映画 「パールハーバー」
日本軍の真珠湾攻撃をリアルに再現した。
空母艦載機が渡洋作戦で地上攻撃を行った初の作戦
7月、日本公開
| 言わずと知れた「日本軍の真珠湾攻撃を描いた」アメリカ映画である。日本の空母機動部隊によって運ばれた艦載機が、ハワイの太平洋艦隊を奇襲・空爆し、壊滅的な打撃を与えた作戦であった。 この戦争映画を、ギネスブックに申請するという巨大なスクリーン (35メートル・17メートル)と、スピーカーはロックコンサートの3倍という音響設備で見た。それも東京ドームの試写会場で、アリーナ席の前から10列ぐらいの席から見上げた。私のまわりには、若い女性が圧倒的に多かった。女性雑誌の試写会に応募した方たちで、戦闘シーンよりはラブストーリーに興味があるようだった。その証拠に迫力ある戦闘場面では、目を伏せている人もいた。どうやら映画の配給会社は、この映画を若い女性に見てもらいたいようだった。特に気になったのは、山本五十六大将など日本の軍人を描いた場面である。あまりにも日本らしくないのである。変な漢字の旗がはためき、神社の鳥居があるような場所で作戦会議をする。空母搭乗員が出撃する前には、蝋燭(ろうそく)を溢れんばかり灯し、武運長久を祈願するなど、いかにもミスマッチで趣味が悪そうである。しかし考え様である。もしこれが三船敏郎や山村聡のような名優が海軍軍人を演じたら、それこそパールハーバーは日本の戦勝映画になってしまう。日本の軍人を無国籍にすることで、この映画の悪役があいまいになり、日本での公開が可能になったのではないか。 ![]() この映画を見て、日本人として複雑な感情を持ったという人は、かなり真面目なタイプの人である。数年前のテレビの番組で、女子大生に「かつて日本と戦争をした国は?」という質問に、答えられない人が何人かいた。このが映画を終わっても、映画の「東京を空襲したアメリカの爆撃機が、そのまま海上(日本海)を飛行し、中国に不時着した時に日本兵や中国兵が出てくるシーンを理解できない人がいた。明らかに大学生(男の3人組み)が帰りの道で、「なんであんなところで日本軍や中国軍が出てくるんだ」と質問し会っていた。 肝心の戦闘シーンだが、空爆の恐さが十分に理解できた。今さら思ったが、真珠湾攻撃の成功はアメリカ軍の怠慢と油断であった。もうすぐ戦争が始まる可能性が高いというのに、日本の2個空母機動部隊が姿を消して探知できず、何の警報も出していなかったというのは怠慢である。 映画が終わって、主役の二人やプロヂューサーがいたとしても、観客から拍手が沸き起こったことで関係者はほっとしたのでなないか。それにしても会場に入るまでのチャックは厳しかった。警官多数が巡回していたし、手荷物検査も席につくまで2回である。7時半に上映が開始されて、終わったのは10時半だった。 爆撃の火災で火傷をして、肌をぶら下げたまま病院に向かう群れに、原爆で火傷をしてさ迷う被爆者の姿が重なった。いつも戦争とはむごいものである。むごいから戦争なのである。この現実に気がつかなくてはいけない。 (2001年 6月25日) |