ヘッド・アップ・ディスプレー)することも可能になると思います。
英国、世論に背く労働党、危うし (2月14日) 届いたメール
 000です。お久しぶりです。

 相変わらず、毎日読んでいます。本当にお世話になっています。

 実は、私、00の自治だけではなく、イギリスの政治を勉強していたりもするわけです。といっても、日本ではあまり専門家がいない、スコットランドの自治に関することです。

 イギリスの市民の反戦運動は、このHPで様子が垣間見られます。
  http://www.stopwar.org.uk/
 来る15日、イギリス史上最大の50万にを集める大反戦集会を予定しているようです。笑ってしまうのは、姑息な嫌がらせをするブレアー政権で、今の時期、冬枯れに近い状態のハイドバークの芝生に大きなダメージを与えるから、という理由で、許可をずっと渋っていたようです。
 とうとう、先週末環境大臣が折れたようで、ハイドバーク使用の許可を出した、市民は勝ち取ったと誇らしげにHPに書いてありました。

 3,4日ぶりに見ると、今度は、同日、スコットランドグラスゴーで予定されているブレアーの演説会場を市民が取り囲んでデモをする予定でしたが、市民がアクセスする場所に立ち入り制限する規制を出してきたようで、もめているようです。

 中央の政治で注目に値するのは、自由民主党の動きです。これまで、この政党、めだって反戦運動の先鋒にあったという記憶はまったくありません。
 コソボでも、政府支持で、言い過ぎかもしれませんが、労働党の補完政党にような存在にしか見えませんでした。
 事実、比例代表制度を採用するスコットランドでは、自由民主党は労働党との連立を組んで、労働党の政権に大臣を送っていたわけです。それが、今回、明白に、イラク攻撃反対を表明しています。15日に反戦集会も政党として公式に支持し参加を呼びかけています。
 サッチャーリズム的な政策をすべてブレアー労働党に奪われてしまった保守党は、明確な、対労働党対抗機軸を打ち出せないでいるところと、旧来から労働党支持者で、保守党のようなブレアーに愛想を付かした人々に、どうやら目をつけたようで、自由民主党のHPを見ていると、これを機会に、保守党に取って代わって、最大野党になりあがるぞ、という意気込みすら感じられます。

 あまり得意でない英国中央政界はさておいて、スコットランドでは、スコットランド議会で、30%近い議席を占める最大野党、スコットランド国民党は4年前の選挙で、独立と独立スコットランドにおける米国との同盟破棄(NATO離脱)を訴えて、コソボ戦争のさなか、党首がTVで、大反戦演説をぶち上げました。(そのとき自由民主党は参戦派)コソボは結果オーライになったことと、国民党のように、スコットランド出身兵が戦っている背後で、足を引っ張ることを言うのは許せないという雰囲気の中、保守党・労働党・自民党・メディアの多数から総攻撃を受け、思ったように票が伸びませんでした。

 スコットランド連隊は、常に最前線なので(ほんとかどうかは軍事的によくしりませんが少なくともイメージがそう)、スコットランド人は、イギリスの戦争に敏感なような気がします。が、、、、今回国民党は、前回の教訓から、自民党と比べてれば、反戦色が薄い気がします。(上の市民団体の反戦政党の欄にも載っていない)あからさまな反戦政策というよりも、言葉を慎重に選びながら反戦的な態度を間接的に表明しているように見えます。
 おそらく、イラクが結果オーライであれば、そのまま、引っ込め、長期化したりうまくいかなかった場合は、5月のスコットランド議会選挙にむけて徹底的に反戦政策を打ち出していくと予想されます。

 あまり想定しにくいですが、イラクの失敗・長期化は、あるいは、英国内におけるより凶暴なテロの現実化(英国はIRA関連で小規模テロは恒常的)が生じると、もしかしたら、スコットランドの世論では、イングランドといっしょにいることが危険と主張し続けているスコットランド国民党への支持が高まり、独立主義政党が政権をとる、あるいは、自民党と国民党との連立政権となって、ますます、イングランドとの距離を開けていくかもしれません。

 どこの国でもそうですが、戦争が、政党による支持の拡大、世論の動因、政権の獲得と密接に結びついていますね。国民の心情・世論・風をどの政党(あるいは政党リーダー)がどううまくつかむか、これで、英国の政治も転換期を迎えているかもしれません。英国系のHPをざっと見た感じでは、以前のコソボと比べ物にならないぐらい世論は反戦的なような気がします。15日の集会がどの程度のものになるのか、知りたいところです。
 (実際に住んでいる人からの情報が欲しいところですね。)ということで、「世論に背く労働党、危うし」でした。
所長コメント
 今回、イギリス軍は中東に38000人を送っているわけですよね。アフガンにもISAF(国際治安部隊)に1個大隊を出していますね。アメリカは自衛隊に将来は英軍のような役割を期待しているような気がします。アジア方面における英軍の役割です。だからアフガンのISAFに自衛隊が加わることもないとは言えない状況になってきました。
 アメリカにとって今のイギリスの世論は気になるでしょうね。もしイラク戦争が泥沼(長期化、生物・化学戦)になれば、労働党は国民の支持を失うと思いますが、もし短期間で終われば、労働党の支持が上がるか関心があります。
 とにかく、今夜の国連査察団の追加報告に注目しています。
仏・独・露同盟の背景分析です。(2月13日) 届いたメール
 (神浦・・・・すぐ下のメールを下さったパリ在住の方からです)

 先程はHP上で早速のレスを下さり感謝にたえません。仏独露中vs米英の図式について続きをお便りします。

 思うに、この大陸勢力の同盟関係は一時的なものですが、利害関係の一致には重要な点があります。特に大事なのは、仏独とロシアの接近はアメリカが自分でまいた種だということです。今回の件で仏独とロシアの間に援助の約束など、何らかの裏取引があった可能性は否定できませんが、根本的には、大陸部欧州、特に東欧諸国にアメリカが直接手をつっこんできたことに対する、ロシアの不快感があるのは見逃せません。仏独主導の欧州を分裂させて自分に有利な展開に持っていこうとしたはずが、ロシアの反発を招いたという風にパリからは見えます。

 中国についてはどういう利害関係にあるのか、どなたか現地の方に教えていただきたいものです。

 ただ日本人としては、仏独露中の一時的同盟に日本が加担するのは下策と思います。政府レベルではあくまで後方から米国を支援しながら、NGOなどはイラクそしてアラブに良い顔をしておく、という現状は、図らずも日本にとって最も正しい外交上の立場となっていると思います。日本にとってメインの軍事外交問題は北朝鮮や中国であって、イラクではないからです。そしてこの点を考えると、好むと好まざるとに関わらず、米英との同盟は死活的に重要です。

 神浦さんがおっしゃりたいのは、感情に流されて「政治は軍事の延長」とするのではなく、「軍事こそ政治の延長」とすべきだということなのかな…と愚考しましたが、如何でしょうか。

 長くなりました。今後ともご活躍を期待しております。

    パリにて
所長コメント
 NATOが旧ソ連やワルシャワ同盟軍という強敵を失い、さらに旧東欧を含む19カ国に拡大したことで、アメリカがNATOの役割を変質させようとしているのでしょうか。またそのようなアメリカの動きに仏・独が抵抗しているのでしょうか。これは注目に値しますね。今回のイラク攻撃では変なところで大きな火山を噴火させるのしょうか。
 ところでイギリスの政府の動きは伝わってきますが、市民の動きがいまいちよくわかりません。イギリスの世論を知っている方はメールをください。
フランスはガッツを見せています。(2月12日) 届いたメール
 以前HPでメールにお答えいただいた00です。その節は有難うございました。

 さて「古いヨーロッパ」発言の時に、フランスの閣僚・政治家達は「われわれのガッツを今に見ていろ」的な発言を口々にしていたものでした。

 どうやら意地づくの外交が実りを見せて来たようです。現地のTVニュースなどでもいかに独仏のラインにロシア・中国が加わって来ているかを嬉々として伝えています。「戦後復興」への参加を政府発表のままに流している日本のメディアの「達観」ぶりとは大違いです。

 ただそうは言っても単なる理想主義や選挙対策で反戦を唱えている、というわけでもなさそうです。やはり石油やそれ以外の産業上の利益競争が、イラクを巡って火花を散らしているのかもしれません。

 かのイスラエルに空爆された原発もフランス製だったわけですし、フセイン大統領とシラク氏は30年来の”知己”であるということも映像入りで盛んに報道されています。特にミラージュの大量購入時に、首相シラク氏がフセイン副大統領(共に当時)相手に独断で行った大幅値引きの話がよくでてきます。

 石油に関しては欧州各国だけでなく、ロシア・中国も現地に開発会社を置いており、利権があるようですね。

 そこで質問ですが、クラウゼヴィッツが言うように、「軍事は政治の延長」だとすると、イラク問題でブッシュ政権が政治的に勝利する見込みというのは、どの程度あるとお考えですか。軍事的な勝利は、戦争を始めることさえできるならば、疑いないでしょう。ただそれも大分混み入った事になってきているようですし、アメリカの現政権にとって「手術は成功しても患者は死んだ」ということになりかねない情勢になってきているような気がします。ブッシュ政権を困らせることで政治的得点を稼げるという状況が多くの国にある以上、膠着状態は結構長く続くような雰囲気も感じられるのですが・…。

 長くなりました。今後ともご活躍期待しております。

  パリにて
所長コメント
 米英の対イラク戦争がどの程度で決着がつくかで、その後の政治的な状況がまったく違うと思います。もし簡単にフセイン亡命や宮廷クーデターで片がつけばベストです。その後のことも、イラク情勢も悪い方向には向かないと思います。しかし強固な抵抗を受けたり、戦争が長期化すれば米英にとって最悪です。さらに市街戦や大量破壊兵器で、双方に多くの死者がでれば、アメリカは政治的に敗北することになると思います。その後に、アラブやイスラム教徒の反発は高まるし、対米テロも激化することは避けれないと思います。
 アメリカが思いっきりフセインを殴り倒せば済むというものではありません。アラブの人やイスラム教徒は勿論ですが、世界の人にフセインという独裁者が危険であったことを証明し、その排除をアメリカの功績として印象付けなければアメリカの負けです。もちろん、それが戦後であっても印象付けられれば、こんどは仏、独への非難がおこります。仏、独はEU内部で発言力が低くなるでしょう。
 いまのところ、イラクは大量破壊兵器を隠していることは間違いないようです。ですから、もし米英が国連安保理で9カ国の支持をとれば、仏、露、中は拒否権を行使できないと思います。
ラムズフェルド長官の神経は切れている。(2月12日) 届いたメール
 パウエルとラムズフェルドはぺァーと受け取れませんか? フセイン相手では、無論世界相手にはこの戦術が有効と選択されているのではないでしょうか?
 フランスとドイツは歴史的な心理面での解析が必要ではないでしょうか? 漁夫の利を狙うのはロシアであり、中国であり、我国の条件をもってすれば、ひたすら米国に追従する以外術ないのではないでしょうか? 米国が横暴だとか覇権主義と言っても歴史を振り返れば、意味ないと思えますが。
所長コメント
 パウエルとラムズフェルドがペァーはないと思います。あまりにも違いすぎるのです。それにラムズフェルド国防長官は、ドイツの非協力をキューバ、リビアと同列にあげたり、「ドイツの原政権はもう用済み」と語り、ドイツで反発を受けています。(読売 2/8 朝刊)。ドイツのキンケル元外相から、「ラムズフェルド長官は神経が切れている」という批判を受けています。ドイツはアフガンやバルカン半島に1万人以上の対テロ部隊やPKO部隊を派遣しています。キューバやリビアと同列にすることは暴言すぎます。
 日本も米国に追随するだけでは、米国ばかりか、世界から軽視されます。アメリカの番犬なんて言われるのは嫌ですね。日米外交でできることは山ほどあります。まさに外交戦です。
 春休みの海外旅行は大丈夫ですか。(2月12日) 届いたメール
 こんにちは。Googleで検索していて、このHPを知りました。とても分かりやすく、かつ詳しくNEWSが掲載されていて興味深く読ませていただきました。というのも、私は今大学の2回生で、3月にイタリアに旅行しようと計画を立てていたからです。

 暇なのは、学生のうちだけ、と思うので、なるべく暇なうちに海外旅行をしたくて友人とイタリア旅行の計画を立てていました。しかし、最近の世界情勢はかなり厳しいということを連日の報道でイヤというほど認識させられました。ちょっと怖くなったので、毎日危険情報をHPで見るようになりました。

 外務省のHPではあまりに危険度が低く、やはり、政府はコトが起こってからしか動かないんだ、
と思わざるを得ませんでした。ここまで危ないかもしれないと知っていながら、それでもイタリア旅行にまだ行きたいのは暇なのは今だけだから、と思う自分がまだいるからです。

 HPのメールにお返事を読んでいて、何か高尚な質問が多くて、質問するのは本当に気が引けるのですが、勇気を出して質問します。3月3日から10日まで旅行したいと考えています。旅行会社の方は、テロや戦争がおきればツアーは一切中止だが、それまでは予約は受け続けるとおっしゃっていました。たしかに、彼らの仕事ですものね。

 私達はフリープランで、添乗員さんのいない、まったくもって二人でする旅をしたいと考えています。旅行の最中にもしものことが、と思うと不安です。やはり戦争はおきてしまうのでしょうか?3月に旅行に行くのはやはり控えておいた方がよいでしょうか。

 現金な話で申し訳ないのですが、テロや戦争などのせいで中止になった場合は全額返金で、今申し込んで、やはり怖くなったから、と自分からキャンセルをするとキャンセル料がかかります。学生でそんなにお金に余裕はないので、まだ申し込むのを躊躇しています。

 それから、夏にアメリカに2ヶ月ほど、語学留学をしようと思っています。これも、危ないでしょうか?ボストンに行きたいと思っています。でもこの留学は自分が夢見てきたことなので、よっぽどのことがない限り、行くつもりなのですが。

 本当にくだらない質問で申し訳ないのですが、お暇があれば返信お願いします。ここまで長々とつたない文章を読んでくださってありがとうございました。
所長コメント
 もし私の娘が大学2年で、春休みにヨーロッパに行きたいといえば、即、大丈夫だから行ってきないさいです。もし行く先がバクダッドやサウジやクエートだと、親としてはちょと考えてしまいますが、イタリアなら問題ないと思います。しかし父親としては、くれぐれもイタリアの男には気をつけろと忠告も忘れません。私の友人だったイタリア人の若い頃は、日本の女性に声をかけるのが挨拶ぐらいと思っていたからね。あきれるぐらいでした。
 それから夏の語学留学も問題ありません。この時期にアメリカに行くなら、単に言葉だけを勉強するのではなく、アメリカ人がいかにテロを怯えているか見てくるといいでしょう。怖いから行かないのではなく、怖いところを用心深く見てくる旅行も必要です。この時期、飛行機に乗るときはセェキュリテーが徹底しますので、時間に余裕をもって空港に行くことが大事です。
 イラク問題でブッシュは調子に乗りすぎていませんか。(2月11日) 届いたメール
 いつも興味深く貴殿のホームページを拝見しています。私は元陸上自衛官です。15年前に3尉で辞め、今はコンピューターメーカーの課長をしています。予備自衛官として年5日、朝霞駐屯地に行ってます。いつもロムばかりなので、たまには発言してみようと思いメールしました。

 イラク問題ですが、ブッシュは調子に乗り過ぎていませんか?前回の湾岸戦争では、それなりに戦う意味があったようですが(と言ってもアメリカが出て行く必要は無かったと思ってますが)、今回のイラクに対する戦争は全くその意味が見出せません。石油の利権を守るため、とか国内の経済的な不満から目を逸らす、とか最もらしい理由をこじつければいろいろあるでしょうが、基本的な所でブッシュの単なる個人的な感情という印象が拭えないのですが。

 まあ、世界の警察と思い込んでるアメリカはともかく、日本の対応にも全く呆れます。今回の対応ではドイツの対応が一番光ってるように思います。多少、アメリカから非難されても、言うべきときは言う。この姿勢を貫いて欲しいものです。

 以前、テレビタックルでハマコウが言ってましたが、アメリカに黙って日中国交正常化を図った田中角栄がロッキード事件で嵌められたらしいですから、小心者の小泉ではアメリカに物申すことが出来ないのは解っていますが。

 北朝鮮の動きも気になりますね。この頃の過激な態度はイラクを救うべく、アメリカを牽制しているように見えます。ならず者国家同士、裏で繋がってるでしょうから。本気で日本やアメリカを相手にする気はないでしょう。とりとめの無い話で申し訳ありません。これからも政治や軍事に関する話題をメールしますので、懲りずにお付き合い下さい。では。
所長コメント
 本日の朝日新聞に漫画家のやく みつる氏の風刺漫画が掲載されていました。おもわず笑ってしまいました。野党議員が国会で川口外務大臣に、「安保理の新たな決議がないのにアメリカがイラク攻撃を開始すれば、日本はアメリカの行動を支持するのか」と質問すると、「そのような仮定の話にお答えできません」と答弁していました。しかし数日後のテレ朝のサンデープロジュクでは、同じ質問に、「国連で武力容認の決議がでれば日本もとうぜん支持するが、(決議がなくても)大量破壊兵器がテロリストの手にわたることを思えば、もう少し高い次元で考えるべきだ」と、決議なしでも支持する可能性を示唆していました。(読売 2月10日 夕刊) 
 外務大臣が国会の質疑で答えられないものが、テレビ番組だと雄弁に答えていることを風刺していました。このように今の政治家は質が低いように思います。今までの国会では官僚まかせ、ただ官僚の指図に従っていればよかった。しかし今は、昔流の官僚では考えられないような状況が続いています。
 佐藤元総理が辞任の記者会見のとき、新聞記者を会見場から退室させ、テレビ(NHK)だけを相手に行なった光景を思い出します。
 今回のドイツの行動は、米独関係を多少ギクシャクさせたかもしれませんが、ドイツの評価を高めたことは確かです。EUやアラブ諸国におけるドイツの評価は上がったでしょうね。さてイラクの次は北朝鮮です。こんどは日本政府がどこまでのことが出来るか。日朝正常化交渉を仕掛けた田中 均(外務省)のような姑息な手段では通用しません。そのときはこのホームページでガンガンと発言しましょう。 よろしく。
電磁兵器のことを調べてみました。(2月10日) 届いたメール
(神浦・・・・このメールはこのコーナー2月4日の「電磁兵器に関して」というメールを頂いた方です)
 
 いつもご丁寧なご回答いただき有難うございます。あまりに極超短波兵器は情報がありませので、軍事はわかりませんからインターネット検索で日本での関連非軍事技術を調べて可能性を探って見ました。的外れでしたらご容赦ください。
1) 爆薬でプラズマは出るか。
 高速プラズマは爆発時に発生するようです。MHD型の爆薬発電機記載あり。
   http://www.nimc.go.jp/publication/news96/20-1.html
 爆発エネルギーの電磁エネルギーへの変換〜(あまり正確でない。)
   http://www.eecs.kumamoto-u.ac.jp/.eecs/labs/akiyama-lab/subjects/vircator/mc-j.html
 デトネーションからプラズマ発生の映像
   http://sogo.t.u-tokyo.ac.jp/Hp-laser/Hp/camera.html
 爆薬の爆発でプラズマは発生し、MHD型の爆薬発電機があるようです。
2)[MDH発電]って何。(もっと知りたい方向け)パルスMHD発電:パルスMHD発電方式は,可搬大電力 発生装置MHD発電機:主にファラデー型直線形状発電機(図1),ホール型ディスク形状発電機(図4) および対角型発電機に大別される。
   http://www.es.titech.ac.jp/~okuno/mhd-m-j.html
 日本では核融合用と一般用のMDH発電機が開発されている。
 パルス型MHD発電方式で爆薬のプラズマを用いてコンパクトな可搬大電力発生装置が出来そうで す。***コンデンサーでは重くて無理ですが、無人偵察機等に積載できそうです。
3) 電磁パルスですから電子機器の試験機「ノイズ試験機」が関係有りそうです。
 電子機器を破壊する電気ノイズの原因追及ノイズ研究所. 代表者, 藤垣正純社長.
    http://j-net21.jasmec.go.jp/info/genki/genki_h14/02_04-5.html
 ノイズシミュレ−タ
   http://www.mmri.pref.chiba.jp/guidance/kaihou/noisesim.html
 可搬大電力発生装置とノイズ技術で安易な発想ですが,極超短波兵器が出来そうです。

 民生品の寄せ集めで出来そうな物でそんな凄い物ができるのでしょうか。

蛇足、日本の民生技術
  凄い発明と以前から思っている「アモロファスシリコンカーバイド繊維」はケミカル・レターで同心状  のラウエパターンを見てから注目しているのですが用途が限定されるのかあまり陽の目を見ませ  ん。
**スペースシャトルの耐熱レンガの補強に使われて陽の目を見たらいいなと思っています。
 炭化珪素セラミックス及びその製造方法
  750〜1573Kの中間温度での耐熱性に優れ、靭性及び1500℃以上の温度での高温強度に優れ  たニアネットシェイプ性を有する炭化珪素セラミックスが得られる。
   http://www.jfca-net.or.jp/sinaji/data/date-039.htm
 自信喪失の日本ですが技術の蓄積は可也の物が有ると思います。技術の異業種転換でかなりのことが出来るのではと考えるこの頃です。
 長くなってすみません、ご活躍を期待しております。
所長コメント
 なんだか面白そうな情報ですね。今はイラクと北朝鮮で大変ですが、少しでも時間が取れれば、この情報に基いて取材をしてみたいですね。どなたか取材をしてみませんか。おもしろい記事が出来ると思います。ポイントはその基本技術とどのような軍事転用が可能かです。どうも情報提供ありがとうございました・
空母キティーホークの中東派遣の意味?(2月9日) 届いたメール
 こんにちは、神浦さん、00と申します。いつも貴重な情報興味深く拝見させて頂いております。

 早速の質問で恐縮なのですが、昨日ですか?キティホークが湾岸に派遣されました。同時にハワイ沖で演習中であったカールビンソンが日本海に派遣されることとなったそうですが、この間、日本及び朝鮮半島から空母が10日間以上空白となります。これは米国が意図的に空白期間を演出させたものなのでしょうか?そして、そこにはどんな意図、思惑?各国へのメッセージが込められていると読めばいいのでしょうか?
 当方不明なものですから、なんとも判断できません。もし御教授頂けたら幸いです。
所長コメント
 今までの情報では、空母キティーホークに派遣命令が出たが、湾岸に向かったかわかりません。カールビンソンが到着するまで、しばらくは日本近海に留まるとおもいます。とすると2月下旬か3月上旬の空爆開始には間に合いません。空爆開始は空母4隻態勢で行なって、その後の交代任務と考えられます。また開戦後、意外とイラク軍の抵抗が強く、さらなる戦力の増派を緊急に行なう場合の予備戦力にすることが可能です。今の段階でのキティーホークの中東派遣命令は、イラク軍に軍事的な圧迫を強めるための心理戦として考えたほうがいいと思います。
 米101空挺師団の派遣決定も、規模や派遣先が公表されていないので、心理戦の様相が大ですね。今から多数のヘリを中東に輸送するなら、緒戦に間に合わないでしょう。101師団を使うなら、とっくに派遣しています。101師団はイラクが徹底的に抵抗してきた場合の戦略予備部隊です。作戦初期の段階での投入は別の部隊が担当するでしょう。
 パウエル演説後にが3l急落しました。(2月9日) 届いたメール
 ご無沙汰でした。世界中の市場が閉まっているこの時間帯は、強迫性神経症患者の自称相場師にとって1週間で唯一気が休まる時間帯です。

 パウエル演説の夜、興味深い動きがありました。てっきり緊張が高まってドル・株下落、金・原油上昇かと思ったら、原油はやや上げたもののドルは買い戻されて、金は約3%も急落したのです。前日384ドルまで買われていたのが370割れまで急に下げた理由は、今のところ利食い売りが大量に来たためと説明されていますが、なんだか奇怪です。原油のほうは、ベネズエラ情勢の好転にもかかわらず、高値で推移してついに35ドル台にのせた(26ヶ月ぶり高値)というのに。
 前にも書いたような気がしますが、相場はやはり理外の理で動いているようです。天気予報と違って、背反する法則が不規則に交替するその動きを、事前に確実にわかるのはアラーぐらいでしょう。どんな独裁者にも支配できないのです。
 私は、アメリカ帝国を倒すのは、大量破壊兵器よりも経済原理の可能性が高いと考えています(ソ連がそうだったように)。
 昨日の午後、自衛隊が最後の対人地雷を処分したそうです。あとは研究訓連用だけだとか。多分朝刊に載るでしょう。長くなりました。今日はこの辺で。
所長コメント
 私にはこの時期に金が下がるなんて想像できません。本当に怪奇ですね。理外の理とは不思議な世界の様です。軍事は理論をしっかり勉強すると、誰でもある程度の予測は可能です。しかしその予測どおりに動かないのも事実です。まさに今のイラク情勢や北朝鮮情勢がそうです。
 親や祖父の思想や仕事で、自衛隊では不利になりますか (2月8日) 届いたメール
 
神浦さん初めまして、00と申します。自分は少年工科学校の二次