Re:メールにお返 事


ここには2006年1月と2月分のメールにお返事を保存しています。

 

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メ ー ル の 内 容

 四国で混成団が旅団が格上げされ、高知に普通科連隊が新設される理由について。(2月28日)

届いたメール

  神浦さん、こんにちわ。 (神浦・・・・このメールは2月23日のメールに関するお返事です)

  少し前に、四国の第二混成団の旅団化についてのメールがあったと思います。 まず、この計画は1995年に策定された防衛計画大綱で既に決められたものであり、最近の政策変更等によるものでは ないことが指摘出来ると思います。

  従来、陸自には、定員約9千名の「甲師団」、同6,7千名の 「乙師団」、そして、ずっと小規模な「混成団」の3種類がありました。このうち、乙師団の規模を縮小し、混成団の規模を拡大して両者を共に「旅団」とし、部隊を2種類にして運用を合理化する、という建前のようです。

  しかし、方面隊として見た場合、北部方面隊は縮小され、 変わって西部・中部方面隊は相対的に増強となるので、 実態は北方縮小・西方重視という傾向がみられると考えて大きな間違いはないのではないか、と愚考致します。

  なぜ高知に新規に普通科連隊が?という点ですが、特段高知でなければいけない理由はないと思いますが、旅団化に際しては、普通科連隊は増強となります。一方、予算削減などもあり、新規に駐屯地の整備・拡張等は困難な状況でしょう。すると、既存の駐屯地で何とか多少とも余裕のあるところに新規の部隊を配備する、というところではないでしょうか。

  話は変わりますが、中央即応集団の話題。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20060226/mng_____sei_____002.shtml

 この記事からしますと、少なくとも当面は中央即応集団は司令部要員のみの部隊となるようですね。 これはひょっとして、陸自は海外派遣に消極的ということの現れではないでしょうか?

 では、失礼致します。

コメント

 このようなメールが届くのを待っていました。確かに四国の第2混成団(司令部 善通寺)は、平成8年度以降の前防衛大綱(平成7年11月 閣議決定)で旅団化が決まりました。第2混成団の指揮官は1佐ですが、第14旅団なら指揮官が将補となります。さらに高知に第14旅団の元に普通科連隊が新設されます。

 これは自衛隊が北方重視から西方重視の戦略転換の方向性に沿うものでしょう。しかし特に四国地方は今も昔も、最も軍事的な脅威が少なく、善通寺の第15普通科連隊も山陰など米子方面で戦闘することを想定していました。九州方面(山口県西部を含む)や日本海方面から侵攻する敵に対処するためです。逆な言い方をすれば、それほど四国地方は敵の侵攻を考える必要がない戦略的に安定した地域なのです。

 そこで私は高知の普通科連隊新設は、沖縄など、西方の島嶼部に対する戦略予備的な任務を担うと考えています。今防衛大綱(平成17年度)や現中期防衛計画では高速輸送船の購入は明記されていませんが、民間の大型フェリーを使って奄美や沖縄、それに南西諸島に機動展開することが可能になります。

 昨年の秋、奄美大島で陸自の海上機動訓練が行われました。この時、九州の大分港から74戦車を民間フェリーに乗せ、奄美大島まで海上輸送しています。この演習は初めてではありませんが、九州の大分港ではなく、より近い高知港を使い、重い戦車ではなく、軽武装の普通科連隊を高速輸送船で南の島に機動させるための新設部隊です。(14旅団の戦車部隊は岡山県の日本原駐屯地に配属されます)。

 有事でなければ、高知の普通科連隊は四国西部の災害派遣部隊として使えます。しかし有事になれば、西方の島嶼部に対する戦略予備部隊として活用されると考えています。将棋でいえば沖縄方面に向かって、高知に「角」を打つようなものです。まあ当分は、新設された高知の普通科連隊は演習を九州の日出生台演習場に、海自の輸送艦や民間フェリーで機動して訓練を実施すると思います。日本原の戦車も日出生台演習場に移動してきます。日本の周辺国を刺激させない配慮です。

 そのような作戦意図が隠されていると推測しています。さらに現在、高知市駐屯の第2混成団・施設隊のホームページを見ると、その隊長に化学課出身の者が赴任しています。また施設化でありながら対化学戦の訓練を行っています。ですから新設される高知の普通科連隊は化学戦対処能力が高い部隊を想定している可能性もあります。関東は大宮(埼玉県)の化学部隊が担当ですが、中部や西方は高知の部隊が対化学戦の任務を担う可能性です。

 しかしこうなると陸自は米海兵隊のように、高速輸送船がますます欲しくなりますね。私は次期の防衛大綱では高速輸送船という言葉が入ると考えています。船の高速輸送性能を活用し、軽武装の普通科部隊を島嶼部などに緊急展開させる機動戦略です。

 米軍の移転費用を日本が支払う必要があるのか。(2月27日)

届いたメール

  前略

  貴サイトをよく拝見させていただいています。

 質問ですが、海兵隊のグアム移転費を日本が分担しなければならない理由はどこにあるのでしょうか。軍事音痴だと笑われるかもしれませんが、この記事

http://www.asahi.com/politics/update/0226/002.html

 によると、グアムに移る海兵隊は司令部要員で、戦闘部隊の大半は残る見通しとのこと。軍事演習もなくならないでしょうし、沖縄の人々にメリットがあるような移転には見えません。

 貴サイトの2月8日づけ新着情報ではアメリカ側は75%の負担を日本に求めているとありました。アメリカは日米同盟を理由に単に日本にたかっているとしか思えません。筋論から言えばびた一文払う必要はないと私などは考えてしまうのですが、どうしてそうできないのでしょうか。

 お考えをお聞かせいただければ幸いです。

 草々 

コメント

 私も支払う必要はないと思います。ドイツは在独米軍が撤退するとき、その撤退費用や移転先の施設建設費を負担していません。海外でもそんな実例はないと思います。ところが日本だけは、日本側から頼んで米政府に要求してもらっています。これは外務省か防衛庁が予算を獲得することで省庁の権限拡大か、工事費の中に「天下り先」を確保しようとしている様な構造があるのでしょう。

 以前、普天間基地の移転先にキャンプシュワブ沖の埋め立て案が決まったとき、防衛関係者になぜ軍事的に意味のない埋め立て基地を決めたかと聞くと、ODA(政府開発資金)以外に利権の少ない外務省が、沖合埋め立てで土木・建設両業界から利権を得るためと聞いたことがあります。ちょうど橋本首相(もともとは旧田中派)と野中幹事長の時代で、利権政治まっさかりの頃です。

 でも支払いを決めるのは、新たな法律が必要になります。今の法体系では海外の米軍費用を負担することはできません。当然ながら国会で審議することになります。しかし野党の民主党があの混乱ぶりでは、正面から異を唱えることは無理かも知れません。困ったものです。

 問題は移転費用だけではありません。撤退した米軍基地で汚染された土壌をどのようにするかが大問題になります。米軍に支払わせる問題が残っています。沖縄返還協定では基地の原状回復は日本側が負担することが「密約」で決められました。この土壌改良費用は莫大なもので、今度は数千億円という額が予測されます。

 政治とは予算を多く奪うことと考えている政治家や官僚が問題だと思います。

 最近の中国脅威論と日米安保の関係について考えました。(2月27日)

届いたメール

 いつもたのしく拝見しています。


 昨今の、マスコミなどで言われている中国脅威論には確かに危惧するところがあります。

 中国の脅威は、潜在的に過去からあったもので、突然出てきたものではないのに、今にも中国と開戦するかのごとくはやし立てる雑誌もあるます。今までが左派に偏り過ぎていた報道が、反動で右派に偏ったようにも見えます。

 (経済の話では、バブルの前ぐらいを思い出してください。技術の流出、中国への工場移転、将来の労働力減少、労働力の世代交代等、色々考えられていたのに、世の中はバブルに浮かれ、地から足が浮き、ありもしない見せ掛けの景気に溺れ、予見できた中国の台頭を見過ごしてきました。また、バブル崩壊後は、技術の衰退だとか、落日だとかといわれていますが、日本の経済規模も技術開発も拡大、成長 は続いています。ただ一時的にその速度が鈍っただけなのに、鬼の首でも取ったように言われています。マスコミや風潮に惑わされないと言うのは重要だと思い ます。)

 それでもやはり、中国の脅威は(軍事だけではなく)あると思います。日本がF-22を導入しようと、イージス艦を導入しようと核を持とうが、それを持つ体制や状況を総合的に考えなくてならないです。今の日本は、どんな装備を持とうが、米国と同盟だから中国から襲われていないように思えます。そこで、神浦さんにお聞きしたいのですが、日米同盟は今後も利害が合う限り続くと思うのですが、もし仮に破綻した場合には、どの様な国家体制でのぞべば日本は生き残れるのでしょうか?

 また、日米同盟以外ではどの様な国となら同盟が組めるのでしょうか。 外交、国家体制もその国の国力だと思っています。


 稚拙な文で申し訳ございません。宜しくお願い致します。

届いたメール

 神浦さん、こんにちは。

 中国脅威論の本質は、以下の二点にあると思います。

 第一に、中国が現在の国際関係のルールを誠実に守るとは、思われていないこ と。

 第二に、強力な華僑のネットワークによる政治力です。

 そもそも中国は19世紀半ばまで正式に自分以外に対等な国があると認めたこ とはなく、自分が中央でまわりは全て野蛮人であり、外交関係を結ぼうとする国は全て朝貢国という建前で外交関係を処理してきました(外務省に当たる総理各 国事務衙門が出来たのが1861年、外交使節が皇帝に謁見する際に床に頭をつ けて礼をする叩頭しなくて済むようになったが1873年)。そのほかにいろいろな経緯がありますが、中国は歴史的・文化的な事情からウエストファリア条約 以降成立した西洋の国際関係をベースとした現在の国際社会の秩序に対して常に 懐疑的で、こうした国際関係のルールにはしばしば抵抗してきました(靖国問題 も、こうした文脈で語られるべき事柄です)。そのため、そうした国が現在のよ うに膨張主義を取ることはすなわち原稿の国際関係のルールそのものに対する挑戦となり、イランの核問題なんかとは比較にならないぐらい大きな問題となりま す。

 第二の華僑については、華僑が大量に各国に進出し、経済に深く関わることで外国の中で政治的発言権を強め、その国家を変質させてしまうという点が脅威と見なされています。たとえば、カリフォルニア州で先日反日教育法なるものが議会で可決されました。幸いこれはシュワルツネッガー知事が拒否権を発動して葬られることとなりましたが、華僑は進出先の国籍をとって、その国の国民となってもなお中国に対する忠誠心が強く、移民先の国に同化しません。それだけなら ともかく、そうした人々が社会に於いて一定の地位を獲得し、一つの政治的意味 を持つ集団となるため国内に「中国の脅威」が存在することになります。また、 一昨年の年末あったスマトラ沖の大地震の際、人民解放軍は救援活動に参加することをインドネシアに拒否されています。

 そういうことで、中国の台頭というのは単に覇権国が変わる可能性があるというだけではなく、これまでの国際関係のルールそのものが根底から覆される可能 性をも秘めているということになります。そういう意味で、中国というのは他の国と同列に扱っては危険であると考えます。

コメント

 中国が政治や外交にいろいろな問題を抱え込んでいることは理解できます。歴史的にも、中国の社会は西洋世界とは異質な進化をしてきました。その点ではキリスト教社会とイスラム教社会の違いよりも、西洋社会と東洋(中国)社会は文化が異質かも知れません。今の世界基準の西洋の物差しでは、中国は絶対に見えてこないでしょう。そこまで双方の文化が違いすぎると、同化(占領)や従属させたいとは思わないのでしょう。

 しかし日本は違います。かつて日本がアメリカを攻撃(ハワイなど)したように、中国でも日本は軍事進出をおこなっています。アメリカが日本の軍事大国化を嫌うように、中国も日本の軍事大国化に極めて敏感です。しかし中国が日本の軍事力をいちいち非難しないのは、アメリカによって日本の軍事戦略がコントロールされているという安心感があるのではないでしょうか。

 逆に日本では中国脅威論が起きても、アメリカは日本の離島防衛という「中国が脅威を感じない形」で、日本のガス抜きを行っています。その点では、中国とアメリカは日本という潜在的な軍事大国を、共同でコントロールしているという構造だと思います。

 そのような日米安保の役割があることを知る必要があります。中国の軍事脅威を日米で対処するというより、日本の軍事的な脅威を中国とアメリカが共同で対処しているという構造です。

 今のようないい加減な中国の軍事脅威に踊らされていると、そのような構造がなかなか日本人には見えにくいのではないでしょうか。

 ですから日米安保だけのことをいえば、私は日米安保の重要性は認めますが、日本に米軍が駐留する必要はないと考えています。在日米軍は駐留することなく、アメリカは日米安保体制を変質させると推測しています。米軍の駐留なき日米安保体制です。アメリカは自衛隊の兵器システムや情報システムをコントロールすることで、これからも日本の軍事大国化をコントロールできると判断すると決断するときが来たと思います。

 22日の内之浦の衛星打ち上げが九州各地で観測されました。(2月24日)

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  ご無沙汰しております。福岡の00です。

 体調が悪いとかおっしゃってましたが、大丈夫ですか?

 今回、軍事とは直接関係ないと思いますが(まったく関係なくはないけれど)、22日早朝に鹿児島の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられたM5ロ ケット8号が、九州各地で目撃されるという、大変珍しい現象がありましたのでお知らせします。私はまだ寝ていたので見れませんでしたが、犬の散歩中に妹が偶然目撃し、ケイタイのカメラに映像を収めたのでblogにUPしました。


http://kuroki-rin.cocolog-nifty.com/heaven_or_hell/2006/02/niftynewsnifty_d9a3.html

 早朝とはいえ、かなりの人が写真に撮ったようです。

 しょっちゅう失敗しているようなイメージの日本の宇宙開発ですが、地道にがんばってますね。アメリカのように直接軍事に結びつかない(つけない?)ため、はるかに低予算しかもらってないと聞きます。

 ところで、日本のテロ対策法もやっと着手されるようですが、

http://www.asyura2.com/0601/senkyo18/msg/416.html(1月7日のニュースなので記事がもう落ちてました。で、阿修羅のアーカイブです)

 相変わらず腰を上げるのがあきれるほど遅いですね。地下鉄サリン事件から11年経とうとしてるのに。しかも年内に骨格って一体・・・。年内にテロられたらどうするんでしょう。泥縄ですね。

 中国、北朝鮮、イランetc.と世界情勢も相変わらず予断を許されない状態ですが、アメリカがイランに対して、日本に犯した過ちを再度やらかしてしまうのではないかと少し心配です。
イラクもまったく先が見えませんし、世界平和はまだまだずーーーーーっと遠いですね。

 それでは、これからもがんばって情報を発信してくださいね。

コメント

 確か、M5ロケットは東ではなく南の方向に打ち上げられたと聞きました。それが福岡から見えるのですね。本当に不思議だと思います。

 それから過去に、アメリカのフロリダでNASAが打ち上げるスペースシャトルのロケット発射を見た友人が、「ロケットの打ち上げ時の噴射光といい、白煙といい、轟音といい、迫力満点で、神々しい感動に震えた」と語っていました。私も一度は内之浦でロケットの発射を見学したいと願っています。

 体調の方はすっかり回復しました。元々が丈夫な方なので、1〜2日寝れば、たいがいのことは直ります。

 四国に第14旅団が改編される理由は何ですか。(2月23日)

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  いつも拝見しています。私は高知市で大学の教員をやっています。

 ところで教えて頂きたいことがあります。私が住んでいる高知市に新しく普通科連隊ができるそうです。今までは第2混成団の施設隊だけでした。また四国は今まで第2混成団(司令部 善通寺)でしたが、今年から四国は第14旅団として規模を拡充するそうです。

 どうして四国を第14旅団にするのか。あるいは高知市に普通科連隊が新しくできる理由はなぜですか。何か陸上自衛隊に新しい動きがあるのしょうか。もしわかれば教えてください。

 他に質問できる人がいません。神浦さんだけが頼りです。よろしくお願いします。

コメント

 ちょっと「海上自衛隊の機密データ流出」のことで電話が入りました。この質問はあとで書きます。すいません。あとで必ずお答えします。

 いい機会です。皆さんも一緒に考えてみませんか。

 追伸  ちょっと長くなるので、もう少し、時間に余裕が出たときに書きます。明日(25日)から母に会い(見舞い)に広島に行きます。2日間で東京に帰ってきます。

 軍事知識を広める場があるといい。(2月23日)

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  神浦さん、こんにちは。

 昨日のメールに掲載・コメント頂きまして恐縮です。

 私も紹介された「日本軍事史」を探してみたいと思います。 もしかしたら旧陸軍定員の件は私の勘違いかもしれませんが、 こうやって、知識を広げる場があるという事はありがたい事と思います。 これからもがんばってください。

  (神浦・・・・これは下段のメールを下さった方です)

コメント

 昨日、本棚を整理中に参考になる本を見つけました。2003年に出版された「自衛隊誕生秘話」(別冊歴史読本 新人物往来社刊)です。この本は中の記事を書かれた高井三郎氏(陸自の元幹部学校教官兼研究員)から頂いたものです。その本の中に元防衛研究所戦史研究室長の狩野信行氏が、自衛隊が創隊されるまでの経緯を詳細に執筆されています。主に国内治安を目的に陸自(警察予備隊)は7万五千人で発足した経緯がおもしろいですよ。また朝鮮戦争で日本から米軍が朝鮮半島に移動し、日本の軍事力がゼロになった時代(有史上初めて)があり、マッカーサーはソ連が北海道に攻めてくることを警戒していたことがわかります。まだ新しい本ですので、図書館などで簡単に見つかると思います。

 自衛隊の定員は旧軍の思考を反映しているのでは。(2月22日)

届いたメール

  神浦さん、こんにちは。いつも興味深く拝見しております。

  わたくし、軍事や自衛隊関係にはとんと疎いのですが、 陸自定員の件で、話題提供できれば思いメールいたしました。

  今読んでいる「徴兵制と近代日本」という本に戦前の徴集人員(陸軍) の表があるのですが、大正から昭和一桁までの現役兵徴集がおよそ 9〜10万人、現役の服役年限が3年と見て陸軍現役が約30万人弱と思います。 (素人の計算なので間違っていたらごめんなさい。単に旧軍の兵員資料があれば良いのですが)

 上記の期間は第一次大戦後の軍縮期にあたります。 これは素人考えなのですが、もし自衛隊創設するとして最初に 思い浮かべるのは旧陸軍の平時定員ではないでしょうか。 そしてこの本によれば、陸軍規模を決めるのは軍事的な要請と予算の兼ね合い、という事のようです。

 以上、門外漢の愚考でした。

コメント

 門外漢などとんでもありません。自衛隊の定員に旧軍の歴史的な思考が影響していたという発想に驚きました。私の心には、どうせGHQが自分の都合で人数を決め、それを日本側の旧軍部勢力が巻き返しを図ったと考えていました。しかし旧軍部勢力が巻き返しを図るためにも、その根拠となる数字が必要ですね。いい加減な数字を上げるわけにはいかないでしょう。

 昭和初期の兵力数という根拠に、何かの関係を強く感じました。そのあたりの事情を詳しく書いた本を読んだ記憶があります。こんど機会を見て探してみます。防衛研究所の図書館に行くと見つかるかも知れません。

 先日、私の書棚を整理していたら、「日本軍事史 下巻 戦後編」(藤原 彰著 日本評論社)という本を見つけました。その時に「航空自衛隊の創設」の部分だけは読みましたが、陸海の定員を定めた経緯についても記述があると思います。この本は1987年刊ですから、大きな図書館で見つかる本だと思います。

 戦史は軍事学の中でも、戦術や戦略と並んで重要です。とりあえず「日本戦後史 下巻」の中にある参考文献のリストも資料価値が高いと思います。自衛隊の誕生に興味のある方にお勧めします。

 陸自が実定員を15、5万人とした論拠です。(2月21日)

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  神浦さん、こんにちわ。

 陸自の必要定員25万人説の根拠は、恐らく当時の英国陸軍の常備兵定員がそのくらいであったことが根拠であろうと思われます。

 同様に、1年ほど前に財務省が示したとされる陸自4万人削減案の根拠も、現在の英国陸軍の常備兵定員が12万人程度というのが根拠だったようです。無論、日英両国の置かれた環境や、予備役の数(英国は30万強)などの違いは無視したものですので、当然合理的な数字とは言いがたいと思われますが。

 ちなみに、陸自の実定員が長らく15.5万だった理由として、旧ソ連の意向を意識してのもの、という説もあります。 ソ連は第二次大戦後の対日講和に際して、日本に軍備制限を課すべきと主張し、陸軍は15万以下という数字を主張していたそうです。ソ連は結局サンフランシスコ条約調印国にはなりませんでしたが、日本としてはソ連の意向に反しない軍事政策をとってきたのだ、というのがその説の論拠のようです。

  それでは、失礼致します。

コメント

 今日のリック軍事通信員のレポートにもありますが、いろいろな説があるようです。しかし当時の英軍とか、冷戦時代のソ連軍との関連は初めって聞きました。

 最初の日本軍再建案(戦後)では45万人という数字が上がったと聞いたことがあります。それがいろいろな政治事情で24万人(陸16万、海と空が4万人の合計24万人です)。あくまで政治事情で軍事事情ではなかったようです。ですからいろいろな説が生まれてくる理由になると思います。

 そのあたりの事情は自衛隊の歴史書に詳しく書かれていると思います。私は海原治氏、加藤陽三氏など、元防衛官僚で自衛隊創生期の人に話しを聞いた記憶があります。

 それから軍事的には旧ドイツ軍のシステムが参考になっていることを忘れてはいけません。第1次大戦に破れたドイツはベルサイユ条約で陸軍10万人の制限を課せられます。そこでドイツは軍の基幹要員を育成するクリンパーシステムを採用します。そしてベルサイユ条約を破棄すると、兵は下士官に、下士官は尉官に、尉官は佐官に昇進して、新たに徴兵制で入隊した者を兵にします。このクリンパーシステムでヒットラーは短期間に大部隊を作り出すことに成功します。それが戦車・機械化部隊や空からの攻撃機が行った電撃戦を、背後(掃討作戦や占領)で支える兵力として担ったのです。

 今では日本に徴兵制が復活する可能性はありませんが、そのような質の高い兵士を育成する組織論が、ハイテク時代の自衛隊を高度に進化させることに役立っています。

 自衛隊の数字は何を根拠にしているのか。(2月18日)

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  いつも神浦さんのサイトを興味深く拝見しております。

 以前、「軍事の勉強法」に関する質問のメールを送らせてもらいました、兵庫県の高三の0000です。その度はありがとうございました。

 今回の質問は、軍事における「数字」に関するものです。

 軍事を勉強していてしばしば出会う事柄なのですが、軍事における「数字」とは、一体どのような理論に基づいている物なのでしょうか?

 (これは兵器の性能を表す数値のことではありません)

 一例を挙げれば、先日陸上自衛隊についての情報をネットで集めていたところ、このような文章に出会いました。一部を抜粋しました。

 時として「敵を海上で迎え撃つから陸自は不要」「海自、空自を重視すべし」といった意見も見られるが、前述のように陸自は控えめな規模で編成されており、一説には「日本全土を適切に防衛するには陸自25万が必要」などと長年いわれつつも15万で防衛してきたのである。(以上、フリー百科事典ウィキペディア「自衛隊」より

 この日本全土を防衛するためには陸自25万人が適切、とするこの文章には、何らかの理論の裏付けなどがあるのでしょうか? 軍事研究に基づく学術的な理論なのでしょうか? それとも独自の知識や経験則に基づくものなのでしょうか?

 また神浦さんご自身は、例えば拠点の防衛に派遣された兵力が適切であるかどうかを、どのような視点でご判断されるのでしょうか? このあたりのこともお教えただければ幸いです。

 これからも、日本軍事情報センターのより一層の発展を心より願っております。お体にお気をつけて頑張って下さい。(禁酒日記を読みながら、いつも影ながら応援しています)

 読んで頂き、ありがとうございました。

 ではでは。

コメント

 今日の What New(2月18日) にも書きましたが、軍事では数字の意味が段々と曖昧になっています。例えば「攻者3倍の原則」とか、「ランチャスターの法則」、「クラウゼビッツの戦争論」などは歴史の彼方に去ったと言えるようになりました。これからは軍事革命(RMA)で兵器の質(射程や命中精度)や通信ネット、指揮、情報、コンピューターなどが重要で、兵員数や戦車や装甲車の数、大砲の数、軍艦や戦闘機の数で戦力比較ができなくなりました。

 それから陸上自衛隊が24万人といわれたのは創立期だと思います。国内に共産政権樹立を目指す勢力があったり、中国や北朝鮮にシンパシーを持つ人が多くいた影響もあると思います。いわゆる治安対策のための兵員数です。今は国内の治安対策より、災害派遣が重視され、自衛隊の兵員数が削減できないようです。

 外国との戦争だけを考えれば、もっと兵員数を減らすことも可能です。しかし一度減らすと急に増やすことが難しいことも事実です。だから自衛隊の人数を減らすよりも、国際貢献など効率的な運用を組み合わせて考える必要があります。

 そうそう私も軍事を勉強し始めたとき、なぜ陸海空で24万人かと考え、自衛隊を創隊させた人を訪ね、その理由を聞いたこと思い出があります。「まあ、その程度が適当だと思った」というぐらいで、明確な論理はないようでした。あまり多すぎると、アメリカが警戒するという理由もあったと思います。そのあたりのことは、いろいろな本(新聞社の自衛隊特集など)に書かれていると思います。

 自衛隊はこれからRMAの時代を迎えます。そのために莫大な予算を必要とします。兵員よりも兵器のシステムにお金をかける方が強い自衛隊を育成できるでしょう。しかしそでれは災害派遣はどうすのかという問題が生まれます。

 また自衛隊の兵員数を増やせば、周辺国に新たな脅威を与える可能性があります。逆に減らしても地域を不安定にさせる要因になります。いわゆる力の空白を生んで、そこに進出してくる勢力と対峙することになるからです。

 これからは今の戦力を基礎値にして、情勢の変化、任務の性質、兵器の進歩、日米安保との関連などで、微調整しながら変化していくと思います。アメリカ軍ほどダイナミックに変化はしないでしょう。

 中国の将来に対する見解です。(2月17日)

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   神浦さん、こんにちは。

 鉄血宰相ビスマルクの名言に「賢者は歴史から学び愚者は経験から学ぶ」とい う言葉があります。ことに、異民族の行動を考える時、自己の経験というのは全 く役に立たないと思います。考え方のベースになっている歴史や文化が違い、我 々の常識は彼らの非常識であることが往々にあるからです。

> なぜなら住民運動を取り締まる警官も、貧しい農村から供給できるし、法的な

> 権利意識の自覚は自らの無法手段を抑制するからである。それは貧困層の都市

> に対する「怒り」よりも「憧れ」と気持ちで現れる。そのような微妙な感覚は、

> 都市生活者にはわからないと思う。

 中国の歴代の王朝は全て大規模な農民暴動をきっかけとして亡びています。恐 らく日本人が最も詳しいであろう後漢崩壊時(三国志)は黄巾の乱が、清朝崩壊 時は大平天国に義和団の変。毛沢東も農村から都市を包囲することで蒋介石を倒 しています。恐らく中国共産党の幹部は農民の暴動をかなり強い政権の危機とし て認識していると思います。ですから徹底的な報道管制を敷き、弾圧の様子を外 部に漏らさないようにしているようです。軍事力による鎮圧が出来なくなった時 が一つの転換点となるでしょう。過去の政権とくらべて現在の共産党政権が違う という点を探すことは困難です。

 また、近代以前に日本では農民が天下を取った例は豊臣秀吉ただ一人(それで も天皇の臣下であることには変わりない)ですが、中国の歴代王朝には農民が皇 帝になった例もあります。

> 中国ではインターネットや航空路が整備され、交通路や通信網などの産業イン

> フラも整備されてきた。中国が法律によって統治すれば、激しい「抗議行動」

> は収束し、汚職も少なくなると思う。しかしまだまだ先のことである。

 上に政策あれば下に対策有り、という国柄で法律による統治は期待できません。 知識階級に属する中国人何人かと話したことがありますが、そういう中国人でも 国家観は人治国家であり、近代的な法治国家となるためにはまだ数百年かかるで しょう。辛亥革命から95年、いまだ法治国家となる兆しが見えませんからね。 形式的にはともかく、国民に法治国家の概念が受け入れられ、浸透しなければ意 味がありません。

 また、ソ連や東欧の社会主義政権は自由化によって崩壊しました。それを見て 中国共産党は経済の開放を進める一方、政治的な自由は封殺する方向で来ていま す。現実にインターネットへの検閲は苛烈を極め、中国の検索サイトは「法輪功」 などの政治的に好ましくないキーワードによる検索は出来ませんし、そのような 語を検索した人を追求できるシステムがあるようです。モスクワオリンピックを やったソ連、ソ連とは独自の道を歩みサラエボオリンピックをやったユーゴスラ ビアが、大挙して押しかけたマスコミによって報道の自由が入り込み、ついには どのような運命をたどったのか我々は目の当たりにしています。自由な報道や自 由な移動というのは社会主義政権に於いて政権を揺るがすものとなります。私が 中国人と一緒に中国を旅行した際、案内してくれた中国人はホテルに泊まるたび に一々「公民証」をホテルに提示していました。中国は未だにそういう国です。

 最近ずっと読売新聞で中国に関するレポートがありましたが、その中で関心を 持ったことに「農民戸籍」があります。ようするに都市の住民と農村の住民を戸 籍によってわけ、差別しています。そのため、農民は都市に出ても農民でしかな く、都市の戸籍の住民のように行政サービスを受けることが出来ません。そのた め、差別の構造は固定化され、いくら都市で頑張っても農民は貧しい生活を強要 される立場になっています。こうした戸籍による形式的な産業別の人口と実態を もとにした実質的な産業別の人口のゆがみが解消されない限り、中国の近代化は 進まないでしょう。最早戸籍によって農民を縛る時代ではないのです。しかし、 権力者は差別を好みます。  神の前に於いては人はみな平等であるというプロテスタントの考え方が、西欧 に於いて資本主義が発達した原因の一つに上げられていますが、人々が形式的に 平等な社会でないと資本主義は発達しません。このような差別を続けている限り やがてどこかで社会のゆがみが極限に達することでしょう。

 言論による批判を許さない強力な独裁政権というのは一見強そうですが、硬い 焼き物と同じように簡単に割れて壊れます。逆に言論による批判を許容する体制 は長い目で見るとねばり強く安定します。中国人がそのことに気付き、共産党に よる一党独裁を放棄し、秩序ある自由のある社会を構築しない限り、中国は本質 的には何も変わらないと思います。

届いたメール
 以前、何回かメールを紹介していただいた00と言う者です。毎日のように更新される、各種軍事情報の的確な解説、目線の鋭さにいろいろと参考にさせて頂くことが多いです。その中で今日の中国の記事を読んでいて思ったのですが、現在の中国の貧富の格差や出稼ぎ労働、地方の貧困と経済発展との間の矛盾を良く見ていくと、1950年代から1960年代初頭の頃の日本も程度の差はあれ、時代遅れの農村と発展する都市との格差、過疎の問題、乱開発、公害問題や政治運動や学生運動など、いろいろな問題を抱えていたように思いますし、エネルギー問題でも当時の日本は世界中から資源を獲得しようと躍起になっていた筈です。もちろん、当時の日本と現在の中国では、政治体制が異なりますし、各種条件も違う部分もありますが、第一次産業主体の旧来的な社会から、第二第三次産業主体かつ経済的に高成長を遂げる新しい社会に変化する局面においてはいろいろな問題が噴出するのはある種必然なのではないかと思います。1970年代の朴大統領時代末期の韓国でも、漢江の奇跡と呼ばれるくらいの目覚しい経済成長の一方、農村の近代化を目指すセマウル運動にも関わらず、農村と都市との格差は広がる一方でしたし、長年の強権体制の歪みや、民主化運動に対する弾圧と維新体制による更なる強権化など、いろいろと問題を抱えていたと思います。貧富の格差や各種抗議運動などについては米国の20世紀初頭やマルクスが存在していた頃のイギリスも似たような問題があったでしょう。しかしながら、日本も韓国、他の国もそれらの問題を乗り越えてきました。

 個人的に社会が経済発展を続け、日に日に豊かになっていく間というのは、各階層の人々、各々が明日への希望を強く持つので、各種問題があれども、経済成長のパワーがそれを飲み込んでしまい多少は騒動はあれども意外と社会の安定というのは崩れにくいのではないかと思ったりもします。ただ、中国は国の規模が大きいのでその移行期間が長くなるのと、共産党政権の統治能力に不安要素もあるのですが、中産階級や政府に頼らない資本家などが徐々に勃興し、政府とのせめぎあいの中で多少の混乱はありつつも徐々に中国も変化していくのではないかと思うのですが、楽観的過ぎるでしょうか?(笑)まあ、インドネシアや南米の例もあるので、必ずしも中国が順調に行くとは限らないですが、現在の中国の政策や指導部を見ていると、危なっかしいものの、すぐに崩壊や社会的混乱に陥るようにも思えないのです。現在の中国の問題を、豊かになった現在の日本や米国の基準を物差しにして比べてしまうのではなく、過去の自分達の時代と比べた上で判断する必要もあるのではないかとも思うのですが、どうでしょうか?軍事的な質問ではないのですが・・・。

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 すいません。今日は風邪気味です。今回はお返事を書かないで、掲載だけにさせて頂きます。

 平和なときの軍事専門家の生活を教えてください。(2月10日)

届いたメール

  神浦さん、こんにちわ。初めてメールを差し上げます。私は大阪に住んでいる00と申します。現在は00大学の大学院で国際関係論を勉強しています。24才です。ほぼ毎日、神浦さんのホームページを見ています。

 私は将来、マスコミ関係で国際部の特派員のような仕事をしたいと考えています。特に海外の戦争報道には強い関心を持っています。そこで質問があるのですが、もし差し支えなければ教えてください。

【質問】 神浦さんのような方は、今のように戦争がないときはどのような生活をしているのですか。戦争やテロが起きた時は、毎日のようにテレビで拝見するのですが、最近はテレビで神浦さんを見ません。神浦さんに限らず、軍事専門家という人は平和なときに何をしているのか気になります。

 それでも神浦さんの生活は、ホームページの「禁酒日記」で多少は知ることが出来ますが、他の人は何をしているのですか。もしわかれば教えてください。単純に私の興味が半分と、自分の将来に参考にしたいと思っています。

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 私もよく聞かれます。「平和なときは何をしているの」と。そうですね。他の人のことはわかりませんが、私は戦争がないときは基本的にヒマですね。そんなときは未読でたまった本を読んだり、コンピューターのシステムを新しくしたり、連絡して旧知の友人に会ったりします。今の私のようにスポーツで体を鍛えるというのも大事だと思っています。また子供の学校のPTAの役員をしたり、小型船舶免許(1級)の更新をしたり、部屋の配置換えをしたりと、いろいろと雑用も多いですね。そうそう、近いうちにデジタルカメラの1日講習(有料)を受けたり、ビデオカメラの編集作業をマスターしょうと考えています。

 でも豊かな生活をしたいなら、自分の本を書いたり、講演活動を行うというのが平和時の軍事専門家と言われたこともあります。しかし私は自分で関心のある勉強をするのが好きで、お金にもならないことを調べたりしています。今、私が関心を持って調べているのは、イスラム教です。若い頃に中東のイスラムの聖地を何カ所か訪ねましたが、その頃はイスラム教に興味も知識もなかったので、ただの素通りでした。しかし今になってイスラム教の本を読むと、あの聖地にそんな歴史があったのかと驚いてしまいます。この前までは、国際海洋法について関心を持って本を探して読んでいました。

 それから収入の面ですが、平和なときは雑誌や新聞のコメント料や原稿料と、時々のテレビやラジオの出演料と額は少なくなります。そこで大事なのは収入を増やすことより、普段から支払を増やさないことだと思っています。すなわち質素な生活を楽しむことが大事と思います。まさに質実剛健の生活です。正直言って、今の私の生活で最も贅沢なことは、近くのスポーツクラブに入会したことだと思います。それでも会費は毎月約1万円です。私は車を持っていません。中古で買ったバイク(250cc)を14年間乗っています。車が必要な時は近くのレンタカーを借りています。昨年までヨットをやっていましたが、それも共同艇で費用は格安だっと思います。それに最近はご存じのように禁酒で、酒屋や居酒屋に支払うお金も激減しました。

 最近は本代に毎月3〜5万円程度使っていますが、毎週1回程度は近くの図書館をバイクで回って大量に本を借りています。自分の住んでいる区以外も、隣の区でも図書館の利用券を発行してもらっています。(本代が毎月3〜5万円という金額は、わたしのような職業では格段に少ない金額です) それから自宅で着ている服は、年末の馬喰横山町(衣類問屋の街)の路上バーゲンで買った500円のズボンやトレーナーですから、おしゃれとはほど遠い生活です。そういう質実剛健な生活が良いと少年工科学校で教え込まれました。その点で少年工科学校の校風に感謝しています。

 まあ、そこそこの軍事専門家になれば、自分に興味や関心のあることを集中して勉強できる環境に恵まれます。しかし金銭的に裕福な生活は無理だと思います。もし裕福な収入や高い地位を得たいなら、軍事知識や人脈を基礎にして、別の仕事があると思います。例えばトム・クランシーやフォーサイスのような軍事小説を書くとかです。軍事を知っていれば、別の才能と組み合わせ、新しい世界を切り開くことも可能です。しかし私は戦争が始まって睡眠時間もないような忙しい時より、今のようにのんびりと好きな勉強ができる時間を楽しむのが好きです。我が家の中三の娘から、お父さんは気楽な趣味人とよくいわれます。でもお金持ちになることは諦めているようです。

 海保の活躍に期待しています。(2月9日)

届いたメール

  拝啓 神浦さん


 以前、マラッカの海賊取締りでメール差し上げたことがあります。 先ほど海保のHPで確認したところ、本年に入って同海域での海賊発生は皆無との事。 地道な努力が功を奏しているのですね。(他のインドネシア海域では散発している模様です)

 また、今月末に巡視船がフィリピンに派遣される予定で、目的は同国沿岸警備人材育成の一環とか。 海保の地道な努力の継続が、この海域に安定をもたらす事を願ってやみません。

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 最近、TVなどで海保関連の企画報道が多いように思います。映画「海猿」も若い人に人気があったようです。これも海保の広報あたりが頑張ったからでしょう。今まで、日本の周囲はすべて海で、日本は島国であることに気がつかない人もいました。

 これからは海保も、東南アジアや東アジアの海で、警備や救難の時代がやってきます。それも最初からリーダーとしての役割です。海保は海自とは役割も政治的な立場も違いますから、今後の活躍に期待しています。一度、海自が行っている海外人材育成教育を見たいと思っています。

 靖国問題で東南アジアから反発が出てきました。(2月9日)

届いたメール

  先日はメール掲載をいただきありがとうございました。

  下記のニュースが面白い時に出てきたのでご見解伺いたく思いました。

  昨晩のニュースで、シンガポールのゴー・チョクトン上級相(前首相)が6日、アジア太平洋円卓会議の基調講演で、靖国について 「日本の指導者たちは参拝を断念し、戦犯以外の戦死者を悼む別の方法を考えるべきだ」 「この件に関して、日本は外交的に孤立している。アジア諸国だけでなく、米国でさえ日本の側に立つことはできない」 と述べたと伝えられました。

http://www.asahi.com/politics/update/0207/011.html

 最近は閣僚からまで相次いで、靖国を批判するのは中・韓だけの特殊な問題、と事実性のない(というより意図的な事実誤認を誘導する)言い逃れを口にしていましたが、その矢先に汎アジア的な国際会議の、公的性格の高い基調講演という形式で反証が突き付けられた形です。

  当の小泉首相らは、例え直にこの点を問い詰めても例によってのらくらとシラをきるに留まるでしょうけど。 発言趣旨としては他に、 「国内安定を優先する中国は、日本と問題を抱えることを望まないはず」として、間接的に参拝中止や代替施設が問題を解決するという見通しを示し、それらが解決に繋がらない、という与党の見解とはこれまた正反対の論旨を展開しています。

  また「両国の若者世代に否定的な意識を植え付けるのは、中国の利益にならない」と中国側にも過度の反応に自制を求めるなど、全般にバランスの取れた意見となっていると考えられます。

  このあたりが、やはり第三国から見た客観的評価ではないかという印象ですね。

届いたメール

 神浦さん、こんにちわ。 (2月7日に、「Re:メールにお返事」に掲載して頂いた者です。)

 靖国参拝については、シンガポールの閣僚が反対の意見表明をした ようです。

  http://www.asahi.com/politics/update/0207/011.html

 (念のため、末尾に記事を転載しておきます。)

 それから、中華民国と中華人民共和国ですが。 中華人民共和国の成立は1949年です。 日華平和条約調印は1952年です。 これの意味する所を例えを上げて説明しますと、 仮に日本で、明治維新政府成立以後に、江戸幕府の残党が 日本政府を騙り、どこかの国と条約を調印したとします。 日本政府は、これを正式な条約と認めるでしょうか? 認める事はあり得ませんね。これと同じ事です。

「ポツダム宣言第8項に基く立場を堅持する」 これは、日本が下関条約を無効とすることを認めさせられた ことを意味します。(日本の台湾領有権の明確な否定)

  それから、中国の主な都市には大抵「中山公園」という名前の公園があります。「中山」とは孫文のことです。 わざわざ中華民国建国の父を公園の名前に付けているという 事実からは、中華人民共和国が中華民国の継承者であること を自ら拒んでいるとはとても思えないのですが。

それでは、失礼致します。

(以下は、記事の転載です)

  シンガポールのゴー・チョクトン上級相(前首相)は6日、アジア太平洋円卓会議で基調講演し、靖国神社について「日本の指導者たちは参拝を断念し、戦犯以 外の戦死者を悼む別の方法を考えるべきだ」と述べ、小泉首相や閣僚が参拝を中止するよう強く求めた。  ゴー上級相は、「この件に関して、日本は外交的に孤立している。(中韓以外 の)アジア諸国だけでなく、米国でさえ日本の側に立つことはできない」と指摘。「経済改革のため国内の安定を優先する中国は、日本との間に問題を抱える ことを望まないはずだ」と述べて、靖国参拝の断念が歴史問題の解決につながるとの見方を示した。  一方、中国に対しては「歴史問題を強調することで戦争を知らない両国の若者 世代に否定的な意識を植え付けるのは、中国の利益にならない」と述べ、自制を求めた。

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 やはり反発がでてきたようですね。私は以前も言いましたが、靖国問題が単に中国や韓国の外交問題だけでなく、アメリカや東南アジアに政治拡大することを危惧していました。

 そのように考えることができない小泉首相の外交感覚に危うさを感じます。それから今回は国会への提出が延期ましたが、皇室典範改正案も危うさを感じていました。もう日本全体が無責任社会に落ちてしまったような感じです。

 それからこれは自慢ではありませんが、このホームページをいろいろな機関(組織)がチェックしているそうです。その筋の関係者の一人から私に、「他に参考になる情報ソースがないからです」と言われましたが、ちょっといい気分でした。その人は外国の情報関連の人です。

 日中平和友好条約に中華民国(台湾)に関する記述はありません。(2月8日)

届いたメール

 日中共同声明、日中平和友好条約のいずれを読んでも、中華民国との関係は記述されていません。

 日中共同声明には以下のように記述されています。

1 日本国と中華人民共和国との間のこれまでの不正常な状態は、この共同声明 が発出される日に終了する。

2  日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを 承認する。

 中華人民共和国は日本と台湾との「日華平和条約」を認めず、無効であり破棄 されなければならないという主張でした。そのため、妥協の産物としてどうとで も解釈できる日中共同声明の文言に落ち着いたようです。

 台湾については

3 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である ことを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基く立場を堅持する。

  とあるように、日本国政府は中華人民共和国が台湾を領土とすることを「承認する」とはしていません。単に、中華人民共和国が台湾を領土と主張することを 「理解し尊重」しているだけです。

 ですから、中華人民共和国は中華民国の後継国家として承認されたわけではないし、中華人民共和国もそのような立場を拒んでいるということになります。また、日華平和条約についても日本政府は 「日中関係正常化の結果として、日華平和条約は存続の意義を失い、終了したものと認められる」 と大平外相日中共同声明発表後のが記者会見で発言し、実質的に終了させていま す。

(以上、参考文献 池井優『三訂 日本外交史概説』 慶応通信 平成6年 P 305〜307)

 あと、日中共同声明にはこんな文言が入っていることも確認しておいたほうがいいと思います。

5  中華人民共和国政府は、日中両国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。

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 日本軍が中国大陸に遺棄した化学弾(毒ガス弾)で中国人に被害が出ています。そのような被害者が日本政府に対して、毒ガス被害の賠償責任を負うかの裁判が行われています。

 私が中国の吉林省で日本軍の毒ガスを埋めた敦化市で取材を行ったとき、中国側の調査団(社会科学院)に「戦争賠償の請求はできないのでは?」と質問したことがあります。そのときに中国側の答えが、非常に曖昧だったことを記憶しています。中国の被害者が日本政府に被害補償の裁判を起こずっと前の話しです。

 そのときにも感じたことですが、日本政府と中国政府に毒ガス被害の問題を日中間の政治問題化しない「密約」があったような話しを聞いたこともあります。

 とにかく中国は理詰めできます。中国人を説得するのは理詰めしかありません。我々にとっては屁理屈と思っていても中国人にとっては理屈と思っていることも少なくありません。根気よく、中国人を説得する努力も必要かと思います。今のように日本の政治家や外務省だけが、中国の要人を知っているだけのコネ外交は限界です。

 中国とは米ソ冷戦のように封じ込めはできません。誤解を解くために、根気よく説得することも重要な外交手段です。

 日本が防衛戦争なら、アメリカは侵略戦争になります。(2月7日)

届いたメール

  神浦さん、こんにちわ。 先日の「Re:メールにお返事」のコーナーに、

>国家レベルで靖国神社参拝に対して口を挟んでいるのは中華人民共和国、大韓 民国、北朝鮮の3カ国に過ぎません。実は、この3カ国には共通点があります。 何かというと、対日戦の戦勝国でもなく、 東京裁判の当事国でもないということです。

 という文がありましたが、少なくとも日本国は既に中華民国(台湾)と断交(国家承認の取消)し、中華人民共和国と国交(国家承認)を結んでおります。 また、2つの中国という概念も否定していたと思います。 従いまして、日本国の立場は、「中華人民共和国は中華民国の正当な後継国家である。」というものであると判定できます。つまり、中華人民共和国は中華民国の権利・義務を全て継承していると看做されるということです。

 無論、ある人が個人として、そのような日本国の決定は誤りであるとか、自分はそれを認めないと主張するのは個人の自由だと思いますが、それを公知の事実であるかのごとく書くのは事実誤認と
いうほかないと思います。

 それから、靖国問題は対中国・韓国(・北)だけの問題と言う認識をお持ちの方が多いようですが。この問題を突き詰めていくと、最後は先の大戦は日本にとって、侵略戦争だったのか防衛戦争だったのか、という論点にも触れざるを得ないと思います。仮に防衛戦争だったという考えに立つと(個人的には、私はそういう認識を必ずしも否定する者ではありませんが)、米国は(も)侵略者だったという認識に到達してしまう可能性がありそうです。そう考えると、靖国問題について、果たして米国はどう思っているのか?と。(少なくとも、米国は靖国問題で日本の肩を持つような言動は取っていません。)つまり、この問題で日本人の論議が沸き立ってくると、日本人が反米化する可能性がある、と考えいても不思議はないでしょう。日本があまりつっぱっていると、対中・韓だけでなく、対米関係をも悪化させる可能性もあり得る、ということです。

 外交問題と言うものは、このような多面的な考察が必須であろうと愚考致します。

 では、失礼致します。

コメント

 靖国問題でアメリカが日本に介入する動きを見せています。その理由は東アジアの不安定化という理由もありますが、日本のナショナリズムを刺激して反アメリカになることへの警戒感があると思います。現在の中国や韓国だけでなく、アメリカまでも反靖国で動き出せば、イギリスやオランダも連動する可能性があります。こうなると日本政府も身動きできなくなります。

 ですから私は靖国問題は靖国神社で切り離し、別の国立追悼施設を北の丸公園に建設すべきと考えています。靖国神社を切り離すことは捨てることではなく、靖国神社を残すための方法でもあります。あの戦争が防衛戦争か、侵略戦争に関係なく、あの戦争で多くの兵士が死んだことは紛れもない事実なのですからね。

 核保有国が核拡散防止に関する正当な理由がわかりません。(2月6日)

届いたメール

 神浦さん、こんにちは。

 核保有国が核拡散を阻止しようとする詳しい理由がよく分かりません。

 米ソに関しては相互に国を破壊するに充分な核兵器を保有している為、核兵器を使用出来ない事は分かりますが、それ以外の国は報復に充分な程度の核兵器は保有していません。従って米ソとそれ以外の核保有国の立場は異なると推定できます。

 また 「広島・長崎」への原爆投下は「原爆」の安全性(アメリカは限定的核兵器の使用を主張しています)を逆説的に証明しました。つまり「原爆」は単なる大量破壊兵器であり、人口の密集している大都市と生産性の高い大工場を有する核保有国は「原爆」投下で大打撃を受けるが、人口希薄・低生産性の非核保有国では限定的な打撃しか受けません。

 仮に地球上で数万発の核兵器が飛び交ったとして生き残る確率の高いのは、人口希薄・低生産性の非核保有国だと考えられます。詳しい経過は予測できませんが結果として核戦争で損をするのは先進国だと推定できるので先進国が核拡散に反対するのは分かりますが、具体的な中味(危機感の内容)が分かりません。

 やがてどこかの勢力が「原爆」を通常兵器として使用すれば、それが口火となって「原爆」の通常兵器化が進むと考えられ当面その口火化を阻止する事は考えられますが、核保有国はそれ以後の世界も見とおしていると考えられます。理念に基づく核拡散阻止ではなく、冷徹な現実に基づく核拡散阻止の理由解説をお願いします。

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 大国の核戦略の意味は原爆の開発時から見ると大きく変化しています。最大の変化は運搬手段である弾道ミサイルの射程が伸びとことと、原爆からより威力の高い水爆になったことと、それから命中精度(CEP)が飛躍的に高まったことです。特にCEPは数百メートルから数十メートルに向上しました。そのため以前は大都市や工場地帯を目標に狙う「大量破壊戦略」でしたが、CEPか向上して最も脅威である敵の核弾道ミサイルの発射拠点(司令部を含む)を最初に狙うようになりました。これが戦略核兵器の「対兵力戦略」です。敵の大都市や工場地帯は無傷で残し、敵が降伏した後、有効に活用するというものです。

 その対兵力戦略を無力化するために、報復核戦力として戦略核弾道ミサイル潜水艦(SLBM)が誕生しました。地上の固定式核発射台が敵からの先制攻撃で破壊されても、海中を移動(パトロール)中の潜水艦から報復の戦略核兵器を発射するためです。SLBMで先制攻撃が抑止されます。

 ですから今の大国の核戦略は対兵力核戦略で、一次的には重要軍事基地が目標になります。しかし核兵器には原爆を搭載し、艦船・航空機・潜水艦などに搭載する巡航ミサイルの核兵器や、砲弾や機雷に使う核兵器もあります。これらは戦略核兵器と区別して戦術核兵器ですが、同時に都市や工場地帯を狙えば、大量破壊戦略に使うことができます。ですから大国の核兵器は、戦術核兵器であっても戦争に使えば、核戦争の敷居を超えたとして、戦略核兵器の使用につながるように核戦略を構築し、核戦争の抑止力に使っています。

 以上が大国の核戦略ですが、インド、パキスタンの核兵器は、互いに地域の戦略核兵器として抑止しています。イスラエルの核兵器は祖国存亡の危機に限り使うとして、普段は核兵器による威嚇は禁止されています。しかしイスラエルの周辺国がイスラエルから核攻撃の危機を感じていることは確かです。そこでイランのようにイスラエルの核攻撃を抑止するために、自らが核武装することを主張してくる可能性もあります。残念ながら核兵器には核兵器で抑止するしかないというのが、現在の核抑止論です。

 ですから北朝鮮の核武装を中国やアメリカが必死で止めているのは、日本、韓国、台湾の核武装を誘発する危険があるからです。簡単に北朝鮮が核武装しているという人は、このあたりの核兵器理論が理解できていないからです。

 核兵器は軍事的というよりも、核武装国家として扱われる非常に政治的な兵器といえます。中国が核弾頭搭載可能な弾道ミサイルを、日本を射程に入れないように配備しているのはそのためです。日本に核武装の口実を与えないためです。

 以上が、核兵器や核戦略に関する基本的な軍事理論です。このことを踏まえた上で、現実の核武装や核戦略を考えてください。最近は核兵器によるテロ攻撃についは新たな問題として浮上しています。しかし有効な防止策がありません。アメリカは北朝鮮やイランで生まれた核兵器が、テロリストに渡ると警戒していますが、ロシアから闇で流された可能性のある核兵器にも脅威を感じています。

 さらに核戦略を調べるには、核兵器の早期警戒探知システムや核戦争指揮通信システムなど、核兵器以外にも勉強することが必要です。それらを含めて考えると、日本が核武装しなかったことは賢明だった思います。しかし北朝鮮が核武装すれば、日本が核武装する可能性が生まれてきます。これが冷徹な核戦略の現実です。

 私の靖国神社に対する私見を聞いてください。(2月3日)

届いたメール

 神浦さん、こんにちは。

 国家レベルで靖国神社参拝に対して口を挟んでいるのは中華人民共和国、大韓 民国、北朝鮮の3カ国に過ぎません。実は、この3カ国には共通点があります。何かというと、対日戦の戦勝国でもなく、東京裁判の当事国でもないということです。

 対日戦の戦勝国はサンフランシスコ講和条約を批准した日本以外の国のことになります。中国とは中華民国と日華平和条約を締結し戦争状態は終了し、中華人民共和国もそれを尊重しています。また、大韓民国・北朝鮮は戦争当時は日本国の一部でしかありませんでした。

 日中関係が靖国問題をめぐって紛糾するのは、日本を中華帝国の一部と見なすか否かという、非常にローカルな問題が、中華人民国にとっては非常に大きな問題だからです。そのため、「中国外務省の孔泉報道局長は24日、ゼーリック米国務副長官が提案した日米中3カ国による歴史共同研究について「北東アジアの歴史は特殊性がある」として事実上拒否する姿勢を示した。」(24日付産経新 聞ネット版)ということになります。ですから、あくまで中国にとって歴史問題は3国の間のみで解決したいこと、言い換えるとその外には通用しない論理であるということを自覚していることになります。

 中国は中華帝国の盟主として長く東アジアに君臨していましたが、日清戦争により日本に敗北し、以来植民地化を経験し、版図であった地域を多く手放すとい う屈辱を受けました。以来50年経って連合国の尻馬に乗りながらもようやく日本との戦争に「勝った」ことになり、雪辱を果たしたことになります。しかし、 すぐさま国共内戦となり、その後の政治的混乱もあってようやくそれを日本に主張する機会が1980年代にまでずれ込んでしまいました。

 中国は日本を封じ込めるための手段として、中華帝国内に於いて日本が下位にあるという位置付けを日本に飲み込ませ、さらにそれを強固にするために、日本に中華人民共和国は戦勝国であるという地位を認めさせるための踏み絵として靖国問題を認識しています。戦勝国が中華人民共和国は戦勝国であると認めないため、敗戦国である日本にそれを無理矢理認めさせ、彼らの歴史観に合うように歴 史を無理矢理変えさせようということです。ところが小泉首相が靖国参拝を続けていることでそれが怪しくなり、ついには昨年反日デモで圧力をかけようとし、 さらに日本に報道規制を要求・・・「もっとマスコミを指導すべきだ」 - 中国外務省 (共同通信1月9日配信) 「産経は言論暴力団」 中国誌、名指し批判 (産経新聞1月17日付朝刊) というように、露骨に日本の政府やマスコミに言論統制の圧力をかけています。

 このように、追いつめられているのは中国であって日本ではありません。そういう現状のもとで、どんな理由であれ靖国以外の戦没者追悼施設を作るということは、中国側から見れば日本が中華帝国の一員であり、日本が中国に対し従属的な地位にあることを認めたということになります。中国がこうした帝国内におけ る主従関係の象徴として靖国問題を扱っている以上、日本としては妥協の余地はないといえるでしょう。

 歴史的に見て、中国というのは政権の正統性を歴史に求めます。すなわち、天命に従って徳の無くなった皇帝を放伐し倒すか、禅譲によって地位を譲り受け、新王朝が成立し政権が確立します。そのため、歴史書は新王朝が旧王朝の歴史をしたため、最後に自分の王朝(政権)が天命によって成立したとまとめるのが歴代の習わしです。中国、韓国、北朝鮮共に政権の正統性を抗日に求めている以上、 この問題は彼らには避けては通れない問題ですが、日本から見れば時代錯誤の認識に基づく不当な言いがかりに過ぎません。ですから、日本としては中国の主張が如何に時代錯誤的であり、不当なものであるのかを国際社会に訴えていかなくてはなりません。

 聖徳太子は煬帝に「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す。恙なきや」という文言で始まる国書を送り、日本と中国が対等の関係であることを認め させました。以来、我が皇室は一度も中華の皇帝から冊封を受けたことはありません。今後も日本が中華帝国の一員ではなく、純粋に近代的な主権国家として存在していくつもりならば、たとえ中国との関係がどれだけ悪化しようとも、中華思想的な考えは全面的に排除し、そのことを世界にアピールし続ける決意が日本外交には必要でしょう。

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 このメールは下段の「防衛庁より施設庁が古い」のメールを下さった方が、1月30日に届いたものでした。しかし私は読み落としていたようです。さっき気がつきました。

 ここで改めてお詫びします。すいませんでした。このお返事は明日、改めて書きます。これから近くのホテルの喫茶店で新聞社のインタビューを受けます。テーマは施設庁の件です。この官製談合事件はどんどん拡大しています。とてつもない大事件に発展する可能性を秘めています。

 私には普通であったことが大きな組織的な犯罪となることに、今の社会の脆さを感じています。

 

 ・・・・・改めてこんにちわ。昨日は失礼しました。ご指摘の誤字については、昨日、掲載するときに直しておきました。

 私見ということで読ませていただきましたが、多くの箇所で同感と思うところがありました。確かに中国人を相手に外交を行うことは、日本と中国で互いの歴史認識が違うことを知るのが重要ですね。同時に、その違いを互いに非難しあっても進歩がありません。軍事にとって歴史ほど参考になるものはありません。

 最近、靖国問題を論じたいい本が出たようです。これから神田の書店街に探しに行ってきます。中国や韓国がいろいろ言っても、靖国問題は日本人自身が考えて置く問題です。近いうちに中国や韓国の人と論じる機会があると思います。向こうは本当によく勉強していますからね。こちらは日本人だから何でも知っていると油断すれば簡単に潰されます。

 それから余談ですが、私がこのホームページに靖国問題を書くと、私を非難するメールが少なくありません。しかし単なる批判のメールは掲載しません。「あなたに失望した」とか、「勉強が足りない」「中国人に舐められる」といったものです。しかし論理的に靖国問題を指摘したり、主張したメールは出来るだけ掲載します。むろん私への反論も大歓迎です。

 私は皇居の脇にある北の丸公園に、国立の慰霊追悼施設を建設することを希望しています。すべての宗教(あるいは無宗教)を内包した、第2次世界大戦の戦没者を慰霊する施設です。海外の戦地ばかりか、国内の空襲や原爆で死んだ人を慰霊する国家追悼施設です。誰もが平和を祈念するために参拝できる場所にすべきです。

 防衛庁より防衛施設庁の方が古いです。(2月3日)

届いたメール

 神浦さん、こんにちは。

 本日のWhat's New!の以下の部分ですが、

> もともと防衛庁(本庁)と施設庁を分離させたのも、米軍のサービスや基地対

> 策費という施設庁の利権色が強いために、「汚い職場」を分離させるために作

> られたと思う。

 防衛施設庁は1947年9月1日、進駐軍の必要とする施設や物資の調達・管理をする特別調達庁として発足しました。そのため、1950年発足の警察予備隊を起源に持つ防衛庁に対し、「先輩である」という意識から特権意識を持っていたようです。そのため、防衛庁に対して独特の立場を保持し得たのでしょう。

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 そうですか。昨日、調べた資料にそのように記述がありましたが、私には何のことかわかりませんでした。そこで私ながら、どうして防衛庁設置法で分離させたのかを考えました。すると私の知人が施設庁に勤めたとき、「お金に汚い仕事が多い」という言葉を思い出し、防衛庁が汚職で汚れるのを防ぐために施設庁を離したと結びつけました。

 さっそく訂正しておきます。いつも貴重なご指摘をありがとうございます。

 それにしても施設庁の人もかわいそうですね。もし官製談合をしなければ、利権あさりの強欲政治家や猛烈企業に食い散らされますね。だから施設庁の官製談合は今まで綿々と続き、職員のだれも罪悪感などなく、当たり前のことと引き継いでいたのではないですか。

 陸自・中央即応集団司令部に関するこんな情報がありました。(2月1日)

届いたメール

  神浦さん、こんにちわ。

 中央即応集団の司令部に関しては、去年末に以下のような報道もありました。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20051225/mng_____sei_____001.shtml

 以上、ご参考まで。

 それと、話は違いますが、東芝のWH社買収の件。私もよくわからないのですが、皆様は買収は成立する、という前提でお話されてらっしゃるようですが、先行きは不透明というのが本当ではないでしょうか。

 米国には、外国資本が米国企業を買収する場合、米国の安全保障を損なう恐れがあると判断される場合には、それを禁じることのできる法規制が存在します。実際に発動されたことは過去1回だけ(中国企業が、ある部品メーカーを買収しようとした案件)だそうですが、発動される可能性が高まったとして、途中で断念したという事例は数多くあるようです。最近では、中国の石油会社が米国石油大手を買収しようとしましたが、途中で断念しています。以前は、富士通がフェアチャイルドを買収しようとして断念したという経緯もあります。今回も同様の結果となるような気がします。東芝はそれへの対応として、米国企業と組んでやるという話もあるようですが・・・。

 従来、東芝はGEと提携関係にあり、三菱重工がWHと提携関係にあります。今回の件は、車のディーラーに例えれば、ニッサン車のディーラーが、今後はトヨタ車も扱うつもりだ、というのと同様な感じではないでしょうか。普通なら、東芝は従来のGEとの信頼関係を傷つける懸念があるような気がします。なぜ、あえてそんなことをするのか? また、競争者の三菱の2倍もの価格を提示しているというのも、何か不自然なものを感じます。

 勘ぐってしまえば、上記の米国の法規制により実現する可能性の低いことを承知で、単にライバルの三菱の邪魔をするためにやっているのではないか?という気さえします。

 それから、外国企業の買収で、相手国に国防上のダメージを与える、ということが無理なことは言うまでもありません。米国同様、国内法の規制で対応できますし。あるいは、買収される企業の国防に関する部分を切り離すということもできます。実際、ニッサンがルノーに買収された時は、同社のロケット部門は同社から切り離され、住友重機械に移管されました。


 乱文、失礼致しました。今後も神浦さんのご活躍に期待致します。

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 中央即応集団の司令部ですが、2〜3年で使い捨てになると報じていますね。まさにこれが防衛施設庁の体質なのです。施設の効率性や将来性を考慮せず、ただ多くの予算を出来る施設の建設ばかり考えています。予算さえ持ってくれば、それで自分たちの役割は果たしたというわけです。

 以前、防衛施設庁の中堅幹部と話したとき、私が日本も陸・海・空の特殊作戦集団の司令部施設を共同で立ち上げるべきと話したことがあります。しかしその人は、施設を統合すると施設予算が少なくなるので無理と言っていました。分散することで、予算の幅が大きくなるからです。施設庁では日本の防衛よりも予算獲得が重要なのです。それにつながる政治家に甘い汁を吸わせる目的と、組織自らの天下り先を確保するためです。

 もうこれは施設庁の伝統で、職員の感覚もマヒしていたと思います。昔、陸自の61戦車が1台1億円だった時代に、1億円で天下り一人と言われていました。企業が防衛庁から受注すると、1億円につき一人の天下りを受け入れるという意味です。これは最近まで続いていました。(あるいは今もある?)。

 そんなことを考えると、私がミサイル防衛(MD)に不信感を持つ気持ちがわかるでしょう。

 ヤマハの無人ヘリ中国輸出事件、ますます疑問が拡大します。(1月29日)

届いたメール

  ヤマハ発動機の輸出に関する一件、なんだか不可解ですね 。

 ヤマハほどの大メーカーが、トータルでも1、2千万の利潤のために犯すようなリスクでは無いと思いますし。

 それより北京の映像撮影の会社、実態がよくわかりません。

 人口一千万程度の都市で空撮の需要がどれほどあるのか解りませんが、毎年二機づつ増備(消費?)するほど必要なのか疑問です。 東京の場合、キー局各局は、朝日航洋あたりと契約して芝浦のヘリポートに一機づつ常駐させておき、 事件現場に急行できる体制をとっていますが、他に空撮の需要が一日十件もコンスタントに入るとは思えません。

 HPで人民解放軍とのつながりをアピールしている点も不可解です。会社の設立目的、運営状態に疑問はありませんか?

 もしも、本当に軍が必要としている物件ならば疑われないように、まず第三国経由で入手するのが本筋では無いでしょうか。 せっかく自動操縦のバージョンもあるのだから、一億でも何億でも払って他国経由でとっくに買ってることと思います。 ダミーにこの会社を作って横流しを狙ったとは考えにくいのですが、真意がわかりません。

  会社側が一方的にラブコールを送っているのなら解らないでも無いのですが。例えば慌てものの中国人実業家が軍への売り込み目当てに設立した会社だったりとか。

  神浦さんはどうお考えでしょうか

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 ヤマハの中国への無人ヘリ輸出で、虚偽の輸出申請が原因と理解していましたら、さらに新たな新聞報道で情報が混乱してきたように思います。

 昨日(1月28日)の読売・朝刊では、ヤマハが意図的に中国の軍事系企業(武器製造企業)に、「自律航行型(GPS搭載)」を輸出していたと報じられています。今朝(1月29日)の産経・朝刊では、中国の軍事関連会社に自律型無人ヘリを輸出し、年間3000万〜5000万円の工作資金を受け取ったと報じています。無人ヘリが送られた「保利科技有限公司」(ポリテク社)は1996年に、AK47自動小銃2000丁を米国に密輸を図った企業として捜査対象になったと書かれています。同じく、今朝の朝日・朝刊でも、ヤマハは最高級モデル(GPS搭載)やカメラを輸出し、数千間円のリベートを受け取ったと報じています。ポリテク社は戦闘機、潜水艦、弾薬、通信設備まで武器の製造・販売を手がけている企業と解説しています。

 このような記事を読むと、ヤマハは意図的に中国の軍関連企業に、違反と知りながら「最高性能の自律型無人ヘリ」を、虚偽の輸出申請を行って輸出し、中国側からリベートを受け取っていたということになります。

 ヤマハは隠密に行ったつもりでも、中国側は企業努力の成果として、自社のホームページに「軍事転用可能」と宣伝し、さらに分解して同一の機体を軍事開発するための研究用としたいたことがうかがえます。

 サマワの自衛隊に派遣されていた方から聞いた話では、サマワでは夜間監視(目視で無線操縦できない)するために、宿営地周辺を飛行コースとしてインプットさせ、自律飛行で監視飛行しているそうです。むろん搭載カメラは人体(体温)を検知できる赤外線カメラです。これはかなりの抑止効果を期待できると思います。深夜の真っ暗な空にヘリのエンジン音だけで、ゲリラにはかなりの心理的な行動抑止を与えるのではないでしょうか。この自律型無線ヘリは3000万〜4000万円程度の値段だそうです。

 無人ヘリとはそのような使い方が最適な機体です。言われるような生物・化学兵器の散布や、遠く離れた敵地への偵察や、ロケット弾や爆薬を搭載しての攻撃には最適とは言えません。

 東芝がウエスチング社を買収した件の続報です。 (1月28日)

届いたメール

 1/27掲載のメールですが、資本市場や企業買収に関して、誤解が激しいようですので補足致したくメール さしあげます。

  ウエスチングハウスに関しては彼我での齟齬らしい話は全く出ていませんので、予め充分な話を通した上の買収でないという可能性はまずありません。 敵対的と言われるケースは、そういう事前の根回しという か、話し合いが不調だったので見切り発車するようなものが多いです。買収すれば身内になるのですから、あまり最初から敵対視するようなケースは稀です。

  また、買収後の事業に関してですが、メールに例示されていたような行為は企業活動の本旨にもとるもので、万一に そんなことをすれば企業は存続できません。 最初から、大枚を投じて消滅させる気なら別ですが。

  買収で支配権を握るなら、資本を投じて社長など幹部を送り込む形式となりますが、明瞭な業務上の問題行為があれば 商法などで会社に対する背信となり、クビ確定です。 資本を握っていても、会社に貢献できない社長をトップに据え続けることは不可能です。

  だいたい、ホーワやミネベアがもし不良品を作れば、納品できず他所へ調達先が移るだけでしょう。只さえ兵器のレベルは平均でも価格は平均の数倍と言われていますし。 (そもそも、ミネベアの主力事業はHDD等の電子パーツ 向けを含む工業用精密ベアリングなど、機械部品類であり、 銃器なぞは泡沫的な仕事に過ぎません) 近年、警察用銃器などは主力が輸入品に移行しています。

  企業買収で戦略的なメリットがあるとすれば、そこから技術上や開発ノウハウのような高度情報が得られる点でしょう。 間違ってもサボタージュ行為などは効果が上がりません。 企業競争と資本の世界はそんなに甘くないです。

届いたメール

 神浦さんこんにちは。

  東芝による米ウエスチングハウス買収劇ですが、続報として「三菱重工に競り勝ち…」という事実報道以外にかなり刺激的な材料があることを知りました。

  「ウエスチングハウス、買収」でグーグルニュース他ニュースを検索していると「WH、中国で原発受注 …云々」「米下院が融資承認」なる文が目に入ってきたのです。 これはあまりにも凄い事態だと感じました。中国で原発といういわば国単位のブラックボックスを東芝が握ることになるのです。日系企業に命綱を握られるのは国辱です。

  これは見方によっては靖国参拝や教科書、ミサイル防衛以上のとんでもない外交カードを日本は手に入れたと思います。中国共産党は原発を維持するのに東芝に頭を下げるか、そうでなければまた一からメ ーカー選びをし直さないといけません。

  私も空自で整備員だったので解りますが大規模な器材、設備は完成、納入後も微妙な調整や複雑な定期点検など、アフターケアには元のメーカーの協力が欠かせません。 「嫌だったら、もう故障しても修理してやらないよ」と東芝に宣告されたらアウトです。

  また内部の構造や作動原理が東芝に皆筒抜けなら、中国が日本に侵略戦争を仕掛けようものなら陸自の特殊部隊が簡単に内部を占領、原発の機能を破壊なり停止なりできます。それ以前に東芝が修理点検を 拒否すればもう死に体です。

  官邸や外務省がぼーっとしている間に、私企業の東芝がここまで「国益を追求」していた!と言ったら持ち上げ過ぎですが、この買収劇は確実に中国共産党のエネルギー戦略、中華思想に大きなクサビを打ち込んだと私は考えます。

  (神浦・・・・この方は1月27日にメールを下さった元空自の方です)

届いたメール

 神浦さん、こんにちは。

 それにしても、まさかウエスチングハウス社を買収したのが東芝とは、という 感じです。東芝といえば20数年前にココム違反の高性能工作機をソ連に不正輸出して制裁を受けた会社ですからね。  

 それはそうと、日本語の報道で見る限りの今回の買収の目的は、今後世界的に成長が見込まれる加圧水型原子炉を用いた原子力発電所市場での競争力強化を目標として、東芝はウエスチングハウス社を買収したということのようです。東芝の発表文を読むと、東芝が保有しているのは沸騰水型の原子炉のみだったようで、これにより加圧水型原子炉市場へ参入を果たすみたいですね。 ウエスチングハウス社自体は現時点で英国法人British Nuclear Fuels plcの 子会社で、英国企業の下請けだったようです。ですから、親会社がイギリスから日本にかわるということになります。

 さて、ここからは私の考察ですが、ウエスチングハウス社の親会社がイギリスから日本に変わったということは、アメリカにとって日本がイギリスに匹敵する同盟国であるということを間接的に認めたことになると思います。小泉−ブッシ ュの緊密な日米関係があって始めて認められた買収劇になると同時に、今後も親密な日米関係を継続していきたいという意思の表れではないでしょうか。

 また、これにより日本が原子力艦艇を保有するということはなさそうです。し かし、将来日本においてアメリカ海軍の艦艇の原子力機関の整備などを行う可能性が出てきたのではないかと思います。続報が無く信頼性に乏しいと思われた横須賀での原子炉の点検や修理などを行うというニュース(2005年10月30 日付のメールにお返事)も、遠い将来に於いては現実感が出てきたような気がし ます。もっとも、そんなことを考えていたら米議会は空母JFKに2006年度 の予算をつけたみたいですから、JFKの退役は先延ばしになるようです。そう なると、横須賀にジョージ・ワシントンが来るという話は蒸し返される可能性がありそうです(それでも変わるということは多分無いでしょう)。

 ちなみに、私はこの買収の情報は読売新聞で入手しています。

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 はっきり申し上げて、この件の動静は私の理解範囲を越えています。ですから皆さんのご指摘にコメントすることができません。この他にも同様のメールが6通届いています。でも無条件に掲載していいのか、判断に困るような内容です。

 ですからこの件は、私が正確に理解できるまで、このホームページでの掲載を休止します。興味のある方は、経済関連や投資関連のサイトにあたってください。

 私の無力を感じることになりました。私はこの他にも、スポーツや芸能が苦手です。単純に見るのは好きですが、なかなか名前などが覚えられません。でも経済は知らないでは済まないと思いますから、関心を持って動きを注視したいと思います。

 国際的な企業買収は国防に打撃を与える攻撃方法になる。(1月27日)

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  神浦さんこんにちは。

  本日の「メールにお返事」(神浦・・・下段のメールです)に「東芝が米ウェスチングハウスを買収…」という情報がありましたが これは凄い事だと感じました。

 私はかつて航空自衛隊に5年間在職しましたが、ウェスチングハウスといえばアメリカ製兵器の「ブラックボックス」部分も多く手掛ける一大軍需産業メーカーです。

 これが互いの利益のための「友好的買収」か、何かしらの憎悪を伴う「敵対的買収」かはアウトサイダーからは知るよしもありませんが「敵対的買収」はある意味、特殊部隊やスパイ、ゲリラにも勝る新世代の戦争の方法になると私は考えます。

 例えば、日本の「2ちゃんねる」を中国国営の新華社通信が敵対的買収すれば以降、国粋的反中的書き込みは不可能になります。同じく豊和工業やミネベアをノーリンコ(北方工業公司。中国の銃火器メーカー)が 敵対的買収すれば狙っても全然当たらない小銃、拳銃を作って自衛隊に法外な値段で売り、日本の防衛に打撃を与えられます。

  買収劇というととかくマネーゲームや虚業と見られがちですが、やり方によっては一国の防衛体制を骨抜きにできる強力な攻撃法になるのではないでしょうか。

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 この情報に関して、私も注目しています。新たな動きがあれば新情報を掲載します。皆さんも、何か掴んだら教えてください。

 ところでライブドア事件で連日マスコミに登場している東京証券取引所の西室泰三社長兼会長は、東芝の前会長です。私は2年前に西室氏の勉強会に招かれて講演したことがあります。その時、かなりの切れ者という印象を持ちました。今回の買収も西室氏あたりりが考えた企業戦略ではないでしょうか。西室氏には今どきの政治家や企業家にはない雰囲気を感じました。

 悪い意味ではなく、岸信介首相が昭和の妖怪なら、西室氏は平成の妖怪かもしれません。そんな「凄み」を感じる雰囲気の人です。今回のライブドア潰しも、背後で演出したのは・・・・・・・・かも。日本の証券業界(株取り引き)をギャンブル化から健全にするためです。

 ちょっと軍事に関する質問です。(1月26日)

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   神浦さん、こんにちは。

 先日東芝がウエスチングハウス社を買収するという報道がありました。ウエスチングハウス社はアメリカでも有数の原子炉のメーカーであり、アメリカ最初の原子力空母エンタープライズの原子炉A2Wや、ニミッツ級原子力空母が搭載する原子炉A4Wのメーカーでもあります。それだけではなく、世界初の原潜であるノーチラスのS2W型原子炉やシーウルフ級のS6W型原子炉など、GE社と並びアメリカ海軍への艦載型の原子炉を供給している二大メーカーの一つになります。

 ということで質問なのですが、このようなアメリカ海軍艦艇の心臓部をになう企業を日本の企業が買収するということは、軍事的に日米関係および周囲の国々との関係にどのような影響を与えるのでしょうか。

 日本語での報道では専ら商業用加圧水型原子炉関係の業務拡大のためと報道されていて軍事部門に関しては全く報道はありませんが、特に切り離して買収するという発表や報道があるわけでもないので、今後の展開が気になります。

 以下のリンクは、この件に関する東芝の発表です。

http://www.toshiba.co.jp/about/press/2006_01/pr_j2401.htm

 それと、24日にH2A8号機で打ち上げた人工衛星「だいち」ですが、これは2万5千分の1の地形図を作成できるPRISMと呼ばれるパンクロマチック立体視センサーがあるようです。「だいち」は極軌道に投入されたので、これにより日本は全世界の陸地の2万5千分の1の地形図を電子的に作成する能力を得たことになります。これはトマホークのようなデジタルマップによる巡航ミサイルの誘導に応用できるのでしょうか。

 なんとなく、軍事に応用できそうな内容の報道が最近いろいろあったので、ちょっと気になりました。

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 これは質問というよりも、貴重な情報提供だと思って読みました。東芝がウエスチングハイス社を買収したことを知りませんでした。日経新聞あたりで詳しく報じているかも知れませんが、私は日経を購読していませんので見逃したようです。これから調べてみます。それにしてもアメリカ政府が東芝の買収をよく許しましたね。情報をありがとうございました。興味ある話しです。続報がありましたら教えてくでさい。

 でも日本が核兵器ではなく、原子力推進の艦船を建造する計画があるとは聞きません。原子力船「むつ」の騒動で懲りたのではないかと思っていました。

 人工衛星「だいち」ですが、2万五千分の1なら軍事活用できます。しかし日本製の巡航ミサイルの開発にブレーキがかかっています。公明党あたりから中国を刺激したくないという配慮があるようです。しかし2万五千分の1ならGPS搭載の巡航ミサイルにも応用出来ます。今までは1メートルとか5メートルとか、解像度ばかり気にしていましたが2万5000分の1ですか。

 これで国連PKO活動を含めて、自衛隊の海外展開能力が向上したことは確かです。今まで陸自を海外に派遣するときは、現地の地図作りに苦労していました。

 これからは解像度だけではなく、衛星の活用方法についても注目する必要性を痛感しました。ありがとございます。

 中国への無人ヘリ輸出事件では、特別の背景があるのか。(1月25日)

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  初めまして。中国00省00市(潜水艦基地のある)に駐在している00といいます。

 毎日このサイトを読ませてもらっています。日中関係の現状や将来を展望する上でとても参考になります。

 さて、無人ヘリの件です。丁度去年の今ごろ、ある中国人から無人ヘリの購入を支援して欲しいと依頼されたことがあります。その人も別の人から頼まれたとの事で購入動機は不明でした。ヤマハHPには輸出規制について触れられていませんでしたが、軍事転用というか小規模テロにも使えそうな気がしましたので、それを理由にお断りしました。(本当は面倒くさかった)。神浦さんがおっしゃるように、プレデターとは比較にならないレベルでしょうけど。

 ところで、こういう記事が大きく取り上げられるのは、何か別の意図があるのかなとも思えます。

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 私も最初は上海の日本領事館員の自殺事件に対する報復かと思いましたが、事件が詳しく報じられてくると、どうやら上海の自殺事件とは関連がなさそうです。

 中国側の受け入れ企業「BVE社」が自社のホームページで、駐機中の中国空軍機の前を飛行するヤマハの無人ヘリの映像を掲載しています。この映像にカチンときた米英政府(企業)などが、日本政府に警告したのではないでしょうか。軍事転用品問題では外国政府から警告され、日本政府が摘発や警告に動くというのはよくあることです。そこで初めて日本企業が問題の深刻さに驚くという構図です。さらにマスコミが軍事(兵器)という言葉に敏感に反応して大騒ぎになります。

 それにしても、この事件が報道されると、新聞各紙で内容が全く異なる記事で困っています。産経の記事は昨日のWhat Newで書いた通りですが、朝日の記事はGPS搭載機で事前に飛行経路をインプットすれば、データに基づいて飛行するタイプとしています。(24日 夕刊)。しかし今朝の毎日では、150メートルの高度を飛行できるL181と書いています。(25日 朝刊)。おそらく新聞記者が無人ヘリのことを正確に把握していなく、問題機の性能や問題点を的確に取材できていないためと思われます。あるいは記者が取材している警察関係者が理解できていない可能性もあります。正確な記事も誤報に隠される危険があります。記者は早さも大事ですが、質の重要性も肝に銘じる必要があります。

 昨年末の改造エアガン事件のときも、戸田市(埼玉県)の場合は、警察が本物の拳銃から発射されたと発表し、いつまでもそのように報じたものもあります。本物の拳銃なら銃弾の威力から左右の意窓ガラスは貫通するし、仮に片方の窓ガラスだけの被害なら、銃弾が車内で見つかり硝煙反応がでているはずです。また付近で発射音を聞いたり、発射光を見た人がいるはずです。被害を受けた車の運転手が、隣の車から銃口を向けられ、金属弾(ベアリング玉)が窓ガラスを割った音を発射音と誤認しただけなのです。捜査する警察も取材する記者も、基本的な認識が乏しく、予測だけだと間違った記事になります。でも記者の中には付近のマンション住民を取材し、だれも拳銃の発射音を聞いていないと報じたTVがありました。問題点がわかる記者がいるのは確かです。

 よくスパイ事件などが摘発されると同じ様な混乱が起こります。ここは正確に報道しないと、他の分野にも無用の緊張を生み出します。やはり誤報はこまりますね。

 信用できないアメリカに日本は注意が必要です。(1月24日)

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 神浦さん おひさしぶりです。新潟県の00と申します。

 輸入したアメリカ産牛肉に、こともあろうに検査印を押した背骨(除去するはずの部位)が混じっていた、という事態が明るみに出ましたね。アメリカの産業界における品質管理のゆるさ、末端政府職員のレベルの低さはつとに有名でしたから、この事態は別にありえないことでもなんでも無いのです。

 問題は「アメリカと言う国が、ことほど左様に約束を守ろうとしても守れるシステムになっていない国である」という事実を日本は外交・軍事上どう評価して、 対応するのかと言うことです。 アメリカと言う国は、トップは恐ろしく優秀なんでしょうが、実際の運用上現場 で必ずトップの意向を理解していない事件事故を起こしています。昨今報道されることの多くなった米兵による、日本国内での犯罪の発生はこの一例であろうと思います。責任者がいくら外出時の綱紀粛正を図っても、そもそもルールには例外がある、という前提で敷いている警戒態勢ですから、事件事故の発生は防げません。

 これに対して、日本は「ルールで決めたことは例外があってはならない、あってはならないことは存在しないこと」と言うのが前提ですから、ひとたび事件事故が起きると、常に想定外の事態にパニックになります。

 日本外交は前提として想定しない事態は存在しないので対応策も考えることがない、というまずい前提で動くことをやめるべきでしょう。なぜなら、国の組織がパニックに陥る機会を増やすことになりますし、国民は外交相手国と自国の政府双方に不信を抱きます。

 日本はこのような「信用してはいけない国」が展開する外交とも距離を置かないと、他国に対しての、日本の信用も失います。ここで最近の日本のアジア、中東外交に一石を投ずるため、アメリカに喝を入れる場面が欲しいですね

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 私も時々はそう思うことがあります。沖縄で海兵隊員が少女を集団暴行したときは「凶暴国家」と思いました。ある人が、「日本人がアメリカ人を偉いと思っているのが日米摩擦の最大原因」と話すのを聞いたことがあります。空母に麻薬犬を入れ、抜き打ち的に各部屋で麻薬捜査を行っているのを見たときは、性悪説の国と思いました。自国の兵士や自分の部下を信用していないのです。

 まあ、日本とアメリカの違いだけは明確にしておきたいですね。政権内のネオコン一派やキリスト教原理主義など、とても日本と二人三脚で走れるような連中ではありませんからね。

 今までは日本で政権を維持させるためには、絶対勢力としてアメリカの後ろ盾が必要でした。また外務省もそのような外交しか行っていません。でもこれからは日本も変わると信じたいです。

 日本がアメリカや中国に対して、堂々と国益を主張するための軍事力というのも必要かも知れないですね。

 北朝鮮の弾道ミサイル脅威の実態がわかりません。(1月23日)

届いたメール 

 はじめまして、000といいます。私は「国際情勢」に強い関心を持っていて自分でも調べていて、このホームページも丹念に読ませていただきました。しかし何度読み直してもわからない点があります。質問させてください。


◆北朝鮮のミサイル脅威について

 神浦さんの論点は以下のようだったと思います。

1.「ノドン」開発に関する技術は、中国との共同研究から生まれたが、 このとき、基幹部分となる「誘導装置」だけは中国側が厳重に管理していた。
⇒よって脅威に当たらない。

2.「テポドン」ミサイルは、打ち上げに失敗した偵察衛星であり、 これに脅威論を持ち出したのは情報工作活動も専門に行なっているCIAだ。 実際、99年の「テポドン2」騒動は従来の話に尾ひれをつけただけだ。
⇒よって脅威に当たらない。

 しかし、下のサイトによると、テポドンのミサイル技術はエジプトやイランとの親密な技術交流の結果生まれたものであり、この結果生まれた「スカッド・ミサイルB」はイランに輸出されており、実際に「イラン・イラク戦争」で使用されたとあります。

 そこで、(このサイトで何度も質問されてきた内容ですが)改めて質問させてください。「北朝鮮が保有するミサイル技術水準は本当に日本の脅威になり得ないのか」 「エジプトの例にあるように、北の脅威が全て中国に管理されているとは必ずしもいえないのではないか」

 私自身どうにも腑に落ちません、どうかご教授願います。

 《参照》 『北朝鮮のミサイルゲーム』
 (新東亜1999年8月号記事より。Vladimir訳)/「North Koria Today」
  http://www.pyongyangology.com/index.php?option=com_content&task=view&id=105&Itemid=29

※北朝鮮の「中東コネクション」については「第2部:北朝鮮のミサイル技術水準」の項目からお読みください 

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 疑問の分野が非常に幅広くなっています。全部は説明できないと思いますが、基本的なことを説明します。まず弾道ミサイルで重要なことは次の3点です。

 それは第1に射程です。射程距離といいません。あくまで「射程」で距離の意味が含まれています。それは弾道ミサイルの場合は、短距離、中距離、長距離と分類します。北朝鮮から日本に届くには1800キロ程度の射程が必要といわれています。

 次が弾頭重量です。投射重量という場合もあります。弾頭に積める火薬(高性能軍用火薬)のなどの量です。初歩的な核爆弾なら、起爆装置を含めて1トン程度が必要です。

 3番目が命中精度です。これはCEP(セップ)という言葉でいう場合があります。仮に100発を目標に発射して、その半数(50発)がどの範囲に落下したかを示す命中精度です。CEPが470メートルとかCEPが10メートル以内という場合もあります。CEPは半数命中射界という意味です。

 北朝鮮クラスの核弾頭を運ぶ弾道ミサイルなら、日本が標的ならば弾頭重量が1トン程度で、CEPは1キロ、射程は2000キロ程度でしょう。これを98年発射のテポドンで見ると、射程は4000キロ程度(大気中で爆発・散乱)で、CEPは計測不可能、弾頭重量(3段目)が40キロ程度です。たった40キロです。

 ノドンの場合も、東京に向け100発撃てば、そのうちの数十発が首都圏に落ちるかも知れませんが、ほとんどは途中の海や山間部で落ちたり、千葉や神奈川県に落下すると思います。これでは兵器として使い物になりません。ナチスのV−1やVー2ロケットとほぼ性能が同じだと思います。

 東京のどこに落ちてもいいのでは使い物になりません。北朝鮮から日本の国会を狙ってノドンを10発発射したら、最低でも3〜4発命中して、国会の建物の一部を破壊した程度の戦果(性能)が必要ですね。

 ちなみに米軍の巡航ミサイルのトマホークは、射程が数千キロで弾頭重量が数百キロで、CEPは10メートル以内といわれています。米軍の潜水艦が平壌の金正日が住む建物を狙い、3階の寝室を狙って日本海から巡航ミサイルを発射したとします。トマホークは一度ロシア領に入り、低空で山岳地帯の丘や谷を舐めるように飛行します。そして再び東シナ海に出て低空で平壌に接近します。さらに朝鮮半島の山岳地帯に入り、防空網の弱い方向から平壌に向かいます。そして最終的には寝室に命中しなかったが、ミサイルは隣の浴室に飛びこんで爆発します。弾頭の300キロのTNT火薬は建物全体を吹き飛ばす威力があります。

 それから抑止力という言葉も忘れないでください。弾道ミサイルはミサイル防衛(MD)だけで防衛しているのではありません。日本の報復力として、受けた被害の数十倍や数百倍の被害を北朝鮮に与えることが可能です。これを一次的に行うのは在日米軍です。そのために日本は米国と日安保条約を結び、日本国内に米軍基地を提供しています。ですから北朝鮮が日本に届く弾道ミサイルを配備しても、日本に向かって簡単に発射できません。ちなみにアメリカの巡航ミサイルの脅威に、北朝鮮は非武装地帯付近に大量の化学弾頭(毒ガス)つきの短距離ロケット、長射程砲弾を配備して、ソウルや在韓米軍を狙っています。それで米軍の巡航ミサイルやステルス攻撃機からの奇襲を抑止しているわけです。

 かなり荒い説明ですが、今日はこの程度で済ませます。以上のことを参考にして弾道ミサイルを勉強してみてください。いろいろなものが見えてくると思います。

 1月16日の名護市長選のメールで考えました。(1月21日)

届いたメール 

 神浦さん、こんにちは。また、 400 万アクセスおめでとうございます。

 以前、一度、 F35 戦闘機の件に関してメールをさせていただいた、シンガポールに駐在する技術屋の00です。以前にも増して、パワーアップしたこのページをいつも楽しみにするとともに、海外で生活する際の、羅針盤としても活用させていただいております。

 さて、先日、名護市長選挙に関してのメールとそれに対する神浦さんの見解が掲載されておりました。 個人的に興味深く拝見いたしました。

 ところで、中央政府(日本政府)の沖縄に対する振興策ですが、もちろん、基地を大部分沖縄に押し付けていることに対する弱みというか、そういういやらしい部分も当然あると考えます。が、基本的には、戦後、田中角栄内閣を始めとして、各内閣がわが国の高度成長における首尾一貫した基本的な政策が、「まず鉱工業を繁栄させる。すなわち、農村からの労働力を工場へ集め、農村へは、各企業から徴収した利益を法人税や様々な税金の形で徴収し、それを地方に『ばら撒き』、それでバランスをとってきたのが、基本的な枠組みであった」と考えています。まあ、その一番安易な形のバラまきが、いわゆる土木工事で、全国各地で見られるもので、それを呼び込めるかどうかが、国会議員の力量されてきたのではないでしょうか。

 しかしながら、これほどまでに、工業生産力の空洞化が進み、工場が海外へ出て行ってしまった後、そのばらまく資本をどこから集めてくるのか。都市部においてさえ、それを必要とする層が出てきている。それすなわちが現状の問題ではなかろうか。と、想像します。

 これをベースに今回のことを考えると、そんな、今後も続けられるか(物理的に…)どうかわからないような空手形に惑わされずに結論を下すほうがよいのでは…、という気がしました。もちろん、産業が育っていない、沖縄の現状は重々承知のつもりですが、その場限りの公共事業も当然今を生きるうえでは、大事ですが、引き受けを条件に政策立案の最良を勝ち取るとか、そんな了見も必要とは、なってこないでしょうか。

 たとえば、沖縄自体をフリーゾーンにして、中継貿易の基地にするとか。

 中国南部の工業基地化や、台湾の発達を見ると、地理的な位置からも決して夢物語でもないよう気がします。

 断酒中だそうですが、適度にリラックスしながら(アルコールは大いに効果がるとおもいますが…)、今後ともご活躍をお祈りいたします。

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 いよいよ明日が名護市の市長選挙の投票日です。さらに4月には沖縄市の市長選挙で、11月には沖縄知事選挙と政治の年になりそうです。昨日、電話で沖縄の新聞記者に聞きましたら、名護の市長選挙は混戦のようです。基地問題だけで考えると、絶対反対が分裂しているので、条件反対派が有利かもしれないと話していました。

 今は沖縄の判断を静かに見守りたい気持ちです。ただひつだけ言えることは、国は沖縄の選挙で負けても、特別措置法を作り、県知事の埋め立て許可がなくともキャンプシュワブ沿岸を埋め立てるようには出来ないことです。それこそ火に油を注ぐ危険な行為で、大問題に発展する事態になると思います。今年、春の「米軍再編」の最終報告が出て、5年以内の普天間代替え基地の完成で、6年目から在沖米軍の撤退が始まります。まるで時限爆弾を抱えたような気持ちです。正直、ハラハラしています。

 国家追悼施設は無宗教でいいのか。(1月20日)

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 福島県いわき市

  000 高2

 靖国神社の問題について知りたく今『幻冬舎』から出版されている『靖国論』(著者小林よしのり)を読んでいます。神浦さんが先日おっしゃられていた追悼施設については宗教観の無知ゆえの愚論であるとこの本ではしています。自分には神浦さんがおっしゃる事も、この本に書いてある事も理解できるのですが、なかなか自分自身で考えをまとめられずにいます。神浦さんは読んだことありますでしょうか?

 もしよろしければ感想を聞かせていただけたらありがたいです。 乱文でスミマセン。

 これからもお体に気をつけて頑張ってください。自分頑張ります。応援しています。  

コメント

 その本を私は読んでいません。昔、友人に勧められて小林さんの本を読んだことがあります。しかし全部を読むことが出来ませんでした。あまりにも唯我独尊的な考えについていけませんでした。それ以来、小林さんの本を読んでいません。国際情勢や軍事を考える上では、あまり参考にならないような気がします。

 小林さん以外の方で、国立の戦没者追悼施設を無宗教で作るということは愚論だという話しを聞いたことがあります。しかし日本は信教の自由を憲法で認めているので、無宗教であるということは当然だと思います。例えばワシントン郊外にある国立のアーリントン墓地ですが、ここには独立戦争以来の戦死者が葬られています。今もイラク戦争で戦死した米兵の遺体が葬られています。(ただし希望するものだけです)。ケネディー大統領も銃弾で殺されたので、このアーリントン墓地に埋葬されています。このアーリントン墓地は無宗教の追悼施設です。墓標に十字架を使っていません。将棋の駒のような形をした墓標です。しかし兵士がキリスト教徒であれば、その墓標に十字架を刻むことは許されています。無神論者であれば名前と戦死した年月日だけを刻むこともあるようです。また遺体を埋葬する時は、衛兵の弔銃を受けたり、神父さんを呼んで祈りを捧げてもらうことも自由です。ですから無宗教というより、あらゆる信仰が許されているということです。

 国立である以上は、遺族だけでなく、普通の市民や、神主さん、お坊さん、神父さん、だれでもお参りできることが重要と思います。ただし日本の追悼施設の場合は、アーリントン墓地のように遺体を埋葬しません。あくまで慰霊碑だけの追悼施設です。

 私は国立の追悼施設を特定の宗教だけに限定することに愚論を感じます。そういえば、私の叔父は中国で戦死していますが、お墓は田舎の墓地に埋葬しています。ですから、今までに何度も靖国神社にお参りにいきましたが、叔父のことを思い出してお参りしたことはありません。

 世の中にはいろいろな考え方があります。まあ、機会があれば靖国神社に出かけたり、アーリントン墓地を見たり、国家の追悼施設のあり方を考えてください。まだ急いで結論を出さなくともいいと思います。

 そうか、「後継者披露」だったのですね。(1月19日)

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  神浦さん。福岡の00です。

  本日(1月18日)の「軍事・最新情報」を拝読して膝を打ちました。

  なるほど! 確かに大いにあり得るセンです。ご教示ありがとうございました。 北朝鮮・中国ウォッチに貴重な補助線をいただきました。 こんな有用な情報(というか分析ですね)をタダで読ませていただくのが恐縮なくらいです。 神浦さんのやっておられることが、本来の意味の「インテリジェンス(諜報)」なのだ と思います。内調(まだありましたっけ?)や外務省以上だと思いますよ。 で、ついでに要らぬひとことを。

「軍事だから」ここまで読むことが可能なんではないと思います。「神浦さんだから」ですよ(笑)。 いや、マジで。いわゆる軍事評論家でここまで読める人はそういない。 (日本の軍事評論家は兵器マニアばかりのような気がするのは私の偏見?)

  節酒、がんばってくださいね。 身体に気をつけてこれからも鋭い分析をお願いいたします。

  追伸:今回の情報はあくまで神浦さんの分析であって、直接的に「ウラがとれた」もの ではないことは踏まえて活用させていただきます。でも私も直感的に「当たり」だという感じがします。  

コメント

 でも人によっては、「どうせ神浦は裏付けのない推測にすぎない」とバカにする人がいます。そのような人ほど自分勝手な推測をしています。また間違った論文など権威的な活用をします。例えば、「北朝鮮は儒教社会だから、長男が後継者になる」というようなケースです。今の段階で私はこの件で裏付けはとれません。今頃は、アメリカのCIAなんかが、必死で中国高官などの人脈を使って裏取りをしていると思います。パパ・ブッシュ大統領は元CIA北京連絡事務所の所長ですから、意外に早く情報を入手出来るかも知れません。しかしちょっと人脈が古くなりましたね。

 私が個人でできる分析は、例えば病気に例えますと、体温を計ると熱がある、昨日からひどく咳をしている、口を開けて見ると喉が赤くはれているというような症状が出ているとします。そこで掛かり付けのお医者さんは風邪と判断しますよね。その程度の分析と思ってください。しかし、もしかしたら別の病気である可能性も否定できません。風邪の症状が似ているが、別の気管支系などの病気の場合です。そのような大学病院並みの精密な診察を行うのが情報機関だと思っています。

 私はそのような専門の情報機関を持ちませんし、また属していません。私の情報源の大部分は新聞やテレビなどのマスメディアです。そのことをオープンにしています。でも私の臨床経験(知識)を鍛え上げることで、より診察(情勢分析)の精度を高めることが可能だと思っています。

 しかし明らかに風邪の症状が出ているのに、平気で「これは盲腸です」と診察する専門家が少なくありません。当然ながら、「なぜ盲腸と思うのですか?」という質問に、「これは昔から盲腸です」「特にこの人は盲腸の傾向が強いのです」「ワシントンの友人から盲腸と聞いたことがあります」「専門的には盲腸と見るのが常識です」などと、説明にならないことを根拠にする人がいます。特に軍事の場合は非常に多いですね。

 まあ、今回の訪中はやがて明らかになります。楽しみにしていてください。

 そうそう、東京の北の丸公園に国立の戦没者追悼施設を作るという話しですが、どうやらあれは福田元幹事長の「隠し玉」だったみたいで、安倍幹事長の首相後継(総裁選候補)を潰す作戦として使われています。私は福田さんと関係ありませんからね。

 サマワで自衛隊員4名が襲撃されて死傷したニュースのこと。(1月18日)

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 おはようございます。初めてメールを差し上げます。東京の大田区に住んでいる00と申します。いつもホームページを見させて頂いてます。

 ちょっと神浦さんにお尋ねします。今朝、8時半頃でしたが、通勤途中にラジオで東京FMを聞いていました。するとスタジオから神浦さんと電話で繋いで、「サマワの自衛隊が襲撃されて、4人の死傷者が出たと報じられました」話し、神浦さんがそのような情報はないというのを聞きました。ちょうど駐車場に車を入れる時間と重なり、よく意味が意味がわからなかったのですが、あの放送はなんのことだったのですか。

 あれから気になってしかたありません。暇なときで結構ですから、もう一度、解説をお願いできませんか。すいません。勝手なことを言って。気になってしかたのです。

 これからも神浦さんの分析を楽しみにしています。風邪など引かないようにお気を付けください。  

コメント

 そうですか。通勤途中だったのですか。あのFM TOKYOの放送は8時35分頃だと思います。

 もともとは共同通信が「サマワの自衛隊の車両が、走行していると武装勢力に襲われ、隊員4人が死亡させたという犯行声明がインターネットに出された」と配信したのです。しかし「自衛隊はそのような被害を受けていない」と否定したというコメントもありました。

 それを読んだTM TOKYOのスタッフが、午前5時過ぎに私のところに電話をかけ、この報道に対するコメントを求められました。もし事実なら大事件なりますからね。そこで私も待機して、他からの情報が入ってくるのを待ちました。しかし、その後の情報は何もなく、共同が報じたインターネットの内容はニセらしいと判断されました。

 そこで8時半からの放送では、サマワの自衛隊と市ヶ谷の自衛隊が衛星回線で結ばれ、常時、当直が待機していかなる事態にも備えていると解説しました。だから市ヶ谷の自衛隊に連絡がない以上は、このインターネットの情報は信用できないわけです。そこで偽情報が流れる背景と、自衛隊のサマワ撤退予定について話しました。

 最初にFM TOKYOから電話をもらい、この話しを聞いたときは驚きました。でもウソで良かったといういうのが正直な気持ちです。この一報で最も驚いたのは小泉首相周辺だと思います。冷や汗を流したではありませんか。

 名護市の市長選挙で北部の振興は左右されるのか。(1月16日)

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  神浦さん、こんにちは。アクセス400万件おめでとうございます。私はいろいろなホームページを見ていますが、これほど真面目な内容ながら、アクセス数が伸びている所はないと思います。これからも貴重な情報や分析をお願いします。期待しています。

 ところで私は沖縄の名護市に住んでいます。名護で小学校の教員をやっています。ご存じだと思いますが、名護市の市長選挙が告示され、3人が立候補しました。そのうち1人が普天間移転問題は条件により受け入れ、残りの2人が反対派です。

 そこで質問なのですが、もし条件受け入れ候補者が敗れ、反対派が当選すれば、政府から名護などの北部振興は凍結されると聞きました。本当にそのように政府の言うことを聞かないなら報復になるのでしょうか。名護で政府の振興策や公共工事がなくなると、まさに地元は死活問題です。これは単なる脅しなのでしょうか、それとも本当に見捨てられるのでしょうか。神浦さんはどう思いますか。 

コメント

 政府には北部振興策で名護市民の移転賛成を得たいという気持ちがあります。いわゆる「アメとムチ」の論理です。普天間移転を認めれば、これからも北部振興を行うが、反対すれば何も与えないというものです。

 しかしいくら国の安全保障政策だといっても、住民が反対すれば飢え死にさせることはできないと思います。特にメディアが発達した日本では、それこそが与党の強烈なダメージになります。

 たしかに今までは、そのようなアメとムチの論理が多く見られました。そのようなことから金権政治が生うまれたり、利権行政が大手を振って行われました。しかし今では露骨なアメとムチは出来ないと思います。なぜならそのような財源がないのです。また無駄な支出にメディアの監視も非常に厳しくなっています。最初の沖合埋め立て案は、そのような厳しい監視から建設中止に追い込まれていったと思っています。

 それよりも住民の方は将来のビジョンを考え、自分たちが生きていく地元発展のために良い方を選択すべきと思います。仮にアメとムチのアメを選択するのもひとつの方法ですが、そのアメも本土のゼネコンが提案した箱物を作り、後々、その維持負担で地元が苦しんではいけません。

 先日、沖縄の方が共同で書かれた本を読みました。沖縄の開発で何が大事で、何が不要かと論じた本です。政府が沖縄の振興策で投資する資金を、本土の業者が回収する仕組みが出来ているそうです。というより、政府の振興策を住民の立場で活用するアイデアが採用されていないようです。

 主要な産業が育っていない北部では、政府の公共工事や振興策は魅力だと思います。またジュゴンが泳ぐ海で泳いでみたいという観光価値も大きいと思います。

 このことは私のような他人がとやかく言えることではありません。私が言えるとすれば、アメとムチですが、政府がムチで沖縄を叩けば、日本中からもの凄い非難がわき起こると思います。アメリカも困惑するような事態が生まれてくるでしょう。ですからアメとムチをそれほど気にしないで、皆さんは自分たちが住む沖縄の未来を考えて投票して下さい。

 名護の人が市長選でどのように判断を下すか、我々ヤマトンチューは大いに興味を持って見守っています。

 日本がアメリカから離れて独自の軍事路線を歩む可能性がありますか。(1月14日)

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  おはようございます。禁酒をなさったそうですね。私はお酒を飲み初めてまだ一年ほどですが、幸い飲めない体質だと分かっているので、月に1〜2回カクテルを1缶だけ楽しんでいます。神浦さんの禁酒で思い出したのですが、私の父がようやく禁煙しました。私が生まれた日に禁煙宣言をしてから三日後には吸っていて、それ以来家族みんなで止めなさいといい続けていましたが、去年の11月ごろに心臓の血管が細くなって倒れて入院してからようやく年末に禁煙となりました。父は医者なのですが、医者の不養生とはよく言ったもので、実際に自分の身に降りかかるまでは頑として止めないんですね。今回は母が気づいて病院に運べたからいいものを、次に血管がふさがったら助かりませんよ、と主治医に言われたのがとどめだったようです。こんなわけで、父の禁煙には21年かかりました。神浦さんも時間をかけてでも「完全な禁酒」に向けて頑張ってください。もしかすると、神浦さんの転機は娘さんが孫を産んだときかもしれませんね。それより「前に」禁酒が達成されるよう影ながら応援していま
す。

 前置きが長くなりすぎてしまいました。神浦さんが「・・・まさか・・・」とおっしゃっていた事。私も(同じ事ではないかもしれませんが)思いました。神浦さんに聞きたいのですが、自衛隊と米軍の一体化というと、自衛隊が米軍の先遣隊のようにこき使われて前線に送り出されるようなイメージが付きまとっていますが、それとは別に、今後日本が(なるとすれば相当先の話しですが)アメリカと距離をとり、独自外交にでて軍事的に力を振るうような事はあるんでしょうか。今は想像するのも難しいことですが、正直なところイラクに自衛隊が派遣されることになったときは「ありえない」と思ったものなので、日本の世論や政府の方針がその方向に偏っていってもおかしくないんじゃないかと思えてきてしまいます。私はあのイラク派遣で、「日本人はみんな平和を愛している、9条の国だから戦争はしない」なんてことは信じられないと思いました。もしかすると、遠い未来に日本とアメリカ(あるいは他の国)はまた戦う日が来るんでしょうか。

 長くなってしまいましたが、今年は寒さが例年になく厳しいので、風邪などに気をつけてこれからも頑張ってください。

コメント

 私の友人でヨット仲間(年齢は友人が1才上)のことです。2年前に声が出にくくなり、最初、病院に行くと風邪と診断されたそうです。しかしいつまでも声が直らないので大学病院で診察してもらうと、心臓から出ている動脈が肥大し、声帯に繋がる神経を圧迫しているとわかりました。心臓動脈瘤です。

 直ちに人口血管と交換する手術を受けました。手術では体温を下げ、心臓を止めて動脈の交換を行ったそうです。そんな大手術でしたが、結果は成功で今でもヨットに乗っているそうです。しかし声だけは元に戻りませんでした。その友人はお酒を1滴も飲みません。しかし煙草は私が心配になるぐらい吸っていました。その彼も手術後から煙草は止めました。煙草も恐いですね。

 さて日本が米国を離れて、独自に軍事路線を歩む可能性ですが、そのことを最も可能性があると考えているのがアメリカです。もしアジアで本格的な空母を建造し、それを運用できる国があるとすれば日本です。すなわち日本が核武装して米中露などを威嚇し、シーレーン保護を名目に空母を建造して太平洋やインド洋を遊弋すれば、間違いなく日本は国連・安保理の常任理事国になることができます。

 もし世界で石油争奪戦が起こり、大国が自国分の確保に軍事力を背景にした圧力を加えれば、国家や民族が生き残ることを前提に日本が軍事大国の道にもどる可能性があります。

 本当にこの世界は一寸先が闇なのです。自衛隊がカンボジアに初めて国連PKOで行ったとき、だれもその1年前まで、陸上自衛隊が海外に行くなどと想像していた者はいません。私自身もそうでした。だからこれから1年後に、日本から平壌に団体の観光客が押し寄せ、昔の独裁者の住んでいた家とか、工作員が訓練に使った東京のジオラマを見物しているかもしれません。

 ベルリンの壁が崩れたときもそうでした。あの壁がなくなると1年前に予告した人は世界中にいません。韓国もそうです。まさか北朝鮮とこれほど仲良くお付き合いすると誰が考えたでしょうか。私が若い頃はロシア人の船員が北海道を訪れ、港街の居酒屋で飲むようなことを想像したことはありません。まさに想像できないようなことが起こるのが世界の軍事情勢なのです。

 だからアメリカが日本を警戒する気持ちもわかります。また中国や韓国も心の底から日本を警戒しています。そのことを承知で友好に努力する必要があるのです。

 ともかく在日米軍の再編で、米軍が自衛隊と一体化を目指すのは、撤退する在日米軍の肩代わりを自衛隊にさせるほかに、日本に独自の軍事路線を歩ませないためという指摘を忘れないでください。日米で中国との戦争に備えるためというのは全くのウソです。日本をその気にさせているだけです。まあ、今は騙されたフリをすることも必要かもしれません。在沖米軍に早く沖縄から撤退してもらうためです。

 中国から飛来する電子偵察機のことで説明します。(1月12日)

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  こんにちわ。

 既に神浦さんがレスされているので、全くの蛇足ですが。

 >>防空識別圏の侵犯

 失礼ながら、これは文章として変です。防空識別圏は、領空ではありません。(地理的に重複する部分もありますが。)「領空の侵犯」ならあり得ますが、防空識別圏の侵犯などということはあり得ません。

(領空外の)防空識別圏は、主権の範囲外であり、どこの国のどんな航空機であれ自由に飛行できます。許可を与えるとか、得るとかという話は全く発生しません。
ただ単に、識別不明機がそこを飛行した場合、識別のためにスクランブル機が発進する場合がある、という
ことだけの話です。

>>レーダー波というのは防空識別圏の 中でないと収集できないものなのでしょうか。

 波長の短い電波は、水平線(地平線)の向こう側まではほとんど届きません。また、どんな高度でどの地点まで接近すれば相手のレーダーに探知されるのか、を探る為には接近する必要があります。あるいは、実際に戦闘機がスクランブルする場合だけに発生する交信などを傍受するには、故意に相手のスクランブルを誘う必要があります。それらの技術的な情報の他に、どの地点にどのくらい接近したら、相手はどう対応するか(反応の速度や強度)などを調べて、相手の組織としての能力や防御の意思(政治的な側面を含め)を確認するということもあります。

 以上、簡単ではありますが。それでは、失礼致します。

コメント

 ありがとうございます。私がきちんと説明しなければいけないのに手を抜いたようです。ついつい私は、この程度のことは説明しなくてもいいだろうと判断し、非常に重要なことを説明していないことが多いようです。

 イラク戦の時もバグダッドに米軍が入り、イラク政府が機能しなければ「市街戦は起こらない」と思っていました。特にそのことを気にかけないで、TVでそのように話したら驚かれたことがあります。あとで聞けば、他局では「市街戦に突入」となっていたそうです。私はTVをみる時間がなかったので、そのことを知りませんでした。

 これからも説明や解説をお願いします。ホームページをみている方も、きっと喜んでくだされと思います。それに私も勉強になります。

 昨日は、一日中、靖国問題を全般にわたり調べていました。そして結論は、「この程度の問題で大騒ぎしているのか」という素朴な疑問でした。あれが今の日中、日朝で最大の外交問題とは聞いてあきれます。騒ぐ方も騒ぐ方ですが、騒がれる方も騒がれるほうですね。この問題はあきらかに陽動作戦です。他の問題に注意を向けさせ、本題から目をそらさす陽動作戦です。

 靖国問題はやり方ひとつで簡単に解決します。外交で点数を稼ぎたい政治家には絶好の「おいしい」外交テーマです。

 中国の電波偵察機の飛来記事に疑問が生まれる。(1月10日)

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  いつもHP拝見させて戴いております0と申します。

「最新情報」などを読みながら、「軍事」という視点の重要さに感じ入っております。

  さて、8日付の産経に「中国軍機 民間機装い偵察飛行 東シナ海 自衛隊電波を収集」 という記事がありました。

http://www.sankei.co.jp/news/060108/morning/08iti001.htm

 少し長い記事で論点が判りづらく質問させていただきます。

  もし掲載に値するとお感じであれば、HP内ででもご回答いただければ幸いです。

1.民間機の改造であること(民間機への偽装?)

 記事を読む限り、民間機の軍事転用と民間機偽装が混同されている印象があります。 防空識別圏内の飛行に関して民間機として飛行計画が提出されたのならともかく、 通告無しに侵犯したのなら軍事も民間も無いように思います。 民間機器の軍事転用はさほど珍しい事ではないように思いますがいかがでしょうか。

2.レーダー電波収集(何を?波長?レーダー性能?)

 軍事技術に明るくなく、初歩的な質問かもしれませんが、レーダー波というのは防空識別圏の中でないと収集できないものなのでしょうか。素人考えですが、領空侵犯を検知するには 領空外も含めレーダーでの監視を行わなければ検知はできないように思いますので、 領域外でもレーダー電波は受信できるのではないかと考えます。 特別な性能を持つ特別なレーダーがあり、それを知られたくないという意味なので しょうか。

3.防空識別圏の侵犯

 これは極めて重要な問題のように思いますが、記事にあるほど頻繁に侵犯があっても 抗議などの対抗措置は行われないものなのでしょうか。 総じて記事の内容よりも、この時期この内容で記事が産経に出る事自体に興味をそそられてしまいます。

  私のようなひねくれた性格の人間には、補正予算で新型レーダーを通すための口実に思えます。

  長くなりましたが、これからの更なるご活躍を祈念しております。 寒い日が続きますが、どうか御自愛ください

コメント

 私もこの記事を読んだとき、何とも変な気がしました。わざわざ飛んで来てくれるのだから、国際法に違反しない限り「信頼醸成のためにも手を出す心配はない」と思ったからです。日本だってアメリカだって中国や北朝鮮相手にガンガンとやっています。別に目くじら立てて怒ればバカにされます。

 今年のお正月に尊敬する先輩から頂いた年賀状に、中国と日本の関係で「経熱政冷」は日本の軍事的な無知が原因と書かれていました。その通りだと思いました。

 かつて北朝鮮の不審船が船上にいくつものアンテナを乱立させていました。それを指して「無線傍受(エリント)のための機器」と話す人がいました。あの程度のアンテナはアマチュア無線程度のもので、北朝鮮が本国などと通信に使うアンテナと思っていました。銃撃されて自爆した不審船から回収された無線機を見ましたが、エリントとはほど遠い代物でした。

 このような記事が多いのも軍事記事の特徴です。最近は「ウソの脅威」を作り出そうとする傾向が強くなりましたね。中国軍の軍事的な脅威も、南の島に特殊部隊が上陸してくる程度です。それも航空優勢や艦船の支援もなくです。その程度しか日本では軍事的な脅威が消滅してしまったのが現実なのです。

 それでは困る人がいるんですね。ウソでもいいから脅威を欲しがる人がね。

 北朝鮮の偽札は取り引きの間口が大幅に狭められています。(1月8日)

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 日ごろ貴ホームページは拝見させていただいております。 先日の「北朝鮮偽札」関連のコラムに私見述べさせていただきたく。


 ご承知のとおり日本を含む先進国では、すでに現金を必要としないところまで来ております。 個人レベルでは、ネット商取引のカード決済は勿論、携帯や定期券で買い物が出来る時代であり、国際間・国内間問わず法人取引では(金融を介した)オンラインがもはや常識。 多量の紙幣を用意しての商取引など、過去の遺物となっております。 むしろ、現金を用意せざるを得ないと言うことは、それだけ相手方から信用が得られていないとの証明であります。

 偽造側からすれば「金融市場へ偽札を投入する間口が大幅に狭められつつある」のが偽らざるところかと。 真偽以前に、まっとうな商取引でさえ土俵に上がることすら困難になりつつあります。

 こういった通常の商取引のイノベーションが、意図せぬうちに北朝鮮を締め出していくのだなあと感じた瞬間でありました。

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 偽札もそうですが、麻薬などの密売で得たお金(本物)も、汚いお金として流通させるのが難しい場合があります。アメリカは同時多発テロ以降、資金面からもテロの動きを監視しています。お金の不自然な流れで、テロ組織が浮かび上がるような実例もあります。

 海外における北朝鮮のヤミ口座やその代理口座は、徹底的に監視されていると考えていいと思います。ちょうど北朝鮮・要人の携帯電話が、エシュロンに盗聴されているのと同じです。

 そこでマネーロンダリング(資金の清浄)を試みて、お金の前科を消しにかかります。今ではそれも情報機関の監視対象になるようです。

 カンボジアのプノンペンに行くと、産業や経済活動がほとんどないのに、華僑やタイの銀行がいくつもあるそうです。世の中にはそのような銀行を必要な人が意外と多いようです。カンボジアはシアヌーク国王時代から北朝鮮と深い関係です。また、東南アジア系の麻薬の中継地点として国際捜査機関から監視されています。

 裏世界の通貨事情も面白いですよ。北朝鮮製の偽札の為替相場もあるのではないですか。100万ドル分(偽札 スーパーノート)を15万ドル(本物)で両替するというような為替相場です。その元締めが、その国の商工会議所の会頭だという話しを聞いたことがあります。バリバリの現役です。あるとき頭取が乗っていた飛行機が遅れると、飛行機が到着して地上に降りると、そばにいた警官の拳銃を奪い、タイヤめがけて銃を発射したことがある人です。もろん逮捕などされません。商工会議所の会頭だからです。世の中には、そんな国もあるようです。比較的、最近の話しです。

 サマワの自衛隊に「ホッカイロ」を慰問品に送りました。(1月7日)

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  神浦さん明けましておめでとうございます。

  実は先日、イラク駐留の陸上自衛隊復興支援群向けに「ホッカイロ」を慰問品に送りました。

  砂漠地帯の夜はその印象に反し、非常に冷えると北アフリカ戦線の戦記などにも記述があったので、喜んでもらえればと考えています。

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 思いだしました。確かに砂漠の夜は冷えますね。私の場合は、サハラ砂漠をバスと野宿で移動しましたが、昼の暑さと夜の寒さははっきりと覚えています。日中は体温を10度以上超える50度を軽く超えていました。昼間は食べ物はともかく、水筒の水を飲み続けないと、気温で体温が上昇して体を壊します。水(塩分入り)さえ飲めば、肌(汗)からの気化熱で体温が冷やされ、日陰で過ごすことができます。

 問題は夜です。野宿ですから7時頃には寝袋に入ります。その時は砂も熱いので、短パンにTシャツです。むろん寝袋のチャックは全開です。しかし9時頃には寒くなるので、チャックを閉じて寝ます。さらに深夜の12時頃になると寒さが増し、上に長袖のシャツとジャージをはいて再度寝袋に入ります。再度、2時頃になると寒さで、ジャージの上にセーターを着て、下にはジーパンを重ね着にします。そして寝袋に入っても4時頃から震え出します。一番寒く感じるのは夜明けです。氷点下にはなりませんが、寝袋で震えながら、夜明けを待っていました。

 でも最高の楽しみは、砂漠の朝焼けと夕焼けを見ることでした。空気が乾燥しているので、雲がないだけ空の色の変化はきれいでしたね。東の空や西の空が、ピンク、真っ赤、紫、黒など、天空の色彩ショーを見るような美しさでした。

 ちょっとイラクとサハラは違うかも知れませんが、まだ砂漠を旅行したことのない人にはお勧めです。イラクは危険ですが、その他の砂漠なら大丈夫と思います。ただし季節によっては砂嵐や熱風が吹くことがあります。サハラならラマダン(断食月)明けの頃からベストシーズンです。荒れる7月から9月は危険です。カメラなどは砂が入りますから、ビニールの袋に入れておく必要があります。

 神浦さんの初めての著書「日本の最も危険な日」を入手しました。(1月3日)

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  神浦さん はじめまして 000と申します。

 まずは簡単に自己紹介を。

 サラリーマン生活11 年目33 歳(男)です。高校生〜大学生にかけて昭和天皇崩御、ベルリンの壁崩壊、湾岸戦争、ソ連邦崩壊、バブル景気とその崩壊を傍から眺め、「沈黙の艦隊」ブーム、 就職氷河期のはじまりを経験した世代です。(余談ですが、学生のころ、文化放送の「ワールドホットライン」を目覚まし代わりに聞いていましたが、神浦さんも時々出演されていましたね)

 いつもホームページ拝見させていただいております。

 先日、たまたま近所のブックオフの 105 円コーナーで標記の絶版本を見つけ、直ちに購入・電車通勤の時間と年末年始の行事の合間を費やしてようやく読み終わりました。

 ついては感想をひと言

 とかく観念的・抽象的な方向に流れがちな軍事(戦争・平和・軍備・外交といった問題について、戦場における戦術レベルの話から戦略、さらには平時における政略にいたる事柄について、きわめて具体的かつ非常にわかり易く解説されていると思いました。

 二十数年前の米ソ冷戦下に書かれた本であるにもかかわらず、まったく古さを感じませんでした。当時開発中とされていたTV誘導ミサイル技術が、ニュース映像としてお茶の間で見られるほどあたりまえな時代になってしまったとはいえ、軍事というものの大きな基本はそう変わらないものだと思いました。

 防衛庁の省への格上げや、憲法改正が具体的な政治日程に上りつつある現在、軍事的な事柄についての基礎知識は、政治家はもとより一般国民にとっても必須であると思います。

 神浦さんの今後もかわらぬご活躍を祈念いたします。

    以上乱文失礼いたしました。

コメント

 「日本の最も危険な日」がありましたか。それは凄いですね。確か私の手元に一冊あると思い、今、本箱を捜しましたが見つかりません。すでに私にとっても幻の本になりました。あの本を出したのは二十数年前ではなく、今から二十六年前になります。私が二十代の最後に書いた初めての自著です。

 当時は精密誘導爆弾を最極秘のPGM兵器と呼んでいました。第四次中東戦争(73年)で開発中のPGMを、アメリカからイスラエルに緊急移送され、エジプトの奇襲で劣勢に立たされたイスラエル軍が核兵器を使用する可能性が出てきたので供与されました。これでイスラエル軍は劣勢を立て直すことができました。

 その精密誘導兵器のことを詳しく教えて頂いたのが、軍事技術に詳しい明地努元陸将(当時)でした。その明地先生とタクシーに乗って移動する際、タクシーのラジオが定時のニュースで「本日、公明党が自衛隊を認めることを表明しました」と報じたのを覚えています。それまで公明党は自衛隊を認知していなかったのです。今では信じられないでしょうが事実です。

 あれからもう26年です。いろいろありましたね。私ももう一度読んでみたくなりました。もし可能なら、あの本を大事にしてください。軍事の大原則はそれほど変化はしていないと思います。

 新年にふさわしい嬉しいメールでした。ありがとうございます。私も初心を忘れることなく前に前に進むように頑張ります。

 

 


 
※これ以前のデータはJ−rcomFilesにあります。