威力偵察とはなにですか
 自衛隊の野外令の第4編第2章「攻撃」には、情報活動という記述のなかに、次のような文章があります。

「敵情・地形に情報中、敵の配置と兵力特に敵陣地の前縁及び翼、集結部隊、敵陣地の弱点の所在は特に重要である。また、接近経路、築城構造物の位置、種類、強度特に地雷原の位置、規模、形式、砲迫の位置、指揮、通信中枢等に関する情報が必要である。秘匿良好で周到に準備した敵陣地の配備及び弱点を暴露させるため、威力偵察を実施することがある」


 要するに、チェチェンの首都グローズヌイのように、武装勢力が市街地を盾に強固な防御陣地を築いているような場合は、戦車や装甲車の偵察部隊を進入させ、反撃(攻撃)を受けても敵陣地の情報を得るという強行的な偵察方法のことである。市街戦の場合は、航空偵察や小規模な偵察隊員の侵入で詳細な情報を得るのは難しいからだ。チェチェンの武装勢力は、ロシア軍の威力偵察部隊をわざと市内中央に招き入れ、ビルや地下道に隠れた対戦車火器で一気に攻撃したようだ。威力偵察部隊は、敵と接触して戦闘を行いながら情報を得る部隊ある。ロシア軍偵察部隊がグローズヌイ市内に進入しても、武装勢力が意図的に攻撃を控えれば、敵の罠なのなかにどんどん招き入れられる危険があった 写真はロシア軍の装甲車(上)とRPG-7対戦車ロケット弾を運ぶロシア兵(下)。撮影 神浦 元彰