今週の「異議あり」 戦域ミサイル(TMD)構想 

軍事評論家 野木恵一さん

 毎日新聞 1月13日 夕刊


 毎日新聞の小島記者の質問に、まず野木恵一さんが最初に答えたいのは、TMDに関する正確な説明と問題点である。「TMDは射程が1000キロから2000キロのミサイルで、日本が参加するのはイージス艦搭載のスタンダード・ブロック4Aです。これが高速(マッハ5や6)飛来してくる敵のミサイルを破壊するとする。しかし弾頭が核や化学弾頭だと、地上に降り注ぐ被害をなくすために、宇宙湯空間で完全な破壊が必要になる。そのための警戒・探知システムや、通信・指揮システムの技術、それに確実に命中させる誘導技術、また配備後も訓練(演習)やテストを行なって得る信頼性の獲得が難しい」。と話している。軍事の専門家ならわかるが、これだけのことを説明(解説)するには、分厚い専門書が1冊書けるほどの内容が含まれているのだ。

 またTMDは防衛的な兵器だという説には、「敵を攻撃できる兵器や戦力を持ったものが、その敵からの攻撃を防御できる兵器というのは、それは敵から見れば攻撃的な兵器である」と説明をしている。防衛庁や外務省の人は、TMDは防衛的な兵器と国民に説明しているが、この主張にどう反論するか聞きたい。この野木さんの論理こそが、東アジアの軍拡や軍事緊張をあおると警鐘を鳴らすのだ。この場合、敵を攻撃できるものとは、日米安保によって軍事同盟を結んだ日本とアメリカであり、敵とは主として中国や極東ロシアを想定している。北朝鮮のテポドンなどTMDを導入する口実でしかないのだ。

 予想もつかないほどTMDの開発や配備の莫大な費用も問題だと言う。そのお金を東アジアの核削減などに使え方が、あるかに緊張緩和に結びつき、地域の平和や繁栄に役立つと締めくくっている。

 ここから先は私の感想だが、だから自自公は危険なのである。まさに日本の政治が昭和15年に大政翼賛会を組織し、太平洋戦争に突入していった時代の教訓を忘れたとしか思えない。