特殊部隊を救出する戦闘プロフェッショナル部隊


孤立した特殊部隊!敵の包囲を打ち破って空から救出!


『コンバット・レスキュー部隊』の殴り込み戦法

 特殊部隊の最大の弱点は軽武装であるということである。潜入経路を敵に発見され難い空や海とするため、持ち込む装備(兵器や弾数など)が限定されることである。また少人数で行動することが多いいので、多数の敵と遭遇した場合は極めて劣勢である。そのため、大規模な特殊作戦を実施する場合は、特殊部隊を救出するために特別のチームを配備する。それがコンバット・レスキュー部隊である。特殊部隊の作戦区域から150〜200キロ以内に1ヶ所は設置することが望ましい。要するに、作戦中の特殊部隊から救助要請があって1時間以内に到着できる範囲である。(逆に正規部隊は、航空攻撃や砲兵隊から支援を得たり、戦車や装甲車を使用して機動・打撃力を行使できる。このように特殊部隊とは比較できないほど正規部隊の戦力は強力である) 

 コンバット・レスキューの救助作戦をわかりやすく説明するために、具体的な例をあげて説明します。仮に米特殊部隊の10名が、夜間のうちにアフガン北部の山間部に降下し、穴を掘って監視ポイントを作ったとします。穴の上部を偽装網や草木で隠し、周囲に広がる峠や山道を監視し、ゲリラの移動を探るのが彼らの任務である。3日後、山羊を追ってアフガンの農民が通りかかった。その時、農民の番犬が特殊部隊の穴にむかって激しく吠えた。しかたなく特殊部隊はその番犬をサイレンサー付の銃で射殺した。それを見た農民は、特殊部隊が潜む監視ポイントにむかって、猟銃を何発か発射した。その銃声に付近の峠を移動中のゲリラが気がついた。農民は監視ポイントを指差して、「アメリカ兵、アメリカ兵だ」と叫んだ。ゲリラはトラックから降りて、特殊部隊が潜む監視ポイントに向かって登り始だした。そこで特殊部隊は、「メーデー、メーデー。至急、救援を求む。緊急事態発生!敵に包囲された。敵がトラックで続々と到着している。至急、コンバット・レスキューの出動を要請する」と、無線で叫んで、救助を要請したのだ。

 最初に駆けつけたのは、ジェット・エンジンのA−10攻撃機である。10分もたっていないのに飛来したのは、上空でCAP(戦闘・空中待機)中だったからだ。このA−10攻撃機は、無線で地上の特殊部隊と通信し、最初に攻撃すべき敵の目標を確認する。まだ敵が山を登り、監視ポイントに到着するには時間がかかることから、ゲリラを乗せて路上を走り来るトラックを攻撃する。30ミリの機関砲の威力は絶大である。急降下の機銃掃射で、路上のトラックは横転し、燃え上がり、ゲリラは全身をずたずたに引き裂かれて生き絶えた。こんどは山の斜面に向かい、急斜面を登るゲリラの頭上にクラスタ爆弾を投下する。クラスタ爆弾で一瞬はひるんだゲリラも、再び、岩陰から這い出し監視キャンプに向かって登り始める。そこにコンバット。レスキュー所属のMH−60ガンシップが飛来した。山稜や谷を縫うように飛行し、ゲリラに接近しては側面の7,62ミリチェンガンを猛射する。最大1分間に3000発の発射速度のチェンガンは、銃弾の嵐をゲリラに浴びせ掛ける。狭い渓谷を使って監視キャンプに近づこうとしたゲリラには、地雷散布ヘリから大量の対人地雷が渓谷に散布された。この対人地雷は、数時間後には自爆して自らを無力化するタイプである。

 最後の仕上げは煙幕弾の発射である。ゲリラと監視ポイントの間に大量の煙幕弾が発射される。もうもうと白煙が当たり一帯を包んだ。そこに特殊部隊を収容するために、MH−53ペイブロウが強行着陸する。監視ポイントは白煙のためゲリラからは見えない。急いで監視ポイントを出た特殊部隊は、MH−53に転げこむように飛び乗る。それでも銃弾の何発かが、「バシー、バッシー」とヘリに命中する。しかし銃弾は厚い装甲板に阻まれて、パイロットや機器に損害を与えることはできない。ヘリの回転翼も銃弾があたっても、大きなダメージを受けない材質でできている。コンバット・レスキューは救助要請無線を受信して1時間後には、特殊部隊員全員を収容して基地にむかった。

 これがコンバット・レスキューの作戦である。戦闘機や攻撃機が撃墜され、敵陣の真っ只中にパラシュートで降下したパイロットでも、コンバット・レスキュー部隊は救出する装備と訓練を受けている。このコンバット・レスキューがいなければ、大部隊が待ち構える敵国に特殊部隊は送れないのだ。
写真は特殊作戦ヘリMH−53に空中給油するMC−130Pコンバット・シャドー。同時に2機の給油が可能である。