地雷(対戦車)の処理の仕方
 対戦車地雷は戦車ばかりか、輸送トラックや装甲車にとって大きな脅威であり障害になります。通常の大きさは洗面器ほどですが、爆発すれば戦車のキャタピラを切断したり、車底を突き破る威力があります。カンボジアのポル・ポト派の幹部に聞いた話ですが、乾季になるとカンボジア西部に進行して来たベトナム戦車部隊に、ポル・ポト派は凄い地雷戦を考案して戦っていたそうです。それは幹線道路の中央に2〜3メートルぐらいの穴を掘り、その中に対戦車地雷を5〜7個ぐらい縦に積んだそうです。その上に1メートルぐらいの木の幹を立て、そうして地雷の穴を埋めて仕掛けました。その道路の周辺には、大量の対人地雷も埋めていたそうです。
 
 あらかじめ道路を地雷探知機で探っても、地下深く埋められた対戦車地雷を探知することはできません。何も知らないベトナム軍は戦車数両を先頭に、輸送トラックや装甲車でこの道を進んで来ました。まず先頭の戦車が対戦車地雷の上にある木の幹を踏んで、数個の対戦車地雷が一斉に爆発します。この爆発音と威力が物凄いそうです。先頭の戦車は空中高く吹飛ばされ、バラバラになって地上に落ちてくるそうです。後続の戦車も強いショックを受けてパニック状態になり、道路中央を避けて道路の脇に急停車をして乗員が飛び出してきます。さらに後続の輸送トラックも道の両側に逃げ込んで、兵士達は恐怖のあまり地上に飛び降りて逃げ出します。そこで対人地雷が次々と爆発をします。さらに付近に隠れたポル・ポト派のゲリラが、パニックに陥ったベトナム兵に向けて機関銃や自動小銃を乱射します。

 このように対戦車地雷は、単に爆発威力だけではなく、正確に目標を捕らえる点や、その大きな爆発音で敵にパニックを与える効果があります。敵が通過しそうな交通路、敵に使用してほしくない地域などに、あらかじめし掛けるだけで効果が期待できますから、今後も対戦車地雷の価値はさらに高まるでしょう。

 さて、対戦車地雷に限らず、対人地雷を含めて処理のしかたですが、かなり面倒なことになります。まず最初に必要なのは探知です。超音波を使った地雷探知機や、人力で探知棒を使って探知する方法が一般的です。そして処理の仕方は、爆破して誘発させる爆砕処理がもっとも簡単です。探知した地雷を掘り起こして、起爆装置を解除させることを活性化といいます。
 
写真はカンボジア西部に埋められた地雷原の警告マーク。「国連とかいう兵士がやってきて、わしら村に地雷があるかと聞いた。地雷ならあの藪の中に山ほど埋まっていると話したら、赤い紙を張った立て札を立てていった」と、村人の一人が話していた。撮影 神浦 元彰