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左の図は、小学生の頃に図工が大の苦手だった私が作図したものです。不審船と巡視船の位置関係と、不審船が搭載可能なRPGー7ロケット砲やAT−3 サガー対戦車ミサイル、それにAT-6 スパイラル対戦車ミサイル(ロシア製・北朝鮮はまだ未配備)の弾道を表しています。
昨年12月の不審戦事件のときは、砲安定装置付きの20ミリ機関砲を搭載した巡視船「みづき」は、不審船から常に300メートルの位置を維持していたそうです。この距離なら、海が荒れているので双方の船が激しく揺れ、RPG7対戦車ロケットは無誘導のためほとんど命中しません。北朝鮮が配備している最も小型の対戦車ミサイル「サガー」は、射程が500〜3000メートルとなっています。これはサガーをまず上空に向けて発射し、加速させて戦車のいる地表面スレスレに降下してきます。すなわち加速する500メートルまでは地表(海面)を狙うことはできないのです。ですから荒天時に巡視船が、不審船と300〜400メートルの距離を維持することは、有効なRPG7やサガーへの対抗策になるのです。
本来なら、この距離は機関銃(砲)が隙間を埋めるために搭載されますが、機関砲でも波で揺れる上に目視による光学照準なら、高い命中制度は期待できません。巡視船の砲安定装置付きの20ミリ機関砲なら、もし不審船の機関砲に発射されれば、直ちに反撃して正確な精密射撃で制圧が可能です。
さて770トンクラスの巡視船(平成14年度配備)に、砲安定装置付きの30ミリ機関砲が搭載され、その最大射程が7キロといわれています。この最大射程7キロという数値は、おそらく対戦車ミサイル「スパイラル」を意識した数値と思います。スパイラルの射程は最大6キロです。これに対して、30ミリの機関砲が7キロということは、スパウラルのアウトレンジ(射程外)から射撃が可能といういう意味です。まさか海上保安庁の巡視船が、対戦車ミサイルを搭載することはできませんから、30ミリ・7キロ・精密誘導というのは、不審船対策を理由に装備を拡張するには最大の意味付けになるでしょう。
しかし現実的には海が荒れた海上で、7キロはなれた動く目標に精密誘導で射撃を行なうことは不可能です。サンケイ新聞(02年1月22日付け)によれば、こんなことをすべての大型巡視船に搭載を検討するというのは、砲安定装置のことが良く分かっていないとと思います。機関砲は発射されれば、ミサイルのように飛翔コースを変更することはできません。しかし不審船は波やスピードで激しく上下左右に揺れます。機関砲弾が発射され飛んでいる間に、目標が動いては命中できるわけがありません。あくまで機関砲弾を精密に命中させるためには、0.5秒以内に命中する短い距離が重要なのです。7キロで精密目標を狙うという説明は誤解を招きます。せいぜい1〜2キロが限界です。
もし300メートル、400メートルに脅威を感じるなら、煙幕を使うという方法があります。海面に浮かぶ発煙弾を機関砲のようの発射して、不審船の周囲に厚い煙幕を張るのです。むろん不審船がスピードを出して逃走中はできませんから、相手が停船し、なお抵抗の意志を見せたら煙幕を張って、ミサイルや機関砲の発射を妨害する方法です。これは巡視船の周囲に厚い煙幕を張るという手もあります。
まあこのように考えると、30ミリ機関砲の7キロ精密射撃というのが、いかに無謀なことかわかると思います。そこで私は突然に提案しますが、海上自衛隊と海上保安庁の迅速な情報提供も大事ですが、双方で年間100人程度を交換派遣して勤務させては如何でしょう。互いの知識や感覚がバラバラでは、これからの緊急事態に海自と海保は、共同してうまく対応できないような気がします。まあ、いろいろ問題があることは知っていますが・・・・・。
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