偵察衛星写真の解像度
 右の写真は1月8日の読売新聞・朝刊の一面トップに掲載された「北朝鮮のテポドン基地の全容」を示す偵察衛星写真である。テポドンの発射施設研究施設、それに作業員宿舎やエンジン・テスト施設らしきものが写っている。この写真は米スペースイメージング社(本社コロラド州 デンバー)の衛星「イコノス」が撮影したもの。場所は北朝鮮の東海岸にある舞水端里(ムスダンリ)である。北朝鮮は98年8月31日この発射場からテポドン1号を発射した。イコノスが搭載しているカメラの解像度は1メートルである。

 この写真の公開は、2002年に日本が導入を進めている偵察衛星に、開発リスクの大きい国産の偵察衛星ではなく、日本に「イコノスの導入」を勧めるためと推測される。

 それに北朝鮮が海に近い舞水端里の基地を廃止して、内陸の北部(中国国境の近く)に新たなミサイル基地を完成させたので、このような写真の情報価値が下がったからと思われる。秘密基地が海岸から近ければ、米軍の新型偵察E-8A/JSTARSの合成開口レーダーで、公海上からでも地上の偵察が容易になったからだ。JSTARSの合成開口レーダーは、東京の上空を飛行中でも、名古屋を走っている車の方向やスピードそれに、車種(トラックか乗用社車の区別)まで識別が可能である。北朝鮮がミサイル発射基地を海から離れた内陸部に移した理由はこのためである。

 
 左の写真は米アース・ウオッチ社が公開した偵察衛星の写真。解像力は左端が10メートル、真ん中が3メートル、右端が1メートルである。ちなみに日本が導入を目指している偵察衛星の解像力は1メートル。スペースイメージング社は三菱商事が出資、アース・ウオッチ社は日立製作所が出資している。偵察衛星写真の需要は、近い将来に1000億とも2000億ともいわれる市場が予測されている。(上段の写真は2K年1月8日の読売新聞 朝刊から、下段の写真は97年3月22日の朝日新聞 朝刊から転載しました)