カルトか宗教かの見分け方

  12月9日の読売新聞夕刊「よみうり寸評」にカルトか宗教を見分ける方法を書いていたので紹介する。 

 「カルトか宗教か」(竹下節子著 文春新書より)

      (1) 勧誘の仕方がしつこい。うたい文句の約束は果たされたか。
      (2) 教義に一般的な科学知識とかけはなれたものはないか。
      (3) メンバーは自らを特別に選ばれた人間と思い込んでいないか。
      (4) グループでしか通用しない特殊な言葉が多いか。
      (5) 祈りや修行に集団的な熱狂や異常な感動があるか。
      (6) 金銭はどう集め、だれが使うか。収支は公開されているか。

   要するに、しつこい勧誘、理解を超える教え、金銭の異常な要求には気をつけろということだそうだ。

 最近、ミイラ化した死体を生きていると説いたり、足の裏で運命がわかるという似非(エセ)宗教家が話題になっている。そんなデタラメをどうして人々〔信者〕は簡単に信じてしまうのだろか。オウムもそうであるが、人はいったん心を奪われると、元に回復させることは非常に困難である。だから人の心を支配するカルトは始末が悪いし、それによって起される犯罪は悪質なのである。

 一見するとこのような事は、個人の心や精神の問題で、軍事問題とはまったく無縁かと思われる。しかし実は、このような洗脳のやり方を、論理的に研究して応用したり、または逆に防止するような研究は、軍事部門の重要な研究項目である。軍事研究では心理戦というジャンルに入れられ、銃や戦車などの兵器を使わず、紙〔印刷物〕や電波(テレビ、ラジオ)、それに口コミや映像〔ビデオなど〕を使って、人の心を自由に操ろう(あるいは防ぐ)とする技術を研究することである。心理戦は戦時に限定されず、平時にも行なわれるために、マスメデアが発達した現代では特に重要性を増している。その心理戦の研究を行なっているが、小平市(東京都)にある調査学校の対心理戦課程である。

  カルトを軍事の心理戦知識で分析すると、さらに細部の特徴や、仕掛けを読み取ることが可能ある。戦後の時期に、旧軍の中野学校〔心理戦を教えた〕の卒業生が、自らが教祖になって宗教を興したり、新教宗教の顧問となって布教に尽くした連中がいた。カルト、洗脳〔マインドコントロール〕、心理戦、これらはすべて同じ土壌で養殖される人の心をターゲットにした戦争である。その心理戦の論理を知れば、「オウムや法の華」など子供だましの、詐欺士集団でしかないことがわかる。
 
 私はオウムの地下鉄サリン事件が発生したとき、サリンなどの化学兵器を専門に研究している「自衛隊・化学学校」の研究員〔幹部自衛官〕が、どうしてテレビなどに積極的に登場し、サリン対策を話さないのかと文句を言ったことがある。自衛隊はサリンの研究をしていることが国民に知れ渡り、それで非難されることを怖れ、国民がサリンの恐怖に怯えているのに、ひたすら沈黙を守ったのである。
 今回も同様である。カルト集団が人の心をまどわして支配し、悪質な資金集めを行ない、日本の社会を混乱させている。自衛隊調査学校の対心理戦課程の研究員クラスは、テレビや新聞などに積極的に登場し、危険なカルトの特徴と対策を話すべきである。それが出来ないのなら対心理戦研究などやめてしまえ。税金の無駄遣いばかりか、反国民的な研究と勘ぐられてもしかたがないからだ。