中国政府が外交政策として掲げる「1国2制度」というのは、香港返還で示された特別行政区のことである。あくまで中国の主権が根底にあるが、特別の地位や環境が50年間は優遇される特別行政区のことである。特別の地位や環境というのは、主として(1)外交・軍事政策を除く高度な自治が保障される。(2)言論、出版、結社などの自由が保障される。(3)国際的な金融ーセンターや自由港とての機能が保障される。といった特別の待遇を中国政府認めた行政区である。これが台湾統一政策にも適応するというのが、江沢民主席がいう中国政府の対台湾への外交政策である。 これに対して、1997年7月3日に台湾の李登輝総統は、「民主を追求し、自由を守る2150万人の台湾人は、中国政府の1国2制度を認めるわけにはいかない」と記者会見で明らかにした。97年8月25日からの第15回全国民党大会では、李登輝総統はこの声明で圧倒的な支持で3選された。中国本土よりはるかに民主化が進み、経済的に裕福な台湾が中国の政策に従うのは、とうてい台湾の人々の同意が得れないという主張がある。 これに対してアメリカは、1998年6月下旬に訪中したクリントン大統領は、台湾の独立を支持しないことなどの「3つの不支持」を中国政府に表明した。しかし同年7月10日には米上院で、「アメリカの台湾に対する公約の確認」の決議案がだされ、全会一致で採決されている。同月20日にも下院でも圧倒的多数で採決された。これは1979年4月に承認した「台湾関係法」を再確認したものである。「台湾関係法」には、台湾が平和的な方法以外で統一された場合は、アメリカは太平洋における脅威とみなすと規定されている。そのために台湾に必要な武器の輸出を許可するという。また、米大統領は中国に対して武力による統一を放棄するように宣言すると示されている。同法律は別名「台湾戦争法」とも呼ばれ、台湾の軍事危機に対してアメリカは軍事介入するというものである。 写真は読売新聞の12月20日朝刊lに掲載されたマカオでの返還式の様子 |