Re:メールにお返事

 皆さんから頂いたメールの紹介や質問内容に関してのお返事をご紹介します。ご紹介に際しては、本人からの要望がない限り、必ず氏名、E-mailAdress等は非公開と致します。また、 メールを送っていただいても、必ず掲載するわけではありません。またEメールで添付された資料は、発信人が特定できたもの以外は開きません。ウイルス対策のためです。御了承ください。

 

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タイトル 掲載日 届 い た メ ー ル と お 返 事 ( コ メ ン ト)

 日本の次期主力戦闘機(FX)と軽空母の建造について。(5月7日)

届いたメール

  神浦さんこんにちは いつも拝見しています


 神浦さんに質問ですが自衛隊の次期主力戦闘機はF22だと言っている人がいます。それは本当なのですか?

 もし違うのであれば次期主力戦闘機を教えてください

 お願いします。 

届いたメール

 神浦さん 初めて連絡します。教えて頂きたいことがありFAXしました。

 @先ずは、空自の次期主力戦闘機についていです。「日本としてはF22を導入したいが、米のゲーツ国防長官は、禁輸条項を理由に輸出は困難」との考えを示した。(5月2日 朝日新聞)との記事がありました。F22が無理だとすると新F15SEが最有力でしょうか。

 A「豪海空軍大増強。豪は防衛白書を発表し、中国に対抗するため、巡航ミサイル搭載潜水艦を12隻体制に倍増し、F35戦闘機を100機程度導入する等の軍備増強計画を明らかにした」(5月4日 朝日新聞)という記事がありました。

 兵器を抑止力と考えた場合、日本にも巡航ミサイル搭載潜水艦を持ったり、英国や伊国の持っているような軽空母を配備するべきと思いますが如何お考えでしょうか。また軽空母については、全通甲板の護衛艦が建造されたので、近い将来配備されるような気がします。如何でしょうか。

コメント

  空自のF4戦闘機の後継にあたる次期主力戦闘機(FX)ですが、日本は最初からF22戦闘機を想定していました。しかしアメリカ政府がステルスなどの軍事秘密が漏れることを警戒して輸出禁止にしてしまいました。さらにゲーツ国防長官がF22の生産打ち切りを発表しました。アメリカにはまだ高性能のF22戦闘機を必要とする脅威がないという判断です。ますます日本がF22をFXにすることが難しくなったきました。

 そこで日本はF22と同様に第5世代のF35戦闘機を最有力候補にしているようです。日本のFXが採用後に20年以上も使われることを考えると、何としても第5世代戦闘機が欲しいからです。幸い、F35は多国共同開発された戦闘機で、最初から輸出することを前提に開発されています。しかしアメリカ軍でさえもF35戦闘機を配備するのはこれからで、日本がFXでF35を導入するにはまだまだ時間がかかります。

 そこでそれまでの繋ぎで、現有のF15戦闘機を改造(F−15改)して使う案が出てきました。しかし改造といっても、改造費は1機が80億円程度かかるといわれています。それならF15戦闘機のサイレントイーグル(SE)として開発し、ステルス性能を向上した機体は如何ですかとボーイング社が提案してきたわけです。ここで重要なのはF15の改装を担当する三菱重工がF15SEの採用をどう考えるかです。私は三菱重工はF15SEの購入に反対すると思います。

 しかし、アメリカはF15SEを友好国に対してF35を輸入するまでの繋ぎとして欲しいという気持ちが込められています。

 日本はF15SEを導入するか、あくまでF15改でやるかは決まっていません。しかし、今となってFXの本命はF35だと思って間違いないと思います。日本のFXでF22が決まることは、中国やロシアで第5世代の戦闘機が開発されるといった大きな戦略環境の変化がなければあり得ません。

 海自の軽空母の建造についてですが、ヘリ搭載の新型護衛艦「ひゅうが」はすでに軽空母です。ヘリ搭載の軽空母と考えるべきです。日本版のヘリ搭載型の軽空母で、特徴は対潜作戦や対空戦闘能力を強化しています。

 巡航ミサイル搭載の潜水艦ですが、すでに米海軍で射程100キロ程度の潜水艦発射(潜航中に魚雷発射管から発射)対艦ミサイル・ハプーンが開発されています。しかし、潜航中の潜水艦が100キロ先の敵艦をソナーで探知できるか疑問です。さらに長射程の巡航ミサイルとなると空や陸との連携が問題になります。日本は憲法との問題もあって潜水艦搭載の巡航ミサイルを配備するのは難しいと思います。しかし先ほども言いました様に、戦略環境の変化があれば配備が検討されると思います。今のところ潜水艦搭載ばかりか、巡航ミサイルの開発・配備は早すぎると考えます。

 中国観艦式の情報です。(4月26日)

届いたメール

  1週間以内に更新された naval review china north korea などをgoogleで検索しました。 北朝鮮軍関係者はいたようです。 新鋭の054型フリゲート「温州」を視察していた模様。

http://www.monstersandcritics.com/news/asiapacific/features/article_1472681.ph

p/In_photos_Chinese_Fleet_Review?page=11 Asia Times Onlineによると、人民解放軍の観艦式は4回目で、3回目にはロシア艦艇が参加しているそうですから、「初の国際観艦式」という表現は微妙に正しくない感じ がします。

  同じく、Asia Times Onlineによると、香港メディアが、青島観艦式に参加するために船を送るという日本の申し出を中国側が拒絶したと報道したそうです(公式な報道は確認されていない)。

http://www.atimes.com/atimes/China/KD23Ad01.html

 いっぽう、かつて青島を占領していたということもあり、日本側が中国側の感情に配慮 して艦艇の派遣を自粛したとの報道もあります。

http://www.wtop.com/?nid=385&sid=1617859

届いたメール

 神浦さん、こんばんは

 観艦式の記事を書かれていたのもう一つ記事を。

 どうしても中国は日本と比較したいようですが(比較して優位だと言うことで優越感に浸れるのか?)

 米英ロとは戦う気は気はないけど、日本とはやりますよとでも言いたいのでしょうか?

 核戦力は当然優位でしょうが通常戦力では動でしょう?

 日本は不利な状況になったと感じましたか?

 海軍能力「世界の6強」 中国紙報道、日本上回る

 【北京23日共同】

 中国国営通信、新華社系の時事週刊紙「国際先駆導報」は23日、中国海軍の総合的な実力について「米国、ロシア、英国には及ばないが、 日本を上回り、インド、フランスと並ぶ」と指摘し、世界の6強に入っていると報じた。 同紙は主要国の海軍(日本は海上自衛隊)について、作戦行動が実施できる範囲を3分類し (1)世界各海域=米国(2)自国近海と一部遠洋海域=ロシア、英国(3)自国近海=中国、フランス、インド、日本−と分析。

 日中の比較では、中国海軍が戦略ミサイル原子力潜水艦などで「一方的な優位」にあると指摘。

 原潜以外でも、中国が先進的なミサイル駆逐艦や通常型潜水艦、戦闘機を相次ぎ就役させ、日本が優位といえなくなったとしている。

http://www.47news.jp/CN/200904/CN2009042301000899.html

コメント

  中国には外洋海軍という発想が稀薄なような気がします。いくら海の上に船を並べても、接近してくる潜水艦や航空機の脅威を排除できなければ、強力(排他的な環境で戦力を行使)な海洋戦力とは言えません。

 特に空母は飛行甲板に損傷を受けると、たちまち航空機の運用ができなくなります。ジェットエンジンの吸気が金属片を吸い込む危険があるからです。

 それに機雷の脅威にも対応する必要があります。最近の機雷はスマート(賢く)になりました。ある意味、航空機や潜水艦よりもやっかいです。深い海底に着底して眠り、信号を受けて作動を開始し、空母特定の音源(音紋)に感応して向かってくるものもあります。

 まさに外洋における海軍力とは総合的な戦力で、いくら艦艇の隻数や総トン数を比べても戦力の比較はできません。そのあたりに中国海軍力の意識の低さを感じてしまいます。

 ソマリア沖は漁民=海賊だったのでは?(4月24日)

届いたメール

  神浦さん いつも拝見し勉強になっております。

 ところで、本日(※)の「what's new」のコメントで、P3Cを派遣しても上空から 海賊と無害な漁船を見分けることは難しいとのことで、敵味方識別装置(IFF) を漁船に配布したら効果があるとの解決案を提示されました。

 しかしながら、そもそもにソマリアの海賊どもは、地元の漁民が多く、近づく 不審船を海賊なのか漁民なのか見極めが難しいのではなかったでしょうか? 

 敵味方識別装置など配布したら、逆に、漁民を装うので危険なことと思いますが?

 ※神浦・・・・昨日(23日)に頂いたメールです。

コメント

 お久しぶりです。お元気でしたか。

 ご質問の件ですが、確かに”敵味方識別装置(IFF)”という軍事的な言い方は誤解を生む元になりそうです。民間用のものなら、”自動無線応答装置”という言い方が適当かも知れません。しかし軍事ではこれが”敵味方識別装置(IFF)”になります。

 実は海自のP3Cをジプチに派遣し、アデン湾を哨戒飛行しても漁船の中から海賊を見つけることは不可能に近いと思います。海賊が小型の高速艇でタンカーや貨物船の追跡を開始し、その民間船がSOS(救助要請)を出して初めて海賊の襲撃とわかります。

 しかしいくらP3Cが高速性を生かしても、救助を要請した船に着くまでに、海賊が狙った船に乗り込めば人質をとって救出が難しくなります。

 そこで海賊船を含むすべての漁船に自動無線応答装置を取り付けます。そしてP3Cやパトロール船と無線でやり取りする情報には「船名、国籍、拠点港、船の番号」を答えるように設定します。

 P3Cや哨戒ヘリはアデン湾を哨戒飛行中は、自動的に海面の漁船と交信してデータを収集します。こうして膨大な情報量を積み上げ、漁船や海賊を含む海上交通の実態を把握します。

 もし海賊が応答機の搭載をしなかたり、この無線機のスイッチを切れば、パトロールする側は「海賊船の容疑が濃厚」と判断して、臨検や監視を強化して武器の発見に努めます。

 もし海賊に襲われた近くの海域に海賊母船がいれば、それも自動応答によってデータ化します。無線を切っていれば海賊容疑船です。

 とにかく今のように海賊が襲撃を開始して、その救難要請を無線で受け、近くの警戒船やヘリが救援に駆けつける戦術では遅すぎるのです。

 そこで戦術を進化させるためには、海賊情報を大きく進化させて対応する方法しかありません。

 このような識別方法は陸上戦闘でも応用が研究されています。特にゲリラやテロリストといった非正規な戦闘員との戦いに有効です。

 実は日本の海上保安庁もAIS(船舶自動識別装置)として4年前から運用を初めています。これは海賊対策ではなく、東京湾周辺など船舶交通がふくそうする海域で、以前のレーダーによる監視から、7つのAIS地上局で運航情報を管理できるようになりました。次世代型の航行支援システムと呼ばれるものです。船舶には以前のような海上交通センター(海保)に対する位置通報は省略できるようになりました。

 この簡易型をソマリア沖のアデン湾で運用するというものです。地上局の代わりに、P3Cや哨戒ヘリなどの航空機、イエメンなどの海上警察の警備艇、通信衛星、各国から派遣されている警備艇(軍艦を含む)などを活用します。

 これから長期的なアデン湾の海賊対策では、必ずトップで検討課題になる対策法です。

 海賊ではありませんが、もし北朝鮮の特殊部隊や武装工作員が韓国に潜入し、韓国軍の制服や戦闘服に着替え、韓国軍から奪った兵器で偽装しても、この方法を応用すれば韓国民か偽装した北朝鮮兵か容易に識別できます。偽装や転用を防ぐ方法はあります。例えば、定期的に自動式の応答方式を変更させます。このように非接触型で個人を認証する方法は画期的に進歩しています。

 偵察衛星のインド打ち上げ成功について(4月23日)

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  神浦さん  以前、神浦さんがマラソンを始める頃にメールを出さして頂いた、半分ボストンに在住している者です。

 軍事的な事項に限らず、世界の動きを判断する上で、いつも参考にさして頂いております。 さらに、そういう捕らえ方、判断の仕方があったのかと、自分の浅はかさを知らされる事も多々あります。

 しかし、今回、「全天候型レーダー衛星イスラエル製衛星インド打ち上げ成功」のコメントで、気になる事項があります。

 

質問1. 「必要と思えば平気でイスラエルから購入するインド。 必要性が全くないのに、自前で早期警戒衛星を打ち上げる日本。」と述べられていますが、 私は、 「必要性が強いから、一刻の猶予もなく、確実なイスラエル製を利用した。 必要性が無いから、自分らの都合・利益のみを優先でき、自前で打ち上げようとする。」と感じます。

  つまり、良し悪しは別にして、インド、日本とも、不思議でなく、凄く真っ当な事だと思いますが。 インドも必要性が無いなら、日本と同じような行動にでると想像します。

  この反論に対して、どう言う意見をお持ちですか? なお、 「日本のとある人たちが、必要性が無いのに、必要だと騙して」の意見には、もちろん賛成です。

 

質問2. 「それだけの国力があるなら」と述べられいますが、 国力とは、何を指しておられるのでしょうか?

 Wikipediaによると、インドは、2005年GDP=3兆6330億ドル(4位)とありますが、 GDPですか?、軍事力ですか? ご指摘のように、IT産業では、いまやインドの人材を抜きに世界は動きませんが、 まだまだ、アウトソーシング、つまり、下請け状態です。リーダとしては、今一歩です。

 インド国内の識字力、インフラ力、工業力も、一部で突出しているだけで、国全体としては、今一歩。 いつも何かの裏づけや明確な意味を持たれてコメントされているのに、この「国力」だけは不明確です。

 つまり、中国や北朝鮮の軍事力を、客観的に判断され、不用意に恐れるなと警告されている神浦さんが、 逆に、「インドの国力は凄い」と、情緒的に話されている感じを受けました。 「一般的に国力とは」と「インドの国力」について、ご説明をお願いいたします。 以上、お忙しいのを分かっていながら、生意気で勝ってな質問ですが、よろしくお願いいたします。

 

 追伸: 以前より減ったようですが、時々、ジョッキングをされているとHomePageから思っています。 神浦さんより少しだけ若いのですが、近頃、走るスピードが遅くなり、歳を感じています。 でも、走ると言う感情・エネルギーが湧く間は、精神的に青春だと思っています。 走った後のビール目指して走るのは、崇高な目的でないだけに、余計に、青春を感じます。

 いつまでも若い神浦さんで、社会評論(軍事評論でないと思っています)を続けてください。以上。

コメント

 以前に頂いたメールを覚えています。走った後のビールやワインを楽しみにマラソンに挑戦して下さいですよね。あれは効きました。大きな励ましになりました。

 インドの印象は、先月、図書館から借りて読んでインドIT経済のレポート(NHK)が痛烈な印象だったので、それに影響を受けたと思います。その本をもう一度確認したいのでこれから図書館に行ってきます。

 それからパソコンのマウスが動かなくなりました。今はノートパソコンの小さなマウスを緊急に代用しています。近所の家電量販店にマウスを買いに出かけてきます。

 お返事は午後に書きます。すいせん。それについては面白い話しもあります。お楽しみに。

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 図書館で前回読んだ「インドの衝撃」と「続 インドの衝撃」、それにインドでミサイルの父と呼ばれ、核実験を行ったアブドゥル・カラム前大統領の著書「インド 2020 大国へのビジョン」を借りてきました。図書館から家に帰って、約1時間ほどパラパラと飛ばし読みをしましたが、インドという国は面白い国ですね。ますます関心が強まりました。今年のゴールデン・ウィークはインド三昧の読書でもしたいような感じです。

 それからインドのGDPですが、正直、世界第4位だったとは驚きでした。(確かに Wikipedia で確認しました。) ちなみに図書館にあった「ニュースがわかる世界地図 2006年版」(小学館刊)では、インドのGDPは5990億ドルで世界12位と記述されています。一人あたりのGDPは563ドルです。それが Wikipedia ではGDPが3兆6330億ドルで、一人あたり3100ドルです。この大きな数字の違いも調べてみます。

 いくらBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)が台頭してきたといっても、私がインドのGDPが世界第4位と聞いて驚くのも無理がないでしょう。

 私のインドのイメージは、「インドの衝撃」(NHKスペシャル取材班編著 文藝春秋社刊)で読んだものが強烈だったので、それに強く影響されています。すなわちインドではIT関連の企業が経済をけん引し、中産階級の増加で内需が伸び、一部ではインフラ整備が始まったというものです。今日、図書館で続編を見つけてきました。

 またインドの宇宙開発を指導してきたカラム前大統領が03年7月〜07年7月まで大統領職にあったわけですから、偵察衛星ぐらいは自国で開発できると想像しました。しかしそれでもイスラエルから購入して打ち上げる理由としては、あなたが指摘されるように「緊急に確実なものを打ち上げる必要性」があったのでしょう。

 実は午前中にも書きましたが、インドに関する面白い話しとは、米ソ冷戦が終結した直後、日本の防衛庁(当時)ではソ連に代わってインドが脅威国にならないか真剣に検討したことがあります。もうソ連以外の国で軍事的な脅威を作り出すことに必死だったわけです。

 結局、それが北朝鮮脅威論になっていく訳ですが、北朝鮮では戦車や戦闘機やイージス艦の必要性が出てこない。そこで防衛予算(GDPの約1パーセント)を確保するために、ミサイル防衛(MD)に手を出すことになったという話しです。これは特に秘密ではなく、当時、防衛庁関連の研究所や学校などで戦略教官をやっていた人なら誰でも知っています。

 今度、北朝鮮が崩壊すれば、脅威論では日本の国防戦略は立たないと思います。まさか中国を相手に脅威論を展開すれば、江沢民が行った過激な「反日教育」と同じことですからね。

 そうそうマラソンですが、冬眠期ですっかり走る回数が減りました。7月5日のゴールデンコースト・マラソン(豪)大会に参加することを考えましたが、老いた広島の母が東京マラソンの松村さんのことで心配して、マラソンは危ないからやめてくれという手紙が来ました。90歳近い母から何十年振りの手紙には逆らえません。

 でもフルマラソンは無理でも、ハーフや10キロの部に参加したいと考えています。私の場合は資料やデータを集める仕事と、体を鍛える運動は、時間比で3対1ぐらいが適当と考えています。午前に4時間の仕事と午後に2時間の仕事、それから夕方2時間の運動です。これを習慣化出来ることが今年の目標です。私は通勤時間や会社付き合い分、自分の時間を奪われないので、このスケジュールでも「ゆっくり」した気分で過ごせます。

 韓国の宇宙ロケットについて(4月22日)

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  神浦さん

 昨日、韓国の打ち上げ予定のロケットの写真が、ニュース写真に出ておりました。 大きさの比較ともかく概観がテポドンそっくり。 さらに、先が、とんがって!?いるのには驚きました。

 韓国は、平和利用の宇宙ロケットである、日本の上空を飛び越えるが、日本からは信頼を得ている。そのことをアピールするべく、敢えて、恣意的にこのような形状にしたような感じがしますがどうなのでしょうか。

コメント

 ロケット(ミサイル)先端が尖っていれば、必ず弾道ミサイルであって、人工衛星搭載ではないとはいえません。また、先端が球根状であれば、必ず人工衛星搭載であって、弾道ミサイルではないという訳でもありません。

 最大の問題は、その国のロケット技術がどの程度の水準かだと思います。先端の形状は打ち上げ時の姿勢制御や大気圏再突入のスピードに大きく影響しますから。

 しかし、この写真をみると、中国あたりは不気味な思いをすると思います。でも韓国は、アメリカやロシアの厳重な監視を受けているので、中国が弾道ミサイル打ち上げとは言い出せないでしょう。

 同じように、日本の衛星発射を”弾道ミサイルの打ち上げ”と言えないのと同じです。北朝鮮も公開を原則に宇宙開発を行えば、安保理で非難や制裁を受けることはないのです。

 それとこの写真を見て思ったのですが、下に写っている人と比較して、意外と小型のロケットだという気がしました。かなり小型(ペイロード)の衛星を打ち上げるのではないでしょうか。

 日本も早期警戒衛星の導入を検討すると発言しました。(4月17日)

届いたメール

  神浦さん、先週はテポドン2の発射でご苦労さまでした。

 先週は、何度かテレビで神浦さんを拝見しました。神浦さんの解説が一番わかりやすく、また正確であったように思います。お疲れ様でした。

 ところで昨日、河村官房長官が午前の記者会見で、自民党内にミサイル発射を探知する早期警戒衛星導入を求める声があることについて、「当然、宇宙基本計画を掲げる中での検討課題だと理解している。日本の安全保障面から宇宙利用を考えることが大事な視点だ」と述べ、導入を検討する考えを示した。(読売新聞 4月17日付け 総合面)

 だ、そうです。

 神浦さんは日本が早期警戒衛星を導入することをどう考えますか。お忙しい時期とと思いますが、適当な折りにでも、神浦さんのお考えをお聞かせ願えないでしょうか。

コメント

 以前にもこのHPで書きましたが、日本には早期警戒衛星はまったく必要ありません。日本が戦略核兵器で核武装し、長距離弾道ミサイルを配備しなければ無用のものです。あくまで早期警戒衛星は核戦略システムの一環だからです。

 また、日本のように中国、ロシア、北朝鮮と近接した地理的な環境にあれば、早期警戒衛星の効果は生まれません。

 さらに、日本には技術的にも早期警戒衛星を開発できる技術力がありませんし、アメリカも日本への技術提供を拒否すると思います。その開発・運用にかかる費用も莫大で、正常な感覚では防衛予算を圧迫することから、防衛関係者からも反対する意見が圧倒的になると思います。

 実例をあげて説明します。アメリカの早期警戒衛星(複数)は赤道上の3万6千キロの軌道で静止しています。その役割はロシアや中国が戦略核弾道ミサイル(ICBMなど)発射を探知するためです。探知はミサイル発射した際の光と熱で行いまます。

 早期警戒衛星が探知した情報は北米防空司令部(NORAD)に送られます。NORADは直ちに敵の弾道ミサイルがアメリカに飛来する北極圏上空を、アラスカに配置した防空レーダーで捕捉して落下地点(目標)を計測します。そして米本土のICBM(大陸間弾道ミサイル)を報復のために敵国に向かって発射します。

 これはアメリカとロシアや中国との距離が8000キロ以上離れ、ミサイル到達に30〜40分程度の時間がかかるから出来ることなのです。日本と北朝鮮のように、ノドン・ミサイル発射から7〜9分で到達する場合は効果的は報復(抑止力)は出来ません。

 日本が98年8月のテポドン騒動で導入した国産・情報衛星(偵察衛星)は、今回のテポドン2の発射では解像度が悪く活用できなかったと報じられています。自前の偵察衛星導入を標ぼうし、約2500億円の巨費を投入して打ち上げられた偵察衛星がダメでした。日本の偵察衛星は光学カメラ、Lバンド・レーダーともに解像度が悪く、欧米で市販されている衛星写真(商業用)より荒くて、地上のものが精密に識別出来なかったためです。

 偵察衛星には約5年という寿命があります。これからも打ち上げ続けなければいけません。巨大な偵察衛星の運用費が底なし沼につぎ込まれることになります。今の偵察衛星は防衛予算枠ではなく、内閣府の予算で運用されています。しかし早期警戒衛星となれば防衛予算枠内となります。衛星関連の企業や利権政治家には甘い汁かも知れませんが、無能な偵察衛星に税金を使われる国民にとっては大きな迷惑です。

 同じような愚策を、日本政府は早期警戒衛星で繰り返そうとしているだけです。国民が正しい軍事知識を持って、このようなバカバカしい政策を止めさせる必要があります。

 小沢氏は米国のやり方に怒っている。(4月16日)

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  神浦さん、ごぶさたしています。

 4月15日のWhat's Newでの小沢一郎氏に関するコメントを興味深く読ませていただきました。

 関連して、お伝えしますと、西松建設から献金を受けた政治家摘発の背景には、やはり米側の日本政府に対するメッセージがあるとの話を聞いたことがあります。

 つまり西松建設は原子力発電所(原発)に強い建設会社と言われていますが、こ れから原発の増発を考えている米国は、政治家とつるんだ建設会社に進出してもらうと困るので、日本の政治家と建設会社のそのゆ着構造の一掃を求めたという のです。ありうることです。

 それが事実とすると、小沢氏は米側の「謀略」に頭にきているでしょう。だから米国憎しで、米軍再編や在日米軍のあり方に、明快な態度を取り始めたと言うのも一面、正しいのかもしれません。

 しかし、いずれにしろ、軍事問題についての、最近の小沢発言はまっとうな見識であり、なぜ、 そう言えるのか、を含めて、軍事に関する科学的な分析に立つ安全保障論が、まずは民主党の中で、そして永田町の政治の場で、論じられることを願うばかりです。

 (微力ながら、その努力をしていきたいと考えています)。

コメント

 小沢氏の「在日米軍は横須賀だけでいい」という発言が、与野党の政治家ばかりでなく、メディアからも批判されたことは驚きでした。

 米軍再編の本質がまったく理解されていないようです。日本や韓国から兵力を引き揚げたのは米国の事情で、日本がお願いしている訳ではありません。在沖の米海兵隊のグアム移転もそうです。

 そのために米国は部隊や兵器を進化させ、緊急展開能力や指揮・通信・情報能力を向上させています。日本や韓国から部隊を撤退させても、東アジアへの軍事力投射能力は高まると思います。

 同時に、アメリカの軍事費を軽減させ、兵士の負担を下げることができます。といっても、アメリカ軍には他にやることが山積しています。いつまでも東アジアに10万人の兵力を配備している余裕はありません。

 きょうもある新聞で元有力政治家が、東北地方の部隊に空自のPAC3を配備することを提案しています。住民の不安対策のためだそうです。この考えは明らかにPAC3の任務を勘違いしています。PAC3は重要軍事拠点(ポイント)を弾道ミサイルの攻撃から防衛するためで、地域(エリア)を守るためのものではありません。

 今回のテポドン騒動で、不要な危機意識の扇動は防ぐことができたと思っています。98年8月のテポドン騒動は本当にひどかった思い出があります。

 北朝鮮のミサイル技術でご質問があります。(4月11日)

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  神浦さん  いつもHP拝見させていただいております。

  はじめてメールいたします。恐れ入ります。

 質問があります。北朝鮮のICBMを製造する技術力についてです。 朝鮮日報の記事において、その能力は無いことがわかったが、 それが可能になるには、まだ数年は必要だろう、という趣旨のものが載っておりました。

http://www.chosunonline.com/news/20090407000006

 神浦さんはこのことに関して、どのようなご見解をお持ちであるのか お聞かせくださると幸いです。

 お忙しい中、大変恐縮です。宜しくお願い申し上げます。

コメント

 ゆっくりと時間をかけ、図などを描きながら、コーヒーを飲みながら説明すると楽しいでしょうね。

 しかし今日は時間がありません。今日は仕事ではなく愛用の自転車で横浜(中華街)まで往復してきます。気分転換を図るには太陽の下で運動をして体を疲れさせることが一番です。

 距離(短、中、長距離)に関係なく、弾道ミサイルに求められる性能は大きく3点です。射程、弾頭重量、命中精度の3点です。とくに北朝鮮の場合、距離(射程)ばかり気にして、弾頭重量(ペイロード)や命中精度(CEP)を無視しています。だから技術評価が極端に低くなります。

 弾道ミサイルの特徴は敵に迎撃されにくい点です。そのため目標にむかって姿勢を調整すると垂直に近い角度で落下してきます。マッハ5以上の高速で迎撃を防ぐからです。

 通常なら、北朝鮮のノドン・クラスでは命中精度(CEP)が1キロ以内(核弾頭)は絶対に欲しいところです。しかしとてもそのような精度は無理だと思います。

 以上のことをヒントに、弾道ミサイルに関する本を読むことをお勧めします。これだけの知識があるかないかで、本を読んだ後の理解度が数段ほど向上します。

 科学者から見た「テポドン騒動」の顛末。(4月8日)

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  神浦さん、こんにちは。久しぶりにメールします。

  私がよく見ているホームページに日本惑星協会というものがあります。(以下 URL)

http://www.planetary.or.jp/index.html

 そこにあるYMコラムというところに、航空宇宙関係者から見たテポドン騒動の 顛末が書いてありました。

 とりあえずわかったことは、北朝鮮が発表した「人工衛星」の軌道は科学的に合理的なものであること。それと、この種の発表で一番信頼できるのがやはり NORADのものであるということです。

  あとの雑感は根拠のある話ではないようですが、軍事とは別の観点からの視点で 興味深いと思います。

コメント

 やはりNORADのお墨付きは最も信頼性が高く、これを否定するためには想像を絶する研究規模が必要です。

 これはよく聞くジョークですが、もし宇宙でトナカイのソリに乗ったサンタが現れれば、NORADが一番早く見つけると言っていますよね。

http://www.noradsanta.org/ (※)

 北朝鮮以外の国で、人工衛星の打ち上げに成功したなんて言う人がいるとすれば、それは間違いなく日本人だと思います。NORADの凄さを知らない人です。

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※NORADのトナカイ探知について同じ方から追伸メールが届きました。

追伸

 NORADはサンタクロースを追跡し、その様子を公開しています。

 今はシーズンオフなので表紙だけですが、12月には再開するようです。  Wikipediaによると地元のスーパーの不手際からNORADの前身のCORADを巻き込んでしまって、そのままNORADになっても毎年イベントとしてやるようになったみたいですけどね。

 NORADのような機関がこんな遊び心のあることを毎年やっているというギャッ プが楽しいですね。

           テポドン発射の誤報について(感想)。(4月7日)

届いたメール

 神浦さん 

 昨日のスーパーモーニングでは、お疲れ様でした。限られた時間、また、他の出席者がおられる中で、いかに大事な点を視聴者に伝えるにご苦労された様子が伺えました。

 今回の、テポドン発射をめぐって、私は、特に、情報伝達についての不備に不安を覚えました。私事になりますが、亡父が、自衛官(空自)だったため、当時、官舎に住んでいた私は、明け方、非常呼集で、目を覚まされました(当時、中学から高校にかけてですが、それ以来、すっかり朝型になってしまいましたが…)。

 というのは、自宅が、連絡網の中継になっており、勉強部屋の前に、専用の電話と、一斉送信ボタンとそれを受けたという返答を知らせる電光掲示が並んでいる装置があったためです。今から見ると究極のアナログ装置であった訳ですが、返答がない宅に、確認に走るということを手伝った覚えがあります。(時として、電球が切れて、ランプが点灯しないこともありましたが)。

 ともかく確実に連絡が伝わる仕組みになっていました。そのような経験から、4日の最初の誤報は、携帯のメール送信によるもののようですが、独自の着信音も設定されていたと思いますが、文字だけでの情報伝達の手法に、軽さを覚えました。情報機器の進歩にそれを利用する情報の扱いに人間が追いついていけない、うまく扱えないところがあるように思わされました。

 雑文ですが、感想まで。

コメント

 どのようなハイテクの機械でも故障、誤作動を起こします。どんな優秀な人間でも、判断ミスや、間違いを起こします。それは絶対に防ぎようがありません。それは絶対に防げると考えるのは人間の”ごう慢さ”からです。

 そのような機械の故障やヒューマン・ミスを防ぐには、異なった情報ルートとの照合や、複数の者が情報をチェックしたり、情報伝達の過程の数カ所でチェックする”ダブルチェック”が必要です。

 またそれらのチェックシステムが正常に機能するためには、十分な教育や訓練を繰り返し行う必要があるのです。このことがまさに危機管理の基礎と思います。

 しかし自衛隊は防衛予算の奪い合いで、危機対象の能力に関係なく高価な兵器を求め続け、それを操る自衛官の教育や育成を怠ったと考えています。

 その好例がイージス艦「あたご」と漁船との衝突事故だと取材してわかりました。だからといって、事故が起きた現場の責任者を罰して、それで問題が解決するという思考ではだめなのです。

 幸い、北朝鮮の軍事脅威は10年以上前から極端に低下しています。中国の軍事的な脅威が顕著になるには10年以上の時間がかかると思います。この間の時間を活用して、自衛隊は30年後の自衛隊を目指して、今は人間(隊員)作りのシステムやノウハウに取り組むべき時と考えます。

 それに取り組まなければ、自衛隊の基本的なところでミスが多発することは防げません。そのことに自衛隊自身が気がついて欲しいですね。

           ちょっと不謹慎ですが。(4月3日)

届いたメール

 連日のテポドン騒ぎでお疲れ様です。お体に御気を付けください。

 海外に住んでいるので、いつも日本の軍事についての情報に感謝しております。

 しかし、海外に住んでいるせいで、北朝鮮については距離があるせいか、回りのメディアがあまり報道しないせいか温度が低く感じてしまいますね。

 そのせいか、専門家であればある程今回のテポドン騒ぎは危険が無いのを知っているので、部隊では実戦に近い訓練が出来るし、幹部や、国防省は存在が示せるし、予算も取れるし「北朝鮮様様」で、結構にんまりしているのではないかと不謹慎な想像ををしてしまいます。

 本当に誰にも何も無く、無事に飛び去ってくれることを願っています。(出来れば発射中止がよいのですが。)

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 今回はにんまりではなく、いかに今までの「デタラメ」を隠すかに必死だと思います。PAC3は首都圏全域を防衛できるとか、北朝鮮の弾道ミサイルには高い迎撃率の性能を秘めているとか、SM3はどのような弾道ミサイルであっても迎撃できるとかです。

 前回(98年)のテポドン騒動では、国産の偵察衛星とミサイル防衛を獲得しました。しかし今回はテポドン特需は諦めていると思います。まったその様な動きを感じません。

 日本政府が一番期待しているのは、テポドンが発射(エンジン点火)直後に爆発(出来れば大気圏内)して、その映像が世界中に配信されることだと思います。日本でMDの必要性を説得できる映像になりますから。また、一番期待していないのは、打ち上げに成功して、人工衛星(試験通信衛星)が地球を周回することだと思います。

 まあ、今となっては、これから北朝鮮で何が起こるか、注視しているしか方法はないようです。

           自衛隊のテポドン追尾はどのように行われますか。(4月2日)

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 神浦さん、お疲れです。いつも神浦さんのHPを読みながら、軍事の世界の科学的で神秘性に興奮しています。

 ところで米軍は、テポドン2発射の兆候を探るため、宇宙の弾道ミサイル発射・監視衛星やRCー135(コブラ・ボール)弾道ミサイル情報収集機、それに海軍のオブザべーションアイランド・ミサイル追跡艦などを活用していると聞きました。今回は新たに青森(車力基地)に配備したXバンド・レーダーと横須賀配備のイージス艦5隻が加わったことになりますね。

 米軍の場合は割と資料が多いのでわかりやすいのですが、自衛隊の場合はほとんど報道されていません。私が知る範囲では、海自のイージス艦3隻と、千葉県旭市のFPS−5レーダーがテポドン追尾の任務についているぐらしか知りません。

 この他に、テポドン発射の兆候を探るために情報収集している自衛隊の部隊がありますか。神浦さんのお知りの範囲や、話せる範囲で結構ですから教えてください。がぜん、今は自衛隊の情報収集部隊や施設に関心が出てきました。

 まさか自衛隊はテポドン2の追尾だけで、発射までの兆候を探っていない訳がありませんよね。神浦さんには普通の軍事常識でも、私にとってはミステリーの様に神秘的な世界です。

 よろしくお願いします。神浦さんのますますのご活躍を期待しています。

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 それだけ知っていれば充分と思いますが、日本にも独自の偵察衛星があることや、空自の美保基地(鳥取県)に有名な「ゾウの檻」(無線傍受施設)があることを忘れないでください。「ゾウの檻」は自衛隊統幕監部の情報本部・電波部に所属し、主に朝鮮半島の電波傍受を行っています。

 「ゾウの檻」では北朝鮮を飛行する航空機や海軍艦艇などが母港や基地との無線交信を傍受しています。かつて北朝鮮の不審船の電波情報を真っ先に傍受し、その位置を特定してきた実績があります。意外とこの実力は侮れません。

 それから海自の岩国基地(山口県)には、電子戦データ収集機のEP−3が北朝鮮方面の電波情報を収集しています。日本海の公海上を飛行しながら、北朝鮮がテポドンを追跡するための長距離レーダーなどの電波情報を収集しています。テポドンに液体燃料を注入し終わり、長距離レーダーが作動し始めると発射直前ということになります。(北朝鮮が行う事前の試験電波発信も解析します)。

 それからテポドンが沖縄方面に飛翔してくることを警戒して、鹿児島県の下甑島(しもこしきじま)には千葉県のFPS−5レーダーと同じものが3月31日に配備されています。

 それからあまり大きな声ではいえませんが、ミサイル発射場のある舞水端里の近海(公海)には、海自の潜水艦が潜航し、小さなアンテナだけを海面に出して、ミサイル発射場から漏れる微弱電波の傍受を行っています。この潜水艦が試験通信衛星「光明星2号」が発信する電波を、事前の試験電波(小出力)の発信段階で傍受した可能性があります。打ち上げが成功すれば大出力で電波を出すと思いますが、事前のテストでは出力を最小限に絞ってテストをするので、美保基地の「ゾウの檻」では微弱電波を捕らえることができません。

 まあ、この程度の情報なら、自衛隊の情報部隊も許容範囲と思います。

 このように北朝鮮には2重、3重の監視システムの網がかけられ、自衛隊は米軍と協力して、テポドンの詳細な動きを捉えることことが可能です。もちろんその陰には、情報収集を担当する隊員の日々の努力があります。情報活動は平時こそ戦時といわれ、平時での積み重ねこそが戦時に生かされるからです。

           ラジオ聞きました。(4月2日)

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 神浦さん、こんにちは。 いつもホームページを拝見しています。

 

  TBSラジオ「デイキャッチ」聞きました。

  はっきりと政府や軍需産業に対決する神浦さんは頼もしいのですが、政府の思惑を阻止する発言をなさっているので、微罪で逮捕拘留されないか心配です。

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 昨日の15時40分頃の放送ですね。あれには自宅から電話でTBSラジオのインタビューを受けました。

 でも、私は大丈夫と思います。でも、よく皆さんから「大丈夫ですか」と聞かれることがあります。私自身はそれほど過激な政府批判をしていないと思っています。(笑)

 尾行、盗聴など、まったく気にしていません。また気にする必要も感じていません。10年ぐらい前には、「北朝鮮の工作員に襲われるかも」と言われたこともありました。何も気にしないで、北朝鮮の批判をメディアでしていたからです。でも一度も脅迫や暴行を受けたことはありません。

 それよりも、話す内容に自信がなく、ボソボソと話したり、曖昧な表現で逃げる方が苦手です。

 今、心配なことはストレス(緊張感)からくる胃の不快感です。ところが昨日、ドッラグストアでストレスの胃のムカムカに効く薬を見つけました。使用法を読んでみると空腹時や食前に飲むように書いてありました。今までストレスのムカムカには、食後に胃腸薬を飲んでいましたから、用法が逆だったことに気がつきました。

 今回のテポドン騒動はこれで乗り越えることができそうです。なかなか人には話せない悩みもあります。

           テポドン2の打ち上げで注目すべき点は何ですか。(4月1日)

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  神浦さん、こんにちは。北朝鮮のテポドン2の発射準備でご多忙と察します。ご苦労様です。

 そこで端的に質問しますが、神浦さんが今度のテポドン2の打ち上げで注目していることは何でしょうか。教えて頂けませんか。

 ミサイルの技術面でも、打ち上げに関する政治的な駆け引きでも結構です。神浦さんが何に一番注目しているかに関心があります。

 できれば、テポドンが発射される前に教えて頂けたら幸せです。これからも神浦さんのご活躍に期待しています。頑張ってください。応援しています。

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 まず、皆さんにお詫びします。最近、テポドンの発射予告が迫ってきて、皆さんのメールの数が増えています。同時にメディア関連の取材が多く、なかなか頂いたメールを掲載してお返事を書く時間がとれません。しかし必ず全部読んで参考にさせて頂いています。そのことを大変済まないと思い、メールを頂いた方にお詫びします。

 そこでこのメールのお返事ですが、私は今回、北朝鮮の人工衛星がミサイル(ロケット)の3段目と分離するか、あるいは分離しないで内蔵したまま、地球の周回軌道に入るか注目しています。

 北朝鮮が打ち上げる「試験通信衛星(光明星2号)」は球体で、内部に無線機、ICレコーダー、電池が搭載され、周回軌道を回りながら、モールス信号か音楽(金正日賛歌か革命歌)を発信すると推測しています。

 もし打ち上げに成功して、ミサイルの3段目が宇宙空間に飛び出しても、弾頭から球体の人工衛星を放出しないで、第3段目に内蔵したまま周回して電波を発信する可能性があります。

 その場合、この人工衛星の内部に核爆弾は無理でも、炭疽菌(生物兵器)やサリンやVX(化学兵器)を搭載し、弾頭先端のノーズコーンを大気圏再突入に備えた球根形から円錐形に替えれば、長距離弾道ミサイルとして命中精度を向上させることができます。今回、北朝鮮はその実験を行うのではと予測しています。

 その場合、空自の車力基地(青森県)に配備された米軍のXバンド・レーダーであれば、人工衛星が分離(放出)されたか、内蔵したままかを識別できる可能性があります。

 太平洋上に配備されたイージス艦の高性能「SPY1レーダー」も、ミサイルの第3段目を追尾すると思いますが、人工衛星が分離か内蔵か識別できるか知りません。

 今回のテポドン打ち上げで、私が最も注目しているのはこの点です。北朝鮮は弾道ミサイルの疑いを晴らす意味で、あえて人工衛星を放出することも考えられます。このことも注目しています。

           発射された迎撃ミサイルはどこに落ちるのですか?(3月31日)

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  神浦さん、こんにちは。いつもホームページを拝見しています。

  ところで、北朝鮮のロケットに対抗して東北地方に配備されたとされる迎撃ミ サイル(PAC3)ですが、万一発射された場合、それが日本国内に落ちて、 人が死んだり家が燃えたりする危険はないのですか?

 素人考えでは、目標に当たらなかった場合にも、自爆して木っ端みじんになるなど、危険の少ない状態で落ちてくるのだと思うのですが、それでも、破片になって落ちてくるとされる北朝鮮のロケットと、危険性の点でたいして変わらない気がします。

 ついでのときにでも解説でふれていただけるとありがたいです。

コメント

 海上配備のイージス艦のPAC3は、迎撃ミサイルが目標を見失って自爆しても、海面に落下してくるので心配は軽減(ほとんどゼロ)されます。

 しかし陸上配備のPAC3の場合、迎撃高度が十数キロ低いので、破壊した目標や命中したPAC3の破片が人口密集地に落下してくる可能性はあります。

 例えば市ヶ谷駐屯地(東京都 新宿区)です。昨日、テレビの仕事で近くのマンション屋上から駐屯地内の配備の状況を見てきました。確かにPAC3の発射方向は、北朝鮮のある北西を向いて設置されていました。発射機の後方と側方に、高熱の噴射ガスから付近の建物(防衛庁・自衛隊)を守る隔壁がコの字型に設置してます。

 ですから市ヶ谷のPAC3が発射されると、発射機の場所を基点にして、北西10〜15キロぐらいの扇状の範囲に落下してくる可能性があります。ですからその地区の人は、”実戦”であるなら一時避難するか、堅牢な建物から出ない様にすることが必要です。

 しかし今回はいろいろな状況をみても、北朝鮮が市ヶ谷に向かって弾道ミサイルを発射してくるような兆候は見えません。今回は危険度(飛来する確率)が低いので、自衛隊は北西地区の住民に避難警告をださないのです。

 北朝鮮が市ヶ谷を狙う理由は、自衛隊の総合的な指揮を行う「中央指揮所」をまずダメージを与えると考えるのが軍事常識です。東京の中心地に近いからではありませんし、PAC3に広域な範囲を守れる能力はありません。

 昨日、気がついたのですが、PAC3の発射機は市ヶ谷駐屯地に配置されましたが、射撃統制装置とレーダー装置は外部から見ることができませんでした。もしかしたら朝霞駐屯地に射撃統制装置とデーダー装置を配備しているかもしれません。無線回線で約30キロ離れていても一体化した運用が可能です。そのための通信アンテナ(パラボラ)は確認しました。

           テポドンのことで基本的な疑問です。(3月31日)

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  いつも、見させてもらっています。

 特に、メディア報道でほんまかいな?って思うときは注意深く。

 ところで、本当に危険はないのですか? 北朝鮮の内部状況がわかりません。

 日本の太平洋戦争前夜と比較すると、まともな、政治家も軍人も戦争したくなかったはず。アメリカ

も日本が戦争にふみきるとは、思ってなかった。ただ、日本の一部軍人が国民を巻き込んで、虚勢が
虚勢をよび、突入してしまっちゃった。

 そんなこと、今の北朝鮮では考えられないのだったら良いんだけど。 非常に基本的な疑問ですが、不安です。
                                  以上、よろしく。

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 テポドン発射に関する政府関係者のコメントが、最近目だって穏健になっています。

「公表通りの打ち上げなら迎撃はしない」「実際に被害が出ることは考えられないが、我が国の領土や領海に落下してくれば、被害を最小限に抑えるために迎撃する」などです。以前のように「人の国の頭の上にミサイルを飛ばされていい気になる人はいない」「北朝鮮のミサイルが大気圏を出た時にイージス艦のSN3で迎撃する」などの勇ましい声は聞こえなくなりました。」

 北朝鮮も「我が国の人工衛星を迎撃する行為は宣戦布告と見なす」とは叫ばなくなりました。北朝鮮が今、一番恐れているのは、06年7月のテポドン2の打ち上げで、40秒後に空中爆発(墜落)したことでしょうね。今回も98年8月(第1回)、06年7月(第2回)に続く3回名ですから、2度あることは3度あるになるか、あるいは3度目の正直となるか。

 どちらにしても、これで北朝鮮と日米韓とが戦争を始めるようなことにはなりません。北朝鮮に戦争を起こしたり、戦争を続ける能力はありません。その点はご心配無用です。

           どうして偵察衛星の写真はボケているのか(3月30日)

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  神浦さん、こんにちは。今日は、神浦さんに教えて頂きたいことがあります。

 テレビや新聞で報じられる偵察衛星(商業用)の写真ですが、なぜ、いつもいつもボケている写真なのですか。解説で、「この車は作業車ではなく、高級乗用車と思われ、イランやシリアの要人が打ち上げ場を視察に訪れている模様」と話しても、その写真がボケていてトラックか乗用車の区別すらつきません。

 なぜ、あれほど不鮮明な写真なのに判別ができるか不思議です。わざとボケた写真を公表しているのですか。

コメント

 私がテレビ局内で見る写真は鮮明に写っています。また新聞社や雑誌社が正式に購入した写真も鮮明に写っています。

 テレビや新聞に使った場合は、わざとボカしているのではないでしょうか。でないと営業活動で売れなくなるからだと思います。軍事偵察衛星の写真のように、能力の解像度を隠すためにわざとボカすというよりも、営業サイドの理由からボカしているような気がします。

 でも確実な話しではありませんので、今度、テレビ局の報道部に行くような機会があれば質問してみます。06年7月のテポドン2の発射直後の衛星写真(打ち上げ台)を見て、何か異常な様子が映っていないか検討を行ったことがあります。

 あの時は発射約40秒後に爆発しましたが、打ち上げ場付近にはミサイルの部品が散乱しているような様子はありませんでした。

           「北朝鮮ロケット迎撃の計画はない」と米国務長官。(3月27日)

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  神浦さん こんばんは

http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200903260018.html

ワシントン(CNN) 北朝鮮が長距離ミサイルを発射台に設置したとされる問題で、クリントン米国務長官は25日、 米国が北朝鮮のロケットを撃ち落とす計画はないと表明した。ただし北朝鮮が発射に踏み切れば、 国連安全保障理事会に問題を提起する考えを示した。

 クリントン長官は「これは挑発的な行動であり、われわれは北朝鮮に実施を思いとどまらせるため最善を尽くしている。 これは安保理決議1718号違反の疑念を生じさせる問題だ。(北朝鮮が)発射に踏み切った場合、われわれは適切な措置を講じる」と述べた。

 韓国外務省の報道官も「北朝鮮が、韓国政府および国際社会からの度重なる警告を無視して発射に踏み切れば、 それは挑発的行動であり、北東アジアと朝鮮半島の安全保障にとって深刻な脅威となる」と指摘した。



 前回の日本近海への落下のときも、衛星なので問題ないと結論を出し、 今回も撃ち落すつもりはない(撃ち落せない)と言われ、日本だけがいきり立って、アメリカにはしごを外されるというみっともない状況になりました、。

 自国の上空を通過する日本と、届くか届かない分からない上、通常兵器、核兵器ともに最強のアメリカに、北朝鮮のミサイルごとき恐れる必要も無いということなのでしょうかね。

 アメリカはなんとしても北朝鮮と平和的な決着をつけるというのが、決定的な方針なんですね。

コメント

 今回の打ち上げが北朝鮮の発表通りなら、ハワイの近海上空を通過しても、さらには南米方向に向かうと思います。北米に落下することはないでしょう。だからアメリカは迎撃しないという宣言したと思います。

 それにハワイ上空でも飛翔高度は1000キロ以上です。国際的な領空侵犯は高度100キロ(大気圏)までで、それ以上は自由な航行が保証された宇宙空間ですから、アメリカが勝手に北朝鮮の衛星を撃ち落とすことはできません。

 これが日本なら、もし誤ってアメリカの本土に向かってきたらどうしょう。もしニューヨークに落下してきたらどうしょうという議論になっています。その点では日本政府の説明が大いに不足していると思います。

 日本は北朝鮮を嫌悪すべき独裁国家というイメージで認識し、そのような凶悪国家が日本の方向にミサイルを打ち上げるというイメージになります。日本はアメリカと比較して北朝鮮に対する温度差が大きくあると思います。

 例えば、アメリカが北朝鮮に行った「テロ指定国解除」など日本人には考えられません。

 ノーズコーンの形状と弾道ミサイル          (3月27日)

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 3月26日付の記事について簡単に。

  ノーズコーンの形状と弾道ミサイル、衛星打ち上げ機の区別とはなんら関係ありません。弾道ミサイルの再突入体にも先端の丸いものはいくらもあります。 例えばここに並んでいるアヴコ社開発の再突入体など。 左が古く、右が新しいようです。

http://media.photobucket.com/image/avco%2Breentry%2Bballistic%2Bmissile/

akind1050/AVCOICBMRe-entryVehicle.jpg

 先端が丸みを帯びた再突入体は、特に初期の弾道ミサイルによくありました。

  これは丸い物体が極超音速で飛ぶと、前方に離脱衝撃波が生じるからです。 離脱衝撃波はその名の通り物体から離れたところに出来ますので、物体に再突入の空力加熱が伝わりにくくなります。 つまり先端の丸い再突入体は、神浦さんが書いているのとは逆に、 再突入時の熱に関しては有利なのです。

  尖った円錐形の再突入体(上の模型の右の方のような)だと 衝撃波が再突入体の表面に付着するような形となり、 空力加熱が再突入体にもろに伝えられることになります。

  それではなぜ現在のアメリカやロシアの弾道ミサイルの 再突入体が円錐形をしているかと言えば、 出来るだけ抵抗を減らして高速の再突入を可能とし、 相手側の迎撃のチャンスを減らす、命中精度を高めるなどの理由があるからだと思われます。

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 そうですか。先が尖った円錐形の弾頭は、より高速で大気圏再突入をするための形状で、敵からの迎撃を避けるたでしたか。

 昨日、本棚からミサイル図鑑を取り出し、スカッドミサイルの先端が尖っていることと、98年のテポドンの先端が丸ことで人工衛星の放出を優先させ、大気圏への再突入は考えてないと推測してしまいました。

 さっそく本文に注意書きを加筆しておきます。本当は削除すればいいのですが、それでは私が間違えたことが記録に残らないので、同じような間違いをされる人が出るのを防ぐためです。

           田母神氏の発言は嘘か。(3月26日)

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  先日はメールを採用していただき有難うございました。(神浦・・・3月22日の「日本はテポドン2を迎撃すべき」のメールを頂いた方です)

  神浦さんの名前を間違えてしまい、失礼しました。

  さてテポドンですが、 たまたま今日は書店で、面白い本を見つけて購入しました。講談社から出版されている「自衛隊はどこまで強いか」で、あの田母神氏と潮匡人(まさと)氏との共著の本です。

  この冒頭に、PAC−3はテ゜ポドンを落とせるかの章で、田母神氏は自信満々に確実に落とせると言い切っていますよ。

 田母神氏は航空総隊司令とミサイル防衛の最高司令官である自分が言っているのだから、間違いないと。 但し、同時に10発上げられると難しいが、一発なら ほぼ間違いないと。

  これは、嘘ですか? だとすれば、大問題だと思いますが。

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 無邪気な田母神氏らしくて面白い話しと思います。

 私は政治家以外の人には、特定の人を指してネットや電波(テレビやラジオ)で悪口を言わないように気をつけています。(政治家の人も特にひどい場合以外は言わないように心がけています)

 PAC3のどれが本当なのか、いい機会ですから、自分で検証してみてください。

 太平洋戦争の時ように、科学的な根拠もなく「日本は神国で、今に神風が吹く」と同様のことを言っている人もいます。古代から人間はあまり進歩していないかもしれません。歴史から学ばない人間は進歩しません。

           北朝鮮が打ち上げるのはノドンBではないですか。(3月25日)

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 最近、在韓米軍の司令官が北朝鮮が新型ミサイルノドンBを開発したと言っていましたが 、北朝鮮が打ち上げるのはノドンBじゃなくてテポドンなのですか?

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 今までの情報を整理すると、間違いなくテポドン2を改良(大型化)した長距離弾道ミサイルです。なぜかと言えば、06年7月に打ち上げた時に使った地上の組み立て施設を、今回はさらに増築した衛星写真が公開されているからです。

 テポドンは最初に発射基地にある屋内施設で横に寝かせて組み立てます。次ぎに分解して発射台に運び、再度、1段目から縦に組み上げていきます。最後に液体燃料を注入して発射します。

 ですから増築した分、06年7月発射のテポドン2よりも大型化したロケットと推測している訳です。

 それからノドン(Bであっても)は、移動式発射台で運搬(機動)して、発射地点でミサイルを垂直に立てて発射します。ノドンとテポドンではまったく発射方式が違います。

 今回はテポドンの発射前後に、ノドンBも打ち上げる可能性があるという報道がありましたが、それなら明確に国連安保理決議1718号に違反し、弾道ミサイル発射の凍結を約束した平壌での日朝合意に違反します。北朝鮮はそれを避けるために今回は人工衛星の発射と事前通告しています。ですから今回は中距離弾道ミサイルのノドンや、短距離弾道ミサイルであるスカッドの発射はないと見ています。

           日本のミサイル防衛に代わる防衛方法はありますか。(3月25日)

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 神浦さん、この質問は神浦さんだけに出来ると思います。ぜひ教えてください。

 日本のミサイル防衛では、北朝鮮の弾道ミサイルの攻撃を防ぎ切れないとすれば、その他に北朝鮮のミサイル攻撃から日本を防衛する方法があるのですか。

 アメリカは3月18日に新型のミサイル防衛の迎撃実験を行って成功したと新聞で読みました。あのミサイルと日本のパトリオット・PAC3は違うのですか。

 もし北朝鮮のミサイル攻撃から日本を守れないなら、怖くなってしまいます。私と同じ気持ちの人は多いと思います。本当のところを教えてください。

コメント

 アメリカが3月18日にハワイ島のカウアイ島で迎撃実験を行ったのはTHAAD(戦域高々度地域防衛システム)という迎撃ミサイルです。PAC3ではありません。

 PAC3は射程が20キロでほぼ垂直に打ち上げますから、防御範囲は半径数キロの拠点防御用の迎撃ミサイルです。このTHAADは名前が示すように、拠点防御ではなく”地域”防御を目的に開発されています。そのため射程は200キロとPAC3の10倍に伸びています。迎撃高度は40キロ〜150キロの範囲と言われています。そのため防御範囲は半径10キロ程度に拡大していると推測できます。

 PAC3が市ヶ谷(東京)の防衛省(軍事中枢)を防衛するものなら、THAADは市ヶ谷から国会、官邸、霞が関、丸の内など、日本の政治中枢を守ることができます。しかし本当はカウンターフォースの視点から重要軍事施設を守るための迎撃ミサイルです。

 日本のミサイル防衛システムが北朝鮮のテポドン迎撃に役立たなくとも心配いりません。その代わりに日本には日米軍事体制という強力な報復手段があります。日本で北朝鮮の弾道ミサイル攻撃で被害が出れば、アメリカ軍が北朝鮮に軍事報復を行うことが決まっています。

 もしアメリカが北朝鮮への報復を躊躇(ためら)えば、日本は日米安保条約を破棄して、日本が自らの意志と能力で北朝鮮に報復攻撃を加える軍事力を構築すればいいのです。そのことで最も困るのはアメリカ、中国、韓国だと思います。しかし日本には国家として認められている自衛権があります。

 実は、ミサイル防衛といっても、まだまだ開発中の技術であって、アメリカでも確実な軍事技術(兵器)ではありません。ロシアや中国ではまったく未開発の兵器技術です。逆に言えば、だから核兵器保有国は核戦争の抑止力を得ることができたのです。どの国も弾道ミサイルで撃ち込まれる戦略核弾頭を防ぐことができないからです。

 そこでレーガン米大統領の時代から、ソ連の戦略核ミサイルを撃ち落とす研究と実験が始まりました。それが今も続いています。それでも本当に完璧な防御兵器になるかわかりません。ロシアはミサイル防衛を突破することに自信を持っています。アメリカがミサイル防衛で敵の弾道ミサイルを迎撃できるというのは、まだ完成された兵器システムではありません。

 とにかく今は、北朝鮮の弾道ミサイル(人工衛星)発射を恐れないことです。日本人(特に東北の方)がテポドンを恐れて外出を控えるど、北朝鮮が恫喝に効果があったと思いますから。

           日本のミサイル防衛でもテポドン打ち上げの失敗を防ぐ効果はあると思います。(3月24日)

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 神浦さん、今回の北朝鮮のテポドン発射と、日本のミサイル防衛のキャンペーンへの質問です。

 もし北朝鮮がテポドン打ち上げに失敗して、そのテポドンが日本に向かって飛んできた場合に、自衛隊のSM3やPAC3で迎撃できる可能性があると思います。

 それでも神浦さんはミサイル防衛が無力だといわれるのですか。日本に陸上配備のPAC3があるのなら、テポドンの飛翔コースに予定されている東北地方に移動して、打ち上げに失敗したテポドンや使用済みの1段目のロケット落下に備えるべきではないでしょうか。

 万全を期すという意味から、政府の決断は正しいと思います。

コメント

 たぶん、あなたのように考えてくれる人を期待して、政府は秋田市と盛岡市にPAC3を配備することは容易に察することができます。

 しかし軍事の場合、可能性と確率を厳密に分離して考えます。国家、民族を守るために軍事理論の効率性を最優先させるためです。

 そこで可能性と確率を考える上の例え話をします。

 例えば、セスナ機とF−15戦闘機が空中戦をすると考えます。セスナ機のパイロットが猟銃を1丁持って操縦していると仮定します。するとセスナ機がF−15戦闘機を空中戦で撃墜できる可能性はゼロではありません。油断して接近したF−15に猟銃の弾が当たって、セスナ機が撃墜する可能性があるからです。この場合、セスナ機がF−15を撃墜できる可能性はあるということになります。

 しかし現実では、セスナがF−15を撃墜できる確率は限りなくゼロに近いものです。F−15に対抗するためにセスナ機に猟銃を装備した空軍部隊を作る国はないでしょう。

 今、日本はセスナ機に猟銃を装備したPAC3で、迎撃できる可能性が限りなくゼロに近いテポドンの飛来に備えようとしています。

 テポドン2の改良型(大型化)であれば、日本の東北地方に飛来した時は数百キロの高度に達しています。空気の密度が濃い大気圏内を飛翔してくることはありません。テポドンが故障で迷走したり、切り離されたロケットが落下しても、それを正確に探知して、未来位置を割り出し、そこに迎撃ミサイルを誘導して直撃させることは、確率的には限りなくゼロに近いことなのです。

 わずかでも可能性があることを、さも確率が高いように言うのが詐欺師の騙しのテクニックです。軍事の世界では、冷徹で科学的な分析力が求められます。あんなものは役には立たないのです。

※私の若い頃に、セスナ機と最新鋭戦闘機の空中戦の例え話を教えて頂いたのは、航空評論家の青木謙知氏のお父様の青木日出雄氏(航空評論家・故人)からです。多くの貴重な軍事の教訓を教えて頂きました。

           最新情報の「カウンター・フォース」について。(3月24日)

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 00です。 

 最新情報の    (神浦・・・・3月19日の件です)

> 北朝鮮のミサイルを自衛隊のPAC3で迎撃するという話しなら、関東配備の一部部隊を三沢基地(青森県)に移動させるのは間違いない。陸上配備のPAC3が第1次的に防衛するのは重要軍事施設(これをカウンター・フォースという)からである。

 という表現に違和感を感じたので

http://www.alc.co.jp/の辞書を引いてみました。

 カウンター・フォース = counterforce

1.〔敵の攻撃{こうげき}に対する〕反撃能力{はんげき のうりょく}

2.〔敵への報復{ほうふく}としての〕軍事基盤{ぐんじ きばん}への攻撃{こうげ き}

 ◆軍事基地、攻撃施設など だそうです。神浦さんは1.の意味で使われているのですね。

  わたしは2.の方を連想したので、違和感を感じたようです。 あ、ひとつの言葉なのでなかぐろ(・)はいらないと思われます。 対になる表現として countervalue 〔敵への報復{ほうふく}としての〕一般市民{いっぱん しみん}への 攻撃{こうげき} があるそうです。

 ご参考までに。

コメント

 確かにカウンター・フォースとなかぐろ(・)はいりませんね。早速、訂正しておきました。それに説明する言葉として「対兵力戦略」を付け加えました。ご指摘、ありがとうございます。

 ご存じのように、戦略核兵器(ICBMなど)の命中精度の誤差が大きい時代は、戦略核兵器の目標を敵の大都市や大工業地帯に設定していました。そのため弾頭の破壊力も大きくメガトン級(TNT火薬換算)という大型の核弾頭を搭載していました。これが核戦略でいう大量破壊戦略です。敵が国家として存続することが出来ないダメージを与えるためです。

 しかしICBMなどの命中精度が向上して、正確に目標を破壊できるようになると、核弾頭の破壊力は数百トン(TNT火薬換算)クラスのものに変化していきます。敵の大都市や大工業地帯を破壊しなくとも、敵の軍事中枢施設を破壊して、軍事的な抵抗力を奪えば支配は可能という論理からです。これが戦略核兵器の対兵力戦略でカウンターフォースと呼ばれています。

 北朝鮮のノドンやテポドンが三沢基地を正確に命中させる性能はありませんが、日本側が守るとしたら三沢基地を最優先する理由になります。

 今日(25日)の朝日新聞の朝刊が、北朝鮮の人工衛星打ち上げに備え、空自のPAC3を秋田、岩手に配備(移駐)する方針を決めたと報じています。これこそが日本の虚しいミサイル防衛(MD)の現状を示す対応です。秋田県と岩手県には、県庁所在地にPAC3が配備しやすい自衛隊の駐屯地があるという理由だそうです。

           今回、北朝鮮が自信を持っているわけは。(3月23日)

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  神浦さん、こんにちは。

 今回、北朝鮮は事前にミサイル発射(テポドン2)を告知するなど、今までと比較して打ち上げにかなり自信を持っているように感じます。

 この自信はどこからきているのですか。前回は98年のテポドン1号を大型化したテポドン2を07年に失敗しています。今回はそれをさらに大型化したテポドン2の改良型です。

 自信を持てるような代物ではないと思います。どうして事前告知をするなどの余裕が生まれたと思いますか。

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 まず前回、98年のテポドン1を大型化したテポドン2を打ち上げた(失敗)のは、07年ではなく、06年7月5日です。発射後約40秒で空中分解した打ち上げでした。

 確かに、私も北朝鮮が今までない事前の打ち上げ通告に変化を感じています。その理由ですが、私は2つあると考えています。

 1番目は、イランが今年の2月2日に人工衛星「サフィール2」の打ち上げに成功しています。ご存じの様にイランのロケット(弾道ミサイル)開発は北朝鮮が主導する二人三脚です。当然ながらサフィール2号の打ち上げにも北朝鮮の技術者が深く関与していると思います。だからイランの成功に北朝鮮が自信を強めているのではないでしょうか。

 2番目は、金正日の健康悪化が深刻化して、そのため国民を鼓舞するために事前に知らせるという行動に出たのではと思います。北朝鮮の指導体制が、党、軍、親族の集団指導体制を取っているので、今までのように独裁者が責任問題を無視できる状況ではないのでは。打ち上げ失敗に備えた責任回避(国際機関の制裁回避)のための遵法なのでは。

 今回も打ち上げに失敗すると、国際的にはダメージは少なくとも、国内的には大きなダメージ(威信失墜)を受ける可能性が高いと思います。

           どうして人工衛星と長距離弾道ミサイルの打ち上げを区別できるのか。(3月23日)

届いたメール

  神浦さん、テポドン2の質問です。よろしくお願いします。

 北朝鮮はテポドン2を人工衛星と言っていますが、日本やアメリカは長距離弾道ミサイルの打ち上げと指摘していますね。

 人工衛星か弾道ミサイルの区別はどのようにして行うのですか。また北朝鮮が前回(98年)に打ち上げたテポドン1は、打ち上げに失敗したのに「人工衛星の打ち上げと確認した」と神浦さんが以前に書いているのを読みました。

 どうしてその様なことがわかるのですか。

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 そのことを何度かこのHPで説明しています。最近では、What New の2月24日のページで説明しています。(参照してください)

 98年8月のテポドン1の打ち上げでは、打ち上げ4日後に、北朝鮮が「人工衛星の打ち上げに成功」と発表しました。事実は、3段目のロケットに点火(2段目の分離)したことは、アメリカの監視衛星がロケットの噴射の熱源を探知して確認できました。しかし、その直後に3段目は地球の引力圏を脱することなく、地球(太平洋)に向かって落下しました。

 この段階では、まだ人工衛星か長距離弾道ミサイルの区別はできません。それからアメリカは無線傍受のデータを詳しく解析したところ、テポドン1の発射から落下(失敗)するまで、弾頭から微弱なモールス信号(無線通信)が発せられていることがわかりました。それでアメリカはテポドン1が公式に人工衛星の打ち上げ(失敗)と公表しました。

 モールス信号を発信しながら、テポドン1は飛翔していたのです。弾道ミサイルであればモールス信号を発信する機能を搭載することはしません。そのモールス信号が「金日成・金正日将軍を称える歌(歌詞)」だったのです。確か中国が初の人工衛星(長征1号)を打ち上げたときも、革命歌を音楽で放送した気がします。

 ですから今回、北朝鮮が人工衛星は「光明星2号」で、試験通信衛星というからには、発射直後の弾頭からモールス信号か音楽を放送すると思います。それがなければ人工衛星か長距離弾道ミサイルの区別はつきません。

           ミサイル迎撃への素朴な疑問です。(3月23日)

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  相当ご無沙汰しておりますのでご記憶にないかも知れませんが、000と申します。

 北朝鮮から発射されたロケット(ミサイル)を仮に撃墜できたとして、その破片が落っこちて来るのって、結構危ないのではないのでしょうか? (それができたとして)どこで(地理的にも高度的にも)撃墜するのかにもよるのでしょうが、 どこに破片が落っこちて来るか分からないよりはそのまま素通りさせた方が被害の範囲が少なくていいと思うのですが。

 破片が落ちるまでに燃え尽きるかどうかは、破片がどのくらいまで小さくなるかにもよるだろうし、破片の大きさは撃墜してみないと分からないのでは? ミサイルを撃墜する意味が分かりません。

 まだしも、ロシアからアメリカに向けられた弾道弾をロシア領内で撃墜するなら、アメリカ国内に破片が降る心配はないのかもしれませんが。

 変な質問ですいません 。  以上です。

コメント

 000さん、お久しぶりです。お元気でしたか。当方、最近は外で飲む機会が少なくなりました。

 現在のところ日本のミサイル迎撃で問題なのは、大きくいって2点だと思います。(迎撃できるかどうかとは別の問題です)

 まず、海上配備のイージス艦(海自)のSM3では迎撃高度は大気圏外の高度300キロぐらいになります。ここで破壊しますと、その破片が宇宙ゴミ( スペースデブリ space debris )となって宇宙空間を漂います。高度350キロぐらいに若田光一さん(45)がいる国際宇宙ステーション(ISS)が周回しています。その衝突の危険が高まることです。

 2番目は、地上配備のPAC3ですが、射程が20キロですから、高度15キロぐらいで迎撃すると、弾道ミサイルの弾頭に搭載された核物質(核兵器)や細菌(炭疽菌など)や化学剤(VXガスなど)を広範囲に飛散させ、地上に降り注いでくる可能性があります。それでは逆に被害を拡大させるという見方もあります。

           日本はテポドン2を迎撃すべきです。(3月22日)

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  毎日拝見させてもらっています。

  軍事オタクとしては、興味深い内容が多く 感心しております。

  さてテポドン2の発射で、北朝鮮の意図は ミサイル輸出へのアピールと、オバマ政権への揺さぶりだと思います。

  だとすれば、失敗は許されません。かなり自信があるのだと思います。

  で、日本政府の対応ですが、神浦さん(※)とは少々異なりますが、はっきりと迎撃をすると宣言して 迎撃をすれば、いいと思います。

 平和ボケした日本国民が、こんな事でもないかぎり真面目に防衛のことなど考えません。

 迎撃しても、できなかったら現在進行形のミサイル防衛への巨額な予算も見直されるきっかけになるかも。

 ※メールでは「神村さん」となっていましたが、勝手に「神浦」と訂正しました。

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 日本のミサイル防衛(MD)では、北朝鮮から日本に飛来するノドン中距離弾道ミサイル(射程1300キロ)を想定して配備しています。

 今回は人工衛星でも長距離ミサイルでも、イージス艦搭載のSM3対弾道ミサイルでは射程が400キロであっても、撃ち落とす高度は約300キロが限界で、そのはるか高空を通過します。

 北朝鮮が打ち上げに失敗しても、どこに落ちるかわからないキリモミ状態であれば、イージス艦が未来位置を想定してSM3を発射して迎撃(命中)させることは無理です。

 また地上配備のパトリオットPAC3は拠点防御用の対弾道ミサイルで、半径数キロの範囲をカバーするだけです。例えば軍用の飛行場や港湾施設です。マッハ5以上の高速でほぼ垂直に落下してくるミサイルの弾頭を、地上からPAC3をほぼ垂直に打ち上げて正確に命中させるためです。

 これは極秘情報ではなく、自衛隊員ならだれでも知っていることです。政治家が国民の不安を取り除くため、”鰯(いわし)の頭”でテポドンの直撃は防げると言っているだけです。

 これはプロの自衛官(例えば海幕長や空幕長)が国民に説明すべきことなのです。今の騒動を政治家の無知で逃げてはいけないことです。

            応募:テポドンなんて怖くない、怖くない♪(3月21日)

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  神浦さん 00と申します。

  テポドンなんて怖くないキャンペーンに応募させていただきます。

  まず、用意するものは日本の外交官とNHKおよび広告代理店の幹部数名です。

  えー、ゴホン。

  今回の貴国による人工衛星打ち上げについては、もっと早く我が国にご相談いただけなかったのが残念です。時期がもっと早ければ、我が種子島宇宙センターの射場を格安でお貸し出しするプランをご提案することもできたのですが、今となっては間に合いませんね。

  この話は今後の機会に譲るとして、貴国による人工衛星打ち上げには我が日本国民も高い関心を寄せており、ぜひとも我が国テレビ局によるロケット打ち上げ シーンの生中継を実現したいと考えております。もちろん無料でとは申しませんで、貴国にて放映権料を設定していただくこともできますし、さらには1990年のソユーズロケットによる日本人打ち上げ時のごとく機体各部に広告枠を設定してスポンサーを募ることもできましょう。

  これを実現できれば、貴国にとっても大きなビジネスチャンスを期待できます。 といいますのは、我が国においては、国策としての宇宙開発とは別に、人工衛星 「まいど1号」をはじめとする民間企業や研究機関、教育機関による衛星打ち上げ需要が今後高まると見込まれているのです。そこで貴国の先進的なロケット技 術をこの機会に大いに宣伝し、我が国をはじめ各国からペイロードを募ることで 貴国における今後のロケットビジネスの大いなる発展を期待できるものと考えております。

  私ども日本国外務省としても、このプランを実現すべく全省あげてバックアップ する所存でございますが、いかがでしょう閣下!

 とか言って企画書もって平壌に行ったら、今なら案外断られないような気がするのですが、ダメでしょうか?

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 だめだめ。これでは防衛相の”テポドン撃墜”発言と同じレベル(笑い)になってしまいます。

 でも面白いから、座布団3枚です。

 日本の外務省もダメモトで、北朝鮮に提案してみる価値はあると思います。

 このホームページは北朝鮮も関心を持って見ていると思いますから、その筋から連絡があれば直ちに貴殿に連絡し公表します。もし北朝鮮と日本が”打ち上げ協力”に合意すれば、広告収入の3割を貴殿に支払うように請求します。当方の仲介手数料は5パーセントと規定しています。

 まだまだ何通かのメールが届いています。でも、大部分が真面目なメールです。明日以降のメール掲載を楽しみにしてください。

           テポドンの「残骸ハンター」は安全ですか? (3月21日)

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  神浦さん、こんにちは。

 本日HPを拝見して、「怖くない!怖くない♪」キャンペーンとは本当に変化球でTVや雑誌ではできない。 この奇抜さは良いと感じました。

  打ち上げの迫るテポドン2改の、下段や他役目を終えた部品といった「残骸」が日本本土にも落下するといいますが、素朴な疑問、兵器の分野では常にありそうな、これらを発見確保しようとする「残骸ハンタ ー」 はやっても安全でしょうか。

  かつて日本やドイツのロケット燃料はものすごく不安定、強毒性で扱う兵士は防護服が必須だったといいます。 「素手は厳禁」「ガイガーカウンターを持つのが推奨」など知識啓蒙が必要でしょうか。

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 落下物に危険な物質はないと思います。でも、見つけても触らず、警察に電話して、自衛隊か消防などで毒物検査をした方がいいのでは。

 そこで思い出しました。25年ぐらい前のことですが、岩国基地(山口県)の米海兵隊戦闘機が、広島県の山中(芸北町・当時)に空対空ミサイルを落下させたことがあります。私はその取材で現地に入りました。

 しかし当時でも、警察の機動隊や消防団が山中を捜索しましたが発見できません。3日目ぐらいの夜、民宿で休んでいると、警察無線(当時はアナログで傍受可能)が「ミサイルを積んだトラックが00地区の県道を走行中」と叫んでいます。

 カメラを担いで、急いで車で駆けつけると、何と電柱1本を積んだ”電気工事会社のトラック”を警察のパトカーが包囲していました。住民が電柱をミサイルと誤認して警察に通報したのです。

 この騒動のおかげで現地取材を週刊誌の記事にすることができました。その騒動がなければ、毎日、近くの峠に車で行き、警察無線を聞きながら、弁当を食べて帰って来るだけです。警察も消防団も動いたのは1日だけで、どこの山に入って捜索していいのかわかりません。

 結局、その空対空ミサイルが見つかったのは1年後です。山中にキノコ(山菜?)取りに入った人が、半分、土に埋まったミサイルを発見しました。

 今回、テポドン2が日本の領土に落下する確率は5パーセント以下だと思います。95パーセント以上は日本海や太平洋に落下するのではないでしょうか。(精密に算出した数字ではありません)。

 さらにそれがどこに落ちるかは、空自の車力基地(青森県)に配備された米軍のXバンドレーダーのデータを数日間解析して、破片の落下予想地域を割り出すしかありません。

 素人が見つけるというなら、宝くじで3億円を当てるほうが確率が高いと思います。

 浜田防衛相が撃墜命令を出すというのは、それくらいの確率を知った上で、”鰯(いわし)の頭も信心”で出しているのです。日本がMDを配備したからには、”鰯の頭”でも撃墜できるような素振り(そぶり)が必要なのでしょう。

           テポドン2を迎撃できる領空侵犯範囲とは。(3月21日)

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  神浦さん、こんにちは。いつもホームページを拝読しています。自分は軍事知識がある方とは言えません。でも神浦さんのホームページは難なく読むことができます。

 そこで神浦さんに教えてほしいのですが、浜田防衛大臣が北朝鮮のテポドン2を撃墜すると話しています。本当に日本は北朝鮮の人工衛星を撃墜してもよいのですか。

 日本の上空を通過するからと聞いています。テポドン2を日本の領空侵犯としてミサイル防衛で撃墜しても国際法は禁じていないのでしょうか。

 今まで他国の人工衛星打ち上げ直後を撃墜したと聞いたことがありません。そのあたりのことを教えてい頂けないでしょうか。

 これから4月のテポドン2の発射までお忙しくなると思います。頑張り過ぎないように、お体に気をつけて頑張ってください。微力ながら応援しています。

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 昨日、ある新聞記者の方から同じ質問をされました。意外と知っているようで知られていないことを知りました。

 領空の範囲は、領土と領海(12海里)の上空で、上空は大気圏と宇宙との境界域ぐらいです。高度でいうと80キロ〜120キロぐらいで、便宜上、私は高度100キロ前後が領空の範囲と書いています。

 ですから、もしテポドン2の上昇(ブースト)段階終了時に分析し、弾道ミサイルが日本に向かうなら、海自が配備するイージス艦搭載のSA3で迎撃できます。

 しかし日本上空を100キロ以上の高度で通過すれば、領空侵犯になりませんから、日本が撃墜することは国際法的に無理で、軍事的(兵器システム)にも撃墜することはできません。テポドン2が長距離弾道ミサイルなら高度数百キロで日本上空を通過します。

 浜田防衛相が言っているのは、明らかに日本に向けて発射した場合と、人工衛星の1段目や2段目が切り離されて領空に落下してきた場合と、ミサイル(ロケット)がコントロールを失って迷走して日本に落下してきた場合のことです。

 もし故障や迷走で日本に向かえば、テポドンに搭載されている自爆装置が作動するという人がいますが、そんな自爆装置がついているほど立派なものとは思えません。それよりも弾頭が地球の引力圏を脱するための秒速7,9キロ(宇宙第1速度)を出すのに必死で、自爆装置など重量と容量が大きくなるものは省いているというのが常識的です。

 上空数百キロ上空に達すれば、故障や迷走で失敗し、大気圏を通過して落下してくれば、大気との摩擦でバラバラになると思います。自爆装置を作動させる余裕はありません。

           イランの無人偵察機はアバビル3型だそうです。(3月17日)

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  神浦さん、おはようございます。

 ご存じかも知れませんが、昨日のイランの無人偵察機のことを、今日の産経新聞でイラン国産のアバビル3型と報じています。

 アバビルは240キロ程度の航続距離で、ペイロードが40キロ強でカメラを使った空撮のほか、爆弾を搭載して自爆攻撃が可能だそうです。

 私はアバビルのイラク領空侵犯は、偵察衛星を持たないイランが、イラク国境周辺の米軍基地を探り、イラン侵攻のための物資集積などが行われていないかなど、以前から定期的な情報収集活動が目的と推測しました。

 そのような可能性はありませんか。

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 その可能性は十分にあると思います。アメリカ軍が本格的なイラン軍事進攻を想定しなくとも、イラク撤退前にイラン国内(国境近く)に隠されたIED(仕掛爆弾)工場を破壊する秘密作戦を実施する可能性があります。

 今のところ、米軍もイランの意図を図りかねているのではないでしょうか。そこで1時間10分にわたって追跡して、飛行コースを分析したと思います。また、撃墜した無人機の機体も回収して、何らかの情報が得られないか調査したと思います。

           広島県・呉の大和ミュージアムに行きます。(3月17日)

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  神浦さん、こんにちは。アメリカのLA在住の00と申します。

 この前、こちらのテレビのニュース番組(日本のテレビ局)でお顔を拝見しまた。私が想像していたよりお若いので驚きました。神浦さんは初老の方だと勝手に想像していましたから。

 ところで来月の桜の花が咲く頃に、家内と二人で日本に行きます。毎年1回、10日間ぐらいの予定で日本各地を旅行することを楽しみにしています。

 今年は宮島、萩、岩国、下関などの史跡を巡ります。その中でも、呉にある大和ミュージアムを初めて見学するのを楽しみにしています。

 そこで神浦さんにお尋ねしたいのですが、大和ミュージアムでお勧めの展示は何ですか。広島は神浦さんの出身地と聞いております。他にも、お勧めの観光ポイントがあれば教えてください。

 これからも神浦さんのホームページが長く続くことを期待しています。

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 よく私が自分の年齢を言うと、「若いですね」と言われることがありますが、今年の7月で還暦になります。まだ初老には早いかもしれませんが、Gパンにラガーシャツを着て歩いていると「若作り」とからかわれます。でも”老は気から”と考え、日々、好奇心を失わないように頑張っています。

 大和ミュージアムには昨年のクラス会(ミニ)に帰省した時に行きました。なかなかの迫力に驚きました。日本ではこの種のミュージアムはいつも失望することが多いのですが、大和ミュージアムは全体的に満足でした。私の子供の頃は零戦に大和ですから、子供の頃に作ったプラモデルの思い出と重なりました。

 もし時間があれば、ロサンゼルスを出発する前に、戦艦・大和のプラモデルを買って作るか、日本で買って帰って作ることをお勧めします。とてもいい記念になると思います。

 それから大和ミュージアムに隣接している「てつのくじら館」を見学することをお勧めします。涙滴型潜水艦「あきしお」を陸上展示しています。潜水艦の中を見られるように見学コースもあります。ハワイのパールハーバーにも潜水艦(第2次大戦に使用)の展示施設がありますが、涙滴型・潜水艦は呉だけと思います。(無料)

 もし大和ミュージアムだけを見学して、隣の潜水艦「あきしお」に気がつかないで帰った”もったいない”ですね。

 潜水艦で保存食糧のタマネギやジャガイモをどのように保管しているか、私が想像していた低温保存ではないようでした。

 それから自由時間があれば、広島市の本通り商店街の近くにある袋町小学校に行くことをお勧めします。ここに被爆(原爆)直後に小学校の壁に書かれた「訪ね人」や「避難先」を書いた落書きが展示されています。小学校の改装工事で偶然発見されたものです。(無料) 公開している時間や曜日が決まっていると思います。ネットで調べて都合のいい時間を見つけてください。

 宮島の厳島神社は平家の清盛が建造しましたが、戦国時代には毛利元就によって古戦場にもなりました。そんなことを知って、宮島を散策するのも楽しいと思います。

 それでは楽しい旅行を祈っています。奥さまによろしく。

           白燐弾についての特集記事が書かれています。(3月15日)

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  神浦さん ご無沙汰しております。

  ひょっとしてご存知かもしれませんが、今月10日発売の「軍事研究」2009年4月号に、野木恵一さんが白燐弾についての記事を書かれています。

 非常に興味深い内容ですので、是非一読された上でご感想を聞いてみたいので、 よろしくお願いいたします。

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 野木さんの記事は大好きで、軍事誌で目につくと必ず読むようにしています。この記事についても、郵送で送ってきたときに読みました。まさに野木さんらしい良い記事と思って読みました。

 私とは白リン弾に対する考えが違うかも知れませんが、大いに参考になりました。またネットで白リン弾について情報が飛び交っていたとは知りませんでした。私は白リン弾が酸欠させて窒息させる兵器とか、白煙は化学兵器で有毒という記述があったことは知りませんでした。

 白リンに発煙効果を期待して市街地に投射することと、燃焼効果を期待して人口密集地に投下することでは意味が違うというのが私の主張です。アメリカのCNNテレビや英国のBBC放送、日本のNHKも同様の考えだったと思います。(現地報道や専門家が解説)

 よくご存じのようにネットの中には、いろいろな情報が混在しています。これからは誰もが優良な情報を選択できる能力が問われますね。野木さんの記事はその中でも最優良のひとつです。

 来月にも発射が予測されている北朝鮮の人工衛星打ち上げですが、すでに滅茶くちゃなコメントを見ました。@イージス艦のSM3はテポドンの上昇(ブースト)段階を撃墜する。A今回の発射で北朝鮮はアメリカのシアトルを狙っている。BパトリオットPAC3は近接信管で、そばを通過したけで撃墜できる。だから迎撃率は90パーセント以上。・・・・・・これを実在の軍事専門家(自称)がメディアに話しています。

 これからどのようなものが飛び出すか、興味津々です。でも、その中には参考になる優良な情報も必ずあると思います。その点で、油断できません。

           尖閣諸島関連の報道を通じた日米安保世論について。(3月13日)

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  神浦さん

 いつもHP読んで勉強させていただいております。 先日宇宙開発のメールを差し上げたものです。

 今回は、尖閣諸島と中国沿岸での米海軍調査船に関する中国の対応に関することで2点ほど腑に落ちないことがあり、神浦さんの見解をお伺いできればと思いメールいたしました。 日本のメディアの報道を検証する内容のため、英語のリリース情報源などで検証した結果、少し長くなってしまいますが、お時間ございましたら神浦さんのご意見をいただければと思います。

  神浦さんご意見をお伺いしたいのは以下の2点です。

1.尖閣諸島紛争時の日米安保適用や軍事的な即応性に関してマスコミや日本の一般の世論は勘違いしていないか?

2.今回の米海軍調査船に対する中国船の妨害行為は党の指示でコントロールされているものなのか?

 2009年3月5日に読売新聞に以下のような報道がありました。

「尖閣諸島に安保条約適用」米国務省が公式見解

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090305-OYT1T00621.htm

 過去にブッシュ政権の時代には、アミテージ氏のようなタカ派・知日派のアメリカ の高官が尖閣諸島は日米安保の適用範囲である、という発言を受けて2004年3月24日 の時点では、アメリカ国務省のエレリー報道官は以下のよう言っています。

http://www.globalsecurity.org/military/library/news/2004/03/mil-040324-usia03.htm

MR. ERELI: The Senkaku Islands have been under the administrative control of the Government of Japan since having been returned as part of the reversion of Okinawa in 1972. Article 5 of the 1960 U.S.-Japan Treaty of Mutual Cooperation and Security states that the treaty applies to the territories under the administration of Japan; thus, Article 5 of the Mutual Security Treaty applies to the Senkaku Islands. Sovereignty of the Senkaku Islands is disputed. The U.S. does not take a position on the question of the ultimate sovereignty of the Senkaku Diaoyu Islands. This has been our longstanding view. We expect the claimants will resolve this issue through peaceful means and we urge all claimants to exercise restraint.

 要約するとポイントは以下の通り、

・沖縄返還後、米国務省の認識は尖閣諸島の施政権(administrative control)日本政府の管理下にある。

・従って日米安保の第5条は尖閣諸島にも適用される。 ・現状では、尖閣諸島の領有権(sovereignty)は問題化している。

・アメリカ合衆国は、尖閣諸島もしくは魚釣島の最終的な領有権に関しては明確に 結論づける立場にない。

  そして日米安保の第5条の原文はというと、

ARTICLE V

Each Party recognizes that an armed attack against either Party in the territories under the administration of Japan would be dangerous to its own peace and safety and declares that it would act to meet the common danger in accordance with its constitutional provisions and processes. Any such armed attack and all measures taken as a result thereof shall be immediately reported to the Security Council of the United Nations in accordance with the provisions of Article 51 of the Charter. Such measures shall be terminated when the Security Council has taken the measures necessary to restore and maintain international peace and security.

  肝心なところは、日本施政権下にある領土や日本にあるアメリカの主権が認められた領土(大使館や在日米軍基地)が武力による攻撃を受けた場合、日米双方の憲法、法律の規定によって行動を取る。としかいっておらず、そのような事態が起こった場合は、国連安保理に報告を行い国連憲章第51条にそって国際秩序を保つために必要な手段をとっていく。

 カンタンにいうと、例えば人民解放軍が米軍基地のない尖閣諸島に上陸・占拠(恐 らくこのパターンの可能性は限りなく少ないと思いますが)しても米軍は、自国の議会の承認を得ること及び国連での当該地域からの中国軍排除決議がされない限りは、即応的に海軍や海兵隊を展開することはほぼあり得ないとこの条約文は示していると思いますが、日本でのマスコミの報道では、このような前提には触れず、まるで武力排除を米軍がしてくれるような論調になっているのが非常に気になりま す。

  また、上記の報道を読売新聞が行った後の3月5日(米国時間)にアメリカ国務省の Daily Press Briefing(日本の記者クラブにあたるような記者会見)で読売新聞の女性記者が、3月5日(日本時間)に自社が報道した情報ソースの裏取り、言質を取ろうとして、米国務省報道官に質問した記録が米国務省のHPにありますので、参考までに日本語訳もお送りします。

↓ブリーフィング動画

http://www.state.gov/video/?videoid=14880349001

 14分5秒目くらいから読売新聞女性記者の質問が始まります。

↓ブリーフィング議事録

http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2009/03/120056.htm

QUESTION: On Senkaku Islands, because our reporter just ? in Japan just had an exclusive interview with spokesperson of Japan-U.S. affair.

  読売新聞女性記者:尖閣諸島の問題に関して、我々のレポーターが米国側で日米外交に携わるスポークスマンと独占的なインタビューを行いました。

MR. DUGUID: Yes. ドゥーグィッド報道官:そうですか。

QUESTION: And he indicated that U.S. has advised to Japan on Senkaku Islands issue very clearly, that Senkaku Islands actually includes in Treaty of Mutual Cooperation and Security between the United States and Japan. So can you confirm that statement?

読売新聞女性記者:その内容は、アメリカ政府として尖閣諸島は日米安保が適用さ れる範囲内であると明確に意味する内容でしたが、国務省としてその声明を確認できますか?

MR. DUGUID: I can't confirm that statement right now. I'll try and get you something right after the briefin

. ドゥーグィッド報道官:今はそのような声明を確認することはできませんが、このブリーフィングが終わった後にいくつかお話することはあります。

  昨年末にアメリカ国務省が、外部のシンクタンクを使って中日外交関係を分析した上で議会に対する提言書を提出したレポート

( http://fas.org/sgp/crs/row/R40093.pdf

 Sino-Japanese Relations;Issues for U.S. Policy,Dec. 19, 2008)資料においても、アメリカは日中関係のリージョナル パワーとしてのバランサーとして機能するよりも、日本をアメリカの安全保障の傘 から解き放って(原文は以下の下線部が引いてある箇所です)、アメリカの地域政 策において日本政府に対して日本をもっと筋肉質で力強い国になるよう促し、急速に増大している中国のカウンターバランスとして機能させる選択肢も示唆していま す。

24ページにある“Regional Power Balance Issue”の章にある選択肢の中の一つを抜粋。

the United States should avoid sitting on the policy sidelines or acting as a balancing agent between Japan and China, and instead should “unleash” Japan from some of the more restrictive confines of the U.S. security umbrella. For example, they say, U.S. policymakers could encourage Tokyo to develop a more muscular regional policy and a more robust military posture to provide a counterbalance to growing Chinese power.

またこの提言書の中(P.19)にも繰り返し尖閣諸島に関しては、

Former Deputy Secretary of State Richard Armitage asserted in 2004 that the U.S.-Japan treaty extends to the Senkaku Islands, but official guidance from the Departments of State and Defense declare that the U.S. government does not take a position on the question of sovereignty of the islands.

 2004年にアミテージ氏が日米安保の有効範囲であると主張したことはあったものの、国務省及び国防省の公式な方針(ガイダンス)としては、領有権の問題に関して、アメリカ政府は公式には立場を明確にしない。

  これらの条約内容やアメリカ政府のリリース化された事実から考えると、アメリカ政府が本当に言いたいことは、尖閣諸島で将来起こりうる軍事的衝突に関して、LIC の場合であれば米軍は関与しません、在日米軍に危害を与えうる可能性がある大規模紛争に発展しそうな場合は、日米安保は適用されますと言いたいところを、日本政府に配慮してストレートな表現を公の場ではさけており、読売新聞が報道してい ることは100%間違ってはいないけれども、exclusive interview(公の発言とは解 釈できない独占取材)やback door interview(政府筋の記者会見とは違う非公式の 場で発言したコメント)の類をあたかもアメリカ政府の公の見解のように記事化するのは国民に正しい認識を与えない誘導記事ではないかと個人的には思ってしまいます。

  そして読売新聞が報道したような、米国政府が日本政府に対して尖閣諸島は日米安保適用地域であるという内容は恐らく、『アメリカは尖閣諸島の施政権は認めるし、それが侵略されないように、情報(インテリジェンス)と抑止力を日本には常に提供する』という程度のものではないかと思います。

  公式の場では、領有権に関してアメリカは関与しないと明確な立場をとっているにも関わらず、日本の報道はなぜ日米安保をあたかも自衛隊に米軍が加勢するかのごとく書くのか?

 4,5前のスマステーション(テレビ朝日系列全国ネット)というテレビ番組で日米安保条約を英語でなんと言うか?といような番組コーナーの一連で、スマップの香取真吾が横須賀の米海軍基地に係留されているイージス駆逐艦を見学しにいくという企画がありました。彼がミサイル発射口や艦内を一通り案内されて、艦橋にいる艦長に取材をするシーンがあり、その時に香取君が無邪気に『すごいですねこの 船は!!日本に万一のことがあったらこの船が日本を守ってくれるんですね?』という問いに対して、艦長はイェスともノーとも言わずに英語で明らかに、“If our President gives us an order, it is not really for us to decide.”(政治家である大統領から命令を受けたらね、でも我々が決めることではないんですよ・・・)と いうように軍人の模範解答をしていましたが、日本語訳の字幕スーパーでは明らか に、“はいそうできるといいですね”というような意味の日本語になっており愕然と したことも思い出しました。

  冷戦が終わった今、日米安保条約の内容を見直す議論があってもいいと思います が、そこには国民の大多数が納得するような、日本がどのような国になりたいのかという国のグランドデザインを描く力、その為に日本にとっての国益はなんなのか?それをどのように守るのか?というようなことを考える政治家がでてこない限 り、変化の早い世界情勢に適した日米相互の安全保障条約が結べないのではないかと思います。

  個人的に思うのですが、中国がここまで経済的に発展をして国際社会のなかで責任 を求められる立場になると、近い将来いくら人民解放軍の制空権や制海権が自衛隊と五分五分になったとしても、いきなり尖閣諸島に軍隊を出すという可能性よりも活動家たちを居座らせて既成事実を作り、日本政府にジャブを打って出方を見る、というような小競り合いに毛が生えたような狡猾なやり方をしかけてくるのではないかと思います。この時に日本の警察力である海上保安庁や沖縄県警に警察力で離島に対する上陸作戦及び不法入国者を排除するような能力が現状としてあるのか?

  さらにそのような中国の軍事的冒険を挫くような海兵隊のような機能を持つ兵力を なぜ自衛隊は師団規模で創設しようともしないのか?政治の問題なのか?国会での左翼勢力の抵抗が問題なのか? 総合すると当の本人たちである防衛省自体が、まだまだ人民解放軍相手にそこまでする必要はないだろう・・・と思っていたりするのでしょうか?

  次に米海軍の調査船が中国籍の船(AP通信の報道では5隻の内3隻は政府の所有する当局の船で2隻は小型トロール船)が調査中止、進路妨害のニュースですが、これ も日本のマスコミがあまり報道していない伏線として以下の事実があります。

http://www.military.com/news/article/March-2009/us-claims-china-harassed-navy-ship.html

 3月4日(水):黄海上(中国沿岸から231km)で活動していたアメリカ海軍の調査船ヴィクトリアスに対して中国の沿岸警備隊の高輝度スポットライトを事前警告な しに長時間当てる事件。

  3月5日(木):同艦に対して、中国軍のY-12が12回にわたり近距離飛行で接近。

 3月5日(木):南シナ海上でインペッカブルに対して中国のフリゲート艦が同艦の 船首90メートル前まで接近。その後Y-12が同艦に対して1回の近距離フライバイを実 行。

 3月7日(土):同海域のインペッカブルに対して中国調査船が艦橋同士の無線チャ ネルを通じて同艦の活動が違法であること、海域から退去しない場合は実力行使することを警告。

 こうした事実から今回の一連の事件は以下のような見かたができるのではないかと 個人的には思います。

 予想範囲内の見方としては、

@2001年にブッシュ政権が誕生した時に人民解放軍機がアメリカの電子偵察機と事故 を起こして、EP-3Eを海南島に強制不時着させた件と同様、誕生間もないオバマ 政権にジャブパンチを与えてオバマの出方を伺うために起こした、共産党が管理 して計算しつくされた外交(show of force:威力外交)の末端の一部である可 能性。

今後懸念が残る見方としては、

A楊外交部長の訪米が今週から始まること、また5ヶ月間止まっていた米中の軍事相互交流が再開することが1月末に決定した直後の事件である事実から、小競り合 いをして重要な外交懸案がある前に文民である党中央部が自らアメリカとの関係 を損なうことをするか?という疑問があり、これは胡主席や党の中央部が軍管区の海軍軍閥を完全にコントロールできなくなり、人民解放軍海軍の一部軍閥が意 図的に中央が進めている友好外交を頓挫させるために横槍を入れた可能性。

  という二通りの見方ができなくはないでしょうか?

 以上非常に長くなってしまい恐縮ですが、軍事から見た外交としてはどのようなご 示唆がございますでしょうか。

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 先日のWhat New にも書きましたが、中国政府や中国海軍には国際海洋法に対する知識が不足しているように思います。

 中国が日本やアメリカに、直接武力行使に移るという可能性は低いと思います。当分は根気よく、中国に説明するすることが大事です。中国はちょうど中学生のやんちゃ盛りにように見えます。

 またアメリカは中国の戦略核で狙われているので、いくら日米安保といっても、中国と日本の戦争(紛争)に軍事介入することは控えるという状況が生まれています。朝鮮戦争や台湾危機のように、アメリカ軍の軍事介入は行われません。

 そのような日本周辺の安全保障環境の変化を考慮しないで、日米同盟の強化だけを唱えていても役には立ちません。

 アメリカも中国を見放すのではなく、積極的に関与する必要性を感じて、米中の軍事交流を再開したと思います。今は中国に軍事の「キマリ」を説くことが重要です。

           北朝鮮が、心理戦で優勢と見ます。(3月11日)

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  神浦さんこんにちは。

 北朝鮮がテポドン2改の打ち上げを巡り、「最後まで駆け引き…」と、かなりの長期間「引っ張っている」印象が強 いですが、先週くらいから北朝鮮が、「東海を飛ぶ南朝鮮民間機の安全は保障できない」「衛星を米韓日が迎撃すれば、必ず非正規の報復を呼ぶだろう」と、一見「威勢は良いけど空威張りか?」と受け止められかねない声明を出し始めました。

  実はこれについては心理戦としては北はかなり自信満々で、堂々としていられる根拠が本当にあるのではないか?と、勝手ながら感じています。

  TVを見ると北朝鮮が、「南朝鮮民間機の安全は…」と声明を出した直後、大韓航空、アシアナ航空が最短距離の 「ピョンヤンレディオ」空域を外し、時間も燃料も余計にかかる日本寄りの航空路に改めた様子が伝え られていました。

「北は、これで同空域の航空管制料が入らなくなり貴重な外貨獲得手段を一つ失った」と言いますが、 どうも矛盾しています。「料金を取り、管制する」のなら撃墜はできないし、安全を保障しないなら 管制料は払わないぞ!と韓国も主張できそうです。

  燃料代が余計にかかるのは深刻な問題です。アメリカでは燃料高で倒産した民航も過去ありますからね。

 韓国民航のディスパッチャーたちの話を聞いていると、どうも彼らは「領空」「管制空域」「防空識別 圏」「200海里水域」それらの区別がついておらず、もしくは区別がついていないふりをせねばならな いくらい上層部も含め非常に怯えているのでは…?と感じました。

「領空侵犯」をしない限り北と同じ文法で「ウリナラ(我が国)の民間機に攻撃するなら、重大な報復 を招くぞ」と啖呵を切っても良さそうな気がします。

 李承晩ラインの時代のような「気合」がなく、韓国はどこか不自然に弱気に思えます。 何か北のただならぬ本気ぶり、その他カードに恐怖せずにはいられないのでしょうか。

 北朝鮮軍・報道官の「ウリナラの衛星を迎撃するなら…」の自信たっぷりの記者会見は、私見ですが浜田防衛大臣の失言を最大限逆利用した、ボクシングで言えば「クリティカルヒット」即ち「きれいにパンチが入った」功績ですね。

  やはり長年鍛えられた北の心理戦のノウハウは、健在でちゃんと実際に生かされているなと感じました 。

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 今日の朝日新聞の朝刊(政治面)に、昨日、麻生首相が記者団に、「ロケットと言おうと何と言おうと、日本に、上空をいきなり飛んでくる確率、極めて高い」と述べたという記事があります。しかしその根拠には触れなかったそうです。

 この記事を読んで、日本政府は北朝鮮の”はったり(心理戦)”に弱いなと感じました。北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空に飛んでくる場合は、人工衛星で打ち上げた場合と、日本を攻撃(威嚇)するために打ち上げる場合です。それがまだ正確にはわかりません。

 それなのに日本に飛んで来るという言い方は、北朝鮮を喜ばすだけです。北朝鮮が日本を脅したいのは”その点”にあるのですから。

 日本政府は、「北朝鮮が弾道ミサイルを発射すれば、国連安保理決議1617に従って制裁を行う。さらに追加の制裁決議案を安保理に提出する」とだけ言えばいいのです。

 中国は外交部長(外相)が訪朝して、金正日に訪中するように働きかけるようです。理由は中朝友好行事のためということですが、これは金正日にとって凄い圧力です。世界中のメディア・カメラの砲列の前に本人を引きずりだすというのですから。

 日本政府にもこれくらい知恵を絞った外交圧力を期待したいですね。まあ、北朝鮮にとっては最後の悪あがきでしょう。弾道ミサイルの発射に成功しても、失敗しても、自分で自分の首を絞めることに変わりはありませんから。

           今月から東京の大学院に進学します。(3月9日)

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  神浦さん、こんにちは。いつも拝見しています。私は京都に学んでいる00大学の学生(卒業)です。

 私事ですが、今月から東京に住み、国際政治を学ぶために00大学の大学院で勉強します。今まで、いつも神浦さんのHPを読んで、軍事情勢の知識や裏側を知ることができました。ありがとうございました。

 東京の新生活では神浦さんのオフ会に参加したいと思っています。私は高校は高知で、大学は京都で、大学院は東京です。これからの東京の生活に期待しています。

 オフ会の予定が決まったら、HPに掲示して下さい。楽しみにしています。

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 そうですか。これから東京で新生活ですか。ワクワクする気持ちがよく理解できます。東京の桜は4月15日頃が満開になると思います。東京の新しい友人を誘って、桜の下でお弁当を食べるといいですよ。

 今のところ、オフ会の予定はありませんが、これからは緊急のオフ会を簡単に開催できることを考えています。例えば、イスラエル軍のガザ侵攻で”対人白リン弾”が使われたら、1週間以内に都心の会場でオフ会を開催するようなやり方です。

 会場費が安ければ、話すのは私ですから講演料はかかりません。私のメリットは皆さんの質問を聞けることです。会場でどのような質問がでるか緊張します。それが良いのです。

 まあ、講演というより、一緒に考えるみたいなものですね。東京の新生活では、地下鉄、JR線、私鉄など、交通網に早く慣れるといいですよ。休日などは電車やバスの一日券を買って、地図を片手にいろいろ出かけてみてください。自転車でいろいろ走るのもお勧めです。

 困ったことや、分からないことがあれば、いつでもメールをください。私が出来ることならいつでも力になります。

           浜田防衛相の「ロケットでも迎撃」は荒唐無稽です。(3月5日)

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  神浦さん、こんにちは。(神浦・・・・これは昨日頂いたメールです)

  けさ早朝の日テレニュースで、浜田防衛大臣が発射準備中の仮称テポドン2号改の動向について 「ミサイルでなく、民生用のロケットだったとしても、途中失敗で我が国に墜落するなど事故の危険があれば迎撃する」 と記者会見発言した事について、これはタカ派、愛国心でも何でもなく荒唐無稽で、頓珍漢と言葉は悪いですが正直噴飯しました。

  ミサイルは慣性誘導、レーダー誘導他手段で狙った敵に「着弾」させるわけですが、民生用のロケットでも打ち上げ失敗で地上、海上に「墜落」することはあります。それで人や家、畑に被害が出ることもあるでしょう。

  でもそれも含め、「墜落の危険があるのなら、MDで迎撃する」は、ちょっと頓珍漢で敵を利すると感じます 。

  考えたらヨーロッパ、ロシアなど皆地続きの大陸国家では、民生用のロケットでも発射に失敗し途中で他国に墜落することは考えられます。

  島国でも、日本の町工場や高専が地域おこしのため打ち上げる衛星を「ミサイルでなく普通のロケットでも、我が国に墜落する恐れがある」とMDで迎撃、撃墜し「脅威は去った」という論法を用いる国があるでしょうか。

  ヨーロッパのアリアン、ロシアのソユーズ、中国の長征なども、小規模なものを含めればこれまで多くの失敗を経験しています。

  船舶や輸送機と違い「ロケット墜落保険」はまだ無いと思いますが、それら打ち上げ失敗で「国連制裁する」といった論法は、一見強気なようでも無知をさらけ出す愚に思えます。

  けさの浜田発言は、以後の日本の防衛にマイナスになりました。

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 人工衛星を打ち上げた際、失敗すれば支払われる保険はあります。しかし成功回数(割合)が高ければ保険料は額が下がりますが、人工衛星の発射実績がなかったり、失敗が重なれば保険料は割高になります。

 今までに日本でも失敗した人工衛星に保険をかけていなかったとか、打ち上げは成功したが保険料が高すぎたと問題になったことがあります。

 浜田防衛相のこの発言で奇妙なのは、防衛相のサイドを固める防衛庁が適切なアドバイスを行わないことです。久間氏が防衛相時代に集団的自衛権の議論で、与党議員から「北朝鮮からアメリカに向かうミサイルを日本のMDが撃墜できなければアメリカの信頼が得られない」という発言に、「北朝鮮からアメリカに向かうミサイルを撃墜することは物理的に無理」と説明しています。

 北朝鮮からアメリカに向かう弾道ミサイルの飛翔コースは北海道のはるか北を通過します。日本のMD(イージス艦)が撃墜したくとも、はるか遠くで撃墜できないのです。だから、久間元防衛相はそのように防衛省からアドバイスを受けたと思いました。

 しかし今回はメチャクチャな論なのに、だれも浜田防衛相の論にアドバイスを行いません。何か意図的なものがあるのか考えています。

           はじめまして、質問です。(3月4日)

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  はじめまして。突然ですがメールさせていただきました。

 毎日というわけではないですが、時々HPを拝見させていただいております。 奈良県で学生をしている0000と申します。

 メディアでは北朝鮮のミサイル問題(人工衛星と言っているようですが)の話題がよく出てきますね。
ミサイル攻撃だの、ミサイルを打ち落とすだのと。

 これは中東の自爆攻撃のようなもの、例えばリュックサックに時限爆弾のようなものを入れて通勤ラッシュ時の電車など、交通機関で爆発させる攻撃に国民の目を向けさせないために、あえて騒いでいるという可能性はないでしょうか?

 変な言い方かもしれませんが本格的なテロリスト(しっかりとした組織や基盤をもっているもの)や他国からの攻撃というよりも、国内での模倣犯のようなものを出さないため、あえて攻撃というとミサイルや核兵器といった大掛かりなものだと思わせているということです。

 昔オウム真理教が地下鉄でサリンをまいたということがありましたが、私はこういう攻撃方法がもっとも手軽にでき、怖いと思います。

 爆弾だって専門知識が少しあれば簡単なものは作れるんじゃないでしょうか。

 不況でヤケを起こし、世間に騒ぎを起こしてやろうと思う人だっているかもしれません。

 リストラされて生活ができなくなった、この経済危機を招いたのは無能な政府のせいだ、など会社や政府に恨みを抱いていて、どうせ生活できずに死ぬのなら最後に大きいことをしてやろう。そういうことを考える人だっていないとは言えません。

 パンなど売り物の中に針が入っていたというのと同じレベルです。それがテレビのニュースなどで流れると、必ず模倣犯がでてきます。それと同じ論理です。

 中東で自爆攻撃があった、体に爆弾を巻きつけて人が集まる場所で爆発させた。幾らニュースで放送しても、不謹慎なようですけど他人事です。はっきり言って私には身近なことではありません。

 しかし北朝鮮(別の国やテロ組織などでもかまいません)が日本に対してそういう爆弾を仕掛ける訓練をしていると報道すると、意外と身近に感じます。 身近に感じることは、真似をする人や模倣犯だって生む可能性があるんじゃないでしょうか。

 だから攻撃というとミサイルや核兵器という身近に感じない話題を選び放送している。そしてそういうものの方が、現実的なリュックサックに爆弾を詰めて……などよりも話題性があってテレビに適しており、さらに政治家は防衛予算獲得の材料にできる。

 そんなことを思ったしだいでメールさせていただきました。 考えすぎでしょうかね?(苦笑)

 長々と失礼しました。

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 メールをありがとうございます。読んで、若い人の視線を感じます。

 日本の多くの考えの中には、謀略史観というものがあります。例えば、オウム事件は北朝鮮の謀略機関が背後で操ったもので、サリンの製法は北朝鮮が教えたと考える人たちです。そのための理由付けとして、オウム幹部の00(逮捕)は北朝鮮籍の在日で、何度も北朝鮮に秘密渡航を繰り返していたと説明します。もちろん裏付けや確認をとっているわけではありません。

 最近は、01年9月の米国同時多発テロは米国防省が仕組んだもので、国防省に激突したのは旅客機ではなくミサイルだというトンデモナイことを主張している人も同じです。

 なんでもかんでも謀略で、今回の民主党・小沢党首の第一秘書が、西松建設からの違法献金で逮捕された事件でも、CIAが民主党潰しのための謀略という説がでると思います。

 その中には正しいものもありますが、多くは裏付けや確認をとっていないものが大部分です。そのように説明すると、なんとなく事実が繋がるので、作文を楽しむような感覚で「風評」が広がります。

 でも若い時は、そのような”想像のお遊び”に陥ることなく、より正確に真実を追究する姿勢を持続させることをお勧めします。自分の知識の不足を想像で補っては、大事な人生をドブに捨てるようなものです。

 材料を集め自家製で火薬を造ることと、それを使って爆弾を作ることと、その爆弾を仕掛けて爆発させることはまったく違います。自分で火薬を作れるから、テロリストの爆弾魔には誰でもなる訳ではありません。

 若い時は、疑問に正面から向き合い、その疑問を正しく解明していく努力が必要だと思います。そのことが自分を成長させるエネルギーとなると思います。

 どうも説教臭いことを言ってすいません。私が若い頃に読んだ本に、有斐閣社から出ていた「判例10選」(だったと思います)があります。簡単に実際の事件を取り上げ、その裁判の判例がいかに構成されたか説明してある本です。この本の内容が面白く、週刊誌を読むようにワクワクして読んでいました。すると真実に真正面から迫る考え方を学んだように思います。一度、図書館で調べてください。本当に面白い読み物になると思います。

 まちがっても謀略作家の0000さんのようなデタラメな本を読まないことです。国際情勢に鋭く迫るとカバーに書かれていますが、デタラメな想像の羅列でした。

           日本の宇宙開発で戦闘機パイロットと旅客機パイロットの組み合わせ。(3月2日)

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  神浦さん  いつもHP読んで勉強させていただいております。

 先日NASAの宇宙飛行士として、空自とANAのパイロットが選ばれたニュースはご存知だと思いますが、素人知識として、ジャンボ機のパイロットと戦闘機パイロットの組み合わせと聞い たときに、 Operationally Responsive Space(宇宙即応展開)の下地を防衛省が作ろうとして いるのかと感じました。

  既に米軍では、空中発射システムに成功して、地上発射システムを開発するための事務局を立ち上げていますが、

http://www.kirtland.af.mil/news/story.asp?id=123054292

 日本でこのようなことが直ぐには国会の承認が得られないため、NASAとJAXA共同の既存の宇宙飛行士訓練枠を抜け道にORS開発の初期段階として位置づけられているのでは? と勘ぐってしまいます。 そもそも宇宙開発は軍事と表裏一体なので、日本の軍事諜報活動や防衛通信システムが上がることは、 戦争の抑止力につながるので大変いいことだろうと思います。

  神浦さんの見解はいかがでしょうか? 日経BPの記事で空中発射システムはそんなにカンタンではない、と説いている記事もありましたので釈迦に説法かもしれませんが、 お送りしておきます。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090219/133333/?P=1

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 なるほど、私は気がつかない視点でした。しかし宇宙パイロットが技術者や研究者の段階から、実務者の段階に移行したとは感じていました。

 ですから2人を採用した側には、出来るか出来ないかわからないが、それくらいの要望があったように思います。しかし問題は日本で空中発射に必要な研究予算がつくかですが、いろいろな理由を考えても難しそうに思えます。

 それより、日本はこの二人を使って、アメリカの空中発射システムの研究実績を学ばせることができます。もちろんアメリカ側が了解して二人に協力するという前提です。

 これから公開・非公開を含め、二人が受ける訓練や講義に関心を持って見ていきます。最近のアメリカが軍事の一国大国主義に疲れたのか、日本に軍事のハード・ソフト両面で、軍事・戦闘技術を共有化する動きを強めています。


 
※これ以前のデータはJ−rcomFilesにあります。