米軍EP3機と中国軍機の接触事故


非常識なのは中国側の対応である。


米国政府は『謝罪の必要なし』。!

 中国海南島の南の空域で、米軍の電波情報EP3と中国空軍のF−8戦闘機が接触して、中国軍機は海上に墜落した。またこの接触事故で損傷を受けた米軍EP3は、海南島の中国空軍基地に緊急着陸した。この事件が発生して6日たった。現在(4月5日)までのところ、中国はアメリカに謝罪と偵察飛行の禁止を要求しているが、アメリカ側は「戦闘機パイロットが行方不明になっている点のみ遺憾」とする声明を発表したが、それ以外の要求は拒否している。

 中国側はEP3の機体の写真を公表し、EP3が急に左にコースを変えたために、左翼端のアンテナ、左翼のプロペラ、機首のレーダー覆いと、左側を飛行中の中国軍機に接触して墜落したと公表した。だから米軍機が悪いというのだ。中国の軍事常識がこの程度だとは驚いた。この接触事故で悪いのは、中国軍機であることは世界の空軍関係者ならだれでも知っている。そもそも公海上で異常にEP3に接近したのは中国軍機である。ちょっとコースを変えられると、それを避けれないようでは戦闘機パイロットの責任である。海の世界でも空と一緒だが、運動性能の高い船は、運動性能の劣る船を避けるという大原則(海上衝突防止法)がある。空でもプロペラ機のEP3とジェット戦闘機のF−8であれば、当然ながらF-8には危険が予知できる場合は回避する義務がある。もしEP3にチキンレースを仕掛けるなら、それ相応の技量をもってやって頂きたい。今回の中国の対応はまるで子供の喧嘩レベルでみっともない。

 中国側は戦闘機パイロットが行方不明だということを問題にしているようだが、海南島の南104キロの海域にパラシュートで脱出したパイロットを救出(あるいは遺体の収容)ができないようでは、中国空軍のレスキューの能力が低いというだけの問題である。それをアメリカにとやかく言うことはできない。中国空軍の総合戦力(パイロットの技量やレスキュー能力)は意外と低かったようだ。写真下は中国政府が公表したF−8の王偉パイロット。

 またこれを機会に、米国に偵察飛行の禁止を求めているが、それも国際軍事常識に著しく反する要求である。自国の領空に侵入しての偵察活動されたならともかく、公海上の空から特定国の情報を収集することは禁じられていない。それを堂々と要求する中国ははるかに非常識である。むしろ中国クラスの国なら、軍事の信頼醸成という観点からすれば、この程度の情報収集活動は黙認することが必要である。

 結論を言えば、江沢民主席は軍を完全に掌握できていないので、このように軍を異常に庇う(気を使う)ような対応をするのだろう。と、いうことになる。やはりこのあたりが、軍を完全に抑えていた搶ャ平とは格が違うようだ。中国政府はEP3の乗員を一刻も早く返還し、EP3の機体はゆっくり見物をしてから返還してもいいから、米中の事態の収拾をはかるべきである。もう今の段階で、中国は国際的に大恥をかいているぞ。(4月5日)