日本の手製爆弾事件に「ランク付け」を提案する

初歩の中学生程度から、テロのプロフェッショナルクラスまで


爆薬・本体・起爆装置・設置方法などで区分

 12月4日(月)に新宿のビデオ店で爆破事件が発生した。犯人は栃木県の県立高校2年生で、手製の爆弾を店内に投げ込んで爆発させた事件だった。報道によれば、手製爆弾は金属のマグカップに花火の火薬を詰め、その中に殺傷効果を上げるためにネジ釘を混ぜ、マグカップの周囲にもカッターナイフを折ったものを置き、それらをビニールテープでグルグルに巻きにして密閉したものだった。起爆は花火の導火線によるのもで、高校生はビデオ店内に入りライターで導火線に火をつけ、この爆発物を床に放置して爆破させた。

 いつものことだが、このような爆弾事件の直後には、私にところに電話の問い合わせが殺到する。相手はいろいろなマスコミ各社で、爆弾の製造法や事件の特徴などを問い合わせるものである。そして質問の定番は、「今回の爆弾の構造を教えてくれ」から始まり、「どの程度の専門知識で作れるものか」「インターネットで爆弾の作り方がわかるのか」「爆弾の作り方を書いた本があるが参考になったと思うか」などの質問である。

 そこで、「この程度は中学生の理科の知識で十分です」「起爆装置は電池とラジコンなどのエンジンに使うプラグを使っています。これも中学生程度の知識でできます」「火薬は花火を集めれば原始的な爆発物は出来ます」などと答えている。そんな答えをすると、「そんなに簡単に爆発物が作れるんですか。危ないじゃないですか」ということになる。そうなのだ。爆発物は簡単に作れるから危ないのだ、そんな常識が通じていなかったことに私が驚いてしまう。

 
そこで私は軍事常識に基ずき、爆発物のランクを以下の4つに分類することを提案する。

 
レベルD(中学生クラス)
 火薬は花火など市販のものを集めて作る。ゆえに火薬重量は300グラム以下である。起爆装置は導火線や電池とニクロム線(フィラメントやプラグなども含む)を使い、電池式はまず通電させその熱で起爆させる装置を用いる。爆弾本体はコップや箱など、身近な容器を使用し特別に加工していない。設置場所は爆発時の爆風効果や破片効果などを特に前提にしていない場所や方法である。

 
レベルC(高校生クラス)
 火薬は黒色火薬など簡単な火薬を自分で調合して作る。ゆえに火薬重量が300グラムをはるかに超える大量な火薬を用いた爆発物である。起爆装置は単純な電池式のほか、タイマーなどと結合させて好みの時間に爆発が起こるような仕掛けを用いる。またワイヤーなどと結合させて、特定の場所や人物を狙えるようにする。爆弾本体は鉄パイなどを加工し、密閉度を高めて大きな爆発効果が得れるように工夫されている。設置場所は人通りが多い場所など、被害目的(目標)を曖昧ながらも設定している。

 レベルB(大学生クラス)
 火薬は軍用のものなどを密輸で入手する他、大学の実験室などで高性能火薬を自分で調合して作る。爆弾本体は各種の部品を専用の工具を使って加工組み立てし、爆発目的によって爆弾本体の構造や材質を決めて製造する。爆発目的が明確で、設置場所も爆発目的で決められている。また起爆装置は確実性を高めるために複雑であるが、安全な運搬(移動)を可能する細工(静電気、雷、振動など)がなされている。

 
レベルA(プロフェッショナルクラス)
 軍隊などで高度な爆破物の専門訓練を受け、あらゆる場所や特定の時間で爆破を可能にする技術と材料を入手している者が作る爆発物である。単に殺傷や破壊を目的の爆破に限定せず、橋や建物などの構造から計算し少量の火薬と、最少の作業量で最大の爆破効果をあげる能力がある。また相手側の阻止や妨害に対しても、それらを無能化して爆破を行うことが可能な爆発物である。

 以上のように分類すれば、爆弾事件に対応する組織も容易に分類ができる。
 レベルDは警察・機動隊クラス。レベルCは警察・爆発物処理隊。レベルBは警察の爆発物処理隊と自衛隊の武器隊等。レベルAは自衛隊の爆発物処理隊という具合である。

 あくまでこれは「案」で、まだまだ検討を加えて改良する必要があると思う。しかしこのようなレベル分けは絶対に必要で、そのためのたたき台としてこれを掲示すます。皆さんで参考意見などがあればメールをください。このレベル表を完成させ、J-rcomの手製爆発物標準レベル表として活用したいと思います。                     2000年12月9日