| 戦争の世紀と呼ばれた二十世紀の最後の時に、近代的な世界ではどんな兵器が重視され、今も研究されているのだろうか。そもそも軍や兵器の近代化とは、どのようなことを問題にするのだろうか。皆さんはそんな疑問を感じたことはないだろうか。 簡単に「それはC4Iだ」と、オウム返しに言われても困る。なにもかもC4Iの一言で軍の近代化が語れるほど、この課題は単純ではないはずだ。 むしろ新兵器に求められるのは、機動がしやすく軽いということ、破壊の精度が抜群によい事。昼夜や雨天荒天に関係なく使用できること。小人数(無人でもいい)で操作が可能なこと。敵が対抗手段を持っていないもの。そんな言い方のほうが、これからの兵器の近代化を語るにはより適している場合が多いいような気がする。 例えば、地対空ミサイルは、大型のものであっても空輸が可能で、現地到着後に何分間で展開できるといったことが重要になる。例えば、日本も研究に参加すると表明したTMDだが、アメリカで作られたTMDの解説書を読むと、大型輸送機(C−17など)が何機で空輸が可能とか、現地到着後に何時間何分で稼動できるかということが説明されている。小型の携帯SAMであれば、より軽く高精度の命中率で、敵の航空機ばかりかミサイルまでも迎撃可能な性能が求められるだろう。 敵が対抗手段を持たないというのは、まさにステレス性能を飛躍的に向上させた航空機や艦船のことであり、また、敵がこちらがわの電子戦に対し対応できないような電子兵器(サイバー兵器を含む)を持つことである。 そのように考えると、消えていく兵器はこの逆をゆくものである。重量が大きなものは不利である。大量の爆弾を投下する大型爆撃機は必要がない。固定陣地で運用する対空ミサイルは消えていく。煙幕やチャフで目標を見失う兵器は生き残れない。暗闇で行動できないものも存在価値はない。 例えば、50トンクラスの重戦車である。遠距離輸送に不便だし、道路や橋の強度で機動に制限を受ける。また大型ゆえに燃料も多量に消費するし、整備や補給のデメリットも大きい。重戦車(大口径火砲、ぶあつい装甲)ゆえのメリットは、対戦車兵器の高性能(ハイテク)化で失われた部分が多い。 もし重量が30トンクラスで、発射速度早い機関砲を装備し、射程が十キロ以内の対戦車ミサイル数基を装備した軽戦車に、50トンを超えた重戦車が戦場で勝てるだろうか。戦車廃止論とは言わないが、重戦車は21世紀の戦場からは姿を消すだろう。 そんな考えを整理してみると、歩兵の役割はセンサーとしての役割が主体で、それに兵器の操作盤を作動さすことと、そしてきわめて小さな脅威を排除するためのものでしかないような気がしてくる。歩兵が今までのように広野や砂漠を走りまわって、歩兵らしい戦闘をするような時代はもう来ないかもしれない。 そんな視点で、もう一度世界の兵器を考えると、将来は無用な兵器になるものが意外に多いのに気がつく。それと同時に、今までは重視されなかった兵器が注目されだしたものがある。新しく注目をされだした兵器に、大口径・長射程の狙撃銃がある。口径12.7ミリ、射程2000メートル以上の狙撃銃である。これで狙われたら、防ぐのは非常に困難になる。値段は数百万円で購入可能だ。21世紀の戦争もやっかなことになりそうだ。 |